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締 結 権 に 関 す る 一 考 察

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(1)

̀ 135

ヨ ー ロ ッパ 共 同 体 の 国 際 協 定

締 結 権 に 関 す る 一 考 察

A.E.T.R.事 件 を 中 心 に

'

'大 谷 良 雄

'

IA・E・T・R事 件 の 概 要

i)事 実 の経緯 II当 事 者 の立論

i)訴 訟 受理性 III裁 判所 の判決

i)先 決 問 題

ii)訴 訟 手 続

ii)本

ii)訴 訟 受 理 性iii)本 Iv判 決 の意義及 び問題性

結 語

ヨ ー ロ ッパ 共 同 体 裁 判 所 は,1971年3月31'日,共 同 体 の 対 外 的 権 能 と く に 協定 締 結 権 の性 格 につ い て ひ とつ の示 唆 を与 え る重 大 な判 決 を 行 った 。 本

(1)

稿 は ゴ この 判決 の 当事 者 で あ る委 員会 と理 事 会 のそ れ ぞれ の 立論 を 対 比 し,

原 稿 受 領 、1976年11月4日

(1)Affaire22/70,・CommissiondesCommunaut6sEurop6ennescontre ConseildesCommunaut6sEurop6ennes《Accordeurop6ensurlestrans‑

portsroutiers》.Arr6tdu31mars1971,Rbcuildela1'urisprudencede laCou「4eJTusticeaesCommunaut6EuroPiennes,Vol.XVII.1971‑3,

p・263ets.こ の 判 決 に 関 す る 論 文 は き わ め て 数 が 多 い.参 考 ま で に そ の い く っ

か を 以 下 に 掲 げ る.R.KovAR,"L'Affairede1'A.E.T,R.devantlaCour deJusti6edesCommunaut6sEuropeenes",'AnnuaireFranCaisdeDroit International,xVII,1971,pp.386‑418.w,J.GANsHoFvANbERMEERscH,

、"LesRelationsext6rieuresdelaCEEdansledomainedespolitiqaes communesetl'arr6tdelacourdeJusticedu31mars1971",cahiers

del)roiteurop6en,1972,Pl).127‑158.L.J,coNsTANTINEsco,  Arr6tde

laCourdu31mars1971dansraffaire22/70'㌔RevueTrimestriellede*

i

(2)

そ れ に対 して裁 判 所 が いか な る判 断 を下 した か,又,そ の 判決 に は どの よ う な意 義 と問題 性 が あ るか につ い て述 べ るこ とを 目的 とす る。

IA.E.T.R.事 件 の 概 要

i)事 実 の経 緯 ヨーPッ パ大 陸 に おい て 陸 上 運 輸 に た ず さわ る 人 々の 労

L(2)

働 条 件 の 調 整 の 問題 は,第2次 大 戦 以 前 か らの 懸 案 で あ った が,1962年1

月19日 に,ジ ュ ネ ー ブ の 国 際 連 合 ヨ ー一 ロ ッ パ 経 済 委 員 会(laCommission

6conomiquePourl'EuroPedesNationsUnies)の 主 催 の 下 に,共 同 体6カ

国 を 含 む 他 の ヨ ー 昌ロ ッ パ 諸 国 は,脚 「国 際 道 路 輸 送 に 従 事 す る 車 輌 乗 員 の 労 働 に 関 す る ヨ ー ロ ッ パ 協 定 」(Accordeurop6enrilatifauTravaildes6qui‑

pagedev6hiculesdesTransportsinternationauxparroute,A.E.T.R.)

に 調 印 した 。 こ の 協 定 の 調 印 国 は18力 国 に 達 した が,な お 充 分 な 批 准 国 数 を 得 られ ず に 発 効 す るに 至 ら な か っ た 。 一 方,こ れ と は 別 に,ロ ー マ 条 約 に 規定 され た 共 通 社 会 政 策 及 び 共 通 運 輸 政策 の 観 点 か ら,1969年 の3月25日 に,共 同 体 内 部 に お い て;道 路 輸 送 に 従 事 す る 車 輔 運 転 者 の 運 転 期 間 と休 息 時 間 に 関 す る理 事 会 規 則 第543/69号(lerさglementn。543/69duconseil)

(3)

が採択 さ拠 た。 この規則 は,と くに,共 璋運輸政策 の分野で共 同体に第3国

*z)roitE%7ψ6卿 ,7ann6en。3‑4・juillet‑d6cembre1971・PP・770‑809・J・

RAux,"LaCourdeJusticedesCommunaut6setlesrelationsext6rieures delaC.E.E.",RevueGin6raledearoitinternational∫)ublie,1972, pp.36‑68.D.SIlltoN,"Lesrelationsext6rieuresdeIaC.E.E.alalumiere de1'arretA.E.T.R."inLaC.E.E.4anslesrelationsinternationales, Nancy,centreEurop6enuniversitaire1972,PP.3‑131.J,Bo肌oulset R‑N.CHEVALLrER,Grandsarretsdelacour4e7'usticedescommunautis europ6ennes,TomeI,Paris,Dalloz1974,n。s13,22,38et57.V.CoNsTAN‑

TINEsco,CompgtencesetpouvoirsdanslesC・mmunaut6seurop6ennes, Paris,L.G.D.J,1974,PP.185‑192.

(2)た と え ば,1939年 にBIT(Bureauin七ernationaldutravail,国 際 労 働 事 務

局)は 一 つ の 規 約 を 採 択 す る よ う に 提 案 し た が,2力 国 の 批 准 し か 得 ら れ ず 発 効

す る に 至 ら な か っ た.又,第2次 大 戦 後 も,1954年 にOIT(国 際 労 働 機 関,ILO)

に よ り 一 つ の 協 定 が 提 案 さ れ た が,や は り,充 分 な 批 准 国 を 得 ら れ ず,発 効 す る

に 至 っ て い な い.Conclusiondel'avocat96n6ralM.AlainDUTHEiLLETde LAMoTHE,pr6sente6sle10mars1971,Rec.op.cit.,p.285.

(3)本 規 則 は,1969年4月1日 よ り 発 効 す る よ う に,1%9年3月27日 に 公 表 ざ れ

た.

(3)

ヨー ロッパ共同体 の国際協定締結権 に 関す る一 考察

137

と の 協 定 を締 結 す る権 限 を 明 記 した も の で あ る 。1970年 に な る と,国 際 連 合 ヨ 』 ロ ッパ 経 済 委 員 会 の わ くの 中 で,再 度,先 に 未 成 立 に 終 った 協 定 の 改 正 及 び 締 結 の 交 渉 が 同 年 の4月1日 か ら行 わ れ る こ と と な り,3月20日 に, 共 同 体 理 事 会 で は,こ の 国 際 連 合 ヨ ー ロ ッパ 経 済 委 員 会 に お け る交 渉 に 共 同 体 加 盟 国 が ど の よ うな 態 度 で 臨 む か に つ い て の 審 議 を 行 い,各 加 盟 国 は そ れ ぞ れ に こ の 協 定 の締 結 交 渉 に 参 加 し調 印 す る こ と に した 。 か く して,AETR 交 渉 は1970年3月20日 の 理 事 会 審 議 に も とづ き 各 加 盟 国 に よ っ て 締 結 さ れ,同 年7月1日 よ り,国 連 ヨ ー 一ロ ッパ 経 済 委 員 会 委 員 会 の 事 務 局 に よ っ て,他 の 諸 国 の 調 印 の た め に 開 放 され た 。 ・

ii)訴 訟 手 続AETRは こ の よ うに して 締 結 さ れ た が,こ れ に 対 して,共 同 体 委 員 会 は,1970年5月19日,共 同 体 加 盟 国 に よ るAETRの 交 渉 及 び 締 結 に 関 す る1970年3月20日 の 理 事 会 審 議iの廃 棄 を 求 め て,1共 同 体 裁 判 所 に 訴 訟 を 提 起 した 。 理 事 会 は,1970年7月21日 付 の 文 書 で,共 同 体 裁 判 所 に 対 して,手 続 規 則 第91条1 .項 に も と づ き,本 案 の 審 理 に 入 る こ と な く,

くの

訴 訟 の 受 理 不 能 を 宣 言 し,委 員 会 の 訴 え を 却 下 す る こ と を 要 請 した。 一 方, 裁 判 所 は,担 当 判 事(lejugeraPPorteur)及 び 法 務 官(avocatg6n6ral)

の 報 告 に も と づ き,1970年10月14日 に 理 事 会 の 抗 弁 と 本 案 の 審 理 を 併 合 して 行 う こ と を 裁 決 した 。 そ して,1971年2月11日 に 両 当 事 者 の 意 見 陳 述 が 行 わ れ,1971年3月10日 に,法 務 官 の 意 見 が 表 明 さ れ た 後,裁 判 所 が 判

  決 を 下 した の は1971年3月31日 で あ る。

(4)両 当 事 者 の 結 論 は,次 の と お り で あ る.委 員 会:加 盟 国 に よ るAETRの 交 渉

、及 び 締 結 に 関 す る1970年3月20日 の 審 議 及 び そ れ よ り 生 ず る す べ て の 権 利 を 破 棄 す る こ と.理 事 会:委 員 会 の 訴 え が 受 理 不 能 で あ る こ と を 宣 言 す る こ と 及 び 補 足 的 に は 訴 え が 根 拠 の な い も の で あ る こ と に よ り 却 下 す る こ と.Rec.,OP.cit., p.266.

(5)原 告 委 員 会 側 か ら は,法 制 局 次 長 のG.OLIVIER氏 が 代 理 人 と し て 出 席 し, 又,被 告 理 事 会 側 か ら は,事 務 局 長 で 法 律 顧 問 のE・Wohlfart氏 が 代 理 人 と

Ltて 出 席 し た.裁 判 所 側 の 構 成 は,R.LEaOURT(裁 判 長),A.M.DONNET, A,TRABuccHr,RMoNAco,J.MERTENsdewlLMARs,P,PEscAToRE

(担 当 判 事),H.KuTscHERで あ る.叉,法 務 官(avocat96n6ral)は,M.A.

DuTHEILLETdeLA1¥[oTHEで あ る.,

(4)

皿 当 事者 の立 論

i)訴 訟受 理 性 訴 訟 は,ま ず,理 事 会 側 の先 決 的 抗弁 で あ る 訴 訟 受理 性 の問 題 か ら開 始 され た。 両 当事 者 の主 張 は以 下 の とお りで あ る。

A)理 事 会1970年3月20日 の 理 事 会 審 議 は,ロ ー マ 条 約 第173条 の 意

味 に お け る 訴 訟 に な じむ 「行 為 」(acte)で は な い と考 え る 。 そ の 理 由 は 以 下 の とお りで あ る。

1.訴 訟 受 理性 の分 野 に おけ る 裁判 所 管 轄 権 の 本 質 的 な 特 性 を 想 起 す る と,共 同体 機 関 の 間 の訴 訟 に お い て は,と くに 厳 格 な方 式 が 適用 され るべ き

(7)

で あ る。 問 題 の審 議 が ローマ条 約 第189条 の意 味 に おけ る 「行為 」 で あ る と す るな らば,そ の形 式,目 的,内 容 に お いて は,規 則,決 定,命 令 を構 成 せ ず,そ れ 故 に,第173条 の 意 味 に おけ る 「行 為」 とは な らな い と 考 え られ る。 又,い か な る仮 定 に おい て も,こ の審 議 は,権 利 を 付与 す る もので も, 義 務 を 課 す る もの で もな く,法 的 な事 情 を 変 更す る もの で は ない 。従 って, 義務 的 な効 果 を構 成す る もので は な い か ら,こ の審 議 を 訴 訟 の対 象 にす る こ

とは不 適 当 であ る。

2.理 事 会 の審 議 は法 的 とい うよ りは政 治 的 効果 を意 図 した もので あ り, この審 議 は官 報 へ の公 表 や 加 盟 国 に対 す る通 告 の対 象 とは な らず, .こ の点 に

(8)

お い て,第191条 に規 定 され た 命 令 や 決 定 とは異 な る。

(6)ロ ー マ 条 約 第173条 は 冒 頭 に お い て,「 裁 判 所 は.理 事 会 及 び 委 員 会 の 行 為 の 合 法 性 を 審 査 す る 」(1aCourdeJusticecontr61ela169alit6desactesdu

ConseiletdelaCommission)と 規 定 し て い る.・

(7)ロ ー マ 条 約 第189条 前 段 は 次 の よ う に 規 定 し て い る.「 理 事 会 お よ び 委 員 会 は, そ の 使 命 を 達 成 す る た め こ の 条 約 に 定 め る 条 件 に 従 っ て,規 則 お よ び 命 令 を 定 め,決 定 を 行 い.か つ.勧 告 又 は 意 見 を 表 明 す る 」(Pourraccomplissement

deleurmissionetdanslesconditionspr6vqesaupr6sentTrait6,le ConseiletlaCommissionarretentdesr合glementetdesdirectives, prennentdesd6cisionetformulentdesrecommandationsoudesavis).

(8)ロ ー マ 条 約 第191条 後 段 は 次 の よ う に 規 定 し て い る.「 命 令 お よ び 決 定 は,そ れ ら の 受 領 者 に 通 告 さ れ,こ の 通 告 に よ っ て 効 力 を 生 ず る 」(Lesdirectiveset lesd6cisionssontnotifi6esaleursdestinatairesetprennenteffetpar

CettenOtifiCatiOn).

(5)

ヨー ロッパ共同体 の国際協定締 結権 に 関す る一 考察

139

3.審 議 の 目的 と内 容 に つ い てい えば,理 事 会 は,1970年3月20日 の会 期 の折 に,意 見 交 換 の意 味 で,AETRの 交 渉 の過 程 で 加 盟 国 間 の協 力 を要 請 し,こ の協 定 に対 して賛 意 を表 明す るに と ど ま った。 従 って,問 題 とな っ

てい る審 議 は,加 盟 国 が共 同 の 立場 を と る よ うに要 請 した にす ぎな い もので あ る。

4・AETRの 交渉 締 結 のた め の ローマ条 約 上 の権 限 あ る 機 関 が いず れ で あ ろ うと も,問 題 の審 理 は,こ の点 に 関 して,加 盟 国 に 資 格 を 付与 す る もの で は な く,又,委 任 を与 え る もので もな い。

5.こ の審 議 を破 棄 す る こ とは,加 盟 国 の協 調 そ の もの を破 棄 す る もので は な く,協 調 の確 認 を消 滅 させ る効 果 を もつ にす ぎない 。 従 って,加 盟 国に よるAETRの 締 結 交渉 は ロー マ条約 違 反 で あ る と主 張 す る委 員会 の 目的 を 達 成 す るため に に不 必 要 で あ りかつ 不充 分 で あ る。

B)委 員 会 委 員会 は理 事 会 に よ り提 出 され た以 上 の先 決 的 抗弁 に対 して 次 の理 由 か ら反 論 す る。.

1,ま ず,共 同体機 関 の 間 の 訴訟 には 私 人 に よ る訴 訟 に比 して と くに厳 格 に方 式 が適 用 され なけ れ ば な らな い とい う理 事会 の主 張 は受 け 入 れ が た い。

裁 判 所 の管 轄 権 は,必 らず しも,異 った背 景 を もつ ロpm一 マ条約 第173条1項 と第189条 を 厳 格 に対 応 す る こ とに よって制 限 され ず,従 って,理 事 会 が 主 張 す る よ うに,た とえ,理 事会 の審 議 が,第189条 に おけ る規 則,命 令,決

(9)

定 を構 成 してい な くて も,理 事会 の 「行為 」(actes)で あ るか ぎ り,第173条 1項 に も とづ し1て,裁 判 管 轄 権 の対 象 とな り うる。

2.形 式 的 な要 素 も行為 を性 格 づ け る うえ で決 定 的 な もの とは な らな い。

公表 も通 告 もな され なか った とす る理 事 会 の議 論 は意 味 の な い もの で あ る。

問 題 の審 議 は,規 則,命 令 の よ うな 内部 法 と同様 の行 為 を必 要 とせず,従 っ て,こ の点 に お い て,公 表 及 び通 告 が な い とい うこ とは審 議 の性格 づ け と直 接 関 係 を もた ない 。

(9)ド イ ツ 語 で は 《 且andeln》,オ ラ ソ ダ 語 で は 《handelingen》,イ タ リ ア 語 で

は 《atti》 で あ る.Rec.op.cit.,P.287.

(6)

3.審 議 の 目的 と 内 容 に 関 して は,そ の 議 事 録 か ら明 らか な と お り,理 事 会 は 特 別 的 な 検 討 の 対 象 と な るべ き 国 際 交 渉 の 問 題 を 決 定 的 な 形 で と りあ つ か い,従 っ て,国 際 交 渉 の 命 令 が 加 盟 国 に 与 え られ た とみ な さ れ る。

ii)本 案 委 員 会 は,共 通 運 輸 政 策 の 分 野 及 び 理 事 会 規 則 第543/69号 の 発 効 後 共 同 体 法 に よ っ て 規 律 さ れ る領 域 で は,AETRの 交 渉 及 び 締 結 は 共 同 体 の み に よ っ て 実 施 さ れ る と し,理 事 会 の 行 為 は ロ ー マ 条 約 違 反 で あ る と 主 張 す る。 そ の 論 拠 は 以 下 の と お りで あ る。

A)委 員 会AETRの よ うな 協 定 の 法 的 基 盤 は ロ ー マ 条 約 第75条1項 に あ り,そ の 交 渉 締 結 の 手 続 は 第228条 に よ っ て 規 定 さ れ て い る と し,従 っ て,理 事 会 の 行 為 は これ ら の 条 項 に 違 反 す る と主 張 す る。

1.第75条1項 は,共 通 運 輸 政 策 の 分 野 で,共 同 体 の 対 外 的 な 行 動 に 法 的 な 基 礎 を 付 与 す る もの で あ る。 共 同 体 は,勿 論,第74条 か ら第84条 ま で の 条 項 に よ っ て 課 せ られ た 制 約 と条 件 を 尊 重 す る け れ ど も,第75条1項C

は,共 通 運 輸 政 策 の 分 野 に お け る 条 約 目的 の 実 現 と い う見 地 か ら,「 他 の す べ て の 有 益 な 規 定 」(toutesautresdisPositionsutiles)を 定 め る こ とを 規 定 して い る。 条 約 文 書 の 全 体 的 意 図 か らす れ ば,こ の 規 定 に よ っ て,よ り基 本 的 な 共 同 体 の 措 置 も認 め うる 。

2.ロ ー マ 条 約 第75条1項 に つ い て の こ の 解 釈 は,《ratiolegis(法 の 道 理)》 及 び 条 文 の 有 用 な 効 果 の 観 念 に 従 う も の で あ る 。 運 輸 の 分 野 は,そ の 性 格 上,共 同 体 の わ くを 越 え て,国 際 的 な 側 面 を もつ も の で あ り,対 外 関 係 の 面 で 共 同 体 に 適 切 な 行 動 を と る 手 段 を 与 え ず に,こ の 分 野 で 共 通 の 政 策 を 予 測 す る こ とは 不 合 理 で あ る。

3.理 事 会 自身 も,1966年7月28日 の 規 則 第117/66号(Rさglementn。

く 

117166duconseil)の 第4条2項 及 び 規 則 第543/69号 の 第3条 に お い て こ の 点 を 認 識 して い る。 そ こで は,第75条 の 規 定 を 唯 一 の 基 礎 と して,「 共 同 体 は 本 規 則 の 適 用 に 必 要 な交 渉 を 第3国 と行 う」 と規 定 して い る。

aOJourna10fficieldesCommunautesEurop6ennes,n。147dugao{it1966,

p.2688.

(7)

ヨー ロッパ共 同体 の国際 協定 締結権 に関す る一考察

141

4・ 委 員 会 は,共 同体 の権 限 が制 限 的 な もの で あ るこ と及 び 付与 され た も ので あ る こ とを認 め る ことにや ぶ さか で は な いが,対 外 的 な協 定 に関 す るか

ぎ り,こ の制 限 は第228条 よ り導 か れ るので は ない 。第228条 は,と くに, 共 同 体 に よ って締 結 され る国 際協 定 の締 結 と効 力 に関 して適 用 され る手 続 の

ー 般 的 規 則 を 定 め る こ と を 目的 と して い る 。 運 輸 の 分 野 で の 国 際 協 定 や そ の 制 限 に つ い て の 共 同 体 の 権 限 の 根 拠 と な る の は 第75条 で あ る。 委 員 会 は,

必 らず し も,運 輸 の 分 野 に お い て 第3国 との 協 定 を 締 結 す る排 他 的 権 限 を, 第75条 に も とつ い て,共 同 体 が 付 与 され て い る こ と を 主 張 して い るわ け で は な い 。 共 同 体 の 自治 的 な(autonome)行 動 に と っ て 有 益 な 原 則 が 第3国

との 協 定 締 結 に さ い して 適 用 さ れ る と考 え る の で あ る。 加 盟 国 は,こ の 分 野 で は,共 同 体 が 権 限 を 行 使 しな い 範 囲 内 で しか そ の 権 限 を 保 持 して い な い 。 共 同 体 の 共 通 規 則 が 効 力 を もつ に つ れ て,こ れ らの 規 則 に よ っ て 規 律 さ れ る 分 野 に お け る共 同 体 の 権 限 は,序 々 に,排 他 的 と な る。

5.委 員 会 は,補 足 的 に,次 の よ うに 考 え る。 仮 に,た と え,ロ ー マ 条 約 第75条 が,AETRに 関 して,共 同 体 の 対 外 的 権 能 を 正 当 化 す る法 的 基 盤 と

して み な され な い と して も,第235条 の 適 用 条 件 を 結 合 す る こ とが 可 能 で あ る。 こ の 規 定 は,共 同 市 場 の 目的 達 成 の た め に 共 同 体 の 行 動 が 必 要 と さ れ る と き,ロ ー マ 条 約 に 適 当 な 規 定 が 欠 如 して い る場 合 に,適 用 さ れ る も の で あ る 。

B)理 事 会 理 事 会 は 第75条1項 に よ っ て 共 同 体 が 運 輸 の 分 野 に お い て 基 本 的 な 措 置 を と り う る た め の 排 他 的 な 権 限 を 付 与 され て い る とは 考 え て い な い 。

1.第75条1項 は,理 事 会 が 「規 定 」(dispositions)を 「定 め る」(6tablir)

と して お り,こ の 条 項 は 充 分 明 確 に 理 事 会 の 一 方 的 措 置 に つ い て 述 べ て お

り,こ れ に は 国 際 協 定 の 締 結 は 含 まれ て い な い 。 この 規 定 が 共 同 体 の 行 動 を

自治 的 な 措 置 の み に 限 定 す る も の で あ る とす る 委 員 会 の 見 解 は 認 め が た い 。

ロ ー マ 条 約 は 内 部 的 権 限(lacomp6tenceinterne)に 対 応 す る範 囲 の対 外

的 な 権 限(lacomP6tenceext6rne)を 共 同 体 に 付 与 して は い な い 。 この 分

(8)

野 は対 外 関 係 に おけ る権 限 移 譲 の原 因 とは な らな い。共 同体 が対 外 的 な権 限 を 行使 し うる のは,第111条,第113条,第238条 の よ うに ロ ー1マ条約 が 明 確 な 規定 を設 け て い る場 合 に限 定 され る。

2.理 事 会 規 則第117/66号 第4条2項 及 び 規 則第543/69号 は,第75条 に も とつ い て共 同 体 に 国際 協 定 を締 結 す る一 般 的 権 限 を認 め た もの と解 釈 す る こ とはで きな い。

3.'AETRは 共 同 体 自身 に よる 締 結 を必 らず しも 必 要 と して い な い。 た とえ,第75条1項Cが 共 同 体 に 国際 協 協 を 締 結 す る 権 限 を 付与 して い る と 仮定 して も,そ れ は一 般 的排 他 的 な もので は な く,せ いぜ い,競 合 的 な もの で あ る。

4.又,委 員 会 が 主張 す る よ うに第235条 を根 拠 と して共 同 体 が 国際 協定 を締 結 す る こ とが 可 能 で あ る とす るな らば,本 条 に 規 定 され た手 続 が遵 守 さ れ なけ れ ば な らな い。 つ ま り,委 員会 に よ る提 案 が な され ない か ぎ り,欧 州 議会 が 諮 問 を受 け な いか ぎ り,又,理 事 会 が決 定 を しない か ぎ り,国 際 協 定

の締結 は加 盟 国 の権 限 に 帰属 す る。AETRは,必 らず しも,共 同体 自身 に よ って締 結 され な け れ ば な らない 理 由は な い。 加 盟 国が 共 同 で締 結 す れ ば 足

りる と考 え られ る。

(11)

以 上 が 本 訴 訟 の当 事者 で あ る委 員会 と理 事 会 の主 張 の 論 旨で あ る。 次 に こ れ に対 して裁 判所 が どの よ うな判 断 を 下 した か につ い て述 べ る。

皿 裁 判 所 の判 決

まず,判 決 の主 文 は次 の とお りで あ る。

1)訴 訟 を却 下 す る。

2)両 当事 者 は各 自費 用 を 負担 す る。

上 記 の判 決 主 文 に対 す る判 決 理 由(motifs)次 の とお りで あ る。

i)先 決 問 題 裁 判 所 は 本 論 に 入 る前 の予 備 的 な 議 論 と して,共 同体 の対 外 的 権 能 に関 す る一 般 的 な議 論 を 展 開 す る。 す なわ ち,ロ ーマ条 約 に お いて

両 当 事 者 の 主 張 に つ い て は,Rec.,oP.cit.,PP.266‑272,

(9)

ヨーロッパ共同体の国際協定締結権に関する一考察143

は,運 輸 政 策 の分 野 に おけ る国 際 協 定 の交 渉 及 び締 結 に 関 す る明確 な規 定 が 欠 如 して い るの で,第3国 との対 外 関 係 に 関 す る共 同体 の一 般 的 な制 度 に 言

(12)

及 す る こ と が 肝 要 で あ る とす る 。

1.ロ ー7条 約 第210条 は 「共 同 体 は 法 人 格 を 有 す る」(laCommunaut6

alaPersonalit6juridique)と 規 定 して い る。 こ の 規 定 は,第6部 「一 般 的 及 び 最 終 的 規 定 」 の 冒 頭 に 位 置 し,対 外 関 係 に お い て,共 同 体 が 第1部 に 規 定 さ れ た 目的 の す 球 て の 領 域 で,第3国 と協 定 を 締 結 す る能 力 を 享 受 す る こ

とを 意味 す る。'

2,あ る特 定 の場 合 に おけ る共 同体 の 国際 協 定 締 結 権 は,関 税 及 び通 商 協 定 に 関 す る第113条 及 び 第114条 や連 合協 定 に 関 す る第238条 の場 合 の よ う に,ロ ーマ条 約 に よ って 明示 的 に 付与 され て い る ものだ け で は な く,条 約 の 他 の規 定 や これ らの規 定 のわ くの 中 で 共 同体 の機 関 に よって と られ た行為 か

・(14)

らも同様 に導 かれ る。

3.乏 くに,ロ ーマ条 約 に 規定 され た共 通 政 策 の実施 の た め に,共 同体 は 共 通 の規 則 を定 め るが,そ の場 合,加 盟 国 は個 別 的 に も集 合 的 に もこれ らの 規 則 に影 響 を及 ぼす 義 務 を第3国 と の間 に締 結 す る権 利 を もは や喪 失 して い る。 事 実,こ れ らの共 通 規 則 が 設 定 され るに つれ て,共 同体 のみ が 共 同体 秩

くユの

序 の適 用 領 域 に お い て第3国 と協 定 を締結 しうる。

4,条 約 規定 の実 施 に おい て,共 同体 内部 の措 置 と対 外 関 係 に 関 す る措 置 を分 離 す る理 由は ない 。 ローマ条 約 第3条e項 は運 輸 の分 野 に おけ る共 通 政

(1b) 策 の設 定 を 共 同 体 の 目的 の 中 に 明記 してい る。

5.第5条 に よ り,加 盟 国 は, ,一 一 一方 に お い 七,ロ ー マ 条 約 よ り 隼 ず る 義 務

や 機 関 の行 為 よ り生ず る義 務 の履 行 を確 保 す るた めに あ らゆ る適 切 な措 置 を と らな け れば な らな いが,他 方 に お い て,条 約 の 目的 実 現 を危 くす るおそ れ

t

⑫Arr色t,point12,Rec.,op.cit.,p.274.

⑬Arr6t,points13et14,Rec.,op.cit.,p,274,

@Arr6t,points15et16,Rec.,op.cit.,p。274,

⑮Arret,points17etl8,Rec.,op.cit.,pp.274‑275.

⑯Arr6t,points19et20.Rec.,op.cit.,p.275.

(10)

く 

の あ るす べ て の 措 置 を と る こ と を さ しひ か え な け れ ば な らな い 。

6.共 同 体 の 共 通 規 則 が 条 約 の 目的 実 現 の た め に 制 定 さ れ て い る か ぎ り, 加 盟 国 は,共 通 機 関 の 外 に お い て も(horsducadredesinstitutionscom‑

munes),こ れ らの 規 則 に 影 響 を 及 ぼ し そ の 性 格 を か え る よ うな 協 定 を 結 ぶ こ とが で き な い こ とは,こ れ らの 規 定 を 比 較 参 照 す る こ と よ り帰 結 す る こ と

(18)

で あ る。

7.第74条 に よ り 運 輸 の 分 野 に お け る ロ ーマ条 約 の 目的 は,共 通 政 策 の わ くの中 で追 求 され るが,こ の 点 に 関 して,第75条1項 は,理 事 会 が 共 通 の規 則 を 設定 し,他 のす べ て の 有益 な 規定 を定 め る こ とを要 請 して い る。 同 条1項aは,こ れ らの共 通 規則 は,1又 は2以 上 の 加盟 国 の領 域 を通 過す る 国 際輸 送 に も適 用 され る。 この規 定 は第3国 か らの あ るい は第3国 に 向 け て の運 輸 に も 同様 にか か わ る。 従 って,共 同 体 の権 眼 は,国 際 法 関 係 に も及 び,問 題 とな って い る領 域 で 関 係 第3国 と協 定 を締 結 す る こ との必要 性 が 生

く 

ず る こ と も考 え られ る。

9.第74条 及 び 第75条 が 明示 的 に 国 際協 定 を締 結 す る権 限 を共 同体 に付 与 してい ない と して も,1969年3月25日 の陸 上 運 輸 の分 野 に おけ る諸 規 定 1 の 調和 に 関す る理 事 会 規 則第543/69号 の実 施 は,こ の 規 則 に よ って 規 律 さ

れ る分 野 に お け るす べ て の協 定 を第3国 と締 結 す る権 限 を共 同体 に付 与 す る

ヨの

の に 必 要 な 効 果 を も っ て い る 。

10.こ の 権 限 の 付 与 は,と く に,第3条 に お い て 明 示 的 に 述 べ ら れ て お り,「 共 同 体 は 本 規 則 の 適 用 の た め に 必 要 な 交 渉 を 第3国 と 行 う こ と が で き る 」(laCommunaut6engageraavecIespaystierslesn6gociationsqui

ser6v61eraientn6cessairespourrapPlicatiqndupr6sentrさ91ement)と

く の

し て る 。

⑰ArrEt,point21,Rec.,op.cit.,p.275.

⑱Arret,point22,Rec.,op.cit.,p.275.

⑲Arr6t,poillts23,24,25,26et27,Rec.,op.cit.,pp.275‑276.

を◎Arr6t,point28,Rec.,op.cit.,p.276.

i2DJocEn。L77du20mars1%9,P.49.Arr6t,point29,Rec.,op.cit.,P.276.

(11)

ヨー ロッパ共 同体 の国際協定締結権 に関す る一考 察

145

11.AETRは こ の 規 則 第543/69号 の 適 用 領 域 に か か わ る の で,当 該 協

く 

定 を交 渉 し締 結 す る権 限 は本 規 則 の発 動 以 後 は共 同体 に帰 属 す る。 ・ 12・ 共 同体 機 関 のわ く外 で な され るす べ て の 発 議 は 共 同市 場 の 統 一 性 と 共 同体 法 の統 一 的適 用 と相 入 れ な い ので,共 同 体 の この権 限 は 加 盟 国 の競 合

く   

す る権 限 の可 能性 を排 除 す る。 以 上 の よ うな観 点 か らゴ訴訟 受理 性 の 問題 は

く  

解 釈 され なけ れば な らな い。

ii)訴 訟受 理 性 裁 判所 は,訴 訟受 理 性 に つ い て は,主 と して 問 題 とな っ て い る理 事 会 審議 の性 格 づ け の相 異 か ら,又,補 足 的 に は,委 員会 の訴 訟 利 益 の欠 如 等 の理 由 か ら,理 事 会 に よ り異 議 を 申 し立 て られ た と考 え,次 の よ

うに 判断 す る。

1.理 事 会 は1970年3月20日 の 審議 が 第173条1項 の意 味 に おけ る訴 訟 に な じむ 行為 を構 成 して い ない と 主 張 してい るが,事 実,こ の 審議 はそ の 形 式,目 的,内 容 に おい て,第189条 の 意味 に おけ る規 則,決 定 命 令 で は な

(25)

2.第173条 の 規 定 に よ り,裁 判 所 は,「 勧 告 あ る い は 意 見 以 外 の 理 事 会 の 行 為 」(desactesduConseil.̲autresquelesrecommandationsou

tavis)に つ い こ もそ の 合 法 性 を 検 討 す る任 務 を 負

っ て い る 。 第173条 は,共 同 体 機 関 に よ っ て と られ た す べ て の 行 為 及 び 法 的 効 果 を もつ す べ て の 規 定 を

f(26)

訴 訟 に な じむ 行 為 と して い る 。 こ の 訴 訟 は,第'164条 の 規 定 に 従 っ て,ロ ー

 わ

マ条 約 の適 用 解 釈 に お け る法 の尊 重 を保 障 す る もの で あ る。

3.従 って,そ の範 囲 を第189条 に定 め られ た 行 為 の み に限 定 す る ことに よ って訴 訟 受 理性 の条 件 を制 限的 に解 釈 す る こ とは この 目的 に反 す る。 無 効

訴 訟 は,そ の 行 為 が 法 的 効 果 を う み 出 す か ぎ り,そ の 性 格 や 形 式 に か か わ ら

㈲Arr6t,point30,Rec.,op.cit.,p.276.

㈲Arr6t,point31,Rec.,op.cit.,p.276.

㈱'Arre七,point32,Rec.,op.cit.,p.276.

㈲Arr6t,points34et35,Rec.,op.cit.,pp.276‑277.

㈲ ロ ー マ 条 約 第164条 は 次 の よ う に 規 定 し て い る.「 裁 判 所 は,こ の 条 約 の 解 釈

及 び 適 用 に つ い て,法 規 の 遵 守 を 確 保 す る 」(LaCourdeJusticeassurele respectdudroitdans1'interpr6tationet1'applica七iondupr6sentTrait6).

御>Arr今t,points,38,39et40,Rec.,op.cit.,p.277.

(12)

9

(28)

ず,共 同体 の機 関 に よって と られ たす べ て の 行 為 に対 して 開放 され て い る。

4・1970年3,月20日 の会 期 の折 に,理 事 会 は,委 員会 の代 表 と意 見 を交 換 した 後 に,AETRの 交 渉 に お い て 各 加盟 国 政府 が個 々的 に 「締 結」 す ぺ き ことを決 定 して い る。 この審 議 は,一 方 で は 目的 に つ い て,他 方 に おい て は交 渉 手続 につ い て,本 質 的 内 容 に ふれ て い る。 交 渉 の 手続 に関 しては,理 事 会 は前 の会 期 に お い て 定 め た 線 に 沿 って,AETRの 交 渉 は締 結 の 当事者

、と な る加 盟 国 に よ っ て 行 わ れ 締 結 され る こ と に 合 意 して い る。 従 っ て,1970 年3月30日 の 理事 会 審 議 は,理 事 会 と委 員会 との 関 係 に お い て も 共 同体 と

 の

加盟 国 との関 係 に お いて も決 定 的 な法 的 効 果 を 創 設 した。

5.共 同体 の制 度 的 な構 造 に関 して 及 び訴 訟受 理 性 に 関 して委 員会 よ り裁 所 判 に 付託 され た問 題 は,委 員会側 の そ の 後 の不 作 為 と過 失 に か か わ って い る。 と くに,理 事会 に よ って提 起 され た抗弁 に つ い て の 評 価 は,問 題 とな っ

 の

て い る本 案 の検 討 を必 要 とす る。

裁 判 所 は,以 上 の考 慮 に よ り,訴 訟 は畳 理 され る と判 断 す る。

iii)本 案 裁 判所 の本 案 に関 す る判断 は先 の予 備 的 な議 論 とぶ まえ て次 の よ うに 展開 され る。

1.ロ ー マ条 約 に は,問 題 とな って い る協 定 の交 渉 及 び締 結 に おい て適 用 され るべ き 特 定 の条項 が な い ので,AETRの 交 渉 に つ い て は,ロ ー マ条 約 全 般 の関 連 条 項 か ら 適 用 し うる 規 定 を導 くこ とが 肝要 で あ る と 思 わ れ る。

第75条 に よ り共 同 体 に付 与 され た 権 限 を考 慮 す る と,AETRは,第228条

1項 の 規定 に も とづ き,共 同 体 に よ って交 渉 され 締 結 され な け れば な らな い

  

と考 え られ る。

2.AETRの 交 渉 及 び 締 結 に おけ る 共 同 体機 関 の間 の権 限 の配 分 は,共 同 体 に よ る協 定 締 結 に関 す る条項 だ け で は な く共 通 運 輸 政 策 に関 す る条 項 を

㈱Arr6t,points41et42,Rec.,op.cit.,p.277.

㈲Arr6t,po亜nts,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54et55,Rec.,op.cit., pp.277‑279.

GOArr6t,points,63et64,Rec.,op.cit.,pp.279‑280.

GDArr6t,points,69,70,71etく72,Rec.,op.cit.,pp.280‑281.

(13)

ヨー ロッパ共 同体 の国際協定締結 権 に関す る一 考察

147

も考 慮 して決 定 され な けれ ば な らな い。 第75条1項 は,理 事 会 が 委 員 会 の 提案 に も とづ き,経 済社 会 評議 会 と総 会(欧 州 議 会)と 協 議 の うえ,共 通 運 輸 政 策 の実 施 の観 点 か ら,共 通 規 則 も し くは他 の 形 式 に よ る適 切 な規 定 を 定

く  

め る と し て い る 。 、

3,第228条1項 に よれ ば,1又 は複 数 の第3国 あ るい は国 際機 構 と協 定 を締 結 す る場 合 に は,こ れ らの協定 は,委 員会 に よって交 渉 され 理 事 会 に よ って締 結 され る。 さ らに,も うひ とつ 追加 す るな らば,AETRの 交 渉 は 国 際 連 合 ヨ・‑pッ パ経 済 委 員会 のわ くの中 で 行 わ れ た ので,第116条1項 も同 様 に 考 慮 しなけ れ ば な らな い。 そ れ に よれ ば,過 渡 期 間 終 了後,加 盟 国 は 国 際 経 済 機 構 の わ くの 中 で は もはや 共 同の 行 動 しか と りえ な い とされ る。 この

(33)

共 同行 動 の実 施 は 委 員会 の提 案 に も とつ い て理 事会 の権 限 で あ る と され る。

4.こ れ らの 異 った規 定 を比 較 して得 られ る結 論 は,共 通 政策 の実 施 とい う目的 に おい て,加 盟 国 は とにか く共 同 体 の利 益 を よ う護 す るた め に連 帯性 のあ る行 動 を と らなけ れ ば な らな い ことで あ る。 この連 帯 性 は,1970年3月 20日 の審 議 に よって 認 め られ て お り,こ の点 に関 して は この審 議 は 批 判 の

  ラ

対 象 と は な らな い 。

5.さ らに,こ れ らの 規 定 と くに 第228条1項 か ら導 か れ る こ と は,協 定 締 結 権 が 理 事 会 に あ る と い う こ と で あ る 。 委 員 会 は,第75条1項 及 び 第116 条1項 か ら 導 か れ る よ うに,一 方 に お い て 提 案 権 の 行 使 と他 方 に お い て 第

228条1項 に も とつ く交 渉 当 事 者 の 資 格 を 行 使 す る。'し か し,こ の よ うな 権 限 の 配 分 は,ロ ー マ 条 約 そ れ 自 体 に も と つ くか あ る い は 共 同 体 機 関 に よ っ て 定 め られ る共 通 規 則 に よ る か,い ず れ に しろ,共 同 体 に 対 す る権 限 の 付 与 が

きの

有 効 に な され る交 渉 の場 合 に の み 問 題 とな る。

6.こ の点 に 関 して,今 ひ とつ 留意 しなけ れ ば な らな い の は,AETRの 最 初 の 草 案 が 作成 され た の は,共 通運 輸政 策 が い まだに 充 分 に 発展 して い な

3ZArr6t,points,73et74,Rec.,op.cit.,p.281.

饅Arret,points,75et76,Rec.,op.cit.,p.281.

B̀DArr6t,points,77et78,Rec.,op.cit.,p.281.

鱒Arr色t,points,79,80et81,Rec.,op.cit.,pp.281‑282.

(14)

い1962年 の時 点 で あ り,こ の 当 時 は この協 定 の締 結 権 は加 盟 国 に あ った。

理 事 会 に お いて 問題 の審 議 が な され た とき新 しい協 定 の作 成 は な されず,単 に,す べ て の 当 事者 に よる 批 准 が 容 易 とな るの に 必要 な 修正 が1962年 の草

くヨ  

案 につ い てな され た のみ であ る。

7.こ の よ うな 事 情 の下 で,AETRに 関 す る交 渉 は,国 際 連 合 ヨー ロ ッ パ 経済 委 員会 の わ くの 中 で 最 初 に完 成 され た 作業 が 規 則第543/69号 の 効果 に よ って共 同体 に権 限 が 付与 され る以 前 の もの で あ る とい う事 実 に よっ て特 徴 づ け られ る。1970年3月20日 の審 議 の折 に,理 事会 は 同 じ交 渉 に おけ る 第3国 との 関 係 で,も はや 完 全 な 自由を もた ない とい う 事 態 を認 識 して い

(37)

る。

8.交 渉 の この よ うな段 階 で 関 係第3国 に 共 同 体 内部 に お け る権 限 の新 し い配 分 を提 案 す る こ とは,理 事 会 の審 議 の折 に 委 員 会 代表 に よ って認 識 され た よ うに,交 渉 の 妥結 を危 くす る こ とに もな り うる。 この よ うな状 態 の下 に お い て,共 同体 の利 益 の よ う護 を 最 も有 効 な方 法 で 保 障 す る ため の 適 切 な 手 段 で 協 力 す る よ うに,1965年8月8日 の執 行機 関 統 合 条 約 第15条 に 従 っ て,解 釈 す る権 限 はそ の権 限 が 直 接 問 題 とな って い る2つ の機 関 す な わ ち理

  ラ

事 会 と委 員 会 に 帰属 す る。

9・1970年3月20日 の理 事 会 議 事 録 に よれば,委 員会 は ロ ーマ条 約第75 条 及 び第116条 に規 定 され た 提 案 権 を公 式 に は行 使 して い な い。 そ の交 渉 権 に 関 して も,委 員会 は第228条1項 の 適用 を要 求 して い な い。 従 って,交 渉

の継続 と協 定 の結 続 に おい て,加 盟国 が理 事 会 の定 め た 手段 に従 い,又,ロ ー マ条 約 第5条 の義 務 に従 って ,共 同体 の 利 益 の た め に行 動 す る ことは肯 認 され る。 この よ うな事 情 の下 で は,加 盟 国 の連 帯 行 動 の手 続 を 定 め た理 事 会

く  ラ

の 行 為 は,第75条 及 び 第228条 の 義 務 に 違 反 して い な い と 考 え られ る。

10・ 最 後 に,委 員 会 が 援 用 し た ロ ー ロ 条 約 第235条 に つ い て い え ば,こ

的Arr6t,points,82et83,Rec.,op.cit.,p.282.

B7)Arr6t,points,84et85,Rec.,op.cit.,p.282.

爾Arr6t,points,86e七87,Recりop.cit.,p.282.

㈹Arret,points,88,89,90et91,Rec.,op.cit.,pp.282‑283.

(15)

ヨー ロッパ共 同体 の国際協定締 結権 に関す る一考察

149

の 規 定 は 対 外 関 係 の 分 野 に お い て,理 事 会 が す べ て の 「適 切 な 措 置 」(dis‑

PositionsaPProPri6es)を と り う る こ と を 認 め て い る が,こ り 規 定 は い か な る義 務 を も創 設 して お らず,た と え そ れ を 行 使 しな くて も審 議 の 妥 当 幽 こ影

くるの

響 を もつ も の で は な い 。

く  

以 上 の理 由 に よ り訴 訟 は却 下 され る。

IV判 決 の意義 及 び 問題 性

i)意 義 ロ ーマ条 約 は,関 税 及び 通 商 協 定(第111条 〜第114条)と 連 合' 協 定(第238条)の 場 合 を の ぞ い て,必 らず しも明確 に は共 同体 の対 外 的 権 能 と くに 協 定締 結 に つ い て 明確 に規 定 して い ない。 ローマ条 約 に お い てそ の 対 外 的 権 能 が 明確 に 規 定 され てい な い分 野 に お い て,は た して,共 同体 が対 外 的 権 能 を 行使 しうるの か 否 か。 も し,行 使 し うる とす れ ば,そ の権 能 は共 同体 に と って排 他 的 な もの か あ るい は競 合 的 な ものか 。 本 判 決 は,最 終 的 に は,原 告 委 員 会 の 手続 的 不 作 為 を理 由に訴 訟 を却 下 して い るけ れ ど も,実 質 的 に は委 員会 側 の主 張 を認 め て,ロ ー マ条 約 に 明示 の規 定 が な い場 合 で も, 共 同 体 は対 外 的 権 能 を 行使 しうる と判示 してい る。 共 同体 に 明示 的 な対 外 的 権 能 の ほ か に黙 示 的 な対 外 的 権 能 を 認 め た とい う点 に お い て本 判 決 は 画 期 的 な もの で あ り,ヨ ー ロ ッパ共 同 体 の対 外 関 係 に ひ とつ の重 要 な影響 声 与 え る もの で あ る と考 え られ る。 又,本 判決 は,共 同体 の対 外 的 権 能 が 加 盟 国 と競 合的 な もの で は な く,排 他 的 な もの で あ る と述 ぺ て い る点 に おい て も,き わ め て重 要 な意 義 を もつ 。 即 ち,従 来,共 通 通 商 政 策 に おけ る関 税 及 び通 商 協 定 の よ うに,そ の対 外 的権 能 が ロ ーマ条 約 に 明示 的 に 規定 され て い る場 合 で

(42)

も,そ の排 他 的 性 格 に つ い て は 異 論 が あ った。 本 判 決 は この点 に関 して も裁

判所 の見 解 を 明確 に示 め してい る。

㈹Arr6t,point,95,Rec.,op.cit.,p.283.t

㈹ 訴 訟 費 用 に 関 す る 部 分 は,さ ほ ど 重 要 と 思 わ れ な い の で 省 略 す る.cf.Arr6t, points101‑103,Rec.,op.cit.,p.284.

㈲ 拙稿 「ヨー ロッパ経済共 同体 の 共通通商政策 と 通商協定締 結権」『経済法』 第

18号29‑30頁 参照 。

(16)

'

ii)問 題 性 一 方,本 判 決 に も い くつ か の 間 題 が 指 摘 され うる 。 まず,用 語 上 の 問 題 の 一 例 を あ げ れ ば,裁 判 所 は 先 決 問 題 に つ い て 述 べ た 項 で,「 共 同 体 の 共 通 規 則 が 条 約 の 目的 実 施 の た め に 制 定 され て い る か ぎ り,加 盟 国 は, 共 通 機 関 の外 に お い て も(horsdecadredesinstitutionscommunes),

これ らの 規 則 に 影 響 を 及 ぼ しそ の 性 格 を か え る よ うな 性 格 の 協 定 を 結 ぶ こ と

(43)

は で き ない 」 と述 べ て い る。 この場 合 の 「共 通 機 関 の外 」 とは いか な る意 味 か 。 共 通 機 関(共 同体 機 関)の わ くの 中で 加 盟 国 が第3国 と協 定 を締 結 す る こ とはあ りえ な い の で,「 共 通 機 関 の外 に おい て も」 とわ ざ わ ざ 述 べ る こと に意 味 が あ る とは思 え ない。 又,共 同 体 が対 外 的 権 能 を行使 す る領域 で は共 同体 が 排 他 的権 限 を 行 使 す る とい う裁 判所 の 立場 か らす れ ば,同 一 分 野 に お け る加 盟 国 の協 定 締 結 に つ い て述 べ る こ とに も問 題 は残 る。 さ らに,「 これ

(44)

ら の 規 則 に 影 響 を 及 ぼ し 」(d'affecterlesditesrさgles)と あ る が,こ の 場 合 の 「影 響 を 及 ぼ す 」(affcter)の 意 味 も 明 確 で は な い 。 共 同 体 の 自 治 的 な 規 則(lesrこglescommunautaireautonomes)に 「影 響 を 及 ぼ す 」 協 定 と は ど の よ う な も の か 。 こ の 点 に 関 し て は,別 の 項 で 述 べ て い る 「こ の 規 則 に よ っ て 規 律 さ れ る 分 野 に か か わ る す べ て の 協 定 」(tousaccordsportantsur

(45)

lamatiさrer69ieParlememereglement)の 表 現 の 方 が よ り 明 確 で あ る

ロの

と思 わ れ る。 用 語 上 の不 明確 さは 以上 に と ど ま らな いが,次 に裁 判 所 の 立 論 に お け る若 干 の問 題 点 に つ い て述 べ る。 まず 裁 判 所 は,議 論 の 冒頭 に お い て 第210条 を援 用 して 共 同 体 の 一 般 的 な 対 外 的 権 能 の根 拠 と してい るが,第

  ル

210条 に 規 定 さ れ て い る 「共 同 体 の 法 人 格 」(lepersonalit6juridique.de

原 文 は 次 の と お り で あ る."qu'ilr6sultedurapprochementdecesdisposi‑

tionque,danslamesureo血desrさglescommunan七airessontarr6t6es pourr6aliserlesbUtsdutrait6,lesEtatsmembresnepeuvent,horsdu cadredesinstitutionscommunes,pfendredesengagementssuscestibles d'affecterlesditesreglesoud'enalt6rerlaport6ett,Arr6t,point,22, Rec.,op.cit.,p.275.

向 様 の 表 現 は,ロ ー マ 条 約 第85条1項 に も み ら れ る.す な わ ち,同 条1項 次 の よ う に 規 定 し て い る.「 加 盟 国 の 貿 易 に 影 響 を 及 ぼ す お そ れ が あ り … … 」

(・u・ceptibl・ ・d'・ffect・ ・lec・mmerceent士 ・Et・ 声・m・mbre・)・

㈲Arr6t,point,28,Rec,,op.cit.,p.276.

㈲D.SIMoN,op.cit.,pp.54‑57.

(17)

ヨー ロッパ共 同体 の国際協定締結権 に関す る一 考察 ヱ51

laCommunaut6)は,は た して,共 同 体 の 国際 人 格 を も含 む か 否か,も し, そ うであ る とす れ ば,国 際 人 格 と対 外 的 権 能 の 間 に は いか な る法 的 な関 係 が あ るか。 つ ま り,国 際 人 格 が肯 定 され れば,必 然 的 に,共 同 体 の対 外 的 権 能 全 体 が導 かれ るの か。 この点 につ いて は,よ り詳細 な議 論 が 必 要 と され る と 思 われ る。 次 に,裁 判所 は,問 題 とな ったAETRの 交 渉締 結 権 が共 同体 に 帰属 す る と した 直接 の根 拠 を理 事 会 規 則 第543/69号 の規 定 に 求 めて い るが, これ は 国際 人 格 性 の 議 論 と どの よ うに結 びつ くのか 。 最 後 に,裁 判 所 は,共 同体 の対 外 的 権 能 を 排 他的 と しで い るけ れ ど も,こ の排 他 的性 格 を どの よ う に理 解 す る のか 。 同一 領域 に お い て加 盟 国が 介 入 し うる余 地 は あ るか 否 か 。 あ る とす れ ば,こ れ を 排 他性 格 との 関係 で どの よ うに理 解 す るか。

結 語

本 判 決 は,先 に も指摘 した よ うに,ロ ー マ条 約 が 明示 的 に規 定 して い な い 場 合 で も,ヨ ー ロ ッパ共 同体 が 対 外 的 権 能 と くに第3国 との協 定締 結権 を行 使 し うる こ と及 び そ れが 排 他 的 性 格 を もつ もの で あ る こ とを示 め した 点 に お い て画 期 的 な意 義 を もつ。 反 面,上 に述べ た よ うな 問題 点 も少 な くな い。 こ れ らの 諸 点 に つ い て は 稿 を 改 め て 検 討 の 機 会 を得 た い。 又,本 稿 に お い て は,紙 面 の関 係 で法 務 官(avocat96n6ral)の 立 論 につ い て の検討 を 省か ざ るを得 な か った の で,こ の点 に つ い て も,稿 を改 め て検 討 の機 会 を得 た い。

(1976.11.3)

参 考 資 料

1)Arret22/70(A.E.T.R.)

‑in七roductiondurecoursdelacommission‑13mai1970‑'JocE n。C69dulljuin1970p.9,

‑publicationdel'arr6tetdesconclusion:Recuildelajurisprudence delaCJ,C.E.一 一 一1971‑Vol.XVIIp.263.

L'arr6testd'autrepartpubli6auJocEn。c51du25mai1971P.15.

2)Documentsrela七ifsalapolitiquecommunedestransportsenrapport

(18)

'

)3

avecl'affaireA.E.T.R.

」D6qisionduConseiln。65/271/C .E.E.dul3mai1965relativea 1'harmonisationdecertainesdispositionsagantuneincidencesur

Iaconcurrencedansledoma董nedestransportsparchemindefer, parrouteetparvoienavigable.JOCEdu24mai1%5P.1500,

‑ReglementduConseiln。543/69/C 。E.E.dp25mars1%9relatifa rharmonisationdecertainesdispositionsenmatieresocialedans

ledomainedestransportsparroute.JOCEn。L77du29mars 1969p.49.

.‑

PropositiondelaCommissionn。66/581/C.耳.E.‑JoCEdu17 0ctobre1966P.3195.

AvisduParlementEurop6en.JOcEno63du3auril1967P.・993.

Avisducomit6Economiqueetsoqi'al.JOcEn。92du17mai 1967p.1802ド'

RapportLaan.P.E.Doc.s6ance1967‑1968n。31.F・

‑PropositiondereglementduConseilmodifiantcertainesdisposi‑

tionsdureglementn。543/69/C.E.E.du25marsl969relatifa

l'harmonisationdecertaines ,dispositionsenmatieresodialedans

ledomainedestransportsparroute. .JocEn。c37du20avril

1971p.5.

‑RさglementdμConseiln。1463/70/C .E.E.concernantrintroduction

d'unappareildecontr61edansledomainedestransportsroutiers.

JocEn。L164.du27juillet1970P.1.

PropositiondelaCommission.JOCEn。C82du27juin1969p.15.

D6batsauParlementEuroP6en

‑D6batssurQ .0.n。3/70(avecd6ba七).Harmρnisationdecertaines

dispositionsenmatieresocialedansledomainedestransparts

parroute,

s6ancedu141nai1970,JocEAnnexeP、E.D6batsno125mail970

p.120.

R6solutionduParlementEuroP6en・JocEn。c65dusjuipP.40.

‑D6batsurr6tatdestravauxenmati6redepolitiquedestransports .

's6ancedu15jui'n1970

.JoCEAnnexeP.E.D6batsn。126P.20.

‑D6bat

.surleRapportBEHRENDTsurdeuxiさm6rapportdelaCom‑

missionauConseilconCernantlescorτelatiqnsentrelapolitique socialeetlesautrespolitiquesdelaCommunaut6,

(19)

ヨ ー ロ ヅ̀パ 共 同 体 の 国 際 協 定 締 結 権 に 関 す る 一 考 察153

R4pportBehrendtP.EDoc.s6ance1970‑1971n。77du1。 「septem‑

brel970.

D6牽)atss6ancedu60ctobre1970.JocEAnnexeP.E.D6ba七sI1。

1290ctobre'1970.P.16.

R6solutionduParlementEurop6en.JOCEn。C129du260ctobre 1970.p..10.

‑Q .E,n。539/70deM.SEEFELDalaCommission.Harmonisdtion td

ecertainesdispositionsenmati合resocialedansledoMainedβs

transportsparroute・JocEn。c39du24auril1971・P・ .34・ 、

‑Q .0.n。4/71avecd6bat.Retarddanslar6alisationdelapolitique

・communedes .transports.一,'

s6ancedu18mai1971.JocEAnnexe幽 ・P.E.D6batsng138,mai

1971,p.69.

'

'

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