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施行前の引当金 をめ ぐる法状況 〜引当金の貸借対照表能力 と基準

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(1)

会 計 施行前の引当金 をめ ぐる法状況

〜引当金の貸借対照表能力 と基準:L原則〜

は じめに

1985年成立の貸借対照表指令法

(Bilttzrichtlinien‐

Gesetz)を契機 として引 当金 を巡 る議論が ドイツにおいて活発化 している。 この ことは引当金が今 日も 依然 として重要且つ論争 ある貸借対照表項 目であることを示 している と思われ

る。

引当金の計上問題 については、 ドイツでは貸借対照表論 それ も貸借対照表能 力論 として取 り扱われて きた。引当金 とい う概念 は経営経済学 の貸借対照表関 の文献 において発展 した概念であって、

事貸借対照表 の実務 に取 り入れ ら れ、1931年よ り商法 に採用 された概念である。それ以来の法改正において、引 当金が どの ような貸借対照表 目的 に基づ くものか、 どの ような引当金の計上要 件が考慮 され るべ きなのか、 また、引当金の計上時点 はいつか、等の法解釈 に 関 して これ まで何度 とな く論争 もよんで きた。

ドイツでは、とくに1965年株式法以来、152条7項の引当金計上規定 とそれ に関わる法判決 を巡 って引当金の貸借対照表能力問題

(計

上義務か、計上選択 権か、計上禁止か)について論議 を呼んで きた。 この点に関連 して、 シュミー

ンブィツは次の如 く述べている。

「 西 ドイツ経営経済学 において貸借対照表論 は最 も古 く、且つ中心的領域 を 示 しているが、近年、再 び活気 を高 めて きている。 しか しなが ら、驚 くべ きこ とに貸借対照表能力

(積

極 ないし消極 の計上能力)の部分問題 については広範 に無視 されてきた。 そのため、例 えば積極計上義務、積極計上禁止、積極計上 選択権が どの ような場合 に存 し、何故存在するのか とい う問題 は、一部不明瞭 の ままである。それ らは法判決 に決定が委ね られているのである。

(80)  ヱθθ

(2)

法経研究

貸借対照表能力 は貸借対照表表示、分類 、評価、利益配分の起点問題 として 提案 されて きた。 したが って、 それは貸借対照表論 と実際の商事貸借対照表や 税務貸借対照表 に対 して中心的意義 をなす。 しか しなが ら、商法 と税法上 の貸 鴬村照表能 力 の法律規定 は きわ めて間隙が あ り、ない しは不 明瞭 で論議 が

ある。」

ヒミールヴィッッの この指摘 は、貸借対照表能力問題 について従来、商法や 税法の規定 は不十分であ り、 その実務上 の解決が法判決 に委ね られ るとい う法 的不安定状況の存 していた ことを示 している。 この ことは引当金 について も例 外ではない。

ところで、1985年に成立 をみた ドイツ貸借対照表指令法 はかか る1965年 式法以来存 していた引当金会計実務 に対する法的不安定性 にむけて一定の立法 的解決 をみた とされている。商人 の会計報負鳴対する世紀法

(ein Jahrhundert‐

gesetz zur Rechnungslegung des Kaufmanns)を 生み出した ともいわれ る、

この会計法 (Bilanzrecht)の 中心要素 は商法典の新設の第二編 に挿入 され、 ド

顧雰竃 暑 訟

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の商人 に対する規定」の249条253条 1項 2文において引当金の計上・評価の

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その第1項に見 られ る引当金の計上義務 の明示化 と第2項の費用性引当金の包

括的な計上選択の許容によってドイツ商事螢誌法にとってのひとつの改革

(ein

Novllm fur das deutsche Handelsbilanzrecht)を

示 してい る とい う。 この新 会 計 法 は、

1992年EC統

合 を前 に した域 内諸 国の会社法調和化 の一環 として理

事会発布の会計関連EC指令をドイツ国内法へ転換 したものとして特徴 を有 し ているが、1965年株式法下に存 していた引当金規定の法的不安定状況の解消に

こそ、その国内法上の規定要因のひとつがあつたとみることができる。

連邦財務省局長のウェルナー (Adalbert Uelner)に よれば、かかる新会計法 によ り実現せ られた引当金形成の商法規

=垢

ついてはEC指令 との関わ りにお

いて次の二点で考慮すべ き事柄があるとい う。

(1)EC指令法 の先与性 (EC指4号20条の引当金規定)

121貸

借対照表指令の国内法への転換が ドイツで適用される基準性原則 (Mび

geblichkeitsprinzip)の ため に税 法上 の影響 を もつ とい う事 実。転換

ノθイ   (79)

(3)

新会計法施行前の引当金をめぐる法状況 が〜 とくに財政上の理由か ら〜税務 中立的に行わなければな らない とい う政 策上 の優先。 その場合、 ここで税務 中立的 とい うのは、転換の全体的効果が 税収 中立的だ けではな く、個々の計上のすべてが税の減収 も増収 ももた らさ

ない ことを意味 していること。

つ まり、 ドイツにおいては商事貸借対照表 の税務貸借対照表 に対する基準性

摯罪:[雪糀 薇鶉切了よ

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T28

る引当金規定)については、 この基準性原則 を保持 しつつ商法の範囲内のみで 税務上の影響を及ぼさずにEC指 (20条)の国内法転換を行 うことが、成立 の与件であつた というのである。

しかし、問題は新会計法・ 新商法典における引当金計上規定の改正を促す法 的不安定状況が如何なるものであつたかであり、また、新規定がEC指令の税務

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で は、 とくに前者の問題 を取 り上 げ、商事貸借対照表の税務貸借対照表 に対す る基準性原則 の関連か ら新会計法施行前の法状況 を各時代別 に跡付 け、今回の 引当金計上法改正 の実質的規定要因が何処 にあったのかについて考察す ること を目的 としている。

1.商法 にお ける引当金規定の変遷

所得税法5条 1項によれば、法律の諸規定 に基づ き記帳の義務 をおい、 もし くは任意 に記帳 をお こない、決算 を行 う事業者の税務上の利益決定 については、

年度決算書 において経営財産 を商法上の正規 の簿記の諸原則 に基づ き表示 しな ければな らない としている。商事貸借対照表 の税務貸借対照表 に対するこのい わゆる基準性原則 は、「なにを貸借対照表 に表示 しなけれ ばな らないか」とい う 覗器を一義 的 に商法上 の正規 の簿記 の諸 原則 に委 ね られ て い る といわれ て いる。

ドイツ会計法 において引当金概念導入の端緒 は1931年株式法改革 にみ られ たが、それ以後、1937年1965年株式法 に至 る商事会計法 にお ける引当金規定 の変遷 もこの「なにを貸借対照表 に表示 しなければな らないか」 についての商 法 の立場か らの正規の簿記の諸原則 の変遷 を示 している。 しか し、 この引当金

(78)   ゴθ J

(4)

法経研究

規定の変遷 も最高裁判所 とくに連邦財政裁判所の判決の影響下で商事貸借対照 表 と税務貸借対照表 との内的関連 をいかに繋 ぎ止 めるかの相克の軌跡で もあっ た と考 えられる。この点 は後述する として、以下、1931年株式法か ら1865年 式法 に至 る引当金規定 の内容 をまず、確認 してお こう。

(D 1931年株式法改革/37年株式法 における引当金規定

1931年株式法改革以前、引当金 は二般商法│こおいて も株式会社 に特別 に適 用 され る貸借対照表規定 において もみ られない。1868年 ドイツー般商法典 で は、29条において単 に、負債 の貸借対照表計上が一般的に規定 されるにすぎな かった。 また、株式会社会計報告 に対 して貸借対照表消極 の貸借対照表表示を 最初 に明示 した1870年の改正株式法 も329条aの Nr.3において消極項 目と して資本金、準備基金、更新基金が挙 げられるにすぎなかった。 この当時の貸 借対照表実務 では「準備金」ない し「準備基金」の項 目下で、た とえば「未決 保証 に対する準備金

(Reserven fiir schwebende Garantien)」

ない し「損害準 備金

(Schadenreserven)」

のような引当金類似 の性格 を持つ消極項 目が貸借対 照表 に表示 され、貸借対照表項 目「引当金Jの明確 な分離 はここではみ られな か った とい う。その結果、準備金には非町 当の利益 と成果減少的引当禽絆

rf01g‐

mindemde Ruckstellungen)とが同時 に含 められ ることになった とい う。

「引当金」の概念がはじめて商法典 に導入 されたのは、1931年9月 19日 付の いわゆる株式法小改革 においてである。 この株式法改革 をもつて商法典 は

261

a条貸借対照表分類規定 において、株式会社 の貸借対照表消極側 に資本金、準備 基金 に加 えて引当金、価値修正項 目、債務及び期間限定項 目が計上 されなけれ ばな らない と規定 した。 しか し、「引当金」の概念 のもとに何 を理解するかにつ いては、実質上、なお不明確であ りつづ けた。む しろ、株式法改革の起草者 も 引当金 と準備金 との相違 を明 らかにせず、引当金 は自己資本の表示に供する項

目、つ ま り、 日拘束的準備金(Zweckgebundenen Rucklagen)と 同一視 して いた ともいわれ る。

こうした1931年株式法改革 に対 して、1937年株式法 は貸借対照表項 目「 引当 金」に関 して重要な変更 をもた らした。すなわち、1937年1月 30日 付の株式法 の発効 をもつて株式会社及び株式合資会社 に対す る会計報告規定 は商法典 にで はな く株式法 に規定 されたが、この株式法 は1931年株式法 と上ヒ較 して引当金の 貸借対照表項 目に関 して次 のふたつの点で重要な変更 を加 えた もの といわれて θδ

  (77)

(5)

新会計法施行前の引当金 をめぐる法状況

いる。(14)

まず、株式法131条 1項BIVで「引当金一般」についてではな く、「不確定 負債 に対 する引当金 (Ruckstellungen mr ungewisse Schulden)」 の項 目名称 が明確 に付与 された。 また、分類 シェーマではこの項 目は準備金のあ とのその 他 としてではな く、価値修正項 目 と債務 との間に明確 に位置付 けられた。

第二に、株式法131条2項において、当該営業年度 に生ず る引当金 は既 に年 次貸借対照表 に収容 されなければな らない。それ故、必要引当金の計上 は商人 の随意ではな く、義務の推定 に基づいて当該営業年度 に収 め られなければな ら ない と明定 した点である。

       l151

とくに前者の変更点 は、引当金の負債性 を強調するものであ り、法文か らは、

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蒜∬ 二繁姜倉λ曇晶早曝言所』基畠 念 は従来 より明 らか にな り、引当金が個別 に設定 されねばな らない とする原則

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て負債 とするか について明確 さを欠いたために、貸借対照表作成実務では「不 ヽ驀債」の概念 を幅広 く解釈 し、費用性引当金の広範 な許容がみ とめられた

とい う。

12)1965年株式法 における引当金 規定

1937年株式法 までに生 じていた引当金概念 の不明瞭性 の問題 は1965年株式 法において一定の結論が見いだされた。1965年株式法152条7項では、引当金

にR渕諄熙:勇II鶏ど騨。P貸

   

の通 りで あ る。

「引当金は不確定債務及び未決取引から発生する損失につき設定することが 許 される。さらに、引当金は、        ´

1。 当営業年度に未実施であり、次営業年度に埋め合わされる維持補修 もしく は廃石物除去に対する費用;

2.法的義務 を伴わず提供 される保証給付につき設定することが許される; これらの引当金はその目的を詳細に示して、別個に記載されなければなら ない。        '

(76)  ゴθ 7

(6)

法経研究

その他の目的 に対 して引当金 は設定 されてはな らない。

「年金」弓

1当

金の項 目下では、進行 中の年金及び年金期待権 に対する引当金 が設定 されなければな らない。」

上の ように株式法 は明確 な引当金概念 を掲示 しないが、許容 される引当金 目 的 を列挙 している。原則的 には、不確定債務引当金のみ を認 め、例外 として未 実 施 との亀 炉 補修・ 廃 石 物 除 去 引 当 金、保 証 給 付 引 当 金 を遺 漏 な く

(erschё

pfend)法に規定 した とい う。

草案 は1965年株式法が引当金概念 の一層の統制不脇な拡大 を回避するために それ以上 の費用性引当金 を許容 しなかった としている。 しか し、他方で、立法 者 は152条7項 2文の 1に おいて税法上承認 された三 カ月 を上回る年度内での 期間での未実施 の維持補修の追加計上 を許容 し、次営業年度内に作業 のお こな われ る場合 に廃石物除去 に対する引当金 を制限 した。 これ によって、立法者 は 既 に税法上認 されていた この種 の引当金 を商法の言明 によって確保 しようと

した とされ る。

ところで、152条7項1文及び2文では債務性引当金 も費用性引当金 も共々、

計上 することが許 されると規定 している。 コンメンタールによれば、 7項1文

の不確定債務及 び未決取引か ら発生するおそれのある損失 に対する引当金の計 上 に関する「計上す ることが許 され る

(durfen)」

の法文 は正規の簿記の諸原則 によると「計上 されなければな らない

(mussen)」

と解釈すべ きとしている。 こ れ に対 して株式法152条7項 2文の「許 され る

(diirfen)」

は状況が異なるとい う。正規の簿記の諸原則 は費用性引当金の計上 を要請 していないために、規定 の文言通 り、計上選択権が存在す るにすぎないが、 しか し、 この選択権の行使 1965年株式法の一般規範 の要請「会社の財産び収益状態ので きるだけ確実 な概観」によって制限されるものではない という。

さらに、以上 の ような株式法規定が株式会社・ 株式合資会社以外の法形態の 企業 にも適用 され るかにも触れなければならない。この点、1965年株式法引当 金計上規定の もつ正規の簿記の諸原則性格、すなわち、株式法152条7項が株

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(7)

新会計法施行前の引当金をめぐる法状況 規準 に合致す る株式会社 とそれ以外 の有限会社 には株式法規定が適用 され ると

してい るが、公開法の規模基準 に満たない人的会社や個人商人が株式法規定 と 結 びつ くかが問題 となる とい う。商法典 は詳細 な会計報告規定 を設 けていない ために、株式法上の規定の どれを正規の簿記の諸原則 とみな し得 るのか、 そし て、れが非株式会社の年度決算書 にも適用 され るべ きかについて問題が生 じ ていた。

2.財政裁判所判決の商法引当金規定への影響

税法 における引当金規定 に関 しては、所得税法5条 3項の外部の特許権・ 著 作権 もし くは類似 の保護権 の毀損 に対す る引当金、所得税法6a条の年金引当 金の規定 と法人税法20条のいわゆる保険技術上の引当金及び21条 2項の分担 金返還引当金の保険業 に対する特別規定が僅かに存在するにすぎない。税務貸 借対照表 におけるそれ以外の引当金の計上 については、所得税法5条1項に規 定す る基準性原則 に基づいて、通常 は商法上の貸借対照表計上規定 によって決 定がなされる。

しか し、 この税務上の利益決定 に とって商事貸借対照表が起点 をなす という

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諄段曇酬扉¬進輔醇 政裁判所

)は

商事貸借対照表の税務貸借対照表 に対する基準性原則 に基づいて、

しば しば商法上の事実関係 に関する決定 を税務貸借対照表上の判断の先決問題 (Vorfragen)と して行わなければな らない。したが つて、商事貸借対照表 にお

%ふ貸借対照表計上 は連邦財政裁判所 の法決定 に少 なな らず依存 してい る と い う。

過去、引当金問題 に関 して民事裁判 は比較的めったに関与 しなかったが、財 政裁判 は商法上の先決問題 を頻繁 に取 り上 げて きた。 この ことは商法上の正規 の簿記の諸原則 が何 であ るか とい う問題が殆 ど専 ら財政判決 に よって決宅:書

れ、部分的には商法上の支配的見解に反する結果 を導 くことにもなった とい う。

それでは、財政裁判所の法決定 は商事貸借対照表 における引当金規定 に対 し ていかなる影響 を及 ぼして きたのか。以下、 この点について考察 してみよう。

(74)  ノθθ

(8)

法経研究

(1)1965年株式法以前の財政裁判所判決

税務上、引当金 とい う概念 は1919年にライヒ財政裁判所 によってはじめて採 用 され、以後強力 に静的に解釈 された。1919年以後30年間 にわたってライ ヒ財 政裁判所 は長 く引当金の計上 に対 して法拘束的な債務 を前提 とした。 この間に おける引当金概念 は、引当金 とは貸借対照表決算 日にすでに存在 しているが、

その金額 については未だ確定 されていない負債 もしくは損失に対 してのみ許容 される とする1929年 12月 17日 付 ライ ヒ財政裁判所判決 に集約 され る。ところ で、 こうして基本的には静的指向ではあったが、 ライ ヒ財政裁判所の判決では た しかに動的引当金要素 も認識 していた ことも事実であるとい う。それは、火 災損害除去、除雪、採炭所の整地及び再墾 に対する

(費

用性)弓

1当

金の承認 に み られ る。1938年 2月 16日 に未実施 の維持補修 に対 す る引当金 を例外的に認 ヽ占ライ ヒ財政裁判所 判決 も動 的思考方法 の慎重 な接近 を しめ してい る と い う。1943年 11月 9日 付の判決ではライヒ財政裁判所 は、は じめて「独立 した 評価能力 ある経営負担

(Selbstandig bewertwlgsfahigen Betriebslast)」

〜今 日の貸借対照表理解では公法上の義務

(ё ffentliこ

rechtlich Verpnichtung)に 基づ く〜で根拠づ けられる引当金 を許容 した。 この判決 と独立 した評価能力あ

る経営負担 と鳴るの後 の税務貸借対照表 における負債性 を持たない引当金 を認 める起点 となった。

最初 の純粋 な費用性 引 当金 の容認 は最高財政裁判所

(Oberster Finanzget

richtshof)の 1948年 2月 28日 付判決の未実施 の維持補修 に対する引当金の許 容 にみ られる。 こ?決定 は税務貸借対照表の消極側 に

!まる動的貸借対照表観 の突破 (Durchbruch der dynamischen Bilanzauffassung)と してみなされ得 る。最高財政裁判所 は未実施の維持補修 に対する引当金 を貸借対照表理論上の 必要か ら引当金形成 を説得 した。 それ どころか、最高財政裁判所 は表現上、貸 借対照表論上の認識・ 動的貸借対照表観の要請 もまた、 それが所得税法の規定 と矛盾 しない限 りには考慮 され得 る と確認 した。 しか し、所得税法 は5条 1項 は所得税法4条1項 1文と結びついて静的に指向 した経営財産上

L較

を前提 とし た。 したが って、引当金 はそれが負の経済財 であるときにのみ消極計上可能 と され、第三

煮含の負債義務の存 しない未実施 の維持補修 の場合、その非妥当性 が もた ら

された。それにもかかわ らず、最高財政裁判所 と1950年に創設 された 連邦財政裁淵所 はその後、 さらに「費 用性 弓

1当

金 の限定 的容認

(begrenzte

Anerkerlnung)Jを 決定しており、たとえば、最高財政裁判所は1949年5月

11

ノゴθ  (73)

(9)

新会計法施行前の引当金をめぐる法状況 日付 の戦争破壊 による残骸 の除去の為の残余費用 に対する判決 において、 また 連邦財政裁判所 は1951年o月 26日 付の未実施 の唇蘇物除去に対する判決 にお いて、 それ らを独立 した評価能力ある負担 とみなした。

ところで、 この最高財政裁判所の動的アプローチは、 その後、債務性引当金 の消極計上前提 に対す る連邦財政裁判所の判決 において影響 を及 ぼした。

1954

年 5月 31日 付 の年金引当金への連邦財政裁判所判決や1962年 11月 20日 付の いわゆるサービス給付

(保

証給付)への連邦財政裁判所判決 において法拘束的 債務 と並 んで道義上 もし くは経済上の性格 をもつ事実上 の給付義務

(faktische Leistllngszttange sittlicher oder wirtscha■ licher Natur)`

もまた、債務性引 当金の計上根拠 として容認 され るに至 った。

このように1965年株式法制定 に至 る引当金 を巡 る財政裁判所 の判決の経過 は債務性 の要請 を無視 し得 なかったために原則的に品 静的指向の ものであっ た。 しか し、動的貸借対照表観 との「同調

(Sympathie)」

も数多 くみ られた。

とくに、独立 した評価能力 ある経営負担や道義的ない し経済的義務 を前提 とし た債務性 の要件の拡張 を根拠 に、未実施 の維持補修、廃石物除去 に対する引当 金、法的義務 を伴わない保証給付 に対する引当金、年金引当金への判決 による 容認 は、1965年株式法 における引当金 に関する規定内容 に影響 を与 えた。

12)1965年株式法以後の財政裁判所判決

既にみた ように1965年株式法 は静的貸借対照表観 に基づ く引当金概念 を指 向 し、未実施 の維持補修、廃石物除去、保証給付 に対する例外 にのみ費用性引 当金 を許容する。商事貸借対照表の税務貸借対照表 に対する基準性原則 に従 え ば こうした引当金の制度的保持 は税務貸借対照表 において許容 される引当金 に ついて も考慮 されなければな らない。

ボルシュテル (T.Borste11)はバイゼ (H.Beisse)等 を引いて、 この

1965

年株式法 によって、連邦財政裁判所の判決の静的転回 と動的貸借対照表観の税 法か らの退去

(eine statischen Wende in Rechtsprechung des Bundesfinanz‐

hofs und]Rtickzug der dynarnischen Bilanzauffassung aus dem Steuerrecht)

が生 じた としている。この点、連邦財政裁判所 は1965年株式法152条7項1文

3文の株式法上 の規定 を正規の簿記の諸原則 とみなし、費用性引当金の形成の 限定 をすべての商人 の年度決算書 に税務上 も拡張 した。1965年株式法は この こ とによつて、税務貸借対照表 における引当金計上 に対す る実質的前提 の転 回を

(72)  ノ ff

(10)

法経研 究40巻

導 いた とい う。それ は財政裁判所 の経済的発生原因の動的原則 (dynamische

Prinzips der wirtschaftlichen Verursachung)の

解釈変更に向けての方向転換 をしめ していた。連邦財政裁判所 は1969年6月 24日 付の判決 において、将来、

法的 に発生す る債務 は、その法帰結が債務 となるとい う事実が実質的に貸借対 照表 日以前 に実現する場合 にのみ、貸借対照表 日以前 に経済的 に発生 した もの とみな した。 この ことによって、財政裁判所は経済的原因発生 を債務 の経済的 ない し完全な法的生成 に、つ まり動的考察法 (dynamische Betrachlung)か 静的な視点

(statische Sichtweise)へ

と置 き換 えた とい うのである

:

しか し、その後の財政裁判所の判決の展開が1965年株式法 との離齢 を生 じせ しめた ことに注 目しなければな らない。この展開は(a)1969年 2月 3日 付連邦財 政裁判所大法廷の基準性原則 に関す る決定

(Beschlusses des Groβ

en Senats

vom 3.2.1969)と (b)1980年 以降み られる連邦財政裁判所の公法上 の基礎 を 置 く引当金の容認 とに集約的 にみ られ る。次 に、 この点 について考察 してみよ

う。

(a)1969年 2月 3日 付大法廷決定の影響

1965年株式法 はその静的指 向の引当金概念 によって税務貸借対照表 にお け る引当金計上 に関する実質的前提の転換 を促 したが、 その一方で、立法者 は一 定 の費用性引当金 を商法上許容す ることによって、 その税務貸借対照表上の容 認 を保証 しようとした。

しか し、1969年2月 3日 付の連邦財政裁判所大法廷決定 は引当金の消極計上 に対す る形式的前提 を基本的に転換 した。 それは、引当金の税務貸借対照表 に お ける計上 を実質的前提だけはでな く、商法上、貸借対照表計上

愈倉、選択権、

禁止のいずれかが存在す るかに依存せ しめようとした ものであった。

この決定 は、商法上の消極計上義務 は、税務上 もまた計上命令 とな り、 これ に対 して、商法上の消極計上選択権 は税務貸借対照表 における計上禁止 を導 く

とするものである。連邦財政裁判所 はその大法廷決定 によって債務性引当金に 関 しては影響 を及 ぼさなかったが、商法上許容 され、選択権 を有する費用性引 当金 に対する税務上 の計上余地 に基本的転換 をせ まるものであつた。商法上の 引 当金選択権 は基準性原則 によれ ば もともと税務上 の容認 を導 くもので ある が、連邦財政裁判所大法廷決定は もはや消極計上 を許容 しなかったのである。

こうした基準性原則 の限定的解釈 と1965年株式法152条7項 3文のその他

ノノ′  (71)

(11)

新会計法施行前の引当金をめぐる法状況 の引 当金の計上禁止規定 を支 えに、連邦財政裁判所 の判決 におい

lま

「貸借対 照表作成者の法形態 に依存 しない税務上の引当金概念の制限の傾 向」が直 ぐ様 み られた。連邦財政裁判所 は疾病保険の損害処理、住宅金融公庫、割賦銀行 の 管理費 といった経営内的費用 に対す る引当金 を幾度か拒絶 した。 また、長 きに わたって許容 して きた未実施 の維持補修 に対 す る引当金 の継続 を疑 間視 ヒぅ 1983年 11月 23日 付 の判決 においてそれ を否定する ことに もなったのである。

ところで、こうした連邦財政裁判所の1969年2月 3日 付 の大法延決定やその 後 の判決の展開 は、1965年株式法の費用性引当金 とくに維持補修引当金の規定 との離齢 を生 じせ しめた。1965年株式法の立法者 は152条7項 2文1の維持 補修引当金 に対す る選択権 をもって、 この種 の引当金の税法上 の容認 を確保 し えた と考 えていたが、その僅か5年後 に、消極計上義務 と選択権 とを連邦財政 裁半

J所

が区別す ることを知 りえなかった。 しか し、未実施 の維持補修 に対する 引当金の税務上 の否認が、 その引当金 に対 して商法上消極計上選爆蘇が存在す るとい うことのみによって保証 され得 る とい うことになったのである。しか も、

この種 の引 当金 に対 して連邦財政裁判所が1983年の判決 をもって明確 に否定 した ことは、株式法規定 と連邦財政裁判所判決 との離反 を一層、顕在化せ しめ たのである。

(b)公

法上の義務 に基づ く引当金 の容認

1965年株式法 も1969年2月 3日 付大法廷判決 も債務性引当金の税務貸借対 照表 にお ける計上 に関 して何 ら影響 を持たなか つた。相変わ らず、債務性引当 金の計上 に とっては、第二者 に対す る法拘束的ない し事実上の給付義務の存在

もし くは確実な期待が前提 をなしていた。

その後、連邦財政裁判所 は1980年3月 20日 付の年度決算書原価の判決 にお いて、初 めて、公法上の義務 を債務性引当金の計上基礎 として認識 した。 これ は連邦財政裁判所が1977年までは消極計上の可能でない費用性引当金 と分類 していた ものである。 この判決 は費用性引当金の貸借対照表計上 に とって重要 な意味 をもつ ものであつた。すなわち、企業 による多 くの作業は公法上の義務 に基づ き遂行 されるが、第二者 に対 して何 ら給付 をもた らさない。したが って、

従来 は引当金能力のない内部 の費用 として位置付 け られて きた。 しか し、 この 判決 によって、今や引当金の経営内的性格 を もつて費用性引当金 とみなした も のが債務性引当金 として計上 されなければな らない とされたのである。 こうし (70)′

ノθ

(12)

法経研究

て、1980年3月 20日の判決後 も、連邦財政裁判所 は公法上の義務 に基づ く年度 決算書の法定監査費用、経営租税

議盟書の作成、等 に対す る債務性引当金 を承 認する決定 を引 き続 き行 つたのである。

ところで、かか る公法上 の義務 を基

置 く費用性引当金 を債務性引当金 に 数 え上 げる1980年以降の税務判決の展開 もまた、1965年株式法 の立法者の想 定 していない事態 を招いた。それは第一 に連邦財政裁判所 における義務の事実 要件 と解釈 の修正が商法上前提 をなす負債性要件 との饂離 を生ぜ じめた点であ る。連邦財政裁判所が公法上の義務の承認 を判決 における動態論への転回

(費

用性 引当金の承認)と してでな く、債務性引当金の基本要件 の解釈変更 として 決定 したために、1965年株式法 にお ける不確定債務引当金規定 を巡 つて、その 計上要件の解釈 に変更 を迫 った。第二 に、1969年2月 3日 に大法廷 は商法上の 消極計上選択権 を税法上の消極計上禁止 と決定 したが、公法上の義務 に関する 連邦財政裁判所判決 との整合 をみ るには商法上消極義務規定 を要 した点であ る。しか し、既 にみたように1965年株式法 は不確定債務引当金 に対 して計上す ることが「許 され るJと規定 してお り、それが消極計上義務か消極計上選択権 かについては法文 自体では明確でない。立法者 は商法上 の消極計上選択権規定

(許

される)を解釈上 は計上義務 である とし、 また、それが税務上の消極計上 に作用する と考 えたが、かかる法文上の不備 は商事貸借対照表の税務貸借対照 表 に対する基準性原則 (1969年 2月 3日 付大法廷決定)との関連 で財政裁判所 判決 との離齢 を生 じせ しめた。

3.1965年株式法引当金規定 と法的不安定性〜結 びにかえて〜

商法典 にお ける引当金規定 と財政裁判所判決 との歴史的経過 は以上の通 りで あつた。

新会計法施行前の引当金 を巡 る法状況 は、1965年株式法152条 7項にみ られ る引当金規定が連邦財政裁判所判決 との関連 の もとに法的安定性 を保 ち得 るか 否かを問題 として内包 していた。 この場合、財政裁判所の判決 は引当金会計実 務問題 に現実的に対処するものであって、そこでの論点 は、現代 の引当金会計 実務 に対 して商法典引当金規定が法的安定性 を示 し得 るかである。その意味で は、1965年株式法引当金規定 は基準性原則保持の立場か らの法規定の適用能力 という点で不備 を生 じていた。 もとより、 この法の適用能力の不備、不安定性

  (69)

(13)

新会計法施行前の引当金をめぐる法状況 を生 じせ しめた根本 の規定要因は貸借対照表能力の拡張 を求 める引当金会計実 務 の進展であるが、 この点 については別稿 を用意 しているので立 ち入 らない。

本稿では1965年株式法引 当金規定が連邦財政裁判所判決 との間 に如何なる離 齢 を示 していたか を問題 としている。

既 にみて きた ように、1965年株式法引 当金規定 は31年株式法改革、37年 式法の内在 していた引当金概念の不明瞭 さの問題 に一定の結論 を示 した もの と 捉 えられている。1965年株式法 は許容 され る引当金種類 を限定列挙す ることに よって、引当金概念 の拡張の回避 を図つた。1965年以前の財政裁判所判決 は、

基本的には引当金の債務性 を指向 しなが ら、動的貸借対照表観 との同調 によっ て費用性引当金 に対 して制限的許容 を与 えるものであつたが、株式法 も、引当 金 に対 して静的貸借対照表観 を指向 しなが ら債務性 を前提 とする他方で、連邦 財政裁判所の認 める一定の費用性引当金 を許容す ることによって税法 との連携 を保 とうとしたものであつた。したがつて、1965年株式法引当金規定 も、財政 裁判所 との接続 を意識 しながら商事貸借対照表 と税務貸借対照表 との内的関連 を如何に保持 しうるかを問題 としていた とみることができる。それは商事貸借 対照表の税務貸借対照表 に対する基準性原則の保持の立場を表明するものでも あった。

しかしなが ら、1965年 以降、財政裁判所の判決は商法上の引当金規定 との食 い違いを示す展開をみせてお り、基準性原則の保持の観点からは、1965年株式 法引当金規定 も幾つかの矛盾を露呈 した。それはおよそつぎの点にみられる。

ひとつには、連邦財政裁判所は 1980年 以降、公法上の義務 に基づ く引当金を

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当金規定の解釈上の変更 を促 した点であろう。 とくに、連邦財政裁判所 は従来 費用性引当金 とされた ものを公法上 の義務 に基づ くもの と捉 え、 その債務性引 当金たる性格づ けを下 したが、 この ことは、 とくに株式法 における不確定債務 引当金の負債性要件 の解釈 の拡大 を迫 った。

ふたつには、1969年 2月 3日付の連邦財政裁判所大法廷決定が基準性原則を 限定的に解釈 したことによって、商法上、計上選択権の存する費用性引当金が 税務上は承認 されず計上禁止 となったことが挙げられる。 このことは、過去、

税務上承認 されていた費用性引当金に対 して商法上の選択権 を付与することに よって財政裁判所判決を保証 し、商事貸借対照表の税務貸借対照表に対する基

(68)  ′′」

(14)

法経研究

準性原則の形式的保持 を図つた1965年株式法 の立法者 の意志 とは乖離 した状 況 を生 み出 した。 さらに、費用性引当金 と同様、「計上することが許 される」と 規定 される債務性引当金 について も、正規 の簿記の諸原則 に基づ き商法上 は消 極計上義務 と解釈 されてはいたが、連邦財政裁判所大法廷決定

(商

法上 の消極 計上義務 は税務上 も計上義務)と の

1関

連 で、「許 され る」とい う法文 それ 自体 の 不明 さが生 じた ことが挙 げられ よう。

そ して、最後 に、特別法たる株式法 における引当金規定が株式会社でな く、

非株式会社 とくに人的会社や個人商人 に対 して も適用 され るべ きかについて間 題が生 じた ことである。財政裁判所は株式法152条7項の不確定債務引当金、

未決取引か ら発生するおそれのある損失 に対する引当金規定 をすべての商人 に 適用す る正規 の簿記の諸原則 とみなす見解 をしめす と同

1時

に、未実施 の維持補 修、廃石物除去引当金 については正規の簿記の諸原則 の性格 を否定 した。 その ことによって、株式法152条7項のすべてが正規 の簿記の諸原則たる性格 を有 す る ものなのかについて議論 を惹起 させ、当該規定の適用範囲について不明 さ を生ぜ じめた。

か くて、1985年新会計法引当金規定 は、以上の ような1965年株式法引当金規 定 を巡 る法的不安定状況 に対処するもの として位置付 けることがで きると思わ れ る。新会計法引当金規定 は、商法典249条において、企業の法形態 に依存 じ ないすべての商人 に適用 される商法上の会計報告規定部分 として法典化 し、内 容上の引当金概念 の拡張 を果た しているが、 それは基準性原則 を媒介 とした商 事貸借対照表 と税務貸借対照表 との内的関連 を形式的 に保持 しつつ、税務主導 に進展する引当金会計実務 に対する法的安定性 に向けての立法的解決 を企図す るものであった と考 えられ得 る。

(1)Wolfgang Freericks;Bilanzierungsfahigkeit und Bilanzierungspflicht in Handels‐

und Steuerbilanz,1976,S.237.(W。 フレー リックス著、大阪産業 大学会計研究室訳『現代の会計制度』第 1巻 商法編、森山書店、

1986年

305頁

)

(2)Frank P.L/1tiller‐ Dahl;Betriebswirtschaftliche Probleme der handels‐

und

steuerrechtlichё n Bilanzierungsfahigkeit, 1987, Geleitwort(Klaus Chmie‐

lewicz)

(3)Helmut Scheidle/Gunster scheidle;Der JahresabschluF nach dern neuen

ffδ   (67)

(15)

新会計法施行前の引 当金 をめ ぐる法状況 Bilanzrichlinien‐ Gesetz,1986,S.5.

(4)ThomaS BOrstell; Aufwandsruckstellungen nach neuem Bilanzrecht,

1988,S.1.

(5)Klaus‐ Petё r Naulnhllln;Die Bewertung von Ruckstellungen,1989,S.58。

(6)Thornas Borstell,ao a.0。 ,S.2 und 330。

(7)Adalbert l」 elner;Rtickstenungen in Handels‐ μnd Steuerbilanz,in:Han‐

delsbilanz und Steuerbilanz(MellWig/Moxter/Ordelheide,Hrsg。 ),1989, S.92.

(8)W。

フレー リクス著『現代 の会計制度』第二巻税法編、大阪産業大学会計研 究室訳、森 山書店、1987年 、 日本語版 へ の序。

(9)拙

稿「 ドイツ新会計法 にお ける引 当 1金 計上規定改正 の意味」 (静 岡大学『法経 研 究』

39巻 3号

、 1990年 ):「 ドイツにお ける商法改 正 と引 当金」

(『

会計 』、第

139巻 3号

、森 山書店、1991年

)

(10)Thomas Borstell,a.ao O。 ,S.26.

(11)Adlerノ/Dtiring//Schmaltz;Rechnungslegung und Priifung der Untemeh‐

men,Komlnentar zum HGB,AktG,GmbHG nach den Vorschriften des

Bilanzrichtlinien‐ Gesetzes,5.Auflage,§ 249 Rtickstellungen,S.5。

(12)Stefan Klius;Ruckstellungen h der Handels‐ und Steuerbilanz,Bilanzie‐

rung von Riickstellungen dern Grunde nach, 1987, S.6‐ 7.; Klaus‐ Peter

Nallmann,a.a.0。

,S.50。

(13)Ebenda,S.8.

(14)(15)Adler/During/Schmaltz,a.a.0.,S.6‐

7.

(16)Stefan Klaus,a.a.0.,S.9.

(17)(19)Adler/Dtting/SchmaltZ,a.a.0.,S.7.

(18)ThomaS BOrstell,a.a.0。 ,S。 18.

(20)Ebenda,S.20。

(21)(22)Ebenda,S.21‐ 22.;Adlerノ /Diiring//Schmaltz,a.a.0,,S.7.

(23)Ebenda,S.19.;Klaus‐ Peter Nallmarln,a.a.O.,S.56.

(24)Klaus‐

Peter Naumann,a.a.0。

,S。

56。;stefan Klaus,a.a.0"S.11.

この点は 1965年 株式法 に付 された委員会報告の次の言及か ら明 らかであろ う 6「 他方、政府草案 を超 えて、支出 しなかった修繕補修のため、行わ

│れ

なかっ た廃物除去のため、及び法律上の義務なき担保給付のための引当金 もまた、許

容されることが必要と思われる。これらの目的めための引当金は現在、税法上

は承認 されている。企業はこの税法上の状態の上に身構 えている。しかし税務

(66)  ノノ 7

(16)

法経研究40巻

貸 借対 照表 が商業貸借対照表 に従 う とい う原則 に よれ ば、 この税 法上 の承認 は、 この引 当金が商業貸借対照表 において も積 み立 て られ る ことを前提 として い る。 この引当金が商業貸借対照表 において積 み立てることが許 されないな ら ば、 それ を税法上承認 す る ことは危険であろう。」

(『

西独株 式法』、慶応義塾大 学商法研究会訳、昭和

57年

三版、

276頁)

(25)Thomas Borstell,a.a.0。 ,S.22.

(26)Klaus‐ PeteF NallmaFln,a.a.0。 ,S.57.

(27)Thomas Borstell,a.a.0。 ,S.23.

(28)Stefan Klaus,ao a.0。 iS.27.

(29)ThOmas BOrstell,a.a.0。 ,S。

7.

(30)K.Kuting/c̲Po Weber;Handbuch der Rechnungslegung,Kommentar

zur Bilanzierung und Prtifung,1989,S。 517.

(31)Thomas BOrstell,a.a.0。 ,S.29‐

30。

(32)Ebenda,S.30.

(33)(34)(35)(36)Ebenda,S.31.

(37)Ebenda,S.32.

(38)Stefan Klaus,a.a.0。 ,S。 33.

(39)(40)(41)ThOmas BOrstell,a.a.0。 ,S.34.

(42)(43)Ebenda,S.35.

(44)Ebenda,S.124.

(45)Ebenda,S:36.

(46)Ebenda,S.78.

(47)前

掲『 西独株 式法』邦訳、

275頁

(委 員会報 告書

)。

′ゴθ  (65)

参照

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