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竹田 仰*・志水 哲朗

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(1)

ディジタル制御方式DC−DCコンバータの

    出力安定化特性についての一考察

松尾 博文*・黒川 不二雄*

竹田 仰*・志水 哲朗

A Consideration for the Regulation Characteristics of the Digitally Controlled DC−DC Converter

by

Hirofumi MATSUO*, Fujio KUROKAWA*,

Takashi TAKEDA*and Tetsuro SHIMIZU*

  The digital control circuits are often employed in the dc−dc converter in order to realize the.high reliability of the electronic power supply, since they are less affected by the influence of environmental disturbances such as ele6tric noise, temperature, aging, etc. as compared with analog ones. In the digitally controlled dc−dc bonverter, the regulation of the output voltage is divided broadly into three modes, i.e., the integral control mode, the proportional control one and the open玉oop one in which the regulation cannot be performed. Especially, in the integral control mode, the regulation charac−

teristics is so ideal that there exists no steady−state output voltage error for changes of the input voltage and the load. For this reason, the digitally controlled. dc−dc converter is usually used in the integral control mode.

  This paper deals with the steady−state analysis of the digitally controlled dc−dc converter in the integral control mode. As a result, it is revealed that the circ㎜scription of the regulation range is due to not only the overflow or underflow phenomenon in the integral mode control circuit but also the maximum or minimum on−time of the trasistor switch. AlsO, the resolution of the output vQltage is analyzed, and the relations among output voltage resolution, number of pulse from the voltage−con−

trolled oscipator(VCO)and regulation range are clarified. These analytical results are verified by the experihlents.

1.まえがき

 ディジタル制御方式DC−DCコンバータにおいて

は,出力電圧の安定化モードは積分制御による安定化 モード,比例制.御による安定化モードおよび安定化の 計れない開ループモードの3つに分けられる.この中 で,積分制御による安定化モードでは,入力電圧や負 荷電流が変化した場合にも,出力電圧には定常偏差が 存在せず,理想的な安定化特性が得られるω.筆者らは 先に,との積分制御による安定化モードに対応した入

力電圧および負荷電流の範囲を明らかにしたω,②.こ れらの解析は,スイッチ素子のオン時間の変化が積分 制御回路部のオーバフローあるいはアンダーフローに よってのみ制限される場倉について行われている.し かし,一般には,オン時間そのものに上限値および下

限値が存在し(3)・(4),これにより出力電圧の安定化範囲

に制限が生じる.従来,この点に関しての検討は行わ

れていないようである.

 本論文では,以上に述べたより一般的な場合に対し 昭和63年9月30日受理

 *電気情報工学科(Department of Electrical Engineering and Computer Science)

(2)

Drive Circuit

Dlg ol COn rol Cir Ult

εi τr

D

L   ↑     Reo

 C

Fig.1 Step−down type DC−DC converter.

      D・e e。_P・e−Ampllfl。,

      C薗  8量        Clrcut

回書瓢;畿詠茜

8

       じロリロロココココ        lPreviou5・

l      ICount・1ΣNI.n。1        , L一___._1∵」=二∵二↓_._一_一_一」

Fig.2  Circuit configuration of the digital P−1−D     control circuit.

fmqx 垂・・

とfmln

ムf     l

曾 li,FA(。。一Eさ).EB

    口

    ll    →1LρE1       O      E8       E1(V)

Fig.3 Voltage versus frequency characteristics     of the VCO.

GαinA

    Gqin竃

て,DC−DCコンバータにおける積分制御により安

定化が計られる入力電圧および負荷電流の範囲につい て理論的,実験的解析を行った.その結果,積分制御 により安定化が計られる入力電圧および負荷電流の範 囲についてより一品的な上限および下限が明らかにさ

れた.

 また,出力電圧を設定する場合の分解能とVCOか

ら出力されるパルス数との関係が求められ,このパル ス数が分解能と出力電圧安定化の範囲の2つの条件を 考慮して決定されることを示した.

Eo E6

EB

工、

E1

Fig.4 Pre−amplifier circuit.

:   』Ts  l   丁s  :

コ       コ      ロ

:一一βTs   !1一一PTs   !1

(n−1)(..1川 n nlo

   →←T・ff r…一丁。n→←T。ffrレ 噂一Ton

ロ      コ      コ   コ

1←(n−1)一th period一ゆ1噂一一・n−th period−1

Fig.5 0n−time 7番, off−time T。霧andβ7恐dur−

    ing the n−th switching period.

2.ディジタル制御方式DC−DCコンバータ

  の回路構成

 Fig.1に降圧形DC−DCコンバータの基本回路を

示す.1ここで,ディジタル制御回路部はFig.2に示す ディジタルP−1−D制御回路により構成されている.

Fig.2の制御回路において, vco(電圧制御発振器)

はA/D変換器として用いられており,Fig.3に示すよ

うにDC−DCコンバータの出力電圧E。は周波数!

に変換される.この場合,出力電圧E。と比較的狭い範

囲に限定されたVCOの入力電圧とのレベルの調整を

計り,また,ディジタルP−1一 D制御回路の比例感 度を任意に設定し,出力特性に対する比例感度の影響 を検討するために,Fig.4に示す前置増幅回路がvco の前段に設けられている.Fig.2の制御回路はP(比 例)制御回路部,D(微分)制御回路部,1(積分)

制御回路部の3つに大きく分けられる.そしてFig.5 に示すη番目のスイッチング周期の中の予め決められ た時間βπの問に出力電圧E。のサンプリングが行わ

れ,アップカウンタにVCOからのパルス数が取り込 まれる.次に,(1一β)媒の期問にディジタル的な微分

および積分の演算処理②・⑤が行われ,この演算結果に より予め設定された基準値1協が修正される.この結 果,次のスイッチング周期においては,この修正され

た基準値1>盈がコンパレータでVCOからのパルス

数と比較される.従って,スイッチT.のオン時間7』.

は,

 7b。=ム扁/!      (1)

となり,この7b.の制御により,出力電圧E。は安定化 される.ここで1>盈は

 騒〃=鵡一(κo〈ら,η十1(1Σ莇,η)       (2>

であり,また1(。および凡はそれぞれD制御回路部の

微分係数および1制御回路部の積分係数であり,〈ら,.

およびΣノ〉,,。はそれぞれD制御回路部および1制御

回路部の演算結果である.

(3)

3.積分制御による安定化モードの範囲 3.1 出力電圧安定化の範囲について

 ディジタル制御方式DC−DCコンバータにおいて,

積分制御による安定化モードでは入力電圧や負荷電流 が変化した場合にも出力電圧E。には定常偏差が生じ ない.ここでは,この積分制御による安定化モードに おける出力電圧E。の安定化の範囲について,積分制 御回路部のオーバフローあるいはアンダーフロー,お

よびスイッチT.そのもののオン時間の上限値および 下限値を考慮したより一般的な検討を行う.この場合,

DC−DCコンバータの動作が安定であると仮定し,

また,定常状態での回路の動作および特性を問題にす るので,Fig.2のD制御回路部の働きについては考え

る必要がない.すなわち,定常状態では式(2)において くら,。=0なので修正された基準値く噛は

〈幅=1協一κノΣ莇,. (3>

となる.式(3)において,1制御回路部のビット数をQ、

とし,符号ビットを考慮すれば,Σ漏,。は,

 一(2ρL1)≦Σ1>},。≦:2ρL1 となる.

(4)

 まず,Fig.2において,スイッチT。のオン時間7b。

の変化が1制御回路部のオーバフローあるいはアン ダーフローによってのみ制限される場合には,式(3)お よび(4)より,〈幅は次のようになる.

騒一1(」(29L1)≦轟〃≦1%+κ(2ρL1) (5)

この積分制御モードでは,出力電圧E。には定常偏差

が存在せず,

 E。=E。* (6)

である.ただし,E。*は出力電圧E。の目標値である.

このため,Fig.3よりVCOの発振周波数!は

 ∫=!*

に固定される(3).従って,

鵡Mは式(1)より  く偏=∫*7「。.

で表される.

 また,

(7)

このモードにおける修正値

(8)

    リアクトルの起磁力が連続なモードでは,

DC−DCコンバータの出力電圧E。は次式で表され

る(6).

 Eoニ〒(7bη/み)Eご/(1十7・/1〜)      (9)

ただし,γはDC−DCコンバータの等価内部損失抵

抗である.スイッチT.のオン時間76。の変化が1制 御回路部のオーバフローあるいはアンダーフローに よってのみ制限される場合,出力電圧E。の安定化が

可能な入力電圧昂および負荷電流Z。の範囲は式(5),

(6),(8)および⑨よりそれぞれ次式のようになる.

(・+青)瀦器芒、)

≦駆(1+者)澱鍛鉦、)

÷{翫雑一1)酬畷

≦ん≦÷樺+霧一1)島動・}

(10)

(1D

 次に,出力電圧E。の安定化が可能な入力電圧Eゴお よび負荷電流Z。の範囲がスイッチT。そのもののオ ン時間7』.の上限値あるいは下限値によってのみ制

限される場合について検討する.今,オン時間:τ』。の 上限値を76。max,下限値をT。. mi.として, T。。は  T。。mi。≦7〕。。≦7』。 max        (12)

となる.式(8)を用いて式(12)を修正値く励に関して表せ ば

!*7b。m、。≦〈励≦7b。m。、       (13)

である.ここで式α2)あるいは式(13>の7b。 m。.について 考える.Fig.2のディジタル制御回路において, Dおよ び1制御回路部では,βπの期間にVCOからのパル

スが取り込まれ,残りの(1一β)媒の期間に微分およ び積分の演算処理が行われている.このため,本論文 ではスイッチT.によるスイッチングノイズが演算処 理に影響を及ぼさないようにするために,この演算処 理の期間にスイッチングを行わないものと仮定すれば,

7b。 maxは

 7bηmax≦:β7も                (14)

となる.従って,式(⑳を式⑬に代入して,〈幅は

 ∫*7bηmin≦;ノ〉)〜M≦;β〆*Z}       (15>

となる.従って,この場合には,出力電圧E。が安定化 される入力電圧瓦および負荷電流Z。の範囲はそれぞ

れ次式のようになる.

(・+者)㌘≦瓦≦(・+煮)篶 

(16>

÷(㍗瓦一動・)≦為≦÷(β凡一凡・) (17>

 式㈹と(16)および式(11>と(17>の両辺をそれぞれ比較し,

また,式(5)およびq5>を考慮すれば,出力電圧E。が安定

化される入力電圧Eゴの上限と下限,および負荷電流 Z。の上限と下限はそれぞれTable 1およびTable 2

のように示される.

 以上の議論は,DC−DCコンバータのリアクトル

の起磁力が連続な場合について行われている.しかし,

負荷電流Z。がある臨界値以下になると,リアクトルの

起磁力が不連続になる(7).このときの出力電圧E。は次 式で表される.

    7b。

       Eガ             (18>

 E。=    7ら。+7b

(4)

Table 1  Regulation range of Eゴ.

(a)Upper limit Condition Upper Limit 騒一κ、(29L1)

@〉∫*7も。m、.

(1・煮)両論謬1)

ハ醍一κ(2ρ 一1)

@≦ノ*7b。 mi。

(・+者)篶

(b)Lower limit Condition Upper Limit 澱+、K、(2ρL1)

@<β〆*7も

(1・煮)輪慧多毛1)

澱+K,(2QL 1)

@≧β〆*7も

(・+畿*

Table 2  Regulation range of Z。.

(a)Uppgr limit Condition Upper Limit 飾+κ,(29L1)

@〈β/*7誉

}{騒+二一1)E「島・}

澱+1(、(2ρL1)

@≧β/*7篭

⊥(βErE。*)・

(b)Lower limit Condition Lower Limit

妬一1(、(2QL 1)

@〉∫*T。。min

÷{莇〜一1(}(29 一1  ∫*T、)且一甜}

茄一κ(29L1)

@≦プ*7b。m量.

÷(㍗㎞E・一動・)

ただし,

 易一{一丁。π十〜/T3η十8Tε(L/R)}/2      ⑲  この式(1月中よび⑲を考慮する.ことにより,リアクト

ルの起磁力が不連続な場合の出力電圧E。の安定化が 可能な負荷電流Z。の下限値がTable 2(b)に対応して 求められる.この結果をTable 3に示す.

3.2 出力電圧の安定化に関する実験および考察  Fig.6に入力電圧瓦および負荷電流z。の変化に対

するディジタル制御方式DC−DCコンバータの出力

電圧安定化特性を示す.図において,○印は実験値を,

実線は計算値ωを示している.こめ図より,積分制御に よる安定化モードでは,出力電圧の定常偏差は零にな り,理想的な特性を示すことが分かる.ここでは,こ

の積分制御による安定化モードに対応した入力電圧

瓦および負荷電流Z。の範囲について実験的に考察す

Table 3 Lower limit of regulation range of Z。

in the discontinuous mmf mode.

Condioion Lower Limit 搬一κ,(29Ll)

@〉∫*7b。 mi.

{翫

酪虚r*{(爵)2一爵}

澱一κ(2ρL1)

@≦ノ*7〕_、n

侮癖≧*{( EゴE。*)2一壽}

る.

 Fig.7(a)および(b)にそれぞれ1制御回路部の積分係

数1(,を変化した場合の積分制御による安定化モード に対応した入力電圧瓦および負荷電流1。の範囲を示 す.図中,○印は実験値であり,実線はTable 1およ びTable 2より求めた計算値である.また,Fig.8およ びFig.9にそれぞれ1制御回路部のビット数Q」およ

びVCOの出力パルス∫*7』を変化した場合の安定化

範囲を示す.実験値は計算値とよく一致している.ま た,Fig.7およびFig.8より,1制御回路部の積分係数

Krおよびビット数Q、を増加すると積分制御による 安定化モードに対応した入力電圧瓦および負荷電流

Z。の範囲は,上限および下限はともに増大するが,あ る値以上では両方とも一定となることが分かる.一方,

Fig.9より,vcoの出力パルス数!*無を増加すると

10.0

9.5

^9.0 ヒ

L」8.5

o

10.0

9.5

^9.0 ヒ

四85

8.0

乳50 8.0

7.5

 KFO.03

 賛        Io昌1.OA  奮 「s3668

q・1・B…

@〆

     _◎_o_◎/

    一:Co量cu匪αted VqIues 14  16  18  20  22  24  26      Ei〔V)

(a) For change of Ef

Kl昌0.03

fTs呂668 QI昌10Bits

Ei昌20 V

o一。一〇}。『。一 ン→一岱儀(・℃「ト

。:Meqsured Vqlues 一:Cq匠culQted Vq1ues

  10        2.0    :0(A)

(b) For change of Zo

3.0

Fig.6  Regulation characteristics.

(5)

380

 40 9

と 30

 20

10

 o:Meαsured Vα巳ueg     lI 一:Cqlculqセed @Vqlueg

隻ゴ1081t5/・巻・9・・1ii謀判「

。rr一 fツ始零襯@

。一・/    i{、..。r

%\一一_.」Ll卸it。

       ロコ

 fT。nmi…7 σ299\1レ・・3・1

15

^10 ≦

 5 2

0   0.05 0.10  0.15  0.20 0.25 030 0.35 0.40

        Kl

(a) Regulation range of Eご

ロ       ロ

lQF1。副t・ Eも・9心v ll

lf管T、・668 Eド20V ll\

i,・T。。m、.。17  ii蹄「

ロ      ロ        ロ

l     Regu匡。ti・n

l         Rqnge日

l      ll

l      Lowe「      1。

;〆0・・18/Limit O・299\1;/0・3 0   0。05 0.10 0.15 0。20 0.25 0.30 0.35 0.40

        KI.

    (b) Regulation range of 1』

Fig.7  Regulation range for change of 1(}.

 ρ.:Meqgured Vqlues

一・C・1・u・…dV・・ues

@炉「一一

      ll Upper

 K1=O工)3     Eさ盤9.oV

       ■Limlt

竺コンil諜野

       1/

積分制御による安定化モードに対応した入力電圧瓦

および負荷電流Z。の範囲は減少することが分かる.ま

た,∫*7もを減少した場合,ある値以下では上限および

下限はともに一定となることが分かる.

 これらの結果より,式(5)に示した条件のもとでは,

積分制御による安定化モードに対応した入力電圧瓦 および負荷電流んの範囲は1制御回路部の積分係数 凡およびビット数(2∬を増大すること,およびVCO

の出力パルス数∫*7恐を減少させることにより拡げる

ことができる.しかし,式(15)に示した条件のもとでは

んおよびQ,の増加あるいはノ*7恐の減少によっては 出力電圧の安定化範囲を拡大できないことが分かった.

380

 40 藷・・

 20

10   の

13.32虜 13.37

 \昌

0   2  4  6  8  10  12  14  16  暑8

       QI(Bns}

4.出力電圧設定における分解能

 3.2で述べたように,積分制御による安定化モー ドに対応した入力電圧瓦および負荷電流Z。の範囲が,

スイッチ公のスイッチング周期πの間にVCOか

ら出力されるパルス!*媒を減少することにより改善 される.このことから,出力電圧の安定化特性の点か らはノ*7もをある程度小さく選ぶ必要があることが分 かった.ここでは,このノ*媒に関して,出力電圧を設 定する場合の分解能の点に注目して検討してみる.

 Fig.4に示した前置増幅回路において, EBはバイア

380

 40

奮・・

 20

10

 翼      o:Meosured Volues      一:CαlcuIqted Vqlues

拳、ま::18雷、,。聯。AV

 =

1  蹄「fτgnmin 317

,晶,㎞\∠__

磐ノー篇一一←

6《静766.93 L・m・・

0    100  200  300  400  500  600  700        f菅 「S

 (a) Regulation range of Eど

(a) Regulation range of Eご

15

^10 ≦

2  5

KドO.03 fτs=668 ね

Eo39.OV ね

Eド20V

f Tonmin=17

   1 、きppe『

   l        lLimit・

   旨        霊

、。.。,i i農躍i。n

Limit l  13.321

  \1/…\1♪37

0    2   4   6   8   10  12  書4  16  18

       QI{Bits)

塞5

^10 s

 5

(b) Regulation range of Z。

Regulation range for change of Q,.

 暉      畳

64147

\・66・93

Fig.8

         Lower

\一芝」7≒

Fig.9

0  100 200 300  400  500. 600 700

 f軸1 s

(b) Regulation range of Z。

Regulation range for change of∫*:τ恐.

(6)

ス電圧でVCOの平衡動作点における入力電圧である.

F圭g.3はVCOの単純化した電圧対周波数特性であり,

 ノ=GEI十B      (20)

の部分が利用される.ここで,E1は前置増幅回路の出

力電圧であり,Fig.4より,

 ∠;し1=ノ∠1(Eo−Eo*)十Eβ      (21)

である.式(20)および式(2DよりVCOの発振周波数∫は

 ノ=(=⊇{∠∠1(Eo−Eo*)−一1−EB}十B       (22)

となる.ここで,積分制御により安定化されるモード

において,1制御回路部の基準値N∫醐とVCOの発振

周波数:ノ は一般に次式で関係づけられる.

 ,〈ノ}ノvτ=」6しヂ「7「』       (23)

式(22)および(23)より出力電圧E。は

島一島・+鳶{笠一(GEβ十B)} (24)

となる.上式で特に前置増幅回路のバイアス電圧EB を適切に選べば,第2項は零となり,出力電圧E。は.

 11)o=Eo*       (25)

となる.このときVCOの発振周波数∫を

 ノr=ノ*・       (26)

と表すと,1画面回路部の基準値ノ〉,醐は、

 ノ〜〜}〃7・=≠が*7「』      (27)

となる.

 今,1制御回路部の基準値2>ノ醐を∠ハ㌃醐だけ変化 したとき,これに伴ってVCOの発振周波数∫がノ*か ら∠ノ*だけ変化し,また出力電圧E。がE。*から

∠E。*だけ変化するものとすれば

 ノf*→一∠ヨf=G1三}β一1一β十Gン4。∠7Eo*       (28>

となる.すなわち,

 ∫*=GE8+B          (2の

 ∠ノ*=G且∠E。*       ,    (30)

となる.さらに,式(27)より

∠11>}w=βT8∠1ア*         ・      (31)

であり,式(30),(31)より

 ∠1Eo*/∠1ノ〉、醐=1/(β7もG蓋)      (32)

が得られる.一働は1制御回路部の基準値莇艀を変化 したときの積分制御による安定化モードにおける出力

電圧E。*の分解能を示している.この時のVCOのゲ インGを求めれば

 G一(∠仏弓1VT/∠1Eo*)/(β怨/1)      (33)

である.一般にVCOにおいては,ダイナミックレンジ が小さくバイアス電圧Eβが一義的に決まる.そこで,

VCOの発振周波数∫*および式(29)におけるBがVCO のゲインGに比例すると考え,比例定数をλとして,

 β=λσ      (34)

とおけば,式㈲および(鋤より式(32)に示した出力電圧の 分解能は,

100

書80 二60 薯

・ミ40

く20

o:Meαsured Vdueg 一:CqIcu巳oted VαIue§

      A=1

0

\o

   〜o_

   0    100  200 300 400  500 600  700

       f管Ts

Fig.10 ∠1Eo*/∠71V〃vT versusノ*Ts characteristics.

9.02

 9.00 ε 88・98  8.96 8.94

      N日3104

  αム・ロ:Experlmentd Results   一:Theoreticqし Results

10   15   20   25   30      Ei(V)

Fig.11 Regulation characteristics, taking the     reference number 1>}1v70f the I−control     clrcult as a parameter.

 ∠E。*/∠2>」κT=(EB十λ)/(β、4∫*7』)      ㈲ となる.

 Fig.10にvcoから出力されるパルス数∫*T、の変

化に対する出力電圧設定における分解能∠E。*/∠漏醐

の特性曲線の1例を示す.図ではA−1である.図中,

○印は実験値を,実線は式(32)より求めた計算値を示し

ている.Fig.10より実験値と計算値はよく一致してお

り,また,∫*7恐の増加とともに,∫*7恐が0かう200ま

では急激に分解能が改善されるが,それ以上に∫*蝿 を増加しても分解能の変化は小さいことが分かる.ま た,分解能は式㈲からも明らかなように,前置増幅回 路の利得且によっても改善される.Fig.11に入力電圧

居の変化に対する出力電圧E。の安定化特性の1例

を示す.ここでは,1制御回路部の基準値N、醐をパラ メータとして,212,213および214と変化している.図 において,実験結果と計算結果はよく一致しており,

計算値は式(24)より求められている.2>∬wが1だけ変化

した場合,出力電圧E。の変化は16mVである.この結 果はFig.10の特性曲線からも読み取れる.すなわち,

式(23)よりN艀=213のとき!*T、=221であり,Fig.10

よりこの〆*7むに対する分解能は16mVとなる,

 以上の結果より,出力電圧の設定における分解能の

点からは!*7』は大きい方が良い.しかし,出力電圧の

(7)

安定化範囲を拡げるためには,ノ*7もはある程度小さな 値に選ぶことが必要である.従って,∫*7もはこれらの

2つの条件を考慮して適切に決定しなければならない.

 今,∫*T、が決まれば,式(27)より,1制御回路部の基

準値莇醐が求められる.

 また,式⑩において凡=0と置くことによりP制御 回路部の基準値騒は

騒一 i1+責)論罪

であり,この式より騒が求められる.

 さらにまた,比例感度紐は

 11 P2/4 G、赫〜Ts/(ノ*7も)2

である(8)から,この式より五1pが求められる.

(36)

(37)

 このように!*T,が決まればFig.2のディジタル制

御回路の基準値騒,N,艀および比例感度Hpが求め

ちれる.また,この他の定数飾およびκは系の動特

性を考慮することにより求められる(8).

5.むすび

 以上,ディジタル制御方式DC−DCコンバータに

おいて,積分制御による安定化モードに対応した入力 電圧且および負荷電流Z。の範囲についての理論的,

実験的解析を行い,出力電圧安定化範囲あるいは出力

電圧設定における分解能とディジタルP−1−D制御

回路の制御パラメータとの関係を明らかにした.その 結果を要約すれば次のようになる.

 (D 出力電圧E。の安定化を計ることのできる入力 電圧瓦あるいは負荷電流∫。の範囲が1制御回路部の オーバーフローあるいはアンダーフローによって制限 される場合には,その上限および下限は共に1制御回 路部における積分係数瓦およびビット数(〜ノの増加,

あるいはVCOからの出力パルス数ノ*7bの減少に よって拡大される.

 (2)出力電圧E。の安定化を計ることのできる入力 電圧瓦あるいは負荷電流Z。の範囲がスイッチT.そ

のもののオン時間の上限値あるいは下限値によっての み制限される場合には,その上限および下限は共に1 制御回路部における積分係数Krおよびビット数(〜∫

の増加,あるいはVCOからの出力パルス数:!*烈の減

少によっては拡大できない.

 (3)出力電圧設定における分解能はスイッチT,の

オン,オフの1周期間にVCOから出力されるパルス

数:!*纂あるいは前置増幅回路の総合利得Aの増加に

より改善される.

 (4)∫*T、は出力電圧の設定における分解能の点か らは大きい方が良い.しかし,出力電圧の安定化範囲 を拡げるためには∫*T、はある程度小さな値に選ぶこ

とが必要である.従って,∫*7もはこれら2つの条件を 考慮して適切に決定しなければならない.

 (5)スイッチ罫のオン,オフの1週期間にVCOか

ら出力されるパルス!*T,を決定すれば,他の重要な 制御パラメータ鍛,N,艀および∬pが求められる.

 本論文では,積分制御による安定化モードにおいて は出力電圧には定常偏差が生じないものとしているが,

実用に際しては周囲温度の変化による定常偏差を考慮 に入れる必要がある.現在,この点に関して検討中で

あり(9稿を改めて報告したい.また,ここではフォワー ド形およびインバータ整流形のDC−DCコンバータ の基礎となる降圧形DC−DCコンバータのディジタ

ル制御について考察した.しかし,本解析手法は昇圧 形および昇降圧形回路に対しても同様に適用できる.

 最後に,実験および資料の整理などに協力いただい た本学部技官川原学氏に感謝します.なお,本研究の 一部は文部省科研費試験研究Nα60850070により行われ

たことを付記します.

        文     献

(1)松尾,黒川: ディジタル制御方式DC−DCコ  ンバータの出力安定化特性の解析 ,信学論(c),J69  −C, 5, pp.678−687 (日召61−05).

(2)H.Matsuo and F. Kurokawa:  Regulation

 characteristics of the digitally controlled dc−dc  converter , IEEE PESC Record, pp.360−365  (June 1983).

(3)0.K. Kossov; Comparative analysis of chop−

 per voltage regulators with LC filter , IEEE  Trans, Mag., MAG−4,4, pp.712−715(Dec.

 1968).

(4>松尾,原田: TRC方式DC−DC電力変換器

 の動特性について ,電学論(C),48−C17,6,pp.123  −130 (日召48−06).

(5)V.B. Boros: A digital proportional integral  and derivative feedback controller for power con−

 ditioning equipment , IEEE PESC Record, pp.135  −141 (June 1977).

(6)松尾,原田: リアクトルをもつTRC方式DC  −DC電力変換器の回路方式と特性 ,電学論(C),49  −C7, 3, pp.51−58 (日曜49−03).

(7)松尾,原田: リアクトル電流不連続領域におけ  るDC−DCコンバータの特性 ,心学論(c), J61

 −C, 1, pp.33−40 (日召53−01).

(8)松尾,黒川,田内,佐古: ディジタル制御方式  DC−DCコンバータの動特性について ,信学技報,

(8)

 PE86−62(日召62−05).

19)松尾,黒川,佐古: 温度補償を施したディジタ

 ル制御方式DC−DCコンバータの安定化特性 ,昭

 62信学総全大,2613.

Table 1  Regulation range of Eゴ. (a)Upper limit Condition Upper Limit 騒一κ、(29L1) @〉∫*7も。m、. (1・煮)両論謬1) ハ醍一κ(2ρ 一1) @≦ノ*7b。 mi。 (・+者)篶 (b)Lower limit Condition Upper Limit 澱+、K、(2ρL1) @<β〆*7も (1・煮)輪慧多毛1) 澱+K,(2QL 1) @≧β〆*7も (・+畿* Table 2  Regulation range o

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平成 24

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