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環境報告書 2008年度版

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(1)

環境報告書

(2)

ごあいさつ

代表取締役社長

中矢 義郎

C O N T E N T S

 当社は、1996年の「大気社環境憲章」の制定以来、地球環境の保全に取り組んで きましたが、今日この問題は、エネルギー問題等と相まって、重要度、緊急度が格段に 増大してきました。

 IPCCの第四次評価報告書などで、気候変動はきわめて深刻な地球規模の危機で あり、世界規模でのCO2削減対策が早急に必要なことが示されました。

 当社は、従来から本来の業務である空調設備・塗装設備・環境設備のビジネスを通 して、CO2排出量の削減・排気処理・4R活動の徹底等の環境保全活動を継続的に実

施してきましたが、今後もよりいっそう、環境の改善に努める事により、顧客及び社会 に対して更なる貢献を果していく所存です。

 活動の内容につきましては、“Pure & Fair”及び“見える化”の精神のもと、開示 に努めてまいりますので、当社の環境保全活動にご理解をいただくとともに、活動の 更なる向上のために、ご意見をいただければ幸いに存じます。

ごあいさつ(代表取締役社長、環境担当役員) 大気社の事業活動の全体像(会社概要) 大気社環境憲章

環境マネジメントシステム

省エネルギー設計への取り組み(環境システム事業部)

省エネ改善技術事例

環境負荷低減技術事例

塗装工程からのCO2排出量削減活動(塗装システム事業部)

塗装設備の環境対策技術事例 作業所における環境管理の状況

ネット購買によるペーパーレス化促進とグリーン購買 環境教育・環境管理

事務所の省エネ活動・社会貢献 環境目的・目標および2007年度の成果 沿革および環境配慮の取り組みの歴史、編集後記

● ● ● ● ●

● ● ● ● ● ● ● ●

1

2∼3 4

5

6∼7   8∼9

10∼11

12∼13 14∼15

16

17

18

19

20

21

●省エネルギー設備導入に対する外部表彰受賞

●新直膨精密温度制御

●大気環境を守るVOC排気処理装置

●超短工期を実現する MFU

(3)

環境担当役員 取締役専務執行役員

西村 雅晴

●本報告書は、株式会社大気社の日本国内及び海外のグループ会社における活動を対象としてレポートしています。

● 本報告書は、2007年4月∼2008年3月末までのデータおよび事例に基づき作成しています。作業所のデータは、 上記期間に竣工した現場について着工以来のデータを累計しています。

●本報告書は、年1回毎年9月に発行の予定です。

●本報告書は、当社の主たる事業である空調衛生設備業および塗装設備業における環境側面に関し報告しています。

● 作成にあたっては環境省の「環境報告書ガイドライン2003年版」「事業者の環境パフォーマンス指標ガイドライン 2002年版」を参照しましたが、現在の当社の活動レベルに合わせ報告項目を取捨選択しています。

●作成部署および連絡先 (株)大気社 環境保証委員会

 TEL.03-3343-1428 FAX.03-3340-4381  ホームページ http://www.taikisha.co.jp/

報告にあたっての基本的用件

1

 最近では地球温暖化の影響による各地の天変地変、生態系への異変が我々市民生 活まで影響してきていることが具体的に報じられ、その深刻性が益々増大しています。  大気社は「エネルギー・空気・水」のエンジニアリングを通じて、ユニークな会社作り を目指してきました。これこそ環境に貢献する技術であり、今後益々発展させてゆき社 会、地球環境に貢献したいと思っています。昨年はステークホルダーのなかに“社会、 地球環境”を加え、より明確に環境重視の方向性を打ちだしました。そうしてコンプラ イアンス重視の経営方針のなかで、“環境で社会に貢献する”言葉を織り込んだコンプ ライアンスマニュアルを全社員へ配布しました。組織的には環境システム事業部の中 に環境技術室を設け、今後の環境技術を強化してゆく体制をとりました。大気社は環境 問題をビジネスチャンスと捉えることが、会社の発展ひいては社会に貢献するものと考 えています。

 昨年度は熱源最適運転制御ソフトを開発し、今年は設備への導入を促進し空調設備 からのCO2削減を図っていきたいと思っています。また、排気処理の分野では、低床型

回転式RTO(蓄熱式直燃排ガス処理装置)の開発が終了し、高さの制限を受けるスペー スへの設置が可能になり、これでRTOの品揃えが出来ました。

 当社は設備建設業として、まず法令順守活動(廃棄物処理・アスベスト・フロン等)に 力点をおいてきましたが、今後は建設現場・事務所でのCO2削減・廃棄物削減にも当然

の如く努力していきます。

(4)

■ 社 名

 株式会社大気社

■ 創 業

 1913(大正2)年4月10日

■ 設立日

 1949(昭和24)年7月7日

■ 本 社  〒163-0225

 東京都新宿区西新宿2-6-1新宿住友ビル  TEL.03-3344-1851(代)

 FAX.03-3342-5590  http://www.taikisha.co.jp/

■ 代表者

 代表取締役社長 中矢 義郎

■ 資本金

 64億5,517万円(2008年3月31日現在)

■ 従業員数

 〈連結〉3,507人 〈個別〉1,404人 (2008年3月31日現在)

■ 建設業許可

 大臣(特−16)第3441号

大気社の事業活動の全体像

2

会社概要

環境システム事業部

グローバルに環境技術

(グリーンテクノロジー)

で地球に貢献します。

海外工事 国内工事

(年度)

2005 2006 2007

0 50,000 100,000 150,000 200,000

(5)

3

■ 事業内容

  ●空調設備工事

   冷暖房・換気設備、中央監視設備、自動制御設備

  ●給排水衛生設備工事

  ●消火設備工事

  ●電気設備工事

   受電設備、動力設備

  ●工業用クリーンルーム

   半導体・電子部品製造工程

   除塵設備、換気・排煙設備、純水装置

   建築内装設備、用役配管・特殊ガス配管

  ●原子力関連設備・RI取扱設備

  ●バイオロジカルクリーンルーム

   医薬品・食品製造工程/GMP・HACCP対応

   動物実験室、バイオハザード、病院手術室

  ●熱源設備工事

   地域冷暖房施設、共同溝配管

   コージェネレーション設備、蓄熱槽設備

  ●建築・土木工事

  ● 塗装設備工事

   前処理装置、電着装置、塗装室、乾燥炉コンベヤ

   塗装ロボット・自動機、塗料サーキュレーション

  ●環境機器・水処理設備

   有機溶剤排気処理装置

   排水・廃液処理設備、浄化槽設備

塗装システム事業部

(6)

4

大気社環境憲章

大気社環境憲章

 当社は創業以来の理念を、社是「顧客第一」として掲げている。

 「顧客」とは広義において社会全般を意味する。社是「顧客第一」は、企業活動を通じて社会に奉仕・貢献し、社会 に幸福をもたらし続けることが当社の使命であり、また当社が永続的に成長するための基礎でもあるとの認識を示す ものである。

 近年、地球環境は急速に悪化し、その改善は人類の幸福を永続させるための世界的緊急課題となっている。当社は、 「環境適合型社会の形成」という時代の要請に全社を挙げて取り組むことが社是の精神に合致すると考え、次のよう

に環境基本方針および環境行動計画を定める。

大気社は

環境関連事業を営む企業としての使命を自覚し、地球環境の保全に努める。

環境保全のため、エネルギー・空気・水に関するシステム設計・施工技術を活用し、新技術の開発に取り組み、 それら技術の社会への普及に努める。

地球環境保全は国境を超えた課題であることを認識し、国内外のグループ会社とともに保全に取り組む。

環境基本方針

行動方針の立案 中長期経営計画の重点テーマとして「環境保全」を位置づけ、本社・本部と各事業部にその推進を義務づける。

推進体制 環境担当役員を主査とする「環境保証会議」にて、全社的な行動計画の立案と実行を指揮する。

実施状況の管理 具体的行動計画を本社・本部および事業部・全店所が年度方針に明記し、年2回の方針検討会でその実施状況をチェックする。

情報・教育 社員各自が高い環境意識を持つことが重要であるとの前提に立ち、計画的な環境対策教育を実施する。

優れた環境対策事例や新しい環境保全装置・システムについては、グループ会社を含む、全社員への周知を図る。

技術開発 次の3項目につき、技術開発・改良を継続する。

 (1) 省エネルギー・省資源システムの開発・改良(使用エネルギーの最小化と、エネルギーおよび資源のリサイクルの推進)  (2) 設備の長寿命化

 (3) 有害廃棄物の除去システムの開発・改良

企画・設計 お客様に次のようなシステムを企画提案する。

 (1) エネルギーの高効率利用によって省エネルギー・省資源を実現するシステム

 (2) ライフサイクルを考慮した、メンテナンスが容易で寿命が長く、リニューアル計画も織り込んだシステム  (3) 有害化学物質の除去システム

調達 購入資機材の環境特性を把握し、グリーン調達を行う。

製作・施工 グループ会社を含めた製作・施工部門は、メーカーおよび施工協力会社と連携の上、次の点を常に配慮する。

 (1) プレハブ化の推進による、工場・現場での発生廃材の減少  (2) 効率的な機材輸送、および梱包材の最小化と再利用

 (3) 廃材処理、冷媒フロンの回収処理及びアスベスト除去作業における法令等の規則の順守、および廃材リサイクル、    フロン再生処理の推進

 (4) 確実な施工と材料・部材の軽量化等による、エネルギーと資源の損失の低減  (5) 工場と施工現場における、近隣を含む環境保全

オフィス業務 事務用品、紙、光熱エネルギーの節約とリサイクルの推進。

社外活動 国内外の公的機関および業界団体の環境管理活動に積極的に協力し、必要な情報の提供に努める。

[1996年9月制定/2007年4月改定] 環境担当役員

取締役専務執行役員

西村 雅晴

 当社は1996年9月に「大気社環境憲章」を制定(2007年4月に一部改定)しました。

(7)

安 全 本 部 技

術 開 発 本 部 管 理 本 部 塗装システム事業部長

(事業部経営者)

環境推進委員

環境保証委員会(主査:環境担当役員) 本部、事業部役員で構成

社 長

事業部環境管理責任者 実行責任者

各店 各店環境管理責任者

環境システム事業部長 (事業部経営者)

環境推進委員 事業部環境管理責任者

実行責任者

各店 支店環境管理責任者

環境推進委員会

購 買 本 部

認証取得組織

登録日

認証範囲

塗装システム事業部 本部・国内全事業所

2005年12月3日

審査登録機関 Perry Johnson Registrars, Inc.

自動車用塗装設備等の各種塗装設備、 塗装機の開発・設計・据付 認証取得組織

登録日

認証範囲

環境システム事業部 本部・国内全支店

1999年7月9日

審査登録機関 ABS Quality Evaluations, Inc.

空気調和設備・衛生設備の エンジニアリング・施工

●=ISO9001 ●=ISO14001

Taikisha Engineering(M)Sdn.Bhd.

ISO●取得済●準備

TKS Industrial Company

ISO●●取得済

Taikisha do Brasil Ltda. Taikisha Espana S.A.

Taikisha(Singapore)Pte. Ltd.

ISO●取得済

P.T. Taikisha Indonesia Engineering

ISO●取得済

Wu-Zhou Taikisha Engineering Co., Ltd.

ISO●取得済

Taikisha Hong kong Limited

Taikisha Engineering India Ltd. : ISO●取得済

Taikisha Vietnam Engineering Inc.

Taikisha(Taiwan)Ltd. : ISO●取得済

Taikisha Philippines Inc. : ISO●取得済

Taikisha Korea Ltd. Taikisha Europe Ltd.

ISO●●取得済

Taikisha de Mexico. S.A de C.V

Taikisha(Thailand)Co., Ltd. : ISO●取得済●準備

5

 当社では、環境担当役員を主査とする「環境保 証委員会」で設定した環境行動計画に基づき全社 的な環境マネジメントシステムを運用し、環境推 進委員会にて日々の環境保全活動の改善を行って います。

 ISO 14001に基づく当社の環境方針は各取引 先にも配布し、その順守に協力していただいてい ます。

 環境に関連して開示すべき情報は、本報告書の ほか、主に当社ホームページを通じてお伝えします。

 当社の環境マネジメント組織を以下に図示します。

 環境システム事業部、塗装システム事業部の2 事業部の国内全支店・事業所で環境マネジメント システムに基づいた環境活動を実施しています。  国内関連子会社のサンエス工業(株)が2008 年2月に ISO 14001の認証を取得しました。

環境マネジメントシステム

環境マネジメントシステムの状況 ISO14001認証取得状況

推進体制

(8)

2005年度 2006年度 2007年度 16.0

12.6 12.0

(%)

0 日 数 365日

120

80

40

0

40

80

120

冷 熱 量 ︵ G J ︶

温 熱 量 ︵ G J ︶

■冷房専用(追) ■蓄熱量 ■熱回収(追) ■暖房専用(追) ■蓄熱量 ■熱回収(追)

0 5 10 15 20 25

2005年度 2006年度 2007年度

目 標 ・ 実 績 ポ イ ン ト

(ポイント) ■目標 ■実績

0 20 40 60 80

60 63 63 63

70 63

発 生 削 減 率 CO2

6

 民生部門では「環境配慮設計(提案)評価シート」 に基づき、自社設計プロジェクトの内容を自己評 価しています。これは、設備の省エネルギー性能 を100点満点で自己評価するシートです。  2006年度から平均63ポイント以上を実現す ることを目標として活動し、平均69.9ポイントの 実績をあげました。

 改修プロジェクトでは、改修後省エネルギー性 能がどれだけ向上するかを比較検討するためのツー ルとしても活用しています。

 産業部門では省エネルギー設計を推進し、その 省エネルギー設計に対するCO2発生量を定量把

握する活動を実施しております。下のグラフは、 2005年度の10例、2006年度の17例および 2007年度の31例を当社設計プロジェクトをモ デルとして間接CO2発生量を算出し、削減率を求

めたものです。

 2007年度から事業部目標値を、加重平均削減 率13%以上と定めました。2007年度は、加重平 均削減率16%を達成しました。

省エネルギー設計への取り組み

(環境システム事業部)

民生部門環境配慮設計・提案活動

 運用後のエネルギー環境性能を確実に達成す るため、コミッショニング検証が求められています。 この活動を展開することで設備システムの適切な チューニングが実施され、環境負荷低減効果の評 価をしています。

運用後のエネルギー性能検証活動

産業部門設計・提案活動

九州国立博物館の事例

 自然冷媒ヒートポンプチラーと蓄熱を組合 せた高効率熱源システムのエネルギー性能を 検証しました。

 冷房排熱を熱回収利用することで、ヒートア イランド対策に貢献しています。温熱負荷の 97%を熱回収によって賄っています。また、熱 源系全体の電力夜間移行率は70%を達成し、 電力負荷平準化にも寄与しています。

■環境配慮設計評価ポイントの推移 ■環境配慮設計CO2排出量比率の推移

(9)

● 熱源最適制御システム(HSSsim-GPPECO)  熱源システムは、その運用によって省エネ効果 に大きな差が現れます。大気社では、熱源シミュレー タで求めた最適運転条件をもとに、実際の設備を 安全に省エネ運転制御することができる熱源最適 制御システムを開発しました。この熱源最適制御 システムにより、熱源システムのエネルギー使用

量を最小化し、ランニングコスト低減、CO2排出量

削減に貢献します。さらに、各種計測データを自動 収集し、運転実績、省エネルギー量の「見える化」 により、さらなる運転の改善に貢献します。

藤沢市民病院

7

事業の概要・省エネ手法 省エネ成果(予想)

藤沢市民病院(ESCO)*1

契 約 者 : 藤沢市民病院 事業期間 : 9年間

特   色 : 熱源更新期に対応したESCO事業

手   法 : コージェネ導入、排熱投入型冷温水発生器の導入、

ポンプインバータ制御、高効率照明器具導入 他

125.91 100.76

導入前 導入後

一次エネルギー消費量(GJ/年) 削減量 25.149GJ/年 削減率 20.0%

*1:2007年度NEDO補助金交付を受けたシェアードESCO事業契約です。 NEDO:独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

熱源シミュレータ(HSSsim)の特徴

1. プログラムの構成としてモジュール方式(コア+モジュール)を採用

  ● システムの自由度が高く、原理的なあらゆる熱源システムのシミュレーションが可能

  ● 機器モデルの追加、変更が容易

2. 数理計画法の導入

  ● 指定した機器の制御量について、システム全体の消費エネルギーを最小とする

最適制御量の算定が可能

● 熱源シミュレータ(HSSsim)

 大気社では、熱源システムの最適な構成、最適 な運転条件を選定するための設計支援ツールとし て「熱源シミュレータ(HSSsim)」を開発しました。

さらに、稼動設備の熱源運転の最適化をはかる支 援ツールとしても活用しています。

エネルギーソリューション提案活動

ESCO・省エネルギー化事業への取り組み

熱源最適制御システムによる省エネルギー運転の実現

熱源最適制御システムの特徴 1. 最適制御を実現

熱源シミュレーター「HSSsim」による最適化計算結果をもとに、 時々刻々変化する外部条件に対して最適制御を実現します。

2. 各種制御モード

最適化制御と固定制御の切替え機能やシステムを安定して運転す るための機能をもちます。

3. 運転性能の評価

各種運転性能評価指標を自動演算し、運転性能をリアルタイムで評価できます。

■熱源最適制御システム

熱源監視装置

プラント (制御対象)

データ 蓄積 設定 改善

最適制御量の導出 変流量設定値書き込み

計測値

最適運転条件

各種制御ロジック 変流量制御

台数制御

最適増減段機、冷凍機最適 組み合わせ書き込み 最適増減段機導出

計測値

最適運転

熱源制御装置  

 オフィスビルや病院等の民生分野でのエネルギー 消費の増加が著しく、省エネルギー対策の強化が 急務とされています。わが国では、ESCO事業や BEMSの普及が期待されています。当社は、顧客 の要望にこたえ、CO2排出量削減に寄与すべく、

既築リニューアル市場におけるソリューションビジ ネスと位置づけ、展開しています。

 2007年度は藤沢市民病院ESCO事業の改修 工事を完了し、2008年度から事業を開始します。 ESCO事業の事業中物件は、9件となり、年間CO2

(10)

8

九州国立博物館における建築環境システム

第46回空気調和・衛生工学会賞

技術賞 建築設備部門

省エネ改善技術事例

〈計画・設計・効果検証を3つのテーマで実施〉

● ガラスファザードをもつ博物館の環境計画と評価

● 博物館を支える熱源空調システムの計画と評価

● 自然エネルギー利用による環境設備計画と実施

キヤノンプレシジョン株式会社北和徳第二事業所における 環境負荷低減空調システム

第22回空気調和・衛生工学会

振興賞技術振興賞

福岡県太宰府市に「安全で良好な保存環境の確保」と「環境負荷低減」の実現を目的とし、建築と設備 が一体となった「建築環境システムの構築」を計画コンセプトに基づく計画・設計・施工を評価され受賞。

青森県弘前市に建設された工場の空調設備の計画・設計・施工を評価され受賞。

「環境負荷の少ない製品の提供」という顧客の企業理

念に応えるべく、『既存工場における建物運用時CO2

排出量を30%削減する』ことを目標に掲げ、

● 高効率熱源システム

● 自然エネルギー利用

● 省エネルギー空調システム 等を採用した。

省エネルギー設備導入に対する外部表彰受賞

―――――――――――

設計・監理 : 株式会社久米設計

設計・監理 : 株式会社菊竹清訓建築設計事務所 施 工 者 : 株式会社大気社九州支店

施 工 者 : 株式会社三晃空調九州支店 解析共同研究 : 九州電力株式会社

計画・設計・監理 : 清水建設株式会社

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処理空気

再熱コイル

直膨冷却コイル

インバータ・ コンデンシング・ユニット

冷媒ホットガス

冷媒ホットガス

液冷媒

凝縮器 圧縮器

ガス冷媒

自動 二方弁

自動 二方弁

自動 二方弁 膨張弁

9

 精密な温湿度環境が求められる空調設備では、 従来は、ある程度の投入エネルギーロスは犠牲に して、湿度を確保するために冷却除湿し、その後に、

再び電気や蒸気等の別エネルギーで暖めるという ことをしていました。

 大気社は、環境負荷の少ない新冷媒を用いた直 膨システムを用いて、空気を冷やすときに発生す る排熱を加熱エネルギーとして同時再利用する「直 膨冷却+冷媒ホットガス再熱方式」の精密温度制 御システムを完成し、納入を進めています。  従来、冷媒直膨システムを用いる空気温調シス テムは、簡易的な温湿度制御に限定される事が多 かったが、独自開発技術を採用することで、40% 以上の省エネルギーを達成しました。

 新開発の直膨方式による精密温湿度制御シス テムは、電子製品製造装置の超精密温度制御等に 納入しています。更に今後は、本技術の汎用化を 進め、クリーンルーム用の省エネ温湿度制御装置 及び、一般的空調設備への利用展開も進めていき ます。

● !

■大気社直膨空調システム概要

冷媒ホットガスを用いた高速応答で高精度な再熱制 御による±2/100℃の精密温度制御

冷媒を用いた常温冷却を可能として、除湿はしない冷 媒ドライクーリングシステム

冷房負荷が少なくなると停止してしまう従来の直膨 方式に対して、冷房負荷がゼロでも連続運転と滑らか な容量制御が可能な安定したシステム

【特 徴】

(12)

10

 生産装置などより排出されるVOC、悪臭物質を 直接燃焼酸化処理し、無害化する装置です。処理 成分よっては、触媒を用いることによって、燃焼温 度を低くした、省エネタイプのキャタバーンを採用 できます。

 2006年4月から大気汚染防止法が改正になり、VOC(揮発性有機化合物)規制が施行されましたが、 当社は、40年以上も前からVOC処理、悪臭対策技術に取り組んでおり、国内はもとより、海外へも多数 の納入実績があります。当社は大気汚染防止技術を通じ、環境負荷低減、省エネに寄与しています。

 直接燃焼排ガス処理装置に、熱交換器として蓄 熱材を充填した、省エネタイプの排ガス処理装置 です。低濃度ガスから高濃度ガスまで、幅広く処理 することが可能であり、燃焼熱で処理ガスを予熱 することで、高い熱効率(温度効率95%)を実現し、 環境負荷低減に寄与しています。

 お客様の生産ライン状況などにより、2塔式、3 塔式などの多塔式、または回転式をラインナップし ております。

直接燃焼排ガス処理装置

大気環境を守るVOC排気処理装置

――――――――――――――――

蓄熱式直接燃焼排ガス処理装置(RTO)

環境負荷低減技術事例

 生産装置などから排出される低濃度、大風量の 溶剤ガスを効率よく吸着濃縮し、高濃度、小風量と する、前処理システムです。このシステムを採用す ることにより、後処理装置である直接燃焼排ガス 処理装置を小さくすることができます。

アドマット(溶剤ガス吸着濃縮装置)

VOC

[キャタバーン]

[回転式RTO]

[2塔式RTO] 出荷前工場検査時

蓄熱塔、燃焼室 回転部

吸着濃縮

[アドマット] 合成ゼオライトタイプ 低濃度・大風量

溶剤ガス

高濃度・小風量 溶剤ガス [アドマット] 繊維状活性炭タイプ H20

CO2

バーナー 熱交換器

(13)

11

超短工期を実現する MFU

(モバイルファシリティユニット)

――――――――

 MFU工法は建築躯体・内装の殆どを工場で製 作し、また設備機器・ダクト・配管も工場で吊り込 んで、全てを仮組みしテストまで行い、その後ばらし、 梱包し現場に持ち込んでユニット単位に組み立て る工法のため、現場での工期を従来工法と比較して、 約1/3に短縮できる点がMFU工法の最大の特長 です。

 従来の工法では対応する事が困難であった敷地や在庫の余裕が少ない医薬品・医療機器メーカー向 けに、また気象条件、国内状勢が不安定で、長期の現地工事が困難な所向けに、現場施工期間を劇的に

短縮する工法として、「モバイルファシリティーユニット(MFU)工法」を開発しました。

 施工後に移設が必要となった場合でも、接合部 以外全てを解体せずにMFU単位で移設するこ とが可能で、経済性のみならず廃棄物の削減、 ひいては地球環境負荷の低減にも有効です。

 建設現場での工期を短縮することで、工事現場 での騒音や粉塵の発生を最小限にすることがで き、周辺環境への影響を最少に抑えることがで きます。

MFU工法の特長 MFU工法の環境負荷に対しての特長

従来工法

計画

MFU

仕 様   基本ユニット 柱 : コラム材 梁 : H型鋼

スラブ : デッキプレート上にコンクリート形成された鉄の ユニットに、さらに天井、壁等の仕上げまでを工場 で製作し、それを基本ユニットとしています。

設計 施工 設備設置

操業停止期間 バリデー

ション 生産開始

計画 設計 (プレバリデーション) ユニット製造・設備設置 施工 バリデー ション 生産開始

上天井内 ISSユニット

天井: 歩行可能天井 スチールパネル

壁: スチール パーティション (目地シーリング)

下地: LSG 下室ユニット

鉄骨フレーム

巾木:床材塗り仕上げ コンクリートスラブ(QLデッキ)

● ●

● ●

床:エポキシ塗床

● ● ●

● ●

(14)

12

塗装ブース・空調のCO2排出量削減アイテム検討

 現在、自動車製造工程からのCO2排出量は年間約600万トンと推定されており、その約1/3が塗装

工程と言われています。

 塗装工程からのCO2排出量は、2000年∼2005年にかけて工程統合や省エネ推進によって削減さ

れてきたが、VOC削減対策としての塗料の水性化に伴う増加もあり、削減効果は6%前後と考えられて います。

 現状のCO2排出量を設備別に分析すると、やはり塗装ブース・空調器が全体の1/3以上を占め、最も

多くなっています。大気社では、この塗装ブース・空調器に着目し、考えられる数々のCO2排出量削減策

の中で効果が大きいと考えられる「空調ウィンドウ制御」と「ブース排気リサイクル」を提案し、改善後に

は現状比より更に10%以上のCO2排出量低減を図り、社会、地球環境に貢献したいと考えています。

塗装工程からのCO2排出量推移(年間生産量24万台規模の塗装設備)

塗装工程からのCO

排出量削減活動

(塗装システム事業部)

2000年 2005年

前処理

電着

オーブン

メインブース・空調機

簡易ブース・空調機

その他

合計

1,469 2,194 7,510 18,861 4,251 6,413 40,699 6.1 9.1 31.3 78.6 17.7 26.7 169.6 合 計 t-CO2/年 kg-CO2/台

1,701 2,371 7,139 16,559 4,251 6,412 38,432 7.1 9.9 29.7 69.0 17.7 26.7 160.1 合 計 t-CO2/年 kg-CO2/台

2000年に比べ、6%程度低下しているが、 削減効果がまだ小さい。

塗装ブース・空調が全体の1/3以上。

更なるCO2削減のため、排出割合の大きい

塗装ブース・空調機に着目して、削減アイテムを検討

効果が大きいと 期待される 2つのアイテムを

取り上げる

オーブン 18.6%

メインブース 空調機 43.1% 簡易ブース

空調機 11.1%

その他 16.7%

前処理 4.4% 電着 6.2%

● 工程統合・省エネ

推進による削減

● 水性化・被塗物重

量増加による増加

● ●

塗装ブースCO2

排出量削減

▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲

システム技術

③省エネシステム

④熱回収

⑤動力回収

排気風力発電 コジェネレーション 循環水動力回収

全熱交換器 排気リサイクル

運用・機器

⑦個別アイテム ⑥運用

高効率照明器具 高効率ファン 高効率モーター 不要な照明の消灯

インバータ活用 休止時間帯のブース停止風量低減

設備仕様

②ブース風量低減

①ユーティリティ

冷水設備、蓄熱糟 コジェネレーション ユーティリティ種別

ブース制御風速低減 ブース幅短縮

行程短縮

空調温湿度制御システム

総排出量 38,432 t-CO2/年

160.1 kg-CO2/台

(100%生産負荷)

■工程別内訳

(15)

13

CO2排出量削減効果の試算

1)空調温湿度制御システム(ウィンドウ制御) ―――――――――――――――――――――――――――

2)ブース排気リサイクル ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

塗装工程からのCO2排出量削減効果のまとめ(年間生産量24万台規模の塗装設備)

現在の温湿度制御 (季節別の設定)

省エネ制御 (ウィンドウ制御)

季節別に設定値を固定 最も省エネとなるブース温湿度を設定値とする

外気空調 排気

空調器 外気 空調器 外気

ヒータ クーラ

排気

排気リサイクル 外気空調を行う30%のゾーン(70%は排気リサイクルを行う)に対し、 省エネ制御を行う。

現状、塗装ブースの約30%は有人ゾーンであるため排気リサイクルは行わない。 残り70%のゾーンで排気リサイクルを考える。

季節別温調 ウィンドウ制御

現状 改善案

0 20 40 60 80 100

■その他 

■循環水電力 

■ブース電力 

■空調電力 

■冷却エネルギー

■加熱エネルギー

■その他 

■簡易ブース空調機 

■メインブース空調機 

■オーブン 

■電着

■前処理

■電力量

■熱量 1.8 7.2 19.1 13.1 7.1 51.7 1.8 7.2 19.1 13.1 5.1 37.0 ● ●

CO217%削減

外気空調

年 間   排 出 量 指 数 CO2

排気リサイクル 0 20 40 60 80 100 14% 86% 11% 56%

CO233%

削減 ● ●

● ●

●紹介した2つのアイテムで、塗装ブース・空調 からのCO2排出量が、現状比28%(塗装設備

全体では12%)削減可能と推定される。 ●更に次のようなアイテムを検討し、CO2削減

を考えている。

 ①冷・温熱源の一部電化(高効率熱源機器の採用)

 ②冷・温熱源同時取り出しによる熱源有効利用(ヒート ポンプなど)

 ③塗装工程の3WET化※1)による工程削減

  ※1)3WET:中塗・上塗ベース・上塗クリヤを焼付乾燥 を挟まずに実施する技術。中塗乾燥炉を削減する。

-6%

-12%

2000年 2005年 改善後の予測

0 10,000 20,000 30,000 40,000

t-CO2/年

1,469 2,194 1,701 2,371 1,701 2,371 7,510 7,139 7,139 18,861 16,559 11,929 4,251 6,143 4,251 6,412 4,251 6,412 ● ● ● ● ● ●

-5 0 5 10 15 20 25 30 35 40

0 5 10 15 20 25 30 HUMIDITYH(g/kg') RELATEDHUMIDITYΨ(%) 25 100 908070

60 50 40 30 20 10 ENTHALPYI(kcal/kg') 20 15 10 5 0

ブース温湿度

TEMPERATURE(DRYBULB)T(゚C)

-5 0 5 10 15 20 25 30 35 40 0 5 10 15 20 25 30 TEMPERATURE(DRYBULB)T(゚C) HUMIDITYH(g/kg') 25 100 908070

6 0

5 0

4 0

3 0

2 0

1 0 RELATEDHUMIDITYΨ(%)

ENTHALPYI(kcal/kg') 20 15 10 5 0

制御範囲

■効果試算

(16)

ガン

自動車車体動車車体

自動車車体 塗装ブース

循環水槽

トルネード 浮上分離

洗浄器 洗浄器 (捕集器洗浄器 捕集器)

(捕集器)

余剰塗料 余剰塗料ミスト

余剰塗料ミスト

薬品

スラッジ バッグ

浮上回収装置 (スラッジャ)

14

 現在、日本国内において年間約1000万台の自 動車が生産されており、その自動車車体は生産ラ インの塗装ブースにて噴霧塗装されています。  自動車の塗装ブースにおいて、自動車車体に付 着しなかった余剰塗料ミスト(塗料スラッジ)は、日 本国内だけでも年間約16000トンに達しています。  現状では、多量の塗料スラッジを化学処理のみ にて、不粘着化・凝集浮上し、自動的に回収してい るが、臭気/排水/廃棄物などの環境課題をかか えています。

 大気社製スラッジャECO-システムは、塗料スラッ ジに対してバイオ薬品を使って化学処理と生物処 理を併用することで、処理性の向上と前述の環境 課題を改善し、社会、地球環境に貢献したいと考え ています。

塗装設備の環境対策技術事例

バイオ薬品の構成 化学的処理と生物的処理の複合処理

化学的処理  不粘着化剤

 塗料スラッジの粘着性をなくす。  凝集助剤

 細かい粒子をある程度の  大きさにする。

 高分子・凝集剤

 凝集助剤で凝集したものを  さらに大きな塊にする。

生物的処理(バイオ製剤)

● 微生物により有機物、臭気成分の分解をする。

● 不粘着化、凝集浮上効果が向上する。

1

2

3 不粘着化

凝集(分子量1万以下)

高分子凝集(分子量10万以下)

塗装ブース用スラッジャECO-システム

―――――――――――――――

(17)

15

従来化学処理に付加されるバイオ薬品の効果

  COD*1の低減

  塗料スラッジの減容化

  SS*2濃度の低減

  薬品投入量の低減

  臭気の低減

バイオ薬品は、その薬品に含まれる微生物で循環水中の有機物を 分解できるため、従来の化学薬品処理のみの場合に比べCODを 数割低減。

塗料スラッジ中の溶剤分の分解と低含水率化による、 排出塗料スラッジの減容化。

微生物による凝集浮上効果の向上による、SS濃度の低減。

微生物での不粘着化の向上による、薬品投入量の低減。

循環水中で発生する臭気成分(有機酸類)の分解による、 臭気が低減。

1

2

3

4

5

塗装ブース用 スラッジャECO-システムによる環境課題の改善

   スラッジャECO-システム効果

  バイオ薬品(化学的処理効果)   ●不粘着化の向上

  ●循環水中のSS(浮遊固形物)低減

  バイオ薬品(生物的処理効果)   ●循環水の臭気低減

  ●CODの低減

  ●回収スラッジ含水率の低減

  トルネード、スラッジャによる   一次二次濃縮回収

  ●余剰塗料ミスト(塗料スラッジ)の回収率向上   ●循環水槽の小型化

  環境改善効果

薬品量の低減、設備品質向上 循環槽清掃頻度の減少

周囲の臭気低減 排水処理量低減 産業廃棄物低減

品質向上、省エネルギー 省資源

   実施効果例

循環槽清掃頻度 5∼8倍延長

循環水臭気50%低減 排水処理量40%低減 産業廃棄物55%低減

    ー

1

2

3

*1 : COD【化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand)】 酸化剤で酸化される有機物などの物質がどのくらい含まれ ているかを、消費される酸化剤の量に換算して示した値。

*2 : SS【浮遊物質量(Suspended Solid)】 水の中に浮遊する浮遊する水に溶けない物質。

循環水槽

トルネード (一次濃縮回収)

(18)

事業部本部 各支店・事業所 作業所

手持ち プロジェクト

データ

適正処理 管理表

戻り

各作業所に状況確認し、 結果を管理表へ記入 新規受注データ

取り込み

毎月の適正処理状況を マニフェスト伝票をもとに記入

適正処理管理表

新規受注含む (持ち込まない) Refuse Reduce

(発生抑制する) (再利用する) Reuse

Recycle (再生利用する)

適正処理管理表

16

作業所の 改善・好事例

シート

■発生量(kg/延m2) 分別リサイクル率(%)

(t)

0 2 4 6 8 10

2005年度 2006年度 2007年度

■作業所における建設副産物発生量と分別リサイクル率

■冷媒フロン回収量

マニフェスト 伝票

0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8

0 10 20 30 40 50 60 70

2005年度 2006年度 2007年度

発 生 量 ︵ kg

/ 延   ︶ m2

産業廃棄物の発生抑制と適正処理

アスベスト(石綿)除去作業の法令順守

有害物質含有機材の適正処理

冷媒フロンの適正処理

 産業廃棄物最終処分量を低減させるため、作業 所において再生可能な産業廃棄物の分別回収と 混合廃棄物発生量を抑える活動を徹底しています。  各店の環境データ管理者が、廃棄物処理に関す る適正処理状況(委託契約、マニュフェスト管理) を監視し、全社的な管理を行っています。産業廃棄 物の処理依託業者は社内イントラネットで見える 化しています。

リニューアル工事を含めて、建設副産物発生量を 対象エリア面積当たりで評価するのは難しく、今後 評価方法を検討する。

 リニューアル工事等において発生する設備機材 に含まれる有害物質を特定し、適正な処理を実施 しています。社内イントラネットにも、「設備機材に 含まれる有害物質」について、注意事項などを掲 載しています。

 2007年10月に施行された「改正フロン回収・ 破壊法」の行程管理制度の順守を徹底しています。  各店ごとに「作業所 冷媒フロン回収管理一覧表」 を作成し、フロン回収管理状況の監視と回収した 冷媒フロンの量を集計しています。

 改修工事における石綿含有機材の撤去作業に ついては、環境マネジメントシステムのデータベー スに掲載した「アスベスト除去作業手順書・作業要 領」に基づいた届出ならびに順法作業を徹底して います。 作業員に対する適切な指示、管理を行 えるよう、社員の「石綿作業主任者」資格取得を徹 底しています。

作業所における環境管理の状況

 作業所毎に「環境管理計画書」を作成し、全社目標として設定した環境側面の管理に加え、作業所 特有の著しい環境側面を管理する活動を実行しています。作業所の環境/品質管理の改善・好事例 は社内イントラネットで「見える化」し、情報を共有化することにより、他の作業所にも展開できるよう にしています。

(19)

TOP

大気社 取引業者 サプライヤ

ユーザー登録 本社各部門

支 店

会計部門

購買本部

支 店

メーカーB 支払い

各作 業所

委託倉庫

物流業 出荷指示

アクセス 注文

メーカーA

事務 用品

OA 消耗品

安全 用品

17

■TOPS取扱い金額

15.7

54.5 62.1

2005年

(百万円) 2006年 2007年

0 10 20 30 40 50 60 70

● 事務用消耗品 ● OA機器関連消耗品 ● 日用雑貨品

● 現場作業服 ● 安全用品 ● クリーンルーム関連用品 

● 安全標識 ● 電報 など

ネット購買

 間接購買システム「TOPS」を利用したネット 購買を推進しています。

 「TOPS」は、集中購買によるコスト削減および 業務の効率化を目指して2005年から導入しまし た。部門や現場単位で取得したIDを用いWEB上 の「TOPS」サイトにログイン。必要な商品・数量 を発注し、納入されます。代金は会計システムと連 動しているので個々に支払い伝票を起票する必要 がありません。取扱い品目も事務用品・OA消耗品・ コピー用紙・日用雑貨品から作業服・安全用品・ク リン用品・安全標識などへと拡大し、従来FAX等 で送付していた発注書が不要になり、支払い処理 にかかる伝票が大幅に削減される等、ペーパーレ ス化を促進しています。

● パッケージエアコン ● ビル用マルチエアコン

● 氷蓄熱エアコン ● ガスヒートポンプエアコン 

● 冷温水発生機 ● 事務用消耗品 ● 日用雑貨品 など

グリーン購買

 設備機材の購入の中で、グリーン購入法適合品 の購入も促進しています。また、TOPSにもグリー ン購入法適合品やエコ商品を多数採用しています。

 2007年のグリーン購入法適合品の購入実績 金額は316(百万)となりました。

(20)

18

■環境に影響を及ぼす重大環境クレームの発生状況

環境教育・環境管理

研修対象者 実施回数 参加対象者 その他参加者 計

執行役員 1 24 ー 24

一般社員 41 905 9 914

国内関連会社社員 10 177 ー 177

計 52 1106 9 1115

13 3 5(内、海外 1)

1 1(海外)

1 1 25 環境クレーム

冷媒フロンガスの漏洩 オイル漏れ

薬液、廃液の漏れ 排水の誤放流

排気処理装置停止によるVOC未処理ガス放出 排気ダクトからの排気漏れ

騒音苦情

         計

2007年度

[中間処理業者視察先]

ワイエム興業 株式会社 新砂リサイクルセンター

[最終処分場視察先] 株式会社 千佳 栃木県那須塩原

コンプライアンス(環境法令順守)教育

環境管理の状況

環境クレームの発生状況

 当社は、2007年度にコンプライアンス教育(環 境法令順守教育)を行いました。延べ52回の実施 で、参加者は 1,115名です。

 法令順守、コンプライアンスの理解と実践等を 主にしたテーマで専門の講師による教育を行いま した。

 今後も国内関係子会社を含め全社員を対象とし て、環境法令順守を徹底すべく、コンプライアンス 教育を継続いたします。

 2007年度には、国内外で25件の環境クレー ムが発生しました。

 当社は、「環境関連法規制情報・管理台帳」を社 内のイントラISO 14001データベースに掲載し、 社員及び業務関係者全員に閲覧できるようにして います。

(21)

19

(kwh)(枚)

電力

0

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 500

1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000

2007年紙 2006年紙 2005年紙 2007年電力

2006年電力 2005年電力

■事務所の電力使用量と紙消費量

事務所の省エネ活動・社会貢献

 地球温暖化対策として、2007年8月に九州支 店として「チームマイナス6%」に参加登録を行い ました。また、独自に次のような活動を実施してい ます。

 その結果2007年度は前2年に比べて、事務所 の電力使用量(Kwh)や紙使用量(一人当たりの A4換算購入枚数)がグラフのように大幅に減少し ました。

支店内や 現場事務所のポスター

コピー機の 前の張り紙

 従業員で構成する風土委員会が使用済みプリペ イドカードを収集し、財団法人緑の地球防衛基金 へ送っています。同基金では、それらの売上で植 林活動を実施しています。

 当社の枚方工場(大阪府枚方市)周りの美化に 努め、近隣住民の方々との日頃の調和を図るため、 毎月2回の定期的な美化パトロールを行っています。

 当社は、温室効果ガス排出削減を目的として、 環境省が推進する軽装運動クールビズを6月1日 から9月30日までの期間、全社で導入しています。  期間中は、ノーネクタイ、ノー上着での勤務を奨 励し、事業所ごとに冷房設定温度を上げ、省エネを 図っています。

 事業所の正面入口にはクールビズ実施のポスター を掲示し、お客様に対しても社員の軽装にご理解 を求めています。

● 自動車をなるべく使わずに公共交通機関を利用

(車の一人乗りを減らす)

● 納入品の梱包レス化と梱包材の持ち帰り励行

● ポスターやメールによる「チームマイナス6%」活動の周知

● 会議での紙資料配布をやめてプロジェクター使用の徹底

● ●

● ●

「チームマイナス6%活動状況」

社会貢献と環境美化活動

(22)

環境目的・目標および2007年度の成果

施 工 段 階

環 境 シ ス テ ム 事 業 部 ・ 塗 装 シ ス テ ム 事 業 部

建設副産物 の削減と 産業廃棄物 の適正処理

冷媒フロン の適正処理

リサイクル率(=1−最終 処分量/廃棄物総量)

60%以上

電子マニュフェスト 導入現場数 8現場(各店1現場)

マニュフェスト管理の 徹底 100% 建設廃棄物の削減と

リサイクル率の向上

建設現場における リサイクル率の向上 建設副産物発生量

0.37kg/m2 分別リサイクル率

55%以上

建設副産物発生量 0.77kg/m2

分別 リサイクル率

50.9%以上

産業廃棄物の適正 処理の徹底

「産業廃棄物処理フロー」 に基づく月次管理の徹底 マニュフェスト伝票

回収率 100%

マニュフェスト 伝票 回収率

100%

冷媒フロンの 適正回収処理の 徹底

冷媒フロンの回収現場を 受注段階で抽出し、確実 に処理する

冷媒フロン 適正処理実施率

100%

実施率 100% フロン回収量

9.7t △

○ 調

    達

購 買 本 部

全 社

グリーン 購買の推進

エコ事務用 品、備品の 購入推進

グリーン購入金額 320百万円

ネット購買利用率 50% グリーン購入法

適合品の購入推進

ネット購買による ペーパーレス化の 推進

グリーン 購 入 法 適 合 品 (5品目)導入を推進し、

採用金額を把握する

ネット購買による事務用品、 現場安全備品の購入金額 比率の把握する ネット購買での

購入比率の 把握 グリーン購入

金額の把握

グリーン購入 金額 316.3 百万

ネット購買での 購入比率

41% ―

― 計

画 ・ 設 計

事 務 所 活 動

環 境 シ ス テ ム 事 業 部

塗 装 シ ス テ ム 事 業 部

全 社 活動

組織 環境目的 目標 2007年度 目標値 活動内容 2007年度 活動成果 評価 2008年度 目標

環境配慮・ 省 エ ネ ル ギ ー 設 計 の推進

事務所活動 における 環境負荷を 低減する

自社設計プロジェク トで環 境 配 慮 設 計

提案を行う

提案評価シート 評価点 63p以上

自社設計プロジェクトを 「環境配慮評価シート」

で評価する

環境配慮・省エネ(CO2削

減)提案/設計を実施する 実施率(自社設計)90%

CO2削減率(量)

15%以上 熱源シミュレーションに

より、省エネ性を評し、 最適システムと 運転方法を提案する 実施件数 3件以上 解析件数 2件以上

指定Proで実施 実施率100%

対応技術の構築と 設計への反映

3件 バイパス運転件数

12件以下 バイパス運転時間

0.15h以下

指定Pro.で性能測定と 評価 実施率100%

A4換算コピー用紙購入量 16,700枚/人 (前年度3%減)

エコカーの導入率 7%以上 車両へのETC 導入率90%以上 評価点

69.9p

自社設計物件で省エ ネルギー(CO2削減)

設計を推進する

CO2発生削減率

(加重平均) 13%以上

自社設計プロジェクトで の間接CO2削減量を評

価する

CO2発生削減率

(加重平均) 16.0%

E S C O・省 エネ ル ギー化導入事業で 省エネ提案を行う

エネルギー 削減率(平均)

15%以上

対応技術の抽出 目標値設定

エネルギ削減効果の高 い省エネ提案を実施し、 導入成果を把握する

納入塗装設備の 省エネ設計を行う

塗装ブース・乾燥炉 のVOC対応技術を 構築する

塗装ブース排気粉 塵量を削減する

エネルギー 削減率(平均)

24.3%

目標値の設定 156kg-CO2/台

対応技術 3件抽出

指定プロジェクト で1件実施

紙使用量の削減

移動に伴う環境負 荷排出量の低減

ペーパーレス会議実施の 徹底社内書類の電子化 (電子承認)

ハイブリッドカーの導入推進 ETC導入推進

コピー用紙 購入量(A4換算) 18,000枚/人以下

エコカーの導入率 5%以上 車両へのETC 導入率80%以上

コピー用紙購入量 (A4換算) 17,278枚/人

エコカーの 導入率5% 車両へのETC

導入率80% ○

VOC処理装置のVOC 排出量を削減する

※バイパス時間は、装置 運転 1,000時間あたり

バイパス運転件数 6件以下 バイパス運転時間

0.15h以下

VOC処理装置の故障停 止時間の最小化を図る

VOC排出量の設計量の 追跡と水性対応技術を 構築する

「年間消費エネルギー試 算ツール」で塗装設備の 省エネ性を評価する

実機プラントでの性能を 評価する

バイパス運転 件数3件 バイパス運転

時間0.31h △

事務所電気使用量 176KW/年・m2 事務所の使用エネ

ルギーの削減

クールビズ、ウォームビズ の徹底

電力使用量 176kwh/m2

・年 以下

電力使用量 181kwh/m2・年 ×

○ 性能評価の実施

(23)

 従来より、当社はホームページにて地球環境問題への取り組みを紹介してまいりましたが、2005年度より、事業活 動をよりわかりやすく情報公開するため、活動事例や環境貢献機器と導入事例も入れて「環境報告書」を編集しました。  活動内容、導入事例等は正確に記述すると共に、読みやすく、わかりやすくまとめたつもりですが、今後は内外とのコ ミュニケーションも強化し、皆様からのご要望も受け止め、新たな改善活動へとつなげていきたいと考えています。  皆様からの忌憚のない、ご意見・ご感想をお待ちしております。

〒163-0225 東京都新宿区西新宿2-6-1(新宿住友ビル) TEL.03-3343-1428 FAX.03-3340-4381

■ 連絡先 (株)大気社 環境保証委員会

沿革および環境配慮の取り組みの歴史

編集後記

合資会社建材社として東京・銀座で創業■

株式会社建材社設立■

技術研究所を開設■

社名を株式会社大気社に変更■

東証に株式を上場、本社を東京・新宿に移転■

座間技術センターを開設■

総合研究所を開設■

研究所を統合し「研究開発センター」を設置■

1913

1949

1964

1973

1974

1980

1991

2004

■もぐり堰式蓄熱槽の特許を出願

■触媒燃焼排気処理装置「キャタバーン」完成

■活性炭吸着式排気処理装置「ハニローター」完成

 (現「アドマット」の原型)

■超成層流型水蓄熱槽「スーパーストラサーム」完成

■ユニット型空調機「カスタムエース」が

 住宅・建築省エネルギー機構から  優良省エネルギー建築技術と認定

■環境対策室を設置、大気社環境憲章を制定

■大気社製RTO蓄熱式直燃排ガス処理装置の開発

■東京本店、ISO14001の認証取得

■「スーパーストラサーム・G」が

 (財)ヒートポンプ・蓄熱センター振興賞を受賞

■省エネルギー型高速エアワッシャ空調機

 「エコワッシャ」が日本機械工業連合会優秀賞  エネルギー機器会長賞を受賞

■環境対策本部を設置(環境対策室をこれに改組)

■環境設備事業部、産業設備事業部の国内全店で

 ISO14001認証を取得

■潜熱蓄熱システム「ストラサーム・L」が

 (財)ヒートポンプ・蓄熱センター電力負荷平準化機器・  システム表彰理事長賞を受賞

■海外現地法人のISO14001認証取得

 (TKS Industrial Company、Taikisha Europe Limited)

■『環境報告書2005』の発行

■塗装設備事業部、ISO14001の認証取得

■溶剤ガス吸着式濃縮装置がにおい・かおり環境協会

 技術賞を受賞

■九州国立博物館における「建築環境システム」で

 (社)空気調和・衛生工学会の「技術賞」受賞

■サンエス工業(株) ISO14001認証取得

1965

1976

1978

1987

1988

1996

1998

1999

2002

2003

2004

2005

2006

2007

当社の沿革 環境配慮の取り組みの歴史

(24)

Printed in Japan TKS108-04 2008.09 DNP 5000 ■ 環境システム事業部 本部 〒163-0225

東京都新宿区西新宿2-6-1(新宿住友ビル) TEL.03-3343-1406 FAX.03-3343-1408

■ 塗装システム事業部 本部 〒141-0032 東京都品川区大崎1-11-2

(ゲートシティ大崎イーストタワー)

TEL.03-3493-3001 FAX.03-3493-3005

■ 研究開発センター 〒243-0308 神奈川県愛甲郡愛川町三増359-8 TEL.046-281-3661 FAX.046-281-3609

■ 塗装システム事業部開発部門 〒573-0067 大阪府枚方市伊加賀緑町3-24

TEL.072-844-3671 FAX.072-844-8493

■ 座間技術センター 〒228-0002 神奈川県座間市小松原2-14-10

TEL.046-253-8837 FAX.046-254-8169 各事業部および研究・開発の内容についてのご意見・ ご質問は下記の宛先までお問い合わせください

■ 〒163-0225

東京都新宿区西新宿2-6-1(新宿住友ビル) TEL.03-3343-1428 FAX.03-3340-4381 (株)大気社 環境保証委員会

h t t p : / / w w w. t a i k i s h a . c o . j p /

(株)大気社 〒163-0225

参照

関連したドキュメント

  他人か ら産業廃棄物 の処理 (収集運搬、処 分)の 委託を 受けて 、その

10.業務経歴を記載した書類

後見登記等に関する法律第 10 条第 1

(2) 産業廃棄物の処理の過程において当該産業廃棄物に関して確認する事項

産業廃棄物の種類 建設汚泥 廃プラスチック類 排    出  

産業廃棄物の種類 排    出   量. 産業廃棄物の種類 排   

産業廃棄物の種類 排    出  

産業廃棄物の種類 排    出   量. 産業廃棄物の種類 排