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「男」の生き方と生活感覚
大谷 通高(総合地球環境学研究所 技術補佐員)
まず、日本の高度経済成長期の「男」の生き方を例に言わせていただくと、それ は一言で言えば「会社人間」です。会社人間とは、出世競争への参加が自己実現だ と信じていて、身を粉にして働き、さらには自分がいないと組織が動かないと思い 込んでいるような人間のことです。こうした「会社人間」の頑張りの結果、豊かさ はもたらされますが、同時に生命や動植物に対する深刻な侵害、すなわち環境汚染 や公害問題が起こります。公害問題では、「会社人間」たちは企業の利潤や生産性 の低下を最重要の問題とし、被害者そっちのけで問題を隠蔽したり救済への対応を してこなかったという事実があります。そうした会社人間の生き方とは、「組織の ためなら非合法すれすれの行動をとり、自分の所属する組織にのみ目が向き、幅広 く国際問題、社会問題に関心を払うことができない生き方」として、1991 年には経 済企画庁が定義しています。それは自然や生命といった領域が極端に除外された生 き方ではないかといえます。
これではいけないということで、男が自然や生命への感度を高めるにはどうすれ ばいいか。ひとつは男の「主夫化」です。家事労働や育児、そういった身体や生命 に関わる物事を自分ごとにすることがあります。ただ実際には、現在の日本の男性 の家事労働時間は、1 日平均 19 分です。これは女性と比べると 2 時間以上の差が ありまして、ほとんどの「男」は家事に時間を割けていません。調べてみると、男 性の 1 日の社会生活の時間は労働時間がやはり多い。高度経済成長期と比べて労 働時間は減っていますが、それは非正規雇用人口が増えた分、労働時間が相対的に 減っているという話でもあります。実際には 1990 年代以降、フルタイム労働者の 労働時間はあまり減っていないという実態があります。また他の国との比較におい て日本の父親の帰宅時間は 20 時台以降が 60%以上となっており、日本は父親の帰 宅時間が遅いということもあります。これでは家事の時間をつくるのが難しい。で はどうしたら男の生活の感度を上げることができるか。一つの解は、消費行動に注 目することがあります。「男」は、もう少しパソコンといった生産ベースのアイテ ムではなく生活雑貨などの消費ベースのアイテムに目を向けて生活の感度を上げて いく、というのが今回の私の結論です。詳しい話はまた聞きに来てください。
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