2)住宅・住環境のまちづくり方針
(1)住宅・住環境の現状
浦安市では、都市の形成過程から地域ごとに特色のある住宅地が形成されており、その住
宅・住環境は、改善の余地を含みつつも相対的に高い評価を受けてきました。
しかし、東日本大震災では、液状化に伴う地盤沈下により、多くの戸建住宅や集合住宅が被
災しました。この震災の教訓を踏まえ、単にこれまでのまちの姿に戻すのではなく、まちのイ
メージアップを図る視点が大切です。
計画的に住宅開発が進められた中町地域や新町地域を中心に中高層集合住宅が多く、市全体
では、約8割の世帯が集合住宅に居住しています。これらの集合住宅では、今後、その維持や
建替えが大きな課題となってきます。
一方、昔ながらの浦安の良さを今日まで伝える街並みが残る元町地域には、狭あい道路や老
朽化した木造住宅が密集し防災上の課題がある地区があります。また、土地利用の転換により
中高層住宅の立地が進行しています。
(2)基本方針
住宅地が市域の過半を占める浦安市において、まちの魅力と活力を維持・発展させていくた
めには、その基礎となる良質な住宅・住環境を守り、育てていくことが重要です。
そのため、環境やユニバーサルデザインに配慮しつつ、耐震性・耐火性・防犯性を備えた住
まいづくりや集合住宅などの適切な維持管理、液状化対策を促進することで良質な住宅ストッ
クを形成します。また、地域ごとの住宅地特性やコミュニティの特性を踏まえ、安全で快適に
(3)整備方針
Ⅰ.多様なニーズに対応できる良質な住宅ストックの形成
現在の住みやすさ、生活のしやすさを維持・向上するため、長寿命の良質な住宅整備の促進
や安全で安心して住み続けられる住宅機能を確保するとともに、ライフステージに応じた住ま
い方ができる環境を整備するなど、多様なニーズに対応できる良質な住宅ストックを形成し、
誰もが安全で安心して地域に長く住み続けられるまちを目指します。
① 良質な住宅ストックの形成
●安全で安心して住み続けられる住宅機能の確保
・建物の耐震性の確認や耐震機能の向上を図るため、耐震相談窓口などにより周知するととも
に、新耐震基準導入以前の建物(概ね昭和 56 年以前に建築のもの)の耐震診断や耐震改修
を支援します。
・誰もが安心して快適に住み続けられるよう、住宅の建設や改修にあたってはユニバーサルデ
ザインやバリアフリー化などの整備を促進します。
●低炭素に配慮した住宅の普及
・住宅からの環境負荷を低減するため、住宅の建設や改修にあたっては省エネルギーや再生可
能エネルギーの活用など、低炭素に配慮した住まいづくりを促進します。
●良質で長寿命な住宅整備の促進
・長期にわたり良好な状態で使用できる住宅整備を促進し、良好な住宅ストックを形成するた
め、長期優良住宅制度を周知するとともに、認定を受けた住宅の履歴情報を蓄積し、活用し
ます。
・集合住宅の長寿命化を図るため、適切な情報や学習機会の提供に努めます。また、建替えや
長寿命化などの先進事例の調査や研究を進めます。
●宅地の液状化対策
・建物や設備の更新時期や被災した住宅などの修復や建替えの際に、液状化や地盤沈下の対策
が進められるよう、沈下・傾斜の修正工法や液状化対策工法の分類・評価などの参考となる
情報の収集や提供に努めます。また、相談など支援体制・仕組みづくりを進めます。
・宅地の液状化対策に活かすため、液状化による被害の調査結果を公表するとともに、震度分
布や液状化危険度マップを作成し公表します。
・被災した地域では、国が創設した「市街地液状化対策事業」などの制度を活用することを念
頭に、道路や下水道などの公共施設と隣接宅地との一体的な液状化対策の実現可能性調査結
果について、広く市民に周知するとともに、地区住民との話し合いを進め、市民との協働事
業として取り組みます。
② 多様な住まい方ニーズへの対応
●地域内に安心して住み続けられる居住システムの構築
・子育て世帯、高齢者世帯など世帯のライフステージに応じた住まい方ができるよう、市民や
事業者などとともに多種多様な住宅の供給や市場の整備を目指します。また、情報提供や相
談窓口など住まいに関する支援を推進します。
・高齢者世帯の持家を借り上げ、子育て世帯などへの転貸をする「住み替え支援制度」の導入
の検討や、住み替え情報の提供などにより、ライフステージに合った住み替えの促進、支援
をします。
Ⅱ.地域や地区の特性に応じた良好な住環境の保全・整備
計画的に開発された戸建住宅地や集合住宅地などの良好な住環境や街並みを維持保全する
とともに、密集市街地の改善などにより、誰もが安心できる良好な住環境の整備を目指します。
また、より良い地域社会づくりに向けた住民による活動や持続性のあるコミュニティを育成し、
地域が主体となったまちづくりを目指します。
① 住環境の維持保全
●計画的に開発された住宅地の維持保全
・計画的に開発された戸建住宅地では、良好な街並みやみどり豊かな住環境の保全を図るとと
もに、住宅の建替え・更新にあわせて、景観や環境に配慮した魅力のある住宅地として長期
にわたり良好な住環境を維持・継承できるよう、景観計画の推進や地区計画・緑地協定など
の住民が主体となったまちのルールづくりを支援します。
・低層・中高層の集合住宅地では、良好な街並みやみどり豊かな住環境の保全を図るよう、適
正な維持保全と必要な改修などの誘導・支援を行います。修繕や建替えなどに関する長期的
な将来像についての検討への支援を行います。また、建替えの円滑な実施に向けた条件整備
や支援のあり方について検討を進めます。
・集合住宅では、ライフラインの復旧や共用空間、共用設備の改修などにあわせて、その魅力
が高まるよう、新たな環境技術や多様な生活サービス機能などの導入や共用空間などの適正
な維持管理を促進します。
・地区での任意のルールの導入、住民主体のまちづくりを進める支援体制の確立など、住民主
体の取り組みを促進します。
●戸建住宅と集合住宅などの住環境の調整
・戸建住宅と集合住宅などが混在する地区では、空地での新規の住宅開発や建替えにおいて、
双方に調和した住環境が維持できるよう誘導します。また、双方が共存できる建物の高さ規
制について検討を進めます。
・地域特性や開発形態などにあったまちづくりルールなどの検討を進め、周辺の既存住宅地と
の住環境の調和を誘導します。
・工場などと住宅とが調和した住環境が維持できるよう、地域住民などを含め望ましい地区環
境のあり方について検討します。
② 密集市街地の防災・住環境の改善
・密集市街地では、狭あい道路の拡幅整備、建物の不燃化の促進、敷地の緑化の促進など、住
宅地の防災機能の向上や住環境の改善を図ります。
・地域の実情に合わせた新たな防火規制の検討、狭あい道路の拡幅や未接道宅地の解消を図る
ため、支援制度の拡充や新たな建築ルールづくりを進めます。
・取得した市有地を活用しながら、災害時の一時的な避難場所にもなる公園・広場や避難経路
をはじめ、地域を越えた住民同士の交流や憩いの場となるオープンスペース、街区の再整備
などの整備を進めます。
・新中通りとその周辺市街地については、引き続き土地区画整理事業などの整備手法により整
備を進めます。
③ 良好な住環境の形成
●良好な住宅開発の誘導
・新たな住宅開発においては、敷地面積の規模やみどりの確保、周辺と調和した景観の形成な
どにより、良好な住環境や街並みの形成を誘導します。
・地区計画や建築協定・緑地協定などの併用により、将来にわたり良好な住環境を保全するよ
うきめ細かなルールづくりを促進します。
●新町地域での計画的な整備推進と土地利用調整
・新町地域では、今後とも複合機能のまちづくりを進めるため、千葉県企業庁が策定した土地
利用計画に基づき、住宅地・公共公益施設・誘致施設の計画的な整備を促進します。
・既存施設も含め、良好な住環境や誘致された多様な都市機能が適正に維持保全されるよう土
地利用を調整・誘導します。
●低炭素に配慮した住宅地開発の誘導
・住宅からの環境負荷を低減するため、低炭素のまちづくりに配慮した住宅開発を促進します。
・新たに開発する低層住宅地は、三番瀬や境川沿いの立地を考慮し、水際線のみどり・遊歩道
ネットワークの確保とともに、低炭素のまちづくりや自然環境に配慮した良好な住宅地の形
成を誘導します。
④ 地域のコミュニティを活かした住環境の維持・向上
・自治会や管理組合、住民間の交流などの地域のコミュニティを活かし、相互に連携しながら
住宅地の維持管理をはじめとするさまざまな活動に取り組むことで、住環境の維持・向上を
目指します。
・防犯性が高く誰もが安心して住むことのできるまちとなるよう、地域コミュニティの強化を