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応用生物科学専攻

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会, 2018年28

乳由来の固体培地上における

食用

Penicillium

属のリパーゼ産生に関する研究

応用生物科学専攻 食資源科学講座 酪農食品科学 佐藤 恵実

1.緒言

チーズに用いられる食用真菌類として,

Penicillium camemberti

及び

P

.

roqueforti

がある。白カビ系チーズ中の遊離脂肪酸含量は青カビ系チーズ中のそれに比べて低い

ため,

P

.

camemberti

のリパーゼ産生についてはあまり関心が寄せられてこなかった。

しかし,ホエイタンパク質をベースとした固体培地上で これらの菌を培養すると,

P

.

camemberti

P

.

roqueforti

よりも高いリパーゼ産生能を有することが見出された。

そこで本研究では,両菌種のリパーゼ産生を比較すると共に,その誘導に関わる環境要 因を探索した。

2.方法

ホエイタンパク質濃縮物粉末を純水に溶かし ,pH 4.0 または 6.5 に調整後,湿熱滅菌 によって固化させた。必要に応じて滅菌前に リン酸緩衝液(pH 6.5)を添加した。本学 所有またはチーズ製造用に市販されている

P

.

camemberti

及び

P

.

roqueforti

を 3 株 ずつ用意し,培地に播種した後,15 または 25℃で 7,10 または 14 日間培養を行った。そ の後,培養産物から抽出した粗酵素の pH を測定後,ポリビニルアルコールで乳化したオ リーブオイルを基質として粗酵素を反応させた。反応後,遊離した脂肪酸をフェノール レッド法によって測定した。

3.結果と考察

いずれの菌種においても,培養の経過に伴い得られる粗酵素液に pH の上昇が見られ, そ の pH が ア ル カ リ 側 に シ フ ト す る ほ ど 高 い リ パ ー ゼ 活 性 を 示 し た 。 供 試 し た

P

.

camemberti

のうち,2 株は培養温度による活性の差はなかったが,残りの 1 株について

は 15℃での培養において,25℃よりもおよそ 2 倍以上高い活性を示した。また 3 株の

P

.

camemberti

のリパーゼ活性はいずれも

P

.

roqueforti

に比べて高く,中には

P

.

roqueforti

のおよそ 5 倍以上の値を示すものもあった。次に,培養中に生じる pH 変化

を抑制するため培地にリン酸緩衝液を添加し,pH 上昇がリパーゼ産生に及ぼす影響を 検討した。その結果,培養産物の pH が中性付近に留まっている場合でも,培養日数の経 過と共に高いリパーゼ活性値を示すようになったことから,

P

.

camemberti

のリパーゼ 産生に pH 環境は大きく関与していないものと考えられた。

4.まとめ

ホエイ固体培地上で培養した

P. camemberti

より得た培養産物は

P. roqueforti

それよりも高いリパーゼ活性を示した。一方 ,

P. camemberti

の培養に伴う pH 上昇と

リパーゼ産生とは相関が低いものと思われた。今後の研究において,

P. camemberti

のリパーゼ産生に強く影響を及ぼす因子の特定が期待される。

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