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(薬理学) ○稲津正人、張 俊、

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1998年9月 第141回東京医科大学医学会総会

一 631 一

6

   塩基性線維芽細胞成長因子および 上皮増殖因子による培養ラットアストロ サイトのドパミン取り込み調節機構

(薬理学) ○稲津正人、張 俊、

武田弘志、松宮輝彦

7

新生児低酸素性虚血性脳障害の発症機序における グルタミン酸レセプターおよびトランスポーターの 役割

(八王子・小児科)○稲毛祐基子,岩坪秀樹

(小児科)     武井章人,星加明徳

(国立精神神経センター神経研究所疾病研究第2部)

         伊藤 雅之,高嶋 幸男

ラットアストロサイトにおけるドパミン(DA)取り 込み機構の特徴およびこの機構に及ぼす神経栄養因 子である塩基性線維芽細胞成長因子(basic fibroblast groWth factor:bFGF)と上皮増殖因子(epidermal growth factor:EGF)の影響について検討した。ラッ

トアストロサイトにおけるDA取り込みの時間依存 性について検討を行なった。10nMの[3H]DAは取り 込み開始20分までは時間に依存して取り込み量が 増えたが、それ以降ほとんど変化を示さなかった。

また、90%以上が特異的なDA取り込みを示した。

[3H]DAの濃産に依存してNa+存在下およびNa+非存 在下ともにDA取り込み量が増加し、飽和状態は観 察されなかった。細胞外液中のNa+濃度依存性につ いて検討した。Na+一free条件下では、 DA取り込み量 が約50%にまで減少した。bFGF刺激により処置2 日後をピークとしてNa+依存性およびNa+非依存性の DA取り込み量は増加した。また、 EGFで刺激した 場合においても同様にDA取り込み量は増加した。

これらの刺激によって増加したDA取り込み量は、

蛋白合成阻害剤のcycloheximide処置によりNa+依存 性およびNa+非依存性のDA取り込み量の増加が抑 制された。同様に、RNA合成阻害剤のactinomycin D 処置によりbFGFおよびEGF刺激によるDA取り込 み量の増加も抑制された。Translocationを抑制する Brefeldin A処置では、 bFGFおよびEGF刺激による DA取り込み量の増加を完全に抑制した。ラットア ストロサイトにおけるDA取り込み機構は、神経系 におけるDA取り込み機構とは異なるものであり、

新規のモノアミントランスポーターが存在する可能 性が推察される。また、EGF及びbFGF刺激により、

DA取り込み量は増加した。これら刺激によって増 加したDAの取り込み量は、 cycloheximide、

actinomycin DおよびBrefeldin AによりDA取り込 み量は抑制された。これらの結果より、培養ラット アストロサイトのDA取り込みは、 EGFやbFGFの 刺激により非神経細胞のDA取り込み部位の発現や translocationが促進的に調節されていることが示唆

される。

目的:周産期仮死に伴う低酸素性虚血性脳症(HIE)は 神経学的後遺症につながり,脳性麻痩や精神発達遅滞 の原因として重要である.グルタミン酸レセプターは シナプス間隙に放出されたグルタミン酸と結合し,神 経伝達としての機能に作用する.一方,グルタミン酸 トランスポーターはexCitOtoxicityである細胞外のグルタ ミン酸を取り除く輸送の働きをしている.今回,グル タミン酸レセプターのうち,AMPA型レセプター GluR2!3抗体並びにグルタミン酸トランスポータ■・一の

うち,EAAT4とGluT−1(GLAST)抗体を用いて,小脳皮 質における発達を観察し細胞障害の発症機序について 検討した.

 対象:胎齢17週から成人までの20例の中枢神経系に 病理学的異常のない例,早事36週から42週までの15例 の新生児仮死後のHIE例の小脳半球を用いた,

 方法:ホルマリン固定後パラフィン包埋し,小脳半 球を含む切片を,GluR213抗体, EAAT4抗体, GluT−1抗 体を用い,噸ptoavidin−biotin−peroxidase法で免疫組織化 学染色した.

 成績:1.正常成入の小脳半球では,GluR2!3はブル キン工細胞に陽性を示した.2.発達期では,胎齢17 週までGluR2/3の反応性がなく,22週よりプルキンエ細 胞の胞体が陽性となり,31週より,ブルキンエ細胞の 樹状突起が陽性となった.3.HIEでは, GluR2/3発現 は,H.E染色の変化が強くなるにつれて生後6時間より 低下し,経過とともに部分的から全体へと強く低下し ていた.生後:2週間後より再びGluR2f3の染色性が陽性 となり,生後2か月には残存しているプルキンエ細胞は ほとんど陽性であった.

 結論:1.GluR213は胎齢22週以降のブルキンエ細胞 にみられ,発達に伴って染色性が増加していた.2.

HIEではGluR2/3の変化はGluT−1の変化に遅れて出現し,

EAAT4の変化とほぼ同時期であった.3, HIEでは,

GluR2f3の染色性の回復はGluT−1より遅れ, EAAT4より 早かった.4,低酸素を来す病態ではGluR2/3も障害の 発生に関与していると考えられた.

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