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一 一三 三

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(1)

画像 と力覚を用 いた砕石堆積量の推定 と堆積物の 3次元形状 に基づ くす くい取 り作業計画

高 橋 ,* 山 幸 **

EstimationofTheAmountofRockPilebyUsingTheImageProcessingandForce SensorsandTaskPlannlngOrShovelingbasedonTheThreeDimensionalShapeorRockPile

by

HiroshiTAKAflAStlllandKaLsuyukiYAMAZAKI Abstract

lnthepreviouspaper,Weproposedthemethodtorecognizetheexistenceof therockpilebyuseoftheimageandlaserslitlight. Inthisstudy,Wepropose themethodtoestimatetheamountoftherockpilebyuseoftheimageandforce sensors. Inordertoestimatetheamountoftherockpile,threedimensional measurementoftherockpilewascarriedout. Furthermore,inordertodetect thecontouroftherockpile,theforcesensorswereused. Inthisexperiment, twostraingaugeswereusedasforcesensors.

Severalkindsofrockpilesweremadeandtheexperimentstoestimatethe amountoftherockpilewereconducted. Bycomparingtheestimated values andtheactualones,itwasconfirmedthatthemethodproposedhereworkswell. Furthermore,theshovelingtaskwasplannedbasedonthethreedimensional shapeoftherockpile.

KeyWoTds:ImageProcessing,ForceSensors,TaskPlanningofShoveling,Rock Pile

平成98月6日受付

*東北大学大学院工学研究科地球工学専攻

〒980‑77 仙台市青葉区荒巻字青葉

**東北大学大学院工学研究科資源工学専攻

〒980‑77仙台市青葉区荒巻字青葉 ( 日本道路公団)

IDepartmentofGeosclenCeandTechnology,Graduate SchoolofEnglneering,TohokuUniversity,Aramakl, Aobaku,Senda1980‑77

千千DepartmentofResourcesEngineering,GraduateSchool ofEngineerlng,TohokuUniverslty,Aramakl,Aobaku, Sendai980‑77

32

1.は じめ に

資源開発の現場,特 に地下資源開発の現場では過酷 な作業環境か らの作業員の解放および安全確保の面か ら作業 ロボ ットの導入 に多 くの期待が寄せ られている。

製造業 の分野で は既 に多 くの産業 ロボ ットが導入 され ているが,上述 の現場では作業環境が作業の進展 とと もに変化す ることか ら, これ らの現場 に導入 され る作 業 ロボ ッ トは, この作業環境の変化 に柔軟 に対応で き

るような機能を具備 していることが望 ま しい。

(2)

一般 に資源開発現場 にお ける採鉱作業は,掘削,土砂 ・ 鉱石 のす くい取 り,積 み込 みおよび運搬 ・排 出の工 程 に大別で きる。 これ らの作業 において,特 にホイ ール ローダあ るいはロー ドホール ダ ンプ (以下,LHD 記す)などの積 み込 み機械を用いて行 う 「す くい取 り ・ 積み込 み工程 (以下,す くい取 り作業 と記 す)」 お よ び 「運搬 ・排 出工程」 に関 して言 えば,LHDの 自動 走行 は視覚 セ ンサ1),超音波距離計 2),電磁誘導線3) どを用 いることによ り既 に実用化 の域 にある。 しか し, 土砂 ・鉱石 のす くい取 り作業 は,一部 にバ ケ ッ トに作 用す る抵抗 力 の検討 な どの例 4)5)が見 られ る もの の,

ほとん ど検討 されていないのが現状であ る。 このす く い取 り作業 の自動化 に対 して最 も大 きな障害 とな って いる要因 は,破砕堆積物 (以下,ず り山 と記す) の堆 積形状が不定形であ り,かつ作業 の進展 にともないず り山の堆積状態が常 に変化す ることであ る。そのた め す くい取 り作業 は, テ ィーチ ングプ レイバ ックのよ う な事前 に定型化 されたす くい取 り動作 の繰 り返 しだ け で は達成す ることは困難であ る6)。 このため, 現 在 の す くい取 り作業工程 は,熟練 オペ レー タによ る作業 , あ るいは遠隔操作 によ り行 われて いる7)。 しか し, 上 述 したよ うに, これ らの現場 は作業員 に とって過酷 で あることか ら, このような環境下 における開発機械 の 無人化 および ロボ ッ ト化 の早急 な実現が期待 されてい

著者 らは前報8)において, レーザース リッ ト光 と画 像 を用 いてず り山存在 の有無判断および堆積状態 の認 識手法 を提案 した。本研究 で は,次 のステ ップと して レーザース リッ ト光 をスキ ャンさせ ることによ りず り 山を含む周囲の環境 の3次元情報 を取得 し, さ らに力 覚 を組 み合わせ ることによ りず り山の堆積量 を推定す る手法 を提案す る。 さ らにず り山の3次元情報 を基 に バ ケ ッ トの貫入点 および貫入方向を決定す る手法 につ いて考察 し,す くい取 り作業工程 の自動化 に資す る こ とを 目的 とす る。

2.ず り山の堆積 量推 定 の原 理 2.1ず り山の3次元形状計測

土砂 ・鉱石 をバ ケ ッ トによ りす くい取 る場合, コ ン ピュータがバ ケ ッ トの移動軌跡 を決定 し,その軌跡 に 沿 ってバ ケ ッ トが移動す るよ うにアクチ ュエー タであ る油圧 シ リンダを制御す ることにな る。決定 された軌

跡 が不適切で土砂 ・鉱石が十分 にす くい取 れない場合 には作業効率が極端 に悪 くな る。すなわち,土砂 ・鉱 石がバ ケ ッ トに十分 に取 り込 まれ,効率の良 いす くい 取 りを 自動的 に行 うためには作業対象物全体 の形状 お よび堆積量 を推定 し, この結果 を基 に した最適 な作 業 計画 を構築す ることが重要であ る。

前報で は, レーザース リッ ト光が照射 された1ライ ン上 の点 の3次元情報 を取得 した。 しか し,ず り山全 体 の情報 を取得す るには1ライ ンのみで は不十分で あ る。そ こで,図 1に示す ように, この レーザ ー ス リッ ト光 をず り山全体 に対 して スキ ャンさせ,ず り山全 体 3次元情報 を取得す る。 レーザース リット光をスキャ ンさせて対象物 の3次元情報 を取得す る方法 は従来 か ら提案 されてお り9),特 に新 しい手法で はな い。 しか し, レーザース リッ ト光 を用 いた3次元情報 の取 得 で は,ず り山を含む周囲全体 に対 して距離計測を行 うこ とにな る。従 って,ず り山全体 の輪郭 および堆積量 を 認識す るためには,計測 された3次元情報 か らず り山 のみを抽 出 しなければな らない。 このず り山の抽出 に は,ず り山全体 をCCDカメ ラなどで撮 影 し, その画 像を処理 して,例 えばェ ッジ検 出などによ り,ず り山 の輪郭 を抽 出す る方法が考え られ る。 しか し,ず り山 などの自然界 の対象物 に対 して エ ッジ検 出によ り対象 物 のエ ッジが連続 して得 られ ることは極めて稀である。

つ ま りこの方法でず り山のみを検 出す るには未解決 の 問題 が多 々残 されているのが現状であ る。そ こで, 本

Fig.1 Schematicdiagram ofthreedimensional shapemeasurementbyuslng the laser slitlightandCCD camera

(3)

高橋 弘 ・山崎勝幸

Fig.2 Determinationoftheboundarypointbet WeenFaceandRockPileandtheonebet weenRockPileandFloor

研究では,ず り山全体の輪郭および堆積量を認識す る ために,さらに力覚情報を用いることにす る。

ところで,前報で,視覚セ ンサによ りサ ンプ リング された 「ず り山を含む画像」で は,その堆積パ ター ン は,1)壁面 ‑ず り山 ‑地面,2)ず り山 ‑地面,3) 壁面 ‑ず り山および4)ず り山のみの4パ ター ンの内 のいずれかであり, このパ ターンを認識す る手法 につ いて述べた。 これ らの画像の内,全体のず り山の堆積 量が推定で きるのは 1)のパ ター ンの時で あ る。つ ま りこの画像か ら壁面 とず り山および地面 とず り山の境 界点 を見出さなければな らない。

本研究では,壁面 とず り山および地面 とず り山の境 界点の取得を図2のように,それぞれの レーザースリッ ト光の ライ ンにおける距離計測結果か ら求めるもの と す る。 まず壁面 とず り山の境界点 で あ るA点 の取得 ,Y方向の距離計測結果 の最大値 で あ るLmax 対 して, しきい値 K を設定 し, この しきい値 と距離 計測結果 との交点をA点 とす る。

地面 とず り山の境界点 であ る 月点 に対 して も,上 述 したA点 と同様の方法で取得す る。すなわち,Z方 向 の距離計測結果 の最小値 で あ るHminに対 して,

しきい値Zsを設定 し, この しきい値 と距離計測結果 との交点を β点 とす る。 しか し, この β点周辺 はず り山か ら崩れ落ちた土砂などが散在 しているなどの理 由か らしきい値 は環境 に依存す る度合 いが強 く,常 に 一定の しきい値Zsを設定 す ることは望 ま しくない。

この B点 はず り山の裾野部分 の点 で あ り,積 み込 み 機械がず り山をす くい取 る際 にバケ ッ トを貫入 させ る 目標 となる点であるため,非常 に重要な点であると考 え られ る。従 って,本研究では, この β点の取得 に関

し,実際にバケ ッ トで裾野近辺を触 り,その力覚 か ら ず り山 と地面 との判別を行 い,β点 を取得す る方法 を 提案す る。ただ し,多数の ライ ンに対 して, この方法 によりβ点を取得す るの は,長 時間 を要 し非効率的 であることか ら,ず り山の中央付近の 1ライ ンを選択 し. このライ ンに対 してのみ力覚を用 いて しきい値 で あるZsを求め,その値を用 いて B点を得 るとともに,

このZsの値を他 のライ ンに適用す るものとす る。

なお しきい値 Ysについては,実際 にバ ケ ッ トが壁 面の所 までは届かないことおよび壁面 には凹凸がある ちのの,破砕 された岩石 は落下 してず り山を形成 して お り,裾野付近 と比べて環境 の依存度 はさほど大 き く ないと仮定で きることか ら,一定値を仮定 し,試行錯 誤 により決定す ることにす る。

2.2力覚情報の適用

本研究では,バケ ッ トのアームに歪みゲージを付け, バケ ッ トに作用す る抵抗力か らず り山と地面を判別 し, ず り山 と地面の境界である裾野の点を認識 す る。 図3 に裾野点を認識す る際のバケ ッ トの動 きの模式図を示 す。 このように手前の地面側 か ら y方 向 に, あ る一 定の間隔でバケ ットを対象物 に貫入 させて,それぞれ の位置で抵抗力を測 り,相手が地面かず り山かの判別 を行 う。本研究 では地面 と判断 された点か らず り山 と 判断 された点 に推移 した時,その2点の中点を裾野点 と認識す る。すなわち,B点 の座標 (F,YBr,ZB), は,次式 により得 られ るものとす る。

XB‑ (x2+X3)/2 (1) YB‑ (Y2+Y3)/2 (2) ZB‑ (Z,+Z3)/2 (3) ここに,(Ⅹ2,Y2,Z2)および (Ⅹ。,Y3,Z3)は図 3

(裾野点) β

Fig.3 Schematicdiagram ofthebucketmove menttodeterminetheboundarypointbet weenRockPileandFloor

(4)

2および 3の位置 にバケ ットがある時,バケ ッ トの 先端がず り山の表面 に触れた時の位置 であ る。 なお, (3)式で得 られ るZBが境界点取得 にお け る しきい値zs

となる。

ず り山 と地面の判別 は,バケ ッ トがず り山 と地面 の それぞれへ触れた際 にバケ ッ トに作用 す る抵抗力 が, ず り山の場合 と地面の場合 とでは異なることを利用す るが, ここで問題 となるのは,両者の場合 の抵抗力 を 区別す るための しきい値 の設定で あ る。 本研究 で は, この しきい値決定 は,実験 により試行錯誤的に決定 す るもの とす る。

2.3破砕堆積物の輪郭情報および堆積圭推定法 4にず り山の量を取得す る方法の概念図を示 した。

ず り山の輪郭情報の推定 は,それぞれの ライ ンの 「 面 とず り山の境界点」および 「地面 とず り山の境界点」, すなわちA点 およびB点を,それぞれ順 に直線 で結 んだ ものをず り山の輪郭であると近似す る (図中の太 線)。図4中の○で示 した点 は,三次元情報 と して認 識 している点である。

次 にず り山の堆積量の取得 は,以下のよ うに して行 う。図4に示す ように,それぞれの ライ ン上の計測点 において,ある計測点1点の近隣の2点か らな る三角 形 に着 目す る。 この三角形 をず り山 の表面 と近似 し,

Fig.4 CalculationmethodoftheRockPile volume

その表面の下部 にあるず り山の体積を(4)式 により求め る。

U‑底面積×(hl+h2)/2 (4) この微小体積Uをず り山全体 について求めて合計すれ ば,ず り山の堆積量が求め られ る。

2.4 す くい取 り作業計画の構築

効率的なす くい取 り作業を自動的に遂行す るために ,1回のす くい取 り作業で土砂 ・鉱石 がバ ケ ッ トに 満載 されるようにバケ ッ トを制御す ることが必要であ り,そのためには対象物であるず り山に対 して, どの 点か らどの方向にバケ ットを貫入 させ, どのようにバ ケ ッ トを移動 させればよいかをコンピュータが自動的 に決定す る必要がある。 ここでは,貫入点,貫入方 向 および移動軌跡の生成を作業計画 の構築 と定義す る。

なお,す くい取 り作業の際にはず り山の上部か ら掘削 す るのではな く,一般 にバケットの先端,すなわちカッ ティングェ ッジを地面の レベルの高 さでず り山に貫入 させ ることか ら,貫入点をず り山の裾野上 に決定す る こととす る。

1)貫入点および貫入方向の決定

バケ ッ トの貫入点および貫入方向 は,厳密 には作業 ロボ ッ トとず り山 との相対位置関係を基に,作業 ロボッ

トの移動時の機構上の制限などを考慮 して決定 される べ きであると考え られ る。 しか し,本研究では作業 ロ ボ ッ トの移動機構 については検討 していないため,移 動機構を も含めた最終決定法 は今後 の課題 とし, ここ で は作業 ロボ ッ トとず り山 との相対位置関係 に基づ く 貫入点および貫入方向の決定 について考察す る。

5に示すように,2.1お よび2.2の方法 によ り 求め られたそれぞれ の ライ ンの裾野点, いわゆ るB 点を貫入候補点 として (図中の●印), この中か ら貫 入点を決定す る。す くい取 り時の作業 ロボ ッ トの動 き 等を考えると,貫入点 は作業 ロボ ッ トによ り近 い方 が 効率的 と考え られ る。よって,作業 ロボ ッ ト (作業前 には静止 していると仮定す る) の原点 (本研究 で は, CCDカメラの レンズ中心か ら鉛 直方 向 に下 ろ した線 が地面 とあたる点 とす る)か ら最 も近 い点 を貫入点 の 候補 とす る。また貫入方向は,作業 ロボッ トの原点 と 買入候補点を結んだ方向をまず仮定す る。次 にバケ ッ トの移動軌跡 については,図6(1)に示すよ うに,従来 の研究 に従 って,2次曲線を仮定 し,次式 で与 え るこ とにす る。

(5)

高橋 弘 ・山崎勝幸

ず り山の輪郭 レーザー ス リッ ト光

Fig.5 SchematlCdiagram ofthedeterminatlOn forthepenetrationpointandpenetration direction

Z

(1)

O 計軌 貴 レー ザー ス リッ ト光

(2)

Fig.6 Estimation method ofscooplng VOlume bythebucket

Z‑ (Y‑a)2 (5)

す なわ ち,裾野点 を原点 と し,その裾野点 か ら一 定 の 距離aだ け直進 し,その後 は(5)式 で与 え られ る軌跡 に 従 うよ うにバ ケ ッ トを制御 す る。

2)す くい取 り体積 の推定

1)で求 め られ た買入点 およ び貫 入 方 向 にバ ケ ッ ト を買入 させ, さ らに(5)式 に従 ってバ ケ ッ トを上昇 させ た時 にす くい取 られ る鉱石 の量 を3次元計測結果か ら 推定 し, この値 がバ ケ ッ ト容量 に対 して十分 でな い場 合 は,貫入方 向を見直す。

バ ケ ッ トを上昇 させ た時 にす くい取 られ る土砂 ・鉱 石 の量 は以下 の よ うに して推定 す る。 図6(2)は, 図6 (1)Z方 向か ら見 た図で あ るが,太線 はバ ケ ッ トが貫 入 し,す くい取 る際 のバ ケ ッ トの外 側 の軌 跡 で あ る。

よ って, これ らで囲 まれ た体積,す なわち図7で示 し た白色 の部分 の体積 がバ ケ ッ トを貫入 した際 のす くい 取 り可能 な量 と考 え ることがで きる。 なお,本研 究 で は この体積 を ̀̀す くい取 り体積" と呼 ぶ こ とにす る。

このす くい取 り体積 を求 め る場合,ず り山表面上 の各 点す なわ ち図6(2)にお け る×印の点 の三次元座標 を求 め,それを基 にす くい取 り体積 を求 め る必 要 が あ る。

しか し, この ×印 の点 は計測 されて いな い た め, 図6

(2)の よ うに左右 の計測点 か ら推定 す る ことにす る。 す なわ ち,×印の点 の二次元座標 の うちXお よ びY 標 は直線 1と直線2の交点 と して求 め ることがで きる。

またZ座標 は,直線 1で切断 したず り山 の断面 を 図8 のよ うに近似す れば,図 に示す よ うに相似条件 か ら推 定 す ることが で き る。 す なわ ち, 求 め るZ座 標 をzT

と した時,zT(6)式 の よ うに近 似 し,A点 お よ びC

ず り山

Bucket Flg.7 SchematlCdlagram OfscooplngVOlumeby

thebllCket

(6)

計測点

‑ 一

一 一三

Fig・8 Crosssectionoftheverticalplanecontain‑

ingLine1

点を計測点 として,D 点 は,三角形 ABCお よび三 角 DECの相似条件で求めることがで きる。

zT22‑号× (6) このように して求 め られた×印の三次元座標を用いて, 7で示すA面およびB面の面積 を求める。

9はA面 あるいはB面を模式 的 に示 した もので あるが, この面積 を以下の計算法 により求める。す な わち,Pの領域では(7)式を,Qの領域では(8)式 をそれ ぞれ用いる。なお, (αy+β)はそれぞれの傾斜面 に おける直線の式である。

Sp‑∑U(ay+ β)dy] (7)

Fig・9 Calculationmethodofsideareaofscoop‑

edvolumebythebucket

Sq

∑ut(αy+ β)‑b‑a)2)dy] (8) (7)式および(8)式 よりA面 とB面 の面積 を求 め, す く

い取 り体積 は,その2面 を底面 とす る角錐台 と近似 す る。すなわち,次式です くい取 り体積VTを求 める。

v T ‑ ‡( S A

+SBJ瓦 云) (9)

(9)式です くい取 り体積を推定 した結果,十分なす くい 取 り量 を得 ることがで きないと判断 された場合 には買 入方向を見直す。 この際 には買入方向を数度ずつ変化 させてす くい取 り体積量 を推定す る。いずれの方向で も十分なす くい取 り体積が得 られない場合 は,その貫 入候補点をキ ャンセル し,貫入点を作業 ロボ ッ トか ら 2番 目に近 い点 に設定 し直 し,す くい取 り量 の推定 を 行 う。なお,す くい取 り体積が十分であるか否かの判 断 は, ここでは便宜上 推定 されたす くい取 り体積 が バケ ット容量 より大 きくなるか どうか とした。

3.実験装 置お よび実験方法

本実験 に用 いた装置の概略を図10に示 した。 この図 に示 され るように,実験装置はCCDカメラとレーザー 光照射装置か ら構成 され るユニ ッ トとこれを回転 させ るステ ッピングモータ,マニ ピュ レータ,画像処理装 置,動歪計,パーソナル コンピュータか ら構成 されて いる。装置 は1)画像処理部 と2)抵抗力検 出部 の2 つに大別 され る。

1)画像処理部 :概略 は前報で示 した もの と同 じで あ 。CCDカメラの光軸 は水平方 向か ら10度下 向 きに セ ッ トし, カメ ラと レーザ ー光照射装 置 との間隔 は

マニピュレータ

Fig・10 Schematicdiagram oftheexperimental apparatus

(7)

38 高橋 弘 ・山崎勝幸 100mmである。本実験では, このユ ニ ッ トの下 にス

テ ッピングモータをセ ットし,ユニ ッ ト全体が回転 で きるように した. ステ ッピングモータはパーソナル コ ンピュータか ら信号をモータ ドライバーに送 ることに より制御 した。CCDカメラは前報 と同様 にSONY CCM‑MClを用いた。なお,アナ ログ画像 は本実 験装置により512×512画素 に標本化 され,それぞれ の 画素 に対 して256階調 に量子化 され, デ ィジタル画像 に変換 される。

実験では,ユニ ッ トを45度ずつ回転 させて撮影 を行 い,前報で示 した方法 によりず り山の有無判断を行 う。

ず り山無 し」 と判断 された場 合 には, ユニ ッ トを45 度回転 させて再 び撮影を行い,有無判断 を行 う。 「ず

り山有 り」 と判断 された場合 には,その地点 (初期位 置 と記す)か らず り山に対 して左方向に10度ずつユニッ

トを回転 させてず り山の有無判断および3次元距離計 測を行 う。 ス リッ ト光がず り山か らはずれて 「ず り山 無 し」の状態 にな った場合 は,初期位置 まで戻 り,吹 に上述 と同 じ計測をず り山に対 して右方向に行 う。

2)抵抗力検 出部 :抵抗 力検 出部 はマニ ピュ レー タ, バケ ッ ト,動歪計,A/Dコンバ ータお よびパ ー ソナ ルコンピュータよ り構成 され る。バケ ットのサイズは 10に示す通 りであ り, このバケ ッ トをマニ ピュ レー タの手首部分 に設置 した。なお,マニ ピュレータの手 首部分 とバケ ッ トとの間にはアク リル製の円筒を設置 し,円筒の上部および側面 に歪みゲージを1枚ずつ張 り付 け,バケ ッ トがず り山に貫入す る際の抵抗力を計 測 した。なお,歪 ゲージを上部および側面の2個所 に 貼 り付 けたのは,バケットの上下および左右の曲げモー メン トを同時 に計測す るためである。歪ゲージか らの 信号 は動歪計およびA/Dコンバータを介 してパーソ ナルコンピュータに取 り込んだ。実験 に先立 ち,重量 に既知の重 りをバ ケ ッ トに吊下 げ,曲げモーメ ン トを 計測 し,荷重 と曲 げモーメン トの関係を示す較正曲線 を得た。実際の実験で は, この較正曲線を基 にバ ケ ッ

トに作用す る力を逆算 した。

4.実験結果 お よび考察 4.1抵抗力

図11にバケ ッ トをず り山および地面へ押 し込んだ と きの抵抗力を示す。なお縦軸の値 は歪みゲージ 1お よ 2の平均値を示 している。 この結果か ら,本研究 で

地iiF 地℡ irLJ ・rリLL1LJ

Fig.ll Resistiveforcesactingonthebucket

はしきい値を2kgfとしてず り山 と地面 を判別 す る も のとす る。判別実験で は,ず り山および地面 に対 して バケ ッ トを20回押 しつけ,相手が地面であるかそれ と もず り山であるかを判断 させた。その結果,19回 は正 しい判断を示 した。唯一 の誤判断 は,堆積層 の薄 いず り山に対 して生 じたが, この場合 は層が薄いためす ぐ 下の地面 に触れて しまったためで あ ると推測 され る

しか しなが ら,バ ケ ッ ト‑作用す る抵抗力 によるず り 山 と地面 との判別 は, はば有効であると考え られるゆ え,本研究で は, この力覚情報 によるず り山 と地面 と の判別法を用いることに した。

4.2 破砕堆積物の輪郭および堆積量の推定 実験では,ず り山を構成す る粒子の量を一定にして, ず り山の形 を表 1に示すように変化 させて堆積量 の推 定を行 った。図中の矢印の方向は撮影 の方向を示 して お り,1‑ 5では切羽面 の前 にあるず り山を切羽面 に 対 して垂直な方向か ら撮影 していることを示す。なお, ず り山全体 の体積 は19000cm3である。

12に レーザをスキ ャンさせてず り山全体 の形状 を 計測 した結果の一例 を,また表2にず り山堆積量 の推

/TL

、 、

二 ゝ

I1‑‑‑̲̲‑I‑ ‑ ・‑L

L 「′ ̲̲ ⊥ ⊥

B= 100nm

Fig.12 Anexampleofthreedimensionalmeasu‑

rements(No.3RockPllelnTable1)

(8)

Table1 Theshapeoftherockpileusedinthis experiment

番号 堆積形状 (形状の模式図矢印は撮影の方向を示す) 1 一般的なず り山

2 上部が平坦なず り

3 2つのず り山が左右に並んで存在

4 ず り山が右側に偏 って存在

5 ず り山が左側に偏 って存在

6 1のず り山を向か って右側か ら撮影

7 1のず り山を向か って左側か ら撮影

Table2 Comparisonbetweentheestimatedvol umesoftheRockPileandactualvalues

F番号 推定 した堆積量[cm3] 推定値/実際の値「 1し 」 1 18300 : 0.96

定結果を示 した。実際の画像 と比較 してみ ると, ほぼ 正 しく3次元形状が計測 されていると考えることがで きる。また,堆積量の推定結果 も実際の堆積量 とほぼ 同 じ値を示 してお り,堆積量 の推定法 はほぼ妥当な も

のであると考え ることがで きる。 しか し,(6)および(7) の堆積量が実際の値 よりも多少大 き くな って い るが, この場合 は切羽面 に対 して斜めの方向か らず り山を撮 影 してお り,本手法では,撮影の方向に対 してず り山 の裏側 に見えない空間部分が存在す ると, この部分 も ず り山 として計算 して しまうためである。なお,ユニッ トを回転 させて画像 のサ ンプ リングを行 い,ず り山全 体の堆積量を推定す るまでに,平均 して約40秒を要 し た。

4.3す くい取 り作業計画の構築

計測 されたず り山の3次元情報を基 に,上述 した方 法 により貫入点および貫入方向を決定 し,その位置 に マニ ピュレータによりバケ ッ トを移動 させ,す くい取 り作業を実行 させた。実際のす くい取 り作業ではバケッ トに作用す る抵抗力を計測 し, この値をコンピュー タ に取 り込んで,作業 の状態,すなわちバケ ッ トが大 き な岩 に衝突 していないか,作業は順調に進行 し,バケッ トに十分 に土砂 ・鉱石が入 っているか どうか といった 判断を行い,適切でないと判断 された場合 にはバケ ッ トの軌跡を修正す るなどといった制御が必要 になって くると思われ る。本実験で は抵抗力の計測 は可能であ るが,現時点では作業が順調であるか否かの判断 に関 す る研究 はほとん ど行われていないことか ら,適切 な 判断がで きなか ったため,移動軌跡を修正す る制御 は 行 っていない。つ まり,バケ ッ トがず り山に貫入 して か らは,作業の状態 に関わ らず,(5)式で示 された軌跡 にバケ ッ ト先端が沿 うようにマニ ピュレータを制御 し ている。実験 によってはバケ ットが所定の距離 まで貫 入で きないことなどが生 じ,す くい取 り量 は常にバケッ

ト容量 に等 しいという結果 は得 られなか ったが,平均 して常 にバケ ッ ト容量の約9割をす くい取 るといった 結果が得 られた。

5.むす び

本研究では, レーザース リット光をスキ ャンさせ る ことにより,ず り山を含む周囲の環境の3次元情報 を 取得 し,さらに力覚を組み合わせ ることによりず り山 の堆積量 を推定す る手法を提案す るとともに,ず り山 3次元情報を基 にバケ ッ トの貫入点および貫入方 向 を決定す る手法 について考察 した。その結果,撮影方 向によっては,ず り山の裏側 に見えない空間部分が存 在す るような場合 には,ず り山全体の堆積量を大 き く

(9)

40 高橋 弘 ・山崎勝幸 推定す ることもあるが,概ね堆積量の推定値 と実際 の

値 とは一致 し,ず り山全体 の堆積量を比較的短時間 に はぼ推定 し得 ることが分か った。 またず り山の3次元 情報を基 に したす くい取 り作業計画の構築を試みた結 果,常 にバケ ッ トの容量 に近 いす くい取 り作業を行 え

ることが確かめ られた。

今後 は,す くい取 り時におけるバケ ッ トに作用す る 抵抗力および作業 ロボ ットの移動機構を も含めたす く い取 り作業計画の構築の検討が必要であると考え られ る。

参考文献

1) M.StAmant,etalり Proc.ofthelstlnt. symposium onMineMechanizationandAut0‑

mation,pp.6.16.10,1991

2) 氏.H.Kingeta1.,Proc.ofthelstlnt・Sympo‑

sium onMineMechanizationandAutomation,

pp.6.3ト6.44,1991

3) T.Gochoetal.,Proc.ofthe9thInt.Sympo‑

sium onAutomationandRoboticsinConstruc tion,Vol.2,pp.803812,1992

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5) 高橋 弘,塚本 佳明,中野 栄二, 日本機械学 会論文集 (C),Vol.63,No.609,pp.8591,1997 6) 鎌田 博之,高橋 弘,第5回建設 ロボ ッ トシ ン

ポジウム論文集,pp.2736,1995

7)絹笠 真也,浜田 展男,種子田 定博,第5 建設 ロボ ットシンポジウム論文集,pp.510,1995 8) 高橋 弘, 山崎勝幸, 素材物性学会誌,Vol.9,

No.2,pp.7986,1996

9) 例えば画像処理‑ ン ドブック編集委員会編,画像 処理‑ ン ドブック,pp.394395,1987

Tabl e1 Thes hapeoft her oc kpi l eus e di nt hi s e xpe r i me nt 番号 堆積形状 ( 形状の模式図 矢印は撮影の 方向を示す) 1 一般的なず り山 2 上部が平坦なず り山 3 2 つのず り山が左右に並んで存在 4 ず り山が右側に偏 って存在 5 ず り山が左側に偏 って存在 6 1のず り山を向か って右側か ら撮影 7 1 のず り山を向か って左側か ら撮影

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