卸売生産性と小売店舗密度の分析
1―都道府県データを用いた検討―
杉 本 宏 幸
Ⅰ.問題の所在
Ⅱ.関連研究
Ⅲ.実証分析
Ⅳ.結論と今後の課題
Ⅰ.問題の所在
1985 年,通商産業省は「情報武装型卸売ビジョン」を掲げた。卸売業者が「小 売業サポートビジネス」(p.110)だと明示したことは,小売業者と共存する 卸売業者へ一つの方向性を示したと言える。小売業者や顧客企業と取引する 卸売業者にとって,取引先を支援していくことそのものが自身と取引先の存
1 本研究はJSPS科研費26780246の助成を受けたものです。ここに記して感謝いたします。なお,
本研究の誤りについては,筆者の責にあります。
続および繁栄を図る戦略方針の一つになりうる(杉本・中西2002)。現在では,
リテール・サポートを自社の事業の一つとして掲げる卸売業者は多い。
「情報武装型卸売ビジョン」の24 年後,中小企業庁(2009)は,これと はやや異なる視点の「リテール・サポート」概念を掲げた。高齢者をはじめ とする地域の生活者にとって,「社会インフラ」としての側面を有する地域 の中小小売業が「地域コミュニティの担い手としての機能と役割」を推進 するべく,これに向けた種々の支援を必要とするものである(中小企業庁 2009, 1 頁)。中小企業庁(2009)による主張は,個別卸売企業または卸売業 者のマネジメントというよりもむしろ,インフラとして流通をどのように再 生させ,高齢化が進展した地域での流通問題をどのように解決するのか,そ こに卸売業者をはじめとした事業者(群)が,どれほどコミットできるかと いう問題意識であり,高齢者をはじめとする生活者への対応が流通問題とし て認識されるに至ったと言える。
いわゆる「買い物弱者」(経済産業省2010),「買い物難民」(杉田 2008),「フー ドデザート」(Food Deserts),「食料品アクセス問題」(農林水産省HP)への 対応である2。
経済産業省(2010)が買い物弱者を「およそ600万人程度となる」(p.32)
と試算したこともあって急速に注目されたが,これらは最近になって浮上し た問題ではないだろう。例えば,杉田(2008)の主張を整理すると,買い物 弱者ないし買い物難民が出現したのは,(1)モータリゼーションとあいまっ た90 年代以後の郊外型大規模小売店舗の出店,(2)(1)にともなう小規模 小売事業所の減少,(3)(1)および(2)の結果として消費者と小売店の間
2 これらは表現とアプローチに若干の相違があるものの,扱っている対象に本質的な相違はな いと思われる。買い物弱者問題がどちらかと言えば主に個別またはセグメントとしての消費者の 買い物問題,フードデザート問題は都市等での一部地域が直面する買い物に関わる諸問題を扱っ ている違いがあると筆者には思われる。
に「バリア」としての距離ができたこと,(4)(3)が高齢化によって顕在化 したこと(高齢化問題)による(pp.20-31)。
買い物弱者やフードデザートが,問題として複雑なのはこれら要因が絡み 合っているためである。小売店舗が買い物施設やインフラとして地域に一定 数存在する限り,この問題は表面化しにくい。仮に,小売店舗までの距離が「バ リア」になろうとも,モータリゼーションの進展により,自家用車(や家族 等周囲の助けを借りて)で少し遠い小売店舗まで移動が可能であれば,日常 生活に支障をきたすまで買い物が困難とはなりにくいだろう。
しかし,高齢化社会の進展とともに,地域コミュニティを支えてきた小売 店が不在になってくると,地域のインフラが失われる問題を地方や都市に投 げかける。居住地域,小売店の出店パターン,年齢や健康状態などが重なっ てしまうと,都市部にいてさえも買い物が困難になる状況が散見されるよう になってしまった。既にフードデザートを経験したUKでは食料品のアクセ スが困難になることで地域の生活者の健康を害したり,ひいては社会的排除
(social exclusion)や社会的弱者(e.g,Findlay and Sparks 2006, 伊東2011)に 至るなど,それはもはや「買い物が不便」というレベルを越えた問題に発展 する恐れも秘めている。
上述の中小企業庁(2009)の主張は,こうした問題を回避するために地域 コミュニティを再生,維持するための方策としてリテール・サポートに着目 したものだと言えるだろうし,卸売マネジメントという範疇に止まらず,イ ンフラとしての流通システムを機能させるために,リテール・サポートが有 していた社会的意義の側面に着目したとも考えられる。買い物弱者やフード デザートが問題として語られるとき,多くの場合,都市や地方の高齢者問題,
ネットスーパー,買い物代行等の視点から議論されることが多い。
これらに対して本論文は,卸売業者の存在や活動効率というSCM側の要 因からの視点を導入する。買い物弱者問題もフードデザート問題も,それが
起きる要因の一つに,小売事業所数およびその分布による小売空間構造があ る。卸売業者は,そうした小売空間構造と小売マネジメントを背後から支え ている。本研究が扱うのは,卸売業者の存在や活動効率が,小売の空間構造 とどのように関わっているかであり,中間流通の側からの検討である。
Ⅱ.関連研究
小売の零細小規模・分散・多数性,卸売の多段階性は,戦後から高度成長 期にかけて,我が国の流通システムを特徴づけてきた要因であった(田村 1986)。膨大な数の小売店舗が存在し,多段階の卸売業者が介在して仲間取 引もする様子は,諸外国からは特異に映ったかもしれない。しかし,消費者 の空間分布と買い物頻度を考慮すれば,小売店舗の数と分布は不自然ではな いし,そうした小売構造に対応した多段階の卸売構造を一概に非効率と言う ことはできない(田村1986, 丸山1992)。
小売店舗密度に関する研究
商業統計調査によれば,1985年以後,小売事業所数は減少してきている ことが確認できる。これには,小売業内部における業種構成の変化,CVS や食品スーパーといった業態をはじめとする小売オペレーションの転換と効 率化,店主の高齢化による後継者不足をはじめとした就業問題,大規模小売 店舗法およびまちづくり三法に代表される(小売)流通政策の変化,消費者 行動の変化,高度経済成長の終焉等の多くの要因の影響が挙げられるだろう。
本論文が小売分野で検討対象とするのは,小売店舗ないし小規模事業所の 空間分布である。冒頭で議論したフードデザートや買い物弱者との関わりで は,農林水産政策研究所による「食料品アクセスマップ」がある。農林水産 政策研究所HPや薬師寺・高橋(2013)によれば,「食料品アクセスマップ」
は国勢調査および商業統計のメッシュデータを活用し,あるメッシュ(およ
び近隣のメッシュ)に含まれる小売店との距離が500m以上ある確率を推計 し,その確率を基礎に当該メッシュで小売店との距離が500m以上ある人口 を推計したものである3。さらに,このうち65才以上(高齢者)がどの程度 含まれるか,自動車を保有しない層がどれほど含まれるか,フードデザート 問題について検討している。
なお,食料品アクセス研究チーム(2011)が明らかにしたのは,小売店と の距離が遠い消費者人口の推定値を日本全国で検討したこと,店舗までの距 離が500m以上ある消費者が多くなると「食料品の買い物が困難な住民に対 する対策の必要性」が都道府県単位に集計したデータで高まることにある
(pp.47-51)。後継者問題,商店街のマネジメント,流通政策といった分野に 流通・マーケティング研究はかなりの精力を割いてきた一方,「食料品アク セスマップ」とこれに関わる研究は,地域住民にフォーカスして人口と小売 店の関係を地図上で検討して買い物アクセス問題を明らかにしようとする流 通地理学,小売地理学的な研究だと言える。
他方,「地図」「地理」という条件が無ければ,小売店(小売事業所数)と 消費者(人口)との関係を検討してきたのは,流通・マーケティングに関連 する分野の研究である。流通・マーケティング研究が注目してきたのは,空 間的分布というより,むしろ垂直的な市場構造が多く,流通経路が長いとい う特質を持っている日本の流通システムに対しては,かなり多くの研究が蓄 積されている。
小売店の店舗数や店舗密度に関して,現時点で提示されている理論仮説で 最も説明力が高いと思われるのは丸山(1992)および成生(1994)のモデル 分析とその実証に関わる一連の研究だろう。「均衡アプローチ」(成生 1994,
3 小売店と消費者双方の空間的位置をメッシュデータでは特定できないから,「距離」とはいえ,
両者の空間的な距離を実測するのでなく,一定の仮定に基づいて推定したものである。
p.234)と呼ばれる丸山(1992)のモデルは,Baumol型の在庫モデルに消費 者と小売業者がともにしたがうこと,円環市場上に等間隔に立地する小売業 者を仮定し,消費者が自身の費用が最小となるように小売業者が自身の利 潤を最大化するよう行動し,対称的 Nash 均衡としての小売店舗数が導出さ れる。同じくBaumol型の在庫モデルを仮定し,消費者と小売業者が負担す る費用の合計が最小になる「最適化アプローチ」(成生1994)では,社会的 に最適な小売店舗数が導出される。「均衡アプローチ」と「最適化アプロー チ」では,「小売分野への参入に関して,私的な合理性と社会的な合理性と のギャップが発生」(丸山1992, p.42)し,自由参入・退出を許すと小売の過 剰参入が発生しうる(=小売業者の利潤最大化原理に即して得られた解の方 が社会的に最適な解よりも大きくなる)点に違いがあるものの,二つの研究 は本質的に同じ結論に到達していると判断して差し支えない。このモデル分 析の結果,消費者の在庫費用が上昇(低下),消費者の移動費用が上昇(低下),
小売店の在庫費用が低下(上昇),小売業者の仕入費用が低下(上昇)すると,
小売店舗密度が上昇(低下)することが示唆されている。
成生(1994)は,消費者の移動費用を乗用車使用台数(乗用車数/人口),
消費者の一戸あたりの床面積を用いて在庫費用を住戸の広さと操作化し,19 か国の国家レベルでのデータを用いて回帰分析した結果,モデル分析と整合 的な結果を得た。これをさらに精緻化したのは都道府県単位に集計されたセ ンサスを1979年から2004年まで時系列方向にパネル化したデータで分析し た松井・成生(2003)である。松井・成生(2003)は国際比較ではなく,日 本国内での地域差に着目し,都道府県単位で時系列のパネルデータを構築し,
実証研究を行った。この結果,乗用車使用台数という消費者の移動費用の上 昇,一戸あたりの床面積という消費者の在庫費用の低下,そして人口密度の 上昇は,それらが県民所得でコントロールされたとき,小売店舗密度を低下 させることを明らかにした。
これら一連の実証研究が明らかにしてきたのは,小売店舗数または小売店 舗密度へ影響する要因は,一人あたり乗用車数,一住宅あたり延べ面積にあ り,二つの変数が小売店舗数と小売店舗密度(=小売事業所数/人口)へ負 の影響を与えている点にある。自動車で移動して小売店まで買い物に行って 帰るという意味での流通活動を消費者が遂行するならば,その部分の流通活 動は小売店に委ねる必要がない。小売店の存在という流通サービス(空間的 利便性,市場分散化)が提供されるのではなく,消費者が自身で流通機能を 遂行すれば足りる。また,買い物して帰宅し,一定量の商品を自宅へストッ クしておけるのであれば,小売店等に在庫機能を遂行してもらう必要がない。
つまり,物流面で消費者が流通機能を遂行するようになれば,その分,流通 業者の活動領域が減少し,小売店の店舗数または店舗密度が減少する。
卸売研究
本論文で検討したいのは,サプライ・チェーン側の要因,卸売業者側の要 因である。小売店が存続しうるのは,小売店のオペレーションが優れている からだけでも,流通政策だけでもなく,それらは一要因に過ぎないはずであ る。自身の商圏の顧客層のニーズへ小売店が対応するためには,その商品調 達およびマーチャンダイジング政策,それを支える卸売業者との関わりも重 要となる。本論文が着目するのは,小売と卸の関係であり,効率的な卸売業 者の活動が小売業者の活動を支えるという側面である。
小売研究ではかなりの成果が認められる一方,卸売研究の進展は緩やかだ と思われるし,問題意識も散発的と言えるだろう。「卸売に関する研究(蓄 積)が少ない」という指摘は何度となく繰り返される(e.g. Dawson 2007)し,
本論文が立脚する問題意識に基づく研究は,筆者が知る限り,ほとんど見ら れない。かつて,Hall(1948)やBaligh and Richardz(1967)が精緻化させ た「取引総数極小の原理」は,卸売業者の効率的な活動がマクロ的にもミク ロ的にも取引の数を減少させるという意味で流通の(費用)効率性を高める
ことをシンプルなモデル分析で示した。他方,Rosenbloom(1987)は,メーカー やベンダー,小売や顧客に対して卸売業者が遂行するタスクがチャネルを効 果的(ないし費用効率的)にするという卸売業者のマーケティング活動や流 通活動に着目したフレームワークを提示した。売り手-買い手間の関係性や ビジネス・ネットワーク(e.g. Kumar1995, Ford et al 2011)の延長線上で小売 と卸売のオペレーションを研究するものもある(e.g.浦上 2000, 菊池 2010)。
卸と小売の関係を捉えようする本論文の問題意識に対し,これら既存研究 は現実を整理するための視点を提示してくれるものの,そうした現実をどの ように分析したり,扱ったりすべきかという点に対する示唆が少ない。
こうした中,小売店舗数と卸売の関連を空間的に検討した研究に黄(1991)
がある。黄(1992)は,生産と小売の空間構造が卸売の空間構造に影響する と仮定(p.58)し,Wt,i = K2t Mbtt,i Rctt,i,の式から分析をはじめている。ここで,
t:時点,i:地域(1,2,...,n),W:卸売業者数,R:小売業者数,M:生産者数,
K:有利性を指す。これを展開し,東京,大阪,愛知,沖縄を除いた都道府 県パネルデータを1979年,1982年,1985年でプールして構築し,共分散構 造分析を行っている。その結果,人口が小売事業所数へ正に,小売事業所数 が卸売事業所数へ正に,生産者数が卸売事業所数へ正に,そして土地価格が 卸売事業所数へ負に影響することが,二期間43 都道府県のpooled dataで確 認されている。黄(1991)は,人口と小売事業所数,小売事象所数および工 業事業所数と卸売事業所数,土地価格と卸売事業所数の関係,そして,卸売 の集積に対して土地価格が負に影響する(高い地価が卸売の集積を阻害しう る)ことを43 都道府県で明らかにした。東京,大阪,愛知という卸・小売 が集積している地域を除外してなおこれら結論は観察できる。
杉本(2011)は、黄(1992)と因果関係を逆にして卸売事業所数と小売事 業所数の関係を検討した。黄(1992)と杉本(2011)は,仮定する因果関係 の方向が異なっているが,これは高宮城(1997)の整理にしたがえば,黄(1992)
は卸売業の「環境決定的な視座」(高宮城1997, pp.4-5)に,杉本(2011)は
「能動的行動主体」(高宮城1997,p.5)に立脚したと言える。個別卸売企業を 分析する観点からは主体決定的なアプローチ(能動的行動主体,戦略的行動),
集団として卸売業を扱うときは環境決定的なアプローチの方が卸売を捉えや すいと筆者には思われるが,現実にはこの両者が混在しているはずなので,
ここでは,二つの立場に関する議論を避け,卸売事業所数(ないし事業所密 度)と小売店舗密度は正に関連することだけを確認したい。
なお,黄(1992)の分析で東京,大阪,愛知が除外されているのは,「卸 売の集積規模」が他の都道府県に比較して大きいことから「外れ値ないし 異常値」を除去するため(p.132)である。除外された東京,大阪,愛知は,
高い水準で卸売活動がなされ,多くの卸売事業者が集積している卸売中心地 と解釈できるだろう。中心地に対して卸売研究が検討してきたのは都市中心 性(city centrality)で,例えば,Siddar(1961),Revzan(1965), Bucklin(1972),
米谷(1975)等によるW/R 比率の検討が挙げられる。しかし,それら研究 はあまり明確な結果を示していないように筆者には思われる。
W/R比率の取り扱いがやや難しいのは,(1)指標の高低が流通経路の長 短を示すとは限らないこと(流通経路が長いときW/R比率は高いが,逆は 成立しない),(2)業種別に計測しようとする際,卸売業の産業分類に対応 させる小売業をどれにするのか,多くの小売業種を横断的に活動しているは ずの百貨店・スーパーをどのように扱うのかという産業分類調整上の問題が あること,(3)空間的な分析として扱う際,販売額ベースのW/R比率が大 きいと小売業に対して卸売業の活動水準が高いから,その地域は卸売中心地 として扱うことになるものの,その場合の卸売中心地の意味合いが不明瞭で あること等がある。空間的な分析の場合,詳細に検討しようとすると(2)(3)
の問題が生じやすいと思われる。
卸売業による活動度の高さと規模を示す変数として,本論文では,W/R
比率ではなく,卸売業者による生産性を採用する。杉本(2011)で検討した ように,卸売業者の生産性にはいくつかの測度があり,商業統計を使用する 場合,労働生産性(従業者一人当たり年間商品販売額)または商品回転率(年 間商品販売額/商品手持額)が考えられる。前者は,卸売業者の平均的な規 模と活動度の高さが反映されていると考えられ,後者は卸売業者の平均的な 物流効率が反映されていると考えられる。
本論文では労働生産性を採用する。これを採用する第一の理由は,商品回 転率の分子である商品手持額(商品取得時の原価評価)は,簡易調査の商業 統計では調査されていないため,継続的に使用できるのは労働生産性である というデータ利用上の問題である。第二に,流通の空間構造を検討する場合,
既に検討したようにその集積規模が反映された指標の方が望ましいが,次節 で定義する集計水準での卸売業の労働生産性とW/R比率は0.8以上のピア ソン相関を持っており,W/R比率が捉える中心地性をある程度把握可能と 考えるためである4。
卸売業者の労働生産性と小売店舗密度が関連するという場合,いくつかの パターンが考えられる。卸売業者が高い水準で活動し,小売業者の販売活動 を背後から支えるものである。ただし,こうした卸売業者の活動が,多くの(中 小)小売店舗を存続させる方向に作用するのか,それとも中堅以上の小売業 者に集中して高いパフォーマンスを挙げるのかは,小売店が置かれた競争状 況にも依存するだろう。逆に,小売店が維持・存続するために,直面する顧 客のニーズにさらに高い水準で対応するために卸売業者へこれまで以上の業 務を要請した結果,卸売業者の活動度が上昇することもありえるだろう。こ の問題は,上述した卸売業が「主体決定的」か「環境決定的」かという議論
4 次節で定義する集計水準で分析した場合,W/R比率と飲料・食料卸売業の労働生産性のピア ソン相関係数は,1985年:0.8270,1988年:0.8341,1991年:0.8371,1994年:0.8512,1997年:
0.8356,1999年:0.8502,2002年:0.8561,2004年:0.8855,2007年:0.8983であった。
であるが,現段階で我々はこの問題に対する解答を得られる理論的蓄積を得 ていない。このため,本論文ではこれ以上の議論を避け,卸売業者の平均的 な労働生産性と小売店舗密度がどのような関係にあるのかを検討する。
本節の整理
ここまでの議論を整理しよう。「均衡アプローチ」「最適化アプローチ」と これに関する実証研究,そして「食料品アクセスマップ」が明らかにしてき たのは,乗用車保有台数が小売店舗数ないし小売店舗密度に影響するという 点である。また,前者の研究群からは人口密度と小売店舗密度の関連が見出 されている。黄(1992)と杉本(2011)は,仮定する因果関係が異なるもの の,卸売事業所数と小売店舗密度の(正の)関連を明らかにした5。これら を整理すると,〔図1〕のようになり,卸売生産性(労働生産性)が小売店 舗密度の関係部分で示されている点線の部分がどのようになるのか,検討す ることが本論文の目的となる。
〔図 1〕本論文の検討対象
卸売事業所数 卸売生産性
小売店舗密度
乗用車保有台数 人口密度
+
+ +
-
松井・成生(2003)
黄(1992)
5 「最適化アプローチ」が主張する一住宅あたり延べ面積は,筆者が有するデータからは構築が やや難しいため,今回は除外する。
Ⅲ.実証分析
本節では,卸売業者の労働生産性と小売店舗密度の関連について検討する。
以下,必要なデータの説明,分析結果の説明,分析結果の検討に関する議論 を行う。
データ
本論文で検討するのは卸売と小売の対応関係だが,卸売と小売を量的な データで対応させることはそれほど容易ではない。何故なら,「卸と小売の 関係」という場合,それは事業者間の取引関係や接触関係が想起されるのが 自然なのに対し,個別卸売事業者と小売事業者とのトランザクションデータ を複数企業で入手し,分析・公開することは極めて困難だからである。いき おい,卸と小売の関係を特定するための研究は事例研究になりやすい。
本論文は前節で検討した構造を検討するため,複数の政府統計を都道府県 単位で節合させたデータを使用する。「INDB商業統計表」(株式会社アイ・
エヌ情報センター)を用いて,1985年から2007年まで9期間の商業統計を 都道府県単位で抽出する。同じく「都道府県基礎データ」(公益財団法人統 計情報研究開発センター)を持いて,1985年から2007年までの自家用乗用 車数(国土交通省自動車交通局,自動車保有車両数),人口総数(人口推計)
を都道府県単位で抽出する。この二つのデータセットを節合させ,都道府県 単位でのパネルデータを構築した。「INDB商業統計表」では2012年の「平 成24年経済センサス-活動調査」「<産業別集計>卸売業,小売業」が抽出 可能だが,商業統計との時系列接続が困難と判断したため,本論文では考慮 の対象外とした。
マクロレベルの卸売業と小売業を分析することがデータ構築上最もシンプ ルだが,そうした分析では業種や取扱いアイテムによる違いが全て集計され てしまって構造が明らかになりにくくなるため,本論文では業界を特定した
い。卸売業は小分類512:食料・飲料卸売業,小売業は中分類57:飲食料品 小売業,および業態分類:食料品専門店,食料品中心店,食料品スーパー,
コンビニエンス・ストアを採用する。杉本(2011)では,小分類573:食肉 小売業,小分類575:野菜・果実小売業,小分類577:米穀類小売業が小売 業の中分類:57に含まれることを考慮し,卸売業は小分類511:農畜産物・
水産物卸売業を含む中分類51:飲食料品卸売業を採用したが,本論文では より詳細に512:食料・飲料卸売業との関連を検討する。つまり,(集計水 準での)小売の方が品揃えの幅が広い。
なお,都道府県を単位としてデータを構築し,そこに所在する卸売事業所 と小売事業所のデータを対応させる場合,(1)同一の行政区域に立地する同 一業界の卸売業と小売業は取引関係にある,(2)卸売内部での流通段階(卸 売段階)は考慮しないと仮定していることになるだろう。
(1)は,事業者間の取引関係や接触関係を量的なデータで捉えようとす る際の単純化仮定で,過度の単純化となる恐れがあるかもしれない。何故な ら,卸売業者は,地域の消費者・顧客に根差す小売業者と異なり,同一地域(こ こでは都道府県)内部での活動に縛られないこと(Vance 1971)に競争優位 の源泉の一つがあるから,例えば広範囲に活動する卸売企業にとってこの仮 定が妥当しないことも考えられる。
しかし,本論文で採用する商業統計は事業所統計だから,全国卸などの卸 売企業が各地で活動しようとも,その拠点である支店・営業所は卸売事業所 として存在していれば,その活動を商業統計は地域の事業所として把握して いる。このため,大規模卸売業の企業単位での活動を把握することは難しい ものの,その企業が保有する事業所それぞれの活動をとらえるという視点に 立てば,第一の仮定を置いて都道府県データを用いることにそれほど問題は ないだろう。
分析
本論文で構築したのは,1985年から2007年までの22年間9期にわたる 47都道府県のパネルデータである。このデータでは,都道府県間に関する 分析(クロスセクション),個別都道府県における時間的推移の分析(時系 列分析),両者を統合したパネル分析の三タイプの分析が可能である。
このうち,本論文は時系列方向の変動を所与としたクロスセクションの分 析を選択する。クロスセクションでの分析で地域間格差を検討することが本 論文の目的だからである。パネルデータで時系列方向の変動を分析しようと する際,事前に単位根を確認し,共和分関係を検討する必要があるだろう(e.g.
Matsui 2011)。こうした分析は,一定期間における安定的な関係を検討しよ うとするものだが,本論文で検討する卸と小売の関係の場合,そうした時系 列的変動を確認するほどの知見を得るにはまだ至っていないため,本論文で はクロスセクションのみで地域間格差を分析する。
使用する変数は,食料・飲料卸売業の労働生産性と小売店舗密度である。
ここで小売店舗密度は,飲食料品小売業の合計,従業者規模で2人未満,3
~4人,5~9人,10~19人,20~29人,30~49人,50人以上のそれぞれ,
そして業態別統計から食料品専門店と食料品中心店(合計,個人店,法人店),
コンビニエンス・ストア,食料品スーパーを採用した。これら変数の平均値 は付表に示している。
二変数の関連を検討するため,ピアソン相関係数を推計した6。〔表 1〕は,
食料・飲料卸売業の労働生産性と小売店舗密度のピアソン相関係数をクロス セクションで推計したものである。相関係数の絶対値が0.4 以上あるものは ボールドでアンダーバー,絶対値で0.3以上0.4未満のものはアンダーバー,
絶対値で0.25以上0.3未満のものは斜字体で表記している。t- 検定の結果,
6 本論文では相関係数,偏相関係数をSAS Enterprise Guide ver.5.1,SAS ver.9.4で計算した。
〔表1〕食料・飲料卸売業の従業者一人当たり年間販売額と小売店舗密度の相関係数: 1985年〜2007年,業態別,従業者規模別 p -値が10%水準に至らないものは網掛け表記している。 相関係数の絶対値が0.4以上あるものはボールドでアンダーバー,絶対値で0.3以上0.4未満のものはアンダーバー,絶対 値で0.25以上0.3未満のものは斜字体で表記している。
p- 値が10%水準に至らないものは網掛け表記している。
まず確認できるのは,食料・飲料卸売業の労働生産性と飲食料品小売業 の小売店舗密度(従業者規模計)は1985年から2007年まで-0.4426から
-0.5517の間で逆相関していることである。ところが,全ての従業者規模カ
テゴリーで逆相関しているわけではなく,逆相関が認められるのは従業者規 模で2人未満,3~4人である。逆に,10~19人,20~29人,50人以上 では正の相関関係が認められる。
業態別にみると,食料品専門店・食料品中心店で逆相関しており,ともに 個人店ではその逆相関関係が保持されているものの,法人店では正の相関関 係となって観察される(食料品専門店の法人店2002年・2007年,食料品中 心店の1999年から2007年を除く)。加えて,1997年以後,食料品スーパー が逆相関し,コンビニエンス・ストアが正相関している。食料品スーパーと コンビニエンス・ストアは1997年を境に業態定義の変更7がなされている ため,1997年以前と以後の違いは統計定義上の違いである疑いが強い。売 場面積規模で比較的小規模な店舗がコンビニエンス・ストアとして分類され るようになったため,食料品スーパーとして分類する小売店も小規模なもの が含まれるようになっており,1997年以後の食品スーパーはそれ以前に比 べると小規模なものが含まれている。
しかし,〔表1〕は二変数の相関係数だから,第三の変数の影響が考慮さ れていない。前節で確認したように小売店舗密度に影響すると思われる要因 は複数存在し,それらを考慮してモデルを特定化する必要がある。卸売生産
7 「500平米以上,セルフサービス,食が70%以上」が食料品スーパーであったものが「250平 米以上,セルフサービス,食が70%以上」へ,「50平米以上500未満,セルフサービス,12時 間以上の営業時間または21:00以降に開店」がコンビニエンス・ストアだったものが,「50平 米以上250未満,セルフサービス,14時間以上の営業時間で食料品を扱っている」へ変更され ている。
性と小売店舗密度に因果関係が規定できれば重回帰分析でモデル化できる が,相関関係を検討しようとする本論文は回帰分析を採用せず,偏相関係数 を推計する。偏相関係数は,第三の変数の影響を除去した二変数間の相関係 数である。
〔図1〕で整理した乗用車保有台数,人口密度,卸売事業所数を第三の変
数(部分変数)として,食料・飲料卸売業の労働生産性と小売店舗密度の偏 相関係数をクロスセクションで推計したのが〔表2〕である。〔表1〕と同様,
相関係数の絶対値が0.4以上あるものはボールドでアンダーバー,絶対値で 0.3以上0.4未満のものはアンダーバー,絶対値で0.25以上0.3未満のもの は斜字体で表記しており,t- 検定の結果,p- 値が10%水準に至らないもの は網掛け表記している。
まず確認できるのは,〔表1〕では1985年から2007年まで確認できた食料・
飲料卸売業の労働生産性と飲食料品小売店舗密度(従業者規模計および従業 者規模2人未満)の逆相関が,1994年,2004年,2007年では観察されない という点である。従業者規模3~4人では1997年,1999年,2002年の三期 間しか逆相関が確認されない。また,従業者規模20~29人および30~49 人では1985年と1988年,従業者規模50人以上では1991年から2007年ま で正相関が観察される。
業態別にみると,食料品専門店の合計では1985年から2002年まで逆相関 が観察され,個人店ではその逆相関関係が期間中保持されており,法人店 では1999年まで正相関が観察される。食料品中心店の合計では1999年か ら2007年まで逆相関しているが,個人店・法人店の別でみると,個人店は 1994年を除いて1985年から2004年まで逆相関関係が観察され,法人店で は1985年から1997年まで正相関が観察される。
〔表 1〕では相関関係がかなり広範に認められていたが,〔表2〕では部 分変数の導入によってかなり限定されている。相関関係が認められなく
〔表2〕食料・飲料卸売業の従業者一人当たり年間販売額と小売店舗密度の偏相関係数: 1985年〜2007年,業態別,従業者規模別 部分変数:人口密度,卸売事業所数,乗用車保有台 p -値が10%水準に至らないものは網掛け表記している。 相関係数の絶対値が0.4以上あるものはボールドでアンダーバー,絶対値で0.3以上0.4未満のものはアンダーバー,絶対値 で0.25以上0.3未満のものは斜字体で表記している。
なったセルは,部分変数の影響が入り込んで卸売生産性と小売店舗密度の関 連性が消えている。
分析結果の検討
〔表1〕および〔表2〕から確認されたのは,飲料・食料卸売業の労働生
産性と食料品小売業の小売店舗密度の相関関係が,小売の従業者規模と業態,
そして店舗のタイプによって異なることである。
飲料・食料卸売業の労働生産性と食料品小売業の小売店舗密度は負の相関 関係を持っており,これは小売の集計水準が高いとき(食料品小売業計,食 料品専門店計,食料品中心店計)および小売の規模が小さいとき(食料品小 売業の従業者規模2人未満,食料品専門店と食料品中心店の個人店)に確認 されやすい。逆に,正の相関関係は,小売の規模が大きいとき(食料品小 売業の従業者規模50人以上)および法人店(食料品専門店と食料品中心店)
に確認されやすい。
本論文で扱ったのは都道府県データだから,ここでの卸売生産性や小売店 舗密度の高低は,それら指標に関する空間的な格差の問題である。卸売生産 性が高いのは,東京,大阪,愛知,宮城といった地域で,大阪を除くとこれ ら地域では,食品専門店および食品中心店の法人店舗の比率が高く,個人店 の比率が低い傾向がある。他方,卸売生産性が低いのは,和歌山,沖縄,高 知といった地域で,これら地域では,食品専門店および食品中心店の個人店 の比率が高く,法人店の比率が低い傾向がある。
従業者規模で大きい小売店舗や法人店が多く存在する地域では卸売業が高 い生産性を発揮している一方,小売の生業性(個人店の比率の高さ,従業者 規模の小ささ)が残存する地域では,卸売業の生産性が低いままで抑えられ ている。前者(正相関)の場合,人口の多い地域で市場としての魅力は高 く,小売が同一業態内外での競争に直面して効率化せざるを得ない状況に置 かれ,店舗数は一定以上にならず,これと取引する卸売業者の生産性ないし
効率性も高まると思われる。
後者(逆相関)の場合,比較的人口の少ない地域へは多くの小売店が参入 しにくいだろうから,地域に根差した小規模な生業小売店を媒介して消費者 に商品・サービスを流通させることは現実的なあり方の一つだろう。こうし た小規模な生業店の店舗密度が高い場合8,卸売業は平均的に高い生産性を 発揮しない。実数としての小売店舗数は都市部の方が多く,人口も都市部が 多いから,比率の指標である小売店舗密度の高低はそれ単独では評価しにく い。このため,地方で小売店舗密度が高くても,その値をもって店舗が多く 存在しているとは必ずしも言えず,それは人口の少なさが反映されているに 過ぎない。人口が少なく小売販売額は少ないのだから,卸売業の労働生産性 は低くなりやすいと思われる。
田村(1986)は,大型店の発展度が低いこととともに「市場スラック」を 指摘した。市場スラックとは,高度経済成長はじめ高い市場成長率の下で生 業小売店が存続するだけの市場の隙間ないし緩み(スラック)の存在を指す。
田村(1986)の主張は,本論文のような空間構造ではないものの,「スラック」
という視点からは「空間的な市場スラック」とでも言うべき地域が発生して 個人店が残存しやすいのではないだろうか。
ただし,大阪府のように卸売生産性が高いにも関わらず,個人店の比率が 高い地域もあり,都道府県を単位とする場合は地域特性を考慮した検討が必 要であるか,もしくは都道府県よりも低い集計水準に切り替える必要がある かもしれない。
8 実数としての小売店舗数は都市部の方が多く,人口も多いから,比率の指標である小売店舗 密度の高低はそれ単独では評価しにくい。このため,地方で小売店舗密度が高くても,それをもっ て店舗が多く存在しているとは必ずしも言えず,それは人口の少なさが反映されているに過ぎな いこともある。
Ⅳ.結論と今後の課題
地域のコミュニティは地域に暮らす人々がそれを支えてきたものの,現代 では地域の人々が自身の生活を送るための買い物にさえ不自由しかねない状 況が散見される。こうしたコミュニティを支える一つの要素に小売店のオペ レーションやその店舗数があるが,本論文では,小売店舗数と卸売の関係を 検討した。
食料・飲料卸売業,飲食料品小売業に関して検討した場合,卸売業の労働 生産性と小売店舗密度は正の相関と負の相関を持つことが明らかになった。
比較的規模の大きい店舗と法人店と正の相関,比較的規模の小さい店舗と個 人店と負の相関を持つ。これは,卸の生産性が小売店舗密度を増減させる可 能性を示唆する。冒頭の議論との関わりでは,小売店舗密度ないし小売店が 減少して消費生活に支障が出ることの方が問題であるから,卸の生産性が小 売店舗密度を減らす可能性があることは注目すべきと思われる。
卸売業者の生産性が,小売の規模と業態のタイプに応じて,正の相関,無 相関,負の相関を持つことがわかったが,これは卸売と小売の対応関係を空 間的に考える場合,高い集計水準の小売業全体を検討すべきではなく,小売 規模と業態を考慮する必要があることを示唆する。シンプソンのパラドクス として認識される問題であるが,卸と小売の対応関係と検討する際,今後,
業種・業態ともに本論文で検討した以外の集計水準でも検討する必要がある だろう。
本論文では,特定の卸売業種を扱うとともに,流通段階を捨象した分析を 行った。都道府県という空間データで流通段階を考慮することが論理的に適 切か否か,技術的に可能か否か,今後検討する必要があるだろう。特に,本 論文では全く触れられなかったが,流通段階が都道府県間にわたっている場 合,空間的な相互作用の分析,都道府県間空間データに関わる自己相関の分
析が必要であるのかもしれない。この点は,今後の課題として残された。さ らに,本論文ではパネル形式のデータを採用したものの,時系列方向の検討 をほとんどしていない。これは単位根の検討が不十分であるためだが,今後,
こうした時系列方向の検討が課題となる。
また,「食料品アクセスマップ」は高齢化率(65才以上人口比率)も重 要な変数として指摘しており,「対策の必要性が認識されているところは,
店舗までの距離の長さと高齢化の両方の問題を抱えている可能性が高い」
(p.51)とする。村上(2010)や九州経済産業局(2010)等,高齢化率と小 売店舗の関係を指摘する研究はあるものの,都道府県データを扱う本論文で は,分析の過程で沖縄県(高齢化率が低く,店舗密度が高い)が異常値になり,
これへの対処が困難だったため,さしあたり考慮しなかった。しかし,今後,
この変数を検討する必要があるだろう。
本論文で見た相関分析の結果は,空間構造として安定しているものの,そ うした安定した地域間格差を保ちながら小売店が減少し,結果,都市部でも 地方でも買い物が不便になっているのであれば,その空間構造が消費者や社 会にとって意義あるものが否かやや疑わしい。労働生産性という指標でみる 限り,卸売は人口が多い都市部でその平均的な能率または効率を高めてきた が,他方で,地方の卸売の生産性は低いままに維持されてしまっている。都 市部と地方での小売のあり方がそもそも異なっていて,生業店の比率が高く 存在して卸売の生産性がそれほど高まらなくても良いことが地方流通で求め られているならばそれほど問題なかったのかもしれない。しかし,仮にそう であるとしても,そうした安定的な空間構造を卸も小売も保持してくる過程 で人口と小売店舗は減少し,結果,人々の買い物に関わる生活が便利になっ ているとは言い難い部分がある。こうした点を,中間流通の側からどのよう に支えていくのか,21世紀の望ましい流通のあり方はどのようなものなの か,今後,さらなる検討が必要である。
〔付表〕変数の定義と平均値 変数規模階層および業態区分定義式単位1985年1988年19911994年1997年1999年2002年2004年2007年 食料品小売店舗密度
従業者規模計 小売事業所数/人口1000人事業所数/1000人
6.0616 5.86895.59365.0499 4.63624.2932 4.11913.92743.4623 従業者2人未満3.88353.52903.36102.91142.60122.30382.12902.02111.6936 従業者3~4人未満1.40991.43491.34411.13541.00840.84620.81820.77820.6553 従業者5~9人未満0.51630.57850.55640.55990.52920.53600.54080.49380.4687 従業者10~19人未満0.15600.20290.20190.27160.30850.36760.39610.39580.4020 従業者20~29人未満0.04740.06270.06620.08790.09680.11970.11270.11100.1070 従業者30~49人未満0.03460.04340.04610.05870.06030.06990.06570.06540.0657 従業者50人以上0.01390.01750.01790.02500.03180.05010.05650.06200.0701 小売店舗密度
食料品専門店(計)2.41092.44362.40302.21281.94432.11321.74051.63221.5255 食料品専門店(個人店)1.98891.94951.86261.63561.40121.52991.21661.13761.0245 食料品専門店(法人店)0.42200.49410.54040.57730.54310.58320.52390.49470.5009 食料品中心店(計)2.67962.48602.22171.82101.51461.30491.37521.28600.9915 食料品中心店(個人店)2.39932.16461.87221.51921.24621.05521.08230.99830.7536 食料品中心店(法人店)0.28030.32150.34950.30190.26840.24970.29290.28770.2379 食料品スーパー0.04050.32150.04400.05380.15900.16650.15560.16500.1579 コンビニエンスストア0.25480.28930.33510.38840.27480.29260.30710.31590.3261 食料品専門店売場生産性年間商品販売額/売場面積100万円/㎡0.94221.00841.08031.08041.07101.02280.97950.98591.0189 食料・飲料卸売業 事業所密度卸売事業所数/人口1000人事業所数/人口1000人0.46620.47050.48540.45690.40540.42780.38300.38120.3318 食料・飲料卸売業 労働生産性年間商品販売額/従業者数100万円/人57.718960.133769.788567.676372.783770.043769.713470.519571.5836 人口密度人口数/可住地面積人/ha13.323413.587813.516913.604713.695413.750813.680413.720113.7604 高齢者比率65歳以上人口数/全人口数%11.579612.520314.186515.944117.409018.440520.281621.133423.1817 乗用車保有台数自家用乗用車保有数/人口数車両数/人0.23570.25330.30710.35690.40890.43390.46560.48400.5000
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