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Academic year: 2021

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(1)

NDC 542.3

方形波電源による半波倍電圧整流回路の出力特性

広*

(昭和50年9月10日受理)

Output Characteristics of Half−Wave Voltage Doubler Circuits with Square−Wave Source

Nobuhiro SATO

(Received September 10, 1975)

 最近多用されつつある方形波を電源としてこれを昇圧整流する一方法についてその基本的特性を知るため波形解析 を行ない,さらにそれが実験結果とよく一致したので報告する。

1 ま え が き

 サイリスタが開発されて以来,急速に低価格で小型化さ れたサイリスタインバータが開発されてきた。さらにパワ ートランジスタの大容量化がすすみ,最近ではサイリスタ にひけをとらないまでになってきており,これを使った.ト ランジスタインバータも実用され始めている(1)。これらの インバータの出力の方形波交流を昇圧整流する方法として 得られた方形波交流を変圧器で昇圧し,整流するものがあ る(2)。しかし,変圧器による昇圧は大形となり限度がある ばかりか素子の点孤が不ぞろいとなった場合偏磁現象を呈 する(3)。以上め欠点をとりのぞくために,インバータ出力 に,従来,高電圧小電力用に使用されていた半波n倍電圧 整流回路を直接用いて昇圧するという方法が考えられる。

今回は第1毅階として倍電圧整流回路を用いて検討した。

具体的には出力波形の解析を行なうとともにその裏付けを 得るための実験的な検討をも行なった。その結果,条件を 付けるならば上述の欠点をとりのぞくことができ,しかも 十分実用に供することができるということがわかった。以 下にその要旨を報告する。

2 波 形 解 析

 Fig.1が供試回路である。これは電圧制御形のサイリス タインバータの出力部に半波倍電圧整流回路をとりつけた ものである。記号の説明をする。Eo;直流電圧, Co;MP

コンデンサ,L;転流用のリアクトル, S−1とS−2;サイ リスタ,C1とC2;電解コンデンサ, r;保護抵抗, R;負 荷抵抗,D;ダイオード

!﹂制

Pe1

P. r2

G

s−t

r  c,

ムム

S

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P−2

C2

Fig. 1 : Half−Wave voltage doubler circuit

*電気工学科

 倍電圧整流回路への入力である方形波交流の周波数とか C1,. C2, Rの値を変化させることによって生じ得る波形は Fig・2の如くである。 Fig.2の波形のなかで実用的なもの は周知のようにリップル分の少ない(a)の波形である。こ のFig・2の(a)の波形となる範囲内での動作について説明

する。

 (1)インバータのサイリスタS−2がオンであるとする。

  倍電圧整流回路の入力部には一Eの方形波電圧が加わ   って.いる。D−1にはこの方形波電圧を電源としてC1へ   の充電電流が流れている。また前の半サイクルでC2に

一 1一

(2)

津山高専紀要第13号(1975)

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Fig.4 : Equivalent circuit, No. 1

→三 ct

  一Et+t        十       夷

Fig.5 : Equivalent circuit, No. 2

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 Fig.2 : Output waveforms

  充電された電圧がRを通して放電している。D−2には   逆電圧が加わっておりオフとなっている。

 (2)次に,S−1がオンになりS−2がオフになると倍電圧   整流回路の入力部にはEの方形波電圧が加わる。この   入力部の電圧EとC1の充電電圧とが電源となり, C2   とRに電流が流れる。C1の放電と相まってC2は充電   されていく。

   半サイクル後,再びS−2がオンになり,S−1がオフ   し,(1)の状態となる。

Fig・2の(a)の波形となる範囲内の解析を行なうのであ るが,波形の解析に便利なように①,②の2つの範囲に分 けて考えることにする。これを図示したものがFig.3で

一一

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■       I       I

 (1)倍電圧整流回路への入力は完全な方形波である。

 (2)整流器の順方向抵抗はゼロ,逆方向抵抗は無限大と    する。

 (3)回路損失はないものとする。

 まず①の範囲について考える。前に述べたようにFig・4 の等価回路が適用される。この等価回路の回路解析を行な うにあたり,電流の正方向,この等価回路が設定される直 前のコンデンサ端子電圧は,Fig.4に示したようにとるも

のとする。すると,C1の端子電圧VCIならびに出力電圧 VR(=Ri4)は容易に次のように表わせる。

       オ

   VC1==E一(E−E3)xeM tei       (1)

        ず

   yre=E49一RC2       (2)

 次に,②の範囲について考える。この範囲には,Fig・5 の等価回路が適用される。この等価回路の回路解析を行な うにあたり,電流の正方向,この等価回路が設定される直 前のコンデンサ端子電圧は,Fig.5に示したようにとるも のとする。すると電流i1, i2, C 1の端子電圧VC1ならび に出力電圧VR(=一Ri2)は次のように表わせる。

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         し

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Fig.3

(1) T12<4T2の時

 ii 一一 4.==一=一 i= e

_丑≠

 2

あ.る。①の範囲ではFig・4の等価回路が,また,.②の範囲 ではFig.5の等価回路がそれぞれ適用される。解析に先だ ち次の仮定を設ける。

    T12   1−    4T2

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(3)

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方形電波源による半波倍電圧整流回路の出力特性

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(4)

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(iii)T12>4 T2の時

      一1;Lt t

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      C2RT2  C2RT2

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(11)

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また,T・一。き、+。と,+k,,T・一。。、it,2

であり,以下同様である。

 (ii) :r12=4T2の時

i1 =一ili−er 1/ T2t

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(5)

(6)

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    (ゾ丁孟2−T・t)}     (12)

    [{(E+E,一E,)一一g:ll;Ziiiil+t−ili lt}S,ilL, }

       (ゾ㌃2一・・り・乱揚

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(13)

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       C2RT2 C2RT2

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(7)

(8)

(9)

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×{一。2rE2 sinh(1/一Zlet−lf2−T2 t+7)

+(E+Ei+[;i2,E2)×[171tliis,sinh(i/[lt{iillliEi2−T2 t)} (i4)

     ただ、。.剛一2学乃)

 以上に半波倍電圧整流回路の各部の波形解析を行なっ た。これらの式に値を代入して導かれる波形は実験結果と ともにFig.6に示す。

一3一

(4)

津山高専:紀要 第13号 (1975)

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3 結果と考察

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Fig.6(b) : Results, No. 2

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 理論波形と実験結果との一部をFig.6に示す。計算値と 実測値とはよく一致しており導出した特性式が妥当である

との裏付けを得た。これにより

 (i)サイリスタインバータの出力波形は,実際には方形   波ではなくいくぶんひずんでいるが,この回路に適用   する場合には考慮しなくてよい。

 (ii)回路損失は無視できる。

ということがわかる。また,Fig・6の波形からわかること

 (i)半波倍電圧整流回路を低周波数で動作させるとリッ   プル分を多くふくむので高周波数で使用しなければな   らない。

 (ii)半波倍電圧整流回路を低周波数で動作させるとc1   の端子電圧に極性反転の生じる場合があるので注意し   なければならない。電源部のサイリスタインバータは   低周波数で動作させる方が停滞失敗しにくいというこ   とと考えあわせると目的に応じた使い方をしなければ   ならない。

 (iii)出力に電圧変動が生じる。

である。

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2eVk

 IOmaec

ガL

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 Intsec

穿L匿誠極∬⑳畷レ砧解彦岩

例証

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 以上,方形波交流電源による半波倍電圧整流回路の出力 電圧瞬時式を導出し,検討を加えてきた。それらの要約を すると次のようである。

 1 変圧器を使用しないので偏磁現象はとりのぞかれ

  る。

 2 半波倍電圧整流回路を使うことにより小型,軽量,

  低価格化される。

 3 高周波数で動作させれば出力のリップルを減少させ  ることができる。

4 電源部のサイリスタインバータは転流条件から低周 波数で使用する方がよいが,その時にはC1の端子電 圧の極性が反転する部分が生じるので注意しなければ  ならない。

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    Fig.6(d) : Results, No. 4

1

ガL

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2〃権

 稿を終るにあたり本研究の遂行に便宜いただきました本 校山田正保助教授,激励いただきました大阪工業大学短期 大学部小寺正暁学長,岐阜大学村井由宏教官のみなさまに 深く感謝致します。

         文    献

(1)長坂長彦他,電気学会全国大会論文集[4],(昭49)577

(2)秦泉寺敏正他訳,インバータ回路,(昭43),287

(3)金東海,電気学会論文誌,(昭49)

一一 4 一

参照

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