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生物多様性の保全に向けて(p.16~18,裏表紙) 環境配慮事項届出制度|岡山市|くらし・手続き|環境

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Academic year: 2018

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− 16 − 6-3 生物多様性の危機について

地球上には、3,000 万種ともいわれる多様な生きものが存在していますが、その 1 種に 過ぎない人類の活動によって急加速した地球上の種の絶滅のスピードは、40,000 種/年 ともいわれています。

商業目的等の乱獲、過剰な捕獲・採取、開発、生息・生育域の分断、生息・生育環境の 改変(水路の三方コンクリート化など)は、個体数の減少、種の絶滅、生息・生育地の減 少を引き起こします。生物多様性の持続可能な利用が必要です。

二次林の管理不足や耕 作放棄地の拡大などによ り生息・生育状況が悪化 した動植物が多く絶滅の 危機に瀕しています。ま た、イノシシなどの分布 拡大も問題となっていま す。

本来生息・生育してなかった種が持ち込まれることで、在来種の捕食、生存場所の放逐、 在来種との交雑による遺伝子の攪乱が起こっています。同じ種であっても他地域からの 移入は遺伝子の多様性を

脅かす可能性があるため 注意が必要です。また、 急速に開発や普及が進ん だ化学物質の中には生態 系への影響が指摘されて いるものがあります。

生物多様性は、気候変動に対して特に脆弱であり、平均気温や海面温度の上昇は動植物 種の絶滅リスクを高めていると言われています。

①第1の危機(開発・乱獲による種の減少・絶滅、生息・生育地の減少)

②第2の危機(里地里山などの手入れ不足による自然の質の低下)

③第3の危機(外来種などの持ち込みによる生態系のかく乱)

④地球温暖化による世界的な危機(多くの絶滅や生態系の崩壊)

セツブンソウ自生地の イノシシ侵入防止ネット

オオクチバス

荒れた竹林

オオキンケイギク

(2)

− 17 − 7-1 事業活動による保全

事業者は、事業活動において様々な場面で生物多様性を利用し、影響を与えています。 その事業活動を見直し、生物多様性の保全と持続可能な利用をする取組例として、以下の ようなものが挙げられます。

・生物多様性の保全上、保護価値が高いと考えられる土地の開発を避ける。

・ 土地利用を変化させる場合は、ステークホルダーとの連携を考慮し、地域住民や専門 家などの意見を反映する。

・ 自然生態系が残っている土地を改変する場合は、改変面積を可能な限り減少させ、他 の同様な土地への影響も可能な限り低減する。

・連続した水辺や樹林地などの自然環境の分断を避ける。

・ 社有地などに、周辺の生態系のネットワークにも配慮しつつ、緑地やビオトープを創 出する。

・緑地を創出する場合は、外来種などの移入に注意する。 ・ 身近な生きものの生息・生育地域や地域で親

しまれてきた緑地、その隣接地では、身近な 自然とのふれあい空間を維持、保全し、その 活用や土地利用に努める。

・ 跡地利用の際などは、周辺の生態系のネット ワークにも配慮しつつ、改変前の植生または 地域の自然植生などにできるだけ早く戻すこ とができるよう、植栽などを行う。

a. 事業地の選定・土地利用

7.事業者の生物多様性保全に向けた取組について

6-3で示した生物多様性の危機のほとんどは、人間活動によるものが引き起こしてい

ます。事業活動においても、事業地の開発から原材料調達、生産、流通に至るまで様々な 場面で生物多様性に依存し、影響を与えています。

そのような背景を踏まえ、生物多様性基本法(第 6 条)や(岡山市)地域主体による 生物多様性の保全を推進する条例(平成 22 年市条例第 30 号)(第 5 条)では、事業者 の責務として「生物多様性に配慮して事業活動を行うこと」などが謳われています。事業 者は生物多様性保全のためにまず取り組むべきことは、自社の事業活動が生物多様性に与 えている影響を分析し、把握することです。その影響を把握した後は、それぞれの問題点 に優先順位をつけ、段階的に、事業活動が与えている好影響を増大、あるいは悪影響を低 減させる取組を行う必要があります。

また、生物多様性に及ぼす影響の低減を図るだけでは解決できない生物多様性に関する 問題については、社会貢献活動として取組を行っていくことが期待されています。

(3)

− 18 − ・生物多様性へ配慮した材料を使用する。

・ 生物多様性への影響が少ない工作物等を施工する (環境配慮型水路など)。

・廃棄物量の削減に繋がる工法で行う。

・ 生物多様性へ配慮した工法で行う(化学物質、排水、 騒音、夜間照明など)。

・生物多様性へ配慮した操業を行う(化学物質、排水、騒音など)。

・ 光(夜間照明など)に留意し、昆虫類や植物等への影響を低減させる(漏れ光、季節、 時間など)

・自然等を利用したエネルギー消費の低減(太陽光発電、緑のカーテン、屋上緑化など)

・生物多様性の保全と持続可能な利用をより重視した生物資源の利用を行う。

・生物多様性の保全上、保護価値の高い土地については、土地利用の転換を避ける。

・ 生物多様性の保護価値が高いと考えられる原材料や土地利用由来のものの使用をやめ る。

・グリーン購入、グリーン調達に努める。

・持続可能な資源の利用を行う(行っているものを購入する)。

・ 自社が直接管理できるもののほか、サプライチェーンにおける各段階の事業者が生物 多様性に配慮しているかを把握する。

・生物多様性への影響を低減できる製品を研究・開発・生産する。

・生物多様性へ配慮した材料を使用した生産、使用する製品の研究・開発を行う。 ・生物多様性への影響が少ない工法で生産、工法を研究・開発する。

・廃棄物量の削減につながる工法、製品の研究・開発を行う。

・生物多様性に配慮した製品・サービスなどを取り扱う。 ・生物多様性に配慮した営業方法、広報を行う。

・ 生物多様性の配慮した製品などについて配慮に関する情報を表示し、消費行動の変革 を促す。

b. 工事

c. 事業場の操業

d. 生物資源の利用

e. 原材料調達

f. 研究・開発・生産

g. 販売

(4)

7-2 社会貢献活動による保全

事業者は、本業を通じた社会への貢献や、事業活動における環境影響のマネジメントに とどまらず、社会貢献活動による生物多様性保全の取組を行っていくことが期待されます。  ・地域や国内外の生物多様性の保全、適切な管理、再生などに関する貢献活動を行う。  ・ 保有地又は取得した土地に植林、ビオトープの創出などを行う。その際は、周辺の生

態系のネットワークに配慮し、外来種の利用や地域系統の遺伝的攪乱に留意する。  ・ 生物多様性に関して、NPO/NGO、地域住民、研究機関、行政などと連携し、相互の

発展を視野に入れながら取組を実施する。

 ・ 地域の活動に主体的又は支援として関わる。(人、モノ、金、ノウハウ、情報、ネットワー クなど)

 ・外来種の防除などに関する貢献活動を行う。

 ・生物多様性に関する環境教育、広報活動などを行う。  ・社内の人材育成に ESD の視点を盛り込む。

   (ESD:Education for Sustainable Development(持続可能な開発のための教育)の略で、 私たち一人一人が、これまでの社会や生活のあり方を見なおし、環境、経済、社会の バランスのとれた持続可能な未来を実現できる人を育成していくこと)

 上記内容についての詳細のほか、環境省自然環境局が公表している「生物多様性民間参 画ガイドライン」には、具体的な取組事例など、生物多様性保全を事業に活かせるヒント が掲載されています。ガイドラインは環境省自然環境局の HP からダウンロードできます。   

(http://www.biodic.go.jp/biodiversity/shiraberu/business/bbgl/index.html)

発行 

岡山市環境局環境保全課

〒 700-8544 岡山市北区大供 1-1-1 TEL:086-803-1284 FAX:086-803-1737

参照

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