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VLF-MT 法による地下比抵抗構造探査

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(1)

VLF‑MT

法による地下比抵抗構造探査

西 谷 忠 師 *

Investigationofunderground resistivitystructureuslngVLFIMTmethod TadashiNISHiTA>1*

(Abstract)

CharacteristlCSOfVLF‑MT method havebeen descrlbed. Apparentresistivity and phaseanglecanbeobtainedfrom theobservedelectricandmagneticcomponentsofVLF waves. Thismethod utilizestheelectricand themagneticcomponentsperpendicularly intersectingeachother.ThedirectionofanelectriccomponentofVLFsignalsisnormally settothatofthetransmitter.Itisaconventionalwayofmeasurement.Inordertoreveal thepositionofundergroundobjectitisdeslrabletosetthemagneticcomponentto the directionoftarget,thatis,theelectriccomponentisperpendicularto theunderground target.Theanglebetweenthedirectionoftransmissionstationandthatofthemeasure mentlineispermittedupto50degreesifwecancorrecttheelectricandmagneticcompo‑

nents.Idefineanew parameter,thepolntingvector,usingapparentresistivltyandphase anglebetweenelectricandmagneticcomponents.Thisparameteriseffecti17etOknow the positionofundergroundstructurewithasmallrangeerror.

1.は じめに

VLF‑MT法 は3‑30kHzVLF (VeryLow Frequency)帯の信号を用 いた地下構造探査の一種 である. 自然 の電磁場を利用す るMT法 と異 な り, VLFIMT法で は人工 的 に発信 されて い る電波 を 利用す る.VLF帯の電磁波 は他 の通信手段 に比 べ て散乱や海水での減衰 に対す る伝播特性が優れてお り,主 として潜水艦通信用 に使われている.世界各 地 にVLF発信局があ り,常時大電力 で電波 を発 し ているため探査に利用す るには好都合である. この VLF波を使 って地下構造 を探査す る方法がVLF‑

MT法である. 日本では宮崎県えびの高原 (3203′

N,130052′E)か ら発信 されてい る22.2kHzの信号 が利用で きる.測定装置 は小 さく,取扱いも簡便で, かっ現場でデータが直ちに得 られることか ら,活断 層調査,地下水探査,地質構造調査をはじめ,各種 の探査に広 く用い られている.一般 に用 い られて い VLFIMT探査法 は必ず しも効率的 とは言えず, 対象 とす る構造物 に応 じた測定指針 は示 されていな いのが現状である.

本研究 は,VLF‑MT法 を よ り詳細 に検 討 し, 望 ま しい測定法,対象物をより明確 にとらえ るため の方法を考察す る.

(平成10227日受付,平成10312日受理)

・秋田大学鉱山学部 資源 ・素材工学科応用地球科学教室 InstitueofApplledEarthSciences,DepartmentorGeosciences,

MlningEnglneerlngandMaterlalProcesslng,MiningCollege,AkltaUniverslty.Akita010‑8502,Japan.

(2)

2. VLF‑MT探査理論

VLF‑MT探査法 は自然の電磁場 を利用す るMT 法 と同 じく,水平磁場 とこれ に直交す る水平電場 か

ら地下構造 を推定す る.現場 で は電 場 ・磁場 強度, 及 び電場 と磁場 の位相差 を測定す る.見掛 け比抵抗 Cagniard(1953)の示 した

p ‑0.2T

で得 ることがで きる. ここで pは見掛 け比抵抗 (El m),Tは電磁場 の周期 (秒),Exは電場(mV/km), H,は磁場 (nT)であ る.

電場 と磁場 の位相差 は地下 の比抵抗 が深 さと共 に どのように変化す るかの 目安 になる.地下が均質 な らば位相 は450である.深部 の比抵抗 が表層 に比 べ て大 きい場合,位相 は450よ り小 さ くな る. 逆 に地 下深部 の比 抵抗 が表 層 よ りも小 さい場 合, 位相 は 450よ り大 き くな る.位相差 は概 略 の地 下構造 を推 定す る簡便 な手法 と言 え る.

探査で きる深度 の目安 は表皮深度 (♂)で示 され, 次 の式で得 られ る.

ここで 6は表皮深度 (m),pは地下 の比抵 抗 (E7 m),/は周波数 (Hz)である.探査 可能 な深度 は, 大地 の比抵抗 と測定す る周波数 によって変化す るこ

とがわか る.周波数22.2kHzの場 合p‑100E2m 6‑35m,p‑1000E2m6‑107mとなる.

3.従来の測定方法

今 までの測定法 は, まず発信局方 向を特定 し, こ の方向に電場用電極 を設置 して電場成分を測定する.

電極間隔 は10mが標準 で あ る. 同時 に電場 成分 と 直交す る磁場成分 を測定す る (Scott,1974).この ように,発信局方 向の特定,そ して測定 とい う手 順 をすべてのポイ ン トで毎回行 う必要があ る.国内で VLF発信局 は1つであ るため, 測線 の方 向 を任意 に選ぶ ことがで きず,測定 の効率 は良 いとは言 え な い.発信局方向の特定 だけで も省略で きれば測定 の 効率 は良 くなる.

4.対象物 と電場測定方向

探査対象がある程度予想で き,対象物 の位置 を特 定 したい場合がある.例えば,古墳 の石室 の位 置 を 探査す る場合,古墳 の考古年代が推定 されていれば, 石室の形,その作 り方 は予想で きる (河上, 1993).

このよ うな場合,石室が存在す るか よ りも,石重 の 位置,大 きさ,形,方向が どのようにな って い るか が問題 である.VLF‑MT探査 で発信 局 方 向 に沿 った測線 を設 けて測定す るよ りも,対象物 の形 を よ り明確 に示す測線 を設定 して測 定 す べ きで あ ろ う.

Guerinetal.(1994)は三方 向か ら到来 す るVLF 人工電波 を利用 して,構造 に敏感 な測定方法 を検討

している.彼 らは探査対象物が高比抵抗 の場合, 対 象物 の長辺方向 に直角 に近 い角度 を もっ発信局電波 を使 った場合 に もっとも良 く対象物 を認 め ることが で きた と報告 している.

日本で は発信局 を一つ しか利用で きな いため,従 来 の測定方法で は対象物 をよ り明確 に示す手段 は無 いよう見 え る. しか し,発信局 と方向が異 な って い て も,正 しい見掛 け比抵抗が得 られ る方法,あ るい 紘,探査対象物 の情報 をよ り明確 に示す測定法 を追 求すべ きであ る.

5.測定対象物 と発信局方向

VLF‑MT探査理論 で示 した よ うに, 見掛 け比 抵抗 を計算す るために電場 と磁場 の比を取 っている.

したが って,両成分が同 じ割合で変化すれば見掛 け 比抵抗 は変化 しないはずであ る.発信局方向 にと ら われず,設定 した測線 に沿 って観測で きれば,効 率 的な測定が可能 とな る. ここで はまず発信局方 向 を 毎回特定す る従来 の方法 と,対象物 に応 じた測線 で 測定 した場合 の例 を比較す る.

5.1千秋 トンネルの探査

千秋 トンネルは秋 田県秋 田市明徳小学校 グラン ド の下16mにあ る. トンネルの位置,形状 は判明 して いる.千秋 トンネル は箱状 の直方体 ブロ ックを二 個 組 み合 わせた状態で埋 め られている.Fig.1の左 下 に断面図を示 す.VLF‑MT探査 で この トンネル が どのよ うな応答 を示すのかを確かめた.

(3)

Fig.1 Aplaneγlew OfSensyutunnel,Fourlinesweresetformeasurement.Thedirectionof electriccomponentwassettothatoftheVLFtransmisslOnStatlOninthecaseofC‑Hs andE‑Hs.LlneSCIStandEIStwereperpendlCulartothedirectionoftunnel.Across sectionview isshowninthelowerleftcorner.

用 いたVLFIMT探査装置 (VL1101, テ ラテ ク ニカ社製)は電場 ・磁場強度,両者の位相差,見掛 け比抵抗を得 ることがで きる.Fig.1は千秋 トンネ ルの平面図である. トンネルに垂直な方向を決定 し, 明徳小学校玄関前階段の左端 を通 る測線 をC‑Stと 名付 けた. この測線 の20m地点 が トンネルの中心 に来 るよ うに国旗掲揚 ポール側 に原点Omを設けた.

トンネルの幅 は18mである.測線C‑StOm点 か ら発信局方向を定め発信局方向の測線C‑Hsを設定 した.C‑Hs測線 は トンネルに垂直 な測線C‑St 28.60ずれている.C‑Hs測線 は トンネルを斜 めに横 切 っているため, トンネルの中心 は22.75mで あ り, 幅 は20.5mとなる.また,C‑St測線 よ り東30m 位置 にE‑St測線を,E‑St測線の原点Om地点 か ら 発信局方向に測線E‑Hsを設定 した.

Fig.2は従来の測定方法 による見掛 け比抵抗変化 である.測線 はC‑Hs,E‑Hsであ り,測定間隔 は1 mである.Fig.3は トンネル方 向 と測定電場成分 が900である場合の見掛 け比抵抗である.測線 はC‑

St,E‑Stであ り, この場合 も測定 間隔 は1mであ る.いずれの図 も測定値か ら全体的な トレン ドを差 引 き,移動平均を取 って測定値の平滑化を行 った結 果を示 してある. トンネルの位置 も図中に示 してあ る.Fig.2C‑Hsでは,13m,24m付近 に,E‑Hs では,6m,27m付近 に比抵 抗 の大 き くな る傾 向が 見え る.予想 され る ピー クの位 置 は18mと28m 近であ る.C‑Hsの24m,E‑Hsの27mが トンネル の候補であるが,む しろC‑Hsの13m,E‑Hsの6m の ピークが大 きく, どこが トンネルに対応 している かの解釈 は難 しい.

(4)

21012 (ud)hr^llS!Set]lC0Lt?ddv(ul。)hJ^llSISatjlueddv 05

(U

5

12 16 20 24 28 32 36

4 8 12 16 20 24 28 32 36

DISlance(∩)

Fig.2 ApparentresistlVltyVariationobtained bytheconventlOnalmethodofVLF‑MT measurementintheC‑HsandE‑Hslines.

TheelectrlCCOmpOnentpointstothetrans missionstatlOn.Theposltionofthetun‑

nelisshownintheflgure.

Fig.3では19m‑21mを中心 と して左右対称 の見 掛 け比抵抗変化が認め られ る.すなわち, トンネル の中央付近で比抵抗のプラス側 に極大部が二 カ所あ り, トンネルの端付近で比抵抗が少 し大 きくなる傾 向である. トンネルに電場 を直交 させ たFig.3 場合のほうがより明確 に トンネルの影響が現れてい るのがわか る. トンネル中心付近の二カ所 の ピー ク は,千秋 トンネルが地下を掘 り進んで作 られたので はな く,長方形の箱状の大 きな ブロックを二個組 み 合わせた状態で埋め られたためで, トンネルの空 間 部分が高比抵抗,枠の部分が低比抵抗を示すため と 考え られる.

42

0

2

(LD・U)^llSISatu¢Jt2ddv 505

(uJ・U)All^LlS!SatこUaJt2ddv

8 12 16 20 24 28 32 36

4 8 12 16 20 24 28 32 36

DIStanCe(m)

Fig.3 ApparentresistlVltyVariationintheC‑St andE‑Stlines.Theelectriccomponentof VLFslgnalsisperpendiculartothedirec tionoftunnel.

したが って,構造物の位置特定のためには発信局 方向よりも対象物 と直角 に測線を設定 したほうが望 ま しいことが明 らかである. トンネルと電場成分 の 方向がOoの場合 も測定を行 ったが,ほとんど変化 が 見えず, トンネルの位置特定 は全 くで きなか った.

5.2 VLF電磁波の角度依存性

千秋 トンネルの実例で示 したように従来の測定方 法 よりも対象物 に電場成分を直交 させたほうが位置 特定 には有利であることがわか った.千秋 トンネル で は発信局 か らの角度 のずれ は28.60で あ ったが, どの程度偏 らせ ることが可能であるかをつ ぎに調べ る.

角度依存性を調べ る場所 として,秋田市深田山根 にある広場を利用 した. この場所 は船川層の泥岩が

(5)

一様 に堆積 してお り,電気探査 による結果で も表面 か ら20m付近 まで25E2mの一様 な比抵抗構造 で あ ることを確かめてある.探査深度 は22.2kHzで17m 程度 なので, この場所 は一様半無限媒質 と考えて良 い.広場の中心付近で発信局方向を定め, この方 向 を角度 のOo と設定 し,100ごとに杭を打 って位置 の 設定を行 った.

Fig.4が電場,磁場 の方位角依存性である.角度 Ooは発信局方 向を示 し,正 の角度 は発信局方 向 に向か って右 まわ りを,負の角度 は左 まわ りを示 し ている.測定値 は発信局方向で最大値を示 し,発信 局 とのずれの角度が大 きくなるほど値が減少す るこ とがわか る.角度を変化 させたときの電場及 び磁場 強度変化 は余弦関数的に変化 している.両成分 と も 減少傾向を余弦関数で近似す ることが可能である.

しか し,電場成分 は発信局 との角度 が900の とき はぼゼロを示すが,磁場成分 は900で も10pT前後 の 値を示 し,ゼロにな らない. これは装置の回路上 の 問題で,実際の信号がな くて も数値 として表示 され るバ ックグラウン ドノイズと考え られ る.もし電場, 磁場両成分が900方向で共 にゼ ロとな り, 同 じ割合 で減少すれば見掛 け比抵抗 は変化 しないはずである.

しか し,現有の測定器では磁場成分 にオフセ ットが

卜 ∵! ●

5lU5

(J.d)luOuOdBH

180 120 60 0 60 120 180 Ang】e()

Fig.4 IntensltyVarlatlOnOfmagneticand electricfieldasafunctlOnOfangle.The directionoftransmissionstatlOnisde finedaszeroangle.

EcorTIPOnent(pVJm)

あ り,表示 され る数値そのままを用 いたのでは正 し い比抵抗値が得 られない.今回の測定では発信局方 向か ら左右200‑300までな ら比抵抗値 は誤差の範 囲 内ではぼ一定であるが,それ以上 になると比抵抗値 が減少す る傾向にあった.角度 による強度変化の補 正値 は,電場成分の場合,

‑ sec(0.95∂) 磁場成分の場合,

K‑see(1.240)

となる. ここで,βは発信局か らの方位角,得 られ るK の値 は掛 ける数値である. この K を測定値 に 掛 ければ発信局方向の成分 に変換す る事 がで きる.

ただ し,磁場成分 として用 いるのはバ ックグラウ ン ドを差 し引いた後の値である.すなわち,まず発信 局 と900の角度をなす方向の磁場成分 を測定 し, こ の値を観測値か ら差 し引いた数値を磁場の測定値 と す る必要がある. この補正を施せば,発信局方 向か ら±500程度 までは一定 の比抵抗値 が得 られ ること が期待で きる.ただ し,発信局か ら距離が離れ るに 従 って,電場,磁場の絶対強度 は減少す るためS/

N比 との関係で有効角度 は狭 くなると考え られ る.

6. 新 しい解析法

VLF‑MT探査 は見掛 け比 抵抗 と電場,磁場 の 位相差で議論 されることが多か った.見掛 け比抵抗 と位相を使 い,エネルギーの流れに相当 した量を得 ることが可能であることを示す.

見掛 け比抵抗を β。,位相差 を ∂と し, S ‑万TcosO

なる量 を考え るとSが ェネル ギーの流れ に相当す るポイ ンティングベク トルの大 きさをあ らわす こと が証明で きる.

6.1ポインティングベク トル

Cagniard (1953)の表記 に従 い,x方 向の電場 (E)成分 と,y方向の磁場 (H )成分を考え る.電 場,磁場 はそれぞれ

Ex‑Mel

H ,‑J雲 Nel(方 /4 人 )

で表現で きる.〟,Ⅳ はそれぞれ電場,磁場 の振幅

(6)

であ り,Tは電磁波 の周期, plは第 一 層 目の比 抵 ,, Aは位相 で あ る.磁場 の振幅 を1とすれば, 電場E,磁場H,は次 の式 で表現 で きる.

EX

l

H,‑ ei(打/4 A)

観測 され る見掛 け比抵抗 をp。, 位 相 差 を 0とす れ ば,

‑( ‑ H)

2,

0 ‑ 等・ 6

‑A

で あ る.複素 ポイ ンテ ィングベ ク トル は

Ll ・J'I

で表 され る. *は共役複素数 を表 す.Eェ,H,の表 現 を代入す ると

1、 :.'I,・1t:

を得 る.複素 ポイ ンテ ィングベ ク トルの実数部 は単 位面積 当た りのエネルギーの流 れの平均 を与 え,

Re

( k z ) ‑与 J T %・

g coso

、 1v r 7

5Tcos0

‑ (const)・vr75Tcos0 を得 る. したが って,

S‑√訂 cos0

はエネルギ ーの流 れを示 す ポイ ンテ ィ ングベ ク トル の大 きさに比例す る量 と言 え る. この ポイ ンテ ィ ン グベ ク トルを用いると構造物の位置特定 には単 に ピー ク位置 を注 目す るだ けで良 く, 見 荘トけ比 抵 抗 変 化 , あ るいは位相変化 を別 々に検討 して解 釈す るよ りも 容易 にな る.

6.2千秋 トンネルへの適用

千秋 トンネルで測定 した見掛 け比抵抗変化 は既 に 示 した. ここで は新 しく定義 した ポイ ンテ ィングベ ク トル に相 当 した量Sを計算 す る.Fig.5に発信局 方 向 に測定 した測線C‑Hs,E‑Hsの結果 を,Fig.6 に トンネルに垂直 な方 向 に電場 を測定 したC‑St,E‑

C‑Hs

O.1

0

b 0・1

02

03

04

E‑Hs

OO5

8 12 16 20 24 28 32 36

4 8 12 16 20 24 28 32 36

DIStanCe(∩)

Fig.5 Pointingvectordifferenceasafunction ofdistanceinthecaseofC‑HsandE‑Hs lines.

St測線 の結果 を示 す.

従来 の測定法 を用 いたFig.5の場合,C‑Hsで は 2028m付近,E‑Hsで は1723m付 近 に ピー クが あ る.C‑Hsで は見掛 け比抵抗 の変 化 とは異 な り,24 mを中心 とす る ピー クの方 が14m付 近 の ピー クよ

りも大 き くな って い る.E‑Hsで も比 抵 抗 変 化 で は 小 さか った20m付近 の ピー クが大 き くな って い る.

この傾 向か らエネルギーの流 れSを用 いれば,その ピー ク位置 が高比抵抗 を示 す探査対象物 の候補 と言 え る.

電場成分 を トンネルに直交す るよ うに して測定 し Fig.6の場合,Sの高 くな る位置 と トンネルの位 置 とは良 く対応す ることが明 らかであ る.見掛 け比 抵抗変化 に現 れた ピー ク とSの ピー ク位 置 を比 較

(7)

0500500

.JOT.IJJ.I 54ool日日HLSl︻ヒ

02 q

/i 0

02

0.4

12 16 20 24 28 32 36

4 8 12 16 20 24 28 32 36

DIStanCe(∩)

Fig.6 Polntingvectordlfferenceasafunction ofdistanceinthecaseofC‑StandE‑St llneS.

す ると,Sの場合がよ り トンネルの位置に近 い こと がわか る.そ して,見掛 け比抵抗 に現れていたい く つかの ピークは小 さくな り, トンネルその ものの位 置を容易 に特定で きる変化が現れている.

このようにエネルギーの流 れ に相 当 した量S 用いれば, ピークを示す位置に注 目すれば探査対象 物を特定す ることが可能 となる.対象物が地下の空 潤,あるいは古墳 の石室のような高比抵抗の場合 に Sの高 い ピークを,対象物が断層破砕帯のような 低比抵抗 の場合 にはSの低 い ピー クに注 目すれば 良 い. しか し,測定 データに含 まれるノイズの量 が 多 くなると必ず しもピーク位置 と探査対象物 とは一 致 しない.

更 に,見掛 け比抵抗変化 とエネルギーの流れ変化

を比較すれば探査対象物の位置推定 に利用で きる情 報を得 られ る可能性がある.例 えば,Fig.2,Fig.

5E‑Hs測線 の変化 に注 目す ると,4mか ら15m までの見掛 け比抵抗 の変動傾 向 はSに も同様 に現 れている. しか し,20m,27m付近 にピークを示 し た見掛 け比抵抗の変化傾向は,エネルギーの流 れS では20m,28m付近で,かつ,二つの ピークの大 き さに変化が見 られ る.見掛 け比抵抗 で は27m付近 の ピークが大 きいが,Sでは20m付近のはうがより 大 きくなっている. このように見掛 け比抵抗変化 に 現れた位置 とエネルギーの流れを計算 したときによ り強調 される位置 は異 なっている. しか し,4m 15m付近 までの傾 向 はいずれの場合 も同 じであ る.4mか ら15mの部分 は探査対象物 とは無 関係 で ある, このように見掛 け比抵抗変化 に現れた ピー ク 値の相対的な大 きさの比 と,エネルギーの流れに相 当す る量 におけるピーク値の相対的な大 きさの比 に 注 目す ることが対象物特定 の有効 な手段 となるか も

しれない.

トンネルのVLFIMT探査 は既 に西谷 (1997) 手形山 トンネルの場合 について報告 してお り,見掛 け比抵抗,位相差が トンネルの位置を明確 に示す こ とを述べている.西谷 (1997)の測定法 は発信局方 向に電場成分 を設定す る従来の測定法 によ り得 られ た ものである.新 しく定義 した単位面積当た りの エ ネルギーの流れに相当す る量Sを求め,図に示 した のがFig.7である. 図 の上 か ら見掛 け比抵抗 ,位 相差,エネルギーの流れSを示 し,実線で手形山 ト

ンネルの位置を示 してある. トンネルの位置で明確 な ど‑クが現れているのがわか る.見掛 け比抵抗, 位相差, さらにポイ ンティングベク トルSを用 いれ ばより明確 に ピーク位置か ら対象物 の位置を特定で きることが明 らかである.

7. まとめ

構造がある程度わか ってお り,その位置特定が 目 的である場合 には構造物の長辺に電場成分が垂直 と なるように測定を行えばよ り明確 に位置を捉えるこ とが可能であ る.電場,磁場 の角度依存性 を測定 し,強度 の角度変化を補正すれば,発信局方向か ら

(8)

(U002

(LDIU)ぎlSISOUluOJeddv 2

0 0

(Bop)ast2LJd

2

4

6

S15

1

b O

o・5

0

40 30 20 10 0

40 30 20 10 0

50 40 30 20 10

0

DIStanCe(m)

Fig.7 ApparentresIStivlty,phasedlfference andpointlngVectorObservedatTegata‑

yamatunnelinAkitaCity

±500程度 まで角度を変化 させて測定が可能である.

単位面積当た りのエネルギーの流れであるポインティ ングベ ク トルに相当す る量Sを見掛 け比抵抗 と位 相差か ら求めることがで きた. このSを用 いれば, 見掛 け比抵抗 あるいは位相変化を別々に検討 して解 釈す るよりも, ピーク位置,及 び,見掛 け比抵抗 と

の差の有無を見 るだけで探査対象物の位置特定が可 能である.

本研究を行 うにあた り,秋田大学鉱山学部遠藤仁 史,高橋幸恵,高野華澄,上野義弘の諸君 には測定 でお世話 にな った.

Cagniard,L.(1953):Basictheoryofthemagne totelluricmethodofgeophysicalprospectlng.

Geophystcs,18,605635.

Guerin,R.,A.TabbaghandP.Andrieux(1994):

Fieldand/orresistivitymappinginMT‑VLF andimplicationsfordata processlng.GeoI physics,59,16951712.

河上邦彦 (1993):横穴式石室 の問題 .季刊考古学 (特集横穴式石室の世界),雄山閣出版,1420.

西谷忠師 (1997):手形山 トンネルの物理探査.秋田 大学資源地学研究施設報告,no.62,2329.

Scott,WJ.(1974):VLF resistivity(Radiohm) survey,AgricolaLakearea,districtofMac kenzie,GeologicalSurvey of Canada,paper 751,partA,3537.

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