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6 藤岡啓太郎 石神孝裕 高橋勝美 Table 第 5 回東京都市圏パーソントリップ調査の概要 項目 対象地域 調査対象者 調査日 調査方法 内容 東京都市圏 ( 東京都 埼玉県 千葉県 神奈川県 茨城県南部 ) 東京都市圏の居住者 (5 歳以上 ) 平成 年 月の火 水 木曜日 配布 : 郵送回収

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Academic year: 2021

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 1.はじめに  わが国では、戦後から高度経済成長にかけてのモ ータリゼーションの進展により、クルマを保有する 若者が激増した。クルマは、移動に便利な乗り物で あるばかりでなく、クルマを保有するという行為自 体が当時のある種のステータスでもあった。  しかし近年では、そのクルマを保有しない若者が 増え、いわゆる“クルマ離れ”なる現象が生じてい ると言われている。その理由として挙げられるのが 若者の行動変容である。就職難や晩婚化による自動 車の保有機会の減少、情報技術の進展による移動機 Sep.,2012 IATSS Review Vol.37,No.2 (  )31 特集  若者と交通/論文●

東京都市圏における若者の交通実態に関するマクロ分析

−特に女性のライフステージに着目して−

藤岡啓太郎

石神孝裕

**

   高橋勝美

***  本稿では、若者世代における交通行動の変化の実態を明らかにするため、東京都市圏パ ーソントリップ調査を用いて、20〜39歳を対象に、最新の交通行動の実態に関する分析を 行った。また、若い女性に着目して、ライフステージ毎の住まい方、働き方、自動車保有 の状況等を比較するとともに、平日1日の活動がどのように異なり、自動車の利用にどの ような違いがあるのかを分析した。その結果、子どもがいる世帯では一定の自動車利用が 引き続きあるものの、夫婦のみ世帯では自動車利用が減少していることが確認できた。

Macro-analysis ofTravelBehaviorofYouth in the Tokyo Metropolitan Area with a Focus on the Life Stages ofWomen

Keitaro FUJIOKA*

Takahiro ISHIGAMI**

   KatsumiTAKAHASHI***

 In thispaper,the situation ofthe latesttravelbehaviorsofpeople between ages20 and 39 isanalyzed based on the Tokyo Metropolitan Area Person Trip Survey in orderto uncoverchangesin the travelbehaviorsofthe youngergeneration.In addition,with a focus on young women,an analysiswasconducted ofthe differencesin theiractivitieson a weekday and in theiruse ofautomobiles,and comparisonswere made ofsuch factorsas living,working,and automobile ownership ateach life stage.Resultsdemonstrate that there isa trend ofhouseholdswith children continuing to take advantage ofautomobiles to a certain degree,buttwo-person familieswithoutchildren increasingly staying away from them.

    国土交通省国土技術政策総合研究所都市研究部都市施*

設研究室長

   Head ofUrban FacilitiesDivision,Urban Planning Dep.,    NationalInstitute forLand and Infrastructure    Management(NILIM),Ministry ofLand,    Infrastructure,Transportand Tourism(MLIT)     * 一般財団法人計量計画研究所交通まちづくり研究室主*

任研究員

   SeniorResearcher,Urban Mobility Design Research    Division,The Institute ofBehavioralSciences

 *

   * 仙台市総務企画局危機管理室*

   CrisisManagementSection,Affairsand Planning    Bureau,SendaiCity

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会の減少、鉄道の利便性が高い地域への居住増加な どにより、交通行動自体が変化しクルマを持たない 若者が増えていると考えられる。では、若者世代の 交通行動を都市規模でマクロに見た場合、どのよう な変化が現れているのだろうか。  本稿では、20歳から39歳を若者世代と定義し、ク ルマ離れが進んでいると考えられる東京都市圏を対 象に、若者世代の最新の交通実態を俯瞰的にとらえ ることを試みた。まず、若者世代の人口、居住地分 布、自動車保有の状況、交通実態の特徴を概括する。 その上で、平日の活動が多様で、交通行動の変化が 大きいと想定される女性に着目し、ライフステージ ごとの交通実態や1日の活動の特徴を整理した。  女性の交通行動の変化が大きいと想定した背景に は、若者世代の女性の労働力率の高まりがある。女 性の労働力率を示すM字型カーブの底は浅くなって きており、特に配偶者のいる女性で労働力率は大幅 に上昇している1) 。就業状態が異なれば、1日の活 動の内容や場所が異なり、交通行動にも違いが生じ る。本稿では若者世代の女性のライフステージに応 じた交通特性を明らかにするため、世帯類型だけで なく、就業状態も区別し、交通実態の分析を行った。  世帯構成と個人の交通行動に関する近年の研究と しては、杉田ら2)、石田ら3)、森尾ら4)、辰巳ら5) 等がある。このうち辰巳らは、本論と同様、若い女 性を対象とした分析を行っており、乳幼児を持つ女 性はマイカーへの依存度が高いことを明らかにして いる。これらの既往研究では世帯構成別の個人の交 通特性に関する分析は行われているものの、就業状 態の違いを考慮した分析は行われていない。  2.東京都市圏パーソントリップ調査とは  東京都市圏のマクロな交通行動を把握するため、 東京都市圏パーソントリップ調査の調査結果を活用 した。パーソントリップ調査とは、人の1日の移動 実態を明らかにすることを目的としたサンプル調査 であり、主に都市交通計画の立案に活用するための ものである。Table 1に第5回東京都市圏パーソント リップ調査の概要を記す。  調査対象は、東京都市圏に居住する世帯のうち、 無作為に抽出された世帯の5歳以上の構成員全員で ある。対象世帯に郵送で調査票を配布し、郵送およ びWEBで記入済み調査票を回収する方法が採用され た。  調査票には個人票と世帯票の2種類がある。個人 票では行き先、時刻、移動の目的、利用した交通手 段等が把握され、世帯票では世帯構成の性別や年齢、 職業、免許保有状況、自動車保有状況等が把握され ている。個人票と世帯票を組み合わせて用いること で、世帯構成別の交通行動等の把握が可能である。  3.若者世代の交通の全般的な特徴  3−1 若者世代の人口 1)人口構成  まず前提となる若者世代の人口を整理した。平成 22年における1都4県(東京都、茨城県、埼玉県、 千葉県、神奈川県)の若者世代の人口は約1,066万人 であり、総人口の約3割を占める。過去10年で見る と約7%減少した。5歳階級別人口を見ると、平成 12年時点では25〜29歳、平成22年時点で35〜39歳の 人口が最も多い(Fig.1)。 これは団塊のジュニア世代 が該当するからであり、20〜39歳の中でも、詳細に 見てみると人口構成に偏りがある。 2)就業状況  就業率は、男性が約7割なのに対して女性は6割 程度である(Table 2)。ただし、過去10年を見ると、 男性の就業率が8ポイントも低下したのにもかかわ らず、女性の就業率は維持されている。女性の就業 率が維持されている理由としては、結婚や出産後も 就業し続ける女性が増えたこと等が挙げられる。 3)居住地の分布  東京都市圏を対象に地域別の人口増減を見ると、 全域的には減少傾向にあるが、東京都心部、新規に 鉄道が開通し開発が進むつくばエクスプレス沿線、 国際交通安全学会誌 Vol.37,No.2 (  )32 平成24年9月 Table 1 第5回東京都市圏パーソントリップ調査の概要 内容 項目 東京都市圏(東京都、埼玉県、千葉県、 神奈川県、茨城県南部) 対象地域 東京都市圏の居住者(5歳以上) 調査対象者 平成20年10、11月の火・水・木曜日 調査日 配布:郵送 回収:郵送もしくはWEB回答 調査方法 274 274 321 321 293 293 254 254 213 213 246 246 279 279 328 328 150 200 250 300 350 (万人) 20-24 25-29 30-34 35-39 年齢 平成12年 平成22年 資料)国勢調査(H12、H22)より作成。 Fig.1 5歳階級別人口(1都4県)

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その他の主要な鉄道拠点駅を中心に人口が増加して いる(Fig.2)。東京都心10区*1で見ると、若者世代の 人口は過去10年で約12万人(約2割に相当)増加して おり、都心回帰の傾向が顕著に見られる。  住宅総数を見てみると、各都県では過去10年で約 1.2倍だが、都心10区に限れば1.3倍以上増加した(Table 3)。増加量は約35万戸で、千葉県全体の増加数に近 い量の住宅が増えたことになる。住宅供給面からも、 都心回帰の傾向が表れている。  3−2 自動車運転免許と自動車の保有状況 1)自動車運転免許の保有状況  男性の免許保有率は10年前と比較してほとんど変 化なく、約9割を維持している(Fig.3)。女性は自動 車免許保有者が9ポイントも増えて約8割となった。 男女ともに、自動車免許を保有することが一般的と なりつつある。 2)自動車の保有状況  平成20年の自動車保有率を地域別に見ると、東京 区部の自動車保有率はおおむね4割以下であり、東 京都心から20km圏ぐらいまでで6割以下、それより 外側は8割以上が自動車を保有している(Fig.4)。東 京都心から離れた地域、鉄道沿線から離れた地域ほ ど自動車保有率が高くなる傾向にある。  地域別の自動車保有率の経年変化を見ると、東京 都心近くでは自動車保有率が低下するが、郊外部で は自動車保有率がさらに増加する傾向にあることが 分かる(Fig.5)。 東京都心のように、さまざまな活動 の場が集積し、公共交通の利便性が高い地域では自 動車保有が減少しているが、郊外部においては増え ているというのが実態である。  3−3 交通の実態 1)全体的傾向  若者世代のトリップ数は、過去10年で約5%減少 した(Table 4)。 外出する人の割合は若干増えたもの の、居住人口が3%減少、1人1日当たりトリップ 数も3%減少しており、これが影響したと考えられ る。全年齢計のトリップ数は、居住人口が増加した こともあって約8%増加した。  若者世代の自動車に限ると、トリップ数は10年間 で約3割減少した。若者世代で総トリップ数が減少 したことの影響もあるが、総トリップ数が約8%増 えた全年齢計では、自動車トリップの減少幅が1割 にも満たないことを考えれば、相対的に見て若者世 代は自動車トリップ数が大きく減少したと言える。 2)代表交通手段*2  主に利用している交通手段の構成比を示す代表交 通手段分担率を全年齢計で見ると、過去10年で自動 車が4ポイント減少し、その一方で鉄道が5ポイン ト上昇した(Fig.6)。 男性の自動車分担率が7ポイン ト低下したのに対して、女性は1ポイントにとどま る。平成20年度東京都市圏パーソントリップ調査の Sep.,2012 IATSS Review Vol.37,No.2 (  )33  *1 千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨 田区、江東区、渋谷区、豊島区とした。  *2 ある一つの目的のトリップが複数の交通手段で構成され る場合に、その移動で用いられた主要な交通手段を代表 交通手段と言う。以下に示す優先順位に基づき、当該ト リップを構成する交通手段の中で最も優先順位が高い交 通手段が代表交通手段となる。①鉄道、②バス、③自動 車、④二輪車、⑤自転車、⑥徒歩 Table 2 若者世代の人口と就業率(1都 4県) 就業率 (%) 就業者数 (万人) 人口 (万人) 81 483 598 H12 男性 73 402 551 H22 58 317 543 H12 女性 58 300 515 H22 資料)国勢調査(H12、H22)より作成。 Table 3 住宅総数の経年変化 伸び率 増減 住宅総数(万戸) 地域 H20 H10 1.15 16 123 106 茨城県 1.17 43 303 260 埼玉県 1.17 40 272 232 千葉県 1.20 112 678 567 東京都 1.19 66 407 341 神奈川県 1.34 35 136 102 都心10区 注)都心10区の内訳は*1を参照。 資料)住宅・土地統計調査(H10、H20)より作成。 資料)国勢調査(H12、H22)より作成。 Fig.2 若者世代の人口の変化率(H22/H12) <1 1∼1.1 >1.1

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結果では、自動車利用の減少と鉄道利用の増加は主 に通勤や業務関連の目的の移動で特に顕著に確認さ れており6)就業率が高い男性で自動車分担率がよ り低下したことはこの結果とも合う。  若者世代の自動車分担率は、男性は12ポイント減、 女性は6ポイント減であり、全年齢計よりも若者世 代の方が自動車分担率は低下した。若者世代の自動 車利用の低下が都市圏レベルで確認できた。 3)移動の目的*3  全体を通じて、男性は通勤や業務系の目的の割合 が、女性は私事系の目的の割合が高くなっている (Fig.7)。 若者世代では、男性は10年間で違いがさほ どないが、女性では自宅−勤務が増え、自宅−私事 の減少が見られる。若者世代の就業率は、男性は低 下したが、女性は横ばいであることが確認されてお り、この違いが影響した可能性がある。  先ほど、若者世代の自動車分担率は、女性よりも 男性の方が低下したことを述べた。移動の目的を見 ると、男性の移動の多くは自宅—勤務、勤務・業務 であり、自動車利用が減って鉄道利用が増えたのは 主に通勤や業務系の目的であるとのこと6)から、若 者世代の男性の自動車分担率が大きく下がったと考 えられる。その一方で、女性は私事目的の移動が占 める割合が高いため、男性ほど自動車分担率は低下 しなかったと考えられる。 国際交通安全学会誌 Vol.37,No.2 (  )34 平成24年9月 87 89 71 80 60 70 80 90 100% H10 H20 H10 H20 男性 女性 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H10、H20)より作成。 Fig.3 若者世代の自動車免許保有率(東京都市圏) <0.4 0.4∼0.6 0.6∼0.8 >0.8 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H20)より作成。 Fig.4 若者世代がいる世帯の自動車保有率 <0 0∼0.05 >0.05 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H10、H20)より作成。 Fig.5 若者世代がいる世帯の自動車保有率の差(H20−H10) Table 4 トリップ特性(都市圏計) 1人1日 当たり トリップ数 外出率 自動車 トリップ数 (万トリップ) トリップ数 (万トリップ) 居住人口 (万人) 2.82 0.85 2,616 7,896 3,290 H10 全年 齢計 H20 3,462 8,489 2,427 0.86 2.84 1.01 1.01 0.93 1.08 1.05 変化率 2.88 0.89 1,022 2,814 1,092 H10 若者 世代 H20 1,064 2,664 712 0.90 2.78 0.97 1.01 0.70 0.95 0.97 変化率 注)1人1日当たりトリップ数は外出者のみが対象。 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H10、H20)より作成。 25 30 30 35 21 25 37 46 28 38 2 2 33 22 22 33 33 11 11 22 22 33 29 39 32 27 26 42 30 30 24 1 1 1 1 33 33 11 11 55 44 11 11 15 14 9 11 20 18 7 9 19 16 22 22 17 18 28 26 8 9 20 19 0 20 40 60 80 100% H10 H20 鉄道 バス 自動車 二輪車 自転車 徒歩 H10 H20 H10 H20 H10 H20 H10 H20 都市圏計 全年齢計 若者世代 男性 女性 男性 女性 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H10、H20)より作成。 Fig.6 代表交通手段分担率(都市圏計)

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 4.女性のライフステージに着目した交通行動の実態  4−1 ライフステージを想定した世帯類型  ここからは、若い女性に着目し、独身から結婚、 出産といったライフステージを想定して、世帯類型 毎に交通行動の分析を行う。  東京都市圏パーソントリップ調査では、世帯人員 間の続柄は把握していないため、ルールを設けて世 帯の人員を定義した。まず、20〜39歳の女性がいる 世帯を抽出する。その世帯にいる20歳以上の男性で、 かつ、女性との年の差が20歳以内の人を夫とする。 母親との年齢差が20歳以上である15歳以下の男女を 子どもとする。その上で、Table 5に示すように世帯 類型を定義した。  4−2 住まい方、働き方、免許と自動車保有  まずは世帯類型を付与した若い女性の住まい方、 働き方、世帯の自動車の保有状況を整理した。 1)住まい方  世帯類型別の女性の東京区部の在住割合を示す (Fig.8)。過去10年間の変化を見ると、夫婦のみ世 帯の女性で、東京区部の在住割合が高まっており都 心回帰の傾向が見られる。未婚女性、夫婦と子供世 帯の女性は、10年間で比較しても都区部在住割合に それほど変化は見られない。 2)働き方  就業率は、いずれの世帯類型においても過去10年 で上昇した(Fig.9)。特に、夫婦のみ世帯での就業率 は20ポイント以上も上昇した。単身世帯においては 9割以上、未婚の単身以外世帯では7割、子どもが いる世帯では3割以上が就業している状況にある。 3)運転免許の保有  自動車運転免許の保有率(Fig.10)は、全ての世帯 類型の女性で上昇し、どの世帯類型でも70%を超え た。特に、未婚女性(単身)では免許保有率が約20ポ イントも上昇した。 4)自動車の保有  世帯としての自動車の保有率(Fig.11)を見ると、 過去10年で自動車保有が顕著に変化したのは夫婦の Sep.,2012 IATSS Review Vol.37,No.2 (  )35  *3 移動の目的は大きく自宅を出発地とするものと、自宅以 外を出発地とするものに大別される。自宅を出発地とす るものは自宅−勤務、自宅−通学、自宅−業務、自宅− 私事である。自宅以外が出発地となるのは、帰宅、勤務・ 業務、その他私事である。 0 20 40 60 80 100% H10 H20 H10 H20 H10 H20 H10 H20 H10 H20 都市圏計 全年齢計 若者世代 男性 女性 男性 女性 16 77 33 16 42 7 9 16 66 22 15 40 66 14 21 77 44 9 40 12 7 20 66 33 10 40 10 11 11 77 22 23 43 22 12 13 66 22 20 41 22 16 27 33 33 55 39 14 8 28 33 33 55 39 12 11 16 22 11 22 41 22 15 19 22 11 17 40 33 18 自宅−勤務 自宅−通学 自宅−業務 自宅−私事 帰宅 勤務・業務 その他私事 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H10、H20)より作成。 Fig.7 移動の目的構成(都市圏計) Table 5 世帯類型と構成比 構成比 世帯類型 H20 H10 14% 10% 未婚女性(単身) 1 33% 30% 未婚女性(単身以外) 2 13% 16% 夫婦のみ 3 26% 25% 夫婦と子ども(1~3人) 4 14% 19% その他 5 資 料)東 京 都 市 圏 パ ー ソ ン ト リ ッ プ 調 査 (H10、H20)より作成。 0 20 40 60 80 100% 単身 単身以外 夫婦のみ 夫婦と子ども 未婚女性 既婚女性 48 24 25 20 49 21 30 21 H10 H20 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H10、H20)より作成。 Fig.8 東京区部の在住割合(都市圏計) 0 20 40 60 80 100% 単身 単身以外 夫婦のみ 夫婦と子ども 未婚女性 既婚女性 80 72 72 42 28 91 91 73 73 67 34 34 H10 H20 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H10、H20)より作成。 Fig.9 就業率(都市圏計)

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み世帯である。夫婦のみ世帯では自動車保有率が約 8割であったのに対して、65%にまで低下した。夫 婦と子ども世帯、未婚女性(単身以外)の女性は、も ともと自動車保有率は高めが、経年的な減少幅は小 さい。未婚女性(単身)はもともと自動車保有率が1 割程度であったこともあり、自動車保有率に経年的 な変化は見られなかった。  4−3 活動の実態と交通手段の分析  世帯構成と就業状態の違いに着目し、女性の平日 1日の活動実態と、利用している交通手段に関する 分析を行った。 1)1日の活動の実態 ⑴就業者の1日の活動  全体的な傾向として、朝8時台に勤務先・通学先 に向かうトリップのピークが発生し、日中はほとん どトリップが発生せず、夕方には私用目的と自宅に 向かうトリップが発生している(Fig.12)。朝、勤務 先に向かい、夕方頃まで勤務し、退社後に私用をす ませて帰宅するといった状況が見てとれる。  夫婦と子ども世帯の女性は、朝と夕方に送迎目的 のトリップが発生しており、子どもを保育園等へ送 り迎えする状況が現れている。子どもがいない世帯 では帰宅が遅い時刻まで続いているのに対し、夫婦 と子ども世帯の女性の場合、19時頃にはほとんどの 女性が帰宅している。夫婦と子ども世帯の女性は、 勤務による日中の時間拘束、子どもを送迎する朝夕 の時間拘束に加え、帰宅後に子どもの面倒を見る夜 の時間拘束がある。特に、朝と夕方の短い時間の間 に複数の移動をこなしている状況は、日常生活を送 る上で大きな負担になっていると考えられる。 ⑵非就業者の1日の活動  非就業者の場合は、トリップ分布のピークがさま ざまであり、日中の全ての時間帯においてトリップ が発生している(Fig.13)。  未婚女性で午前中に勤務先・通学先へのトリップ が多数発生しているが、これは学生の通学である。 午前中から学校に通い、夕方にかけて私用が増え、 18時をピークに帰宅が発生している。未婚女性(単 身以外)で私用のトリップが少ないのは、未婚女性 国際交通安全学会誌 Vol.37,No.2 (  )36 平成24年9月 0 20 40 60 80 100% 単身 単身以外 夫婦のみ 夫婦と子ども 未婚女性 既婚女性 60 66 66 76 76 79 79 80 80 71 71 85 91 91 H10 H20 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H10、H20)より作成。 Fig.10 自動車運転免許保有率(都市圏計) 0 20 40 60 80 100% 単身 単身以外 夫婦のみ 夫婦と子ども 未婚女性 既婚女性 14 14 76 76 78 87 14 14 75 75 65 84 84 H10 H20 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H10、H20)より作成。 Fig.11 自動車保有率(都市圏計) 0 5 10 15 20 25 30 未婚女性(単身) 未婚女性(単身以外) 既婚女性(夫婦のみ) 既婚女性(夫婦と子ども) 0 5 10 15 20 0 10 20 30 40 50 60 万ト リ ッ プ 万ト リ ッ プ 万ト リ ッ プ 0 5 10 15 20 万ト リ ッ プ 3時台 5時台 7時台 9時台 11時台 13時台 15時台 17時台 19時台 21時台 23時台 25時台 26時台 3時台 5時台 7時台 9時台 11時台 13時台 15時台 17時台 19時台 21時台 23時台 25時台 26時台 3時台 5時台 7時台 9時台 11時台 13時台 15時台 17時台 19時台 21時台 23時台 25時台 26時台 3時台 5時台 7時台 9時台 11時台 13時台 15時台 17時台 19時台 21時台 23時台 25時台 26時台 勤務先・通学先へ 自宅へ 私用へ 送迎 通勤 私用をこなして帰宅 私用をこな して帰宅 通勤と送迎 が重なる 帰宅と送迎 が重なる 帰宅時刻 は早い 私用は 少ない 通勤 通勤 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H20)より作成。 Fig.12 着時刻別目的別集中トリップ数(就業者)

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(単身以外)の多くが都区部以外に住んでいることか ら、おそらく、通学時間が長いために私用の活動時 間が短くなっているからであると考えられる。  既婚女性の場合は私用目的の移動が中心となる。 特に夫婦と子ども世帯の女性は、就業の女性と同じ ように朝の時間帯に送迎トリップが発生し、その直 後に帰宅トリップの山があることから、子どもを送 って一度帰宅している人が多いと考えられる。再度 の送迎トリップの山は14時台であり、この時刻に子 どもの迎えに行っている。特徴的なのは、私用目的 のトリップのピークが午前10時に発生し、午後はそ の割合が少ない点にある。子どもの迎えの時刻が午 後の早い時間帯であることから、午前に子どもを幼 稚園等に預けた後、午前中に買い物やさまざまな私 用をすませようとしている状況がうかがえる。 2)自動車の利用状況 ⑴就業者の自動車利用状況  就業者のうち、未婚女性と夫婦のみ世帯の女性は、 平成20年時点で鉄道利用が約5割、自動車利用が1 〜2割で、鉄道利用の割合が高い(Fig.14)。夫婦と 子ども世帯の女性は鉄道が2割弱、自動車利用が4 割で、自動車利用の割合が高い。  経年的に見ると、全ての世帯類型で自動車分担率 は減少した。中でも夫婦のみ世帯の女性は、自動車 分担率が9ポイント減少しており、他の世帯類型よ りも減少幅が大きい。 ⑵非就業者の自動車利用状況  非就業の場合、未婚女性は自動車分担率が1割程 度、既婚女性で2〜3割程度となっている(Fig.15)。 経年で見ると、未婚女性はもともと自動車利用割合 が少なく減少幅も小さい。既婚女性では、夫婦のみ 世帯の女性で6ポイントも減少した。一方、夫婦と 子ども世帯の女性は2ポイントしか減少していない。  なお、未婚女性であっても、単身の場合は徒歩と 自転車の合計が約半数を占めているのに対して、単 身以外の場合、鉄道が約6割を占めている。非就業 で未婚の女性は、その多くが学生である。大学等へ の進学をきっかけに一人暮らしを始める女性は通学 先の近くに住んで、徒歩、自転車を利用する人の割 合が多いと考えられる。親と同居している学生は、 進学を契機に住み替えることは少ないと考えられ、 通学先までの距離が遠く、鉄道を利用しているが多 いのではないかと考えられる。 ⑶世帯構成から見たまとめ Sep.,2012 IATSS Review Vol.37,No.2 (  )37 未婚女性(単身) 未婚女性(単身以外) 既婚女性(夫婦のみ) 既婚女性(夫婦と子ども) 勤務先・通学先へ 自宅へ 私用へ 送迎 万ト リ ッ プ 万ト リ ッ プ 万ト リ ッ プ 万ト リ ッ プ 3時台 5時台 7時台 9時台 11時台 13時台 15時台 17時台 19時台 21時台 23時台 25時台 3時台 5時台 7時台 9時台 11時台 13時台 15時台 17時台 19時台 21時台 23時台 25時台 3時台 5時台 7時台 9時台 11時台 13時台 15時台 17時台 19時台 21時台 23時台 25時台 3時台 5時台 7時台 9時台 11時台 13時台 15時台 17時台 19時台 21時台 23時台 25時台 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 0 5 10 15 20 25 0 1 2 3 4 5 6 通学 夕方まで 私用増える 単身ほど 多くない ほとんどが 私用 午前に用事 をすませる 夕方までに ほぼ帰宅 帰宅は 夜遅くまで 帰宅は 夜遅くまで 帰宅は 少し早い 通学 送迎 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H20)より作成。 Fig.13 着時刻別目的別集中トリップ数(非就業者) 0 20 40 60 80 100% H10 H20 H10 H20 H10 H20 H10 H20 未婚女性 既婚女性 単身 単身以外 夫婦のみ 夫 婦と子ど も 鉄道 バス 自動車 二輪車 自転車 徒歩 50 33 14 1110 20 56 33 111110 19 52 33 26 11 9 9 54 33 23 11 9 10 38 33 27 11 14 17 50 33 18 11 11 17 9 22 44 22 29 14 16 22 38 11 27 17 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H10、H20)より作成。 Fig.14 代表交通手段分担率(就業者)

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 過去10年で見ると、就業者、非就業者とも、全体 的には自動車利用分担率が低下する傾向にある。こ のうち特に、夫婦のみ世帯の女性は、他の世帯類型 よりも自動車分担率が大きく低下した。夫婦のみ世 帯の女性では、都心居住、就業率の上昇、自動車保 有率の低下が確認されており、自動車の利用につい ても割合が減っていることが確認できた。  夫婦と子ども世帯の女性は、他よりも自動車利用 分担率が高く、経年的にもそれほど低下していない。 自動車保有率は8割を超える水準である。Fig.13で 見たように、夫婦と子ども世帯の女性は限られた時 間でさまざまな活動をこなさないといけないため、 ドアツードアで移動が便利な自動車が保有され、利 用されている状況があると考えられる。  5.おわりに  東京都市圏パーソントリップ調査の結果を活用し、 若者世代の交通行動の実態をマクロに把握したとこ ろ、東京都市圏全体で見ると自動車の保有や利用が 減少傾向にあることが確認された。自動車の保有や 利用を前提としないライフスタイルが広まりつつあ るものと考えられる。  女性のライフステージに分けて見てみると、結婚 後も就業を続ける女性が増えたことを背景に、公共 交通機関の利便性が高い地域に居住し、自動車利用 を前提としないライフスタイルを指向する傾向が見 てとれた。特に夫婦のみ世帯での交通行動の変化は 顕著であった。鉄道の相互直通等の機能強化や駅ナ カ商業・駅前保育等の公共交通を軸にしたまちづく りが進んだことも、このような動きを後押ししてい るものと考えられる。  一方で、子どもがいる世帯では東京都市圏であっ ても、自動車の保有率、交通手段分担率は依然とし て高く、特に、いわゆる専業主婦においては、家庭 内の多様な交通ニーズに対応するためには、自動車 利用の必要性が高いことがうかがわれた。今後全国 で生産年齢人口が大幅に減少し、女性の就業機会の 確保がますます期待される一方、若者が子どもを持 てる環境を確保し、少子化に歯止めをかけることも 持続可能な社会実現のため不可欠である。働く女性 が活動しやすい環境整備、子育てに忙しい女性の移 動支援など、若い女性のライフスタイルに応じた都 市づくりが求められている。  今回の分析結果から、若い女性の就業指向や居住 地選好等のライフスタイルが変化するのに伴い、交 通行動も変化しつつあることが確認できた。地域ご とに若い女性の就業状況や属する世帯構成はさまざ まであり、都市交通施策を検討するに当たっては女 性のライフステージの多様性を理解した上で、施策 決定していくことが重要であろう。  参考文献 1)厚生労働省雇用均等・児童家庭局『平成21年版 働く女性の実情』2010年 2)杉田浩、鈴木紀一、秋元伸裕「世帯属性の変化 が交通発生に及ぼす影響分析」『運輸政策研究』 Vol.2、 No.3、pp.9-18、1999年 3)石田東生、上原穂高、岡本直久、古屋秀樹「東 京都市圏における世帯の自動車保有及びトリッ プ発生に関する基礎的研究」『土木計画学研究・ 論文集』Vol21、pp.531-538、2004年 4)森尾淳、上杉昌也、和泉範之、平田晋一「パー ソントリップ調査を活用した若年層の自動車利 用特性分析」『土木計画学研究・講演集』CD-ROM、Vol.44、2011年 5)辰巳浩、香口恵美、堤香代子「PT調査データを 用いた乳幼児を持つ女性の交通行動特性に関す る研究」『土木計画学研究・講演集』CD-ROM、 Vol.43、2011年 6)東京都市圏交通計画協議会『第5回東京都市圏 パーソントリップ調査(交通実態調査)の集計 結果について(記者発表資料)』2009年 国際交通安全学会誌 Vol.37,No.2 (  )38 平成24年9月 0 20 40 60 80 100% H10 H20 H10 H20 H10 H20 H10 H20 未婚女性 既婚女性 単身 単身以外 夫婦のみ 夫 婦と子ど も 鉄道 バス 自動車 二輪車 自転車 徒歩 33 33 8 22 22 32 34 33 9 22 22 30 51 33 17 11 12 15 57 33 14 1111 14 8 22 30 00 22 38 19 33 24 11 18 36 311 34 00 31 30 411 32 00 30 33 資料)東京都市圏パーソントリップ調査(H10、H20)より作成。 Fig.15 代表交通手段分担率(非就業者)

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