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〈研 究 ノ ー ト〉
国際交渉理論 と日本 の外交政策研 究
小 出 稔
目 次
1.国 際 交渉 理 論 か ら 日本 の 外 交政 策 を考 え る意 義 2.交 渉 研究 に対 す る六 つの ア プロ ー チ
3.国 際 交渉 研 究 へ の適 用 と 日本 の外 交 政 策研 究 へ の 応用
1.国 際 交渉 理 論 か ら日本 の 外 交 政 策 を考 え る意 義
1989年 の 冷 戦 終 結 以来 、 日本 外 交 は 自 らが 加 わ る国 際 秩 序 の 形 成 過 程 に お い て、 特 に そ の経 済 規 模 に ふ さわ しい役 割 を 積 極 的 に 模 索 して きた 。1945年 の 敗 戦 を 経 て 、1952年 の サ ン フ ラ ン シ ス コ平 和 条 約 の発 効 以 降 、強 固 な冷 戦 構 造 を 所 与 の シ ス テ ム と見 な し、 日米 安 保 条 約 体 制 に ほぼ 全 て の 戦 略 的判 断 を預 けた ま ま 、 国 際 経 済環 境 の(時 に は大 きな)変 化 に 基 本 的 に 受 動 的 に 対 応 しっ つ 、 対 外 的 な 拡 張 を通 じて 日本 経 済 の発 展 を求 め て きた 冷 戦 終 結 以 前 の 日本 外 交 の ス タ イ ル と今 日の それ とを 比 べ る と き、 そ の変 化 は劇 的 と も言 え る。 まず 、 冷U
戦 後 の 日本 外 交 は 、 国 際 社 会 で 普 遍 的 に確 立 し支 持 され て い る原 理 や 原 則 に つ いて の コ ミ ッ トメ ン トを 明 確 に示 す よ う に な っ た 。 特 に 、 その よ うな 原 理 ・原 則 に違 反 す る行 動 が あ っ た場 合 に は、 タイ ミ ン グ よ く 日本 政 府 と して の 反 対 や
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批 判 的立 場 の 表 明 をす る よ う に な っ た 。 そ して 冷戦 後 の 日本 外 交 は 、 米 国 の 同 盟 国 と して の 立 場 を 鮮 明 に し、 国 際 貢 献 の 上 で 必 要 な場 合 に 自衛 隊 の 海 外 派 遣 を容 認 す る よ うに な り、 さ らに 議 論 を通 じて 国 益 概 念 を定 義 しつ つ 外 交 戦 略 を 追 及 す る ス タ イ ル が 定 着 させ て き て い る。1983年 に 当時 の 鈴 木 首 相 が 日米 関 係 を 同 盟 関 係 と呼 ん だ だ けで 、 新 聞 の 一 面 を 飾 り、 批 判 的 な世 論 が 沸 騰 した こ と を考 え る と き、 日米 安 保 条 約 の 下 で の 日米 関 係 を 当 然 の ご と く同 盟 関 係 と形 容
で き る今 日 の 国 内 状 況 は 、 や は り劇 的 な変 化 を経 た と言 え るだ ろ う。 ま た 、 国 連 の平 和 維 持 活 動 へ の 自衛 隊 の参 加 が 声 高 に 海 外 派 兵 と叫 ば れ 、 国 際 平 和 協 力 法(PKO協 力 法)の 法 案 が 世 論 を激 し く二分 した1992年 当時 の 状 況 と比 べ る と、 今 日 ま で の 間 に 国連 の 平 和 維 持 活 動 や 難 民 救 済 活 動 、 そ して 国 際 緊 急 援 助 活動 へ の 自衛 隊 の 参 加 を通 じて 、 自衛 隊 の 海 外 派 遣 は 、 広 く国 民 世 論 の 受 け入 れ る とこ ろ とな っ た 。
そ れ で は 、 冷 戦 期 の 二 つ の 対 立 す る イ デ オ ロ ギ ー の 頸 木 か ら解 放 され た 今 日 の 日本 外 交 は 、 い っ た い どの よ う な指 導 原 理 に基 づ い て そ の 国 益 を 定 義 し、 追 求 して い るの だ ろ うか 。 北 岡伸 一 が 指 摘 す る よ うに 、 明 治 以 来 の 日本 外 交 は 、
り
英 米協 調 主 義 とア ジ ア 主 義 と言 う二 つ の指 導 原 理 の 間 で 揺 れ て きた と言 わ れ る。
英 米 協 調 主 義 が 、 い わ ゆ る覇 権 国 家 との協 調 を大 前 提 と した 現 実 主 義 的 な外 交 政 策 の 指 導原 理 で あ る とす れ ば 、 ア ジ ア 主 義 は、 日本 の価 値 観 を反 映 した 国 際 秩 序 の構 築 を 目指 す 理 念 的 な 外 交 政 策 原 理 で あ る。 大 国 間 で 成 立 して い る秩 序 に適 応 す る こ とで 国 益 の 伸 張 を図 る ア プ ロー チ と、 自 国 の 国 益 や 価 値 観 が 反 映 した 国際 秩 序 形 成 を 目指 す試 み は、 必 ず しも対 立 す る もの で は な く、 む し ろ状 況 に応 じて 柔 軟 に使 い分 け る こ とが 国益 追 求 の観 点 か ら望 ま しい。 例 え ば 、既 に確 立 した 国 際 秩 序 が 支 配 して い る分 野 に お い て は、 極 力 その 原 理 や 原 則 を 受 け入 れ な が ら対 応 を す べ きで あ り、一 方 で 、 新 た な国 際協 調 の 枠 組 み や ル ー ル を必 要 とす る分 野 に お い て は 、 む し ろ 自国 の 価 値 観 や 経 験 を積 極 的 に ア ピー ル す べ き場 面 もあ るだ ろ う。
と こ ろが 、 明 治 以 来 の 日本 外 交 は 、 既 存 の 国 際 秩 序 を 受 け入 れ る英 米 協 調 主 義 と自 国 の 価 値 観 を強 くア ピ ー ル す る ア ジ ア主 義 外 交 と言 う二 つ の 指 導 原 理 の 間 で 、極 端 か ら極 端 へ と揺 れ て き て お り、 時 宜 に応 じて 両 者 を う ま く使 い 分 け て き た とは 言 い難 い 。 日本 外 交 の 歴 史 は大 まか に言 っ て 、1868年 の 明 治維 新 以 来1920年 代 ま で の英 米協 調 時 代 を経 て 、1930年 代 か ら敗 戦 まで の ア ジ ア主 義 の
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時 代 を 経 験 し、 再 び1945年 以 降 は 英 米 協 調 主 義 へ と戻 っ た と特 徴 付 け られ る。
さ らに 、1945年 以 降 の英 米協 調 主 義 へ の 回 帰 は 、 激 しい 国 内 で の イ デ オ ロ ギ ー 的対 立 とそ の立 場 の 対 外 的 表 明 に お け る曖 昧 さ に もか か わ らず 、 実 際 に は 日本 が主 体 的 に選 び 取 っ た外 交 路 線 と言 うよ り も、 冷 戦 的 対 立 を深 め る外 部 世 界 か
の
ら強 固 に与 え られ た 路 線 で あ っ た 。 逆 に、1989年 の 冷 戦 終 了 後 のEi本 外 交 は 、
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基 本 的 に 米 国 の 同 盟 国 と言 う位 置 を 明確 に 内外 に 宣 言 し、 米 国 との協 調 を最 重 要 の方 針 と して展 開 して きて い る が 、 この 英 米 協 調 主 義 路 線 は、 冷戦 的 対 立 が 緩 和 して 自 由度 が 高 ま っ た 国 際 秩 序 の 中 で 、 日本 が 主 体 的 に 選 び取 って き た 外 交 路 線 と言 え よ う。 す な わ ち 、 今 後 の 日本 の外 交政 策 に は 、 英 米 協 調 主 義 と ア ジ ア主 義 の 二 者 択 一 と言 う極 端 さ を避 けな が ら、 時 宜 に応 じて 両 者 を 使 い分 け る た め に 、 よ り一 歩 深 い次 元 で 外 交 を 指 導 す る理念 が 必 要 と され て い る。
こ の新 た に 日本 外 交 を指 導 す る原 理 を追 求 す る第 一 歩 と して 、 小 論 で は国 際 交 渉 理 論 研 究 が もた ら し う る 日本 外 交政 策 へ の視 点 に注 目 して み た い 。 口米 を 結 ぶ 太 平 洋 の 架 け橋 た らん と願 っ た 新 渡 戸 稲 造 に 象 徴 さ れ る よ うに 、 日本 外 交 に は も と も と、 欧 米 か ア ジ アか とい う二 者 択 一 で は な く、両 者 の 「架 け橋 」 と して の 自己 イ メ ー ジ を求 め る伝 統 もあ った 。 特 に 第 二 次 世 界 大 戦 後 は 、 急 速 に 進 む冷 戦 的 対 立 の 中 で 、東 西 の い ず れ の 陣 営 に も属 さ な い 中 立 的 立 場 を 口本 は
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とる べ き と言 う議 論 も、 一 定 の 支 持 を得 て き た 。更 に、 戦 後 の 高 度 経 済 成 長 を 遂 げ る中 で 、 日本 は経 済 発 展 を遂 げ た 唯 一 の非 欧 米 国 家 と して 、 北 の 先 進 国 と 南 の 発 展 途 上 国 の 架 け橋 の役 割 を果 た すべ きだ とい う議 論 もな され る よ うに な っ
ハ た 。
日本 外 交 に 「架 け橋 」 と して の役 割 を期 待 す る議 論 に 対 して は 、 曖 昧 さ を好 む とい う 日本 文 化 の 特 徴 が 反 映 さ れ た議 論 で あ り、 抽 象 的 な イ メ ー ジ に過 ぎ な い とい う批 判 が な され て きた 。 確 か に 、 二 者 択 一 を 迫 られ て い た 冷戦 秩 序 の下
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で は、 「架 け橋 」 の役 割 は単 な る空 想 に過 ぎ な い とい う側 面 が あ った 。 冷 戦 期 に お いて 実 際 に は 明確 に 米 国 陣 営 に属 して い た 日本 にお け る 「架 け橋 」 の 議 論 は、
米 国 陣 営 を揺 さぶ る 目 的 で ソ連 陣 営 に 利 用 され 、 そ の 意 味 で 、 冷 戦 期 の 「架 け 橋 」 論 は 、 イ デ オ ロ ギ ー 的 に 中 立 で は あ りえ な か った 。 しか し、 冷戦 期 よ り も 外 交 政 策 上 の 戦 略 的 ・戦 術 的 な 選 択 肢 が 広 くな っ た 現 在 は 、 あ らた め て 日本 外 交 の 指 導 原 理 と して 「架 け橋 」 の 役 割 を 語 る意 味 が 高 ま っ て い る と言 え よ う。
特 に、 多 国 間 協 議 を通 じた紛 争 の 解 決 や 新 た な 国 際 的 ル ー ル の 策 定 の機 会 が 多 ぐな っ て い る今 日、 意 見 が 激 し く対 立 す る交 渉 過 程 で 公 平 な 「架 け橋 」 とな り う る地 位 は 、 「国 際 社 会 に お い て名 誉 あ る地 位 を 占 め た い(憲 法 前 文)」 と願 う 日本 が 目 指 す べ き地 位 と もい え よ う。
しか しな が ら、 この よ うな 日本 の 貢 献 を 、 国 際 交 渉 の 理 論 研 究 の視 点 か ら評
価 す る試 み は あ ま りな され て こな か った 。 冷 戦 後 の 日本 は、 米 国 の 同 盟 国 と し て の立 場 を鮮 明 に しつ つ も、 一 方 で 日本 独 自の 歴 史 ・伝 統 ・文 化 ・価 値 観(憲 法9条 、 唯 一 の 被 爆 国 、 科 学 技 術 の 平 和 利 用 、 武 器 輸 出 の禁 止 、 非 核 三 原 則 、 環 境 との 共 存 を尊 ぶ 文 化 的 伝 統 等)を 国 際社 会 に ア ピー ル す る こ とで 、 国 際 交 渉 の場 に お い て 有 意 義 な 貢 献 が で き る機 会 が 増 え て い る とい え よ う。 この よ う な 問題 意 識 を 背 景 と して 、 以 下 で は まず 国 際 交 渉 の 理 論 研 究 を概 観 し、 その 上 で 、 国 際 交 渉 にお け る 日本 の役 割 を評 価 す るた め の 今 後 の研 究 課 題 に つ いて 、 検 討 を加 え る こ と とす る。
2.交 渉 研 究 に 対 す る 六 つ の ア プ ロ ー チ
交 渉 とは 、 少 な く と も二 つ 以 上 の 自律 的 主 体 が 意 見 交 換 を 行 い 、 互 い の対 立 し矛 盾 す る立 場 や 利 益 を調 整 して 合 意 を 得 る に至 る まで の一 連 の過 程 で あ る。
一 方 の意 思 や 利 益 を 、他者 の意思や 利益 に関 らず押 し付 ける強制 の過程 を交 渉 に含 め る議 論 もあ るが 、 そ も そ も交 渉者 間 の 同 意 を求 め るの が 交 渉 と言 う過 程 で あ る事 か ら、 強 制 に よ る結 果 ま で 交 渉 の 結 果 の 一 形 態 とみ な す こ とは不 適 切 で あ ろ う。 す な わ ち 、 交 渉 と は、 他 者 の 意 図や 利 益 を無 視 して一 方 的 に 自身 の 意 図 や 利 益 を実 現 しよ う とす る際 に 起 こ る更 に 深 刻 な争 い や 衝 突 を 避 け るた め の 、 紛 争 の 平 和 的 手 段 の一 つ と して 理 解 す べ きで あ る。 交 渉 は原 則 と して 交 渉 者 の 自発 的 な合 意 を 目指 す 点 で 、 多 数 決 や 司 法 的 解 決 と も異 な る。 投 票 や 判 決 に よ っ て 社 会 的 な 決 定 を な す 場 合 、 その 決 定 の 持 つ 権 威 に よ っ て 、 た と え そ の 決 定 に 同 意 しな い メ ン バ ー につ い て も、 そ の 決 定 に従 う こ とを 要 求 す る こ とに な る か らで あ る。 厳 密 に 言 え ば 、 多 数 決 や 判 決 に至 る過 程 で の 話 し合 い は、 交 渉 で は な く審 議 と呼 ん で 区 別 す べ きで あ ろ う。 す な わ ち、 話 し合 い の 結 果 、 自 発 的 な 合 意 を 得 る こ とに 失 敗 した 場 合 に、 何 らか の権 威 的 な 決 定 を予 定 して い るの が 審 議 で あ り、 自発 的 な合 意 を得 な け れ ば決 定 自体 を な さ な い とい う了解 の 下 で 行 わ れ る話 し合 い を こ こで は厳 密 な 意 味 で の 交 渉 と呼 ぶ こ とに す る。
この よ うに 厳 密 に定 義 を した と して もな お 、 交 渉 とは 、 非 常 に広 範 な 概 念 で あ り、 人 間 の 政 治 的 、 経 済 的 、 そ して社 会 的 活 動 の 全 て に お い て広 く観 察 で き る現 象 で あ る。 そ れ故 に、 交 渉 行 動 と言 う も の は 、 様 々 な 学 問 分 野 にお い て 分
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析 対 象 と され 、 結 果 的 に複 数 の交 渉 行 動 に関 す る分 析 枠 組 み が 提 示 され て き た。
以 下 で は、 交 渉 行 動 に対 す る① 歴 史 学 的 分 析 、② 戦 術 的 分 析 、 ③ 構 造 的分 析 、
④ 社 会 心 理 学 的 分 析 、 ⑤ 経 済 学 的分 析 、 ⑥ 交 渉 過 程 分 析 の 六 つ の 分 析 枠 組 み を 比 較 し論 表 を加 え る。
交 渉 の 歴 史 的 分 析 で は 、 現 実 世 界 にお け る 具 体 的 な交 渉 過 程 の詳 細 な描 写 が な され る。 例 え ば、 重要 な 交 渉 に 参加 した政 治 家 の 回 想 録 な どが この カ テ ゴ リー に含 まれ る。 この よ うな歴 史 的 分 析 は 交 渉 分 析 に お け る貴 煎 な情 報 や 資 料 を も た ら し、 さ らに 実 際 に交 渉 を行 う人 々 に 対 して 有 益 な教 訓 等 も与 え る こ とが で き る。 しか しな が ら、 この様 な交 渉 の分 析 は 、 交 渉 に関 す る理 論 構 築 の 側 面 に 対 して 貢 献 す る と こ ろ は少 な い。 実 際 の 交 渉 参 加 者 に よ る交 渉 過 程 の 描 写 は 、 それ ぞれ の特 異 な 状 況 を示 す こ とに終 始 して 、 「交 渉 」 とい う一 般 的 な現 象 に 対
して 、 共 有 で き る知 識 を もた らす こ とが 少 な い か らで あ る。
交 渉 に 関 す る戦 術 的 ア プ ロー チ は 、現 実 の 交 渉 過 程 の 経 験 に基 づ い て 効 果 的 な 交 渉 者 と な る た め の 教 訓 や 、 交 渉 に お いて 勝 者 と な る た め の ノ ウハ ウ を もた らす こ とを 主 た る 目的 と した ア プ ロ ー チ で あ る。 現 実 の 詳 細 な 交 渉 過 程 の 分 析 に 基 づ く点 で は歴 史 的 分 析 と戦 術 的 ア プ ロー チ は 共 通 点 が あ るが 、 前 者 が 交 渉 過 程 の 描 写 その もの を 目的 とす るの に対 して 、 戦 術 的 ア プ ロ ー チ は交 渉 を有 利 に 進 め るた め の 教 訓 を 示 す こ と を 目 的 とす る点 が 異 な る。 この ア プ ロ ー チ の代 表 的 な 例 と して 、 フ ィ ッシ ャ ー と ウ リ ィに よ るGettingtoYesを 挙 げ る こ とが
の
で き る。 この本 で 著 者 た ち は、 一 般 的 に 交 渉 に お け る戦 術 と して 、 相 手 の 立 場 を 考 慮 す る 「ソ フ ト」 な 交 渉 方 法 と、 自 身 の 立 場 を 強 く訴 え る 「ハ ー ド」 な交 渉 態 度 の二 種 類 が 比 較 検 討 され る こ とが 多 い が 、 交 渉 方 法 が 「ソ フ ト」 な の か
「ハ ー ド」 な の か と言 う違 い は、 交 渉 の結 果 と して 、 賢 明 か つ 効 率 的 で 、 さ ら に 交 渉者 間 の 関 係 を良 好 に す る よ うな 合 意 が もた らさ れ るか と言 う次 元 とは 、 本 質 的 に 異 な る問 題 で あ る と指 摘 す る。
フ ィ ッシ ャー とウ リ ィに よれ ば 、 互 い に異 な る利 益 や 主 張 の実 現 を交 渉 の 目 的 と した 場 合 、 交 渉 は常 に 交 渉 者 間 に対 立 的 な 関 係 を 生 じ させ 、 その 結 果 は 常 に、 どの 交 渉 者 に とっ て も、 完 全 な 満 足 を得 る こ との で きな い状 況 で の 妥 協 を 強 い る もの とな る。 もち ろ ん 、一 方 の交 渉 者 が100%の 満 足 を得 る交 渉 結果 とな る こ とも可 能 性 と して は あ るが 、 そ の場 合 は、 も う一 方 の交 渉者 の100%の 不 満
足 を 伴 う もの で あ り、 その よ うな 交 渉 結 果 は しば しば暴 力 や 威 嚇 を 背 景 と して の み 可 能 で あ る こ とか ら、 交 渉者 間 の友 好 的 な 関 係 を帰 結 す る こ と は あ りえ な い 。 そ して 、 そ の よ うな 一 方 的 な 交 渉 結 果 は、 相 手 に復 仇 の 念 を抱 か せ 、 状 況 が 少 しで も変 化 す れ ば 交 渉 結 果 も反 故 と され る場 合 が 多 く、再 び交 渉 の 労 を 取
ら ざ るを 得 な くな る とい う意 味 で 、 効 率 的 で もな い 。
こ の よ うな考 察 に基 づ いて フ ィ ッシ ャー と ウ リィ は、 交 渉 が必 要 な 状 態 とは、
交 渉 者 間 に解 決 が 必 要 な問 題 が 共 有 さ れ て い る状 態 とみ な し、交 渉 の 目的 とは 、 当 該 問題 を衡 平 に 解 決 す るた め の 客 観 的 な 諸 原 則 を見 出 す こ とに あ る と主 張 す
る。 交 渉 に対 す る この よ うな 対 処 方 法 を、 フ ィ ッ シ ャ ー と ウ リィ は 「原 則 に 基 づ いた 交 渉 術 」 と呼 び、 そ の よ うな交 渉 は、 互 い に100%の 満 足 を得 られ る賢 明 な結 果 を もた らす こ とが で き る と主 張 す る。 さ ら に、 この 「原 則 に 基 づ い た 交 渉 術 」 を 採 用 した 場 合 、 た と え交 渉 相 手 が 自 身 の 利 益 や 主 張 に 固執 す る交 渉 ス タ イ ル を 取 っ て い た と して も、 相 手 自身 に そ の よ うな 自身 の 利 益 や 主 張 を正 当 化 す る諸 原 則 を考 え させ る よ うに仕 向 け る こ とで 、 「原 則 に基 づ い た交 渉術 」 を 無 意 識 の う ち に採 用 させ る こ とが 可 能 で あ る と フ ィ ッシ ャ ー と ウ リィ は主 張 す
る。
フ ィ ッシ ャー と ウ リィのGettingtoYesの よ うな交 渉 の戦 術 的 分 析 は、 実 際 の交 渉者 た ち に 有 益 な ア ドバ イ ス を 与 え る こ とが で き る。 しか しな が ら、 交 渉 の歴 史 的 分 析 と同 じ よ うに 、 交 渉 の 戦 術 的 分 析 は、 交 渉 過 程 そ の も の の 理 論 的 な描 写 と説 明 を 目的 とす る場 合 に は、 あ ま り役 に立 た な い。 特 に、 交 渉 の 戦 術 的分 析 は、1対1、 ま た は少 数 者 間 の 交 渉 を 前 提 とす る場 合 が 多 く、今 日の 国 際 社 会 で 多 く見 られ る多 国 間 の交 渉 過 程 の分 析 に は 、 直 接 的 な 適 用 が で き な い 場 合 が 多 い。
次 に 、交 渉 の構 造 的 分 析 は、 交 渉 の 過 程 と結果 を、 交 渉者 間 の力 関係 やパ ワー バ ラ ンス の構 造 か ら理 解 しよ う とす る試 み で あ る。 この 分 析 手 法 は特 に 、 ア ク ター の 間 の権 力(パ ワー)の 不 平 等 な分 配 状 況 に政 治 的 な動 態 の 原 因 を求 め る 政 治 学 者 の 間 で 用 い られ る手 法 で あ る。 この 分 析 手 法 は、 交 渉 の 展 開過 程 に対
して 興 味 深 い 理 論 的 な 仮 説 を提 示 で き る。 しか しな が ら、 そ の 一 方 で 、 こ の政 治 学 者 た ち の 手 法 は 、彼 らが 好 ん で 用 い る権 力(パ ワ ー)と 言 う概 念 の 本 質 的 な 曖 昧 さ ゆ え に、 仮 説 を操 作 して 検 証 す る こ とが 困 難 で あ る。 す な わ ち、 しば
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しば行 わ れ る原 理 的 な批 判 で あ るが 、 権 力(パ ワ ー)と 言 う概 念 は 、 権 力 を も た らす 源(パ ワー リソ ー ス)に よ っ て 測 定 す る方 法 と、 自身 の 好 む 結 果 を もた らす 影 響 力 と して 認 識 す べ きで あ る と い う議 論 が 対 立 して い る。 前 者 の 立 場 で は、 パ ワ ー の測 定 が 可 能 に な る が、 そ の値 は あ くまで もパ ワ ー の近 似 値 で あ り、
実 際 に 一 国 の 持 つ 軍 備 や 科 学 技 術 が 、 どれ だ け効 果 的 に実 際 の 能 力(パ ワー) に変 換 さ れ る のか とい う問 題 に直 面 す る こ とに な る。 一 方 、後 者 の立場 は、パ ワー と言 う概 念 を理 論 的 に は正 確 に示 す こ とに な るが 、 パ ワー を行 使 しなか っ た場 合 に得 られ た で あ ろ う結 果 と、 実 際 に パ ワ ー を 行 使 して得 られ た結 果 を比 べ て初 め てパ ワ ー の働 き を比 較 す る困 難 な 作業 が残 る。 しか し、実際 に、パ ワー を行 使 しな か った 場 合 に 得 られ た 結 果 を求 め る た め に は 、 関 係 す る ア ク ター の 様 々 な 結 果 に 対 す る選 好 の 度 合 い を 事 前 に知 る こ とが必 要 とな り、 客 観 的 に 信 頼 す る に値 す る形 で そ の よ う な情 報 を得 る こ と は、 ほ とん ど不 可 能 に近 い。 こ の よ うに 、 パ ワー を分 析 手 法 の 中心 に お く二 つ の 手 法 に は 、共 に一 長一短 があ るた め 、 同 じ手 法 を用 い る交 渉 の 構 造 的 分 析 も、 こ の本 質 的 な 欠 点 を免 れ る こ
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と は で き な い 。
さ らに この 交 渉 の構 造 的分 析 手 法 は 、 国 際 交 渉 に 適 用 さ れ る とき 、 そ れ ぞ 乳 の 国 家 の パ ワ ー に 注 目す る結 果 、 それ ぞ れ の 国 家 の 国 内 政 治 を 無 視 す る傾 向 が あ る。 自 由主 義 的 な 民 主 国 家 の 場 合 は言 う まで も無 く、 た とえ権 威 主 義 的 な国 家 体 制 の 下 で も、 国家 の 意 思 を形 成 す る際 に は、 そ の過 程 自体 が 複 雑 な 交 渉 を 経 る こ とに な る。 そ の 意 味 で 、 パ ワー に注 目す る構 造 的 分 析 手 法 は 、 国 家 間 交 渉 の過 程 に関 して 、 い くつ か の重 要 な 前 提 を立 て た 上 で 、 抽 象 的 な 交 渉 モ デ ル を作 り出 す の に優 れ た手 法 と い え るが 、 現 実 の 交 渉 過 程 を再 現 す る よ うな試 み に は適 切 で は な い 手 法 とい え よ う。
続 いて 、 交 渉 の 社 会 心 理学 的 な分 析 手 法 は、 交 渉 者 の 行 動 や コ ミュニ ケ ー シ ョ ン に影 響 を 与 え る社 会 心 理 学 的 な要 素 に 焦 点 を 当 て て 交 渉 過 程 を分 析 す る。例 え ば、 そ れ ぞ れ の交 渉 者 が 交 渉 を通 じて実 現 しよ う と して い る 目標 の共 通 性 と 特 異性 、 交 渉 過 程 の類 型(二 者 間 交 渉 か 多 者 間 交 渉 か 、公 開 交 渉 か 秘 密 交 渉 か 、 交 渉期 限 の 有 無 等)、 交 渉 結 果 の類 型(明 確 性 、 安 定 性 、 交 渉 者 の将 来 の 関 係 へ の影 響 等)、 交 渉 者 を取 り巻 く状 況 的要 素(過 去 の 交 渉 者 の 間 の関 係 、交渉の当 事 者 が 組 織 体 で あ る場 合 そ の組 織 の 内 部 の 意 見 の 対 立 状 況 等)、 そ して 背景 的 要
素(文 化 的 要 素 、 具 体 的 に 交 渉 に 当 た る人 物 の 地 位 や 性 格 等)が 、 社 会 心 理 学 的 分 析 で 注 目 さ れ る要 素 とな る。 社 会 学 や 心 理 学 に お け る行 動 科 学 的 な 演 繹 手 法 を用 い る こ とで 、 交 渉 の 社 会 心 理 学 的 ア プ ロー チ は 、 様 々 な 要 素 が 交 渉 過 程
に与 え る影 響 に つ い て根 拠 の あ る理 論 構 築 を 試 み る。
交 渉 に関 す る社 会 心 理 学 的 ア プ ロ ー チ は 、 そ の注 目す る諸 要 素 が 広 範 で あ る こ とか ら、 交 渉 研 究 の 理 論 構 築 に お い て 、 多 くの研 究 分 野 を提 供 して きた 。 特 に社 会 心 理 学 的 ア プ ロ ー チ の研 究 成 果 は 、 先 に述 べ た 交 渉 の 歴 史 的 ア プ ロ ー チ や 戦 術 的 ア プ ロ ー チ に 対 して 、 その 叙 述 の 枠 組 み を 提 示 して きた とい え よ う。
しか しな が ら、 交 渉 の 社 会 心 理 学 的 な ア プ ロ ー チ は 、 そ の 分 析 対 象 の 広 範 さ ゆ え に、 交 渉 行 動 に 関 す る統 一 的 な理 論 枠 組 み の提 示 が 困難 で あ り、 同 じ社 会 心 理 学 的 な ア プ ロ ー チ を採 用 す る研 究 者 同 士 の 間 で さ え、 そ の 研 究 成 果 を互 い に 役 立 て 難 い 側 面 もあ る。
続 い て 、 交 渉 の 戦 略 的 ・経 済 学 的 ア プ ロ ー チ は、 合 理 的 主 体 の モ デ ル に よ り 交 渉 過 程 の 分 析 を 試 み る。 こ の ア プ ロ ー チ は 細 か く分 類 す れ ば 、 更 に 二 つ の グ ル ー プ に分 け られ る。 一 つ は、 交 渉 に参 加 す る それ ぞ れ の ア ク タ ー に 与 え られ て い る選 択 肢 の 組 み合 わ せ か ら交 渉 過 程 を モ デ ル化 す る戦 略 的 ゲ ー ム 理 論 で あ
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る。 そ して 、 も う一 つ は、 ミ ク ロ経 済 学 か ら効 用 とい う概 念 や 無 差 別 曲 線 の よ うな 分 析 道 具 を拝 借 して 、 交 渉 過 程 を 、 交 渉 に参 加 した そ れ ぞれ の ア ク タ ー の 合 理 的 選 択 を 通 じた効 用 の最 大 化 行 動 の 一 環 と して 分 析 す る効 用 理 論 的 な ア ブ
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ロ ー チ で あ る。 しか し なが ら、 戦 略 的 ゲ ー ム理 論 と効 用 理 論 の手 法 は、 共 に 交 渉 参 加 者 の 合 理 性 や 固 定 的 な 選 好 の 組 み 合 わせ 、 更 に は 交 渉 相 手 の 選 好 に 関 す る完 全 な 情 報 を前 提 と して 、 交 渉 過 程 に対 す る決 定 論 的 な分 析 を 行 う点 で 、 本 質 的 に 同 じ ア プ ロー チ で あ る。
交 渉 に 関 す る戦 略 的 ・経 済 学 的 ア プ ロ ー チ は、 囚 人 の ジ レ ンマ の 状 態 や 公 共 財 の 分 配 の 問題 な ど、 個 々 の具 体 的 な交 渉 の 事 例 を 観 察 して い るだ け で は認 識 す る こ とが 難 しい交 渉 課 題 を概 念 化 す る こ とで 、 そ の 交 渉 過 程 の 特 徴 を明 らか に して き た。 しか しな が ら、 そ の 理 論 構 築 は、 多 くの 非 現 実 的 な前 提 に基 づ い て お り、 理 念 形 と して の 交 渉 モ デ ル を 示 す こ とに は 有 効 で あ っ て も、 現 実 の 交 渉 過 程 の描 写 や 交 渉 結 果 の説 明 に対 して は、 戦 略 的 ・経 済 学 的 ア プ ロー チ の 貢 献 は限 定 的 で あ る。 特 に、 戦 略 的 ・経 済 学 的 ア プ ロ ー チ は 、 そ の 分 析 の抽 象 性
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ゆ え に 、 交 渉 に参 加 す る ア ク タ ー の 間 に 存 す るパ ワー の格 差 や 、実 際 の 交 渉担 当 者 の 間 の 交 渉 技 術 の 差 等 を 無 視 して 議 論 を展 開 す る。 そ の 決 定 論 的 な議 論 に もか か わ らず 、 戦 略 的 ア プ ロ ー チ に基 づ いた 交 渉 過 程 の描 写 や 交 渉 結 果 の説 明 は、 現 実 の 交 渉 の展 開 と大 き く外 れ る こ とも 多 い 。 社 会 科 学 に お け る理 論 構 築 の 目 的 を 、 現 実 の社 会 現 象 の 描 写 と説 明 と考 え る視 点 か ら は、 戦 略 的 ・経 済学 的 ア プ ロー チ の極 端 な抽 象 性 は批 判 され うる。
鍛 後 に 、 六 番 目の ア プ ロー チ と して 、 これ まで に紹 介 した 個 々 の 交 渉 の 分 析 手 法 の 欠 点 や 困 難 を 克 服 す る試 み と して 、 交 渉 の 段 階 別 分 析 手 法 を 紹 介 す る。
この 分 析 手 法 の代 表 的 な提 唱 者 で あ るZartmanに よ る と、 交 渉 の プ ロ セ ス は理
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念 的 に三 つ の 段 階 に 分 け る こ とが 可 能 で あ る。 まず 第 一 の段 階 は、 交 渉 の 参 加 者 が そ れ ぞ れ 、 交 渉 の 対 象 と な る 問題 に つ い て 、 果 た して 交 渉 に適 す る問 題 か 否 か を 判 断 す る 段 階 で あ っ て 、 こ の 段 階 をZartmanは 診 断 の 段 階(the diagnosticphase)と 呼 ぶ 。続 い て 第 二 の 段 階 で 、 交 渉 参 加 者 た ち は 自 らの交 渉 行 動 を指 導 す る原 理 や原 則 を見 出 す 必 要 が あ り、 この段 階 をZartmanは 枠 作 りの 段 階(theformulaphase)と 呼 ぶ 。 そ して最 終 的 に、 交 渉 者 た ち は 自 ら 定 め た原 理 と原 則 に 従 っ て 、 懸 案 事 項 の 具 体 的 な 処 理 方 法 に っ い て 話 し合 い を 進 め る こ とに な るが 、 こ の段 階 をZartmanは 詳 細 の段 階(thedetailphase) と呼 ぶ 。 この よ うに 交 渉 段 階 を分 け て考 察 す る こ とに よ っ て 、 従 来 提 示 さ れ て きた 様 々 な 交 渉 の分 析 手 法 を 、 それ ぞ れ の 持 つ 長 所 と短 所 に 応 じ な が ら、 異 な る分 析 段 階 に適 用 す る こ とに よ り、 統 合 的 な 交 渉 の 分 析 と理 論 構 築 が 可 能 に な る とZartmanは 主 張 す る。
交 渉 の段 階 別 分 析 手 法 が 提 示 され た 背 景 に は、 従 来 政 治 学 や 社 会 学 、 そ して 経 済 学 等 の 一 般 的 な 理 論 研 究 の それ ぞ れ の 活 動 の 中 で 、 ば らば ら に 時 折 研 究 対 象 とされ て きた 交 渉 とい う現 象 につ い て 、 その 現 象 の 統 一 的 理 解 を試 み る研 究 が 現 れ た とい う事 実 が あ る。 さ ら に、 そ の 背 景 に は 、 急 速 に進 む 情 報 ・通 信 技 術 の 発 展 の 下 で 、 交 渉 と言 う行 動 が 持 つ重 要 性 が 今 日の 国 際 社 会 の 中 で 、 あ ら ゆ る レベ ル に お い て 高 ま りつ つ あ る事 実 が 指 摘 で き る。 しか しなが ら、 交 渉 の 段 階 別 分 析 手 法 は、 従 来 の 様 々 な 学 問 分 野 か らの 交 渉 分 析 を利 用 で き る と い う 点 で 優 れ て い るが 、 この 手 法 自体 は交 渉 行 動 や 過 程 に 関 して特 に新 しい 理 論 を 提 示 して い るわ けで は な い。 そ の 意 味 で 、 交 渉 の 段 階 別 分 析 手 法 は、 そ の 名 の
示 す とお り、 あ くまで も分 析 の 手 法 を 示 す 試 み で あ っ て 、 従 来 の 交 渉 分 析 と異 な る新 た な 理 論 を 示 す 試 み で は な い 点 に注 意 す べ き で あ ろ う。
3.国 際 交 渉 研 究 へ の 適 用 と 日本 の外 交 政 策 研 究 へ の 応 用
以上 の よ うに 、 交 渉 行 動 とプ ロ セ ス に関 す る分 析 は 、 様 々 な学 問 分 野 か ら、
そ れ ぞ れ の 特 徴 的 な視 点 を生 か す形 で の 理 論 的 説 明 が行 わ れ て い る。 交 渉 に関 して 異 な る多 くの 理 論 が共 存 して い る とい う こ とを 嘆 く必 要 は無 い。 そ も そ も 交 渉 は 、 多 くの 学 問 分 野 に わ た っ て 共 通 に観 察 され る現 象 で あ り、 交 渉 に関 し て そ れ ぞ れ の学 問 分 野 か ら の分 析 ア プ ロ ー チ が あ る の は 当 然 で あ る。 国 際 政 治 学 分 野 に お け る交 渉 行 動 や 過 程 の 分 析 に お い て も、 最 初 か ら 自身 の 分 析 手 法 を 限定 す る こ とは避 け、 具 体 的 な分 析 対 象 とな る交 渉 過 程 に応 じて 柔 軟 に 自身 の 分 析 手 法 を選 ぶ こ とが 求 め られ るで あ ろ う。
そ の 上 で 、 国 際 政 治 学 の 分 野 に お け る交 渉 分 析 に お い て は 、 上 述 した 六 つ の ア プ ロー チ の 中で も、 社 会 心 理 学 的 ア プ ロ ー チ と戦 略 的 ・経 済 学 的 ア プ ロー チ 、 そ して 段 階別 分 析 手 法 の 三 つ の ア プ ロ ー チ が 、 特 に 有 用 で あ る と思 わ れ る。 ま ず 、 社 会 心 理 学 的 ア プ ロー チ は 、 国 際 政 治研 究 が しば しば 陥 りが ち な 「統 一 さ れ た主 体 と して の 国家 」 と言 うイ メ ー ジ を是 正 す るの に大 き な貢 献 を な し うる。
学 問 分 野 に お いて だ け で は な く、 日常 的 な メ デ ィア を通 じて も、 しば しば 「ア メ リカ は2%の 削 減 を要 求 した 」 とか、 「フ ラ ン ス を始 め ヨー ロ ッパ 各 国 は反 発 を 強 め て い る」 等 の表 現 に 見 られ る よ うに 、 「統 一 さ れ た主 体 と して の国 家 」 の イ メ ー ジ は 、 常 に強 め られ て い る。 国家 と言 う組 織 は、 実 際 に は複 雑 な 国 内 決 定 過 程 を通 じて そ の政 策 を採 用 す る の で あ り、 「統 一 され た主 体 と して の 国 家 」
とは現 実 把 握 と分 析 の た め の フ ィ ク シ ョン に過 ぎ な い こ と は、 専 門 の 研 究 者 で な くて も容 易 に認 識 し うる こ とで あ る。 しか しな が ら問 題 は、 そ の よ うな フ ィ ク シ ョ ン を フ ィ クシ ョン と認 識 し続 け る こ とが 意 外 と困 難 で あ る点 で あ る。 特 に国 家 間 の 交 渉 過 程 を分 析 す る際 に は 、 それ ぞ れ の 国 家 が 対 外 的 に 表 明 して い る政 策 目標 を 固定 的 に捉 え が ち に な るた め、 国 家 内 の意 見 の 相 違 や 決 定 過 程 が 無 視 され る こ とが 少 な くな い 。 そ の よ うな場 合 に、 交 渉 に 対 す る社 会 ・心 理 学 的 な ア プ ロー チ は 、 それ ぞ れ の 国 家 内 の 政 策 決 定 過 程 に 関 る多 くの ア ク ター に
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注 目 し、 さ らに それ ぞ れ の ア ク タ ー の 特 徴 まで検 討 す る こ とに よ っ て 、 現 実 の 交 渉過 程 の 複 雑 さ を再 認 識 させ る。
さ ら に、 交 渉 に対 す る社 会 心 理 学 的 ア プ ロ ー チ は、 戦 略 的 ・経 済学 的 手 法 と 合 わせ て 用 い る こ とに よ り、 交 渉 と言 う言 葉 で 括 れ る現 象 に も、 実 は 様 々 に 異 な るタ イ プ の現 象 が 存 在 して お り、 その 違 い を認 識 す る こ とが 、 効 果 的 な分 析 に重 要 で あ る こ と を我 々 に 認 識 せ しめ る。 例 え ば 、 社 会 心 理 学 的 な ア プ ロ ー チ は、 同 じ国 家 同 士 の 間 の 交 渉 で あ っ て も、 交 渉 の 対 象 とな っ て い る問 題 に よ っ
の
て 、 国 家 の 交 渉 行 動 や 交 渉 過 程 が 異 な る こ とを示 す こ とが で き る。 そ して 、 戦 略 的 ・経 済 学 的 分 析 で は 、 同 じ問題 に関 す る交 渉 で も、 交 渉 に 参加 す る ア クタ ー の 数 が 異 な れ ば 、 交 渉 過 程 そ の もの が 異 な る展 開 を見 せ る こ とを示 す こ とが で
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き る。
次 に 、交 渉 の 段 階 別 分 析 は 、 ダ イ ナ ミ ッ ク に変 化 す る交 渉過 程 に お け る交 渉 技 術 の 重 要 性 を示 す こ とが で き る。 戦 術 的 な 交 渉 分 析 が 、 い わ ば 固 定 され た交 渉 の 枠 組 み の 下 で交 渉 技 術 の 影 響 を分 析 す る の に 対 し、 段 階別 分 析 で は 、 交 渉 の 枠 組 み 自体 を設 定 す る技 術 に まで 注 目 す る。 例 え ば 、 異 な る交 渉 課 題 を リン ク させ 、 一 つ の 大 きな 交 渉 過 程 と して扱 う こ とに よっ て 、 そ れ ぞ れ 別 個 に 扱 っ
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た場 合 に は合 意 が 困難 な 交 渉 を、 円満 な妥 結 へ と導 くこ と は可 能 で あ る。 また 、 この 交 渉 の枠 組 み設 定 の 重 要 性 は 、 同時 に 、 交 渉 過 程 にお け る リー ダ ー シ ップ
Ifl)
の役 割 の重 要 性 を示 して も い る。 この 点 は 、 多 国 間交 渉 に お け る議 長 役 の 国 家 の役 割 等 を分 析 す る 際 に 特 に重 要 な 視 点 とい え よ う。
最 後 に、 交 渉 に関 す る異 な る分 析 手 法 の存 在 は、 交 渉 理 論 と実 際 の 交 渉 過 程 の ギ ャ ップ 、 さ らに は交 渉 の 研 究 者 と交 渉 の 実 践 者 の 問 の ギ ャ ッ プ を も示 して い る。 実 際 に交 渉 の 理 論 的 研 究 を 試 み た 多 くの 論 文 や 著 書 で は 、 交 渉 の研 究者 と実 践 者 との 間 で 、 よ り多 くの意 見 交 換 が な され る こ とが 望 ま しい と強 調 して い る。 この 点 は 、 国 際 交 渉 過 程 の分 析 に止 ま らず 、 広 く国 際 関 係 論 研 究 に お け る研 究 者 と実 際 の 政 治 的 ア ク タ ー の 間 で 、 どの よ うな コ ミュニ ケ ー シ ョン が 望 ま しい か と言 う問題 を提 示 して い る とも い え よ う。
冷 戦 期 の 交 渉 ス タ イ ル と冷 戦 後 の そ れ とを比 べ た 際 に 、 著 しい コ ン トラ ス ト を観 察 で き る 日本 の 外 交 政 策 に は 、 以 上 の よ うな 国 際 交 渉 の 理 論 研 究 に寄 与 で き る い くつ か の ケ ー ス を見 い だ せ る。 小 論 の 最 初 で 述 べ た とお り、 特 に注 目 す
べ き変 化 は 、 安 全 保 障 分 野 に お け る問 題 に つ い て 国 内的 な コ ンセ ンサ ス が確 立 し、 その 結 果 国 際 交 渉 の 場 に お い て 日本 の 立 場 が 首 尾 一 貫 す る よ う に な っ た 点 で あ ろ う。 冷戦 期 の受 動 的 な 日本 外 交 の ス タ イ ル は、1990年8月 に 勃 発 した 湾 岸 危 機 か ら1991年1月 の 湾 岸戦 争 に 至 る過 程 で 、 日本 外 交 を麻 痺 状 態 に至 らせ 、 国 際 社 会 か らの大 き な批 判 を 浴 び る こ とに な っ た 。 イ ラ クの 軍 事 的 手 段 に よ る 国 境 線 の 変 更 とい う主 権 国 家 体 制 自体 の 存 在 を 脅 か す 明確 な国 際 法 違 反 に 対 し て も、 日本 の 立場 は常 に そ の 場 しの ぎで 、 曖 昧 か つ 微 温 的 とい うイ メ ー ジ が 国 際 社 会 に植 え 付 け られ 、 最 終 的 に イ ラ ク に対 す る制 裁 に 大 規 模 な 経 済 的 負 担 を 分 担 しな が ら、 国 際 的 な 認 識 や 評 価 を得 な い ば か りか 、 か え っ て 人 的 な 貢 献 を しな い こ とへ の 批 判 まで 受 け る こ とに な っ た 。 しか し、 こ の湾 岸 戦 争 の 経 験 以 来 、 日本 は特 に突 発 的 な危 機 的 状 態 に対 して 、迅 速 に 国 内 意 思 を統 一 し、 原 理 ・ 原 則 の 上 か らの 立 場 を 国 際 社 会 に 対 して 明 確 に示 す こ との 意 義 を学 ん だ 。 この
よ う な 日本 の 交 渉 ス タイ ル の 変 化 を、 例 え ば、 日本 の 外 交 政 策 制 定 過 程 に お け る リー ダ ー シ ップ の 変 容 に よ って 説 明 す る試 み は 、 交 渉 の段 階 別 分 析 理 論 を構 築 す る観 点 か ら も、 日本 の外 交 政 策 過 程 の 理 解 の 観 点 か ら も、 共 に 有 益 で あ る
と思 わ れ る。 さ らに 、 冷 戦 後 の 日本 の 対 外 的交 渉 行 動 の変 化 は 、社 会 心 理 学 的 な ア プ ロ ー チ を通 じて 、 国 内 的 な価 値 観 の 変 化 を 変 数 と して 分 析 す る こ とが 可 能 で あ る。 この場 合 、 日本 に お け る歴 史 認 識 の 変 化 と憲 法9条 を め ぐ る議 論 の 変 化 等 が 、 注 目す べ き変 数 と して 上 げ られ るで あ ろ う。
さ ら に、APECやARF、 更 に はASEANプ ラ ス3な ど、 冷 戦 後 に 登 場 した ア ジ ア 太 平 洋地 域 に お け る多 国 間 の 枠 組 み を形 成 し発 展 させ る多 国 間 交 渉 過 程 に お い て 、 日本 が どの よ う な役 割 を果 た した の か を研 究 す る こ とも、 国 際 交 渉 の 理 論 構 築 と 日本 の外 交 政 策 研 究 の 双 方 の面 で 有 益 な テ ー マ で あ ろ う。 特 に 冷戦 期 の ア ジ ア 太 平 洋 地 域 に お い て は、 米 国 を中 心 と した 二 国 間 関 係 を 通 じて 国 際 的 な秩 序 を 形 成 し維 持 して きた 。 と こ ろが 、 冷 戦 の 終 了後 は、 同地 域 に お い て 急 速 に 多 国 間 交 渉 の 比 重 が 高 ま りつ つ あ る。 二 国 間 交 渉 か ら多 国 間 交 渉 へ の傾 斜 は 、 米 国 や 日本 だ け で な く、 伝 統 的 に 二 国 間 外 交 を 重視 して き た 中 国 の 外 交 政 策 に お い て も同 時 に観 察 で き る事 象 で あ る。 ア ジ ア太 平 洋 地 域 にお け る国 家 間交 渉 が 、 二 国 間 交 渉 か ら多 国 間 交 渉 へ と軸 足 を移 して い く背 景 に は 、地 域 諸 国 の 間 に共 通 に 観 察 さ れ る要 因 が あ る と考 え られ る。 その よ う に二 国 間 チ ャ ン
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ネ ル か ら多 国 間 交 渉 へ と国 家 間 の コ ミュニ ケ ー シ ョン の 比 璽 を移 す 要 因 を分 析 す る こ と も、 冷戦 後 の ア ジ ア太 平 洋 地 域 の 国 際 関 係 を理 解 す る上 で 璽 要 な テ ー マ で あ ろ う。 この 様 な試 み に お い て は 、 検 証 可 能 な理 論 的 提 言 を示 す こ とが 重 要 で あ り、 そ の 意 味 で 、 ア ジ ア的 な特 殊 性 を協 調 す る傾 向 が あ る歴 史 的 分 析 や 社 会 心 理 学 的 な分 析 と並 ん で 、 ゲ ー ム 理 論 や ミ ク ロ経 済 学 の 手 法 を応 用 す る経 済 学 的分 析 を用 い て み る こ と も必 要 で あ る。 現 下 の 北 東 ア ジ ア に お け る喫 緊 の 安 全 保 障 上 の 懸 念 で あ る北 朝 鮮 の 核 開 発 問 題 を め ぐる六 力 国 協 議 も冷戦 後 の 多 国 間 交 渉 の 一 例 で あ り、 この 交 渉 過 程 の 客 観 的分 析 は、Cl本 の 安 全 保 障 を平 和 的 手 段 で確 保 して い く上 で 重 要 で あ る。 メ デ ィ ア の 報 道 で は 、 理 解 しが た い イ メ ー ジ を植 えつ け られ て い る北 朝 鮮 の交 渉 ス タ イ ル につ い て も、 合 理 的 な理 解 を試 み る 作 業 が 、 国 際 交 渉 の 理 論 構 築 の 観 点 か らだ けで は な く、 日本 自体 の 政 策 課 題 と して も急 務 で あ る。
注
1)天 谷 直 弘 「「 町人 国 ・日本 」手 代 の く りご と」 『 文 芸容 秋 』 且980年3月 号。 この論 文 の 中 で 天谷 は、1979年 の在 イ ラ ン米国 大使 館 人質 事 件 の よ うに、在 外 公館 の 不可 侵 と言 う確立 した国 際 法上 の 原則 に反 す る恥件 が 生 じた 際 に も、 中束 の石 油 に依 存 す る 日本 の箏 情 を勘 案 して 、非 常 に曖昧 か つ 中途半 端 な立 場 を示 す 日本の 外交 政策 を批 判 す る。 天谷 に よれ ば、
この時 、原 理 ・原則 と 日本 の 特殊 性 を立 て 分 け、原 理 ・原則 の 違反 に反 対す る 日本 の立 場 を表 明 して広 く国際 社会 と歩 調 を合 わせ つ つ、 同 時 に 日本独 自の権 益 や那 情 に つい て は別 個 の政 策 で迫 求 す る アプ ロー チが 、 日本 独 自の利益 を守 る とい う視 点 か らも有効 で あ りえ た。 しか しなが ら、 冷戦 期 を通 じて 、国 外 の変 化 に対 して受 動 的 な外 交政 策 を 、管轄 が明 確 に分 け られた 国 内諸機 関 の間 の妥 協 的微 調整 を通 じて策 定す る ことに慣 れ て きた 日本 は、
突発 的 な国 際 的事 件 に対 して 国家 意思 を タイ ミング よ くま とめ あ げ る リーダ ー シ ッ プを有 効 に発 揮 す る政 治 的 意 識や 制 度 を 欠 いて きた 。
2)田 中明彦 『複雑 性 の世 界:「 テ ロの 世紀 」 と 日本 』 勤 草轡 房 、2003年 、12頁 。 3)北 岡 伸一 編 『 戦 後 日本 外 交 論 集:講 和 論 争 か ら湾 岸戦 争 まで 』 中央 公 論 社 、6‑12頁 。 4)例 えば 、吉 田茂 『回想 十 年 』 第一 巻 、 新 潮社 、1957年 。
5)江 藤 淳 『 落 ち葉 の掃 き寄 せ/一 九 四 六年 憲 法 一 その拘 束 』 文 芸巻 秋 、1988年 。 6)梅 棒 忠夫 『 文 明 の生 態 史 観 』 中央 公 論 社 、1967年 。
7)岡 崎 久彦 『隣 の 国 で考 えた こ と』 中央 文庫 、1983年 。 8)高 坂正 尭 『海 洋 国家 日本 の構 想 』 中 央公 論 社 、19654r。
9)以 下 、RogerFisher&WilliamUry,BrucePattoned.G8〃 ∫ ηgtoYes:
A㎏o加'fπgAgreemezztレ 四'thoulCivingIn,S800η4Edition¢,NewYork:Penguin,
1991.
10)以 上 の パ ワ ー 概 念 に 関 す る 議 論 に つ い て は 、Robert InternationalEncyclopediaoftheSocialSciences,XII,
Press,1969.並 び にK.J.Holsti,"TheConceptof InternationalRelations,"inDoughertyandPfaltzgraPP,eds.,Politicsandthe
InternationalSystem,Philadelphia:J.B.Lippincott,1969.を 参 照 。
ll)社 会 心 理 学 的 ア プ ロ ー チ に っ い て は 、JackSawyer,andHaro[dGuetzkow,
"BargainingandNegotiationinInternationalRelations
."InHerbertC.
Kelmaned.,IyzternationalBehaviorNewYork:Holt,RinehartandWinston, 1965.並 び にDanielDruckmaned.,〈Tegotiations:Social・Psychological
Perspectives,NewYork:SagePublications,Inc,1977.を 参 照 。
12)RobertAxelrod,ConflictofInterest,Chicago:Markham,1970.
13)HowardRaiffa,TheArtandScienceofNegotiation,Cambridge:Harvard UniversityPress,1982.
14)以 下 の 議 論 は 、LWilliamZartman,ed.,PositiveSunz:ImprovingNorth‑South
Negotiations,NewBrunswick:Transaction,1987.を 参 照 。
15)JeffreyRubinandBertBrown,TheSocialPsychologyofBargainingand
A.Dahl,"Power,"The NewYork:TheFree PowerintheStudyof
Negotiation,NewYork:AcademicPress,1975.
16)RobertL.Friedheim,NegotiatingtheNewOceanRegime,LosAngeles:
Universityof.SouthernCaliforniaPress,1992.
17)LWilliamZartmanandMaureenR.Berman,ThePracticalNegotiator,New Heaven:YaleUniversityPress,1982,pp.87‑146.
18)OranR.Young,"PoliticalLeadershipandRegimeFormation:Onthe DevelopmentofInstitutionsinInternationalSociety,"Interaaational
Organization,Vol.45:No.3(Summer1991),pp.281‑308.
(本学法 学部 准教 授)