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佛教大學研究紀要 70号(19860314) L033高橋司 北川治 井上俊夫「自然教育への試論(3) : 身近な植物に関する認識調査」

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(1)

自然 教 育 へ の試 論(3)

自 然 教 育 へ の 試 論(3)

身近 な植 物に関す る認識調査

1.は

本研 究 は,最 終 的 に は 幼 小 の一 貫 性 に基 づ く望 ま しい 自然 教 育 の あ り方 にっ

い て の 諸 問題 の 追 究 と把 握 に あ る が,こ れ に至 る まで の ひ とっ の 重 要 な 手 が か

りと して 現 代青 年(現 職 教 師 及 び教 師を 目ざす 学 生)の

自然 に 対 す る意 識 ・認

識,動

物 ・植 物 に 関す る認 識 等 の 問 題 につ い て調 査 を 実施 し,そ の 結 果 を 分 析

・考 察 し 次 に 示す よ うに既 に公 に し て きた 。 す な わ ち,拙 論 と して,

1.自

然 教育 へ の 試 論(1)

0

一 自然 に対 す る意 識 調 査 一

2.自

然 教 育へ の試 論(2)

0

一 身 近 な 小 動物 に関 す る認 識 調 査 一

の報 を,ま

た,

0

1.自

然 教 育 につ い て の研 究(1)

2.自

然 教 育 に つ い て の研 究 ②

0

3.自

然 教 育 に つ い て の研 究(3)

に っ い て 口頭 発 表 して きた 。

と こ ろ で,昭 和30年 代 か ら 始 ま る 経済 成 長 と都 市 化 の進 行 を 背 景 と した 地 域

環 境 の 大 き な変 貌 が 現 わ れ て きた が,本 調 査 にお け る被 調 査 者 の 大 部 分 は この

(2)

佛教大學研究紀要通巻70号

時 期 に 幼 児期 ・児童 期 を 過 ご して ぎて い る の で あ る。

戦 前 の 緑 多 き 自然の 中で 生 活 して きた 人 々に と っては 考 え られ ない こ とで あ

ろ うが,子

ど もの 生活 ひ とっ を と っ てみ て も,様 ざ まな変 化 が み られ る ので あ

る。

遊 び ・玩 具 の 種 類,遊 び の場,住

宅事 情,生 活 環 境 等 々に大 き な変 化 が み ら

れ,そ の 変 化 の 中に は,い ろい ろ解 決 が 迫 られ る 課 題 が 内在 して い る と考 え ら

れ る。

特 に都 市 化 現 象 に 伴 う生 活 の場 の 現 実が,こ の 調 査 結 果 と して,生 育 地 域 間

に,更 に男 女 間 の 差 と して とらxる

こ とが で き るの で あ る 。

す なわ ち,厂 自然 教 育 へ の試 論(1)一 自然 に対 す る意 識 調 査 一 」 に お い て は,

子 ども の 頃を 比 較 的 自然 に 恵 まれ た 郡 部 に育 ち,自 然 教 育 に と って 最 も大 切 で

あ る と考 え られ る 自然 と触 れ 合 い,自 然 に育 まれ て 成 長 し,自 然 か ら学 び 教 え

られ る こ とを 経 験 した 者(本 調 査 に よれ ば 「

郡 部 出身 者 」)た ち は,「 自然 へ の

イ メー ジ」 が 豊 か で あ り,「 自然 の 変 化 に対 す る意識 ・認 識 」 が 深 く,そ して

動物 ・植 物 の飼 育 栽 培 の 経 験 も豊 か で あ る ことが 明 らか に な っだ 。 男 子 と女 子

を 比較 す れ ぽ,女 子は,動 物 飼 育 や 植 物 栽 培 に 対 す る経 験 の 割 合 に 比 べ て,

理 科 」 嫌 い と 自然 界 全 体 に 対 す る意 識 の 低 さが 指摘 され た の で あ る。 更 に 総

合 的 に は,彼 ら の意 識 す る 自然 は,自 分 た ち の住 む 周 辺 に あ る無 機 物 や 動 物 ・

植 物 を 中 心 と した 狭 いP,で

の 自然 で あ る こ と も特 徴 的 な こ とで あ った 。

そ して,「 自然 教 育 へ の 試 論(2)一身 近 な 小 動 物 に 関す る認 識 調 査一 」 に お い

て は,豊 か な 恵 まれ た 自然 の 中で 育 ち,か っ 自然 に対 す る意 識 ・認 識 が 高 か っ

た 「郡 部 出 身 者」 が 小動 物 にっ い ての 認 識 に 結 びっ い てお らず,更

に,女 子 は

男 子 に 比 べ て 自然 に対 す る意 識 ・認 識 の低 さに 加 え,身 近 な 小 動物 につ い ての

認 識 の 低 さ も明 らか に な った の であ る 。 この こ とは,身 近 な 自然環 境 や 自然 の

素 材 を い か に 有 効適 切 に利 用 ・活 用 し,教 材 化す るか とい うこ と と,幼 児 教 育

や 初 等 教 育(特 に低 学 年)の 担 当者 の 多 くが 女 子 で あ る こ とを 考x合 わ せ る と,

教 員 養成 課程 の 教 育 に,ま た 指 導 者 の あ り方 に,ひ い て は幼 児 ・児童 の 自然 教

育 の あ り方 に 大 き な示 唆 を 与 え てい る とい え るの であ る。

以 上 の よ うな 前提 で,今

回の 調 査 に よって 得 た 数 値を 基 に研 究 課 題 に 内存 す

一34一

(3)

自然教 育への試論(3)

る と 考 え ら れ る 諸 内 容 にっ い て分 析 し考 察 した い と考 え る 。

なお,身

近 な植 物 に 関す る認 識 調 査 の 研 究 に つ い て は,内

田 ・貫 井 ・本 田,

o●o

鈴木

,橋 本,松 永 等 の 研 究が あ り,そ れ ぞ れ に 興 味 深 い 結果 を 得 て い る が,本

調 査 は こ れ らの 調 査 を補 完 ・補 充 す る も ので あ り,あ くまで も幼 小 教 育 の一 貫

性 に 基 づ く自然 教 育 の あ り方 を 考察 す る研 究 の 一

一環 と して 行 な った もの で あ る。

2.身

近 な植 物 に関 す る認 識 の実 態

(1)調 査 の 目的

本 調 査 は前 報 で も述 べ た よ うに,幼 稚 園 ・小 学校 の 教 育 養 成 課 程 の 学 生 と現

職 の 幼 稚 園 教諭 が 自然 に対 して どの よ うな 意識 を も っ てい るか,ま た 身 近 な 動

⑩⑪

物 ・植 物 にっ い て どの よ うに 認 識 して い るか を 調 査 し,こ れ ら を基 礎 資 料 と し

て幼 小 の 一 貫 性 に 基 づ く自然 教 育 の あ り方 を 探 ろ うとす る もの で あ る(こ れ ま

で の調 査 結果 を 末 尾 に資 料 と して 掲 載 す る)。

本 報 に お い て は,そ の うち 「

身 近 な 植 物 に 関す る認 識 」 に焦 点 を あ て て報 告

す る。

(2)調

査 方 法

昭 和58年4月

か ら6月 まで の3ヵ 月 間 に,京 都 市,大 阪 市 に あ るK大 学,0

大 学,B大

学 の 幼 稚 園 ・小学 校 教 員養 成 課 程 の 学 生 及 び京 都 市,大 津市 の幼 稚

園 教 諭 を 対 象 に質 問 紙 法 で調 査を 実施 した 。

調 査 人数 は 総 数343名 で,そ の 内訳 は 男 子64名,女

子279名,生

育 地 域 別 では,

0

大 都 市 」80名,「 周 辺 都 市」163名,「 郡 部 」100名 とな っ てい る。

(3)調

査 内 容

表 一1に

示 した37種 類 の 植 物 に お い て,木

本 に っ い て は,「 開 花 期 」(春

夏 ・秋 ・冬),「 種 類 」(落 葉 ・常 緑),「 紅 葉 の 有 無 」(有

・無),「 認 識 の 程 度 」

(見 分 け ら れ る ・名 前 を 聞 い た こ と が あ る ・知 ら な い)を,草

花 に つ い て は,

「開 花 期 」(春

・夏 ・秋 ・冬),「 種 類 」(一 年 草 ・二 年 草 ・三 年 草),「 場 所 」(野

(4)

佛 教 大 學 研 究紀 要 通 巻70号

表 一1調

査 内容 の37種 類 の 植物

本1草

園 芸 植 物

1.キ リ 2.ヒ イ ラ ギ 3.ハ ゼ ノ キ 4.モ ク レ ン 5.ア ジ サ イ 6.ツ タ 7.ヤ マ ブ キ 8.ヤ マ モ ミ ジ 9.ク チ ナ シ 10.ボ ケ 1.ヨ メ ナ 2.ヒ シ 3.カ タ バ ミ 4.ス ズ メ ノ ヤ リ 5.リ ソ ド ウ 6.ク ズ 7.タ ソ ポ ポ 8.ス ズ ラ ン 9.キ キ ョ ウ 10.ッ ユ ク サ 11.ク ロ モ 12.ス ズ メ ノ エ ン ド ウ 13.ヒ ル ガ オ 14.ス ズ メ ノ テ ヅ ポ ウ 15.ヒ ガ ン バ ナ 16.エ ノ コ ロ グ サ 17.ヒ メ ジ ョ オ ン 1.オ ジ ギ ソ ウ 2.シ オ ソ 3.ホ ウ セ ソ カ 4.カ ス ミ ソ ウ 5.サ ル ビ ア 6,マ ー ガ レ ッ ト 7.ム ラ サ キ ツ ユ ク サ 8.ハ ナ ダ イ コ ソ 9.シ ュ ウ カ イ ド ウ 10.ア サ ガ オ

原 ・水 辺 ・山),「 認 識 の程 度 」(見 分 け られ る ・名前 を 聞 い た こ と が あ る ・知

ら ない),「 栽 培 経 験 の 有 無 」(有 ・無)を,園

芸 植 物 に つ い て は,「 開 花 期 」

(春 ・夏 ・秋 ・冬),「 種 類 」(一年 草 ・二 年 草 ・三 年 草),「 認 識 の 程 度 」(見 分 け

られ る ・名 前 を 聞 い た こ と が あ る ・知 らな い),「 栽培 経 験 の有 無 」(有 ・無)

を 質 問 した 。 な お,各 設 問 は選 択 法 に よ った 。

なお,37種

類 の 植 物 は,前 報 の 小 動物 の場 合 と 同様,わ れ わ れ の 身 辺 に 見 ら

れ る こ と,幼 稚 園や 保 育 所,小 学 校 で よ く栽培 され た り教 材 と して よ くと りあ

げ られ る こ とを 抽 出の 基 準 と して 選 択 され た もので あ る。

(4)調 査 結果 と考 察

① 「全 体 」 の結 果 と考 察

調 査 の 総 合 的 な 結果 は表 一2∼ 表 一4に 示 す とお りで あ る。 表 中 の数 字 は そ

れ ぞ れ の 植 物 に っ い て 各 設 問項 目の選 択 肢 を 選 ん だ 人 数 の 割 合を 百 分 率 で 示 し

た もの で あ る。

(5)

自然教育へ の試論③

% 100 -,90 認 80 識 の70 程60 度 L50 40 30 20 10 0 X・ 0 ., ox x ゜x ● XO oX X ● ● ● ・ao 0 0 ..

・ 木

。 草

× 園 芸植 物

X・O XO XOO

写;彎筑 鋼 ツ耋;幾 ラ拶 享ボ雪霧 蠶 キ:参

襲鬟

禁 辮 鴇 享,講 ㌶ ㌶;ケ 禦 辱 モンリナ1講 。舌

図一1「 認 識 の程 度 」 の設 問 で 「見 分 け られ る」 と回 答 した 割 合

%

100

ヨ90

哉80

程70

L60

び50

栽40

経30

L20

10

0

0 ● 0

・ 厂

認 識 の 程 度 」

。 「栽 培 経 験 」

● ● ● 0 0 0 O ● O ● ・Q OO・

轢 影 髴 勤 蓑

図一2「

見分 け られ る」割 合 の 順 に み た 「裁 培 経 験 」有 の割 合(園 芸 植 物)

-37一

(6)

佛教 大學研究紀要通巻70号

表 一2「 全体 」 の調 査

No.

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

物 ・ 名

ミ ジ

春 陣

6.7

1.7

2.6

31.8

9.0

3.2

28.9

4.7

11.4

28.0

6.4

1.7

3.2

2.6

82.5

12.0

9.0

4.4

18.4

2.3

4.4

7.0

2.3

6.4

0.6

11.4

11,7

30.9

4.4

5.0

冬 陣

2.6

18.1

1.2

7.6

0

0.9

1.5

0.3

6.4

13.7

79.9 71.5 90.7 51.6 7.9 72.5 ,・.

59.7

59.4

51.0

落剰 常釧 鰭

18.4

5.0

13.1

35.0

49.0

50.4

27.4

56.0

13.1

25.1

12.8

46.1

1.5

8.5

17.5

14.3

11.1

2.3

25.1

10.5

.. ,・.

85.4

56.5

33.5

35.3

61.5

41.7

61.8

64.4

表 一3「 全 体 」 の 調査

No.

無答

一 年 草

二年草 多年草 無答

1

19.8

1.5

6.1

0

72.6

7.6

0.3

10.2

81.9

2

1.2

6.4

1.2

0.6

90.6

4.1

0.3

5.5

90.1

3

21.0

5.8

2.0

0.6

70.6

9.6

0.3

12.8

77.3

4

ス ズ メ ノ ヤ リ

7.6

0.9

0.3

0

91.2

4.1

0.3

4.4

91.2

5

8.4

10.5

37.9

1.2

42.0

21.0

0.6

13.1

65.3

6

4.1

5.8

5.5

0.3

84.3

1.5

0.6

9.9

88.0

7

86.9

2.9

2.6

0.3

7.3

33.8

1.5

28.0

36.7

8

22.8

33.5.

8.7

2.9

32.1

16.3

Z.5

20.4

61.8

9

5.5

16.0

44.6

0.6

33.3

18.1

1.7

15.7

64.5

10

12.5

63.6

1.5

0

22.4

24.2

1.2

15.2

59.4

11

1.7

9.0

0.6

0.6

..

4.4

0.6

7.6

87.4

12

ス ズ メ ノ エ ン ド ウ

31.2

10.2

7.3

0

51.3

13.1

o.s

9.6

76.7

13

2.6

67.3

2.6

0

27.5

31.5

0.6

8.5

59.4

14

ス ズ メ ノテ ッポ ウ

12.2

2.6

0.9

0

84.3

4.7

0.3

6.1

...

15

ヒ ガ ン ノミ ナ

7.6

9.9

63.3

o.s

18.6

20.7

o.s

21.9

56.8

16

エ ノ コ ロ グ サ

9:9

7.3

5.8

0

77.0

7.3

0.3

7.6

..

17

ヒ メ ジ ョ オA

21.6

8.5

11.6

0

58.3

11.7

3.2

7.9

77.2

一38一

(7)

自然教 育へ の試 論(3)

結果 ・木 本(%)

紅 葉 の 有 無

有1剰

6.7

4.7

13.7

9.3

6.4

44.6

10.2

62.7

2.0

8.2

19.0

36.7

2.0

27.7

58.6

14.3

24.8

1.5

31.5

23.9

74.3

58.6

84.3

63.0

35.0

41.1

65.0

35.8

66.4

67.9

見分けられる陣

糴 劉

知らな・

12.5

47.8

7.6

50.4

93.0

67.9

42.9

46.4

41.1

39.9

62.4

44.9

44.6

43.7

2.0

26.2

50.4

34.1

52.8

53.9

21.3

4.7

34.7

3.5

0

1.2

3.2

12.8

0.6

2.3

3.8

2.6

13.1

2.4

5.0

4.7

3.5

6.7

5.5

3.9

(ゴ チ ッ クの 欄 は 正 答 を 示 す)

結 果 ・草 花(00)

野原1測

叫 鱗

27.4

2.6

31.8

12.5

23.0

7.9

84.8

32.9

33.5

51.9

1.5

44.0

48.4

20.1

56.6

27.4

40.8

0.9

11.4

2.6

0

0.3

0.6

0.3

3.8

2.0

22.2

37.9

0.3

11.1

0.6

7.0

1.2

1.2

3.8

0.9

3.8

2.3

40.8

11.7

3.5

27.1

26.0

5.2

0.9

4.7

5.0

3.5

15.2

4.4

2.9

67.9

85.1

61.8

85.2

35.9

79.8

11.4

36.2

38.5

20.7

59.7

51.0

35.5

75.8

21.2

67.0

55.1

777,a

栽培経験 の有無

ら塵 鸛

た1知

らない

12.2

5.2

21.0

5.2

63.6

10.8

90.7

84.0

72.9

79.9

15.2

39.9

62.7

15.5

..

27.4

39.1

41.4

18.1

51.0

14.0

32.9

48.1

0.3

11.4

21.6

15.5

34.1

29.7

28.0

41.7

10.2

24.8

40.5

41.4

.:

19.2'

63.3

0.3

34.4

0.3

0.3

0

1.5

40.8

21.0

0.3

36.7

0.9

42.3

14.9

司 剰 鰭

5.0

7.9

8.8

17.5

3.2

6.7

8.7

4.3

5.5

3.1

9.9

9.4

9.0

6.1

4.1

5.5

5.5

0.6

0.9

1.5

0.3

11.1

1.2

9.9

21.6

21.9

5.8

2.9

0.9

8.7

0

4.4

0.3

1.7

85.7

78.7

:..

85.1

77.3

84.3

78.4

67.1

.:

82.5

82.2

:.1

79.3

83.4

84.3

85.4

82.2

13.7

20.4

11.9

14.6

11.6

14.5

11.7

11.3

9.5

11.7

14.9

13.1

12.0

16.6

11.3

14.2

16.1

(ゴ チ ッ クの 欄 は 正 答 を示 す)

(8)

佛教大學研究紀要通巻70号

表 一4「 全体 」 の 調 査

No.

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

ウ セ

カ ス

ミ ソ

マ ー ガ レ ツ ト

ム ラサ キ ツユ クサ

ハ ナ ダ イ コ ン

シ ュ ウ カ イ ドウ

劃 劇 捌 矧 鰭

8.2

4.1

11.4

26.2

9.0

35.0

8.2

10.5

2.9

4.1

19.5

4.1

44.6

9.6

37.6

14.6

44.0

5.2

3.2

79.3

4.4

9.3

5.8

2.9

11.4

9.9

3.2

4.1

2.3

0.6

0.6 0 0.6 0.9 0 0.6 0 4.1 0.3 ρ

67.3

82.5

37.6

60.4

42.0

39.9

44.6

76.1

91.3

16.0

1年 草

14.3

3.5

41.4

20.1

32.1

21.0

14.3

10.8

1.2

59.5

2鯛 多嚠 鰭

1.2

1.5

0.6

2.0

1.2

2.3

1.7

1.5

0.9

0.3

11.1

6.4

2.0

3.2

4.4

13.7

13.1

1.5

2.6

2.3

73.4

..

56.0

74.7

62.4

63.0

70.9

86.3

95.3

37.9

一1は

認 識 の程 度 」 の 設 問 に おけ る 「

見 分 け られ る」 割 合 を ,そ の高い

種 の順 に グ ラ フに 表 した もの で あ る 。 「

認 識 の 程 度 」 が50%を

超 え る種 は,表

一5に 示 す よ うに 木 本10種 中3種

,草 花17種 中7種,園

芸 植 物10種 中7種 であ

る。 園芸 植 物 が 「

認 識 の 程 度 」 が 高 い の は必 ず し も栽 培 経 験 の み が 影響 してい

る と は い え な い 。 なぜ な ら,図 一2は,園

芸 植 物 にお け る 「

認 識 の 程 度 」 「

培 経 験 」 有 の 割 合 を グ ラ フ に示 した もの で あ るが,そ れ に よる と,栽 培 経 験 の

多 い アサ ガ ナ,ホ ウセ ソ カな どは 「認識 の程 度」 が 高 い が,例

えば,ム

ラサ キ

ツユ クサは 「

栽 培 経 験 」 が10%に

満 た な い に もか か わ らず65.3°oの者 が 「

見 分

け ら れ る」 と 回答 して い る し,カ ス ミソ ウも 「

栽 培 経 験 」 は13.7%で

あ る の に

対 し,「 認 識 の程 度 」 は62.4%に

も達 して い るか らで あ る 。 した が って,園 芸

表 一5「 認識 の程 度 」50%を 超xる 種

1

園 芸 植 物

ア ジ サ イ ・ツ タ ・モ ク レ ン(3種)

タ ン ポ ポ ・ヒ ガ ン バ ナ ・ス ズ ラ ン ・ツ ユ ク サ ・

キ キ ョ ウ ・ リン ドウ ・ヒ ル ガ ォ(7種)

ア サ ガ オ ・マ ー ガ レ ッ ト ・ホ ウ セ ソ カ ・サ ル ビ ア ・

ム ラ サ キ ツ ユ ク サ ・カ ス ミ ソ ウ ・オ ジ ギ ソ ウ(7種)

一40一

(9)

自然教育へ の試論㈲

結 果 ・園 芸植 物(%)

見分けられる嗹

56.0

13.4

77.3

62.4

71.4

79.6

65.3

11.1

5.5

93.0

37.3

37.9

18.4

25.1

19.2

14.0

23.6

38.5

11.4

1.5

1知

ら な ・・

2.6

40.8

0.3

7.9

1.2

0.9

3.5

43.4

75.2

0

1無

4.1

7.9

4.1

4.7

8.2

5.5

7.6

7.0

7.9

5.5

栽培経験 の有無

有:;:睡

20.1 5.0 57.7 13.7 39.9 30.9 9.9 3.8 9.9 :・

67.1

78.4

31.5

70.0

47.8

54.2

74.6

77.0

74.6

3.8

12.8

16.6

10.8

16.3

12.3

14.9

15.5

19.2

15.5

6.4

(ゴチ ッ ク の欄 は正 答 を示 す)

植 物 の 「

認 識 の 程 度 」 が 高 い のは 「

栽 培 経 験 」 の 他 に園 芸 店 の 店 頭 で 見 た り,

装 飾 と し て よ く 目にす るた め であ ろ う。 そ の 点 で 草 花 や 木 本 よ りも身 近 な植 物

とな って い る と 思わ れ る。樹 木 を 含 む 木 本 が 厂

認 識 の 程 度 」 が 低 い の は,比 較

的 身 近 に あ りなが ら,日 常 生活 で は あ ま り意 識 しな い 対 象 で あ るた め で あ ろ う。

% 100 正90 80 答 70 率60 50 40 30 20 10 0

糠 髴羅1羹

簗ll箋::ll;籌

葺:ll蕘

図 一3「 開 花 期 」 の正 答 率

(10)

佛 教 大 學 研 究紀 要 通 巻70号

表m「

開 花期 」 の正 答 率が50%を 超 え る種

目1

園 芸 植 物

ア ジサ イ(1種)

タ ソ ポ ポ ・ヒ ル ガ ナ ・ツ ユ クサ ・

ヒ ガ ン バ ナ ・キ キ ョ ウ(5種)

ア サ ガ オ ・ホ ウ セ ソ カ(2種)

%

100

正90

80

70

率60

50

40

30

20

10

0

● ○ ● ● ● ● ● ●

尊 ツ 鋳7導

ボ キ 釜

レ ブ

ン キ

リ キ

図 一4「

種 類 」 の 正 答 率(木

本)

また,例

外 が あ る とは い え,「 認 識 の程 度 」 が50%を

超 え る種 の ほ とん どは,

比 較 的 目立 っ 「

花 」 を っ け て い る植 物 で あ る こ とか ら判 断す る と,植 物 の 種 を

区別 す る手 が か りは 「

花 」 で あ る と予 想 で き る。

図一3は

「開花 期」 の 正 答 率 を,そ の 高 い 種 の 順 に 示 した もので あ る。 正 答

率 が50°0を超 え る の は,草 花 で は17種 中5種,園

芸植 物 で は10種 中2種,木

で は10種 中1種 にす ぎ な い(表

一6)。

木 本 の うち で も特 に樹 木 の正 答 率 が 低

い 。 これ は,樹 木 の 花 に っ い て は ほ とん ど意 識 す る こ とが な い こ とを 示 してい

る 。植 物 の 種 の 判 断 の 手 が か りが 花 で あ る とい う先 述 の 予 想 と合 わせ て 考 え る

一42一

(11)

自然 教 育 へ の 試論(3)

%

100

正90

答80

率1:

40

20

O

ll{驚難ll:欝1:難

図 一5「 種類 」 の正 答 率(草 花 ・園 芸植 物)

と,樹 木 の 「認 識 の 程 度 」が 低 い こ とが 理 解 で き る の であ る。

図一4は

木 本 の 「

種 類 」 の 正 答 率 を,図 一5は

草花,園 芸 植 物 の 「

種 類 」 の

正 答 率 を そ れ ぞれ の 高 い種 の 順 に グ ラ フで 示 した もの であ る。 木 本 の 正 答 率 が

草 花,園

芸 植物 に 比べ て 高い の は,草 花 と園 芸植 物 にっ い ては 「

一年 草 」,「二

年 草 」,「多年 草 」 の 区別 を尋 ね た の に 対 して,木 本 にっ い ては 「

落 葉 」 か 「

緑 」 か を 尋 ね た もの で あ り,い うまで もな く 「落 葉 」か 「

常 緑 」 か は と くに 意

識 しな くて も 目で確 認 で きる こ とで あ る か ら で あ り,ま た,草 花,園 芸 植 物 の

場 合 は 三 者 択 一 で あ る の に対 し,木 本 は二 者択 一 で あ る こ と に も よ るの で あ ろ

う。 表 一3を

あわ せ て 見 る と,草 花,園 芸植 物 で は 特 に 「

二 年 草 」 の 判 断 が 困

難 で あ り,正 答 率 が 非常 に低 くな って い る 。 木 本 で 正 答率 が50%を

超 えて い る

のは10種 中2種,園

芸植 物で は10種 中1種,草

花 に い た っ て は ま っ た く無 い

(表一7)。

園 芸 植 物 に お け る1種 は アサ ガオ(59.5%)で

あ り,次 い で 高 い の

は ホ ウセ ソ カ(41.4°o)で

あ るが,こ の2種 は 幼 稚 園,保 育 所,ま た 小学 校 で

よ く栽 培 され て い る植 物 であ る こ とが 注 目さ れ る とこ ろ であ る。

② 「

種 目別 」 の 結 果 と考察

図一6は,木

本 の10種 を 「

認 識 の 程 度 」 の 高 い 順 に 並べ,「 認 識 の程 度 」 と

(12)

佛教大學研究紀要通巻70号

表一7

「種 類 」 の正 答 率 が5000を 超 え る種

園 芸 植 物

ヤ マ モ ミ ジ ・ツ タ(2種)

な し

アサ ガ オ(1種)

%

1

L

答率

「認識 の程 度」

図一6「 認 識 の程 度」 の順 に 見 た正 答 率(木 本)

他 の 設 問 項 目の 正 答 率 を 示 し た も の で あ る 。

概 観 す る と,一

般 に

「認 識 の 程 度 」 が 最 も 高 く,次

い で 「種 類 」 と 「紅 葉 の

有 無 」,更 に 「開 花 期 」 の 順 に 正 答 率 が 低 くな っ て い る 。 こ の 中 で ヤ マ モ ミ ジ

と ア ジ サ イ は 特 異 な パ タ ー ソ を 示 し て い る 。 ヤ マ モ ミジ に つ い て は 「モ ミジ 」

と い う種 名 が っ い て い る の で 厂紅 葉 の 有 無 」 と 「落 葉 」 か

「常 緑 」 か と い う

「種 類 」 に っ い て は 正 答 率 が 高 く,そ

れ ら に 比 べ て 「認 識 の 程 度 」 が46.4%に,

更 に 「開 花 期 」 は4.7°oと 低 くな っ て い る 。 「開 花 期 」 に っ い て は,モ

ミジ ー 秋

一 紅 葉 と い うイ メ ー ジ と

,紅 葉=開

花 と い う誤 っ た イ メ ー ジ が 重 な っ た た め で

あ ろ うか,「 開 花 期 」 を

「秋 」 と 回 答 し た 者 が30.9%に

も達 し て い る(表 一2)。

ま た,ア

ジ サ イ に っ い て は,他

の 種 は

「開 花 期 」 の 正 答 率 が 低 い の に 比 べ て,

(13)

自然教育へ の試論㈲

100 90

の80

L

及70

答60

50

40 30 20 10

図一7(a)「 認 識 の程 度 」1∼7位

の 草 花 の正 答 率

そ れ が 異 常 に 高 い 。 これ は,ア ジサ イー 梅 雨一6月

とい うイ メー ジが 強 い た め

で あ ろ う。

次 に草 花 に 着 目す る と,草 花 は 「

認識 の程 度 」 が1位 ∼7位 の 植 物 と8∼17

位 の植 物 の2つ の パ ター ソ に分 け る こ とが で きる 。 図一7(a)は 前 者,図 一7(b)

は 後者 の 各 植 物 の 「認識 の程 度 」 及 び 各 設 問項 目の 正 答率 を グラ フに 示 した も

の で あ る が,そ こに 明 確 に 現れ てい る 。「

認 識 の 程 度 」の高 い7種 は 「

認 識 の 程

度 」→ 「開花 期 」→ 「

場 所 」→ 「

種 類」 の 順 に低 くな って い る が,「 認 識 の 程 度」

の 低 い10種 は 「開花 期 」 と 「

種 類 」 の正 答 率 が 極 端 に低 く,と も に10%前 後 に

集 中 し て い る 。 と くに 注 目す べ き こ とは,「 開花 期 」 の 正答 率 が 前 者 は 非 常 に

高 く,後 者 は 非 常 に 低 い とい う点 で あ る 。 この こ とは,種 を 見 分 け る手 が か り

を 花 に 置 い て い る とい う先述 の 予 想 を 裏 づけ る もの であ る とい え る。

(14)

佛 教 大 學 研究 紀 要 通 巻70号

100

、90

の80

及70

答60

so

40 30 20 10

図 一7(b)「 認識 の 程 度」8∼17位

の草 花 の 正 答 率

草 花 で

「認 識 の 程 度 」 が50%以

上 で あ る 種 は7種

で あ る が,そ

の う ち,ス

ラ ソ,キ

キ ョ ウ,リ

ソ ド ウの3種

は 身 近 に 野 生 と し て あ る も の で は な く,通

常,

我 々は 園 芸 店 や 生 花 店 の 店 頭 で 見 か け る も の で あ る 。 こ れ ら に 対 し て,ご

く普

通 に 野 原 や 路 傍 に 見 ら れ る ス ズ メ ノエ ソ ド ウ,ヒ

メ ジ ョ オ ソ,エ

ノ コ ロ グサ,

ヵ タ バ ミ,ス

ズ メ ノ テ ッ ポ ウ,ヨ

メ ナ,ク

ズ,ス

ズ メ ノ ヤ リな ど は,い

ず れ も

「認 識 の 程 度 」 は5∼4000の

低 率 で あ る 。 こ れ ら の こ とは,園

芸 植 物 の み な ら

ず,草

花 に お い て も,植

物 は 野 原 や 路 傍 で み る も の で は な く,園

芸 店 や 生 花 店

で 見 た り,買

っ た りす る も の と い う傾 向 が 強 く な っ て い る こ と を 裏 付 け る も の

で あ る 。 ま た,「

認 識 の 程 度 」 が5∼40%の

低 率 で あ る 草 花 の 多 くが,目

立 っ

花 を っ け な い 地 味 な 植 物 で あ る こ と が,種

の 判 断 の 手 が か りを 花 に 求 め て い る

こ と を 示 す もの で あ る 。

(15)

自然教育 への試論㈲

1

鑵鬱

図一8「 裁培 経 験 」有 の 割 合 の順 にみ た 「

認 識 の

程 度 」 と正 答 率(園 芸植 物)

図一8は,園

芸 植 物 に おい て,「 栽 培 経 験 」 の 高 い 順 に 種 を 並 べ,厂 認 識 の 程

度 」 及 び 「

開 花 期 」,「種 類 」 の 正 答 率 を グ ラ フに 表 示 した もの であ る。 「

栽 培

経 験 」 が5000を 超 え て い る のは アサ ガ オ とホ ウセ ン カのみ で あ る。 これ らの 経

験 は幼 稚 園,保 育 所,ま た 小学 校 に お い て の もの で あ る と 思わ れ る。 この2種

にっ い て は,「 認 識 の 程 度 」 も,「 開 花 期 」,「種 類」 の正 答 率 も他 の 種 に比 べ て

と び ぬけ て 高 い の は,幼 稚 園,保 育 所,ま た 小 学校 に おけ る組 織 的 な 栽 培 経 験

に よ って 得 た 知 識 が まさ に 定着 して い る もの で あ る と考xら れ る。

③ 「男 女 差 」 に よる結 果 と考 察

図 一9∼ 図 一21は,木

本,草 花,園 芸 植 物 に おけ る 各設 問 項 目の 正 答 率 を 男

女別 に示 した もの で あ る 。

木 本 に 関 して は,「 開花 期 」 にお い て,男

子 は ア ジサ イ を 除 く9種 類 にお い

て 無 答 が65%以

上 占め,正 答の 殆 どの 種 に お い て 女 子 よ り低 い 割 合 で あ る(図

一9)。

また ,「種類」「紅葉の有無」 の正答率 にお いては全て女子 を 下 回 り,

認 識 の 程 度 」

に お い て は,女 子 が キ リ,ハ ゼ ノキ を 除 く8種 が4500以 上 「

見 分

け られ る 」 の に 対 し,男 子は,ア

ジサ イ,ツ

タを 除 く8種 が35%以

下 の 低 い 割

合 で あ り,男 女 差 が 著 しい こ とが わ か る。

(16)

佛教大學研究紀要通巻70号

・ 全

。 男

x女

%

100

90

80

70

60

50

o   O 気 苓 O ` 0

x ・ 。 ク チ ナ シ 苓 ・ ヒ イ ラ ギ x ・ 。 ボ ケ x ・ 。 モ ク レ ン x ・ 。 ヤ マ ブ キ ア ジ サ イ 40 30 20 10 0

図一9木

本 「開 花 期」 の正 答 率(男 女 別)

・ 全

。 男

x女

x . x . o X ● O 荅 O x ・ o X ・ o x ・ o X ● O X ● O x ・ o 0

%

100

正90

80

答70

60

率50

40

30

20

10

0

図 一10木

本 「種 類 」 の正 答 率(男 女 別)

一48一

(17)

自然 教 育 へ の試 論(3)

・ o X x ● x ● X 0 ● 0 x 'x ・'x o.XX ● ● X● び 0 0 o°o

%

正90

80

答70

60

率50

40

30

20

10

a

図 一11木

本 「紅 葉 の 有 無 」 の正 答 率(男 女別)

● O X ♂ o x o x 0 x ● x ● x ・XX ● ● ● 0 0 0 0 0 0 O 0

%

90

80

70

60

50

40

L

30

20

10

0

図一12木

本 「認 識 の 程度 」(男 女 別)

(18)

佛教大學研究紀要通 巻70号

● 0 メ X ● O xxx ● ● ● X ● 0 0 X ● 0 XX x ● 0 0 o・ 0 oY誉 ・ .耳xO唇 誉xOO ヒ シ エ ノ コ ロ グ サ ヨ メ ナ ヒ メ ジ ョ オ ン ス ズ メ ノ ヤ リ ク ロ モ ス ズ メ ノ テ ッ ポ ウ ク ズ カ タ バ ミ ス ズ メ ノ ェ ン ド ゥ

%

100

正90

80 70

率60 50 40 30 20 10

0

図一13草

花 厂開 花 期」 の正 答 率(男 女 別)

● O X O xx× ● x ● ζ O xz X °X荅 答 苓x ● 0000 0 O 0 O ス ズ メ ノ テ ッ ポ ウ ス ズ メ ノ エ ン ド ウ ヒ メ ジ ョ オ ン ヒ シ ス ズ メ ノ ヤ リ エ ノ コ ロ グ サ ク ロ モ ヒ ル ガ オ ク ズ ヨ メ ナ カ タ バ ミ リ ン ド ウ キ キ ョ ウ ス ズ ラ ン ヒ ガ ン バ ナ ツ ユ ク サ .タ ン ポ ポ

%

100

正90

80

答70

率60

50

40

30

20

10

0

図 一14草

花 「種 類 」 正 答 率(男 女 別)

一50一

(19)

自然 教 育 へ の試 論(3>

%

100

正90

80

70

60

50

40

30

20

10

丸 ク ズ ヒ シ ス ズ メ ノ ヤ リ ス ズ メ ノ テ ッ ポ ウ キ キ ョ ウ ス ズ ラ ン エ ノ コ ロ グ サ ヨ メ ナ カ タ バ ミ ク ロ モ ヒ メ ジ ョ オ ン リ ン ド ウ ス ズ メ ノ ェ ン ド ゥ

図 一15草

花 「場 所」 の正 答 率(男 女 別)

%

90

80

70

60

50

L ス ズ メ ノ ヤ リ ヒ シ ク ズ ヨ メ ナ ク ロ モ ス ズ メ ノ テ ッ ポ ウ カ タ バ ミ エ ノ コ ロ グ サ ヒ メ ジ ョ オ ン ス ズ メ ノ エ ン ド ウ ヒ ル ガ オ リ ン ド ウ キ キ ョ ウ ツ ユ ク サ ス ズ ラ ン ヒ ガ ン バ ナ タ ン ポ ポ

40

30

20

10

0

図 一16草

花 「認識 の程 度 」(男 女 別)

(20)

O

X

70

%

50

45

40

35

﹁栽

X ● x o O ● X O ● X OO x 0 0 0 O oと ゜ 受 婁 ス ズ メ ノ テ ッ ポ ウ エ ノ コ ロ グ サ ス ズ メ ノ ヤ リ ョ メ ナ ス ズ メ ノ ェ ン ド ゥ ヒ シ ク ズ カ タ バ ミ ヒ メ ジ ョ オ ン ク ロ モ ヒ ガ ン バ ナ ツ ユ ク サ ヒ ル ガ オ タ ン ポ ポ ザ ン ド ウ ス ズ ラ ン キ キ ョ ウ

30

25

20

15

10

tf

)

O

図 一17草

花 「栽 培 経 験 」(男 女 別)

・ O X x ・ o x

%

100

90

80

70

60

50

40

30

20

10

0

図 一18園

芸 植物 「開 花 期 」 の 正答 率(男 女 別)

一52一

(21)

自然 教 育 へ の試論(3》

● O X 皀 X ● O XX ● ● Y O X ● O

%

100

90

80

70

60

50

40

30

20

10

a

図一19園

芸 植 物 「

種 類 」 の正 答 率(男 女 別)

● O X xX ● X ■ さ O X ● ・X 6 X ・ O 0 0 0 0 x . 苓 0 蓄 O 0

30

20

10

0

%

90

80

70

60

50

40

L

図一20園

芸植 物 「認 識 の程 度 」(男 女 別)

(22)

佛教大學研究紀要通巻70号

.1::

鬱 ・

6° 50

2° 10 0 ` O X ・ 0 X ● X ● さ Ox OOx

● O X 苓 。 。YO ア ホ サ マ オ カ シ を シ バ

募匙 好 霧1せ

ド ク ォ カ ア ト ウ ウ ゥ サ ン ン

図一21園

芸 植 物 「栽 培経 験 」(男 女 別)

草 花 に 関 して は,「 開 花 期 」 に お い て,6500以

上 の正 答 率 を もつ の が 女 子 で

は ・ タ ン ポポ ・ ヒル ガオ,ツ ユ クサ,ヒ ガ ン バ ナ,キ キ ョウの5種 で あ る のに

対 し・ 男子 は タ ソ ポ ポ1種 で あ り他 は い ずれ も50°

°を 割 って い る。 「

種 類 」 に

お い て は ・ 男 女 と も低 い 割 合 で あ るが,中 で も男 子 は,正 答 無 しが3種 類(ヒ

ル ガ オ,ス ズ メ ノエ ン ドウ,ス ズ メノテ ッポウ)あ り,ツ ユ クサ,ク ロモ以外

は 女 子 を 下 回 る 正 答 率 で あ る。 また,「 場 所 」 にお い て も ク ロモ,ク ズ以外全

て 女 子 が 高 い 割 合 を 示 して い る 。 「

認 識 の 程 度 」 にお い て は20%以 上 の 差 が あ

る もの が8種

もあ り,女 子 の 「

認 識 の程 度 」 の 高 さがみ られ る(表 一8)。

園 芸植 物 に 関 して は,「 開 花 期 」 にお い ては 全 ての 種 が,「 種 類 」 に お い ては

アサ ガオ を除 く全 てが,女

子が 男子 を 上 回 る割 合 で あ る。 また ,「認識 の程 度」

栽 培 経 験 」 に お い て も男 女 差 が 顕著 であ る。

以 上 の よ うに概 観 す る と,各 設 問項 目の 正 答 率,「認 識 の 程 度」及 び 「

栽 培 経

験 」 とも女 子が 男 子を 上 回 っ てい る こ とが わ か る。

これ は,前 報 で 述 べ た 「小動 物 に 関す る認識 に お い ては,一 般 に 男 子 は 女 子

に 比べ て高 い 」 こ と と逆 の傾 向で あ る。 また,前hの

「自然 に 対 す る意 識 調

査 」 に よれ ば,動 物 飼 育 の経 験 や 関 心 は 男 子 が 女 子 を上 回 り,植 物 栽 培 の 経 験

や 関 心は 女 子が 男 子を 上 回 って い た こ とを 合 わ せ て考 え る と,飼 育 栽 培 や 動物 ・

一54一

(23)

自然教 育への試論 ㈲

表 一8男

女差(女 子 〉 男子)が1000以

上 の植 物

1瀰 項団

紅葉 の有無

認識 の程度

花 期

認識 の程度

認識 の程度

栽培 経験 の

有 無

1

全 体 の 占

め る割 合

モ ク レ ソ ゜ ・ボ ケ ゜ ・ ク チ ナ シ ヤ マ モ ミ ジ ゜ ・ ツ タ ・ ア ジ サ イ ・ ヒ イ ラ ギ ゜ ・モ ク レ ン ・ ヤ マ ブ キ ・ ク チ ナ シ ・ ハ ゼ ノ キ ヤ マ モ ミ ジ ゜ ・ ア ジ サ イ ・ ツ タ ゜ ・ ヒ イ ラ ギ ゜ ・ ク チ ナ シ ・ モ ク レ ン ・ ヤ マ ブ キ 。 ボ ケ ・ハ ゼ ノ キ ツ タ ・モ ク レ ソ ゜ ・ ヒ イ ラ ギ ゜ ・ヤ マ モ ミ ジ ・ヤ マ ブ キ ゜ ・ ク チ ナ シ ゜ ・ボ ケ ゜ タ ン ポ ポ ・ ヒ ル ガ オ ゜ ・ ツ ユ ク サ ゜ ・ ヒ ガ ン バ ナ ・ キ キ ョ ウ ゜ ・ リ ン ド ウ ゜ ・ ス ズ ラ ソ ・ ス ズ メ ノ エ ン ド ウ ・ カ タ バ ミ ゜ ・ ク ズ ・ ス ズ メ ノ テ ッ ポ ウ

タ ン ポ ポ ・ヒ ガ ン バ ナ ・ス ズ ラ ソ ・キ キ ョ ウ ・ リン ド ウ ・

ヒ ル ガ オ

タ ン ポ ポ 。 ヒ ガ ン バ ナ ゜ ・ ツ ユ ク サ ゜ ・ ヒ ル ガ オ ・ ス ズ メ ノ エ ン ド ウ ゜ ・ リ ン ド ウ ゜ ・ ヒ メ ジ ョ オ ン ゜ ・ カ タ バ ミ゜ ・ ヨ メ ナ ・エ ノ コ ロ グ サ ゜ ・キ キ ョ ウ ・ ス ズ メ ノ テ ッ ポ ウ ゜ ヒ ガ ン バ ナ ゜ ・ ス ズ ラ ソ ゜ ・ ツ ユ ク サ ゜ ・キ キ ヨ ウ ゜ ・ リ ン ド ウ ゜ ・ ヒ ル ガ オ ゜ ・ ス ズ メ ノ ェ ン ド ゥ ゜ ・ ヒ メ ジ ョ ォ ン ゜ ・ エ ノ コ ロ グ サ ・ カ タ バ ミ ア サ ガ オ ゜ ・ホ ウ セ ン カ ゜ ・マ ー ガ レ ッ ト ゜ ・ ム ラ サ キ ツ ユ ク サ ゜ ・ サ ル ビ ア ゜ ・ カ ス ミ ソ ウ ホ ウ セ ソ カ ゜ ・マ ー ガ レ ッ ト ・ム ラ サ キ ツsク サ マ ー ガ レ ッ ト゜ ・ ホ ウ セ ン カ ゜ ・ サ ル ビ ア ゜ ・ ム ラ サ キ ツ ユ ク サ ゜ ・ カ ス ミ ソ ウ ゜ ・ オ ジ ギ ソ ウ ゜ ・ シ オ ン ホ ウ セ ソ カ ゜ ・サ ル ビ ア ゜ ・ マ ー ガ レ ッ ト ゜ ・ カ ス ミ ソ ウ ・ シ ュ ウ カ イ ド ウ

3/10

s/io

9/10

7/io

ii/i7

6/17

12/17

10/17

6/10

3/10

7/10

5/10

(。 印 は20%以 上 の 差)

植 物 の 関 心 の 傾 向が 認識 の 傾 向 と一 致 し てい る こ とが わ か る 。

④ 「

生 育 地 域 差 」 に よる 結果 と考 察

図一22∼ 図一34は,木

本,草 花,園 芸 植 物 に お け る 各 設 問項 目の 正答 率 を 地

域 別 に 示 した もの で あ る。

(24)

佛教大學研究紀要通巻70号

%

100

90

80

70

60

50

40

30

20

10

O

z

図一22木

本 「開 花 期」 正 答 率(地 域 別)

A

%

100

90

80

70

60

50

40

30

20

10

0

図 一23木

本 「

種 類 」 の正 答 率(地 域 別)

一56一

(25)

自然教 育 へ の 試 論(3)

● O △ X O △ ● ﹀ へ x °o △ K ぬ o x め ゜ X C ・ o

x 笛 o x 魅 ゜ X ● △ O 欲 ゜ △

60

50

40

30

20

10

0

%

100

90

80

70

図一24木

本 「紅 葉 の有 無」 の 正 答 率(地 域 別)

・ 全

。 大 都 市

△ 周 辺 都 市

X郡

× ρ 厶 O ● △ 八 浄 o x 魅 X ) ● △ 。 曳 △ x °。 △ × ° 魅 O 峯 ゜ △ 曳 o

30

20

10

0

図一25木

本 「認 識 の 程度 」(地 域 別)

%

90

80

70

60

50

40

L

(26)

佛教大學研究紀要通巻70号

%

100

正90

80

70

匁 口

率60

50 40 30 20 10 0 ヒ シ エ ノ コ ロ グ サ ヨ メ ナ ビ メ ジ ョ オ ン ス ズ メ ノ ヤ リ ク ロ モ ク ズ ス ズ メ ノ テ ッ ポ ウ 嘗 カ タ ノ ミ ス ズ メ ノ ェ ン ド ゥ ス ズ ラ ン リ ン ド ウ キ キ 、 ヨ ウ ヒ ガ ン バ ナ ツ ユ ク サ ヒ ル ガ オ タ ン ポ ポ

図 一26草

花 「開 花 期」 の正 答 率(地 域 別)

%

100

正90

80 70

率60 ザ50 ス ズ メ ノ テ ッ ポ ウ ス ズ メ ノ エ ン ド ウ ヒ メ ジ ョ オ ン ヒ シ ス ズ メ ノ ヤ リ エ ノ コ ロ グ サ ク ロ モ ヒ ル ガ オ ク ズ ヨ メ ナ カ タ バ ミ リ ン ド ウ キ キ ョ ウ ズ ズ ラ ン ヒ ガ ン バ ナ ツ ユ ク サ タ ン ポ ポ 40 30 20 10 0

図一27草

花 「

種 類 」 の 正 答 率(地 域 別)

一58一

(27)

自然 教 育へ の試 論(3)

・ 全

。 大 都 市

▲ 周辺都 市

x郡

X Q △ 0 ム 9 x ム s X ●o 会o 盞x°4 D X

D

X參X X ● aQ OO X s O 0 O ● 叉 ◆ X 温 ク ズ ヒ シ ス ズ メ ノ ヤ リ ス ズ ノ メ テ ッ ポ ウ キ キ ョ ウ ス ズ ラ ン エ ノ コ ロ グ サ ヨ メ ナ カ タ バ ミ ク ロ モ ヒ メ ジ ョ オ ン リ ン ド ウ ス ズ メ ノ エ ン ド ウ ヒ ル ガ オ ツ ユ ク サ ヒ ガ ン バ ナ タ ン ポ ポ

図一28草

花 「場 所 」 の正 答 率(地 域 別)

.全

。 大 都 市

△ 周辺 都市

X郡

X x a ム Xx ▲ 0 ● D Ox a x O蓉 4 ム 0 0 0 X 蒼 x ● D 0

0 巻 ▲ X XX D D

ス ズ メ ノ ヤ リ ヒ シ ク ズ ヨ メ ナ ク ロ モ ス ズ メ ノ テ ッ ポ ウ カ タ バ ミ エ ノ コ ロ グ サ ヒ メ ジ ョ オ ン ス ズ メ ノ ェ ン ド ゥ ヒ ル ガ オ リ ン ド ウ キ キ ョ ウ ツ ユ ク サ ス ズ ラ ン ヒ ガ ン バ ナ タ ン ポ ポ

図一29草

花 「認 識 の程 度 」(地 域 別)

%

100

正90

80

70

率60 50 40 30 20 10

0

%

100

90

80

70

60

50

L

40

30

20

10

0

(28)

佛教大學研究紀要 通巻70号

・ 全 体 。 大 都 市 △ 周辺 都市 x郡 部 o X ● △ X o ● ム a o X ・ 0 △ o o 会 、 o ● △ △ 9 0 X ● △ 8 X O △ 眠 ● △ O X ● △ o △ × △ 0 ス ズ メ ノ テ ッ ポ ウ ス ズ メ ノ ヤ リ エ ノ コ ロ グ サ ヨ メ ナ ス ズ メ ノ ェ 詔 ド ゥ ヒ シ ク ズ カ タ バ ミ ヒ メ ジ ョ オ ン ク ロ モ ヒ ガ ン バ ナ ツ ユ ク サ ヒ ル ガ オ タ ン ポ ポ リ ン ド ウ 入 ズ ラ ン キ キ ョ ウ % 30 25 20 15 10 5

図一30草

花 「栽 培 経 験 」(地 域 別)

L

・ 全

。 大 都 市

D周

辺 都 市

x郡

△ ρ X ' △ 殳 O × 奥 O 6 ● △ O X ● △ a x 0 o X X 合 ゜ 笆

%

100

正90

80

答70

60

率50

40

30

20

10

O

図一31園

芸 植 物 「開 花期 」 の正 答 率(地 域 別)

(29)

自然 教 育 へ の試 論(3)

・ 全

。 大

都 市

△ 周 辺 都 市

x郡

且 ● X Q 曾 ×

%

100

90

80

70

60

50

40

30

20

・ ハ ナ ダ イ コ ン ﹁ x 船 シ コ ウ カ イ ド ウ ・ 弘 。 サ ル ビ ア ム ・x シ オ ン x き ム ラ サ キ ツ ユ ク サ x a o マ ー ガ レ ッ ト 琴 ム オ ジ ギ ソ ウ ム 恢 。 カ ス ミ ソ ウ ホ ウ セ ン カ ア サ ガ オ 0 Q

図一32園

芸 植 物 「種 類 」 の 正 答 率(地 域 別)

・ 全

。 大 都 市

△ 周 辺 都 市

x郡

拿 O X X x x 燭ρx ● △oO ● 4 ● oヂX a △ D 0

%

90

80

70

60

50

40

L x X × 咨 aO a D

30

20

10

0

図一33園

芸 植物 「認 識 の 程度 」(地 域 別)

(30)

佛教大學研究紀要通巻70号

L

%

100

90

80

70

60

50 40 30 20 10 ハ ナ ダ イ コ ン シ オ ン ム ラ サ キ ツ ユ ク サ シ ュ ウ カ イ ド ウ カ ス ミ ソ ウ オ ジ ギ ソ ウ マ ー ガ レ ッ ト サ ル ビ ア ホ ウ セ ン カ ア サ ガ オ 0

図一34園

芸 植 物 「栽 培 経 験 」(地 域 別)

木 本 に関 して は,「 紅 葉 の 有無 」 にお い て アジ サ イ を 除 き 「

郡 部 」 が や や 高

い 割合 を 示 して い る 。

草 花 に 関 して は 「開 花 期 」 に お い て ヒル ガ オ,ツ ユ クサ,ヒ

ガソ バ ナ,キ キ

ョ ウ,リ ソ ドウ,ス ズ ラソ,ス

ズ メ ノエ ン ドウが や や 「

大都 市 」が 低 く,「 種

類 」 に お い て も ヒ ガソ バ ナ,ス

ズ ラ ン.キ キ ョウ,リ ソ ドウがや や 「

大 都 市 」

が 低 い こ とが 目立 っ程 度 で あ る 。

園芸 植 物 に 関 して は,厂 種 類 」 「

認 識 の 程 度 」 「

栽 培 経 験 」 にお い て,「 周 辺都

市 」 「

大 都 市 」 は 「

郡 部 」 と 比較 して やや 低 い 割 合 で あ る とい え る。

以上 概 観 した と ころ 生 育 地 域 に よる差 異 は そ れ 程 表 わ れ て い ない こ とが わ か

るが,大 都 市 出 身 者 がや や 植 物 の認 識,申 で も ポ ピ ュラ ーな植 物 にっ い て の認

識 が 低 い こ とが わ か る 。

3.ま

本 調 査 に お い て得 た 結果 を ま とめ る と,次 の よ うな こ とが 挙 げ られ る 。

前 報 で は,小 動 物 に 関す る 認 識 に おい ては 一 般 に 男 子 は 女 子 に 比べ て 高い 認

識 を も って い る こ とが 明確 に な った が,今 回の 植 物 に関 す る認識 調 査 の 結果 に

一62一

(31)

自然教育へ の試論(3)

お い て は,そ

の 反対 に女 子 は 男 子 に 比 べ て 高 い認 識 を もっ てい る こ とが 明 らか

に な った の で あ る。 前 々報 の 意 識 調 査 に よ り,動 物 飼 育の 経 験 や 関 心 は 男 子 が

女 子 を 上 回 り植 物 栽 培 の 経 験 や 関 心 は 女 子 が 男 子を 上 回 っ てい た こ とを 合 わ せ

て 考 え る と,飼 育 栽 培 や 動 物 ・植 物 の 関 心 の傾 向が 認 識 の 傾 向 と一 致 して い る

こ とが わ か り,男 子は 動 物 が 女 子 は 植 物 が 得 意分 野 で あ る とい う図 式 が 成 り立

っ か の よ うに考 え られ る。

しか し,植 物 に関 す る認 識 は 女 子 が 男 子を 上 回 る傾 向に あ る とは い え,全 体

の 正 答 率 が 動 物 の 場 合 と比 べ て 非常 に 低 く,多 くの 項 目にお い て 正 答 率 が50%

を 割 って い る とい う事 実 に 注 目して おか なけ れ ば な ら ない 。 植 物 は 動 物 に 比べ

て 動 きや 意 志 が な く,子 ど もの 働 きか け に対 し て応 答 が な い とい うこ と等 が興

味,関 心 の 低 さひ い て は 認 識 の 低 さ の原 因 と な っ てい る こ とが 予 想 され るが,

そ の 点 を 踏 まxて の 指 導 が必 要 と な ろ う。

また,生 育 地 域 別 に み て も大都 市 出身 者 の 認 識 不 足 は 否 定 で きな い が 比較 的

豊 富 な 自然 に恵 まれ て 育 った と考 え られ る郡 部 出身 者 が,必 ず し も認識 が高 い

とは い え ない こ とは,た だ 身 近 に 自然が あ るだ け で は 認 識 に 迄 高 ま らな い こ と

を 示 して お り,自 然 を いか に 教 材 化す るか が 課 題 で あ る とい え よ う。

ま た,本 調 査 で 「

開 花 期 」 の 正 答率 の低 さが 顕 著 で あ った が,都 市化 現象 が

急 激 に進 み,身 辺 の 動 物 ・植 物 が 減少 す る一 方 で,果 物 や 花 が種 類 に よらず,

一 年 中 店 頭 に並 ん で い て 植 物 に よる季 節 感 が な くな りっ つ あ る こ とに起 因す る

もの で あ る と考 え られ る。 この よ うな時 代 に 気候 の 上 で 四 季 の 明確 な我 国 にお

い て 季 節 との 関 連 で 植 物 を認 識 させ てい く指 導 法 も望 まれ る とこ ろで あ る とい

え よ う。

最 後 に,本 調 査 に お い て 比較 的 高 い 正 答 率 を 示 した 植物 の種 の傾 向Y'よ り,

今 後 の植 物 指 導 の あ り方 の 示 唆 を得 た い と思 う。

本 調 査 に お い て 比 較 的 高 い 正 答率 で あ った アサ ガオ ・ホ ウセ ン カは,恐 ら く

は 幼 少 の 頃 の 栽 培 経 験 が 身 近 な存 在 とな ら しめ た の で あ ろ うし,ア ジサ イ ・ヤ

マ モ ミジ は 季 節 と結 び っ い て の理 解 が な され た の で あ ろ う し,タ ソ ポ ポ ・ヒガ

ソ バ ナ ・ス ズ ラ ソ ・ツユ クサ ・キ キ ョウ等 は それ ぞれ 季 節を 代表 す る花 と して

の理 解 の さ れ 方 で 高 い 割 合を 示 した と考}ら れ る。

(32)

佛教大學研究紀要通巻70号

そ の 一 方 に お い て,昔 か ら 子 どもた ち の 間 で 遊 び継 がれ て きた 草 花 の 伝 承 あ

そ び と して 代 表 的 な,ス ズ メ ノテ ッポ ウ(笛),エ

ノコ ログサ(犬),ク

ズ(籠)

とい った 植 物 の認 識 が 極 め て 低 か った こ とは,ま

さに ∫ 自然を 身 近 に感 じる こ

との で きな い 世 代 の 人 々が これ か らの 教 育 を 担 って い くが 故 の危 機 感 を 我 々は

持 た ざ るを 得 な い の で あ る 。

そ うい った 点 か ら,幼 稚 園 ・保 育所,更

には 小学 校 に お け る栽 培 経 験 の 重 要

性 が 改 め て 認 識 され ね ば な らな い であ ろ うし,園 外 保 育 や遠 足 にお い て,自 然

に触 れ る機 会 を 増 加 させ る カ リキ ュ ラムの 見 直 し とい うもの が 考 え られ な け れ

ば な らな い と思 わ れ る。 また 同 時 に,自 然 に対 す る畏 敬,感 動を 教師 自身 に蘇

ら さ なけ れ ば ま さに 「絵 に 描 い た 餅 」 に な る こ とは い うまで もな い こ と であ る。

更 には,学 校 教 育,幼 児 教 育 と家庭 教 育 との 密 接 な る連 携 も課 題 とな ろ う。 す

なわ ち,休

日,休 暇 の 過 し方 と して 行 楽地 や 繁 華 街 へ の 外 出 よ りも 自然 と触 れ

合 う機 会 を 奨 励 す る よ うな 指 導 が 望 まれ る と ζ ろ であ る。

以上,自 然 に対 す る意 識 ・認 識,動 物 ・植 物 に 関す る認 識 と3回 にわ た りそ

の調 査 結 果 を 報 告 した わ け で あ るが,本 調 査 結 果 は あ くまで も今 後 の 望 ま しい

自然教 育 の あ り方 を 考 え る上 で の 基礎 資 料 と な る もの で あ り,我 々の 今 後 の研

究 課 題 と して 次 の よ うな 項 目が あ げ られ る の で あ る。

1.教

師 の 質 的 問 題

2.教

育 課 程,指 導 内容 と方 法

3.子

ど もが 生 活 す る場 とそ こに 内 在す る 問題

こ こに,ひ とっ の 基 礎 資 料 を 得 た 現在,こ れ らを 足 場 と して 更 に発 展 的 に 研

究 を深 め,幼 小一 貫 性 に基 づ く望 ま しい 自然 教 育 の あ り方 を 追 求 して い きた い

と思 う。

北川

治 ・井 上俊 夫 ・高 橋

司 「自然 教 育 へ の 試 論(1)一自然 に 対 す る意 識 調 査 一」

(『

佛 教 大 学 研究 紀 要 』 第68号),1984。

井 上 ・高 橋 ・北 川 「自然 教 育 へ の試 論 ② 一 身近 な 小動 物 に 関 す る認 識 調 査 一」(『佛

教 大 学 研 究 紀 要 』第69号),1985。

日本 保 育 学 会第37回 大 会(於,岡

山大 学)口 頭 発表 。

日本 保 育 学 会第37回 大 会(於,岡

山大 学)口 頭 発表 。

一64一

参照

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