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学位論文題名 Analysis of the action of butyric acid that ●downregulate tumor necroslSfaCtorCYeXpreSS10n inrheumatoidSynOVialCe11S

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 ) 深 江   襷

     学位論文題名

    Analysis of the action of butyric acid that      ●

downregulate tumor necroslSfaCtorCYeXpreSS10n     inrheumatoidSynOVialCe11S

(関 節リウマチ 滑膜細胞のTumor Necrosis Factorぱ(TNFa)     産 生に 対 する 酪 酸の 抑 制 効果 )

学位論文内容の要旨

  関節リウマチ(Rheumatoid arthritis:RA)は多発性に全身関節を障害する 慢性炎症性疾患である.この病態には関節局所における多彩な炎症性サイトカ インの自己調節の破綻が関与すると考えられており、TNFQはこの中で中心的な 役割を果たすことが示唆されている.炎症滑膜組織は複数種の細胞集団であり、

その中 で単球由来 とされる滑 膜A細胞 は、その活 性化によりTNFaをはじめ とする炎症性サイトカイン産生の重要な責任細胞として、炎症病態形成に関与 すると考えられている.

  酪酸(butyric acid)は腸内偏性嫌気性菌の一種である酪酸菌(clostridium 属)により産生される飽和短鎖脂肪酸であり、腸内において強い抗炎症効果を もっとされている.その機序は充分には解明されていないが、TNFaを含む炎症 サイトカインの産生調節を介した抗炎症効果があることが近年指摘され、また ヒト単球、腸上皮細胞を使った実験では、このTNFQ産生の抑制過程で転写因 子NFだBの活性化抑制がおきることが示唆されている.

  本研究では、RA患者より得られた炎症滑膜細胞に対して酪酸のTNFa抑制効 果をまず評価した.っいでTNFa産生の代表的責任細胞である単球系滑膜A細 胞に注目し、単球系培養細胞のRAW264.7を用いて、TNFa発現機序に対する酪 酸の抑制効果を解析した.その結果、酪酸は転写機序を抑制するのではなくTNF G遺伝子の3 非翻訳領域(3 UTR)を介した転写後調節機序に影響を与えTNF a mRNAの代謝を促進し、その発現を抑制する性質を示すことが示唆された.

近年、TNFaをはじめとした炎症性サイトカインや、COX2、各種のプロトオン コジーン等では、mRNAの3 UTRへの結合因子を介した安定性と代謝速度の調 節 機 序 が 指 摘 され て おり 、 その3 UTRに共 通 して 存 在す る (AU―rich element:AURE)が注目されている.同部位に作用するとされるRNA結合蛋白の ひとっ であるTISllBはRAW264.7を酪酸で 処理するこ とで、そのmRNAが誘

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導されることが観察された.さらにTIS11B cDNAをクローニングし、その発現 ベ クタ ーをRAW264.7に 導入 する とLPS刺 激に よるTNFa産 生が 対照 と比較 し有意に低下することが証明された.今回の実験結果を総合すると、TIS11Bが 単球系細胞のTNFa mRNA発現における重要な調節因子のーっであること、ま た 酪 酸 によ りTIS11Bの 発 現 が 増 強 し、TNFamRNAの3 UTR中 のAUREへの 結合増強を介して最終的にTNFQmRNA発現レベルを抑制する機序が推定され た.

酪酸またはその誘導体は生理活性物質で、生体への安全性が高く、かつ安価な 物質である.適切に炎症滑膜組織に作用させれぱRAに対する治療に応用でき る可能性があると考えられた.

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学位論文審査の要旨 主 査    教 授    小池隆夫 副査   教授   小野江和則 副 査    教 授    西村孝司

     学位論文題名

    Analysis of the action of butyric acid that     I

downregulate tumor necroslSf ・aCtor ロeXpreSSlon     inrheumatoidSynOVialCe11S

( 関 節 リ ウ マ チ 滑 膜 細 胞 のTumor Necrosis Factorぱ(TNFa)     産 生 に 対 す る 酪 酸 の 抑 制 効 果 )

  関節 リウマ チ(Rheumatoid arthritis:RA)は多 発性 に全 身関 節を障 害する 慢 性炎 症性疾 患である,この病態には関節局所における多彩な炎症性サイトカ イ ンの 自己調 節の破綻が関与すると考えられており、TNFaはこの中で中心的な 役割を果たすことが示唆されている.炎症滑膜組織は複数種の細胞集団であり、

そ の 中 で 単 球 由 来 と さ れ る 滑 膜A細 胞 は 、 そ の 活 性 化 に よ りTNFaを は じ め と する 炎症性 サイ卜カイン産生に関与する重要な責任細胞であると考えられて いる.

  酪酸(butyric acid)は腸 内偏 性嫌 気性 菌の一種である酪酸菌(clos tridium 属 )に より産 生される飽和短鎖脂肪酸であり、腸内において強い抗炎症効果を も っと されて いる.その機序は充分には解明されていないが、TNFaを含む炎症 サ イ卜 カイン の産 生調 節を 介し た抗 炎症 効果 があ るこ とが 近年 指摘さ れた.

  本研 究では 、RA患者 より 得ら れた 炎症 滑膜 細胞 に対 して 酪酸 のTNFa抑制効 果 を ま ず 評 価 し た . つ い でTNFa産 生の 代表的 責任 細胞 であ る単 球系 滑膜A細 胞 に注 目し、 単球 系培 養細 胞のRAW264.7を用 いて 、TNFa発 現機 序に対 する酪 酸の抑制効果を解析した.その結果、酪酸は転写機序を抑制するのではなくTNF a遺 伝子 の3 非翻 訳領 域(3 UTR)を介し た転 写後 調節 機序 に影 響を 与えTNF a mRNAの代謝 を促 進し 、そ の発 現を 抑制 する 性質 を示 すこ とが 示唆さ れた.

近 年、TNFaを はじ めと した 炎症 性サ イト カイ ンや 、COX2、 各種 のプ口 トオン コ ジー ン等で は、mRNAの3 UTRへの 結合 因子 を介 した 安定 性と 代謝速 度の調 節 機 序 が 指 摘 さ れ て お り 、 そ の31 UTRに 共 通 し て 存 在 す る(Au―rich element:AuRE)が 注目 され てい る. 同部 位に作用するとされるRNA結合蛋白の ひ と つ で あ るTIS11BはRAW264.7を 酪 酸 で 処 理 す る こ と で 、 そ のmRNAが 誘 導 さ れ る こ と が 観 察 さ れ た . さ らにTIS11Bを 過 剰 発 現 さ れたRAW264.7で は LPS刺激 に よ るTNFa産 生 が 対照 と比 較し 有意 に低 下す るこ とが 証明 された .

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今回の実験結果を総合すると、TIS11Bが単球系細胞のTNFamRNA発現におけ る重要な調節因子のーつであること、また酪酸によりTIS11Bの発現が増強し、

TNFamRNAの3 UTR中 のAUREへ の結 合 増 強 を 介 し て 最 終 的 にTNFamRNA 発現レベルを抑制する可能性が示唆された.

  質疑応答においては副査西村教授から、TNFa以外のサイ卜カイン発現に対す る酪酸の影響について、T細胞サブセットに対する酪酸の影響、また酪酸の生 体投与の安全性についての質問があった.次いで副査小野江教授から、TNFa以 外のサイトカイン発現に対するTIS11Bの影響について、人体内の酪酸菌の存 在について、酪酸の血中濃度に対する問題点について、関節リウマチの滑膜A 細胞の由来と特徴についての質問があった.次しゝで主査小池教授から、TNFa mRNAの代謝機構調節に対して治療目的への応用可能性について、酪酸による TIS11B発現調節機序について、またTISIIB発現調節の治療目的への応用可能 性についての質問があった.いずれの質問に対しても、申請者は概ね適切に回 答した.

本論文における検討から、酪酸またはその誘導体は生理活性物質で、生体への 安全性が高く、かつ安価な物質であり、適切に炎症滑膜組織に作用させればRA に 対 す る 治 療 に 応 用 で き る 可 能 性 が あ る と 考 え ら れ た . 審査委員一同は、これらの成果を高く評価し、大学院課程における研鑽や取得 単位なども併せ申請者が博士(医学)の学位を受けるのに充分な資格を有する ものと判定した.

参照

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