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− 競争・市場保護法制定の背景

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〈資   料》

イタリア競争・市場保護法

吉田省三

1992年のEC市場統合を目前にして,イタリアでは,1990年9月,反トラ スト法律=法律287号1990年10月10日・競争及び市場の保護に関する規則(以 下,競争・市場保護法)が議会を通過し施行された.同法は,全6章33条か ら構成されており,EC条約第85条・第86条による規制をモデルとしたカル テル規制,市場支配的地位の濫用規制および企業集中規制を含むその概要は,

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すでに公正取引委員会事務局により解説されている.この法律によってイタ リアはEC諸国では,反トラスト法を最も早く制定した国よりも30年以上遅 れて,最後に反トラスト法を有する国となった.

− 競争・市場保護法制定の背景

イタリアにおける競争・市場保護法の制定には,国内的要因よりも,1992 年のEC市場統合という対外的要因が最も強く作用している.それは,反ト ラスト法の立法作業が,1986年2月の単一ヨーロッパ議定書調印以降に急速

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にすすめられたことを見ても明らかである・但し,歴史的にみてイタリア国 内に,反トラスト政策を実施しようとする試みがまったく無かったわけでは ない.

イタリアにおける反トラスト立法の法制化の提案は1950年代から始まって

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いる.最も早い時期の法案は,1950年に当時の商工大臣によって提案されて

いる.しかしこの提案は,制度の必要性に関する議論よりも,監視機関の設

置が有する問題点のために成功しなかった.

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1 9 6 0 年代にも 1 9 6 0 年および1 9 6 4 年に 2 度に渡って政府提案が行われるが,

それらは主として固有・公共部門の企業の反対のために,すべて失敗に終わ っている.立法提案者は,固有・公共部門の反対という点を考慮して,例え ば 1 9 6 4 年のメディチ商工大臣の法案は,公共サービス部門の企業,信用機関,

保険企業等を適用除外にしていた.

その後,反トラスト法が国会で議論されるのは約 2 0 年後のことである. 2 0   年間の経済・政治環境の変化,とりわけ 1 9 8 6 年の E C 単一ヨーロッパ議定書 調印が反トラストの法制化に大きなインパクトを与えた. 1 8 8 6 年当時の商工 大臣ウ。ァレリオ・ザノーネは,反トラスト法制の調査・研究に,フランコ・

ロマーニ教授を委員長とする研究委員会を任命した.ロマーニ委員会は「企 業の国際化と産業の集中」に関する調査の中で,他の西側諸国に比べて遅れ たイタリア大企業の経済モデルの問題点を指摘した.

その内容を要約すると,イタリアのこの遅れたモデルは,一部はイタリア の資本主議の歴史的性格に帰せられるが,他の部分はこの 2 0 年間の経済・産 業政策に責任があること,イタリアにおける競争秩序の侵害に対する危険は 企業の集中からではなく,公共部門の過剰がもたらすこと,公共部門の過剰 が企業家の活力を抑制し,効率・競争・技術革新を抑制していること,公共 部門と国家との関係が私企業を競争上不利な条件においていること等であ る.このような文脈において競争を中心においた反トラスト法制が提案され ることになった.イタリア経団連 ( C o n f e d e r a z i o n eG e n e r a l e  d e l l ' I n d u s ‑ t r i a l t a l i a n a ;   C o n f i n d u s t r i a ) は , E C をモデルにした反トラスト原則の法制 化については,上記の公共部門に対しての私企業の競争条件の平等という観 点から積極的であった.

ここで,公共部門の過剰として語られている国家参加企業 ( P a t e c i p a ‑

n i o n i  s t a t a l i ) は,イタリア経済復興や南部開発などある歴史的時点におい

てイタリア経済の発展に果たした経済的役割は別にしても,反トラストの面

からも一定の役割を果たすものとして期待されたことがあった.一つは,企

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業の大半が中小企業であるというイタリア経済の中で,国家参加企業が民間 大企業の独占に対する対抗力としての役割であり,他の一つは国家参加企業 を利用した「経済計画」の推進による経済民主主義の実現の役割である.競 争・市場保護法の制定は,競争政策の採用だけでなく,国家参加企業を中心 としたいわゆる「混合経済 J ( e c o n o m i a  m i s t a ) 体制の見直しとして行われ た.

イタリア共和国憲法と競争・市場保護法

競争・市場保護法第 1 条は,その制定の目的を,憲法第 4 1 条に規定する経 済行為の権利 ( d i r i t t od i   i n i z i a t i v a   e c o n o m i a ) の擁護及び保障と定めている.

共和国憲法第 4 1 条には,第 l 項に, I 私的経済行為Ci n i z i a t i v aeconomia  p r i v a t a ) は自由である. J という規定があり,競争・市場保護法の規定は,

「私的」という形容調がないが,直接にはこの第 l項の規定を受けたもので あることは明らかである.

共和国憲法第 4 1 条の規定は,第 1 項よりも,その部分的修正である第 3 項 の規定が, I 経済計画」あるいは,旧イタリア共産党のいわゆる「構造的諸 改良」との関係で論じられてきたという性格をもっ.第 3 項は「公的及び私 的経済活動が社会目的に向けられ,調整されるよう適切に計画化 ( p r o g r a m ‑ ma) し,統制する ( c o n t r o l l o ) ことは,法律で定める. J というものである.

第 1 項が保障する経済的自由に対する制限を「経済の計画化 J ( p r o g r a m m a ‑ z i o n e  e c o n o m i c a ) ないしは「統制」という言葉で表現しているが,この規 定が,競争過程を調整するものとしての「経済計画」による経済過程への介 入,あるいは憲法第4 3条の固有・公有化の規定と並んで,国家持株会社によ る経済過程への介入の根拠となってきた.

競争・市場保護法が,引用している憲法第 4 1 条は「経済行為の自由」に関

する第 1 項の規定であるが,反トラスト政策は,むしろ第 3 項の「調整」な

いし「統制」としての性格をもっ.しかし反トラスト政策を,経済行為の主

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体が,大企業と中小企業に分裂した経済発展の現段階において, I 経済行為 の自由」を大企業および中小企業に平等に保護するための国家の経済過程に 対する調整とみればそれは,憲法第 4 1 条第 l 項の「経済行為の自由」の保障 とみることもできる.反トラスト法にそのような位置づけを行ったとしても,

経済民主主義の視点からすれば,固有・国営が直ちに,反トラスト政策と対 立するものではないように, I 計画」ないし「統制」と反トラスト政策は,

相互に補完するものであり,対立するものではない.

日本の独占禁止法が,その憲法的保障を明示的には,有していないために,

後退的改正を受けたことと比較すると,イタリアの競争・市場保護法が,憲 法の規範との関係を規定したことは,反トラスト政策が,憲法的保障を受け たものとして注目してよい.

三 国家持株会社の解体と競争・市場保護法

反トラストと国有が対立するものであるという,上記の反トラスト法制定 時の議会および委員会での議論の進め方を前提にすると,反トラスト法の制 定は,必然的に公共部門の解体,国営企業の再私有化に繋がることになる.

もちろん現実の国営企業の民営化の理由は,反トラスト政策を真に有効にす るためにというよりも, 8 0 年代には回復はしたが,民間企業と比較して非効 率な企業の合理化,最も直接的には,国営企業の株式売却による財政赤字の 補填などの一環として行われているものである.

イタリアでは, 1 9 9 1 年 7 月には国営会社の資産売却の手続きを簡素化する

ため,株式を含む資産売却の法律を制定し,また 1 9 9 2 年 1 月に国営企業民営

化法が成立し,国家持株会社の子会社の株式売却,国営である電力,保険法

人の株式会社化を決定した.現在イタリアで進められている国家参加事業省

( M i n i s t e r o  d i  P a r t e c i p a c i o n i  S t a t a li)の廃止を含む国家参加企業民営化の計

画は次のようなものである.アマート内閣が,本年 7 月に決定した国家持株

会社の「民営化」計画は,国営企業を大きく産業分野と金融分野に分け,そ

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れぞれを支配するこつの持株会社を新設する.産業分野の新持株会社は,

I R I   (産業復興公社), ENI  (炭化水素会社), ENEL  (国営電力会社)等,

現存の産業部門の持株会社を子会社として有する.現在 I R I が所有してい る銀行部門については,金融分野の新持株会社に移転する.金融分野の新持 株会社には, INA  (国営保険会社), BNL  (国営労働銀行)等を子会社とし て所有する.その後,株式売却による財政赤字補填のために,新持株会社は,

子会社の株式を売却する.従来国営企業ク。ループを監督してきた国家参加事 業省を廃止する,というものである.

但しこのアマート内閣による国家参加企業「民営化」は,新しい持株会社 の新設も含んでいる点では,国家参加企業の「再編」という方が適切であり,

この「民営化」によって「第 2 次世界大戦後続いた民間企業と国営企業の共 存というイタリア特有の混合経済体制は,欧州共同体 (EC) 市場統合前に 終止符が打たれる j } ことになるかどうかは疑問が残るが,反トラスト政策を 導入した「混合経済」の国での新しい実験として注目される.

( 1 )   公正取引委員会事務局渉外官房室,イタリア独占禁止法の概要,公正取引, N o .   4 8 2 ,  1 9 9 0 年1 2 月 , p p . 1 7 ‑ 1 9 .  

( 2 )   F r a n c o  L o c a t e l 1 i , I I   S o l e  2 4  Ore "  d e l  2 8 . 9 . 9 0 .  

( 3 )   A d r i n o  P r o p e r s i ,  Maria R i t a  A s t o r i n a ,  A n t i t r u s t ,  P i r o l a  E d i t o r e  S .  p .  A. ,  1 9 9   , 1 p p . 1 3 3 ‑ 1 3 6 .  

( 4 )   尾上久雄,経済計画と構造的諸改良一イタリアの場合一,岩波新書, 1 9 6 8 年.

( 5 )   F .  G a l g a n o ,  S ,  R o d a t a ' ,  R a p p o r t i  e c o n o m i c i ,  Ar t .   41‑44 ,  N i c o l a  Z a n i c h e l 1 i   E d i t o r e ,  1 9 8 2 ,  p p . 5 3  ‑5 7 . この経済の計画化が意味するものは,市場を拘束す る官僚的政府モデルではなく,市場を自由化する民主的政府モデルである.

( 6 )   日本経済新聞, 1 9 9 1 月1 0 月2 1 日 , 1 9 9 2 年 3 月5 日 , 1 9 9 2 年 7 月2 0 日.

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競争及び市場の擁護に関する規則(法律第 2 8 7 号 1 9 9 0 年 1 0 月1 0 日)

第 1 章協定,支配的地位の濫用及び、集中行為に関する規則 第 l 条【適用範囲並びに EC 条約との関係】

1 .   経済的行為の権利の保護及びそれを保障するための憲法第 4 1 条を実施 するために,本法の規定は,欧州石炭鉄鋼共同体 ( E C S C ) 設立条約第6 5 条及び/又は第 6 6 条,欧州経済共同体 ( E E C ) 設立条約第 8 5 条 及 び / 又は第8 6条 , EEC 規則又はそれと同等の法則効力をもっ EEC 決議の適 用範囲にかからない,協定,支配的地位の濫用,企業集中に適用される.

2 .   第 1 0 条に示す競争・市場保護委員会(以下,委員会とする)は,検討 した案件が第 l項に示す本法の適用範囲外であると思料する場合は,そ れを欧州共同体 ( E C ) 委員会に報告し,所有する全情報を送付する.

3 .   第 1 項に掲げる各規則に基づき EC 委員会において訴訟手続きがすで に開始された案件については,委員会は調査を停止する.但し,国内 外に重要性をもっ例外的な側面については,この限りではない.

4 .   本章の規定の解釈は,競争規則に関する EC 規定の原則に基づいて行 われる.

第 2 条【競争の自由を制限する協定】

1 .   企業聞の合意及び/又は協定行為,並びに,法規に定める規定に従っ て採用された場合であっても,企業体,企業連合,その他同様の組織の 決定は,協定とみなされる.

2 .   国内市場内又はその相当部分において競争のルールを成立させる仕方 を妨げ,制限し,歪める目的でなされるか又はかかる結果を生じさせる 企業聞の協定で,以下に掲げる行為を通じてなされるものも,禁止され る.

a) 購入価格又は販売価格又はその他契約条件を直接又は間接に決定す

ること.

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b) 生産,販路又は市場への接近,投資,技術発展又は科学技術の進歩 を妨げるか又は制限すること.

c)市場又は供給源を分割すること

d) 契約の相手方との取引関係において,同ーのものに客観的に異なる 条件を適用することにより,不当に競争上不利な立場に置くこと.

e) 性質上又は用途上本来の契約の対象とは何ら関係のない附属物を契 約の相手方が引き受けることを,契約締結の条件とすること.

3 .   禁止される協定は,無効である.

第 3条【支配的地位の濫用】

1 .   一つ又はそれ以上の企業による圏内市場内又はその相当部分における 支配的地位の濫用は禁止され,さらに,以下の行為も禁止される.

a)不当に厳しい購入価格又は販売価格又はその契約条件を直接又は間 接に課すこと.

b) 生産,販路又は市場への接近,技術発展又は科学技術進歩を妨げる か又は制限することにより,消費者に不利益を与えること.

c) 契約の相手方との取引関係において,同じものに客観的に異なる条 件を適用することにより,不当に競争上不利な地位に置くこと.

d) 性質上又は用途上本来の契約の対象とは何ら関係のない附属物を契 約の相手方が引き受けることを,契約締結の条件とすること.

第 4 条【競争の自由を制限する取決めの禁止の特例】

1 .   委員会は,独自の措置により,第 2 条に従い禁止された協定又は協定 の項目を,期間を限定して許可することができる.但し,市場の供給条 件に改善をもたらし,消費者に実質的な利益を与える効果をもつもので,

しかも,国際的に必要な競争力を企業に保証する必要性を考慮し,特に,

生産増加又は生産・流通の品質の改善又は技術,科学技術の進歩に結び

つくものに限る.いかなる場合も,本項に示す目的を達成するために厳

密に必要ではない制限に対して許可することはできず,市場の相当部分

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の競争を排除することもできない.

2 .   委員会は,関係者が許可を濫用したとき,又は許可の必要条件の若干 を欠くとき,警告の後に,第 l項に示す特例としての許可を取り消すこ とができる.

3 .   許可の申請は委員会に提出され,委員会は,第 1 4 条に示す調査権を行 使し,申請提出後 1 2 0 日以内に必要な措置を講ずる.

第 5 条【集中行為】

1 .   集中行為とは次のことを言う.

a) 二つ又はそれ以上の企業が合併に着手すること.

b) 少なくとも一つの企業を支配する地位にある一つ又はそれ以上の主 体又は一つ又はそれ以上の企業が,株式又は資産の取得を通じて,又 は契約その他の手段を通じて,一つ又はそれ以上の企業の全部又は一 部の支配権を直接又は関接に取得すること.

c)二つ又はそれ以上の企業が,新会社の設立により,共通の企業の設 立に着手すること.

2 .   銀行又は金融機関が,企業設立又は増資の時点で,市場で売却する目 的で株式を取得した場合には,企業支配の調査は行われない.但し,前 記株式の所有期間がし、かなる場合でも 2 4 ヵ月を超えず,株式に附属する 投票権を行使しないことを条件とする.

3 .   独立企業の活動の調整を主要な目的又は対象とする行為は,集中行為 としない.

第 6 条【競争の自由を制限する集中行為の禁止】

1 .   第 1 6 条に従い届け出なければならない集中行為に関し,委員会は,そ れらの行為が,競争を実質的かっ継続的に排除又は制限するような国内 市場における支配的地位の設立又は強化をもたらすか否かを判断する.

その際,供給者及び需要者の選択の可能性,関係企業の市場における地

位,それらの企業の供給源又は販路への接近,市場構造,国内産業の競

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争状態,競争企業の市場に対する参入障壁並びに当該生産物又はサービ スの需要の動向を考慮に入れて判断を下さなければならない.

2 .   委員会は,その行為が第 1 項に示す結果をもたらすと判断した場合,

第 1 6 条第 4 項に示す調査の終わりに,集中を禁止するか又はかかる結果 を避けるのに必要な措置を講じた上で許可する.

第 7 条【支配】

1 .   本章の目的のため,民法第 2 3 5 9 条の対象となる場合,さらに,単独若 しくは共同して,又は事実及び権利の状態を考慮して,企業の活動を限 定する影響を及ぼす可能性を与える権利,契約,その他の法的関係が存 在する場合,又は以下を通じても,支配とみなされる.

a) 一企業の資産の全体又は一部の所有権文は占有権

b) ー企業の機関の構成又は決定又は意思決定を限定する影響を及ぼす 権利,契約,その他の法的関係.

2 .   支配権は,以下の個人若しくは企業又は個人若しくは企業の集団によ って取得される.

a) 権利の所有者,契約の受益者,その他上記法的関係の主体.

b) 上記の権利の所有者,契約の受益者,その他法的関係の主体でない にもかかわらず,それらから生ずる権利の行使権限をもっ者.

第 8 条【公共企業及び法的独占】

1.前各条に示す規定は,私企業に対しても,公共企業文は国家持株企業に 対しでも適用される.

2 .   前各条に示す規定は,法律の規定に従い,一般的な経済的利益に関す るサービスの運営を行う会社又は付与された特定の任務の履行に厳密に 従い,市場の独占制度内で活動する企業に対しては適用されない.

第 9 条【自家生産】

1 .   市場の独占を行う国又は公共団体に対する法律の留保又は対価を得て

財又はサービスを公共の給付する活動を営む企業に対する法律の留保

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経 営 と 経 済

は,第三者に対し,自己,管理会社,被管理会社の使用のためのかかる 財又はサービスの生産の禁止を要しない.

2 .   自家生産は,留保を定める規定に基づき,留保が公共の秩序,公共の 安全,国防並びに,委託を除いた電気通信分野に関する場合には認めら れない.

第 2 章競争・市場保護委員会の設立及び任務 第 1 節 委 員 会 の 設 立

第 1 0 条【競争・市場保護委員会】

1 .   本法の目的にため,競争・市場保護委員会の名称をもっ委員会が設立 され,本部をローマに置く.

2 .   委員会は十分な自立性をもち,判断並びに評価の独立性をもって活動 する.委員会は,上下両院議長の合意で決定され指名される委員長及び 委員 4 名から構成される.委員長は,委員会の重大な責任及び重要性を 果たすに足る顕著な独立性をもっ者の中から選ばれる.委員 4 名は,国 務院又は会計検査院又は破段院判事,経済学又は法学専攻の大学教授,

財界有識者の中から選ばれる.

3 .   委員会の委員の任期は 7 年で,再任はできない.委員は,任期満了ま で,専門的職業又は顧問業を営むこと,公的又は私的団体の役員又は職 員となること,いかなる種類の他の公共の職務に就くことはできない.

国家公務員は任期中非常勤扱いとする.

4 .   委員会は,すべての行政庁及び公共団体と同等の権限を持ち,それら に対し,資料及び情報の提供に加え,職権行使のための協力を要請する 権限をもっ.委員会は,競争及び市場保護に権限をもっイタリア国内の 委員会として,当該分野の EC 規定に定める EC 各機関との関係を維持 する.

5 .   本法が発効した日から 9 0 日以内に出される,国庫大臣の意見を聞いた

上での商工大臣発議に基づく閣議決定を経た,共和国大統領により,関

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係者に対し,推進派の文書,反対派の文書,議事録の十分な認識を保証 する調査手続きが定められる.

6 .   委員会は自己の組織及び運営に関する規則,職員の法的・経済的待遇 及び経歴換算に関する規則,並びに,国の一般会計に関する規定の特例 としてでも,本法に定める限度内での支出の運用を規制するための規則 を定める.

7 .   委員会は,国家予算計上額,並びに,商工省支出見積書に新たに l 項 を設けて記載した額の限度内でその運営費を自律的に運用する.資金運 用は,前年の 1 2 月 3 1 日までに委員会が承認した翌年の予算見積書に基づ き,行われる.予算の内容及び構成は,いかなる場合でも,決定された 収入の限度内の支出に抑えなければならず,場合によってはありうる予 算の変更のための様式をも定める,第 6 項に示す規則に規定される.翌 年 4 月 3 0 日までに承認される資金運用報告は,会計検査院の監査を受け

る.予算及び資金運用報告書は,イタリア共和国官報に掲載される.

8 .   国庫大臣と合意した上での商工大臣の発議に基づく首相の命令によ り,委員会の委員長及び委員の諸手当が決定される.

第1 1 条【委員会職員】

1 .   首相の命令により,委員会に配属される職員の役務が定められる.組 織の役務により決定される職員数は 1 5 0 人を超えることはできない.職 員の採用は, 1 9 8 7 年 2 月 2 8 日法律第 5 6 号第 1 6 条に基づき採用が決定され る職務等級外の公募によって行われる.

2 .   職員の法的,経済的待遇及び経歴換算は,委員会の機能及び組織の特 別の必要を考慮して,イタリア銀行に有効な集団労動の協約に定める基 準に基づき決定される.

3 .   委員会に勤務する職員に対し,いかなる場合も,他の任務又は職務に 就くこと又は専門的,商業的,工業的活動を行うことは禁止される.

4 .   委員会は,私法契約の定めに従い,契約期間を限定して, 5 0 人の職員

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を直接採用することができる.委員会はさらに,必要な場合には,特定 のテーマ及び問題について助言を与える専門家を登用することができ る.

5 .   委員会委員長の発議に基づき商工大臣に指名された事務局長は,委員 長とともに,委員会の活動及び任務を監督する.

第 2 節 競争の自由を制限する協定及び支配的地位の濫用に関する 委員会の権限

第 1 2 条【調査権限】

1 .   委員会は,委員会が所有する何らかの資料及び行政庁又は消費者を代 表する組織を含む関係者から示された資料を評価し,第 2条及び第 3条 に定める禁止事項の違反の存在を検証するための調査を行う.

2 .   委員会はさらに,職権により又は商工大臣又は国家投資大臣の要請に 基づき,取引の発展,価格の動向又はその他の状況が競争を妨げ,制限 し又は歪めるものと推定させる経済部門の一般的性格に関する認識調査 を行うことができる.

第1 3 条【協定の通知】

1 .   企業は委員会に対し進行中の協定を通知することができる.委員会は,

通知から 1 2 0 日以内に第 1 4 条の調査を行わない場合には,上記調査を行 うことはできない.但し,通知が不完全又は真実でない場合は,この限 りではない.

第 1 4 条【調査】

1 .   委員会は,第 2条又は第 3条の違反容疑がある場合,企業及び関係団 体に調査の開始を通告する.企業及び団体の所有者又は法廷代理人は,

その通告に定められた期間内に,個人的に又は特別代理人を通じて,事 情説明を受ける権利をもち,調査のどの段階においても推定及び意見を 述べることができ,調査終了以前に再び事情説明を受けることができ

る.

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2 .   委員会は,企業,団体又は個人に対し,調査のどの時期においても,

所有する情報の提供及び調査に有益な書類の提示を要求することができ る.また,国の各機関の協力のもとに企業書類を調査し写しをとるため の検査を行うことができる.また,経済的,統計的調査,分析及び調査 のための重要な資料に関して専門家と協議することができる.

3 .   委員会の調査対象企業に関するすべての資料,情報又はデータは,公 的行政に関する場合でも職務上の秘密として保護される.

4 .   職権を行使する場合の委員会職員は,公務員である.委員会職員は,

職務上の秘密に拘束される.

5 .   委員会の措置により,第 2 項の資料提供を要求されたものが,正当な 理由なくして情報の提供又は書類の提示を拒否又は怠ったときは, 5 0 0 0   万リラ以下の制裁金を課し,真実でない情報を提供又は書類を提示した

ときは億リラ以下の制裁金を課す.現行法規に異なる制裁規定があ る場合はこの限りではない.

第1 5 条【警告及び罰則】

1 .   委員会は,第 1 4 条に示す調査の結果,第 2 条又は第 3 条の違反行為を 認めたときは,企業又は関係団体に対して違反行為を中止するための期 限を定める.重大な違反については,違反の重大性及び期間を考慮、して,

協定又は支配的地点位の濫用の対象となった製品に対する警告の通知に 先立つ最後の決算期に,当該企業文は団体が実現した売上高の 1% 以上 10% 以下の制裁金を課し,当該企業又は団体が制裁金を支払う期限を定 める.

2 .   第 l 項に示す警告に従わないときは,委員会は,売上高の 10% 以下の

制裁金を課し,第 l項に示す罰則が適用されている場合は,すでに適用

された制裁金の 2 倍以上で第 l 項に示す売上高の10% 以下の制裁金を課

し,さらに,制裁金の支払い期限を定める.反復して警告に従わないと

きは,委員会は 3 0 日以内に企業活動停止を命ずるこができる.

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第 3節集中行為の禁止に関する委員会の権限 第 1 6 条【集中行為の届け出】

1 .   第 5条に示す集中行為は,関係企業の国内総売上高が5000億リラを超 える場合又は取得される企業の国内総売上高が500億リラを超える場合 は,予め委員会に届け出なければならない.上記金額は,国内総生産物 価指数の上昇に等しい金額が毎年加算される.

2 .   銀行及び金融機関については,売上高は,仮勘定を除く貸方資産総額 の 1 0 分の 1 に等しい額とし,保険会社については,保険料収入に等しい 額とする.

3 .   集中行為の届け出から 5 日以内に,委員会はそれを首相及び商工大臣 に通知する.

4 .   委員会は,集中行為が第 6 条に従い対象となると思料するとき,届け 出の受理から 3 0 日以内に文はそれが判明したときから,第 1 4 条の定めに 従い,調査を開始する.委員会は所定の手続きに従い届け出た集中行為 に関し,調査の必要がないと思料するとき,関係企業及び商工大臣に対 し,届け出の受理から 3 0 日以内に,当該集中行為に関する委員会の調査 結果を通知しなければならない.

5 .   株式公開買付は,第 l 項に示す届け出の対象となる集中行為を引き起 こすことがあり,委員会に届け出ると同時に証券取引規制委員会に届け でなければならない.

6 .   第 5 項に従い委員会に届け出た株式公開買い付けの場合,委員会は届 け出の受理から 1 5 日以内に調査の開始を通知すると同時に,それを証券 取引規制委員会に通知しなければならない.

7 .   委員会は届け出とともに企業から提供された情報が極めて不正確,不 完全又は真実でない場合は,本条に示す期限後に調査を開始することが できる.

8 .   委員会は,本条に示す調査の開始から 4 5 日間の確定期限内に,関係企

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業及び商工大臣に対し,当該集中行為に関する委員会の調査結果を通知 しなければならない.上記期限は,当該企業が要求に応じて提出すべき 情報及びデータを提出しないときは,調査の過程で 3 0 日以下の期限に限

り延長することができる.

第 1 7 条【集中行為の一時停止】

1 .   委員会は,第 1 6 条に示す調査を進める際に,当該企業に対し,調査結 果が出るまで,集中行為の実現を停止の命ずることができる.

2 .   第 l 項の規定は,第 1 6 条第 5 項に従い委員会に届け出た株式公開買付 の実現を妨げない.但し,当該株式に伴う投票権を取得者が行使しない 場合にかぎる.

第 1 8 条【集中行為に関する調査結果】

1 .   委員会は、第 1 6 条に示す調査の結果,当該集中行為が第 6 条に定める ものに該当すると判断したとき,その実行を禁止する.

2 .   委員会は,集中行為に関し介入すべき資料が調査の過程で見当たらな い場合は,調査の終了に必要な措置を講じ,関係企業及び商工大臣に対 し,当該調査の結果を直ちに通知しなければならない.かかる措置は,

競争を歪める虞れのある材料を当初の集中計画から除去したことを立証 する関係企業の要請に応じて適用することが出来る.

3 .   委員会は,集中行為がすでに実現されている場合,競争を歪める影響 を除去し,有効な競争条件を回復するために必要な措置を定めることが 出来る.

第 1 9 条【集中行為の禁止又は届け出の義務に従わない者に対する制裁金】

1 .   企業が第 1 8 条第 l 項に示す禁止事項に違反して集中行為を実現すると き又は同条第 3 項に示す規定に従わないとき,委員会は,集中行為の対 象となる企業の売上高の 1% 以上 10% 以下の制裁金を課す.

2 .   企業が第 1 6 条第 1 項に示す事前の届け出の義務に従わないとき,委員

会は,当該企業に対し前年度売上高の 1% 以下の制裁金を課すことが

(16)

1 1 6   経 営 と 経 済

出来る.但し,本項に示す罰則を通知した日から開始される第 3節に定 める調査の結果により,第 l項に定めるところに基づき適用することの できる罰則が加えられることがある.

第 4 節 特 別 規 定

第2 0条【信用事業及び機関,保険企業,放送及び出版部門】

1 .   放送及び出版部門の企業については,第 2, 3, 4, 6条の適用は,

放送・出版部門に関する現行法規に定められた保護機関に属する.

2 .   信用事業及び機関については,第 2 , 3 ,  4 ,  6 条の適用は,関係す る監督機関に属する.

3 .   第 l 項及び第 2 項に示す監督機関の措置は,第 2 , 3 ,  4 ,  6 条の適 用に際して,第1 0 条に示す競争・市場保護委員会の意見を聞いた上で適 用される.競争・市場保護委員会は,措置の基礎となる書類の受理から 3 0 日以内に判断を下す.上記期間が無為に経過した場合,監督機関は独 自の権限で措置を適用することができる.

4 .   保険会社については,第 1 0 条に示す委員会の措置は,個人保険監督機 構 CISVAP) の意見を聞いた上で適用される.個人保険監督機構は,

措置の基礎となる書類の受理から 3 0 日以内に判断を下す.上記期間が無 為に経過した場合,第1 0 条に示す委員会は,独自の権限で措置を適用す

ることができる.

5 .   信用事業及び機関の監督機関はさらに,期間を限定して,金融制度の 安定のために必要な第 2 条の禁止の特例として,第 4 条第 l 項に示す基 準を考慮しつつ,取決めを許可することができる.上記許可は第1 0 条に 示す委員会と合意の上で適用される.第1 0 条に示す委員会は,当該取決 めが競争の排除をもたらすか否かを判断する.

6 .   第1 0 条に示す委員会は,第 l 項及び第 2 項に示す監督機関に対し,第 2条及び第 3条に違反の場合を通知することができる.

7 .   前各項に定めるところを除き,協定又は支配的地位の濫用又は集中行

(17)

為が多数の機関の監督下にある部門の企業に関わるときは,各監督機関 は独自の権限で措置を適用することが出来る.

8 .   本条に示す監督機関は,第1 0 条に示す委員会に定める手続きに従い活 動する.

9 .   本法の集中行為に関する規定は,銀行,保険,放送及び出版部門の現 行法規の特例にはならない.

第 3章委員会の調査及び諮問権 第 2 1 条【政府及び議会への報告権】

1 .   より完全な競争及び市場の保護に貢献するため,委員会は,一般的利 益の要請から正当化されない一般的性格の法律又は規則又は行政的措置 の規定が,競争又は正常な市場の機能を歪める特に顕著な事例を究明す る.

2 .   委員会は,法律の規定がもたらす競争の歪曲の状態を,議会及び首相 に通知し,その他の場合には,首相,関係閣僚,関係地方公共団体に通 知する.

3 .   委員会は,適当と認めるときは,競争の歪曲の状態の除去又は予防に 必要な措置に関し見解を表明し,競争の歪曲の状態の性質及び重要性に 関し最も適切な様式で通報及び見解を公表することができる.

第 2 2 条【諮問活動】

1 .   委員会は法律又は規則の発動に関し,及び競争及び市場に関する適切 と思料する問題に関し,又は関係する行政庁及び公共団体の要請に基づ き,見解を表明することができる.首相は,以下の結果を直接もたらす 法律又は規則の発動に関し,委員会に諮問することができる.

a) 企業の活動及び市場への接近を数量制限下に置くこと.

b) 一定の分野で排他時権利を定めること.

c) 価格及び販売条件に関し一般化された手続きを課すこと.

第 2 3 条【年次報告書】

(18)

1 1 8   経 営 と 経 済

1 .   委員会は,首相に対し,毎年 4 月 3 0 日までに前年度の事業報告書を提 出する.首相は同報告書を 3 0 日以内に議会に送付する.

第 2 4 条【若干の部門に関する政府への報告書】

1 .   委員会は関係行政庁の意見を聴取し,その設立から 1 8 ヵ月以内に,首 相に対し,公共調達,許認可事業及び商品流通の各部門に関する法規に 競争原理の適用を促進する活動に関する報告書を提出する.

第 4 章集中行為に関する政府の権限に関する規定 第 2 5 条【集中行為に関する政府の権限】

1 .   内閣は,商工大臣の発議に基づき,委員会が欧州統合における国民経 済の重要な一般的利益のため第 6 条に従い禁止した集中行為を例外的に 許可できる期準の一般的方針を事前に決定する.但し,上記一般的利益 により厳密に正当化されない市場における競争の排除又は競争の制限を もたらさない場合に限る.かかる場合には,委員会は完全な競争条件の 回復に必要な措置を定められた期間内に講ずる.

2 .   第 1 6 条に示す集中行為で,前各章の規定と同様の効力をもっ規定によ り団体又は企業の独立性が保護されないか又は,差別規定が適用されて いるか又は,民間企業又は団体権よる取得に関するものと同様の効力を もっ条項が課されている公社又は国家企業が参加する集中行為について は,首相は,商工大臣の発議に基づく閣議決定を経て,第 1 6 条第 3項に 示す届け出から 3 0 日以内に,国民経済の本質的理由により,集中行為を 禁止することができる.

第 2 6 条【決定の公表】

1 .   第 1 5 , 1 6 ,  1 8 ,  1 9 及び 2 5 条に示す決定は 2 0 日以内に,首相が編集する 公報に公表される.同公報には,委員会が適切と思料する場合には,第 1 2 条第 2 項に示す調査の結果が公表される.

第 5 章金融機関への資本参加に関する規定

第 2 7 条【金融機関への資本参加】

(19)

1 .   何人といえども,直接又は被支配会社又は信託会社を通じて又は人を 介して金融機関の株式又は持分の取得又は引受を行った者は,すでに所 有している株式又は持分を考慮に入れて,金融機関の資本の 5% 以上を 獲得した場合,及び,この限度とは独立に,金融機関の支配権を獲得し た場合は,イタリア銀行の許可を得なければならない.上記限度を超え る金融機関の株式を獲得している会社の支配権を取得した場合にも,許 可は必要である.

2 .   本章の目的のため,民法第 2 3 5 9 条に従い,また,一株主又は投票シン ジケートの持分を通じて複数の株主(この場合はそれぞれの株主は支配 する側とみなされる)が通常株式又は持分総数の 4 分の l 以上又は証券 取引所上場会社の場合には 1 0 分の l 以上を所有するときには,支配関係 が存在するとみなされる.但し,通常株式又は持分全体の過半数をもっ 一株主は他の株主が形成した投票シンジケートが存在しない場合又は会 社に対する支配権が行使できない場合にかぎる.投票シンジケートは,

投票権の行使を規制する株主聞の何らかの合意を制定する.投票権の行 使を規定する合意はすべて,締結から 4 8時間以内にイタリア銀行に届け 出なければならない.

3 .   すでに所有している株式又は持分をも考慮に入れて, 5% 以下 1% 以 上の持分をもたらす第 l 項に示す取引,並びに, 1  %以上の持分の減少 をもたらす所有株式又は持分を譲渡する取引は,締結から 4 8時間以内に イタリア銀行に届け出なければならない.

4 .   持分が金融機関の資本の 5% 以上になるとき,それ自身又は以前に所 有している持分の変化,金融機関の資本の 2% 以上の持分の増加又は減 少をもたらす変化は,さらに許可の対象となる.

5 .   前各頃に従い許可を得た主体が,許可を必要とする条件の若干を喪失

したとき,それを 1 5 日以内にイタリア銀行に届け出なければならない.条

件の喪失が他の主体による金融機関の支配を受けるような取引の結果で

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1 2 0   経 営 と 経 済

ある場合,当該取引は事前にイタリア銀行の許可を得なければならない.

6 .   金融機関と異なる主体並びにかかる主体を支配する金融機関又はかか る主体に支配される金融機関は,すでに所有している株式又は持分と合 計して,金融機関の資本の 15% 以上の持分又は支配権をもたらすような 株式又は持分の取得又は引受を,直接又は被支配会社又は信託会社を通 じて又は人を介して,行う許可を得ることはできない.但し,第 2 項に 示す投票シンジケートの持分を通じた支配の場合,要求される主体であ るシンジケートの持分が,すでに所有,管理している株式又は持分をも 考慮、に入れて,当該シンジケートの決定に要する過半数の形成に確定的 でないときは,許可を得ることがある.

7 .   本法が発効する日に存在する金融機関の資本の 1% 以上の持分は,本 条に従い許可を得るものとは異なる状況及び 1 9 8 9 年 1 月 2 5 日以降取得し た株式又は持分の数を明示して, 6 0 日以内に書留郵便によりイタリア銀 行に届け出なければならない. 5% 以上の持分及び金融機関の支配をも たらす持分は,イタリア銀行が届け出の発送から 1 8 0 日以内に何ら命ず ることがなければ,許可されたものとみなされる.この期限は,関係者 に補足情報及びデータが請求された場合には中断され,それに対する書 留郵便の発送日から再開される.第2 8条第 2項に示す取消の権利は除か れる.本法が発効する日から 1年以内に国庫大臣は,議会に対し,本項 に従い許可された第 6 項に示す限度を超える持分のリストを通知する.

本法が発効する日に存在する営利,非営利団体の所有する持分は,届け 出とは独立に許可されるものと了解される.

8 .   本章の規定と同様の規定により金融機関の独立性が保護されないか又

は,差別規定が適用されているか又は,民間企業又は団体による取得に

関するものと同様に効力をもっ条項が課されている公社又は国家企業

が,第 l 項に示す取引に参加するとき,イタリア銀行は許可申請を公庫

大臣に通知し国庫大臣の発議に基づき,首相は国民経済の本質的理由

(21)

により,通知から 1ヵ月以内に許可を取り消すことができる.

第2 8条【許可及び通知】

1 .   第 2 7 条に示す許認可に関係する主体は,イタリア銀行に対し書留郵便 により申請を行わなければならない.イタリア銀行が書留郵便の送付か ら 9 0日以内に何ら命ずることがなければ,許可は認められたものと解さ れる.この期限は,関係者に補足情報及びデータが請求された場合には 中断され,それに対する書留郵便の発送日から再開される.情報及びデー タの請求は 1 回に限り繰り返すことができる.

2 .   許可は,弁済に関するものであっても,第 2 7 条第 2 項に示す合意によ り取得又は強化した立場を考慮に入れるか又は許可の結果としてのその 他の事柄を考慮に入れて,イタリア銀行により常に中止又は取り消すこ

とができる.

3 .   イタリア銀行により適用された措置は,関係する申請者及び金融機関 に通知される.許可を却下又は取り消し又は中止する措置には,理由が 付されなければならない.

4 .   信用・貯蓄関係閣僚委員会は,金融機関の独立性と預金者の利益保護 を保証するため,許認可,その中止及び取消に関する基準,また,許可 を申請する又は取得した会社の取締役,監査役,専務理事,管財人の要 件に関する基準,及び,金融機関の持分に関わる企業又は団体に関する 基準,並びに,何らかの支配的影響の予防に関して申請者とその他の主 体との間に存在する技術的,財政的,組織的,習慣的性格の関係に関す る基準を決定する.信用・貯蓄関係閣僚委員会は,さらにイタリア銀行 の発議に基づき,許可の申請義務を要する持分を持つ資本参加者が,イ

タリア銀行の請求があるとき,またいずれの場合でも,持分の引受又は

増加の際の許可申請のときはいつでも,責任申告書(~、わゆる自律性登

記書)に置名しなければならないとする規定を定める.信用・貯蓄関係

閣僚委員会は,イタリア銀行の発議に基づき,第 2 7 条第 6 項最終段に示

(22)

1 2 2   経 営 と 経 済

す案件に関する最高限度,基準、様式,拘束を決定する.信用・貯蓄関 係閣僚委員会は,イタリア銀行の発議に基づき,独自の決議により,支 配的影響の定義及び大株主の形成に関する金融機関のための本法の適用 規定を公布することが出来る.イタリア銀行はさらに,金融機関の配置 の中立性の監視に関する指令を定めることができる.信用・貯蓄関係閣 僚委員会の決議は,イタリア共和国官報に掲載される.

5 .   許可申請書及び添付書類の書式並びに第 2 7 条第 3 , 5 ,  7 項に示す届 け出の様式は,イタリア銀行が定め,イタリア共和国官報に掲載される.

第 2 9 条【投票中止,譲渡義務,刑事罰】

1 .   第 2 7 条に示す取得又は引き受けられた株式又は持分に伴う投票権は,

許可の措置の通知以前,許可を申請していない場合,許可の却下,中止,

取消措置の通知後,第 2 8 条第 l 項に示す期限の経過以前に行使すること はできない.決議に従わない場合,上記株式又は持分に伴う投票をおこ なわずに,要求する過半数に達しなかったときは,民法第 2 3 7 7 条の規定 に従い意義申立てできる.意義申立ては,イタリア銀行からも提起する ことが出来る.投票権を行使できない株式又は持分は,株主総会成立後 規制するため算入される.

2 .   第 2 7 条第 6 項に示す主体が,金融機関の資本の15% 以上の株式又は持 分又は,支配権を取得したとき,その決算書の承認から 6 ヵ月以内に譲 渡しなければならない.本法が発効した日に存在している株主又は持分 で,第 2 7 条第 7 項の規定に従いイタリア銀行に届け出たものは,期限は 上に定めた措置の通知の日から経過する.届け出のない場合には,裁判 所は、イタリア銀行の発議に基づき,株式仲買人又は金融機関による株 式又は持分の売却を命ずる.

3 .   許可申請を怠った場合又は第 2 7 橋に示す届け出を怠るか不十分か虚偽

であり,第 l 項及び第 2 項に示す規定粋違反した場合,第 2 7 条第 2 項に

示す届け出を行った会社又は団体の取締役及び専務理事並びに株主は,

(23)

非常に重大な犯罪を構成する場合を除き年以上 5 年以下の懲役及び 4 0 0 万リラ以上 2 0 0 0 万リラ以下の罰金に処する.

4 .   本条の規定は,第 2 7 条第 2 項に示す合意又は取得又は引き受けの結果 としてのその他の事柄のため支配権をもたらすような金融機関の資本の

5% 以下の株式文は持分についても適用される.但し、そこから生ずる 株式又は持分の取得又は引き受けの許可が投票シンジケートの締結又は それへの参加から 4 8 時間以内に請求されるか又は,第 2 8 条の規定に従い イタリア銀行により許可されるかぎり,第 2 7 条第 6 項第 2 段に示す状態 は除かれる.

第 3 0 条【利益の衝突】

1 .   金融機関は,その提携会社のための信用の認可又は資本若しくは資産 の大持分を保有する主体のための信用の認可に関し,信用・貯蓄関係閣 僚委員会の指令の適用に際しイタリア銀行から指示された限度を遵守し なければならない.

2 .   かかる限度は,金融機関の資産及び信用を請求する主体の保有する金 融機関の持分を除き、決定される.

3 .   信用・貯蓄関係閣僚委員会は,金融機関と大株主との利益の街突に関 しまたその他の銀行業務に関し指令を公布する.

第 6 章 最 終 規 定 第3 1 条【罰則】

1 .   本法に違反したため課される制裁金については,適用可能な限り, 1 9 8 1   年 1 1 月 2 4 日法律第 6 8 9 号第 1 章第 l 款及び 2 款の規定が遵守される.

第3 2 条【資本準備】

1 .   1 9 9 0 年 2 0 0 億リラ, 1 9 9 1 年 3 2 0 億リラ, 1 9 9 2 年 3 5 0 億リラ、と見積もら

れる本法の適用に伴う国庫負担に対し, 1 9 9 0 年国庫省予算見積書第

6 8 5 6 項記載の 1 9 9 0‑1992 年三ヵ年計画予算の計上額を同額減額し,必

要な場合は, I 競争・市場保護介入」特別積立金を利用する.

(24)

1 2 4   経 営 と 経 済

第3 3条【裁判管轄】

1 .   本法第 l 章から第 4 章に示す規定に基づき適用された行政措置に対す る訴訟は,行政裁判官の裁判権にもっぱら属す.この訴訟はラツイオ州 行政地方裁判所に提訴されなければならない.

2 .   無効及び損害賠償を求める訴訟並びに第 l 章から第 4 章に示す規定の 違反に関する緊急措置を求める訴訟は,管轄地域の控訴院に提訴される.

第3 4条【発効】

1 .   本法はイタリア共和国官報掲載日の翌日に発効する.

本法は,国璽押印され,イタリア共和国法律記録集に収載される.す

べてのものは,国の法律として遵守し,遵守させる義務を有する.

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