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1990年 代 の 有 田 焼 産 地 に お け る 古 同

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図̲̲̲

[資 料]

1990年 代 の 有 田 焼 産 地 に お け る

大有田焼振興協同組合の産地 ブラ ンド戦略

度化事業

山 田雄 久 ・筒 井 孝 司 ・吉 田忠 彦 ・東 郷 寛

は じめ に 1.研 究 開 発 事 業 2.新 商 品 開 発 事 業 3.需 要 開 拓 事 業 4.観 光 文 化 事 業 5.そ の 他 の 事 業 6.組 織 の マ ネ ジ メ ン ト

は じ め に

伝 統 産 業 地 域 の 高 度 化 事 業 を 推 進 した大 有 田焼 振 興 協 同組 合(以 下,大 有 田焼 と略 す) に お け る発 展 期 の 事 業 展 開 を ふ まえ,本 稿 で は平 成 期 以 降 有 田町 が 強 力 に推 進 した 国 際 化 の 動 き と有 田焼 産 地 に お け る高 度 化 事 業 との 関 連 性 につ いて 検 討 を 加 え た い。1996(平 成 8)年 に有 田町 を 中心 に佐 賀 県 と周 辺 地 域 で 実 施 され た佐 賀 県 主 催 の ジ ャパ ンエ キ ス ポ ・ 国 際 陶 芸 祭 「世 界 ・姦 の 博 覧 会 」 の 開 催 に あわ せ て,佐 賀 県 は伝 統 産 業 地 域 で あ る有 田を 世 界 的 な フ ァイ ンセ ラ ミ ック ス技 術 の 集 積 地 と して 位 置 付 け,伝 統 的 作 品 を 芸 術 の 域 に ま で 昇 華 させ た数 多 くの 有 田焼 作 家 に よ る活 動 に加 え,大 有 田焼 の 諸 事 業 を 通 じて,新 製 品 の 開 発 に取 り組 ん だ 窯 元 や 商 社 が 最 新 の 窯 業 技 術 を 駆 使 した有 田焼 ブ ラ ン ドの 創 出を 目指

して,有 田焼 産 地 で も平 成 期 以 降 新 たな 展 開 を み せ た。

国 内市 場 の 成 熟 化 に と もな い,消 費 地 市 場 で 高 い評 価 を 受 けて きた 有 田焼 も新 しい コ ン セ プ トの 製 品 を生 み 出す こ とで,消 費 地 で の 需 要 に対 応 した製 品 を 開 発 す る こ とが 求 め ら れ た。 温 泉 旅 館 や 料 亭 の 宴 会 で 用 い られ る和 食 器 や 高 級 割 烹 食 器 を 日本 全 国 にわ た って 多 数 供 給 して き た有 田窯 焼 の 経 営 で は,観 光 事 業 に お け る ツ アー ビ ジネ スの 激 変 に応 じて, 次 第 に方 向転 換 を 図 る必 要 性 にせ ま られ た。 大 有 田焼 に お いて 開 発 が 続 け られ た ホ テル や

レス トラ ンで 用 い られ る業 務 用 食 器 の 分 野 を 拡 充 す る と 同時 に,新 素 材 の 食 器 開 発,給 食 一183(183)一

(2)

用 食 器 や 和 洋 兼 用 の 家 庭 用 食 器 な どの 分 野,さ らに は 国 内 向 け業 務 用 食 器 で の 圧 倒 的 な シ ェ ア を 占 めて き た有 田焼 に お け る新 規 販 路 の 開 拓 へ と個 別 の 企 業 レベ ル で も積 極 的 に取 り組 ん だ。

本 稿 で は,フ ァ イ ンセ ラ ミ ック スの 新 技 術 か ら,家 庭 で 用 い る 日用 食 器 まで の 幅 広 い レ パ ー トリー にわ た る陶 磁 器 を 創 出す る技 術 開 発 の 過 程 で,大 有 田焼 や ニ ュー セ ラ ミ ック ス 研 究 会 が強 力 な リー ダ ー シ ップ を発 揮 し,有 田焼 産 地 の 高 度化 事 業 を一 層 深 化 させ た動 き, な か で も大 有 田 焼 に お け る技 術 開 発 を通 じた新 製 品 の試 み や東 京 ドー ム テ ー ブ ル フ ェ ア フ ェ ス テ ィバ ル を は じめ とす る消 費 地 市 場 で の 催 事 イベ ン トと産 地 ブ ラ ン ド創 出の 試 み に つ いて 取 り上 げ た い。 佐 賀 県 が 主 導 した 「有 田国 際 フ ァ イ ンセ ラ ミ ック ス シ ン ポ ジ ウ ム」

は世 界 ・姦 の 博 覧 会 開 催 の 準 備 を 目的 と した 「有 田国 際 や き もの フ ォー ラ ム」 へ とそ の 役 割 を継 承 す る形 で,新 時 代 に対 応 した有 田焼 の 高 度 化 事 業 を 推 進 す る上 で の 重 要 な 産 地 の 国 際 的 事 業 と して 取 り組 まれ た。 経 済 大 国 化 に よ る消 費 地 市 場 の 成 熟 に と もな って,有 田 焼 ブ ラ ン ドの 再 構 築 と21世 紀 の 時 代 に生 き残 る た めの 経 営 革 新 が,陶 磁 器 産 地 にお け る新

たな 課 題 と して 認 識 され たの で あ る。

1.研 究 開 発 事 業

(1)新 技 術 分 野 開 発 事 業

有 田の ニ ュ ーセ ラ ミ ック ス研 究 会 で は,と りわ け最 先 端 の 研 究 開 発 に乗 り出 し,バ イオ リア ク タ ー開 発 委 託 事 業 な ど数 年 に及 ぶ 研 究 開 発 事 業 に取 り組 ん で きた が,大 有 田焼 振 興 協 同組 合 で は陶 磁 器 技 術 の 改 良 と新 素 材 の 開 発 に も力 を 入 れ,1989(平 成 元)年 に は佐 賀 県 窯 業 試 験 場 との 共 同研 究 の 一 環 と して,鉛 を 使 わ な い陶 磁 器 上 絵 具 の 研 究 開 発 に成 功 し

た(1)。大 有 田焼 の開 発 委 員 会 は鉛 対 策 の研 究 を重 ね,窯 業 試 験 場 の 河 口純 一 試 験 部 長 を 中 心 に若 手 研 究 者 が 研 究 成 果 を 次 々 と発 表 し,青 年 部 の 上 絵 研 究 会 が 中心 とな って,消 費 地 レベ ル で 問 題 視 され て 来 た鉛 溶 出の 危 険 性 を 一 気 に解 消 す る技 術 と して 無 鉛 上 絵 プ リ ッ ト の 開 発 と その 実 用 化 に こ ぎつ け た。

1991年 以 降 は省 資 源 を ク リア す る た め の資 源 高度 リサ イ クル 利用 技 術 の調 査 研 究 を重 ね, 国 立 九 州 工 業 技 術 試 験 所 を 中核 と した九 州 内窯 業 圏 域 の 試 験 場 との 共 同事 業 と して,天 草 陶 石 を用 い た 「低 火 度 陶 石 を 原 料 とす る新 陶 土 の 開 発 研 究 」 な どの 諸 事 業 を 有 田町 で も強 力 に推 進 したの で あ る。

(1)「 大 有 田 焼 だ よ り 」 第28号, 1989年

‑184(184)一

(3)

1990年 代 の 有 田焼 産 地 にお け る高 度 化 事 業(山 田 ・筒 井 ・吉 田 ・東 郷)

表1大 有 田 焼 振 興 協 同 組 合 の 動 き(平 成 元 〜7年 度)

年度 平成元年 2 3 4

・イ ン テ リ ア エ ク ス ・磁 器 製 洗 面 器 ・水 ・大 有 田 焼 厚 生 年 金 ・東 京 ドー ム 「テ ー テ リア製 品 開 発 回 り ・サ ニ タ リー 基金設立 ブ ル ウ ェ ア フ ェ ス

・上 絵 研 究 会 発 足 製 品 ・ シ ャ ン デ リ ・有 田 陶 交 会 ・伊 万 テ ィバ ル 」 出 展

・有 田 マ イ セ ン姉 妹 ア 等 イ ン テ リ ア エ 里 陶 青 会 ・吉 田 窯 (以 後 継 続 事 業) 都 市10周 年 記 念 交 ク ステ リア商 品 開 友会成果発表展開 ・「陶磁 器 デザ イ ン開

流文化展開催(国 発 催支援(継 続事業) 発研究会」設立

実施事業 特記事項

内5会 場)

・ハ イ ビ ジ ョ ン ソ フ ト 「有 田 焼 」 製 作

・無 鉛 上 絵 具 普 及 啓 蒙事 業(継 続事 業)

・「生 涯 学 習 フ ェス

・「国 際 ホ テ ル レス ト ラ ン シ ョー 」 出 展 (継 続 事 業)

・地 域 資 源 等 活 用 型 起 業 化 事 業(自 動 圧力 鋳込装 置製 作)

・組 合 情 報 ネ ッ ト テ ィバ ル 」 給 食 食 ・NHK放 送 セ ン タ ー

ワー ク事 業 プ ロ グ 器出展 ギ ャ ラ リー 展 開 催

ラ ム 開 発 ・ シ ス テ ・ハ ウ ス テ ン ボ ス

ム設 計 「フ ェ ル メ ー ル 」

に ア ン テ ナ シ ョ ッ

プ設置

年度 平成5年 6 7

実施事業 特記事項

・「有 田国際 や き もの フ ォー ラ ム」 開 催 (継続 事 業)

・「県 国際産業 デ ザイ ンセ ミナ ー 」 開 催

・65歳 継 続 雇 用 推 進協 賛 事業(2力 年事 業)

・中小 企 業 情 報 ネ ッ トワー ク(ス マ イ ル ス)設 置

・「世 界 ・姦 の 博 覧 会 」 実 行 委 員 会 へ 業 界 か ら2名 派 遣

・有 田 ポー セ リ ン パ ー クに ア ンテ ナ

シ ョッ プ設 置

・「世 界 ・姦 の 博 覧 会 」 広 報 宣 伝 誘 致

・阪 神 大 震 災 救 援 活活 動

・有 田陶 交 会 「第10 回記 念逸 器一 窯展 」 伊 万 里 陶 青 会 「花

と器 の 出 会 い 展 」 開 催 支 援

・テ ー ブル コー デ ィ ネ ー ト展 ・陶 磁 器 デ ザ イ ナ ー 協 会 展 後 援

・「世 界 ・姦 の 博 覧 会 」 陶 磁 器 バ ザ ー ル 館 参 加 勧 誘 ・陶 芸 の 里 体 験 工 房 運 営 委 託

・雇 用 機 会 確 保 支 援 事業(2ケ 年事 業)

・イ ン ター ネ ッ ト研 究 会 発 足

(注)筒 井 孝 司 作 成 資 料 。

ま た佐 賀 県 窯 業 試 験 場 が 最 新 設 備 の 拡 充 を 目的 と して 赤 坂 団 地 の 敷 地 へ 移 転 す る こ と と な り,新 た に 「佐 賀 県 窯 業 技 術 セ ンタ ー」 と して,有 田焼 の フ ァ イ ンセ ラ ミ ック ス分 野 と 新 製 品 開 発 の 技 術 拠 点 と して 機 能 す る よ う にな っ た。 各 地 区 の 新 分 野 商 品 にお け る開 発 能 力 の 向上 を図 る た め,有 田陶 交 会 ・伊 万 里 陶 青 会 ・嬉 野 窯 友 会 にお いて 成 果 発 表 展 を 定 期 的 に開 催 す るな ど,若 手 経 営 者 を 中心 に新 技 術 の 習 得 と応 用 に努 力 を 傾 け,デ ザ イ ンの 高 度 化 開 発 事 業 に参 加 した彼 ら窯 元 が 中心 とな って,陶 磁 器 デザ イ ンの 開 発 と新 製 品 創 出へ の 努 力 が 続 け られ た。

一185(185)一

(4)

表2有 田 国 際 フ ァイ ンセ ラ ミ ッ ク ス シ ンポ ジ ウム 参 加 者 状 況 (単 位 ・人)

年 次 県内 九州 中 四 国 近畿 北陸中部 関東以北 計

1986(昭 和61)年 71 67 15 17 16 36 222

1987(昭 和62)年 58 66 13 14 10 36 197

1988(昭 和63)年 60 73 16 15 14 36 214

1989(平 成 元)年 48 52 18 15 11 31 175

1990(平 成2)年 48 34 6 9 6 30 133

(注)筒 井 孝 司 作 成 資 料 。

(2)有 田国 際 フ ァイ ンセ ラ ミ ッ ク ス シ ンポ ジ ウム

1986(昭 和61)年 以 来 実 施 され て き た有 田国 際 フ ァ イ ンセ ラ ミ ック ス国 際 シ ン ポ ジ ウ ム で は,実 行 委 員 会 と して 佐 賀 県,有 田町 の ほか,工 業 技 術 院 九 州 工 業 技 術 研 究 所,財 団 法 人 九 州産 業 技 術 セ ンター な どの研 究 機 関,九 州 フ ァイ ンセ ラ ミ ック ス ・テ ク ノ フ ォー ラム, 大 有 田焼 振 興 協 同組 合,有 田商 工 会 議 所,財 団 法 人 久 留 米 ・鳥 栖 地 域 技 術 振 興 セ ン ター, 有 田ニ ュ ー セ ラ ミ ック ス研 究 会,財 団 法 人 佐 賀 産 業 技 術 情 報 セ ン ター な どの 諸 機 関 が 主 催 者 と な り,佐 賀 県 立 九 州 陶 磁 文 化 館 と佐 賀 県 窯 業 技 術 セ ンタ ーを 主 会 場 と して,県 外 か ら の 研 究 者 を多 数 招 聰 しな が ら3日 間 の 日程 で 研 究 発 表 会,内 外 の 研 究 者 に よ る講 演 会,セ

ラ ミ ック ス ツ ア ーを 同時 に実 施 した。

1980年 代 以 降,フ ァイ ンセ ラ ミ ック ス部 門 の 研 究 が 日本 各 地 で 競 って 実 施 され,そ れ ら の 実 用 化 が 試 み られ たが,陶 磁 器 業 界 に お け る激 しい開 発 競 争 を 経 て,1990年 代 に入 る と 一 転 して 淘 汰 の 時 代 へ と突 入 した。 表2に み られ る よ う に,シ ン ポ ジ ウ ムへ の 参 加 者 数 は 1990年 に は減 少 傾 向 に入 り,大 手 企 業 を 中心 に有 田で も主 力 企 業 で の 成 功 が 目立 ち,香 蘭 社 や 岩 尾 磁 器,共 立 磁 器 な どの 海 外 企 業 と技 術 提 携 を 行 う メー カー で の 開 発 が 目立 つ 存 在 とな っ た。 そ こで ニ ュー セ ラ ミ ック ス研 究 会 で は,次 第 に フ ァ イ ンセ ラ ミ ック スの 分 野 だ けで な く,日 用 食 器 や ノベ ル テ ィ ー と い っ たオ ール ドセ ラ ミ ック スへ の 分 野 で の 技 術 開 発 を誘 発 す る よ うな 啓 蒙 的 役 割 を果 たす べ く,幅 広 いセ ラ ミ ック ス分 野 の 紹 介 と研 究 者 間 の 交 流 に も力 を入 れ る よ う にな っ た。 世 界 ・姦 の 博 覧 会(以 下,姦 の 博 と略 す)開 催 へ の 準 備 を進 め る 中で,有 田国 際 フ ァ イ ンセ ラ ミ ック ス シ ン ポ ジ ウ ムの 講 師 と して,人 間 国 宝 の 十 三 代 今 泉 今 右 衛 門 氏,そ して 佐 賀 県 文 化 財 課 の 高 島忠 平 氏 な ど県 内の 著 名 人 に よ る特 別 講 演 が 開 催 され たの で あ り,県 内外 の 研 究 者 に対 して 参 加 を 呼 びか け る こ とで,有 田焼 の 生 産 技 術 を歴 史 的 に評 価 し活 用 す る た めの 実 業 界 レベ ル に お け る研 究 交 流 が 進 ん だ 。

一186(186)一

(5)

1990年 代 の 有 田焼 産 地 にお け る高 度 化 事 業(山 田 ・筒 井 ・吉 田 ・東 郷)

2.新 商 品 開 発 事 業

(1)大 有 田プ ラザ 市

大 有 田焼 に お け る 中心 的 事 業 と して 定 着 した大 有 田 プ ラザ 市 で は,回 を 重 ね る ご と に都 市 部 に お け る有 田焼 の 人 気 が 高 ま り,展 示 内容 に お いて も食 器 か ら生 活 用 品 へ と取 扱 商 品 の 分 野 で 次 第 に広 が りを み せ る よ う にな っ た。 有 田窯 業 界 は これ まで,ホ テル ・レス トラ ン担 当者 と共 同開 発 した有 田焼 オ リジ ナル 洋 食 器 の 発 表 や 新 鮮 素 材 レス トラ ンで の 体 験 な ど を通 じて,ニ ー ズが 多 様 化 す る大 都 市 消 費 地 の 顧 客 に対 し,有 田焼 の 新 商 品 を 機 会 あ る ご と に提 案 して き た。 と りわ け1990(平 成2)年 の 第10回 大 有 田 プ ラザ 市 で は,10回 目の 節 目 にふ さわ しい企 画 展 と して 「今,有 田か ら感 性 ・か た ち ・そ して 伝 統 」 を テー マ に し

た モ デル ル ー ムを 新 た に設 置 し,新 時 代 に対 応 した生 活 文 化 の 提 案 を 目的 とす る展 示 内容 の 充 実 を図 っ た。

有 田陶 交 会(2)の有 志 で 構 成 され る有 田創 作 グル ー プ(香 蘭 社,岩 尾 対 山窯,山 徳 窯,有 田物 産,陶 芸 いわ 徳 窯,し ん 窯,瑞 峯 窯,親 和,徳 幸,順 天 窯,福 珠 窯,与 山)の 提 供 に よ る磁 器 洗 面 器 や シ ャ ンデ リア,食 卓 な ど,感 性 豊 か な イ ン テ リア商 品(3)を中心 に,有 田 陶 磁 器 に よ る新 しい生 活 文 化 情 報 を 提 供 した。 異 業 種 交 流 を 通 じて 開 発 され た 壁 面 照 明,

シ ャ ンデ リア,花 瓶,植 木 鉢 を 通 じて,伝 統 の 有 田焼 で み られ た 染 付 と色 絵 の 豪 華 さが 窯 元 それ ぞれ の 製 品 に よ って 浮 き彫 りに され た。 この 企 画 展 で は京 王 プ ラザ ホ テル の 意 向 で 大 有 田焼 ・開 発 部 会 が 「大 有 田 プ ラザ 市 企 画 開 発 部 会 」 を 組 織 し,約8ケ 月 間 の 試 作 段 階 を経 て 商 品 開 発 を 進 め た。 モ デル ル ー ム につ いて は川 久 保 正 行 氏(佐 賀 県 窯 業 試 験 場 デ ザ イ ン室 長),篠 原 晃 氏(ア ル セ ッ ド建 築 研 究 所 員),田 中 ゆ か り氏(空 間 コー デ ィネ ー タ ー) の 三 氏 の 協 力 を仰 ぎな が ら,生 活 用 品 と い う新 領 域 で の 新 商 品 研 究 お よ び開 発 を 進 めた 。 伝 統 美 で 彩 られ た展 示 室 は,高 級 化 の イ メー ジ ア ップを 試 み る ホ テル 業 界 関 係 者 に対 して 数 多 くの刺 激 を与 え た㈲。 プ ラ ザ市 で発 表 さ れ た 開発 商 品 は,そ の 後見 本 市 で の 展 示 を 経 て 市 場 に数 多 く出回 る よ う にな っ た。

(2)歴 代 の 有 田陶 交 会 会 長 は大 有 田焼 の 理 事 を 務 あ,と りわ け大 有 田焼 の 新 商 品 開 発 に 係 る事 業 で リー ダ ー シ ッ プを 発 揮 した 。

(3)有 田焼 の 新 分 野 能 力 開 発 推 進 活 動 と して 生 活 空 間 分 野 の 演 出 提 案 を 目的 に佐 賀 県 窯 業 試 験 場 な どの 指 導 を 受 けて 有 田地 区 で 磁 器 洗 面 器 な どの 水 まわ り品,シ ャ ンデ リア,衛 生 品 の 研 究 開 発 に 取 り組 ん だ 。 大 有 田 焼 振 興 協 同 組 合(「 平 成2年 度 第13期 通 常 総 会 提 出 議 案 」,11頁)。

(4)「 大 有 田 焼 だ よ り」 第32号,1990年

‑187(187)一

(6)

(2)陶 磁 器 デ ザ イ ン開 発 研 究 会

大 有 田焼 で は陶 磁 器 デザ イ ン開 発 研 究 会 が1992年8月 に発 足 し,有 田焼 を は じめ とす る 佐 賀 県 内の 陶 磁 器 産 業 発 展 に お いて 必 要 な 要 素 で あ る陶 磁 器 の 形 状,絵 柄,色 彩 と い った デザ イ ン面 で の 改 良 や 開 発 に関 す る課 題 を 体 系 的 に学 ぶ こ とや,若 手 デ ザ イ ン技 術 者 の 養 成 を 目 的 と して活 動 を展 開 した(5)。研 究 会 で は動 きや す い組 織 と して シ ン プル な メ ンバ ー 構 成 の 形 を と り,役 員 選 任 で は顧 問 お よ び理 事 を 設 けず,幹 事 会 メ ンバ ー の み で 運 営 を 行

う こ と とな っ た。

研 究 会 で は 昭和62年 度 か ら平 成3年 度 ま で 「地 域 シス テ ム技 術 開発 事 業(6)」と して 取 り 組 む こ と に よ り,開 発 を 進 め て きた コ ン ピュー タ カ ラー グ ラ フ ィ ック ス(CG)シ ス テ ムや 有 田焼 文 様 ・上 絵 具 の デー タベ ー ス(DB)を 実 践 的 な 商 品 開 発 にお いて 活 用 し,有 田焼 産 地 と して の競 争 力 を高 め る こ とを 企 図 して い た。事 業 計画 に お い て は デザ イ ン保 護 と開発, 各 産 地 の 状 況 な ど につ いて の 研 修 や 実 技 ・実 践 セ ミナー の ほか,有 田窯 業 大 学 校 の 協 力 を 得 な が ら,こ れ まで 佐 賀 県 で 開 発 され たCGシ ステ ム とDBの 組 み 合 わ せ に よ るデ ザ イ ン 技 術 の 実 践 研 究,さ らに は福 岡や 大 阪 な どの 流 通 現 場 に お け る研 修 を 経 験 す る こ とで,陶 磁 器 デザ イ ン開 発 力 向 上 を 目指 した。

上 記 の 計 画 を実 行 しつ つ,研 究 会 で はデ ザ イ ン関 連 の 先 端 技 術 を 県 内産 地 に根 付 か せ る と 同時 に,県 内業 者 の 力 を 結 集 し,産 地 間 競 争 力 を 高 め る た めの 体 制 づ く りの 一 翼 を 担 う こ と にな っ た。 研 究 会 の 活 動 は大 有 田 プ ラザ 市 の 開 催 準 備 と有 機 的 に リン ク して お り,と りわ け イ ンテ リアの 分 野 で 新 境 地 を 切 り開 い た第10回 大 有 田 プ ラザ 市 展 示 品 の 開 発 と も連 動 して い た。 その 後 の 展 開 と して,1996年 に開 催 予 定 の 姦 の 博 に向 けた ノベ ル テ ィー ・エ ク ス テ リア を は じめ とす る景 観 ・環 境 商 品 の 開 発 へ とつ な が り,1995年 に設 立 され た 「エ ク ス テ リア製 品 開 発 研 究 会 」 の 趣 旨 と して,資 料1に み られ る よ うな 研 究 会 の 活 動 目標 が 掲 げ られ た(7)。

(5)陶 磁 器 デ ザ イ ン開 発 研 究 会 の 会 長 と して 田 中 清 美 氏,副 会 長 に は藤 井 覚 司 氏 と篠 原 賢 次 氏 が そ れ ぞ れ 就 任 した 。 幹 事 会 は佐 賀 県 工 業 技 術 セ ン ター,佐 賀 県 窯 業 技 術 セ ン ター,有 田 町,有 田窯 業 大 学 校,有 田工 業 高 校,九 州 陶 磁 文 化 館,各 組 合 の 職 員 で 構 成 され た 。 「大 有 田 焼 だ よ り」 第 38号,1992年

(6)「 地 域 シ ス テ ム技 術 開 発 事 業 」 は佐 賀 県 委 託 事 業 で あ り,佐 賀 県 工 業 試 験 場 や佐 賀 県 窯 業試 験 場 と共 同 で 有 田焼 デ ザ イ ンの フ ァイ リン グを 行 った ほか,成 形 技 法 の 自動 化 に向 けた 技 術 開 発 を 担 当 した 。 大 有 田焼 振 興 協 同 組 合 「平 成2年 度 第13期 通 常 総 会 提 出 議 案 」,11頁 。

(7)陶 磁 器 デザ イ ン開 発 研 究 会 の 活動 を通 じて,CGに よ るデ ザ イ ンか ら陶磁 器 製 のか ら くり人 形 ・ 時 計 お よび 雛 人 形 が 誕 生 した(「 大 有 田 焼 だ よ り」 第44号,1994年)。 エ クス テ リア 製 品 開 発 研 究 会 につ い て は,佐 賀 県 窯 業 技 術 セ ン ター 陶 磁 器 部 デザ イ ン室 「エ ク ス テ リア 研 究 会 」,1995年 を 参 照 。

一188(188)一

(7)

1990年 代 の 有 田焼 産 地 にお け る高 度 化 事 業(山 田 ・筒 井 ・吉 田 ・東 郷)

資 料1〕 エ ク ス テ リ ア 製 品 開 発 研 究 会 「趣 旨」

「食 器 外 産 業 の 進 展 に 伴 い,陶 磁 器 を 素 材 に し,肥 前 の イ メ ー ジ を 大 切 に し,近 い 将 来 に 結 び つ くエ ク ス テ リ ア 製 品 の 開 発 を 目 的 と し た 研 究 会 。

エ ク ス テ リア 製 品 と は,家 庭 か ら 始 ま る ス ト リ ー ト製 品 を 考 え る こ とが 出 来 る 。 そ れ は, 野 外 で の 生 活 に 快 い 雰 囲 気 を 提 供 す る 物 で あ る 。

具 体 的 に は,イ ス,ベ ン チ,テ ー ブ ル,水 飲 器,プ ラ ン タ ー,照 明 具,ク ズ 入 れ,ポ ト,傘 た て,サ イ ン(表 札 を 含 む),陶 彫,遊 具,噴 水,道 路 柵 等 が あ る 。

各 窯 元 で 製 作 し た 物 は,展 示 会 な ど を 開 き,役 場 な ど の 協 力 を 得 な が ら,町 造 りの ア イ テ ム と して 地 元 の 自 治 体 を 始 め,地 方 の 自 治 体 に もPRを して い た だ く。 ま た 姦 博 へ の ア イ テ ム と して も 提 案 し,産 業 と して 育 て る も の と し た い 。

1.30企 業 程 度 の 参 加 と す る 。

2.4,5グ ル ー プ に 分 け る(ア イ テ ム 別,コ ン セ プ ト別) 3.技 術 セ ン タ ー の 設 備 の 利 用 と 製 品,製 造 技 術 の 支 援 を 受 け る 。 4.各 企 業 の 情 報 交 換 と 製 品 開 発 能 力 を 高 め る こ と が 出 来 る 。 5.流 通 経 路 の 拡 大 を 期 待 で き る 。」

世 界 ・姦 の 博 覧 会 会 場 に設 置 され る予 定 で あ っ たエ ク ス テ リア製 品 の 研 究 開 発 に参 加 し たの は,山 徳,伯 父 山,や ま平,文 八,虎 仙,し ん 窯,岩 尾 磁 器 工 業 な ど,イ ン テ リア製 品 の 開 発 に熱 心 で あ った 有 田 の窯 元 企 業 で あ り,姦 の博 で 募 集 した ス ト リー ト ・フ ァニ チ ャ ー展 の 企 画 と連 携 す る形 で,イ ン テ リア製 品 か ら派 生 したエ ク ス テ リア製 品 を 戸 外 で 展 示 し,有 田焼 の 新 製 品 を 広 く国 内の 一 般 観 光 客 を は じめ,世 界 各 国 の 人 々へ も知 ら しめ る効 果 を発 揮 した。 元 来 有 田焼 が 得 意 と して き た大 型 の 陶 磁 器 製 品 を イ ン テ リア ・エ ク ス テ リア部 門 で 拡 充,発 展 させ る こ とで,21世 紀 に生 き残 る有 田焼 と して 提 案 し,世 界 へ 発 信 して 行 くこ とが 企 図 され て い た。

(3)有 田国 際 や き もの フ ォー ラム

姦 の 博 開 催 に あわ せ て,有 田国 際 フ ァ イ ンセ ラ ミ ック ス シ ン ポ ジ ウ ムを 発 展 継 承 す る形 で,1993年 よ り有 田 国 際 や き もの フ ォー ラ ム が実 施 さ れ た。実 行 委 員 会 と して は,佐 賀 県, 有 田町 の ほか,大 有 田焼 振 興 協 同組 合,佐 賀 県 陶 磁 器 工 業 協 同組 合,肥 前 陶 磁 器 商 工 協 同 組 合 が 主 催 者 とな り,よ り実 用 的 か つ 新 素 材 を 応 用 した陶 磁 器 の 開 発 に不 可 欠 な 技 術 を 紹 介 す る と と も に,姦 の 博 へ の 参 加 を 予 定 して い る 日本 各 地 の 陶 磁 器 産 地 関 係 者 に対 し,陶

一189(189)一

(8)

磁 器 業 界 に関 す る最 新 情 報 を 随 時 発 信 して い くこ とを 目的 と した。 別 素 材 の 生 活 品 や 洋 食 器 の 技 術 を有 田で 紹 介 す るな ど,有 田焼 の 将 来 や 技 術 革 新 の あ り方 につ いて 考 え る上 で 貴 重 な 情 報 交 換 の 機 会 とな っ た。

1996年 まで 計4回 にわ た り実 施 され た有 田国 際 や き もの フ ォー ラ ムで は,大 有 田焼 が そ の 事 務 局 を務 め た。 窯 業 界 が 継 続 的 に必 要 と した新 技 術 の 開 発 や 高 付 加 価 値 化 を 達 成 す る た め に も,新 分 野 へ の 展 開 を 果 たす べ き窯 業 技 術 に関 す る科 学 的 手 法 と最 新 情 報 の 提 供 を 目標 と して,1993年 に は 「や き もの ・その 色 彩(い ろ)を 科 学 す る」 を テー マ に据 え,国 内外 で 活 躍 す る一 流 の 研 究 者 ・技 術 者 が 参 加 して パ ネ ル デ ィ ス カ ッシ ョンや 製 品 提 示 を 積 極 的 に行 い,初 日 に は 日本 芸 術 院 会 員 に選 ばれ た青 木 龍 山氏 が 「や き もの の 色 と心 」 と題 し,九 州 陶 磁 文 化 館 で 記 念 講 演 を実 施 した(8)。翌 年 開催 の第2回 有 田 国 際 や き もの フ ォー ラ ムで は,赤 坂 団 地 へ と移 転 した佐 賀 県 窯 業 技 術 セ ンター を 会 場 に設 定 し,会 場 敷 地 内で は最 新 の 窯 業 関 連 機 械 器 具 や 原 材 料 を 展 示 ・実 演 す る 「窯 業 技 術 フ ェ ア」 を 同時 開 催 す る こ と に よ り,省 力 化 シ ス テ ム とな る食 器 用 自動 成 形 機 や 真 空 土 練 機,陶 磁 器 焼 成 炉 な どの 最 新 設 備 の 展 示 を あわ せ て 実 施 した。

1994年 に は 「や き もの ・そ の造 形(か た ち)と 素 材 」,1995年 に は 「や き もの ・そ の デ ザ イ ンの 展 開」 を テ ー マ に据 え て,各 地 の研 究 者 が 陶 磁 器 技 術 に関 す る研 究発 表 を実 施 し, 将 来 の 陶 磁 器 産 業 に お け る課 題 につ いて 各 方 面 の 関 係 者 との 間 で 活 発 な 研 究 交 流 と種 々の 問 題 提 起 を行 っ た。 資 料2に み られ る よ う に1994年 に は 「肥 前 陶 磁 器 素 地 の 原 料 ・現 況 と 将 来 」 と題 し,神 奈 川 大 学 工 学 部 教 授 の 濱 野 健 也 氏 が 特 別 講 演 にお いて 研 究 報 告 を 行 い, 有 田焼 に お け る原 料 開 発 の 重 要 性 と 同時 に,伝 統 産 業 と して の 原 料 供 給 と有 田焼 と して の

ブ ラ ン ド開 発 が 必 要 で あ る こ とを 強 調 した。 地 域 に お け る技 術 発 展 を 通 じて,伝 統 的 技 術 の 見 直 しと新 しい分 野 の 製 品 開 発 が 進 め られ る 中で,産 業 上 の 確 固 と した 技 術 的 基 礎 と普 遍 的 な 製 造 方 法 の 確 立 が 目指 され るべ きで あ る点 を 力 説 され る重 要 な 提 言 とな った 。

〔資 料2〕 特 別 講 演 「肥 前 磁 器 素 地 の原 料,現 況 と将 来 」 要 旨

「粘 土 の よ うな 可 塑 性 原 料 を 使 わ ず 石 物 の 陶石 の み を 原 料 とす る肥 前 の磁 器 は,当 時 使 わ れ て い た ス タ ン プ ミル に よ る粉 砕 方 法 が 天 草 陶 石 の 性 質 に う ま く適 合 し,こ の 陶 石 の 均 質 でTio2含 有 量 が 少 な いな どす ぐれ た性 質 と と も に高 級 和 磁 器 と して の 有 田焼 の 名 声 と

(8)大 有 田焼 振 興 協 同組 合 「平 成5年 度 第16期 通 常 総 会 提 出 議案 」,15頁 。 有 田 国 際 や き もの フ ォー ラム プ ロ グ ラム 各 年 度 版,1994年 度 の 特 別 講 演 に つ いて は 「大 有 田焼 だ よ り」 第45号,1995年 参 照 。

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1990年代の有 田焼産地 にお ける高度化事業(山 田 ・筒井 ・吉 田 ・東郷)

その 製 造 技 術 を確 立 して き た。 しか し最 近,強 度 が 弱 いな どの 問 題 点 が で て きて い る。 こ の 問 題 を改 善 す る方 法 と実 験 例 を 示 す と と も に,ト ロ ン ミル の 使 用 に よ り可 能 とな る配 合 陶 土 化 の 利 点 を説 明 す る。 これ は 同時 に天 草 陶 石 が 肥 前 地 区 に と って 不 可 欠 な もの で はな くな る こ とで も あ る。 しか し,良 質 な 一 次 資 源 の 出荷 を 抑 え 地 元 で 加 工 して 付 加 価 値 を 高 め よ う とす る世 界 的 な す う勢 を 考 え る時,天 草 陶 石 の よ う にす ぐれ た 原 料 が,し か も近 隣 に産 出す る と い う こ と は恵 まれ た条 件 で あ り,ま た それ を 利 用 して い くこ と は肥 前 磁 器 の 将 来 に と って も重 要 な こ とで あ る。 それ に は現 在 未 利 用 に近 い低 火 度 陶 石 の 活 用 な ど問 題

を含 めて 天 草 地 区 との 真 の 協 力 関 係 を 確 立 す る こ とが 重 要 で あ る。」

第2回 有 田国 際 や き もの フ ォー ラ ムで は,同 時 に資 料3の よ うな 大 会 プ ロ グ ラ ム に基 づ き,陶 磁 器 の 製 造 技 術 の み な らず,日 本 陶磁 器 の 将 来 に関 す る 種 々 の パ ネ ル デ ィス カ ッ シ ョ ンが 繰 り広 げ られ た。 海 外 の 研 究 者 に よ る美 術 史 的 観 点 に基 づ いた 陶 磁 と金 属,ガ ラ ス製 品 な ど との 比 較,景 観 材 料 と して の 陶 磁 器 製 品,さ らに は食 器 が 料 理 そ の もの に与 え る影 響 な ど,歴 史 ・文 化 的 観 点 か らみ た陶 磁 器 の 開 発 に関 す る検 討 が 加 え られ,国 際 的 か つ 学 際 的 な 研 究 交 流 と業 界 レベ ル で の 人 的 交 流 が 積 極 的 に 進 め られ た の で あ る。 パ ネ ル デ ィ ス カ ッシ ョンで は統 一 テー マ 「食 空 間 を 造 形 づ くるや き もの 」 に基 づ き,現 代 の 有 田 焼 に お け る経 営 的 課 題 につ いて 討 議 が 行 わ れ,消 費 地 市 場 の 見 地 か ら柴 田 コ レク シ ョンの 寄 贈 者 で あ る柴 田祐 子 氏 や 遠 藤 功 氏 に よ る問 題 提 起,有 田を 代 表 して 岩 尾 磁 器 工 業 の 古 屋 伸 治 氏 や 賞 美 堂 本 店 の蒲 地 孝 典 氏 に よ る製 品 開 発 と もの づ く り に関 す る 見 解 が 示 され, 1996年 の 姦 の 博 開 催 に向 け た雰 囲 気 作 りにつ な が る イベ ン トと して 注 目 され た 。

資 料3〕

「有 田 国 際 や き も の フ ォ ー ラ ム'94プ ロ グ ラ ム 平 成6年11月17日(木)

基 調 講 演O.R.Impey(オ ッ ク ス フ ォ ー ド大 学 ア シ ュ モ レ ア ン美 術 館 東 洋 美 術 部 次 長)

「セ ラ ミ ッ ク ス の 器 と金 属 の 器 の 形 」

講 演 鮎 川 透(株 式 会 社 環 ・設 計 工 房 代 表 取 締 役)

「景 観 材 料 と し て の"や き も の"の 役 割 に つ い て 」 講 演KurtWeiser(ア リ ゾ ナ 州 立 大 学 芸 術 大 学 校 助 教 授)

「装 飾 陶 磁 器 」

講 演 長 島 信 夫(鳴 海 製 陶 株 式 会 社 顧 問 デ ザ イ ナ ー)

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「洋 陶器 の造 形 デ ザ イ ン と素 材 」

講 演 松 尾 晋 平(株 式 会 社 松 尾 晋 平 事 務 所 代 表 取 締 役)

「料 理 と器 の 関係 」 平 成6年11月18日(金)

講 演 西 村 聖(西 村 デ ザ イ ン研 究 所 代 表)

「ガ ラ ス につ い て」

特 別 講 演 濱 野 健 也(神 奈 川 大 学 工 学 部 教 授)

「肥 前 磁 器 素 地 の原 料,現 状 と将 来 」

パ ネ ル デ ィ ス カ ッシ ョン 「食 空 間 を 造 形 づ くるや き もの 」 コ ー デ ィネ ー ター

益 子 な お子(ア ナ ウ ンサ ー)

ハ 不 フ ー

柴 田祐 子(柴 田 コ レク シ ョ ン寄 贈 者)

古 屋 伸 治(岩 尾 磁 器 工 業 株 式 会 社 取 締 役 デ ザ イ ン室 長) 遠 藤 功(株 式 会 社 遠 藤 食 品 研 究 所 代 表)

蒲 地 孝 典(株 式 会 社 賞 美 堂 本 店 代 表 取 締 役 副 社 長)」

(4)豊 創 会 の 結 成 と異 業 種 交 流

パ ッケ ー ジ デザ イ ンの 研 究 開 発 に向 け た活 動 も 同様 に活 発 化 した 。1990年3月 に は大 有 田焼 ・デ ザ イ ンパ ッケ ー ジデ ザ イ ン部 会 が 発 展 的 に解 消 さ れ,新 た に豊 創 会 が 結 成 され た(9)。デ ザ イ ンパ ッケ ー ジデ ザ イ ン部 会 は,1986(昭 和61)年 に紙 箱3社,木 箱2社,印 刷1社 の 参 加 企 業6社 に よ って 発 足 し,通 産 省(現 経 済 産 業 省)の 「地 場 産 業 デ ザ イ ン高 度 化 事 業 」 と して 取 り組 む こ と とな り,参 加 企 業 は 同事 業 を 通 じて パ ッケ ー ジの デ ザ イ ン 能 力 を 向上 させ た⑩。 関連 業 界 との 異 業 種 交 流 か ら異 業 種 共 同へ の移 行 が進 む に と もな っ て,組 織 形 態 を よ り柔 軟 な サ ー クル 型 へ と変 更 す る こ と にな り,異 業 種 の グル ー プ ・組 織

との 有 機 的 な 共 同事 業 を 適 宜 行 え る体 制 が 整 っ た。

(9)「 大 有 田 焼 だ よ り」 第31号,1990年 を 参 照 。

部 会 の 参 加 企 業 で あ る㈱ 一 新 堂(本 木 武 夫 社 長)は,1991(平 成3)年 の 「佐 賀 デ ザ イ ン コ ン ペ テ ィ シ ョン'91」(佐 賀 県 と佐 賀 デ ザ イ ン協 議 会 の 共 催)で 総 合 大 賞 を 受 賞 した 。 同 コ ンペ テ ィ シ ョンは,県 内 企 業 の 産 業 デ ザ イ ンへ の 創 作 意 欲 の 向 上 を 通 じた 地 場 産 業 の 活 性 化 を 目的 と し, イ ン テ リア ・デ ザ イ ン部 門(家 具 ・室 内装 飾),ク ラ フ ト ・プ ロダ ク トデ ザ イ ン部 門(陶 磁 器, 金 属,繊 維 を 素 材 に した製 品),パ ッケ ー ジ デ ザ イ ン部 門(食 品 な ど の包 装)の 三 部 門 か ら構 成

され た 。 県 内 の 企 業 な どが 出品 した家 具 や焼 き物,食 品 の包 装 な ど116点 が 展 示 され,そ の 中 か ら一 新 堂 出 品 の 「銘 茶 ギ フ トパ ッケ ー ジ」 が 総 合 大 賞 に選 出 され た 。

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1990年代の有 田焼産地 にお ける高度化事業(山 田 ・筒井 ・吉 田 ・東郷)

イ ンテ リア用 品 へ の 進 出 と軌 を 一 に して,陶 磁 器 の 可 能 性 を 広 げ るべ く異 業 種 との 交 流 を通 じた共 同研 究 も積 極 的 に行 わ れ る よ う にな っ た。 大 有 田焼 ・開 発 部 会 の 主 力 メ ンバ ー で あ る有 田陶 交 会 は,MOCモ ロ ド ミグ ル ー プ と共 同 で有 田焼 と諸 富 家 具qDを 組 み 合 わ せ た イ ンテ リア用 品 の 開 発 を 進 め た。 研 究 開 発 の 成 果 と して1991年 に大 有 田焼 会 館 で 開 催 し た 「異 業 種 交 流 成 果 展 示 会 」 で は,両 グル ー プが 共 同で 試 作 した テー ブル や 椅 子 な ど15点 が 展 示 さ れ た。 両 グ ル ー プ は この 交 流 展 を足 が か り と して,「 焼 き物 と木 工 の 融 合 」 を 志 向す る試 作 品 の 商 品 化 へ の 道 を 模 索 した。 肥 前 窯 業 圏 の 若 手 窯 元 グル ー プの 間 で 地 域 間 交 流 と して 活 発 に新 商 品 開 発 が 行 わ れ,肥 前 窯 業 圏 の 各 青 年 部 開 発 グル ー プ(有 田陶 交 会, 伊 万 里 陶 青 会,嬉 野 窯 有 会)が 共 同で テー マ開 発 に取 り組 ん だ 結 果,成 果 発 表 展 で は 「旅

と うつ わ 」 と題 す る テー マ に基 づ い た新 商 品 を 発 表 した⑫。

大 有 田焼 で は,以 上 の 動 向 を ふ まえ な が らデザ イ ンを 多 角 的 に捉 え て,陶 磁 器 ・木 工 ・ 印刷 ・食 品 な どの 県 内地 場 産 業 に お け るデ ザ イ ンの 意 識 向 上 を 進 め る こ と に よ り,有 田焼 産 地 の 高 度 化 を企 図 す る形 で 「佐 賀 国 際産 業 デ ザ イ ンセ ミナ ー'93」に協 賛 した。 さ ら に大 有 田焼 は全 国18ケ 所 の 陶 磁 器 試 験 研 究 機 関 に よ る様 々な 研 究 開 発 活 動 へ と参 加 し,生 活 用 品 の デザ イ ン並 び に技 術 に関 わ る研 究 開 発 の 成 果 を 一 堂 に集 めた 「第30回 陶 ア ン ドくら し の デザ イ ン展'93」を 共 催 して,異 業 種 交 流 を 促 進 しな が ら陶 磁 器 を 使 用 した 商 品 開 発 の 範 囲 を広 げて い く上 で の 条 件 整 備 を 順 次 進 め た⑱。

3.需 要 開 拓 事 業

(1)イ ン タ ー ナ シ ョナ ル ハ ウ ス ウ ェ ア シ ョー

海 外 戦 略 の 一 環 と して,平 成 元 年 度 よ り千 葉 の 幕 張 メ ッセ で 実 施 さ れ た イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル ハ ウ ス ウ ェ ア シ ョー に 大 有 田 焼 が 参 加 し,有 田 焼 産 地 が 一 体 と な っ て 海 外 需 要 の 開 拓

qD「 大 有 田焼 だ よ り」 第36号,1991年 を参 照 。 諸 富 家 具 は,伝 統 的 な工 芸 品 と して佐 賀 県 よ り伝 統 的 地 場 産 品 の 一 つ と して 指 定 を 受 けて い る。 昭 和40年 代,高 度 経 済 成 長 と軌 を 一 に して,企 業 誘 致 の も と豊 富 な 労 働 力 と広 い 土 地 を 求 め て 筑 後 川 を 挟 ん で 隣 接 す る福 岡 県 大 川 市 か ら家 具 関 連 事 業 が 押 し寄 せ た 結 果,諸 富 町 は家 具 産 地 を 形 成 す る に至 った 。 そ の 後,家 具 市 場 の 成 熟 化 と多 様 化 の 進 行 に伴 って,産 地 の 事 業 内 容 は 多 様 化 した 。 例 え ば,本 来 の 家 具 と して 機 能 を 果 た しつ つ,デ ザ イ ン的 に も優 れ た 家具 を製 造 す る メ ー カ ー や,特 注 家 具 専 門 領 域 に お いて,施 設 の 什 器, バ リア フ リー 家 具 な どの 開 発 ・製 造 の ほか,イ ンテ リア の 企 画 か ら施 工 まで を 取 り扱 う メー カー が 現 れ るな ど,諸 富 には 様 々な 家 具 メー カー が 集 積 して い る(諸 富 家 具 振 興 協 同 組 合 ウ ェ ブペ ー ジhttp://www.morodomikagu.or.jp/2013年6月3日 閲覧)。2005年 に は諸 富 町 が 佐 賀 市, 大 和 町,富 士 町,三 瀬 村 と合 併 し,諸 富 は現 在 佐 賀 市 の 一 部 とな って い る。

大 有 田 焼 振 興 協 同 組 合 「平 成4年 度 第15期 通 常 総 会 提 出議 案 」,14頁 。

大 有 田 焼 振 興 協 同 組 合 「平 成5年 度 第16期 通 常 総 会 提 出議 案 」,17頁 。

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(12)

に 向 け た取 り組 み を 行 っ た。 具 体 的 に は,有 田焼 ブー ス と して 一 箇 所 に ま と ま り総 合 案 内 を設 けて オ ール 有 田 に よ る文 化 性 の 高 い需 要 喚 起 を 行 い,お も に香 蘭 社,篠 英 陶 磁 器,賞 美 堂 本 店,ヤ マ ト陶 磁 器 の4社 と大 有 田焼 ・開 発 グル ー プ12社 が 「新 ・生 活 文 化 」 を メ イ

ンテ ー マ に各 々が 華 麗 多 彩 な 有 田焼 を 提 案 した。 ま た,会 場 で は有 田町 や 大 有 田焼 か ら派 遣 され た7名 の ス タ ッフ とハ イ ビジ ョン技 術 者2名 が ア テ ン ド(外 人 接 客)を 担 当 し,外 人 バ イ ヤ ー 向 け英 文 パ ン フ レ ッ トが 増 刷 とな る ほ ど に,有 田焼 を 売 り込 む こ と に成 功 した の で あ る⑭。

毎 回 演 出方 法 に変 化 を つ け る こ と に よ って 来 場 者 を 飽 き させ な い取 り組 み を 試 み,1990 (平成2)年 に は,特 別 出 店 と して 今 右 衛 門 窯,柿 右 衛 門窯,源 右 衛 門 窯 が参 加 し有 田焼 コ ー ナ ーの 格 調 を 高 め るだ けで な く,市 場 の 訴 求 効 果 を 高 め るべ く会 場 中央 部 で 来 場 客 が 流 れ る広 い メ イ ン通 路 に独 自の 有 田焼 ブー スを 設 置 した。 加 え て 日本 衛 星 放 送 に依 頼 して 完 成 したハ イ ビジ ョン 「有 田焼 」 を 放 映 す る こ と に よ って,有 田の 歴 史 的 自然 環 境 の す ば ら しさの 中 に有 田焼 の 美 術 的 色 彩 が 映 し出 され る演 出を 施 した。1991年 の 展 示 会 で は,陶 芸 文 化 の 情 報 発 信 基 地 を 考 え て 有 田全 体 像 を ク ロー ズ ア ップ した 展 示 内容 と し,テ ー ブル

コ ー デ ィ ネ ー ター で あ る 田 中 ゆか り氏 に テー ブル の コー デ ィネ イ トを 依 頼 した 。 以 上 の よ う に,出 店 各 社 の オ リジ ナル を 活 か した イ メー ジ テー マの 設 定 に基 づ く商 品 コ ンセ プ トを 構 築 し,装 飾 ・展 示 と も シ ック ・シ ンプ ル に して 他 産 地 よ り ひ と き わ 目立 った テ ー ブル

ウ ェ アの 提 案 が 実 現 し,話 題 とな っ た⑮。

(2)国 際 ホ テ ル ・レ ス トラ ン シ ョー

ホ テ ル ・ レ ス トラ ン 関 係 者 に 向 け た 販 路 開 拓 に お い て は,1991年 よ り東 京 晴 海 の 国 際 見 本 市 会 場 で 開 催 さ れ た 「国 際 ホ テ ル ・ レ ス トラ ン シ ョ ー 」(日 本 能 率 協 会,ホ テ ル ・観 光 関 連6団 体 主 催)へ の 参 加 を 通 じて,ホ テ ル ・ レ ス トラ ン業 界 に 対 して 新 商 品 を 提 案 し た 。 翌 年 に は 大 有 田 焼 お よ び 有 田 焼 卸 売 団 地 の 企 業 を 中 心 と す る5社 が 出 店 し,出 展 者 数 は 前 年 よ り12社 増 え,国 内 外24力 国 よ り556社 が 参 加 し た ⑯。 テ ー ブ ル ウ ェ ア ・フ ー ドサ ー ビ ス 関 連 が 集 中 す る4・5号 館 に は,180社 を 超 え る企 業 が 出 展 し,な か で も和 陶 器 関 連 で は 初 出 展 が 多 く,組 合,団 体 単 位 で の 出 展 も 目 立 っ た 。 大 有 田 焼 に よ る 有 田 焼 の 出 展 は こ れ

ω 「大 有 田 焼 だ よ り 」 第32号,1990年 を 参 照 。

「大 有 田 焼 だ よ り 」 第35号,1991年 を 参 照 。

⑯6小 間(1小 間7.29m2)を 有 田 焼 産 地 ブ ー ス と し て ㈱ 藤 正,㈱ 蒲 仙 堂,㈱ ま る ぶ ん,㈱ 山 光,

㈲ 有 兄 堂 の5社 が 共 同 出 展 し た 。 同 時 に 特 別 協 賛 と し て,今 右 衛 門 窯,柿 右 衛 門 窯,岩 尾 対 山 窯 が 出 展 し た 。1992年 に 開 催 さ れ た ホ テ ル ・ レ ス ト ラ ン シ ョー な ら び に フ ラ ン ク フ ル ト ・メ ッ セ に 関 し て は 「大 有 田 焼 だ よ り 」 第37号,1992年 を 参 照 。

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(13)

1990年 代 の 有 田焼 産 地 にお け る高 度 化 事 業(山 田 ・筒 井 ・吉 田 ・東 郷)

が 初 め て で あ り,同 展 を 通 じて 全 国 の ホ テ ル ・ レ ス トラ ン 関 係 者 に 伝 統 の 有 田 焼 の 器 を 積 極 的 に ア ピ ー ル し た 。

ホ テ ル ・ レ ス トラ ン シ ョー で の 展 示 を 通 じて,全 国 の ホ テ ル ・ レ ス トラ ン を は じ め と し て,建 築 ・イ ン テ リ ア ・情 報 関 連 企 業 他 各 方 面 か ら多 くの 引 き 合 い が あ り,新 流 通 チ ャ ネ ル,新 規 顧 客 の 開 拓,新 製 品 ニ ー ズ の 発 見,さ ら に は 企 業 ・製 品 の イ メ ー ジ ア ッ プ,異 種 交 流 の 面 で 成 果 を 上 げ た 。 イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル ハ ウ ス ウ ェ ア シ ョー に 続 い て,国 際 ホ テ ル ・ レ ス トラ ン シ ョー や1993年 以 降 参 加 し た 東 京 ドー ム の テ ー ブ ル ウ ェ ア フ ェ ス テ ィ バ ル が 大 有 田 焼 の 恒 例 行 事 と な り,有 田 焼 が テ ー ブ ル ウ ェ ア と して 広 く認 知 さ れ る と と も に, 和 食 器 に 加 え て 洋 食 器 の 分 野 で も 海 外 の バ イ ヤ ー に 高 く評 価 さ れ る 存 在 と な っ た 。 こ れ ら 世 界 に 向 け た 有 田 焼 の ア ピ ー ル を 経 て,1996年 開 催 の 「世 界 ・姦 の 博 覧 会 」 が,新 た な 有 田 焼 の ブ ラ ン ドイ メ ー ジ を 世 界 の 人 々 に 対 して 印 象 付 け る 上 で も,極 め て 重 要 な 取 り組 み と して 位 置 付 け られ た の で あ る 。

(3)フ ラ ン ク フル ト ・メ ッセ

大 有 田焼 で は国 内で の イベ ン トに加 え て,世 界 最 大 級 の 見 本 市 を 視 察 す る こ と に よ り, 世 界 各 国 に お け る製 品 市 場 の 動 向 の 把 握 に も努 め た。1992年2月 に は,大 有 田焼 の 専 務 理 事 で あ っ た 中村 昭 平 氏,そ して 佐 賀 県 陶 磁 器 工 業 協 同組 合 よ り岩 永 正 徳 氏 と江 頭 秀 太 郎 氏 が 欧 州 経 済 事 情 調 査 団 の 一 員 と して ドイ ツ ・フ ラ ン ク フル ト ・メ ッセ 「ア ン ビエ ン テ'92」

を視 察 し,佐 賀 県 内地 場 産 業 の 海 外 販 路 開 拓 に対 す る支 援 事 業 の 一 環 と して,同 調 査 団 は 統 一 を 果 た した ば か りの ドイ ツ経 済 の 状 況 や 欧州 経 済 事 情 の 視 察 に乗 り出 し,姦 の博 の PRな ど に も尽 力 した。 と りわ け ア ン ビエ ン テで は,リ ビン グ,キ ッチ ン ・テー ブル ウ ェ アの 家 庭 用 品 を多 数 取 り扱 っ た た め,陶 磁 器 や ガ ラ ス加 工 品,家 具,ア クセ サ リー,ラ ッ ピ ングな どの 分 野 で 市 場 開 拓 が 見 込 め る と判 断 し,佐 賀 県 貿 易 協 会 が 県 内業 者 に対 して 調 査 団 へ の 参 加 を呼 び掛 け た。

ア ン ビエ ンテ'92は,各 国 バ イ ヤー に と って も人 気 商 品 の動 向 を い ち早 く把 握 で き る世 界 最 大 規 模 の 見 本 市 で あ り,一 般 消 費 財 を 対 象 と して 家 庭 用 品,文 具,化 粧 品 に加 え,ギ フ ト用 品 の 展 示 な ど も あわ せ て 実 施 した。 消 費 志 向 が よ り高 級 化 す る動 きの 中で,そ れ らの ニ ー ズ を カバ ーす る た めの 新 しい ラ イ フ ス タ イル 製 品 を 提 示 した こ とか ら,中 小 企 業 の 国 際 化 や グ ロ ーバ ル 化 を 支 援 す る た め に も,日 本 貿 易 振 興 会 が 参 加 取 りま と め母 体 とな り, 国 内か らの 出 展企 業 を募 集 した。 日本 よ り全 体 で59社 ・団体 が参 加 した ア ン ビエ ンテ'92で

は,有 田窯 業 界 か ら賞 美 堂 本 店 が 参 加 した。 古 伊 万 里 様 式 の 「其 泉 」 ブ ラ ン ドと と も に,

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盛 皿 や テ ィ ー ポ ッ トな ど の 洋 食 器 を は じ め と す る オ リ ジ ナ ル 食 器 を 中 心 に 出 品 し,海 外 の バ イ ヤ ー か らの 反 応 を 受 け て ヨ ー ロ ッパ で の 市 場 調 査 と して も 数 々 の 成 果 を 上 げ た 。

(4)テ ー ブ ル ウ ェ ア ・フ ェ ス テ ィバ ル

読 売 新 聞社 及 び 東 京 ドー ム が 主 催 す る テー ブ ル ウ ェ ア ・フ ェ ス テ ィバ ル が1993年 よ り

「暮 しを 彩 る器 展 」 と して 開催 さ れ た。 この一 大 イ ベ ン トに は有 田焼 の 商 社,窯 元 が 多 数 参 加 して,テ ー ブル ウ ェ ア製 品 を 中心 とす る有 田焼 の 販 売 機 会 を 東 京 の 地 で 提 供 す る こ と とな っ た。 テ ー ブル ウ ェ ア ・フ ェ ス テ ィバ ル 実 行 委 員 会 の 最 高 顧 問 と して 読 売 新 聞 社 代 表 取 締 役 社長 の渡 邊 恒 雄 氏,会 長 と して東 京 ドー ム代 表 取締 役 社 長 の保 坂 誠 氏 が 役 割 を担 い, 副 会 長 と して 会 田雄 亮 氏(陶 芸 家)・ 安 藤 宏 基 氏(日 清 食 品代 表 取 締 役 社 長)・ 飯 田深 雪 氏 (食空 間 と生 活 文 化 ラウ ン ドテ ー ブル 事 務 局 長)・ 林 有 厚 氏(東 京 ドー ム代 表 取 締役 副社 長) な ど の有 識 者 が任 命 さ れ,東 京 ドー ム の恒 例 イ ベ ン トと して 開催 され た の で あ る(1の。 全 国 の 陶 磁 器 産 地 の 名 品,秘 蔵 コ レク シ ョ ンの 紹 介 や アー テ ィ ス トに よ る テー ブル セ ッテ ィ ン グ,有 名 ホ テル の 飾 り皿 の 展 示 や 現 代 陶 芸 大 賞(め ん 鉢)展,テ ー ブル ウ ェ ア コ ン テ ス ト な ど,陶 磁 器 類 を は じめ とす る テー ブル ウ ェ ア に関 連 した各 方 面 にわ た る様 々な 企 画 が 設

け られ た。

1994年 開 催 の 第2回 テー ブル ウ ェ ア ・フ ェ ス テ ィバ ル で は,9日 間 で19万6千 人 の 参 加 者 が あ り,ジ ョサ イ ア ・ウ ェ ジ ウ ッ ドや ミン トン,ム ー ア ク ロ フ ト,北 大 路 魯 山人 な どの 作 品紹 介 が な され た こ と も あ って,姦 の博 開 催 を 翌 年 に控 え た1995年 の 第3回 テ ー ブル ウ ェ ア ・フ ェ ス テ ィバ ル に お いて は,ジ ノ リや ベ ネ チ ア ン グ ラ スの 特 集 と と も に,姦 の 博 PRを 目的 と して 有 田焼 の 世 界 を 紹 介 す る 「有 田の 陶 彩 」 の 特 別 展 示 が 行 わ れ た 。 ブー ス ご と に 「有 田焼 の 歴 史 」 「東 イ ン ド会 社 との 関 わ り」 「帰 って き た古 伊 万 里 」 「有 田焼 を 代 表 す る企 業 作 品 」 「有 田 を 代 表 す る三 様 式」 「現 代 作 家 作 品 」 「有 田 焼 作 品 に よ るテ ー ブル セ ッテ ィ ング」「世 界 ・姦 の 博 覧 会 」の紹 介 が な され,江 戸 ・明 治 期 の 作 品 につ いて は アー トギ ャ ラ リー賞 美 堂 や 有 田VOC,香 蘭 社 所 蔵 の 作 品 を 陳 列 展 示 す る と と も に,三 右 衛 門 や 香 蘭 社 ・深 川 製 磁 ・其 泉 の 作 品 に よ る テー ブル セ ッテ ィ ングが 会 場 で 披 露 され た 。 東 京 ドー ムの テ ー ブル フ ェ ア ・フ ェ ス テ ィバ ル は,姦 の 博 をPRす るた めの 不 可 欠 な イベ ン ト とな る と と も に,有 田焼 の 新 たな 分 野 を 開 拓 して 行 く上 で も,商 社 や 窯 元 が 参 加 す る重 要 催 事 と して の 役 割 を 果 た した。

テ ー ブ ル ウ ェ ア ・ フ ェ ス テ ィ バ ル 実 行 委 員 会 「テ ー ブ ル ウ ェ ア ・ フ ェ ス テ ィ バ ル 暮 し を 彩 る 器 展'94事 業 報 告 書 」,1994年

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1990年 代 の 有 田焼 産 地 にお け る高 度 化 事 業(山 田 ・筒 井 ・吉 田 ・東 郷)

4.観 光 文 化 事 業

(1)有 田 マイ セ ン都 市 提 携 十 周 年 記 念 事 業

大 有 田焼 は有 田 マ イセ ン都 市 提 携 十 周 年 記 念 事 業 と して,陶 磁 交 流 三 百 年 展 な ら び にそ れ ら物 販 催 事 の 準 備 に追 わ れ た。 「有 田 ・マ イ セ ン陶磁300年 展 」 は1989(平 成 元)年3月

よ り当時 の 東京 有 楽 町駅 前 に存在 したそ ご う東 京店 を皮 切 りに,大 阪 ・広 島 ・豊 田 ・横 浜 ・ 札 幌 ・福 岡の7会 場 で 開 催 され た文 化 交 流 展 覧 会 で あ り,東 の フ ラ ン ク フル ト ・メ ッセ と 言 わ れ た 「イ ンター ナ シ ョナル ハ ウ ス ウ ェ ア シ ョー 東 京 」 に お いて,有 田商 社 各 社 が 個 々 で 出品 して い た もの を 「有 田 ブー ス」 と して 一 本 化 し,総 合 案 内所 を 設 けて 国 内外 の 需 要 者 に対 す る販 売 展 示 を実 現 したq8)。展 覧 会 とい う形 で は,有 田焼 と して初 め て の 国 際 文 化 交 流 事 業 とな っ た こ と も あ り,そ ご うの 各 店 舗 に設 置 され た会 場 で は連 日活 況 を 呈 し,東 西 名 窯 の 逸 品 を多 数 展 示 した た め,最 終 の 福 岡会 場 を 除 く展 覧 会59日 間 の 入 場 者 は83,566 人 に上 っ た⑲。 マ イ セ ン磁 器 の 国 内 に お け る人 気 上 昇 もあ って,マ イ セ ン と並 ぶ 高 級 陶 磁 器 と して 有 田焼 へ の 評 価 も高 ま り,都 市 部 に お け る有 田焼 の 知 名 度 ア ップ につ な が った 。

(2)有 田ポ ー セ リンパ ー クの 建 設

有 田町で は,古 木場 ダム周辺 に建設 計画 が進 め られて いた 「有 田VOC(VoiceofCeramics)」

計 画 が 本 格 的 に始 動 した。 事 業 主 体 とな っ た青 木 建 設(現 青 木 あす な ろ建 設)が1989年11 月 中旬 に㈱ 有 田 ヴ ィ ・オ ー ・シー(織 壁 外 喜 雄 社 長)を 設 立 し,新 会 社 の 資 本 金 を5億 円

と して,青 木 建 設 を は じめ 中央 や 県 内の 他 企 業 や 地 元 の 窯 元 が 出資 す る形 で 設 立 され た も の で あ る。 有 田VOC構 想 は元 々,香 蘭 社 社 長 で あ っ た深 川 正 社 長 が1987(昭 和62)年 に 提 唱 され た もの で あ り,そ の 後,有 田 ポー セ リンパ ー ク と して 建 設 計 画 が 実 現 す る運 び と な っ た。 有 田焼400年 の 伝 統 と産 業 を 中 心 とす る 「焼 き物 」 を 目玉 に した リ ゾー ト基 地 を 目指 す もの と して 構 想 され,佐 世 保 の オ ラ ン ダ村 が 巨大 な リゾー ト施 設 で あ るハ ウ ス テ ン

当 時 は そ ご うが メセ ナ 活 動(企 業 に よ る文 化 芸 術 支 援 活 動)を 積 極 的 に推 進 して い た 時 期 にあ た り,1985年 の そ ご う美 術 館(横 浜)開 館 を 皮 切 り にそ の 活 動 を 全 国 的 に展 開 しつ つ あ った 。 加 え て,水 島 廣 雄 氏(そ ご う社 長)は,か ね て か ら中 島 政 司 氏(佐 賀 県 陶 磁 器 工 業 組 合 理 事 長)と 懇 意 の 関 係 にあ った こ とか ら,グ ル ー プー 丸 とな って 同 展 覧 会 を 支 援 した 。 同 展 覧 会 の 事 業 展 開

にお いて は,お も に ヤマ ト陶 磁 器,賞 美 堂 本 店,ま るぶ ん な どの 卸 商 社 が そ の 役 割 を 担 った 。

㈲ そ ご う美 術 館 が ま とめ た 「有 田 ・マ イ セ ン陶磁300年 展」 の 総 決 算 に よ れ ば,開 催 経 費2億 2,886万2,613円 に対 して 売 上 総 額 が6億3,870万6,000円 とな り,そ の 内 訳 と して 有 田陶 磁 器 が4億

3万6,000円,マ イ セ ン磁 器 が2億3,867万 円 で あ った。 「大 有 田 焼 だ よ り」第29号,1989年 を 参 照 。 一197(197)一

(16)

ボ ス と して 生 まれ 変 わ っ た こ と も影 響 して,有 田 に もハ ウ ス テ ン ボ ス と並 ぶ 有 田町 の 代 表 的 観 光 施 設 を建 設 す る こ とが 期 待 され た こ とか ら,有 田 ポー セ リンパ ー クが 有 田焼 産 地 に お け る観 光 開発 事 業 の先 鞭 を つ け た の で あ る⑫①。 ポ ー セ リンパ ー ク建 設 が,佐 賀 県 に よ る 姦 の 博 の 開 催 へ 向 け た重 要 な 取 り組 み の 足 掛 か りとな っ た こ と は間 違 いな く,陶 都 有 田が 陶 磁 器 産 業 の 町 か ら産 業 観 光 の 町 へ と飛 躍 す る上 で も,当 時 町 民 か ら歴 史 的 変 化 を 遂 げ る

た めの 思 い切 っ た構 想 と して 支 持 され た もの と考 え られ る。

古 木 場 ダ ム周 辺 の 山林43ヘ ク ター ル を 開 発 し,世 界 の 磁 器 を 代 表 す る有 田焼 とマ イセ ン 焼 の 東 西 交 流 を テー マ と して,1)旧 東 独 ドレス デ ンの ツ ゥィ ンガ ー 宮 殿 を 再 現 した 建 物

を 中心 に 古 陶 磁 コ レ ク シ ョンを 展 示 す る 「ポ ー セ リン(陶 磁 器)ミ ュ ー ジ ア ム」,2)バ ロ ック庭 園 な ど 「海 を 渡 っ た古 伊 万 里 の 世 界 」 の 再 現,3)世 界 お よ び地 元 有 田の 陶 磁 名 品 の 紹 介 と販 売,4)作 陶 体 験 で き る工 房,鍋 島藩 窯 の登 り窯 の復 元 な どが盛 り込 ま れ た。

構 想 発 表 直 後 に深 川 氏 が 急 逝 した た め計 画 は 中断 され たが,地 域 活 性 化 の 核 と して 青 木 有 田町 長 や 岩 永 佐 賀 県 議 が 構 想 実 現 を 目指 し,各 方 面 に協 力 を 仰 いで 最 終 的 に企 業 誘 致 方 式 に よ る立 地 条 件 整 備 に 基 づ き計 画 が 実 行 され,1993年 に有 田 ポ ー セ リ ンバ ー クが 開業 し た⑳。

大 有 田焼 と同流 通 委 員会 がオ ラ ンダ村 と同様,有 田 ポ ー セ リンパ ー ク内 の ア ンテ ナ シ ョ ッ プ に お け る事 務 局 と して 販 売 面 で の 窓 口 とな り,ポ ー セ リンパ ー ク にお け る展 示 企 画 や 売 り場 で の 展 開 に関 わ る関 係 者 間 の 調 整 業 務 な どを 担 当 した。 有 田の 主 要 卸 商 社 で あ った ㈱ ま るぶ ん の 篠 原 文 雄 社 長 が 大 有 田焼 の 流 通 委 員 長 を 務 め た関 係 か ら,同 社 常 務 の 篠 原 啓 一・

郎 氏(後 の 有 田町 長)が ポー セ リンパ ー ク 内の ア ン テ ナ シ ョ ップ にお け る展 示 や 棚 卸 業 務 を担 当 し,現 場 の 最 前 線 で 重 要 な 役 割 を 担 っ た。 有 田 ポー セ リンパ ー クで は大 有 田焼 が 中 心 とな って,柿 右 衛 門,今 右 衛 門,源 右 衛 門 を は じめ とす る有 田 の名 窯 や,ヤ マ ト陶磁 器,

ま るぶ ん,賞 美 堂 本 店 な どの 商 社 に よ る展 示 コー ナー を 設 け る こ と に よ り,有 田焼 の 商 品 構 成 に お いて も他 所 で はみ られ な い よ うな 多 彩 か つ 充 実 した 内容 構 成 に基 づ き,ポ ー セ リ

① 「大 有 田焼 だ よ り」 第29号,1989年 を参 照 。 深 川 正 氏 は有 田 ポ ー セ リ ンパ ー クの ほか,観 光 事 業 の 本 格 化 を 見 据 え た 有 田観 光 協 会(1953年 設 立)の 法 人 化 構 想 を 提 唱 した 。 設 立 趣 意 書 が 作 成 され,法 人 化 直 前 まで 準 備 が 進 め られ た が,深 川 氏 の 急 逝 に よ って 法 人 化 は 実 現 しな か った 。 資 金 や 人 員 不 足 な ど の 問 題 を 抱 え て い た こ と に加 え,有 田 町 が 組 織 刷 新 の 意 向 を 示 した こ とか ら 2008年3月 に観 光 協 会 は 一 旦 廃 組 とな った 。 そ の 後 有 田 町 が 主 体 とな って 有 田町 商 工 会 議 所,陶 芸 協 会,JA支 所,ま ちづ くり団 体 な ど25団 体 で 準 備 委 員 会 を 作 り,新 た な 協 会 の 在 り方 を 模 索

した(佐 賀 新 聞 ウ ェ ブペ ー ジ,2009年6月25日 更 新,http://www.saga‑s.co.jp/news/saga.0.

1316831.article.html/2013年6月3日 閲 覧)。 そ の 結 果2009年7月 に 有 田観 光 協 会 が 「有 田 観 光 情 報 セ ン ター 」 と して1年4か 月 ぶ り に復 活 し,そ して 法 人 化 構 想 か ら約20年 を 経 た2011年 に有

田観 光 協 会 の 一 般 社 団 法 人 化 が 実 現 した 。

「大 有 田 焼 だ よ り」 第30号,1990年 を 参 照 。

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(17)

1990年 代 の 有 田焼 産 地 にお け る高 度 化 事 業(山 田 ・筒 井 ・吉 田 ・東 郷)

ンパ ー ク に お け る 有 田 焼 の 購 入 機 会 を 一 般 客 に 対 して 提 供 し た 。

(3)ジ ャパ ンエ キ スポ 佐 賀'96「 世 界 ・鐡 の 博 覧 会 」

佐 賀 県 は国 際 競 争 に備 え,技 術 立 県 と して その 存 在 を 世 界 に向 けて 発 信 す る機 会 を 模 索 して い た。 と りわ け新 旧セ ラ ミ ック開 発 研 究 で 大 きな 存 在 感 を 示 して いた 有 田焼 産 地 を 主 軸 に据 え た国 際 イベ ン トと して,国 際 陶 芸 祭 の 開 催 に注 目 し準 備 を 進 めて きた 。 国 際 陶 芸 祭 の 招 致 活 動 と並 行 して,ジ ャパ ンエ キ ス ポの 認 定 を 受 け る形 で 「世 界 ・姦 の 博 覧 会 」 を 開 催 す るべ く,日 本 美 術 展(日 展)系 の 陶 芸 作 家 で あ っ た 中里 逢 庵 氏(第13代 中里 太 郎 右 衛 門)ほ か の 有 識 者 を は じめ,電 通 の 支 援 を 受 けて 準 備 作 業 を 行 った 。 佐 賀 県 の 強 力 な 後

ろ盾 を得 て,有 田町 ・西 有 田両 町 広 域 行 政 調 査 会 が 国 際 陶 芸 祭 の 招 致 を 目論 み,1992年5 月 開 催 の 有 田陶 器 市 に あわ せ て 中国 ・景 徳 鎮,ド イ ツ ・マ イセ ン,韓 国 窯 業 界 そ れ ぞ れ の 代 表 を招 い て 「九 州 山 口陶 磁 展 」 と 「国 際 陶 磁 器 交 流 サ ミッ ト」 を 同 時 開 催 し,「 世 界 の ア リタ」 と して,日 本 の 焼 き物 業 界 に お け る 中心 地 と して,陶 都 有 田が 陶 磁 器 情 報 の 発 信 基 地 とな るべ く期 待 され たの で あ る⑳。

佐 賀 県 や 有 田 町 に よ る 招 致 活 動 に加 え て,大 有 田 焼 が 参 加 し た有 田 国 際 フ ァイ ンセ ラ ミ ック ス シ ンポ ジ ウ ム,イ ン ター ナ シ ョナル ハ ウ ス ウ ェ ア シ ョー で の 活 動 な どが 高 く評 価 され,1996年 に 開催 され る国 際 陶芸 ア カ デ ミー の 総 会 を 佐賀 県 で実 施 す る こ とを ふ ま え て, 国 際 陶 芸 祭 た る 「世 界 ・姦 の 博 覧 会 」 が 有 田地 区 で 開 催 され る こ とが 決 定 した 。 これ を 受 け て1992年7月 に は 「世 界 ・姦 の 博 覧 会 」 準 備 委 員 会 が 発 足 し,続 い て1993年3月 に は

「世 界 ・姦 の博 覧 会 」 実 行 委 員 会 の設 立総 会 を 開催 した⑳。 現 代 芸 術 研 究 所 所 長 で あ った 平 野 繁 臣⑳ 氏 に 「世 界 ・姦 の 博 覧 会 」 総 合 プ ロ デ ュー サ ー を 依 頼 す る形 で 姦 の 博 の 企 画 を 進 め る こ と とな り,大 有 田焼 で はデ ザ イ ン開 発 研 究 会 が 推 進 して 来 た イ ン テ リア ・エ ク ス テ リア製 品 を広 く全 国 か ら募 集 し,姦 の 博 実 施 に あわ せ て 「ス トリー ト ・フ ァニ チ ャー(や

「大 有 田 焼 だ よ り」 第38号,1992年 を 参 照 。

「世 界 ・姦 の 博 覧 会 」 準 備 委 員 会 は 平 成4年7月20日 に 発 足 し,佐 賀 県 と陶 磁 器 関係 市 町 村, 商 工 団 体,業 界 代 表32機 関 ・団 体 で 構 成 され た 。 佐 賀 県 知 事 の 井 本 勇 氏 が 会 長 とな り,副 会 長 に

は竹 内 通 教 氏(佐 賀 県 市 長 会 会 長)と 田 中 稔(佐 賀 県 商 工 会 議 所 連 合)が そ れ ぞ れ 選 出 され た 。

「世 界 ・姦 の博 覧 会 」 実 行 委 員 会 に は,大 有 田焼 が 経 費 を 負 担 す る形 で 有 田窯 業 界 か らス タ ッ フ を2名 派 遣 した 。

平 野 繁 臣 氏 は1967年 に岡 本 太 郎 氏 と共 同 で ㈱ 現 代 芸 術 研 究 所 を 設 立 し,博 覧 会 企 画 の 専 門 家 と して 積 極 的 に活 動 を 展 開 して きた 。1970年 に 開 催 され た 大 阪 万 国 博 覧 会 で は テ ー マ 展 示 の サ ブ プ ロ デ ュ ーサ ー と して 活 躍 し,そ の後 セ ビ リア万 博 ・日本 館 展 示,大 田 万 博 ・日本 館 な ど の プ ロ デ ュー サ ー を 歴 任 した 経験 を 活 か して,世 界 ・姦 の 博 覧 会 で は 岡 本 太 郎 氏 の遺 作 とな った 「花 姦 」 を 中 心 に,世 界 各 国 の 企 業 や 団 体 が 参 加 す る数 多 くの パ ビ リオ ンや 有 田 焼 を イ メー ジす る各 種 施 設 を プ ロデ ュー ス した(「 大 有 田焼 だ よ り」 第41号,1993年)。

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参照

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