平成30年度 学士学位論文梗概 高知工科大学 情報学群
異種クラウド間での仮想環境の変換機能の実現
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山口 素輝 【 分散処理OS
研究室 】1
はじめに近年,クラウド技術の進歩によりAmazon Web Ser- vices(以降:AWSと略す)などのパブリッククラウド やプライベートクラウドへの需要が高まってきている.
それに伴い,既存のクラウド環境から異なるクラウドへ の環境移行に対する需要も高まっている.異なるクラウ ド間で環境を移行する際には,既存のクラウド環境を 細かく理解し,移行を行う必要がある.しかし,異なる クラウド間ではリソースや概念,環境移行方法が異なっ ている等の問題があり,異なるクラウド基盤へ環境を移 行することは難しい.
本研究ではこの問題に対し,変換元としてVMware ESXi(以降:ESXiと略す)で構築したクラウド環境を,
変換先としてAWSを想定しリソースや概念の違いによ る問題を解決した仮想環境の変換機能を実現する.
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仮想環境の変換機能の実現2.1 概要
図1に変換処理の流れを示す.今回はESXi上の仮想 環境構成情報と仮想マシンイメージを元にAWS上で同 仮想環境の構築に必要なリソースをJSON形式のテン プレートファイルに定義し,変換機能を実現した.変 換機能では仮想環境を移行する際にAWSのCloudFor- mation[1]を利用している.CloudFormationではクラ ウド環境の構築に必要なリソースを定義したJSON形 式のテンプレートファイルを作成することでクラウド環 境を構築することができる.
2.2 仮想マシンイメージの変換
ESXiで管理されている仮想マシンイメージからVMDK ファイルを作成し,その後AMIに変換している.この AMIからインスタンスを作成することでESXi上の仮 想マシンと同様のファイル構成を持つインスタンスを AWSでも利用可能となる.
2.3 ESXi構成情報の変換
ESXi上の仮想環境構成情報を元にAWSで同仮想環 境を構築するのに必要なリソースとして定義すること で仮想環境の変換を実現している.AWSでは必要なリ
図1 変換処理の流れ
表1 VMware環境構成情報とAWSリソースの対応関係
VMware AWS
ホスト管理ネットワーク VPC(リソース)
Subnet(リソース) 仮想マシン Instance(リソース) VMDKファイル,ゲストOS AMI(Instanceプロパティ) メモリサイズ,vCPU InstanceType(Instanceプロパティ)
インターネットゲートウェイ InternetGateway(リソース)
なし Route(リソース)
RouteTable(リソース)
SubnetRouteTableAssociation(リソース)
図2 仮想環境の変換時間
ソースであるがVMwareには対応する概念が存在しな い場合は,AWSでの依存関係を考慮しリソース定義を 行った.VMwareの仮想環境構成情報とAWSリソース の対応関係を表1に示す.
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評価仮想環境の変換機能の有用性を確認するためにAWS マネージドコンソールとVMware vSphere,その他ツー ルを用いた従来方式と変換機能を用いて仮想環境の変 換を行った.図2に2,4,8個の仮想マシンの場合にか かる環境変換時間を示す.変換機能によりテンプレート ファイル作成時間,AMIへの変換時間を削減すること ができ,個数に関わらず従来方式よりも2/3程度時間 を短縮することできた.
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まとめ本研究では,ESXiとAWSを想定したクラウド環境 における,仮想環境の変換機能を実現した.これによ り,最低限のパラメータ入力のみでESXi上のクラウド 環境をAWS上に変換することが可能となった.
参考文献
[1] AWS CloudFormation とは - AWS CloudFor- mation, 入 手 先 ⟨https://docs.aws.amazon.
com/ja_jp/AWSCloudFormation/latest/
UserGuide/Welcome.html⟩(参照2019-01-28).