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生石灰による火山灰質粘性土の安定処理効果

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Academic year: 2022

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(1)

生石灰による火山灰質粘性土の安定処理効果

㈱地崎工業 土木部 正会員 ○高氏 昇 日本道路公団 札幌技術事務所 豊田 邦男

㈱地崎工業 土木部技術課 正会員 八木 一善

1.はじめに

北海道の火山灰質粘性土では,ロームの場合と同様にトラフィカビリティの確保や盛土の安定性に問題が生じる ことが多い.しかし,その液性限界や塑性指数は低い値になるという傾向を示すため,安定処理に関する基礎資料 も限られている.そこで本論では,火山灰質粘性土の生石灰による安定処理効果を調べ,その評価法を考察している.

2.試料および試験方法

試験に用いた試料は,北海道の3箇所で採取した 火山灰質粘性土である1).以下では,採取地の地 名を用いて各火山灰土を芽室,八雲,旭川火山灰 土と称する.各火山灰土の物理的性質を表-1に示 す.北海道火山灰土の自然含水比wnは67%より低く,

塑性指数IPは30%以下を示して低塑性である.

各火山灰土について,生石灰あるいはセメントを混合した 試料に対する力学試験を実施し,その安定処理効果を調べた.

物理試験や一軸圧縮試験は地盤工学会基準に従い,コーン指 数試験とCBR試験は日本道路公団試験方法に準じた.

3.試験結果と考察

図-1は,八雲火山灰土における改良材の添加率と一軸圧縮 強さ qu との関係である.改良材は,生石灰と普通ポルトラン ドセメント,高炉セメントB種を使用して結果を比較してい る.いずれの改良材についても,添加率が増加すると qu 値が 著しく増加するが,セメント系固化材に比べて生石灰による 改良効果が最も高いことが明らかである.

図-2と図-3では,各火山灰土の生石灰による改良効果を 室内コーン指数 qclと室内 CBR により評価した.図では各試 料の改良前のコンシステンシー特性も示している.

図-2 では,芽室火山灰土の他に八戸ロームや他地域の粘 性土に関するデータ 2)も示している.図のように,生石灰 の添加による室内コーン指数の増加は,IPが低いにも関わ らず,芽室火山灰土において著しいことが分かる.すなわ ち,芽室火山灰土は他の粘性土に比べて,わずかな生石灰 添加でトラフィカビリティを確保しやすい.

図-3 の北海道火山灰土に関する生石灰添加率と室内 CBR の関係においても,添加率の増加とともに CBR 値は著しく 増加する.特に,八雲火山灰土(△▲印)では 2%以上の添加

0 5 10 15 20 25

改良材添加率 (%) 0

200 400 600

qu  (kN/m )2

改良材 生石灰

普通ポルトランドセメント 高炉セメントB種 八雲火山灰土1

養生条件 空中養生28日

図-1 各種改良材の添加率と一軸圧縮強さの関係

生石灰添加率 (%)

0 3 6 9 12

0 500 1000 1500 2000

室内コーン指  (kN/m )c l

2500

締固めエネルギー E =549kJ/m

養生条件 空中養生3日

C

記号 試料名 w % I w %

芽室火山灰土1 42.6 15.2 44.9 芽室火山灰土2 29.8 16.0 31.8 八戸ローム 61.2 15.8 75.0 厚木粘性土 59.2 21.8 55.9 厚木腐植土 96.4 51.9 70.5 流山凝灰質粘土 69.0 34.0 81.3

2)

2)

2)

2)

P

L n

図-2 生石灰の添加率と室内コーン指数の関係 キーワード: 火山灰質粘性土,生石灰,土質安定処理,CBR,コンシステンシー限界,含水比

連 絡 先: 〒064-8588 札幌市中央区南 4 条西 7 丁目 6 番地 (株)地崎工業 土木部 TEL011-511-8114 表-1 火山灰質粘性土の物理的性質

材料特性 細粒分の特性

火山灰 土 名

ρs (g/cm3)

wn

(%)

礫分 (%)

砂分 (%)

細粒分 (%)

wL

(%) IP

芽室 1 2.67 44.9 2.2 37.1 60.7 42.6 15.2 芽室 2 2.75 31.8 1.8 40.3 57.9 29.8 9.4 八雲 1 2.65 48.9 15.6 28.9 55.5 60.7 25.3 八雲 2 2.77 66.7 0.2 28.6 71.2 91.2 29.8 旭 川 2.67 49.7 0.1 27.7 72.2 39.8 16.0 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月)

‑1119‑

III‑560

(2)

率になると CBR 値が急増している.また,火山灰土の wL, IPと wnの値が大きいほど高い改良効果が得られている.

以上のように,通常の粘性土に対する生石灰の改良効果 と北海道火山灰土のそれとは明らかに異なっている.そこ で改良前の火山灰土の物理的性質が,生石灰による強度増 加に及ぼす影響を調べるために,図-3 の結果に基づいて wL,IPおよび wと室内 CBR との関係を整理した.

図-4(a)は,北海道火山灰土の室内 CBR と生石灰混合前 の wLとの関係である.生石灰の添加率は 2,4,6%につい て示した.図に示されるように,添加率 2%における改良後 の CBR 値は wLに関係なくほぼ一定値である.また旭川火山 灰土のデータにややばらつきが生じたが,添加率が 4,6%

の場合は wLが 60%以上になると CBR 値が急増している.

同様の傾向は,図-4(b)と図-4(c)に示される室内 CBR と 改良前火山灰土の塑性指数および自然含水比との関係に おいても認められる.例えば,CBR-IP関係(図-4(b))で は IPが 25 以上になると CBR 値が急増し,CBR-w関係(図 -4(c))では含水比が 45%を超えると同様の傾向が現れる.

ただし,自然含水比は環境の影響を受けるためなのか,添 加率 6%のときにばらつきが大きくなっている.

以上のように,生石灰のある添加率以上にて,改良前の火山灰土の wL,IPおよび wが大きくなるほど強度が 著しく増加する傾向が認められた.また,wL,IPおよび wと生石灰による改良効果には良好な相関が得られる ために,それらによって改良後の火山灰土の強度を推定することが可能となる.

ま と め

1) 北海道の火山灰質粘性土に対する安定処理では,セメント系固化材よりも生石灰の方が改良効果は高い.

2) 北海道火山灰土の生石灰による改良効果は,他地域の粘性土の場合よりも著しく高くなる.

3) 生石灰による改良後の CBR 値と改良前の火山灰土のコンシステンシー特性や含水比には明確な相関がある.

参考文献:1)豊田邦男・高氏昇・八木一善:北海道の火山灰質粘性土における生石灰安定処理効果,地盤工学会北 海道支部技術報告集第43号,pp.281-290,2003. 2)日本道路公団:試験研究所技術資料第226号,1996.

図-3 生石灰の添加率と室内 CBR の関係

20 40 60 80 100

液性限界 w  (%) 0

10 20 30 40 50 60

室内CBR  (%)

L

2%

4%

6%

(a)

生石灰添加率 2% 4% 6%

芽室火山灰土1,2 八雲火山灰土1,2 旭川火山灰土

0 10 20 30 40

塑性指数 I   0

10 20 30 40 50 60

室内CBR  (%)

P

(b)

2%

4%

6%

生石灰添加率 2% 4% 6%

芽室火山灰土1,2 八雲火山灰土1,2 旭川火山灰土

30 40 50 60 70

自然含水比 w  (%) 0

10 20 30 40 50 60

室内CBR  (%)

n

(c)

2%

6%

4%

生石灰添加率 2% 4% 6%

芽室火山灰土1,2 八雲火山灰土1,2 旭川火山灰土

図-4 室内 CBR と液性限界・塑性指数・含水比の関係;

(a)CBR-wL関係,(b)CBR―IP関係,(c)CBR-wn関係

0 3 6 9 12

生石灰添加率 (%) 0

20 40 60

室内CBR  (%)

80

E =549kJ/m 締固めエネルギー

養生条件 空中6日+水中4日

C w % I w % 芽室火山灰土1 42.6 15.2 44.9 芽室火山灰土2 29.8 9.4 31.8 八雲火山灰土1 60.7 25.3 48.9 八雲火山灰土2 91.2 29.8 66.7 旭川火山灰土 39.8 16.0 49.7

L P n

土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月)

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参照

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