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線形代数 I ・演習問題ヒント

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Academic year: 2021

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(1)

線形代数 I ・演習問題ヒント

(2020年度版)

(2)

はじめに

 この資料はホームページ掲載の演習問題  

http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/%7Eshinkato/senkeidaisuu1 2020.pdf

のヒント集です。

 この演習問題は長年にわたって出題して来たレポートまたは試

験問題のほとんど全てを集めたものなので、かなりたくさん類題

が並んでいます。この問題を利用して学習したい人は、全ての問

題に解答する必要は全くありません。どれとどれが同じタイプ

で、どれとどれが違うタイプか、見極めながら問題を選んで解答

してみて下さい。

(

ただし、式が似ているからと言って同じタイプ

とは限りません。そこは注意が必要です。

)

(3)

 この演習問題の中で、特に重要もしくは典型的と思われる問題 については、講義ノートでも取り上げ、その解き方や解答につい て解説しますが、残りの問題にについては、解答例は公開しない 方針をとっています。

 実際、皆さんがこれから大学で取り組む研究課題や、世の中に 出て直面する問題には解答例はありません。そう言った課題に直 面した時、自分の出した解答がその過程も含めて正しいと言える かどうか、問題を様々な角度から眺めて自ら検証して行く工夫を する必要があります。

 その練習台として、講義のオプションであるこれらの演習問題 を活用してほしいと言うのが、解答例を公開しない理由です。

(

たとえば、一旦解けたら、次に他の解法を考えてみるとか…。

その方が、類題をたくさんこなすより、余程効果的です。

)

(4)

 と言っても、ほとんどの問題は、教科書

(

今回指定のものとは限

りません

)

またはインターネット上の解説頁に出ているような例 題の類題なので、それらを参考にすれば解答できると思います。

また、難しめの問題には既にヒントをつけてありますが、今回は

WebClass

による遠隔講義と言うことで、通常の講義の際やその後

の休憩時間、或いはオフィスアワーなどでの皆さんからのご質問 に対応する代わりとして、もう少しだけ、解答のヒントをあらか じめご提供しておこうと思います。

 なお、講義ノートの方にも書きましたように、演習問題に関す

る質問も、掲示板で受け付けます。

(5)

教科書との対応  

演習問題の項目 教科書 行列の演算

§1,§2

行列式

§7-§11

逆行列

§6

連立方程式1

§3-§5

空間ベクトル

§11

空間ベクトル+連立方程式

§5

(6)

行列の演算

 行列の演算自体は、規則を覚えてしまえば、後は足し算、引き

算、掛け算を実行するだけですから、わざわざ練習問題にするの

も気が引けます。そこで同じ計算練習をするにしても、意味のあ

る計算をしてもらおうと思いました。

(7)

1 正方行列

(

行と列の数が同じ行列

)

の中でも、特に重要な行列

として、対称行列

( tA = A, aij = aji,

教科書

8

頁参照

)

と交代行列

( tA = −A, aij = −aji,

教科書

14

頁参照

)

があります。実は任意の

正方行列は対称行列と交代行列の和として表せるので、この分解

を具体的に公式を用いて求めてみましょうと言う問題です。

(8)

2 一般の

m × n

行列は、自分自身との積が考えられるとは限り ませんが、正方行列の場合には、何回でも繰り返しかけることが できます。これが行列のべき乗です。

 一般に正方行列

A

の2乗

A2

を計算することは難しくありませ んが、任意の自然数

k

に対して

k

Ak

を求めることは、必ずし も容易ではありません。ここで出題した行列は、何回かかけてみ れば、周期性がある

(

同じ行列が繰り返し現れる

)

または少なくと

も規則性が読み取れるものばかりです。とにかく

4

乗まで計算し

てみて、予想を立てましょう。後は数学的帰納法を用いて、その

予想が正しいことが示せれば完璧です。

(9)

 ちなみに、正方行列の

k

乗を求めることは、連立漸化式から複 数の数列の一般項を同時に求めるのと同じことです。たとえば連 立漸化式

xk+1 = a11xk + a12yk yk+1 = a21xk + a22yk

は、

A =

a11 a12 a21 a22

, xk =

xk yk

とおくことにより

xk+1 = Axk

と表せます。等比数列の一般化で

あることは一目瞭然で、一般項を表す公式は

xk = Ak1x1

です。

(10)

a

〜3

c

 今度は行列の平方根を求める問題です。実数の場合に は正の数は常に

2

個の平方根を持ち、負の数も複素数まで範囲を 拡げて考えれば、やはり

2

個の平方根を持ちました。

 しかし正方行列の場合には、一般には平方根を持つとは限りま せんし、持つときも個数は

2

個とは限りません。

 うまい解き方が思いつかないときは、とりあえずは、たとえば

2

次の場合なら

A =

a11 a12 a21 a22

または

a b c d

とおいて、

A2 = · · ·

を、その

4

個の成分に関する連立方程式と考

え、解いてみましょう。

(11)

 ちなみに

k

乗の予想が立てにくい一般の正方行列についても、

後期に線形代数

II

で学ぶ対角化

(

教科書

§21

参照

)

及びその一般化

であるジョルダンの標準形を用いると、

k

乗の一般項を求めるこ

とができます。

 また、これらを使えば平方根も全て求めることができますし、

平方根を持つ

(

持たない

)

ための必要十分条件を求めることもでき

ます。

(12)

連立方程式1

 教科書の順番に合わせて、演習問題

No.5

から先にコメントし

ます。

7 ただの3元連立方程式で、加減法、代入法などを用いてただ 解くだけなら、皆さんにとっては簡単なことです。折角、線形代 数を学んでいるのですから、逆行列または行列式を用いるクラー メルの公式

(

教科書ではクラメル、

87

頁参照

)

を使って解きましょ

うと言う問題にしています。でも、もちろん掃き出し法

(

本質的に

は加減法ですが…

)

の練習にも、利用してもらって構わない訳

です。

(13)

空間ベクトル+連立方程式  さらに飛んで

No.10

です。

16

 これは

“Ax = b”

の一般解

= “Ax = b”

の特殊解

+“Ax = 0”

の一般解

の練習問題です。講義ノートでは、2元連立方程式が式1本に なってしまった場合に例をとり、お話しましたが、文字通り1ラ ンク上げて、3元連立方程式で式2本の場合です。行列表示した とき、階数は

2

のままで

1

には落ちない問題になっていますか ら、どの小問も、解全体の集合は

3

次元空間

R3

内の

2

枚の平面

の交わりとして得られる直線です。

(14)

(1)

非斉次

(

つまりそのままの

)

方程式の特殊解を、何でもよいの で一つ見つけて下さい。そのためには、

x, y, z

のどれか一つに

0

を代入して、残りの変数について解くのが手っ取り早いでしょう。

(2)

斉次

(

つまり右辺を全て

0

に替えた

)

方程式の一般解を求める ために、その方向ベクトルを求めて下さい。

2

枚の平面のどちら

とも直交するのが注意点です。

 後で学ぶ外積

(

教科書

112

頁参照

)

を使うと便利なのですが、知 らなくても求めるのは難しくありません。

(3)

公式に従って、

(1)(2)

の答を代入するだけです。

(15)

逆行列

a

〜6

b

 とりあえず、基本変形を使って求めてみて下さい。

(4)(5)

は成分が分数で、一見面倒そうに見えますが、結果を見れ

ば、その理由が納得してもらえるはずです。

 この問題は、余因子行列を用いた逆行列の公式

(

教科書

86

頁参

)

を学んだ後で、もう一度試してみて下さい。

(16)

行列式

4 教科書

§7

で扱った置換を互換の積で表す基本問題で、レ ポート課題第3回でも符号の問題として出題しました。

a

〜5

d

 3次の行列式はサラスの方法

(

教科書

73

頁参照

)

、4次

以上の行列式は基本変形によって、それぞれ求めてみて下さい。

(3)(4)

は6

a (4)(5)

の関連問題です。

(6)

は4次交代行列の行列式を求める教科書

98

頁の問

10.4(2)

と同じ問題で、答はある2次式の2乗になります。

 5

c

は3次交代行列の固有値を求める問題で、詳しくは後期に

学びます

(

教科書

§19

参照

)

(17)

空間ベクトル

 3次元ベクトルに関する問題をいろいろ集めてあります。ここ ではベクトル

a

の長さを

||a||

ではなく

|a|

で表していることに注

意して下さい。なお 8

c

11

は後期の内容ですので、飛ばして 下さい。

a

〜8

b

 空間内の直線や平面を、ベクトルを用いて表す問題で す。与えられた条件

(

何と何が垂直とか平行とか

)

を、ベクトルの

内積や外積を用いた等式によって表します

(

教科書

§11

5

参照

)

(18)

9 定義に戻って確かめてみて下さい。

10a

10b

 与えられた条件を満たす回転を表す直交行列を外積を 利用して求める問題です。問

9

が最大のヒント。

12

 定義に戻って直接計算してみて下さい。

13a

15b

 外積の基本的な性質を確認する問題です。定義に戻っ

て「左辺−右辺」を計算し、 「0」になることを確かめればよいだ

けですが、幾何学的

(

図形的

)

意味を用いた別証明ができると、よ

り一層理解が深まります。

参照

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