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厚生労働行政推進調査事業費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)

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Academic year: 2021

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厚生労働行政推進調査事業費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)

総括研究報告書

医療の質評価の全国展開を目指した調査研究

研究代表者 福井 次矢 聖路加国際大学 聖路加国際病院 院長

研究要旨:

医療の質を継続的に改善するためには、医療の質を知ることのできる指標(質指標 Quality Indicator:QI)を測定することが不可欠である。

厚生労働省では、平成 22 年(2010 年)度開始の「医療の質の評価・公表等推進事業」を 介して、毎年複数の病院団体による QI の測定・公表を推進してきており、その事業をさら に全国展開する目的で、平成 28 年(2016 年)度厚生労働行政推進調査事業費補助金による 研究班によって「共通 QI セット」が提唱され、平成 29 年(2017 年)度以降の「医療の質の 評価・公表等推進事業」では、「共通 QI セット」の測定を求められているところである。

本研究の目的は、全国の病院で QI 測定を行うための基盤構築の一環としての「共通 QI セ ット」に含まれている QI の定義の見直しや海外で開発された指標の導入、そして QI 測定に 伴う諸課題や QI 測定を推進するための方略等について調査・研究を行うことである。

(1)「共通 QI セット」に含まれる指標定義の見直しと海外で開発された指標の導入

・日本語版HCAHPS(Hospital Consumer Assessment of Healthcare Providers and System)

を、AHRQ(Agency for Healthcare Research and Quality)が求める手順に則って作成した。

そのうえで、日本語版HCAHPSの内容妥当性、表面妥当性の確認、日本語版HCAHPSの構成概念 の妥当性を検証するためのデータ収集を完了した。正式な手順での日本語版HCAHPSの作成に 想定以上に時間を要したため、収集したデータを用いた妥当性検証のための分析は次年度に 行う予定である。2020年度は、日本語版HCAHPSの妥当性を評価したうえで、「共通QIセット」

に組み込むことの妥当性や可能性について検討する。

・患者アウトカム尺度の一つであるEQ-5D-5L(日本語版)を用いて、聖路加国際病院外科系 診療科に予定入院した患者を対象に、入院前、退院後の約1か月、約6か月でのデータ取得を 開始した。約3か月の間に日本語版EQ-5D-5Lが発行された件数は799件であり、そのうち入院 前と入院後約1か月時点でのデータが得られたのは145件であった。その145件について、入院 前後の効用値を比較すると、退院後約1か月時点での効用値は入院前に比べて低くなる傾向が 認められた。次年度は、退院後約6か月時点での効用値を測定し、退院後約1か月時点での傾 向が継続するか否かを検討する。2020年度は、聖路加国際病院における日本語版EQ-5D-5Lを 用いた効用値の測定を続け、その有用性を検証しつつ、「共通QIセット」に組み込むことの 妥当性や可能性について検討する。

(2)「共通 QI セット」測定に伴う課題抽出と測定推進

・日本病院会における「共通QIセット」に関するデータの解析では、「共通QIセット」の中 には、継続するうえで見直しが必要な指標があること、QI業務を担当する人材に関する調査 では、全国の病院でQIを測定するためには、各病院で医療情報を扱うスタッフの配置が必要 であること等が示唆された。2020年度は、QIに関して、データ収集や分析のプロセスと工夫、

必要な人材とスキル、実労働時間等、さまざまな課題を知るための調査票を作成し、アンケ ート調査を行う。

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