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1970年代以降の「三世代同居」に関する史的研究 [ PDF

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(1)1970 年代以降の 「三世代同居」に関する史的研究 年代以降の「. 松田 祥江 1  序. らは、国として同居を促進していこうという姿がよみ. 1-1  研究の背景と目的 1-1 研究の背景と目的. とれる。また公団でも同居・隣居・近居の 3 タイプを用.  日本において、三世代同居 という親子同居のかたち. 意し、同居に対して積極的な姿勢を見せている。これ. は戦前から伝統的に行われてきた が、戦後の様々な社. らのことからは、この時期に国家レベルで高齢者同居. 会背景の変化にともない、それまでとは異なる要因で. を推進しようとした政策誘導的な面がうかがえる。. 選択的に行われるようになっていった3)。新しいかたち.  しかし、いずれの制度もあまりうまくいかなかった. の三世代同居は、住生活や住空間の分離に対する長所. ようである。老人世帯向公営住宅等建設戸数 8)は 1972. ばかりが取り上げられて高い関心を集めたが、最近は. 年(昭和 47 年)をピークに減少の一途をたどっている. 研究者や世論の熱が冷めその関心も次第に薄れつつあ. [図 1] 。また、ペア住宅は公営・公団ともに失敗だった. 1). 2). るように思われる。. ようである。ペア住宅の失敗の原因として、将来の高.  本研究は、これまで建築計画的視点で論じられてき. 齢者世帯用住戸の問題が挙げられている9)が、画一的で. た1970年代以降の「三世代同居」 「三世代同居住宅」を、. 可変性の乏しい公共住宅の欠陥が明るみに出たかたち. 社会的・歴史的視点をもって改めて見直すものである。. となったのではないだろうか。. 一時代の流行ともとらえられる「三世代同居」が人々.  2-1-2. 貸付制度. にどのようにとらえられ、どう位置づけられてきたの.  住宅金融公庫(以下、公庫とする)によるものが主で. か、1970 年代以降の「三世代同居」をとりまく社会の. ある。1972 年度(昭和 47 年度)には、公庫初高齢者同居. 動向を様々な角度からとらえるとともに、その歴史的. 対象の「老人同居割増貸付制度」が開始する。同制度. 意義を明らかにすることを目的とする。. は、開始の翌年から年々制度改正が行われ、適用範囲.  研究の方法 1-2 1-2 研究の方法. の拡大や床面積の上限の緩和、割増額の引き上げ等が.  三世代同居や三世代同居住宅に対して人々がどのよ. 段階的に進められた。それが功を奏したのか公庫融資. うな意識をもっていたのか、さまざまな資料を用いて. 千. 千. 2. 100. の高齢者同居住宅 建設戸数は年々増. 1. 供給側 2. 建築学の研究者側 3. 住み手・世論側の 三方向からとらえる。なお、資料として用いた新聞は、 一般紙 2 紙「読売新聞」(1975-2005)「日本経済新聞」 (1975-2005)、住宅業界の専門紙 1 紙「住宅産業新聞」. 4). 1.5. 加している[図1] 。. 1. 50. の実績・評価の記. 0.5. (1979-2005)の計 3 紙である。. 0. 0. 1965. 2  三世代同居住宅の供給. 1970. 老人世帯向公営住宅等建設 公庫融資老人同居住宅建設.  供給側として、三世代同居に対する国の住宅政策や. さらに、この制度. 1975. 1980(年度). 住宅公団老人同居優遇配分. 図1.高齢者向け住宅建設戸数(戸)の変化. 述からも、この制 度は成功したと判 断できる。. ハウスメーカーの二世帯住宅をとりあげる 5)。. 2-2  ハウスメーカーによる二世帯住宅供給 2-2 ハウスメーカーによる二世帯住宅供給. 2-1  住宅政策としての三世代同居 2-1 住宅政策としての三世代同居.  2-2-1. 「二世帯住宅」の位置づけ 2-2-1.「.  2-1-1. 高齢者同居住宅の建設.   「二世帯住宅」は、現在では一般的な住宅のタイプと.  1964年度(昭和39年度)に高齢者への住宅対策として. して認識されているが、元々は 1975 年発売の旭化成の. 初の「老人世帯向公営住宅」の建設が開始、1972 年度. プレハブ住宅の商品名であった。これまでの旭化成の. (昭和 47 年度)には、公営住宅・公団住宅(以下、それ. 二世帯住宅発売は確認できた限りにおいても多数にお. ぞれ公営・公団とする)で高齢者同居を対象とした住戸. よび、同社の二世帯住宅専門の調査研究機関、二世帯. の建設や優先入居制度が一斉に開始している。公営に. 住宅研究所の活動も80年代から90年代にかけて活発で. おいて、制度開始後に対象年齢が引き下げられたり 6)、. ある。住み手側の意向をくみとりよりよい二世帯住宅. 一般住戸より優遇する制度改正が行われている7)事実か. のかたちを求めてきたことがわかる。. 26-1.

(2)  また、旭化成における二世帯住宅の位置づけは、社.  新聞記事からわかる範囲で、旭化成の戸建て住宅の. 史の「当社の看板商品」10)「(住宅事業は)二世帯住宅と. 受注戸数に占める二世帯住宅の割合の変化をとらえた. いう新しいコンセプトを生み出して、急成長を遂げ. 15). た。」 といった記述からうかがい知ることができる。. 90 年代前半にそのピークを迎え、その後は下降傾向に. つまり、二世帯住宅開発メーカーである旭化成にとっ. あることがわかる。先に述べたような、各ハウスメー. て、 「二世帯住宅」は開発以来一貫してメーカーの顔と. カーの流行的ともとれる二世帯住宅の単発的な供給と. もいえるほど大きな存在で、販売戦略の中にも大きく. その戦略的位置づけはこうした実態の変化とも密接に. 位置づけられてきた。そして、特に 80 年代から 90 年代. 関係しているものと思われる。. を中心にその色が強く感じられる。. 3  研究蓄積からみた三世代同居研究の動向.  ハウスメーカー全体にとっての二世帯住宅の位置づ. 3-1  対象論文と分析方法 3-1 対象論文と分析方法. けは、新聞記事に掲載された二世帯住宅に関する企業.  分析対象とする論文は、日本建築学会の計画系論文. 情報(①発売等の状況②広告の内容③調査・セミナー等. 集等 16)に掲載されたもののうち、三世代同居を扱った. の活動状況)や、ハウスメーカーのとりくみにみること. 論文 17)や、世帯構成やその変化に関する論文、同居・別. ができる。①では、80 年代前半までは主に旭化成に関. 居についての意識に関する論文、親と子の住み方に関. する記事が多く、全体としては約 10 年後の 80 年代後半. する論文(以下、それぞれ『三世代同居』 『世帯構成』 『同. からその数が急増していることがわかる[図 2] 。また、. 別居観』 『居住形態』とする)である。. 各メーカーの発売等の状況は単発的であることがわ.  上記論文を掲載された年によって年代順に並べ、そ. かった。②でも、80 年代前半は旭化成の広告が多くを. れぞれの内容を図 4 のように分類した。. [図 2] 。受注戸数の割合は 1980 年代以降年々高まり、. 11). 占めており、全体としては 80 年代後半から 90 年代初め にかけて二世帯住宅を前面に押し出したものが多く. 〔住まいのかたち〕. なっている[図 2,3] 。しかし、ここでもそれが単発的. 「戸建て」 「二世帯住宅」 「ペア住宅」 「公共住宅」. 「都市・地方都市」 「一般」/「地域差」 「農村」. 意識. 『三世代同居』. 共用・分離 実態. であることがよみとれる。③では、旭化成以外のメー. 〔主な視点〕. カーで二世帯住宅に関する調査等の活動を行っている その他 関連論文. のは少数で、継続的・重点的に行っているメーカーは. 『世帯構成』 『同別居観』 『居住形態』. 〔主な視点〕. 見受けられなかった。. 「同別居観」 「分離度の希望」 「住生活」 「住居形態」 「平面形態」 「高齢者」 「隠居慣行」. 図4.分類軸. 3-2  全体的傾向 3-2 全体的傾向.  しかし、新聞記事からは、いくつかのメーカーが.  1970 年代は、一般的な三世代同居住宅やその家族に. 「リーディング商品」12)「戦略商品」13)と位置づけている 様子がよみとれる。こうしたことから、各メーカーは. 対象を定めた建築計画的な研究は少数であった。しか. 社会の動向に追随して場当たり的に二世帯住宅を戦略. し、80 年代に入ってからほぼ毎年論文が発表されその. 商品と位置づけ、販売を行ってきたことがうかがえる。. 数も増加していることから、その頃から三世代同居に.  2-2-2. 二世帯住宅の供給実績. 焦点を当てた研究が活発に行われるようになったこと.   「二世帯住宅」はその一般的な定義が明確に定まって. がわかる。多くは新しい三世代同居に理想のかたちを. いないため、統計的にその実態をとらえることは非常. 求めて、家族の住意識や住生活、平面型の実態につい. に困難である。そこで、二世帯住宅の供給実績に関す. て研究を行ったものである。 『三世代同居』の論文数は. を用いて年代ごとの供. 90 年代前半にピークを迎え、90 年代末になって再び激. る情報の多い旭化成のデータ. 14). 減している[図 5] 。つまり、テーマとしては 80 年代初. 給実績の変化を概観する。 14. 45. 40%. 60%. 12. 35. 30%. 10. 30. 8. 40%. 25. 20%. 6. 10%. 20%. 10. 2. 5. 0 19791980. 19811985. ①発売等. 19861990. ②広告. 19911995. 19962000. 0% 2001(年) 2005. 0. 0%. 1971- 1976- 1981- 1986- 1991- 1996- 2001- (年) 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005. 旭化成の二世帯住宅供給実績(%). 『三世代同居』論文数 『居住形態』/『三世代同居』+『居住形態』. 図2.新聞記事にみる二世帯住宅へのとりくみと. 図3.二世帯住宅の広告. 旭化成二世帯住宅供給実績の変化 . (住宅産業新聞増刊号、1988年7月28日付). 図5.『三世代同居』論文数と『居住形態』論文の割合の変化. 26-2. に扱われ、最近の約 1 0 年間の論文は少. 20 15. 4. めから 9 0 年代半ば の約 1 5 年間さかん. 40. ないことがわかる。 さらに、同居の枠を こえ近居・遠居まで 含めた「親と子の住 まい方」を問うよう.

(3) な『居住形態』の割合が増加してきたこと[図 5] 、現. ・世論からみた三世代同居 4  住み手  住み手・. 代の隣居型住宅にも通じる「隠居慣行」を扱った論文. 4-1  研究蓄積における住み手の住意識 22) 4-1 研究蓄積における住み手の住意識. が増加してきたことなどより、最近は研究テーマとし.  同別居観については大まかに同居肯定 23)から同居否. ての関心が同居自体から近居等を含めた範囲まで広が. 定 24)という軸でとらえた。. り、三世代同居という居住形態自体への建築学の研究.  年代によらず共通していることとして、まず親子同. 者の関心が薄れてきたということが指摘できる。. 居への考え方が現状に左右される傾向が挙げられる。. 3-3  三世代同居を扱った論文 3-3 三世代同居を扱った論文. また、全体的に親世代と子世代で意識の差が見られ、同.  3-3-1. 住まいのかたち. 居世帯では親世代のほうが同居に対して肯定的な傾向.  戸建て三世代同居住宅における世帯の分離度に注目. がある。このことは、同居世帯における世代間の意識. した建築計画的研究は、主に都市・地方都市を対象と. の相違という点以外に、立場の違いによって考え方が. して行われている。しかし、そうした研究も 80 年代前. 異なることをも意味している。この点から、三世代同. 半をピークとして減少していく。一方で 90 年代の農村. 居住宅の次世代への継承の困難さも感じられる。. における研究は、隠居慣行地域の事例が多く扱われ、世.  年代とともに変化していると思われる点は、同別居. 帯の分離度といった視点で行われているものは少数で. や、その中間的な居住形態などに対する考え方とその. ある。つまり、研究者たちは、主に都市における三世. 決定要因である。70 年代は世代に関わらず多くが同居. 代同居の理想のかたちを模索していたが、次第に. に肯定的な傾向があるが、80 年代に入ると子世代は約. フィールドを農村に移し、現代の隣居型住宅にもつな. 半数かそれ以下となっている。80 年代前半から子世代. がる隠居慣行の事例研究の場を求めていったといえる。. において、90 年代に入ると親世代でもこうした近接別.  3-3-2. 主な視点. 居を志向する者の割合が増加する。親世代の同居肯定.   『三世代同居』のうち世帯の分離度に視点をおいたも. の理由としては、情緒的理由が一貫して多くを占めて. のについて、さらに細かくその視点の変遷をみていく。. いる。一方、子世代は 80 年代までは家継承意識による.  まず、同居か別居かといったことに視点をおいたも. ものが大多数を占め、80 年代後半あたりからは経済的. の 18)の割合が減少し、次第に同居を前提としてその分. 理由が多く挙げられる傾向にある。. 離度に視点をおいたもの 19)が多数を占めるようになっ. 4-2  「住宅需要実態調査」25) からみた住意識の変化 4-2 . ている[図 6] 。つまり、新しい三世代同居の考えが出.  調査結果を時系列的にみると、 「同居」を希望するも. 現する以前は同居自体が必然的なもので、それ自体が. のの割合が急激に減少し、その他のそれぞれの選択肢. 問われることはほとんどなかった。初期はその意識や. の割合が少しずつ増加していることがわかる[図8] 。こ. 実態が確立されておらず同居か別居かという点にもあ. のことからも住まい方の希望が多様になっていること. る程度視点がおかれたが、それらが確立していくに. がわかる。また、 「わからない」や「特にこだわりはな. 従って、同居を前提としてその中でどう世帯分離を行. い」が高い割合を占めていることは注目に値する[図. うかといったことが求められるようになったといえる。. 8]。住まい方への選択性が強まる中、画一的な住意識.  また、 「戸建て」では、研究の視点が居住者の意識を. 50.0%. から独居や隣居・近居. とらえるもの 20)から実態をとらえるもの 21)に移ってい. 40.0%. も含めた多様な住意. る[図 7] 。初期はそれまでとは異なった新しい三世代. 30.0%. 識へと移行する一方. 20.0%. で、確固たる住意識ま. 同居に理想のかたちを求め、その中に人々の意識を取. 10.0%. り入れていこうとする姿が読み取れる。そして次第に. で失う傾向にあるこ. 0.0%. 確立しつつある住生活や平面形態の実態をとらえ現状. 1983 同居. への問題点を探る方向に進んできたことがわかる。 0%. 20%. 40%. 60%. 80%. 25. マを寄稿や特集などで扱った新聞記事 26)を用いた。. 15 10.  4-3-1. 読売新聞. 5. 1992- 1998. とがわかった。.  世論を反映するものとして三世代同居に関するテー. 20. 1985- 1991. 1998. わからない+特にこだわりはない. 4-3  新聞記事からみた三世代同居 4-3 新聞記事からみた三世代同居. 30. 1978- 1984. 1993 近居. 図8.意識の変化( 「住宅需要実態調査」 より). 100% 35. 1971- 1977. 隣居. 2003 (年). 0. 1999- 2005. (年). 19711977. 同別居 分離度 「同別居観」 「分離度の希望」 「住居形態」  「住生活」  「平面形態」. 図6.『三世代同居』同別居から分離度への視点推移. 19781984. 意識 「同別居観」 「分離度の希望」. 19851991. 19921998. 19992005. (年). 実態 「住生活」 「住居形態」 「平面形態」.  1980年代後半から90年代前半にかけて多くとりあげ られ、その後減少している[図 9] 。二世帯住宅をとり. 図7.「戸建て」論文意識から実態への視点推移. 26-3. あげた記事が比較的多く、90 年代前半までは、二世帯.

(4) 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 19761980. 19811985. 19861990. 19911995. 19962000. 20012005. (年). 読売新聞 日本経済新聞(近居等除) 読売新聞+日本経済新聞(近居等除). 図9.一般紙2紙における三世代同居関連記事数の変化.  4-3-2. 日本経済新聞. 住宅への関心の高さ. 異なる新たな住まい方の方向へ向かった。. を示す記事内容で一.    このような 70 年代以降の「三世代同居」をとりまく. 貫している。そうし. 一連の流れの背景には、社会構造の変化と住意識の多. た状況に対して、事. 様化があると考えられる。そうした背景のもとで、画  . 例、設計のアドバイ. 一的で普遍的な意識は失われ志向は変わりやすくとら. スなどの記事を掲載. えがたいものとなっていった。それと同時に、住宅に. し、住み手側に情報. 理想のかたちを求める意義も失われていったのである。. を提供する様子がみ.  かつてのモデル提示型の供給システムおよび建築計. られる。. 画的研究の限界がここにきて明るみに出たかたちと.  . なった。そこに、めまぐるしく変化する意識やライフ.  80 年代から 90 年代前半にかけては、読売新聞同様そ. スタイルにその時々で対応して住宅を供給していくと. の注目されている様子をあらわす記事が多くを占める。. いう、現代の住宅の消費財としての一面がうかがえる。. しかし、90 年代後半から二世帯住宅を否定的にみる動. 分離傾向の強い新しいかたちの三世代同居住宅にもそ. きもあらわれ、そのテーマも同居そのものではなく、近. のような側面がみられる。最近の「三世代同居」への. 居や別居に関するものが増えている。つまり、三世代. 関心の低下は、多様化する住意識のもとで選択的に行. 同居に焦点をあてた記事数は90年代前半をピークに減. われてきた三世代同居があわせもつもろさをも示して. 少していることがわかる[図 9] 。. いるのかもしれない。. 5  結  本研究において、以下のことが明らかになった。  三世代同居を意識した住宅の供給は、当時明るみに 出はじめた高齢者問題に対する公的な高齢者住宅建設 の流れの中で行われ始めた。積極的に同居を促進しよ うとする国の政策誘導的な側面を示すかのように、70 年代初めには公営・公団・公庫によって高齢者同居を 対象にした制度が一斉に開始され、以降さまざまな提 案や制度改正が行われる。しかしその結果は、モデル 提示型の直接的供給は失敗、建設資金援助の間接的供 給は成功という両極に分かれた。そして、公庫利用の 増加とともにハウスメーカーによる二世帯住宅建設の 役割が高まることとなる。  ハウスメーカーにとっての二世帯住宅が、戦略商品 的位置づけの高まりを見せ始める 80 年代初めには、研 究者によっても三世代同居住宅を対象として主にその 住意識をとらえる視点での研究がさかんに行われ始め、 以降90年代半ばまでさかんに研究のテーマとして扱わ れることとなる。80 年代後半には世論の関心も高まる とともに二世帯住宅の戦略的位置づけがピークを迎え、 90 年代前半には旭化成の二世帯住宅の実績戸数もピー クに達する。そして、その普及とともに研究の視点も 主に実態をとらえるものへと変化していくが、そこか らは三世代同居家族の理想の住まいのかたちを求める という当時の研究者たちの一貫した意図がよみとれた。. 【注釈】 1)本研究における「三世代同居」とは、孫の有無にかかわらず、既婚の子供夫婦とそ の両親または片親が、同一棟もしくは同一敷地内に居住する形態をさす。また、同様 に「三世代同居住宅」とは、三世代同居という家族形態に対応した住宅とし、はなれ も含む。 2)参考文献(1)参照。社会学における、戦前の家制度に代表される世代の継承をベー スとした「直系家族」に対応する。 3)参考文献(1)参照。注釈 2)に対して、社会学における「修正直系家族」に対応する。 4)住宅産業関連の情報が掲載、週刊で発行されている。増刊号(1981-2004)は一般読 者向けのタブロイド版であり、主にハウスメーカーの広告記事や特集が掲載、季刊で 発行されている。 5)三世代同居住宅は定義があいまいなため全体的な実態がとらえがたい。その一端を 明らかにするため、ここではハウスメーカーの二世帯住宅をあつかう。 6)「老人世帯向公営住宅」における。 7 )「老人同居世帯向公営住宅」における。 8)参考文献(2)より、 「老人世帯向け」「老人同居世帯向」「ペア住宅」の建設戸数の合 計であると考えられる。 9)読売新聞(1980 年 9 月 22 日付)参照。 10)参考文献(3)参照。 11)参考文献(4)参照。 12)住宅産業新聞(1988 年 8 月 17 日付)参照。 13)住宅産業新聞(1994 年 4 月 27 日付)参照。 1 4 ) 旭化成では、台所が両世帯に設けられているものを二世帯住宅と定義している。 15)資料は 3 紙の旭化成に関する記事のうち「旭化成によると…」となっている記述 である。 16) 他は、大会学術講演梗概集、支部研究報告集である。 17)一般的な戸建て住宅での三世代同居や、ハウスメーカーの二世帯住宅、ペア住宅、 公共住宅での三世代同居を研究対象とし、住宅自体やその家族に焦点を当てたもの。 18)「同別居観」「住居形態」に該当するもの。 19)「分離度の希望」「住生活」「平面形態」に該当するもの。 20)「同別居観」「分離度の希望」に該当するもの。 21)「住生活」「住居形態」「平面形態」に該当するもの。 2 2 ) 研究蓄積のうち、意識に関する調査を行っている論文を分析対象とする。なお、 調査対象や調査項目、定義などが異なり、研究全体を通して詳細で綿密な住意識やそ の変化をとらえることは困難であるが、さまざまな人々がもつ親と子の住み方に対す る意識を概観し、傾向を追うには有効な手段であると位置づける。 23) 同居賛成、同居してよかった、将来同居したいなど。 24) 同居に対する満足度低い、将来同居したくないなど。 25)親と子の住まい方に関する調査結果が掲載されている 1983 年、1993 年、1998 年、 2003 年のデータを用いた。 26)時事的な記事や企業情報等ではなく、新聞社がすすんで「三世代同居」に関する テーマを特集やコーナーで扱っていると判断できるもの。 【参考文献】 (1)篠原聡子、大橋寿美子、小林雅生、ライフスタイル研究会 ,『変わる家族と変わ.  しかし、こうした三世代同居への関心の高まりは、90 年代後半には急激に低下していくこととなる。そして、 研究者の興味、住み手の意識、世論の関心が、同居と. 26-4. る住まい < 自在家族 > のための住まい論』, 彰国社 ,2002 (2)日本建築学会 建築計画委員会 ,『高齢社会に向けての住居・住環境の課題』, 日 本建築学会 ,1984 (3)『30 年の歩み』(旭化成ホームズ提供資料) (4)日本経営史研究所 ,『旭化成八十年史』, 旭化成株式会社 ,2002.

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参照

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