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空調システム設計時に見込む余裕率に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)空調システム設計時に見込む余裕率に関する研究. 浦山 はじめに. 1.. 真一. 3.2 最大負荷計算結果. 空調システム設計時において、設計者は内部発熱や気. 最大負荷計算時に見込まれる余裕率を表 3 に示す。内. 象条件、機器の経年劣化等の不確定な要素に備えて余裕. 部発熱の設計原単位と実態の差や余裕率が最大負荷計算. を見込む。しかし、過剰に余裕を見込んだ空調システム. 結果に与える影響を見るために 4 種類のケースで計算し. は機器効率の悪い低負荷運転の頻度が高くなり、エネル. た(表 4)。各ケースの最大負荷計算結果を表 5 に示す。. 1). ギー消費量が増大することが報告されている 。リスクを. 内部発熱の設計原単位と実態の差により最大負荷は約. 伴わず過大設計とならない空調システム設計を行うため. 23%大きくなり、余裕率を見込むことにより最大負荷は. には、不確定な要素の実態を把握し整備する必要があり、. 約 21%大きくなった。Case A と Case D には約 40%の差が. このような背景のもと、特に事務所ビルにおいて内部発. あり、不確定な要素によって最大負荷に大きな余裕が見. 2)3)4)5)6)7)8)9). 込まれていることが分かる。また、設計用屋外条件は気. 熱に関する実態調査が数多く実施されてきた。. 本報では、標準的な中規模事務所ビルを想定し、空調. 象要素別の統計処理により選定された気象観測値であり、. システム設計時に見込まれる余裕率が、建築物の LCE、. 現実にないような過酷な気象条件となっているため、実. LCCO2、LCC にどのような影響を与えるかについて、ま. 際にはさらに余裕が見込まれていると考えられる。. た余裕率の異なるシステムが気象条件や機器の経年劣化 によりどのような影響を受けるかについて検討を行う。 内部発熱の実態. 2.. 内部発熱の現在の設計原単位と調査結果を基に整備し た内部発熱の実態を表 1 に示す。内部発熱の実態は 2006 年~2010 年に実施された一般的な中規模事務所ビル 16 件の調査で得られた最大値の平均をとったものである。 内部発熱のいずれの実態も設計原単位を下回っており、 設計時に過大な余裕が見込まれていることが分かる。 空調システム仕様の決定. 3.. 図1. 3.1 最大負荷計算概要 最大負荷計算は建築設備設計基準. 10). に基づいて行う。. 表3. 基準階平面図(単位 mm). 最大負荷計算時に見込まれる余裕率. 対象建物は日本建築学会オフィス用標準問題の建物モデ ル. 11). 不確定要素の種類. を基に作成した。建物モデルの概要を表 2 に、建物. 室内負荷集計時. の基準階平面図を図 1 に示す。なお、計算を簡単にする ため全ての階の平面図は基準階と同じとし計算した。 表1. 機器発熱[W/m2 ]. 人員密度[人/m2 ]. 設計原単位. 20.0. 30.0. 0.200. 実態. 15.8. 18.3. 0.147. 階数 基準階床面積 執務室室床面積. 地上10階 2. 826.56m. 2.6m. 窓面積比. 30%. 1.05 1.05. 最大負荷計算ケース 内部発熱設定値. 余裕係数. A. 設計原単位. ○. B. 実態. ○. C. 設計原単位. ×. D. 実態. ×. 表5. 605.16m2 (東系統:302.58m2 、西系統:302.58m2 ). 天井高. 1.0~1.05. Case. 東京. 3.6m. 冷房1.05. ポンプ・配管・装置蓄熱の負荷. 表4. 建物モデルの概要. 階高. 送風機による負荷. 能力補償係数. 照明発熱[W/m2 ]. 所在地. 冷房・暖房1.0~1.1. ダクトにおける負荷. 熱源機容量算定時 経年係数. 内部発熱の設計原単位と実態. 表2. 余裕率 冷房1.1、暖房1.0~1.1. 間欠運転による蓄熱負荷. 最大負荷計算結果 Case. 熱源機負荷[kW]. 37-1. A. B. C. D. 1244.3. 983.1. 956.3. 752.6.

(2) 3.3 機器選定. A) エネルギー消費量の比較. Case A の余裕率を 1.0 とすると、Case D の余裕率は 0.6. 熱源機の年積算エネルギー消費量を図 6 に示す。空冷. となる。空調システム設計時に見込まれる余裕率が運用. 式ヒートポンプチラーは高負荷時に比べ低負荷時の運転. 時のエネルギー消費量に与える影響について明らかにす. 効率が悪く、余裕率 1.0 のシステムは余裕率 0.3 のシステ. るため、余裕率を 0.1 刻みで変更し機器選定を行う。. ムに比べ積算エネルギー消費量は約 52%大きくなった。. 空調システムの概要を図 2 に、熱源機の能力比・入力. 搬送系の年積算エネルギー消費量を図 7 に示す。一次. 比を図 3 に、各余裕率の空調機器の仕様を表 6 に示す。. ポンプは定流量のため装置容量の差が表れているが、二. 熱源機の種類は空冷式ヒートポンプチラー、熱源機の台. 次ポンプと給気ファンは定格消費電力にそれぞれ流量比. 数は 2 台とし、2 台の容量・性能は同じとする。. と風量比の 3 乗を乗じて算出するため装置容量の大きさ. 運用時のエネルギー消費量の算出. と反比例する結果となった。搬送系全体の積算エネルギ. 4.1 シミュレーションプログラム概要. ー消費量は、余裕率 0.6 のシステムが最大、余裕率 0.5 の. 4.. 空調システムの運用時のエネルギー消費量を算出する. システムが最小となり、その差は約 17%となった。. ために、空調システムモデル、HASP/ACLD/8501 の計算. 表6. 時間間隔を 1 分に変更した室熱収支モデル、制御モデル. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0.7. 冷凍能力[kW] 200. 300. 400. 500. 700. 800. 900 1000 1200 1300. 熱源機 加熱能力[kW] 211. 316. 422. 527. 738. 843. 949 1054 1265 1370. 103. 129. 181. 207. 232. を組み合わせたシミュレーションプログラムを構築した。 空調システムの各温度設定値を表 7 に、組み込む制御を 表 8 に示す。執務時間帯は 8 時~17 時とし、予冷予熱時. 一次 ポンプ. 間 2 時間を含め、空調運転時間は平日 6 時~23 時、土日 6 時~20 時とする。計算期間は経年劣化による影響を検 12). 52. 77. 860 1147 1434 2007 2294 2581 2868 3441 3728. 動力[kW]. 風量[m3 /h]. 空調機 流量[l/min]. ジュールを使用した(図 5)。 動力[kW]. 4.2 シミュレーション結果. 310. 336. 2.5. 3.8. 5.0. 6.3. 8.8. 10.0 11.3 12.5 15.0 16.3. 東 157. 314. 471. 628. 785. 942 1099 1256 1413 1580. 西 166. 333. 499. 666. 832. 999 1165 1332 1498 1674. 東 0.7. 1.4. 2.1. 2.7. 3.4. 4.1. 4.8. 5.5. 6.2. 6.9. 西 0.7. 1.5. 2.2. 2.9. 3.6. 4.4. 5.1. 5.8. 6.5. 7.3. 西 2000 2000 2800 3550 4500 5600 6300 7100 8000 9000 東 37. 37. 47. 75. 93. 105. 118. 133. 150. 37. 53. 67. 83. 105. 118. 133. 150. 167. 東 0.8. 0.8. 0.8. 1.5. 1.5. 2.2. 2.2. 2.2. 2.2. 2.2. 西 0.8. 0.8. 1.5. 1.5. 1.5. 2.2. 2.2. 2.2. 2.2. 3.8. 空調システムの各温度設定値 夏期. 中間期. 冬期. 給気ファン出口温度[℃]. 16. 18. 30. 室内温度[℃]. 26. 24. 22. 熱源出口冷温水温度[℃]. 7. 12. 45. う。各余裕率の空調システムでシミュレーションを行っ たところ、余裕率 0.2 以下のシステムでは熱源機の冷凍能 力不足により熱源出口冷温水温度設定値を満たすことが. 67. 西 37. 表7. ここでは運転 1 年目の空調システムに関して比較を行. できなくなり、余裕率 0.4 以下のシステムでは空調機の送 風量が不足し室温設定値を満たすことができなくなった。. 258. 東 2000 2000 2500 3550 4000 5000 5600 6300 7100 8000. 年間熱負荷計算用の内部発熱の最大値とスケジュールに は、調査より得られた実態値とそれを基に作成したスケ. 1.0. 573. 動力[kW]. 京の標準気象データを 15 年間繰り返し使用した。なお、. 0.9. 動力[kW]. 二次 ポンプ. を基に作成した(図 4)。気象データは東. 0.8. 流量[l/min]. 流量[l/min]. 討するため 15 年間である。経年劣化による補正係数は実 測調査結果. 空調機器の仕様. 0.1. 表8. 制御方法. 室温が設定値に達するように風量をPI制御で調整. 給気風量制御. そのため熱源機は余裕率 0.3 以上、搬送系は余裕率 0.5 以. 二次側冷温水流量制御 給気温度が設定値に達するように流量をPI制御で調整. 上のシステムでエネルギー消費量の比較を行った。. 熱源機運転台数制御. 1.4 1.3. 能力比(7℃). 入力比(7℃). 能力比(12℃). 入力比(12℃). 1.4. 1.2. 1.2. 1.0. 1.1 1.0. 補正係数[ - ]. 1.0 補正係数[ - ]. 補正係数[ - ]. 1.2. 一台の処理熱量が定格の0.9倍を上回ると増台し、 二台の処理熱量が0.8を下回ると減台する. 0.8 0.6. 0.8 0.6. 0.4. 0.9. 0.4. 0.8. 0.2. 0.7. 0.0 0. 能力比(冷房). 入力比(冷房). 能力比(暖房). 24. 26. 28. 30. 32. 34. 36. 38. 40. 1. 2. 外気温度[℃] (a) 冷房. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 入力比(45℃). 11. 12. 13. 14. 0. 15. 0.9. -6. -4. -2. 0. 2. 4. 6. 8. 10. 12. 14. 16. 外気温度[℃] (b) 暖房. 図2. 空調システム概要. 図3. 能力比・入力比. 90. 照明. 80. 機器. 80. 機器. 70. 人員密度. 70. 人員密度. 60 50 40. 30. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 60 50 40. 30 20 10 0. 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 [h]. 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 [h]. (a) 平日. (b) 土日. 図5. 37-2. 6. 100 照明. 10. 0.7. 5. 機器の経年劣化係数. 90. 20. 0.8. 4. 運転時間[年]. 発熱比率[%]. 発熱比率[%]. 補正係数[ - ]. 1.0. 3. (b)ポンプ・ファン. 100. 1.1. 2. (a) 熱源機. 1.3 1.2. 1. 運転時間[年]. 図4. 1.4 能力比(45℃). 0.2. 入力比(暖房) 0.0 0. 0. 内部発熱スケジュール.

(3) B) ピーク負荷発生時の熱源機の部分負荷率. LCE、LCCO2、LCC の算出. 5.. 執務時間帯において、夏期のピーク負荷が発生した日. 以下の検討は余裕率 0.3 以上のシステムを対象に行う. の熱源機の部分負荷率変動を図 8 に示す。余裕率 0.5 以下. が、余裕率 0.3~0.5 のシステムの空調機は余裕率 0.6 と同. のシステムは、熱源機 1 台目の部分負荷率が 0.9 を超え運. じ空調機を選定している。. 転台数を 2 台に増台したため部分負荷率の変動が大きく. 5.1 計算ソフト概要. なった。一方で、余裕率 0.6 以上のシステムはピーク負荷. 13). 建築物の LCA 指針. の計算ソフトを用いて算出した。. 発生時も 1 台運転で負荷を処理した。. 計算体系を図 9 に示す。建物の耐用年数 50 年、設備機器. 4.3 経年劣化による影響. の耐用年数 15 年とし、評価期間 30 年で計算を行った。. 運転 1 年目に能力不足とならなかった余裕率 0.5~1.0. 5.2 算出結果. のシステムが、空調システムの耐用年数である 15 年間運. A) LCE. 転した場合に、経年劣化により能力不足とならないかど. 空調システム以外の換気設備、照明設備、給湯設備、. うか検討を行った。15 年間分のシミュレーションを行っ. 衛生設備、昇降機等のエネルギー消費量は建築物の省エ. たところ、余裕率 0.5 の空調システムは運転 12 年目から. ネルギー基準と計算の手引. 給気ファンの劣化により空調機の送風量が減少し、年間. 実態調査結果を基に発熱密度と稼働率を設定し算出した。. で 17 日未処理負荷が発生した。なお、余裕率 0.3 以上の. 今回は空調システムの違いによる影響を検討するため、. システムは運転 15 年目も熱源出口冷温水温度設定値を満. 空調システム以外の設備機器のエネルギー消費量は余裕. たせ、熱源機の劣化による能力不足はなかった。. 率に関わらず同一とする。各設備機器のエネルギー消費. 4.4 過酷な気象条件による影響. 量算出結果を表 10 に示す。. 14). を基に、コンセント機器は. 今回のシミュレーションで使用している標準気象デー. 各システムの LCE 算出結果を図 10 に示す。空調シス. タは、約 20 年の気象データの中から各月毎に平均的な月. テムは装置容量が大きければ大きいほど、運用時だけで. を選択し、1 年間の気象データとしてつなぎ合わせたもの. なく、新築時と廃棄処分時のエネルギー消費量が増大し、. である。そのため、猛暑日や極寒日については考慮され. 余裕率 1.0 の LCE は余裕率 0.3 に比べ、約 149.0MJ/年 m2. ていない。そこで、運転 15 年目の夏期に東京の過去最高. 増大しており、増加率は約 6%であった。. 部分負荷率[ - ]. 務時間帯の気温が終日 0℃の場合に、各システムがどのよ うな影響を受けるかについて検討を行った。過酷な気象 条件に対する熱源機の部分負荷率を表 9 に示す。猛暑日、. 1.0. 1.0. 0.9. 0.9. 0.8. 0.8. 0.7. 0.7. 部分負荷率[ - ]. 気温である 39.5℃まで気温が上昇した場合と、冬期に執. 0.6. 0.5 0.4 0.3 0.2. 極寒日共に、余裕率 0.6 以下のシステムは熱源機 2 台で、. 0.1. 0.3. 0.5. 0.00. 0.5. 0.4 0.3 0.2. 0.6. 0.7. 0.1. 0.9. 1.0. 0.8. 0.00 8. 余裕率 0.7 以上のシステムは 1 台で負荷を処理した。. 0.4. 0.6. 9. 10. 11. 12 13 [h]. 14. 15. 16. 17. 8. 9. 10. 11. (a) 0.3~0.5. 図8. 1100. 12 13 [h]. 14. 15. 16. (b) 0.6~1.0. ピーク負荷日の部分負荷率変動. 1000. 表9. エネルギー消費量[GJ]. 900. 過酷な気象条件時の部分負荷率(最大値). 800. 余裕率. 700 600. 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0.7. 0.8. 0.9. 1.0. 猛暑日. 1.00. 1.00. 1.00. 0.95. 0.85. 0.79. 0.67. 0.65. 極寒日. 1.00. 1.00. 1.00. 0.92. 0.82. 0.76. 0.64. 0.60. 500. 400 300 200. 100 0 0.3. 0.4. 図6. 0.5. 0.6 0.7 余裕率[ - ]. 0.8. 0.9. 設計. 新築・建替・改修時の設計委託金額. ×. 環境負荷原単位. →. 資材製造. 新築・建替時の躯体・仕上・設備資材量. ×. 環境負荷原単位、単価. →. 1.0. 熱源機の積算エネルギー消費量. 建設部門分析用産業連関表による構造別・用途別工事段階環境負荷 データ、コストデータ. 建設. →. 500 450. 一次ポンプ. 二次ポンプ東. 二次ポンプ西. 給気ファン東. 給気ファン西 運用. 電力・ガス・上水消費量、下水・ごみ排出量、 維持管理委託金額. エネルギー消費量[GJ]. 400. 300 250. 環境負荷原単位、単価. →. 修繕率に応じた資材製造・工事の環境負荷算定、コスト算定. →. 更新周期に応じた仕上、設備資材製造・工事の環境負荷算定、コスト算定. →. 廃棄. 新築・建替・修繕・改修時の使用済み資材量. ×. 環境負荷原単位、単価. →. 発泡断熱材、冷媒フロン漏洩量. ×. ODP、GWP、単価. →. 200. 150. 図9. 100 50. 表 10. 0 0.5. 0.6. 0.7. 0.8. 0.9. 1.0. 余裕率[ - ]. 図7. 搬送系の積算エネルギー消費量. 37-3. LCCO2. LCE ×. 350 改修. 環境負荷物質評価. 経済性評価. LCC. LCA の計算体系. エネルギー消費量算出結果(単位 kWh/年). 換気設備. 照明設備. 給湯設備. 衛生設備. 昇降機. コンセント機器. 102300. 632271. 60650. 9375. 40029. 249170. 17.

(4) B) LCCO2 各システムの LCCO2 算出結果を図 11 に示す。LCE の 結果と同様に、CO2 排出量は装置容量の大きさに比例し て増加し、余裕率 1.0 の LCCO2 は余裕率 0.6 に比べ、約 9.3kg-CO2/年 m2 増大しており、増加率は約 6%であった。 設備機器が影響する新築・修繕・改修・廃棄処分の段 階の詳細な LCCO2 排出量算出結果を図 12 に示す。余裕 率 1.0 の資材製造の CO2 排出量は余裕率 0.3 に比べ、新築 で約 6%、修繕で約 46%、改修で約 46%増加した。 C) LCC 各システムの LCC 算出結果を図 13 に示す。LCE に比 べ運用時の影響は小さく、新築時と維持管理の影響が大 きい。余裕率 1.0 の LCC は余裕率 0.6 に比べ、約 0.4 千. 円/年 m2 高くなっており、増加率は約 2%であった。 設備機器が影響する段階の費用算出結果を図 14 に示す。. 参考文献 1) 小塩真奈美他:建物空調システムの最大負荷計算と設計法に関する研究(第 1 報) 空冷式ヒートポンプチラーを用いた空調システム設計が運用時のエネルギー消費 量に与える影響,空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集,pp.1603-1606,2010 年9月 2) 新川隆将他:オフィスにおける内部発熱負荷要素に関する実態調査,日本建築学 会大会学術講演梗概集,pp.1171-1172,2007 年 8 月 3) 岩島梓他:建物の内部発熱の実測に基づく省エネルギー化に関する研究,空気調 和・衛生工学会大会学術講演論文集,pp.549-552,2008 年 8 月 4) 岩島梓他:省エネルギー化のための建物の内部発熱に関する研究,空気調和・衛 生工学会大会学術講演論文集,pp.493-496,2009 年 9 月 5) 下田吉之他:中小規模オフィスビルのエネルギー消費特性把握(その 1)大学事 務室における電力消費実態調査,空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集, pp.1355-1358,2010 年 9 月 6) 坂本滋他:建物の使われ方に関する実態調査(第 1 報)オフィスの照明・コンセ ント電力消費量,空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集,pp.2403-2406,2010 年9月 7) 平田哲也他:業務用建築物のためのエネルギー消費量評価手法に関する調査研究 (その 10)事務所建物(関東地区)における内部発熱に関する調査結果,空気調 和・衛生工学会大会学術講演論文集,pp.1779-1782,2010 年 9 月 8) 浦山真一他:業務用建築物のためのエネルギー消費量評価手法に関する調査研究 (その 11)事務所建物(九州地区)における内部発熱に関する調査結果,空気調 和・衛生工学会大会学術講演論文集,pp.1783-1786,2010 年 9 月 9) 山下恵他:業務用建築物のためのエネルギー消費量評価手法に関する調査研究(そ の 12)事務所建物(中部地区)における内部発熱に関する調査結果,空気調和・ 衛生工学会大会学術講演論文集,pp.1787-1790,2010 年 9 月 10) 国土交通省大臣官房官庁営繕部設備・環境課:建築設備設計基準,平成 18 年度版, 2006 年 11) 滝沢博:標準問題の提案(オフィス用標準問題),日本建築学会環境工学委員会熱 分科会第 15 回シンポジウム,pp.35-42,1985 年 12) 伊藤祥一他:事務所ビルの継続的な空調エネルギー管理に関する研究(第 4 報) 省エネ・省コスト効果の推定,空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集, pp.2225-2228,2007 年 9 月 13) 日本建築学会:建物の LCA 指針~温暖化・資源消費・廃棄対策のための評価ツー ル~,2006 年 14) 建築環境・省エネルギー機構:平成 21 年省エネ基準対応,建築物の省エネルギー 基準と計算の手引,新築・増改築の性能基準(PAL/CEC),2009 年. 余裕率 1.0 の資材製造費用は余裕率 0.3 に比べ、新築で約. 6.. CO2 排出量[kg-CO2 /年m 2 ]. 4%、改修で約 45%高く、修繕で約 4%安くなった。 おわりに 空調システム設計時に見込む余裕率の検討結果を表 11 に示す。今回の検討では、熱源機は余裕率 0.3 以上、空調 機は余裕率 0.6 以上であれば、15 年間の運転で未処理負. 34 32 30 28 26 24 22 20 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0. 建設(新築工事) 資材製造(新築設備) 資材製造(新築仕上) 資材製造(新築躯体) 資材製造(修繕仕上) 資材製造(修繕設備) 建設(修繕工事) 資材製造(改修仕上) 資材製造(改修設備) 建設(改修工事). 廃材搬出(躯体) 廃材搬出(仕上) 0.3. 荷は発生しなかった。さらに、空冷式ヒートポンプチラ. 0.4. 図 12. LCC[千円/年m 2 ]. 空調システム設計を行う際、建築設備設計基準の最大負. 新築. 0.4. 0.5. 1500 費用[千円/年m 2 ]. LCE[MJ/年m 2 ]. 2000. 1000 500 0 0.7. 0.8. 0.9. 1.0. 余裕率[ - ]. 図 10. LCE 算出結果. 設計監理. 新築. 修繕. 改修. 維持管理. 運用. 資材製造(修繕設備) 建設(修繕工事) 資材製造(改修仕上) 資材製造(改修設備) 建設(改修工事). 廃材搬出(躯体) 廃材搬出(仕上) 0.4. 0.5. 0.6. 0.9. 1.0. 40. 20 0 1.0. 余裕率[ - ]. LCCO2 算出結果. 37-4. 廃材搬出(設備) 解体処理. 設備機器影響段階の費用算出結果 余裕率の検討結果 0.4. 0.5. 0.6. 0.7. 0.8. 0.9. 1.0. 運用時E. 52.1. 45.3. 36.5. 30.3. 23.6. 17.0. 5.8. 0. LCE. 5.6. 5.5. 4.5. 3.9. 3.2. 2.4. 0.8. 0. LCCO2. 5.9. 5.8. 4.7. 4.1. 3.3. 2.5. 0.8. 0. LCC. 1.6. 1.5. 1.3. 1.2. 1.0. 0.7. 0.2. 0. 0 0 0 経年劣化による 熱源機 未処理負荷日数 空調機 25/1年目 17/1年目 16/12年目. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 過酷な気象条件 熱源機 時の負荷処理 空調機. 削減率 [%]. 60. 図 11. 0.8. 0.3. 80. 0.9. 0.7. 余裕率[ - ]. 表 11. 0.8. LCC 算出結果. 資材製造(修繕仕上). 100. 0.7. 1.0. 資材製造(新築躯体). 120. 0.6. 0.9. 資材製造(新築仕上). 140. 0.5. 0.8. 資材製造(新築設備). 図 14. 0.4. 廃棄処分. 建設(新築工事). 廃棄処分. 160. 0.3. 0.7. 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 0.3. 200 180. 運用. 余裕率[ - ]. 図 13. 0.6. 0.6. 廃棄処分. 2500. 0.5. 維持管理. 0 0.3. 0.4. 改修. 5. 3000. LCCO2 [kg-CO2 /年m 2 ]. 修繕. 10. 3500. 0.3. 解体処理. 15. 込んだ負荷から選定することが適当であると考えられる。 運用. 廃材搬出(設備). 1.0. 20. 荷計算結果に、熱源機は 0.3、空調機は 0.6 の余裕率を見. 維持管理. 0.9. 設備機器影響段階の CO2 排出量算出結果 設計監理. LCCO2、LCC を削減することができた。以上のことより、. 改修. 0.8. 25. は減少した。また、余裕率が小さいシステムほど LCE、. 修繕. 0.7. 30. り余裕率の小さいシステムが運用時のエネルギー消費量. 新築. 0.6. 余裕率[ - ]. ーは低負荷時に比べ高負荷時に性能が良くなるため、よ. 設計監理. 0.5. ○. ○. ○. ○. ○. ○. ○. ○. ×. ×. ×. ○. ○. ○. ○. ○.

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