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日本福祉大学2007年1月9H 埼1・1県立大学2007年7月21H

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(1)

 本学における障害学生支援の実態分析および今後のJf li1]性を導き出す視点を明瞭にナるこ とを日的にして、他大学における障害学生支援の実態について見学と関係者からの聞き取り を行った その対象は、日本福祉大学、埼E県立大学、埼に大学教育学部である.本研究と の関連において、学㍑の1互門性、埼E県内であること、実習科目など教育内容上の共通性な

どの観点から選択した

 見学と聞き取り実施日はド記の通りである一

 日本福祉大学2007年1月9H  埼1・1県立大学2007年7月21H

 埼IJ\学教育学部 2007年8月29日

第1節 日本福祉大学における障害学生支援

1.歴史と概要

 日本福祉大学(愛知県知多郡)は、わが国の高等教育機関における障害〃字生受け入れ及び 修学支援について先鞭をつけた大学である.同大学は、その前身である中部社会事業短期大 学の創設(名古屋市)、すなわち1953(昭和28)年から肢体不自由の障 、圭寺1をもつ学生を受け 入れている 以来、−1,1卜余年にわたって、聴覚障害、視覚障害をはじめとする、さまざ!な 障害をもつ学生を受け人れ、その教育にあたってきた=

 その経過は次の4つの時期に区分できろというけく Vl!,,19911藤井、2007)

 ①相圧援助による対応期 創立〜1968年

 途中、1957年に日本福祉大学に改組するが、「人類愛の精神に燃えて、」tlち上がる」という 開学の精神を引き継ぎ、学生・教職員によるインフォーマルな支援が行われていた、

 ?,意識的対応期(1969年〜1979年)

 視覚障害者の受験(1969年)を契機に教授会が学内委員会を設置して特別人試体制を整備 するというフォーマルな対応を開始したll与期,この時期、学生の中でも障害学生問題への取

り組みが白主的に始まった.

 3キャンパス移転にkるバリアフリー化(1980年〜1997年)

 車い一b使用の学生の入学を契機としたバリアフリー化が課題となってきた、1983年のk浜 新キャンバス(現在のキャンパス)への移転を前に、1980年、最初の本格的な「障害学生実 態調査一が実施され、その結果はハード面での条件整備に生かされた.87年、障害学十問題 特別委員会が設置され、総合的なサポート体制が検討され始めた,89年末から90年にかけ て、再び実態調査実施

 ①障害学生支援センターの展開(1998年〜現在)

(2)

 1998年、1〈  ::付設機「i,i・11:して常設の「障害学生支援センター一を設置r施設設備の充実、

修学支援、生活王援なと、}1ホートシステムを前進させた 同時に、全国の大学、あるいは 地域社会に11 i]けた発f、1を強化Lている.2003年度には 学生とともにすすめる障 、il :学生支援一

というテー一マで丈川科学宵]」色ある大学教育支援フログラム(特色GP)に採択されている が、このテーマが現在/.J)日本福川ノ\学ぴ)めざづ1障害学生支援の特微を表現しているといえる,

2.障害学生の在籍状況

 日本福祉ノ\学1ま2007年「t乏現在、1学部8学科かミ〉なり、美浜、半二田の二っのキャンバスに 6,000 r]をUlえる学 llが学ノ、.でいる(通信教育課程を除く) 障害学生支援センター(後述)

が設置されて以降、障害学生は「iflセンターに登録することを推奨されており、その統計によ れば、2006年度実績一こ、1]5名か岱録している しかし、登録しないという選択を十る学生

もおり、人学時の健康診[斯等々の情報から、障害学生総数は200名を超えると同センターは みている 登録した学生の:)ら、具体的な支援を必要とする学生は87名である 2000年以 降の推移を互ると、200111・に登録 1;三生数が100名となり、うち要支援学生は29名であった のが、その後障害学 1:総数は微増、さらに支援を必要とすろ学生の増加が著しいことが大き な特徴である嚥!l・、L 00612006年度の障害種別の登録学生数と要支援学生数(括弧内)は、

視覚障害学生16字、(ll名)、聴覚障害学生31名(30名)、肢体障害学生49名(37名)、内 部疾患学生・その他15名(6名)である,

3.障害学生支援の実際

 以下、 .i. [; 1・z害学生支援センター、2施設設備(バリアフリー化)、3制度(大学が行う配 慮)、③人的支援(学習支援)について、見学・インタビューと文献から整理する

(1)障害学生支援センター

 日本福祉た学障害学生支援センター(以ド、  支援センター一という)は、各学部教授会 から選出された教員と担 iVl:「;局職Rからなる運営委員会で運営される全学組織であろ(2006 年度10fY,の連営委員と大学評議会からのセンター長1名で構成) その機能を語る場合、強 調されるのが、支援センターはノートテイクK )介助などの 直接支援一を提供したり、支援 者を紹介寸るところではないという点である では、何をするのか i障害学生&サポート 学生のためのキャンパス・ガイド! 旧本福祉ノ▽:・P章害学生文援センy−、2006)にkれば、障 害学生が日分にとってどんな支援が必要なのかをともに考え、サポートのシステムや人材を 見つける活動を支援するのだという一加えて、支援をめぐって生じたトラブルの調整など、

フォーローアッフ機能も担っている。支援センターの役割は、障害学生のセルフコーディネ

ー トカの育成と支援活動のバックアッフとまとめろことができkう

 学生自身が行うことと支援センターが行うことの区分は、以ドのように例示されていろ,

 障害学生自身が行うこと

(3)

 ・サポート学生を見つけるための活動(募集チラシの作成やオリエンテーション等での募   集活動)

 ・サポート学生との、連絡調整・支援万法の打ち合わせ   支援センターが行うこと

 ・サポート学生を見つけるための活動の支援や募集機会の提供

 ・支援活動に必要な機器や、筆記川具などの提供(ノート・鉛筆からOHC、ハソコンま   でさまざまな機器、備品)

 ・サポート学生の支援スキルアッフのための活動(ノートテイク講座、パソコンテイク講   座など各種講座)

 ・バリアフリーに向けた施設・設備の点検と整備改善(キャンパス内外の点検実施)

 ・1」に度、障害学生・サポート学生・支援センタースタッフでの懇談会を実施  ・地域や関係団体との連携、他大学・諸機関との情報交換

 支援センターは美浜キャンパスにある 1階に位置すろ支援センター室の体制は、センタ

ー 長(兼任教員)のi、と、常勤教員(教科日の授業も担当)1名、大学部局職員1名、派遣 職員1名である(なお、半田キャンパスは、派遣職日1名が情報社会学部事務室で対応して

いる)

 室内は、センター長と職員の机と事務棚のほか、会議・作業用のテーブル、パソコンやフ リンターなどが設置されている=障害学生の授業の時間割にあわせたスタッフ配置や、支援 スタッフどうしの引き継ぎメモなど、貼り紙が目、【tlつ

 われわれが訪問した時間は、視覚障害学生のために講義レジュメなどを点訳する学生支援 団体が作業をしていた パソコンの自動点訳ソフトを用いて行うものである.こうした支援 センターが関与している学生による支援団体は7団体 視覚障害学生に対応するものは点訳 のほか自二訳、聴覚障害学七に対応するものはパソコンノートテイク、r一話、ビデオ教材に字 幕をつける、そのほか学生生活全般の支援など、それぞれ特化した支援学生組織であり、こ れら支援学生の育成、支援機器の設置などが支援センターの役割である.

 支援センター入り日(写真2−1)にはボランティアなど支援学生を求める個人のビラを置 く棚が設置されていた これらの作成や配布の方法についての助言はするが、実際に作って 撒くのは障害学生である.

 そのほかの支援センターの機能にっいては、以.ド、バリアフリー環境、講義保障などの実 際の支援との関わりで述べる,

(2)施設設備(物理的バリアフリー環境)

 障害学生が利用しやすい施設設備の整備など、いわゆるハード面での環境のバリアフリー

化についても、日本福祉大学はF期から取り組んでいろが、全面的な構内バリアフリー化は

総合移転を契機としている,起1犬のある耐也であるため、建物内の移動だけでなく、駅や駐

車場からのアクセス、構内の移動などにも配慮が必要である,写真2−2は傾斜地の低地から

(4)

SWfe

;一 Lt− [.;t、

写真2−1 障害学生支援センターの入り口の 一 チラシ

写真2−2 土地の高低差を解消するエレベータ

(右側)と渡り廊下

写真2−3 障害者用トイレ

高台に移動する際に利用するエレベーターと渡り廊

ドである、

 日本福祉大学のバリアフリー環境整備は、移転か らあとのフロセス、 現在進行形一といえる部分に 特徴がある、それは、障害学生とともに、学内の実 態調査を実施し、その結果、明らかとなった箇所を 順次改善していくという取り組互である、たとえば、

老朽化した点字ブロック、教室内通路の幅Hなど、

細かく調査結果がまとめられている(児玉,2006)、

この活動は支援センターが中核となって実施してい

 講義棟等の建物・教室、トイレ、その他の機器の 配慮は次のような状況である

 こ移動のバリアに対応

段差に対するスローフの設置、エレベーター(2階以ヒの建物に設置、内部び)点㍗表示  ・「;二声案内等)、点字ブロックの敷設

○聴覚補償システム

 ルーフアンテナの埋設、携帯用ノレ_フ

FN工補聴器の貸出、 OIICシステム(複数の聴

(5)

  覚障害者のノートテイクが可能)、ビデオモニターシステム(ハワーホイントなどを専   用び)モニターに映し出す)

  フラッシュライト・パトライト(チャイムの代替機能及び緊急時対応)

 ○緊急時対策

  エバックチェア、サブストレッチャーの配備  ○トイレ

  身体障害者用トイレ(各建物に設置するほか、シャワー付、介助ベッド付、リフト付な   どが男女別に麦)る.写真2−3)

 ○その他

  教室の点字表示、車いす用座席

  拡大読書機、・ だ体コピー機、点宇タイフライター、点訳パソコン・点宇タイフライター、

  公衆ファクス、車いす用公衆電話

(3)制度

 入試(入試相談を含む)、講義の受講、定期試験、生活支援等のシステムについて紹介す

る,

【受験前から入学まで】

  般的にも、大学の入試形態が多様化している 日本福祉大学も推薦入試、大学人試セン ター、独B試験など、それぞれの機会を通じて障害学生の受験を認めている,暖験前から の相談、(オーフンキャンハスの活用)、「入学前の相談一を重視していることが特徴である.

オーフンキャンパスで施設・設備などを自分で確認するようすすめている.

 受験にあたっては、人学試験要項に組み込まれたm受験配慮希望票一を添付して志願する,

具体的な配慮にっいては、大学入試担当者が事前に相談し決定する、

 人学r−・定者は保護者とともに相談に訪れることが多く、勉学条件だけでなく、生活環境の 相談もあるr入学予定者には「障害状況及び配慮希望調査票.が送付され、大学が障害状況 を把握することになっている、そのEで、希望者は面談を行う=推薦人試受験者の場合は、

入学前に半年ほどあるが、3月の人試で入学が決まった者に対する準備教育及び大学として の準備は、時間的にも困難がともなうとのことだった

【入学から受講開始まで】

 人学後、支援が必要な学生は、自ら支援センターに申し出ることから具体的支援が始まる,

支援センター作成の二障害学生&サポート学生のためのキャンパス・ガイド」を読んで、学 生自らが行動することが第一であると先に述べたが、人学当初にあたっては、『ガイド』に 掲載されている基本的な事項を理解してもらうなどきめ細かな支援が必要となる,

【受講開始】

 科目担当教員に対して、毎年、支援センターが作成した一障害学生の受講促進のための配

慮のお願い」という文是を配付。その中で重要なことは、授業の開始にあたってP障害のた

(6)

めに配慮の必要なJ1}::生は申し出てください一と口頭と板書で伝えることを第・としているこ とだ 同文書には、そのほか、講:義レジュメの点訳や、視聴覚教材の使用上の注意などが書 かれていろ 留意柘rピ1トは、・馴τ:教員だけではなく、非常勤講二師にも徹底されるkう、非常 勤講師懇談会などでちテーマにしている

 障害種別ごとに講義における配慮 担良の最低ラインは『キャンパス・ガイド』に掲載して

ある.

【定期試験】

 配慮が必要な場f>、障害学 い:目才が、所定のr定期試験特別配慮願い一に記人して学事課

に提rL目する.

【耶章害学生奨学金」制度】

 障害により、学習ヒ特1り1}な経済的支出をした学生を対象とする奨学金制度がある.年間支 給総額120万円の範囲で、申請者に配分叶る=支給者実績は200−1年度31人、2005年度は29

【「ボランティア奨学金」制度】

 障害学生支援を口励するために、支援活動を行った学生の申請に基づいて支給している,

その回数に応じた5段階の金額(年額10,000〜30,000「9、2005年度実績)が設定されてい る 友達としてやっているから申請しない一という学生も多い

【受講アシスタント(TA)制度】

 サポート学生やボランティアとは違い、障害学生支援に対する理解とともに支援技術を習 得している者を所定の審査を経て、大学が委嘱するもので、支援センターの指導のもと、実 際の授業場面で教員と障害学生、支援学生をコーディネートする役割を担う・原則として直 接のサポートは行わない

(4)人的支援(学習支援)

 障害学生が十分な学びを達成するためには、なんといっても講義等、授業における特別な 支援が必要である.支援センター、バリアフリー環境や制度の項目で紹介したkうなシステ マティックな環境が整f蒲されていることは前提にあることとして、ここでは具体的な授業場 面のなかから主だった支援について述べる.

【聴覚障害学生】

 ノートテイカーを配置、直接ノートに,11《支援のほか、OI−ICを設置して同時に複数の聴 覚障害学生が受講できるようにもなっている(必要に応じて機器を移動すろ) 見学させて いごだいた授業では聴覚障害学宇3人の受講に対してノートテイカー2人がOIICを活用し てノートテイクを行っていた.ノートテイクに使用するノート(ノレーズリーフ)とサインヘ ンは支援センターで提供している。そのほか、パソコンによる要約筆記も行われている。

 ビデオ教材は事前に支援団体に依頼して宇幕をつけるようにしている一かなりの時間を要

bるので、教員が余裕を持って依頼することが要件であろ 字幕を入れる機器は最近新規に

(7)

購入したためにかなり効率がよくなったとのことであった

 現在、遠隔授業システムを利用した手話通訳付き授業を、筑波技術大学と提携して開発・

試行している=

 演習形式の授業では、「話通訳(学生のτ話サークノレ、学部団体など)を依頼する場合も

ある,

【視覚障害学生】

 講義レジュメを事前に、点宇や拡大文字にして当該学生に渡すことになっており、点訳等 は支援団体が行う、図表や写真等の対応にさらに丁夫が必要とのことであった 授業にリー ディングサービス者を配置する、事前に叩し出て担当教員の許可を得た上で、講義を録音す ることができるなどの配慮がある,

 定期試験の解答やレポートで点字を使用すろ場合も、パソコンなどが活用されている=拡 大鏡の使用、日述など、複数の支援が日r能

【肢体障害学生】

 筆記が困難な学生に対して、講義のノートをとるためのホイントテイカーの配置ができる また、申し出て教員の許日∫が得られれば、講義を録音してもよい.

 定期試験やレポート作成・提出にあたって、指定用紙の変更や時間(期限)の延長など、相 談に応じる一

 そのほか内部障害や難病をもっ学生への配慮も、大学、支援センターとして現在可能な配 慮を明確に示している、

【支援を行う学生の養成】

 これらの活動を行うには、数の上での学生の確保と支援技術の質的向一ヒに関して、支援セ ンターは年間5回程度「ボランティア養成講座一を開催し、惇門講師による指導を行ってい る,対象はボランティア登録学生であり、メールによって通知され、関心のある講座を自山 に受講できる.その内容は、ノートテイク講座、パソコンテイク講座、音訳講座、点訳・ガ イドヘノレフ講座、触図作成講座、生活介助講座、手話講座(連続講座)(いずれも2006年度)

である

【講義以外の授業について】

 演習(ゼミ)科目は比較的少人数で行われろので、担当教貝と障害学生が具体的な支援内 容を話し合うことによって、講義と同様の支援を受けることができる,講義は原則として受 講生以外の学生が支援につくことになっているが、ゼミの場合は、ゼミ十どうしで支援を行

うことが・般的であろ.

第2節埼玉県内の大学の場合

 埼玉県・ir:大学は佐藤進学長、障害者福祉担当の朝日雅也准教授(当時)に同大学全体の現

状と課題を、埼玉大学教育学部は障害学生支援の直接担当教員である吉岡[E人教授に、当該

(8)

学部の現状と課題についv(うかがった

1.障害学生の在籍状況

 埼干県、1 1大学(埼kり,題谷rlf)は、埼に県・t・1短期大学を母体に1999年に開学した保健医療 福祉学部単科の大学で、2007年度現在、石護学科、理学療法学科、作菜療法学科、社会福祉 学科、健康聞発学科の5/)Of)学科に約L▲00名が学んでいる 過去において障害学生の在籍 はなく、現在、視覚障害!}劉三と肢体障害の学牛が1名ずつ学んでおり、当該学生の修学をめ

ぐる課題を中心に聴き取りを行った

 埼干人学(埼E県さいたま市桜区)は、教養学部、教育学部、経済学部、理学部、L学部 の5学部と5研究科の大学i>左、特殊教育特別専攻科からなる総合大学で、学部学生数は約 L600人である 教育学部は学{交教育教員、養護教諭、生涯学習、人間発達科学、小学校教 員、社会教育総合の5課Pll 16コース、学生定員は180名である=現在、教育学部学佼教育教 員養成課程教科教育コース)こ術専修に1名、聴覚障害学生が在籍しており、当該学生の修学 をめぐる課題を中心に聴き取りを行った 過去の障害学生の在籍および教育学部以外の障害 学生の在籍については、今回聴き取りの対象としていない

2.障害学生支援の実際

 両大学とも、障害学生支援についての特別な大学組織は設置していない したがって、以 ド、具体的な支援実態について述べる.

(1)施設設備(物理的バリアフリー環境)

 埼玉県こノ:大学の場合、校舎等の新築に伴い、肢体不自由、視覚障害などの移動に関する物 理的バリアをなくした配慮をしている 講義室のドア、上下移動、段差、トイレなどは特に 車いす使用者を想定したバiJアフリーの建築である・点字ブロックや点宇表示なども、建築 の初期段階に備えるべき設備として整備されている・

 一方、埼1パ学は、築年数を重ねた鉄筋1階建て講義棟がならぶ中に、わずかに最近建て られたであろう研究等などが散見され、建築上のバリアをなくす取り組みは十分ではない=

教育学部こ,同様である=

(2)制度

 支援を必要とする障害学生への対応は、両大学ともそれぞれの部署で行われるのが原則で ある、入学試験にあたっては入試担当が、大学生活全般については学生生活課に類 十る部署 が、受講については学事担当課とそれぞれの学部(学科)か対応する

【受験から入学まで】

 埼土県立ノミ学のP人学者選抜要項一には 身体に障害のある人学志願者の受験特}]「]措置に

ついて一という特別書きがあり、出願前に人試担当に申し出て、必要な配慮等を相談するこ

とになっている人試担 1パ}:務局で対応できない場合は受験学科の担当教Hに相談する2007

(9)

年度現在在学中の視覚障害(弱視・視野狭窄、3年生)をもっ学生からは、試験時問延長が 申請され、実施された、 一受験相談において事前に]一これこれの支援ができる」と説明する ことは困難である。入学したら相談するという姿勢で対応する」というのが基本姿勢である。

 埼玉大学も「人学者選抜に関する要項二に「身体に障害を有する者等の出願について一を 設けている一それによれば、 一身体に障害を有する者等(代筆解答希望者を含む) が対象 であり、受験にあたって、出願前に本人(代理人)が申請して、所定の用紙に「受験相談書,

を提出、必要に応じて本人または保護者、出身学校関係者等との面接を試験実施前に実施す る。2007年度現在在学中の聴覚障害学生(1年生)の受験前の相談は、本人および出身高校 からあった 実際の試験は推薦人試で、面接官とのやりとりは読唇と自らの日話でクリアし

た。

 入学決定から入学までの具体的な相談制度は、両大学とも特別には設けられていない、

【受講開始】

 入学から受講開始までの相談支援制度は、両大学とも特別には設けられていない

【講義・定期試験などでの支援】

 埼玉県・1・:大学では、受講に関する支援は教務関係の委員会が対応する=本人の申し出が前 提であるが、これまで実際には申し出た学生はほとんどいなかったこともあって特別な規定 はない,t現在在学中の肢体障害の学生からは「だれに相談すればいいのかわからない」とい

う指摘を受けている、視覚障害学生にっいては、講義上の配慮事項について、学生からの申 し出に基づいて教務委員会がまとめたものを教授会で配付し配慮を求めた,

 埼玉大学教育学部は、教授会全体で責任をもつという原則ではあろが、担当部署は明確で はない,在学中の聴覚障害学生については、専攻教員が窓口になって個別に面談を実施し、

教授会で具体策を検討してきた、日常の具体的な対応は学務係の職員がていねいに対応して いる、しかし、いまのところ制度としては確・ rlしていない,

(3)人的支援など具体的な支援

 この項口の内容について、両大学ともシステムとして対応するまでには至っていないので、

現在進行している支援という限定付きで話していただいた.

 埼玉県、 ,!L−.)〈学の肢体障害学生は、上肢や言語の障害は全くないので、これまで受講ヒの支 援についての中し出はいない 生活上の困難として、講義棟とロッカールームが位置的に離 れているため、業間に教科書などを取りに行くと次の授業に間に合わないという申し出があ った,t杖を使用しているため、全科日の教科書など重いものをもって移動するのもつらいと いうことであった.視覚障害学生は、弱視への配慮事項をゼミ(障害者福祉論担当教H)で整 理して提出している、ハワーホイントを用いた授業のやり方、配付資料の文字の色や大きさ、

部屋の明るさなどさまざまあろ.できることを改善していくようにしている、

 埼玉大学教育学部の聴覚障害学生への支援は、2007年度前期に支援の枠組みがおおよそ決

まり、実際には後期からスタートする。おもな支援は、講義のノートテイク、録i f−、特別授

(10)

大学における璋害学生支援

進路選択   入学試験    下宿や通学の確保    入学 学生生活の展開 卒業        ・障害学生支援の体制とスタ A 験       ド宿ノ政造     ッフの確保

i,H談  t.一・祀⇒ 川櫟 ⇒ 蕊竃灘 川⇒

  吋  ・邑      1 , ]fl .」一/,条件    .ナ(学キヤンハスV) , g IJア・・

 yt ∵       リーピ

図2−1 障害学生が入学から卒業までに遭遇する困難と大学としての対応(∪ミ、L) 006)

業である ノートテイクは原則として上級生が行い、学部として謝金を準備している.録音 はノートテイクが困難な科日で教員のJ 解のもと実施され、健聴者の支援を得て授業内容を 理解する 特別授業は英語のリスニング科日である これとは別に、専攻担当教員である吉 岡教授は、生活ヒのニーズをキャッチするために、聴覚障害学生と親しく行動している学生

とも連絡を取りあうようにしているという、

第3節考察

1.障害学生、在学生、大学の役割の明確化

 以上、他大学における障害学仁支援の現状に関する聴取結果にもとついて、本学及び本学 部の課題について考察叶る

 日本福祉大学の障害学生支援は、さまざまな視点から特徴づけられる.特色GP報告書で は、学習弱者を生まないという建学以来の考え方を基礎に、①障害学生を単なろ「サービス の受け王としてではなく、 「ともに考え育ちあう仲間」として位置づけていること、②入 学(受験)相談段階から学習・生活条件の整備、就職活動まで一貫した支援をめざしている

ことにその特徴があると述べている・

 (IJについては、 一障害学生とともに.という視点に加えて、 一障害学生自身が成長する一 ためび)支援を行う点を強調している印本福祉大学障㌔≒学生支援センター,L  oo6)点も見逃せな い ②に関係して、大泉(2006)は、障害学生に対する支援とは、学生が大学に入学すると きから卒業するまでの生活展開の過程に応じたものでなければならないと述べているが(図 2−1)、日本福祉大学の障害学生支援は、基本的にはこの全過程をカバーナるシステムがめ

ざされている.

 それぞれの支援において、大学はお膳立てされた支援を提供するのではなく、障害学生が 自分にとって必要な支援を明確にして、支援を得るために行動を起こすことを前提にシステ ムをつくりあげようとしている=っまり、当事者i:体の活動を支援することを軸にすえ、「大 学として配慮すべきこと一と障害学生自身が行うこと一とをつねに肺分けをしているので

ある

 つまり、日本福祉大学の障害学生支援は、大学当局と障害学生との個別のやりと})ではな

く、1\学、障害学生、これに全在学生をIJ日えた者がそれぞれの役割を[1覚しつつ、一イ本と

(11)

なって有機的に機能することをめざしているといえそうだ そのなかで、1「[要な役割を果た しているのが障害学生支援センターである,

 国立大学協会が匡1、ン:大学における障害学生支援等に関する実態調査結果に基づき、障害学 tの修学に対する組織的な相談・支援体制を整えるために、各大学に恒常的な一障害学生支 援センター一を設置することを提、亨したのが2001年のことであった([li、」 :ノ〈i::協会,200D.

その後、学内に曽:門的な支援組織を設置する大学は増加傾向:こあるという〔UV、 L 007)、2005 年度のF1本学生支援機構の調査にkれば(大学・短期ノ〈 lf:・高等専門学校対象)、1一校(ll.4

%)がこうした組織を設置していると川答しており、さらにそこにコーディネート業務を行 うスタッフを配置している学校は33佼(3.3%校)である n本福祉大学にお:すろ障害学生 支援センターの開設の時期は、先に見たように国大協提ほよりも早く、全川の大学の障害学 生支援の取り組みに先鞭をつけたものであり、同時にその規模と内容においても先進例であ

る,

 支援内容の項で述べたことは繰り返さない,われわれのように支援策そのものが貧弱な大 学が日本隔祉大学の障害学生支援をみるとき、どうしてもバリアフリー環境や人的支援にあ ろような㌣1:富なメニュー一に日がいきがちだが、注目+べき点は3点であると考える、第 1は、LJ本福祉ノこ学の障害学生支援の出発点が、建学の精神である一学習弱者を生まない大 学一にあるということだ・入学した全学生に対して、大学の責任においてfl多学日標の達成を 援助する、その実践の延長線11に障害学十支援が位置ついている.第2は、具体的な支援で の授受ではなく、障害学生、 般学生の双方が支援活動を通して成長することを念頭におい てアログラムされていることである そして第3に、 一豊富なメニュー一が陳列されたもの

としてではなく、改善すべき課題について定期的に協議をlfiね、必要な場合は調査も行って 改善し、今日に到達しているという点である,第2,第3の点については、特に障害学生支 援センターの役割は大きい、

 日本福祉人学における障害学生支援の内容は多岐にわたっており、ここに記述しきれない ことも多い 特に就職支援の実際については、ほとんどふれることができなかった、報告書 や文献を参照していただきたい ひと,S ふれておきたいのは、実習科円についてである・実 習は実習センターが中心になって対応するが、例えば、現場実習にっいては、受け入れ先と の交渉(支援や配慮が必要な場合は受け入れ先と十前に相談する)が重要である 場合によ っては、事前に短期間、予備的な実習をさせてもらい、本実習に臨む、あるいは結果次第で は実習先を変更するケースもあるという、しかし、学牛の障害の実態も多様であることから、

事例検討を頂ねて検討していくべき課題であるようだ

2.総合相談・支援部署の確立と局面での支援の充実

 他方、埼i川(内2大学にっいては、大学全体で障害学生支援に取り組むというよりは、個

別入学者に応じて対策を・1.・1てていくという段階である 障害学牛支援のあり方を模索してい

(12)

るという点では、本調査研究の,]』題である本学部の現状と共通した課題をもっている  両大学はたず、受験から人㍑三での期問の支援は、両大学とも人試要項に 身体障吉者.

に対する受験の門戸を[ll倣と受験の配慮の実施を明記している埼E大学は一身体障害者等一 と標記している点が、やや広い障害者の受け人れを想定しているものと思われる 受験の合

否の判定基準は、他の受験K『ヒ同L:で、]フ)る=

 全国のノ\学で門戸か開放さね1.tじめて以降、障害者の大学進学は増加しているとはいえ、

両大学の在学者は実際には少ない 県・ tl大学ゾ)佐藤氏は、人試成績によって不合格となった 者がいることを考えると、障害汁ノ)社会参ノ川拡大の一環として大学進学の可能性を拡大する 方策を検討し、特別枠試験 のicうな何らかの策が必要な時期にきているという認識を述 べていご 特に同ノこ学の在学:生は仁員が保健福ト1[関係の資格を取得するので、障害者の資格 取得へ・力上援としても検討寸べきであり、それは公立大学としての責務ではないかとも指摘

していた

 埼上ノ\学教育学;ξ[;の!}:例は、推薦人試である 当該学生は高佼まで通常学校で教育を受け、

読唇や口話にkって健聴の教師や友人とのコミュニケーションに支障がなかった そのよう なコミュニケーション能力かあ・・たために複数の面接官との面接試験が可能であった しか

し、面接場面と大勢の学 ヒが斉に受講する大学の講義場面の違いなどから生じるであろう 困難に留意して面接を実施するkでには至らなかったために、面接の内容が人学後の配慮を 検討する素材にはなり得なかったという・Elrj学部には障害児教育の専攻もあり、噂:門教員が いる、そうした学内関係者の協力を得ることが必要だったと思われろ、

 つぎに、修学支援については、両大学とも 当該学生の具体的支援の申し出が第・である一 という点では 致する、しかし、どこに申し出るのか、必ずしも明確になっておらず、障害 学生に1自分で何とかしなくては一という思いをもたせてしまっている,実際には、そうし た一 窓川一を設置することは、大学の機構卜簡単ではない、学部(学科)問の合意が必要であ ること、実施にあごっては ii:務局を巻き込んだ意思致が必1要だからである、い三すぐ、セ ンター的組織ができない場合も、当面、障害学生への相談支援窓[1を明確化することは重要 であろう

 しかしそれにとどまらず、日本福祉大学の項で述べたように全学的な支援委員会のような 組織を展望していかなければならないだろう この点では、数名の学生が在学したことを契 機として、数年をかけて全学機関の設置に及んだ広島大学の報告が・J竣に富, しでいる〔佐野・

吉原,200.D 広島大学は同時に在学した複数の視覚障害学生、聴覚障害学生などの修学をど う保障するかという論議を一障害学生問題.にとどめることなく、全学生にわかりやすい授 業を保障叶るという観点を打ち出し、検討機関であろ 障害学ノD;沈学支援委員会一を設置し た,そのさい、機関の位置をk学のトッフに近い位置(学長、副学長直属)にもっていき、

全学的な組織としたことがその後の進行にブラスに作用している

(13)

3.大学での学びをイメージした入学相談

 最後に、受験および人学前の相談にかかわって2点だけ述べる 1点目は資格取得と実習 に関わる問題である。今回訪問した大学は、3校とも卒業に課せられた取得単位と資格取得

とが関係するカリキュラムを組んでおり、当然、履修科目は当然実践的な内容が多く、必修 も多い そしてその資格が進路とも深く関わるということである 受験や入学前の相談は、

単に受験P]f能かどうかではなく、そうした受験を希望する者が全体的な展望を考えることが できる相談でなければならないと考える,個人の職業選択およびこれと連動した資格取得に ついて、障害を理由に差別してならないことは当然のことであるが、学部・学科は、実習の 受:す入れ先や障害学生に対する実習指導上のノウハウは十分ではない 埼玉大学教育学部の 事例では、すでに1年生から小学生を対象にしたフィールドワークが組まれており、 一つひ

とつを解決しながらすすめていくという,

 もう一つは、大学をめざす障害者の場合、高等学校まで通常学校で教育を受けてきた者が 多いが、高校までの教育と大学教育の違いを、障害に即して具体的に話し合えるような機会 が必要だということである.それはたとえば、教室や受講生の規模が違っていたり、教室移 動の距離も長いという周囲、環境の問題であり、高校までは授業内容が聞き取れなかったり、

ノートがとれなかったりした場合、教科書を読んだり家庭学習をすることでカバーできたが 大学では困難が生じる場合があるという学習遂行ヒの問題でもある

 日本福祉人学の今日の到達点は他大学の追随を許さないといっても過言でないものである から、知れば知るほど手の届かない現実として見てしまいがちであろ、しかし、同大学も最 初の一人の障害学生への支援から出発している 規模や専門、学部を問わず、入学した学生 に充実した「学び、を保障するという取り組みの環として、障害学生支援システムを検討

しなければならない時期にきている、

参照

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第10条 投稿原稿の審査結果に不服がある場合には,文書にて委員会に申し立てること

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