智山学報第四十一輯
も
の
は
如
何
に
存
在 す
る
か
時
間
と
空 間
の
量 子
化
に
つ
い
て
里
見 秀 明
〈要 旨〉 時 間と空間, これは もの に即して しか現わ れ ない。 ものが 無ければ, 時間 も空間も存在しない とい わ れる。 すると物を新たに観察しな け れ ば な ら ない 。 もの を見る とい うこ とは, 様々 な もの に名前をつ けるこ とで ある。 さ らに具体的に 認識する とい うことで ある。 今までは, 具体的認識とい うことにつ い て, 数 学, 科学 の 目 を とうし て見て きた。 そして これは 西洋文明の優越性と見ら れ てきた。 しか しそ
れは人類に必しも幸 福をもた ら さ な かっ た。 それで は東洋思想とい っ て も, 現代科学に たえ うる ものでなくては な ら ない。 少 く とも現 代科 学, 数学 と共 通の認識を持てる部分が あ る ものでな け れ ば な ら ない。 仏教は科 学であり, 密教は生命存在の科学であっ たはずである。 共産主義崩 壊は, 一 神教崩壊の予 曲にす ぎない。 嫉妬深い一神教崩壊の後に は, 生命に慈悲深い宗 教が 必要である。 一 .
も
の は如 何
に存 在す
るか 。生物
,無
生物
を含め, もの は如何に 存 在 する か。 こ の 世 界は どの よ うな もの で あるか。 とい うこ とは, 人 類が共 通に抱
い て きた関心 である。 これか ら述べ る こ とは , 平 成3
年6
月8
日, 総 本 山智 積 院で行わ れ た。 第35
回智
山教 学 大会 の 原稿
に加筆
した もの であ
る。’
まず
時
間と空 間で あるが, 我々 は何 とな く時
間とは 一 般に過 去か ら現 在, そ し て未
来へ と流 れてい くもの だ と思っ てい る。 こ の 時 間には始め と終
りがある のだ ろ うか 。 古 来 様々 な 人 が考 察 して きた。又
空間
とい うもの に つ い て も, 人々 は様
々 な関 心を抱
い て きた。 我々 の 身の 一 105 − 一もの は何如に,存在 する か, 時 間と空間の量 子化につ いて (里見秀明) ま わ りの 有 限な もの か ら, 無限の か な たに
続
く広が りへ であ
る。我々 が住ん でい る世
界
は,時
間的に も空 間的
に も有 限
であ
る か ,無
限で ある か常
に人
々 の好奇
心を集
めつ づ けて い る問題で ある。宇
宙
世界
に対 する 説 明は, 初め は 神話 的,神
学 的であっ た もの が, しだい に 哲 学 的, 自然科学的
なも
の に なっ て きた。 つ ま りこれ 等は大 別する と, 主観
的 な もの と客観
的な もの に 区別で きるの で ある。こ こ では, 客観 的な 立 場 , 即 ち現 代科 学 的 側 面に立 っ て , 仏 教,
密
教の考
え 方を考察
したい と思 っ てい る。 それに は まず, 基 本的な概念
を確
立 し て お か な けれ ば な らない。地球上 で は , リン ゴ も石 こ ろ も人 間 も
高
い 所か ら落ち る。 こ れに は 例外はあ りえ ない 。1
+1
− ・2
であ り,2
+2
・・4
で ある。 これ も人 類共 通の認 識であ る。 こ の よ うな基本
的概 念
を把
握 する必 要がある。 二 .宇
宙
で の基 本的
な数
は 三 つ であ
る 。ドイ ツ の
偉
大な数 学者
ガ ウス は 「数学は科 学の 女王 で ある」 とい っ た。 数 学 こそ もの の, 観察
と実 験 とに ならん で, 現 代 科 学を支えてい る基 本的 な要素
であ
る。現代数学
に使
用されて い る数
は有 理 数 (整数
,分数
,有限
小数
,無限小数)
・ 無理数
(代表 的 無理枚》万, 〜/す等, 超 越 数 e, π 等 ) ・ 虚 数 (純 虚 数 , 一般の 複 素 数1
十2i
,2
−V
願「等 )で ある 。そこで
仏
教 的 立場にた っ て数
を考
えて み る。 そこ に存 在 する数は1
と多 (0
と1
以外
の複素数
)と0
の 三つ で ある。 華 厳 経に は常に 一即多
,多
即 一が説 か れてい る。 これ を基 本的数
と して と らえ る と,1
と多で ある。 こ れに 空の概 念 を含
む0
を加えるの で あるoこ の考 えをお し進め る と
1
+1
昌2
ばか りとはか ぎらない 。1
+1
− 一1
であ り,3
であ り, 》i
であ
るの であ
るQ 以下は基 本 的考察
の 一例である。 、1
図は縦
, 横, 奥 行 き1
の立 方体がある とする。体積
は1
+1
−2
であ
る。次に
表面積
を考
え る。A
は6
面で6
,B
も6
面で6
, 即ち6
+6
−12
で ある 。 −106
一智山学報 第四十一輯
墅
1
EP
+
「
f
一A
B
1
図2
o
c
→D
→E
2
図田
田
十
=2
3
図 しか し二つ を くっ つ けたC
の表
面積は10
に し か な ら ない 。2
図は1
図のC
を 同体積
の ま まD
の 正立 方体にする と表 面 積は さらに小
さく
一 107 一もの は如
何
に存在 する か, 時間と空間の量子化につ い て (里見秀現)4
『
:’Lt レ
4
図 な る。 これ を 需体 積の球
体にする と,表面積
は最小
に な る。○
ス タートこ の ように , 一 つ の もの に 対して, 「 定の 糧の 計
算
ができるもの で も, 鼇の 立 場か ら考えると
,ち
カミっ た結果
がで るlo
こ の よ う
rc
1
+1
==2
であ
る とい う結果は , 絶 対釣 な もの でなく
,相対
的 な もの であ
る。、
3
図は 二軒の 家で あ る。 なる ほ ど, 家とい うこ とに か ぎっ て い えぱ1
+1s
・2
である。 し か し入 口は合計三つ ,窓
は さ らに多
く合計
6
つ に なる。 こ の よ う に , 数の 計 算とい うもの は, 相 対 的に し か 存在
しない。も う一 例ウサ ギとカメ の
競走
に つ い て考
えてみ る。仮
に ウサ ギは カ メ の 三倍 の はや さ とL
よ う。 ウ サ ギは カ メ の の ろ ま を馬 鹿に し て い た の でス タ ー ト時点
で 一一一es
みL
た。ウサ ギ は カ メ がス タ ー トか らゴ ール まで の
中問点
に藩
い たの を 見てス タ ー ト した。 これが図4
で ある。 ウサ ギが中
間点
ま でき
た とき
カ メ はす
で にの
距離
だ
け進
ん で い る。 ウサ ギが進 む とカメ も
進む。 以下
… … とつ づ き, ウサ ギは カ メに
追
い つ けない とい うのh9
−一一つ の考
え方
であ
る。実
さい に は ウ サ ギ はカメ に追
い つ くの であ
るが,光
速の 問題で は この 話が成 り立つ の であ
る。真 空 中で光は光 速よ りもは や く も な け れ ぽおそ くもない 。 こ の
光
の 速さに , 一108
一智 山学 報第四十一輯
♂
函
ロ 乃 ト
嗹
ぞ矚
5
図 すべ ての 質量 あるもの は追いつ け ない の で ある。5
図はそ の こ と を現 して い る。と ま っ て い る人聞か ら発
射
さ れた 光 も, 光の 速 度の 半 分の 速さか ら発 射 され た光
も一定
で ある。次に とまっ てい る人 間が光の 半 分の速さの 石を投 げる こ とがで きるとしょ う。 こ の人 間が光の 速さ の半分で飛ん でい る P ケ ッ トに乗 っ て ,
光
の半 分の 速 さの 石 を投げ
る。 する と 丁度 光の 速 さ と同じに なる。 とい うのか 推 論である。 ・ しか し現実
に はそ うは な らない。1
十1
=2
V
=v 十 u(ニ ュ ー トン)、 で はな く v 十zc
1
+1
欄く
2
V
≡ ・+一筆
(ア
似
シ ・ タ イ ン)
‘ と な るの である。即ち数 とい うもの は物に 即し て絶 対 的に
存
在 するの では な く,相対的
に存在
す
るの であ
る。さて, こ こ で
考察
し た三つ の数は, 様々 な現 象 とか物理量,変化
に対 して, 意味
を持ち対 応 して い るの であろ うか, 考えてみ な け れ ば な らない 。 −109
一ものは如何に存在する か, 時間と空 間の量子化につ い て (里見秀明)
謡
ノ
メ
6
図陽 子と電子に は + (プ ラス ) と 一 (マ イナ ス )の 電
荷
が ある 。 ク ォ ークに は赤
と青
と緑
の色荷
があ
る。 こ の考えに もとずい て, 三つ の 数に は ,何
らか の荷
を持
つ もの とす る。1
は1
荷
を持
ち重 力
に 当る。 多は多 荷 を持ち電磁
力に対応
する。0
は0
荷
を持
ちニ ュ ー ト リノ に対応す
る。重 力が
1 荷
を何故 持つ か は , 図に よ り簡
単に 説 明する。6
図は ある隕 石の 軌 跡を現わ した もの で ある。 一 見 複 雑で あるが, 月, 地球, 太 陽の引
力圏内
で, これ 以 外の軌跡
はと り得
な い。 重力
はい か に多
くの もの が, かか わっ てい ようと,す
べ て1
に帰 するの である。 た だ1
つ 例 外はあるが, こ こ で は除
く。故に大 陽を取 りま く惑星 も, 地 球を まわ る人工 衛星 も, 正確な位置 と
軌跡
を 計算
で きるの で ある。多 荷は電 気, 磁 気を考 えれば よい 。 + と 一 ,
N
とS
等がある。 これ を結びつ けて い る もの は光である。光
は粒
子と し ての 性質を持ち波動 とし て伝わ る。 多 荷はある単位を持
ち, 波を伴 うもの で , 二つ 以上 の 要素
を持
つ の で ある。 そし て現 象 としては 不確定性にある。0
荷は ニ ュ ー ト リノ であ
る 。 これは物 質とほ とん ど反応 しない。 しか し反応 しない こ とに よっ て, 陽子 は陽
子と して, 電子は電 子 として, 中性 子は中 性 子 とし ての 性質
を保存
て い ると思わ れ る。0 荷
は何 も無い とい うこ とで はな く, 一 110 一智山学報第四十一輯 この世
界
を 世界
と して, 宇 宙を宇宙
と して保
持す る 力 なの か も知 れ ない 。物質
とほとん ど反 応 しない 二 晶 一 ト リの は,粒
子 を発
散 させ ない何
かである と思
われる。 さらに物質
と反 癒 しない とい うこ とは, 空 問を好
む とい うこ と で ある。 空 間を解
明する鍵なの か もしれない。 三 .4
つ の力
と形 状
子
,造 形 子 (造 粒 子 )
四つ の カとは重 力, 電磁 力, 強い 力, 弱い カである。 こ の 四つ の 力がすべ て の
物
理 現 象 を支配
して い ると考
え られて い る。我
々 が知
っ て い る宇
宙
で は,何
故,陽
子, 中性
子, 電子等
そ れ ぞれ まっ た く 同 じなの で あろ うか 。 考 えて みれば不 思議 なこ とで ある。 極 端 な考 えの物 理 学老
は,唯
一つ の粒
子が四 次 元 以上 の空
間をい っ た りきた りして い るの で,実
は我
々 が見
て い る粒
子は一つ の粒
子で ある か ら同 じで ある と説 明 してい る。 し か し納 得い く説 明とはなっ てい ない 。 こ こ で仏 教で は こ の世の存 在, 物 質の 存在を どの よ うに見たか とい うことを 考 慮 する 必要がある。 そ れ は四大であ
り, 五大であり, 六大で あっ た。今
は六大に つ い て少
しく
わ しく考
えてみ る。 穴大
に は物
理的
に 二つ の性質
が 考 えられ る。 一つ は働 きと して の 六大, 他は形 と して の 六大である。我
々 は今
まで科
学の 影響
で , 元 素に近い 要 素と し て の解 釈に 重 きをお い て きた。 他 方, 六 大が持
っ て い る形, 即 ち方
, 円, 三角
,半
月, 団形 とい う形に は ,卒塔婆
や 石塔
に現
わ れ る以外
, あま り関 心がなか っ た。 し か し, 六大
の形
とい う考
えは, も う少 し, 科 学 的 認 識を持っ て見る必要がある。数
学史
で は, イ ン ドの アy
バ ータ に よ っ て十 進 法の 記 数 法 や ◎ の発 見, さら に負
の数
の発見
が な され た とい わ れ てい る。 正 しくはア リバ ータ に代表
され る 人々 に よっ て な されたの であ
ろ う。宮
坂宥勝師
が中沢新
一氏
との対 話
の中
で ,0
は紀
元前
二徴 紀頃
に著
された 『大 毘婆沙論
』に出て くると述べ られて い る 。 さ らに ◎の発見
とい うの はモ ヘ ン ジ ョ ・ ダ 翼 ま で遡
る こ とができ
, ナ進法
に よ るメ ジャ ー もモ ヘ ンジ g 。 ダ ロ で発見
され た と話
されて い る 。さらに グ ラv グプ タ (
A
.D598
〜 )はパ ン ジ ャ ブ州の生 れで, nd 次方
程式
や, −11i
一もの は如何に存在するか, 時間と空間の量子化に つ いて (里見秀 明) 二次
方
程式
の解 き方
の本
を書
い た。ご
次方程式
につ い て 見て お きたい 。 ax2 十bx
キ c・・0
上
式
の解
の公式
(a *0
, abc は定 数 )−
b
±vn
’5i
=i4ia2i
;
¢ =2a
次
に具体的問題
に当
っ て見
る。 x2 十2x
十3
・=O
・答 え
OX
x =・1
±《〆万
に な る。 こ の 中に 出て くる 〜/「「:歹
とは ど うゆ う数であるが, 平 方 し て 負に な る数即 ち虚
数であ
る。古
代
ギ リシ ャ や イ ン ドで は, 負の 数の 平方根
は存在
しない とし て除
か れ てい た。 とい うことは, その時 代の数 学者は虚 数の存
在を知 っ て い た こ とに なる。近代
数
学は 》=了
をi
とし て数
に 入れた 。 そ し て複素数
の数学
を確
立 しfc
。 こ の 数 学は電 気工学 や, 最薮物
理 学 の 超ひ も理論に用 い られてい る。実数
の数 直 線上に現わ れ ない虚数
, こ の 数 直 線を 國転 させ るこ とに よっ て,現実
の現象
として意 味
を持
っ て くる の である。 虚数
と実数
ζれ も相対 的に存
在 して い るの であ
る。絶
対 的に存
在 し てい るの であ
れ ぽ, 二つ の数
は交
わ ること なく
,実用
には な らない 。六大の形 とい うもの は, 同
時代
の イ ン ドの数学
が発展
した こ とを考
え る と,何
か物事
に対す る認識
の精神
を同じく
し てい るよう
にも
思わ れ る。数学的
,科
学的
立 場を加味 して考
え る必要があ
る。そ こ で形を実 体あ る もの と して考え る と, その
実
体 ある形を造る, 造 形子 と い うもの が考
え られ る。 エ ネル ギ ーの 大 小に よ っ て, 陽 子や電 子 等がで 磐る とす
る と, エ ネル ギ ーさえ加
えてや れ ぽ,詞
じも
の をいく
らでも造
る こ とが でき
る。さ らに 造 形子 (造 粒 子 )に よ っ て造 られた
数
子は, 形 状子に よ り, ある形を .作
っ て存在す
る。 形を造
る素材
が, 重力であ り,電
磁 力で あ り,強
い 力や弱い 一 112 一智山学報第四十一輯
≦
矧
髦
調
丁蝉
7
図 力であ
る。以下は
様
々 な形状
子の簡単
な説 明である。7
図A
,B
は三角
の枠
を取
り去 れ ば, 量 子 力 学の 基 本を説 明する初歩 的な図 一113
一もの は如何に存 在する か, 時 間と空間の量子化につ い て (里見秀 明) で ある。 図
A
は , 光 子は粒
子で ある に もか か わ らず, 穴を通
っ て反 対側
に波紋
を 画 く。 しか しこ の波紋
が何故 画かれ るの か , 画かれ る順 序は まっ た く無秩序
で ある。B
図は光粒
子が上下
い ずれか の穴
を通るが, どち らを通っ た か は 断定 で きない。 ど ち らを通るか は, まっ た く予想す るこ とはで き ない , 不確i
定 性を 説 明するの に用い られ る。不
確実性
につ い て は , 「神様
は サ イ コ ロ遊
び を し な い 」 とい っ て , ア イ ソ シ ュ タ イ ンは 最後
まで 同意
に 抵 抗 した。 大多数
の 人々 に とっ て も, 同意
は で きな くて も, 何と な く納 得させ られて い る。 ある いぼ
, 内心納 得で きな くて も同意
させ られて い る の ど ち らかで あろ う。こ の こ と は, こ れを 三
角
の枠
で囲ん だ形 とし て存 在 し て い るの だ と理解
した方
が,様
々な現 象を理解 する手 助 けになる ように思わ れる。フ ラ ク タ ル理論とい う
新
しい 考え方が, マ ンデル ブロ に よ っ て発
見された。 我々 は通 常線は一次 元, 面は 二 次 元, 立体は三次元, 三次元 に さ らに時 間を加 えて 四次 元とする とい うよ うに ,1
,2
,3
,4
とい っ た は んばな数
字 をつ か わ ない 次元 を考えて い た。し か し, 人 間 と同 じくらい の大 きさの 現
象
を考
えた場 合, そこ に は複 雑な形 や現 象があふれてい る。草木の 形や, 波や雲の 形, 水の 流れ や風の 吹 き
方
な ど考 えた 場 合, い ま まで の幾何
学で は表
現 がむつ か しい複
雑な形 をしてい る。 そ こで,1
.3
次
元や,1
.5
次元 とい っ た よ うに, 整数でない 次元で 自然 界を理解し よ うと して い るの が フ ラク タ ル 理論で あるo形
状
子(
六大 )
の研
究が進
む と, フ ラ ク タ ル 理論
との接点
がは っ き りするも の と思われる。曼
荼羅 とし て の 人 間, 法 身の三密と, 個 人の 三密
との隔合
も科
学 と矛 盾 しない もの と し て多 くの人々 に 理解
され る 日が くる もの と考え られ る。7
図A
,B
の光
子の 所を陽
子 と して,穴
の 所を軌道
と して , 波の 所を電子
と してみ ると,C
の図
に なる。 これは水素原
子の イ メ ージと して 理解
され る。の 電 荷を持っ た陽 子と,
θ
の電 荷を持
っ た電 子の 大 きな質量の 差は図に よっ て 説 明がつ くか も知れ ない 。 − 114 一智山学報第四十一輯
7
図D
は ア イ ン シ ュ タイ ソ のE
− mc2 を現 した もの である。 (一 )は左 辺 と右
辺 の式を法 則に し た がっ て交換
で きる とい うこ とで, こ こ で は交
換 子 とし た が, ま だ適
当な名がある の か も知
れない 。 とに か く, ア イ ソ シ ュ タ イ ンの式
も形
と して現わす こ とがで きる。7
図E
は ビ ッ グバ ン宇宙
を図示 し た もの で あ る。 ビ ッ グバ ンは特 異 点 が, た だ単純に拡 張 し て い っ た の で は な く, イ ン フ レ ーシ ョ ン とい わ れる急 激な拡 張 期があっ て, 現在の 宇 宙に なっ た とする理論で ある。 こ の 理 論に は同意
で きな い が, し か し, こ の理論 も図示する こ とが できる。7
図F
は物
質 と空 間と図示 した もの である。 ?マ ーク の 所に は何が くる か今
は わか らない 。 ニ ュ ー ト リノか ,背景放
射のメ カ ニ ズ ム か も知 れ ない 。 こ の 図 に よっ て宇宙
は無 限である とい うこ とが,感
覚 的に 理解
で きる。こ の よ うに一見形が な く,
無
関係の ようなもの で も, 三角
形の 中に,形
とし て現 わ すこ とがで きる。 こ の他に も様
々 な図形が考 えら
れ る が, これ が形 状 子 の存在
の証
明で ある。 四.時 間
は とび とび に経
過 す
る我々 は
業
をつ くる。 作られた業に は , 何か行動
が伴 うの で ある。今
まで持っ て いた業
に, 行動
に よっ て作 られた新
た な業
が熏 習
し て,新
しい 業になる。行 動は
時
間の経
過を伴 う。業
と して行動
をとらえた場合
, そ れは実
体 ある も の の 時 間 的 変化で あ る。 時 間 と業 と行動を考え た 場合, そ れ を関係づけるの は 熏 習であ
る。時
間を実
体と考
え た場 合, それを伝 へ るの は熏 習
である。量 子 として の
粒
子 が,波動
の性 質を示 し, そ れ が発
散 する こ とな く, 同 じ波
形 を伝へ るの は熏 習の 性質
に よる。 これに時間
を加
えて考
え た場 合, 同 じ時
間 が く り返す と考
え られる。時
間は波 動 とし て の 実 体 と と もに経過 する。 波 動の 一振 幅は 粒子 と し て の エ ネル ギ ー を持つ 。時
間 も 一単位
として量 子 化をす
る と, そこ に時間子 とい うも の が考 え られる。 こ の 時 間子 と時 間子を結
ぶも
の が なけ れぽな らない 。 それが熏
習を 量子化 し た熏 習子で ある。 −115
一ものは如何に存在する か, 時間と空 間の量子化に つ い て (里見秀 明) イ ,一一一ワ ーr−r − 一脚一 〇 、イ ノ イ 圃 疊 一} ■
1
亀勵 L一 ,∫
〜
■θ
、1 乱,鱒レ
、11
τ一の宦・■隔の一, 一 一 ●i
騎
1
’ ・●一’ , } l r 璽 ‘ 1 4 ’ 囓 し 1 1 1 卜一一一一r
君
θ
…「
「 「 一 一輻 吻 一 ρ 一一層__」 一 儕 卿 一〇 一 , ‘ 一一一辱麁9 一 _ 翩畠霤一 ワ → →8
図8
図は波が左か ら右へ 移動 し て い る図で ある。 波 と同時に 山に な る所, 谷に なる所,や
e
が熏
習 され な が らや
e
とな り, 同 じ振幅
を く りか え しなが ら存在
して い る こ と を表
して い る。 この 図は一つ の イ メ ージ, 又は形 として物
を とらえ る方 法を表 して い る。熏習
子の 性質
の一つ は, 時 間が 一 方に し か 流れ ない とい うこ とであるQ9
図は物
の作
用 と時 間の経
過を考
えて み た もの である。 星が直 進 し て い る。何物
に も左右
さ れ なければ一定
の速度
であ
る。 そこに ある力が加わ る。 た と え ば重力
とす
る と, こ の物体
は重 力を 出す もの の引
力の 影響
を受
け,軌
道を変 えるの であ
る。軌
道を変え るに は重 力が作 用 し, 熏 習 し て新た な軌 道を と る。○
屋
9
図 一116
一智山学報 第四十一輯 (
6
ρ 合5
ぐtコ
)
ハ
☆
B
一て》
一 )☆
☆
10
図時
間は予 想 された仮 想 時 間の 経 過で は な く, 新たに 変化 した 星 の軌
跡に そ っ た 実 時 間の 経 過 とな る。時 間を
熏
習につ い て, 支 点を変 えて考
えて見る。アイ ソ シ ェ タイ ン の一般 相 対 論で は,
強
い 重力場
の近
くで は光
が 曲ると考
え られて い る。 これ は太陽近
くの 空 間その もの が曲っ て い る か らだ とア イ ン シ ュ タイ ン は説 明 した。 こ の こ とはエ デ ィ ン トンの観
測に よっ て証
明された。 その 後 幾 度 も, 様々 な方
法で観
測精 度
を 上げ観測
され た。重 力場での 光の 曲りに よ る時 間の遅 れは, シ ャ ピロ 等の 測 定 に よ り, 一般 相
対論
に よ る遅 れの 予測 と0
.1
パ ーセ ン ト の 誤差で 確 認さ れて い る 。一
般相対論
の 予 言に よ る, 重 力場で の時間の 遅れは , 空間 が曲っ て い る こ と以外
の意味
を持っ てい るのだ とい う解釈
は でき
ない もの で あろ うか 。10
図目 は イの 星の光
が太 陽の近 くで曲
る という構
図か ら軌
跡の み を考
えた場
合
である。A
とい う星 とB
とい う星 が ,天 空を やや 離 れて同 じ速度
で平 行に移動
して い る。 ロ で は 太陽の近
くをB
が通
り,太
陽の 重 力の 影 響の ない や や離れ た所
をA
が通
る。B
は重 力の 影 響で 曲る。 曲っ た分
だ け 予分
の 距離
を 通っ た の で, そ の分
だ け 一117
一もの は如何に存在する か, 時 間と空間の量子 化につ い て (里見秀 明) 遅 くな る。 さて
A
とB
の 軌 跡を 重 ね合せ る。 時 間子 と い う概 念が分る た め 少し離
してお く。 こ の 図が10
図ハ である。B
星 が太陽
の重力
の影響
を受け
る光
の通
り道
を抜け
て,A
星 と再
び平行
に走
る。 こ の場 合A
もB
も十分
太陽
か ら離
れてい るの で,光
だ け を考え る こ とにす る。A
もB
も等
速で 平行
に走
っ て い るの であ
るか ら, 太陽
重力
の近 く
でB
の光
が遅 れた とし て も,A
とB
の 星の軌跡
に影響
が あっ た わ けで は ない 。ハ を も う一度 見てみ ると ,
光
が太 陽の 近 くでだんだん遅 くな り, やがて だん だん早 く
なっ て又 元の状態
に もど ら なければな らない。光
速は 一定
で ある の で,何
か別の 解 釈で解 決 しな けれぼな らない。 ハ の 一つ 一つ の 四角
の 枠は , 時 間子 を表わ して い るoハ の
枠
の巾
を 同間隔
とする と ,時
間 子の中
で は光
は光
速で走
る と しなければ な ら ない。 大 きな重 力で, 大 きな時 間子は見か け上, 光 速で光が走るの で は な く,光
速 以上の早
さで走
るの である。光
よ り速 く
は し る タ キ オ ソ は ,時間
子の中
で のみ機能す
るの であ
る。次に 太
陽
の 中心に入 っ て くる光
を考えてみ る。太 陽の 中心に入っ て くる光は重 力の
最
も強
い所
で ある。 こ の11
図の 一番上 の曲線
を通 る。 重 力を受
けない 光の 速 度は 一 定で ある か ら, 一 番 下の 直線で ある。重 力が無 限に大 き くなる と, 光は無 限に遅 くな り, 時間子は無限に 大 き くな
11
図 一118
一智 山学報第四十一輯 ク1丿ス マ スツ リー ・モデル 相 互 に 無 関 係 な 星 々
☆
_☆
・☆
/ 観測者か ら だいたい等距離に あ る い くつ か の星が 互に無 関係に光る と, 光が一瞬に 移動し た よ うに見 える。 観 測者 ス ク リーン ・モデル 円周上に 分布した 星間物質の中心 で爆発がお こ り, 球面にぶ つ か っ た と考え,遠 くか ら見れば,1
→2
→3
と光が超光 速で伝わっ た よ うに見える。 観測者 ライ トエ コ ー ・モデル ス ク リーソ モ デル の変形 」 し クベ
ズ クリーン 一 観測者 相 対論的ビーム ・モデ ル v 〜c
↑
套
7
義
一→ 一 光速に 近い 速度で光る雲が移動し て い ると, 見か け上の 超光速が起 こ り得る。 観測者 中’o核
老繧
12
図 一119
一もの は如何に存 在する か, 時 間 と空間の 量子 化につ い て (里見秀 明) る。 この ことを別の
面
か ら考
え る と,時間
子内
の光
は どこ で も平等
で ある。 即 ち時
間子 内で は光
は光速以
上 の速
さで伝
わ る。 タ キオ ンは実在
の粒
子 と して存
在
するの で な く,時
間子内
に の み存在
するの で ある。タ キ オ ン の現 象は光 速以 上 の 速さで 伝わ る もの がある・とい うこ とで ある。
幸
い なこ とに宇宙
に は光
速 以上で伝
わ る宇宙
ゼ ッ トとい うもの が観 測 されて い る。 その長さは1
億光年
に も達
する もの がある。 その 実体
は高エ ネル ギ ーの 電子 や, 磁 場を含んだ もの と云 わ れ てい る。こ の ゼ ッ ト内の
光
は光
速の数
倍か ら十倍
の 速さで伝
わ っ て い ると観 測されて い る。 こ の現 象
を説 明するの に , さ まざ まな考 え 方がで て い る。12図
は その数
例であ
る。光速
よ り速い光
の説
明は ,時
間を量 子化 し た時 間子が
最 もわか りや すい。 宇 宙ゼ ッ ト内で は大 きな力が加わ っ てい る と思 わ れ る。 重力 と加 速 度は等価
で あ る こ とを考
え る と, 大 きな力が加わ っ てい る所で は時 間子が大 き くなる。時
間 子内
で は瞬時
に光
が伝
わ る か ら,高
エ ネル ギ ーの宇宙
ゼ ッ ト内で は, 光 速よ り連 く
, タ キ オ ン とし て光が観
測されるの で ある。ERP
の パ ラ ドッ ク ス と よばれ る もの があ
る 。 ア イ ン シ = タ イ ン , ポ ドル ス キ ー, ロ ーゼ ン が 量 子力学
に対
し提起
した疑 問で ある。 光子は どんなに 遠 く離 れて い て も, テ レパ シ ーで結 ばれてい る か の ように 関係
して い る とい うもの で ある。即ち遠 隔 作 用に よっ て, 光の速 度を起えて, 作用 が伝わ る とい うもの である。
光
が光速
を こ えて伝
わ る とい うこ とは, 時 間子の 中で み て きた の であ
るが,作
用が 遠隔
に 及ぶ とい うこ とは, 熏 習が光 速で熏習
されるとい うこ とであ
る。光 速は
何
に対 する速度
で あろ うか 。 そ れは現在
に対
する速 度であ り, 現 在の 種 々相が熏 習 される速度で ある。時
間 子と熏
習子が,ERP
めパ ラ ドッ ク ス に答
え るの であ
る。 これ に形状
子 も加わ る。 一120
一智山学報第四牽一輯 五.
時
間
と空 間
の量 子
化
一般 酌な賭 闘の説 闘に おい て, 重 力場 と加 速 度で は矛盾 し て い る ように 見え る。 どう
し て だ ろ うか。もう
一産
ア イ ソ シ ュ タ イ ン の考
えを しらべ てみ る。栂
鰐 論に よ る と重 力 も加 速 度 も等癘
とい うこ とになっ てい る。 萠に出た5
図 は物
体の速 度 と光 速に つ い て見た もの である◎ 光は静止 し た勝か らで も, 光 速の 半分の 速さで飛ん で い る P ケ ッ トか らで も, tt まっ たく
一定
し て い る。重
力 と加連度
が等価
であ
るな らば, 重 力の 場の 中でも光 速
は一定
してい なけれ ぼな らない 。 躙ち光速
よ り遅く
なっ て は い け ない の であ
・・ 遅 くな ・ て い い の は翻
な擁
の帆 その式は 解♀
とな・ て い る・ n =屈折率
,v
・・maes
中
の速度
。そ こ で こ の
矛盾
を解
決 する ため に, 時 闥の遅
れが導
入 された 。時聞
が遅 れる とい うこ とは,賻
間がゆっ くりと経 過 するとい うこ とである。光
がどん な場 合 で も光 速で走 るとい うこと が事実である とする と,時關
がの び た分
だけ長 く走
ら な け れぽな らない。これはパ イ中間 子の 観
察
で確認されて い る し ,素粒
子加速
器で も観 測 されて い る。一・−
me
的
に時
間 が遅
れ る とい うこ とは,A
とい う普 通の時 間を
経過
してい る も の と,B
とい う時 間が遅
くなっ てい る もの との閥
で は,A
か ら見る とB
は時 間
の か な たへ , 過 去の世 界へ 消へ てゆ くとい うこ とであ
る。 しか しこ うゆ うこ と は現実
に はお こ っ て い ない。これ を
解決
する ために ,熏
習子につ い て考 えて見る。熏
習子は, もの の大 小, 遅 速に か かわ らず熏習
する と仮定
する。 熏 習する速さわ 光 速で ある。光
と熏 習
子は光速
に 関 係する。光
速こそは もの の動 き
の基 準
に なる単 位であ る。光子
は現在
に対
し,光 速
で走
る。 よっ て ,物
の 速 度に は左右 されない の であ
る。熏 習
子は現在
を熏 習す
る。時
間の 遅 速に 関 係しない の であるこ こ で, い っ たい 光
速
とは どこ か ら出て きて, ど うゆ うもの で ある か を認識
し て お く必要がある。 一121
・一もの は如何に存在するか, 時間と空 間の 量子化につ いて (里見秀明)
筆
者は物
理 や数学
を専 問
に研究
した わけ
で は ない の で,専 聞家
の ように は正 確に 理解
で きない 。 し か しそ こ に確
立さ れ た 理論
を, フ ァ ジ ィ に解
釈 し, 形 と して理解
した と し よ う。光 速は
実
際の 観 期か らも計測 されるが, マ ク ス ウェ ル の電 磁波
の 理論
か ら も導
かれ
る。 こ の マ ク ス ウェ ル の方
程式
も特 別の座
標系
をき
め て導
い たも
の で は ない の に, 自然にC
とい う速度
がで て きた の である。マ クス ウェ ル
方
程弐
は , 無 限に た くさんある慣
性 系の中
か らた だ 一つ を選
び 繊 し, そ れに特
別の 地 位を与 える とい うことであ
る。 これは相対論
の , どの慣
性系 も同等
な価値
を 持ち, どれか 一つ か絶対的
な地 位 を持
つ も の ではない とい うこ とに 矛盾 し てい るo相 対論で は, こ の マ ク ス ウ ェ ル の
方
程式
を, どの資 疊 系で も変 換で きる よ う, 導 くように した の で ある。マ クス ウ ェ ル の
波動方程式
で,光
の伝
わ る速
さC
は 次の式
で現
わ される。1
C
顕帰
So は真 空の 誘 電 率, μ。 は
真
空の 透磁率
。s・≒
÷
9
纛
c
・s2
・K
・ “1 ・ m “3μo昌
4
π×10
幽7N .A
『2C
は ク ー ロ ム , ヱ〉 は ニ ュ ー トン,4
はア ン ペ アC
≒3x108
〃3/
s 即ち3
◎万km
マ クス ク ェ ル 方 程
式
は 四つ の式
を ま とあ た もの である。div
D
−O
ゆ・・
罐
」
馨
一 ・div
B
=O
ゆ…
li
+讐
一 ・ ゆ の レ リD
は電気変数
,H
は磁場,B
は 磁 束 密 度 づβは電場,
div
と curl は演算
子 一122
一智山学報第四十一輯
0
P
(a)
・ 一 一一一→ ・
&
各
! づ7
・ ・k
(…
)器
亨
器
器
(0
以外の任意の点)o
P
(b
) . 一一一一一一 ♪ ・3
1
号
づ萩
P
)一 、毳 器
)
e(
Ql
,02
の竃
1
な
ぺ丶
2
ノ
づi
(P
)一 、磊
・器
n 個の点Q1
,Q2
,… …,Qn
に9t
,g2
,……,qn の電荷がある。 ド ’ 、 も ! 、・
〔
廴
・
(
・)
{
ゾ
翻
◎ t 恥 ’ も 9 σ づ蒼
(・)
一 、卸
》
(Q
)
品
・ ・4
γ はQ
を含む微少な領域Ag
はAV
に含ま れ る電荷13
図 一 123 一ものは如何に存在する か, 時問と空間の量子化に つ い て (里見秀明)