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スマートアンテナを利用したアドホックネットワークMACプロトコルの特性評価

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(1)Vol. 46. No. 10. Oct. 2005. 情報処理学会論文誌. 推薦論文. スマートアンテナを利用したアドホックネットワーク MAC プロトコルの特性評価 高. 田. 昌. 忠†. 長. 島. 勝. 城††. 渡. 辺. 尚†††. 無指向性アンテナを前提とした従来の無線アドホックネットワーク MAC プロトコルの空間利用効 率が低い等の問題に対して著者らは,干渉の低減・空間利用効率の向上・通信距離の拡張を提供しうる スマートアンテナを利用したアドホックネットワーク MAC プロトコル SWAMP(Smart antennas based Wider-range Access MAC Protocol)を提案している.本論文では計算機シミュレーション による SWAMP の性能評価を実施し,スループット・遅延・オーバヘッド特性を明らかにする.その 結果,IEEE 802.11 と比較し SWAMP は約 3.5 倍のスループットおよび低遅延を実現し,追加した オーバヘッドがあるものの,それを上回る性能向上がなされることを示す.また,ノードの移動速度・ ノード密度に対するスループット特性をそれぞれ示す.次に,SWAMP の通信失敗の原因を 7 つに 分類して考察し,低負荷時にはアンテナの指向性制御が不正確になる問題が発生することを示す.さ らに,この問題に関連するビーム幅,近隣端末位置情報の有効期間および最大再送回数が SWAMP の性能に与える影響に関してそれぞれ検討を行う.結果,負荷量・ノードの移動速度に応じてビーム 幅の適応制御を行うことでさらなる SWAMP の性能向上の可能性があることを示す.. Characteristics Evaluation of a MAC Protocol Using Smart Antennas for Ad Hoc Networks Masanori Takata,† Katsushiro Nagashima†† and Takashi Watanabe††† To address issues of MAC protocols using omni-directional antennas, such as the low efficiency of spatial reuse, authors have proposed a MAC protocol for ad hoc networks using smart antennas called SWAMP (Smart antennas based Wider-range Access MAC Protocol). Smart antennas may offer some benefits, e.g., interference reduction, spatial reuse enhancement and the transmission range extension. This paper evaluates SWAMP through simulation studies in terms of throughput, End-to-End delay and overhead characteristics. Results show that SWAMP improves throughput and delay performance against IEEE 802.11 though it has more overhead. Also, we evaluate the effects of the mobility of nodes and node density. This paper then investigates different factors which reduce the probability of successful transmissions. SWAMP increases the communication failure due to location information staleness when offered load is low because a gap between the table information and actual location of the neighbor nodes is arisen due to the lapse of time and the mobility of nodes. This paper also examines the effects of the beamwidth and lifetime of the location information associated with location information staleness. The experimental results show that the dynamic adaptation of the beamwidth may mitigate the location information staleness and improve the overall network performance.. 1. は じ め に 近年の無線通信技術の進歩と無線機器の普及にと. † 静岡大学大学院理工学研究科 Graduate School of Science and Engineering, Shizuoka University †† 静岡大学大学院情報学研究科 Graduate School of Informatics, Shizuoka University ††† 静岡大学情報学部 Faculty of Informatics, Shizuoka University. もない,無線アドホックネットワークが注目されてい る1) .無線アドホックネットワークとは既存のインフラ 本論文の内容は 2004 年 3 月の MBL 研究会にて報告され, MBL 研究会主査により情報処理学会論文誌への掲載が推薦さ れた論文である.. 2513.

(2) 2514. 情報処理学会論文誌. を必要とせず移動可能な無線端末だけで一時的に構築 されるネットワークである.無線アドホックネットワー クではネットワーク中の全端末が 1 つの無線チャネル. Oct. 2005. なる SWAMP の性能向上の可能性があることを示す.. 2. 関 連 研 究. 1 つである.従来無線アドホックネットワークでは全. IEEE 802.11 DCF 2) は CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance). 方位に電波の送受信を行う無指向性アンテナの利用が. を用いたコンテンション型 MAC プロトコルである.. 前提とされてきた.IEEE 802.11 DCF(Distributed. データ送信に先立って行われる制御フレーム RTS(Re-. を共有するため,無線媒体の効率的利用は重要課題の. 2). Coordination Function) に代表されるメディアア. quest To Send)/CTS(Clear To Send)の交換で近. クセス制御(以降,MAC)プロトコルも無指向性ア. 隣ノードは NAV(Network Allocation Vector)を設. ンテナの利用を前提として設計されているため,チャ. 定し,現在行われている通信を妨害しないための仮想. 3). ネル利用効率が低くネットワーク性能が制限される .. キャリアセンス機構を持つ.これにより隠れ端末問題. そこで近年,無線アドホックネットワークに可変指. を軽減するものの,無指向性アンテナを用いる IEEE. 向性アンテナであるスマートアンテナを利用すること 4). が注目を集めている .スマートアンテナを用いるこ とによって,特定方向へアンテナの指向性を制御する. 802.11 は 1 つの通信を行うために多くの空間が占有 され,同一周波数における空間利用効率は低くなる. そこで近年,IEEE 802.11 DCF を改良しスマート. ことができ,空間利用効率の向上・同時通信数の増加. アンテナによる指向性ビームを適用した MAC プロト. が期待できる.また,特定方向へ電力を集中すること. コルの提案がなされている.. で通信距離を拡張することができ,より遠くの端末と. DMAC(Directional MAC)6) では CTS を除く全 フレームが指向性ビームを用いて送信される.また, 近隣ノードは RTS/CTS を受信した方向にのみ NAV. の直接通信を可能にし,ルートのホップ数を削減し, さらにはネットワークの分断を防ぐことができる. これらスマートアンテナの効果を得るため,著者ら. を設定する DNAV(Directional NAV)が提案され,. はアドホックネットワークでスマートアンテナの利用. 同時通信数の増加による性能改善が示された.文献 7). を考慮した MAC プロトコル SWAMP(Smart an-. では,DMAC を拡張した MMAC(Multihop RTS. tennas based Wider-range Access MAC Protocol) を提案している5) .SWAMP は IEEE 802.11 DCF を. で中継させ CTS 以降の通信はアンテナの指向性を向. ベースとし,送受信端末間の距離に応じて 2 種類のア. け合うことで離れたノードとの直接通信を行い,通信. クセスモードを使い分けることで空間利用効率の向. 距離の拡張を実現する.これによってマルチホップ伝. 上と通信距離の拡張を提供し,ネットワーク全体のス. 送時のホップ数減少による性能改善が示された.しか. ループットを向上させる.また,移動通信環境下にお. しこれらのプロトコルは宛先ノードの正確な位置情報. いて通信相手の方向へアンテナの指向性を制御するた. や RTS を中継するルート等があらかじめ取得できて. MAC)が提案された.MMAC は RTS を近隣ノード. めに必要な近隣端末位置情報の取得・更新を解決する.. いることを前提としている.これに対して SWAMP. 本論文では計算機シミュレーションによる性能評価. はアンテナの指向性制御に必要な近隣端末の位置情報. を実施し,SWAMP のスループット・遅延・オーバヘッ ド特性を明らかにするとともに,ノードの移動速度・. 取得・更新を MAC プロトコル内で解決する. 一方,RTS/CTS 交換を無指向性ビームで行い,電. ノード密度を変化させた場合のスループット特性をそ. 波の到来方向(Angle of Arrival: AOA)を算出する. れぞれ示す.次に,SWAMP における通信失敗の原因. ことにより,続く DATA/ACK は指向性通信を行う. を考察する.また,低負荷時における通信失敗の主な. プロトコルが提案された8)∼11) .取得した AOA 情報. 原因である位置情報問題について検討する.位置情報. は近隣端末位置情報を管理するテーブルにキャッシュ. 問題とは,アンテナの指向性制御に用いる近隣端末の. され,次回からの通信は AOA 情報を基に全フレーム. 位置(方向)情報が端末の移動と時間経過によって不. が指向性ビームを用いて送信される.これらによって. 正確になり,リンク確立ができなくなる問題である.. 空間利用効率の向上が達成されたが,得られる方向情. さらに,位置情報問題に関係するビーム幅・近隣端末. 報は無指向性ビームでの通信範囲内(以降,無指向性. 位置情報の有効期間を表す TTL(Time to Live)値. 通信範囲)のノードに制限され,スマートアンテナの. および最大再送回数が SWAMP の性能に与える影響. もう 1 つの特徴である通信距離の拡張には対応してい. に関して検討を行う.その結果,負荷量・ノードの移. ない.この問題に対して SWAMP は,端末間の距離. 動速度に応じてビーム幅の適応制御を行うことでさら. に応じて 2 種類のアクセスモードを使い分け,空間利.

(3) Vol. 46. No. 10. スマートアンテナアドホックネットワーク MAC プロトコルの特性評価. 図 1 ビームフォーム Fig. 1 Beamform.. 2515. 図 2 OC-mode フレームシーケンス(B to C) Fig. 2 OC-mode frame sequence (B to C).. 用効率の向上と通信距離の拡張の両方を提供する. 文献 12)∼15) では,無指向性通信範囲外のノード. 制御可能であると仮定する.OB(omni-directional. beam form),DL(directional low gain beam form). の方向情報を取得し,通信距離を拡張するプロトコル. はそれぞれ同アンテナ対向により距離 d での通信が可. が提案された.これらは無指向性ビームよりも高利得. 能であり,無指向性通信範囲内の通信に用いられる.. な指向性ビームを用いて全方位に複数回送信を行う.. DM(directional middle gain beam form)は同アン. しかし全方位をカバーするための複数回送信は,遅延・. テナ対向により距離 2d,DH(directional high gain. オーバヘッドの増加をもたらすばかりでなく,広範囲. beam form)は OB との対向により距離 2d での通信が. のチャネルを消費する.この問題に対して SWAMP. 可能であり,無指向性通信範囲外の通信に用いられる.. では,オーバヘッドを少なくするため,無指向性制御. 一般的にアンテナの指向性は,ビーム幅を狭くする. フレームを用いて通信距離の拡張に対応した端末の位. ほど電力が集中され,アンテナ利得が高くなる性質を. 置情報取得が可能である.. 持つ4) .したがって,図 1 の場合 α > β > γ となる.. スマートアンテナの利用を考慮した MAC プロトコ. ビーム幅が SWAMP の性能に与える影響に関しては. ルの多くは,アンテナの指向性を通信相手方向へ制御. 4.2 節で検討する. 3.2 OC-mode OC-mode(Omni-directional area Communica-. するため,近隣端末の位置情報を管理するテーブルを 持つ.移動通信環境下では,ノードの移動と時間経過 によってキャッシュされた位置情報が古くなり,実際 の端末の位置とのギャップが生じ,リンク確立ができ. tion access mode)は宛先ノードが無指向性通信範 囲内に位置する場合,または位置が分からない場合に. ない現象が発生する.本論文ではこの問題を位置情報. 選択される.図 2 に送信元ノードを B,宛先ノード. 問題と呼び,4 章で検討する.. を C としたときの OC-mode フレームシーケンスとフ. 3. SWAMP. レーム送信に使用するビームフォームを示す.まず送. SWAMP 5) は IEEE 802.11 DCF をベースとし,2. 信相手の位置情報を無指向性で送信される RTS/CTS. 信元 B と宛先 C はアンテナの指向性制御に必要な通. 種類のアクセスモードと 4 種のアンテナビームフォー. の交換で取得する.これによって得られた通信相手の. ムを効果的に用いることによって空間利用効率の向上. 位置情報をさらに近隣ノードへ配布する.近隣ノード. と通信距離の拡張に対応したプロトコルである.以下. へ配布する通信相手の位置情報を NHDI(Next Hop. Direction Information)と呼ぶ.宛先 C は送信元 B. で SWAMP について述べる.. 3.1 アンテナモデル. の位置情報を CTS に追加された NHDI フィールド. SWAMP で用いる 4 種類のアンテナビームフォーム. に付加する.送信元 B は近隣ノードへ宛先 C の位置. を図 1 に示す.図 1 において左側が送信時ビームフォー. 情報を配布するために CTS 受信後,SOF(Start Of. ム,右側が受信時ビームフォームを表し,送信側のビー に受信信号の復調に十分な受信電力が得られることを. Frame)を追加し送信する.これにより,NHDI を受 信した近隣ノード A,D は無指向性通信範囲外のノー ド C,B の位置情報をそれぞれ取得することができる.. 表している.また,d は無指向性ビームでの最大通信距. 取得した NHDI は NHDI テーブル(表 1)に格納さ. 離を示している.任意の方向へこれらのビームフォー. れ,EC-mode 通信を行う際に使用される(3.3 節).. ムが形成可能であり,少なくとも IEEE 802.11 DCF. SOF 送信後,DATA/ACK はオンデマンドに取得し た方向情報に従い,指向性ビーム DL の主ビームを通. ムフォームと受信側のビームフォームが重なった場合. 2). における SIFS(Short Inter Frame Space) の間に.

(4) 2516. Oct. 2005. 情報処理学会論文誌 表 1 NHDI テーブル Table 1 NHDI table.. ID N1 N2 N3. NHDI LN1 LN2 LN3. TTL TTL init 1 10. 図 3 EC-mode フレームシーケンス(A to C) Fig. 3 EC-mode frame sequence (A to C).. 表 2 シミュレーション仮定 Table 2 Simulation parameters.. parameters Area Size Number of Nodes Mobility Model Maximum Speed Pause Time Payload Size Location Information Size Buffer Size Transmission Range (d) Beamwidth (α/β/γ) OC-retry Limit EC-retry Limit Data Rate. value 1,500 m × 1,500 m 100 Random waypoint model 40 km/h 0s 512 byte 4 byte 50 packets 250 m 45 degrees 7 4 2 Mbps. 利用する.図 3 において,B は RTS を受信すると. A の方向へ,CTS を受信すると C の方向へそれぞれ DNAV を設定し,DNAV が設定されている方向への. 信相手方向へ向け合うことで送受信される. 従来の IEEE 802.11 DCF では RTS/CTS を受信 した近隣ノードは ACK が受信されるまでの NAV を 設定し,自身の通信を延期するが,OC-mode では. 通信を延期する.このとき,DNAV が設定されてい ない方向であれば自身の通信を開始可能である. このように EC-mode は,以前近隣で行われた OCmode 通信によって得られた NHDI を基に全フレー. DATA/ACK の指向性通信が開始されると,RTS ま たは CTS のどちらか一方を受信した A や D が送信. ムに対し指向性ビームを用いることによって通信範囲. しても B-C 間の通信と干渉することはない.したがっ. テナの利用を考慮した他プロトコルと同様,SWAMP. を無指向性通信範囲の 2 倍に拡張する.スマートアン. て,これらのノードは OC-mode の無指向性通信期間. においても近隣端末の位置情報を管理するため,位置. を表す omni-NAV を設定し,omni-NAV 満了後自身. 情報問題が発生する.位置情報問題に対して,位置情. の通信を開始することができる(図 2).この結果,従. 報の有効期間を表す NHDI テーブルの TTL 値が重要. 来よりも通信延期期間を短縮することができ,空間利. なパラメータとなる.TTL 設定値が SWAMP の性能. 用効率の向上・同時通信数の増加が実現される.. に与える影響に関しては 4.3 節で検討する.. 3.3 EC-mode. 4. 特 性 評 価. EC-mode(Extended area Communication access mode)は無指向性通信範囲外に位置し,NHDI を取 得済みのノード宛の通信で用いられる.図 3 に送信元. 評価する.特性評価には C++により自作した離散イ. ノードを A,宛先ノードを C としたときの EC-mode. ベント型シミュレータを用いる.シミュレーション仮. フレームシーケンスとフレーム送信に使用するビーム. 定を表 2 に示す.. 計算機シミュレーションにより SWAMP の特性を. フォームを示す.送信元 A は以前取得した NHDI から. 本評価では指向性ビームによるメディアアクセス制. 宛先 C の方向を算出し,その方向へ指向性ビームを形. 御の効果に注目するため,伝送路特性としては自由空. 成し RTS を送信する.各ノードはアイドル状態のと. 間伝播に基づく距離減衰のみを考慮し,フェージング. き無指向性ビームで待機しているため,EC-mode 通. やシャドーウィングによる損失は無視する.アンテナ. 信を要求する RTS は最も高利得な DH を用いる.そ. モデルは図 1 を用い,主ビームの角度内でのみ送信. の後の通信は DM の主ビームを通信相手方向へ向け合. および受信が可能であるとする.データパケットは全. うことで送受信される.規定回数の再送に失敗した場. ノードにおいてパラメータ λ [packets/s] によるポア. 合,NHDI テーブルから宛先ノードの情報を削除する.. ソン分布に従い発生し,無指向性で 2 ホップ以内の近. EC-mode の再送回数(EC-retry limit)が SWAMP 全体の性能に与える影響は 4.4 節で調査する.. 隣ノードからパケットごとにランダムに宛先が選択さ. EC-mode の RTS/CTS を受信した近隣ノードは, 受信した方向のみに NAV を設定する DNAV 6),10) を. あり,10 回の測定の平均値を計測結果とする.近隣端. れる.1 回の計測でのデータパケット発生数は 10 万で 末位置情報の有効期間を示す TTL の初期値はシミュ.

(5) Vol. 46. No. 10. スマートアンテナアドホックネットワーク MAC プロトコルの特性評価. 図 4 スループット特性 Fig. 4 Aggregate throughput.. 2517. 図 5 遅延特性 Fig. 5 End-to-End delay.. レーション時間に対して十分大きな値とする.記載し ていないその他のパラメータについては IEEE 802.11 (直接拡散方式)2) の規定値に従う.また,SWAMP の フレームフォーマットは文献 5) に記載されているとお りとする.SWAMP は OC-mode と EC-mode を使い 分ける方式(以降,SWAMP (OC+EC))であるが,. SWAMP の特性を詳細に分析するため,全通信に対 して OC-mode のみを利用する方式(以降,SWAMP. (OC))についても測定を行う.また,無指向性アンテ ナを用いる IEEE 802.11 DCF についても SWAMP. 図 6 オーバヘッド特性 Fig. 6 Overhead.. との特性の違いを明確化するために同様の評価を行う.. 4.1 基本特性評価 図 4 に負荷量に対するスループット特性を示す.. ホップ数を削減することで,中継ノードが転送するこ とによって生じるストア・フォワードオーバヘッドが. IEEE 802.11 に比べ,SWAMP (OC) は約 2 倍のス ループットを実現している.この性能向上は,従来の. 削減されたためである.. NAV よりも短い omni-NAV の導入により通信延期期 間が短縮されたことで,ネットワーク空間上により多. 評価では,ペイロード 1 ビット転送するために送信. くのペアが互いに干渉することなく同時に通信が行わ. は位置情報を近隣に通知するために IEEE 802.11 の. れたためである.さらに SWAMP (OC+EC) は IEEE. 802.11 と比較し約 3.5 倍のスループットを実現してい. RTS,CTS フレームの拡張(フィールドの追加)およ び SOF フレームの追加を行っている.ペイロードサ. る.これは,他方式が 2 ホップ必要な宛先ノードに対. イズを 512 byte,位置情報を 4 byte としたときの最小. して EC-mode 通信で直接伝送を行い,中継ノードが. オーバヘッドは IEEE 802.11,OC-mode,EC-mode. 転送することによって発生するチャネル利用(時間と. においてそれぞれ 1.16,1.23,1.18 である.. 空間)を削減することができたためである.したがっ て,SWAMP は 2 つのアクセスモードを使い分ける. フレームを拡張したことにより,低負荷時には IEEE 802.11 と比較して SWAMP のオーバヘッドはわずか. ことによって空間利用効率の向上と通信距離の拡張の. に大きい.しかし,中高負荷時において IEEE 802.11. 効果を同時に提供し,スループットを大幅に増加させ. は送信失敗によってオーバヘッドが著しく増加してい. ることが示された.. る.一方,SWAMP は,中高負荷時におけるオーバ. 図 5 に負荷量に対する End-to-End 遅延を示す. SWAMP (OC) は,omni-NAV により周辺ノードの. ヘッドの増加が少ない.これはネットワーク容量が増. 通信延期期間が短縮されるため IEEE 802.11 よりも. ないためである.このことから,IEEE 802.11 と比較. 図 6 に負荷量に対するオーバヘッド特性を示す.本 されたビット数をオーバヘッドと定義する.SWAMP. 加したため,送信失敗によるオーバヘッドの増加が少. 低遅延を実現している.SWAMP (OC+EC) はさら. し SWAMP には追加したオーバヘッドがあるものの,. に低遅延の特性を持つ.これは,他方式が 2 ホップ. それを上回る性能改善がなされているといえる.. 必要な通信を EC-mode を用いて 1 ホップで実現し,. パケット到着率 λ を 25 と固定し,ノードの最大移.

(6) 2518. 情報処理学会論文誌. Oct. 2005. 指向性通信によってコンテンションの増加を防ぎ,空 間利用効率の向上による同時接続数の増加の効果から 高密度においてスループットを低下させることがない ためである.したがって,SWAMP は高いスケーラ ビリティを実現しているといえる. エリアサイズを 1,500 m × 1,500 m と固定し,ノー ド数を N,ノードの最大移動速度を S [km/h] としたと きの RTS 失敗率を図 9 に,SWAMP (OC+EC) の通 信失敗の原因とその割合を図 10(N = 100,S = 40) , 図 7 移動に対するスループット特性 Fig. 7 Throughput vs. mobility.. ,図 12(N = 200,S = 40) 図 11(N = 100,S = 20) にそれぞれ示す.RTS 失敗率は,送信元の RTS の送 信に対して宛先からの CTS による応答が得られない 割合を表す.通信失敗の原因は以下の 7 つに分類する ことができる.. • Out of range:移動によって端末間の距離が通 信距離を上回る. • CTS collision:宛先ノードは CTS を送信した が,送信元ノードは衝突のため受信できない.. • Location information staleness:ノ ー ド の 移動と時間経過によって近隣端末の位置情報が 不正確になる問題(位置情報問題). 図 8 ノード密度に対するスループット特性 Fig. 8 Throughput vs. density.. 動速度を変化させた場合のスループットを図 7 に示す. パケット到着率・ノードの最大移動速度以外のシミュ. • NAV blocking:宛先ノードは RTS を正常に受信 したが,NAV を設定しているために CTS を送信 できない. • RTS collision:送信された RTS が他からの送 信と衝突し,宛先ノードは RTS を受信できない.. レーションパラメータは表 2 のとおりである.最大移. • Deafness:宛先ノードが指向性通信を行ってい. 動速度によらず,IEEE 802.11 と比較して SWAMP. るため RTS を受信できない deafness 問題7) .. (OC) は約 2 倍,SWAMP (OC+EC) は約 3 倍のス. • Directional hidden-terminal problem:指向. ループットを達成している.移動速度が速いほどス. 性と無指向性のアンテナ利得の違いによって発生. ループットが低下している主な原因は,通信中に移動. する指向性隠れ端末問題7) .. したのではなく,パケット発生時には通信範囲内に存. 図 9,図 10,図 11,図 12 から分かるように,低. 在した宛先ノードがバッファでの送信待ちの間に通信. 負荷時において SWAMP (OC+EC) の RTS 失敗率. 範囲外に移動したためである.しかし,パケットサイ. が他方式に比べて高く,通信失敗の原因の大部分が位. ズが大きい場合は通信中に移動することが十分考えら. 置情報問題である.これは,低負荷時には発生するト. れる.データパケットサイズに対する SWAMP のス. ラフィックが少なく,近隣端末位置情報の更新頻度が. ループット特性は文献 5) に示されている.. 低いために位置情報問題が多く発生しているためと. ノードの最大移動速度を 40 km/h,パケット到着率 λ を 25,エリアサイズを 1,500 m × 1,500 m と固定. 考えられる.また,移動速度が遅い場合にも位置情報. し,ノード数(ノード密度)を変化させた場合のスルー. 方が RTS 失敗率が高く,位置情報問題が通信失敗の. プットを図 8 に示す.低密度の場合はコンテンション. 原因を占める割合が高い.負荷が高くなるに従い近隣. が少ないため,スループットは 3 方式ともほぼ等し. 端末位置情報の更新頻度が高くなるため位置情報問題. い.一方,高密度になるにつれ IEEE 802.11 に対す. は減少する.したがってスマートアンテナを利用する. る SWAMP(OC+EC)の優位性が現れる.これは,. MAC プロトコルでは,特に低負荷時において位置情. 近隣ノードが増えるに従い IEEE 802.11 ではコンテ. 報問題は重要な問題である.中高負荷時には SWAMP. ンションが増加するのに対し SWAMP (OC+EC) は. (OC+EC) の RTS 失敗率が他方式と比較して最も低. 問題が発生していることが分かるが,移動速度が速い.

(7) Vol. 46. No. 10. スマートアンテナアドホックネットワーク MAC プロトコルの特性評価. 図 9 RTS 失敗率 Fig. 9 RTS failure ratio.. 2519. 図 12 通信失敗の原因とその割合(N = 200,S = 40) Fig. 12 Failure factor (N = 200, S = 40).. ノードの移動速度等によって変化するが,これらのパ ラメータによらずほぼ同様の特徴を持つ.以降,位置 情報問題に影響するビーム幅・近隣端末位置情報の有 効期間および最大再送回数に関して検討を行う.. 4.2 ビーム幅に関する検討 図 13 に異なるビーム幅を用いたときの SWAMP の 到達率を示す.ビーム幅のセット 30/20/15 はそれぞれ 図 1 の DL/DM/DH のビーム幅 [degree] を表す.低 負荷時はビーム幅が広いほど性能が良く,高負荷時は 逆にビーム幅が狭いほど性能が良い.ビーム幅と負荷 図 10 通信失敗の原因とその割合(N = 100,S = 40) Fig. 10 Failure factor (N = 100, S = 40).. に対する SWAMP の性能は NHDI テーブルの情報の 信頼度(情報の新しさ)と密接に関係する.SWAMP では近隣で行われる OC-mode 通信を聞くことによっ て 2 ホップ離れたノードの位置を学習する.そのた め,低負荷時には近隣で行われる OC-mode が少なく,. NHDI テーブルの更新頻度が低い.したがって古い情 報に基づいて EC-mode を行う場合,実際の宛先ノー ドの位置と NHDI との間にギャップが生じ,位置情報 問題が発生する.しかし,ビーム幅の広い指向性ビー ムであれば形成するビームの領域内に宛先ノードが存 在する確率が増え,送信が成功する可能性が高くなる. 一方,高負荷時には近隣で頻繁に OC-mode が行われ ることから NHDI テーブルの更新頻度が高く,テー 図 11 通信失敗の原因とその割合(N = 100,S = 20) Fig. 11 Failure factor (N = 100, S = 20).. ブル情報は新しく信頼性がある.このときビーム幅の 狭い指向性ビームを利用した場合でも,高い確率で宛 先ノードがビームの領域内に存在する.したがって,. く,通信失敗の主な原因は RTS の衝突,deafness 問. テーブル情報が新しく信頼性がある場合は,よりビー. 題,指向性隠れ端末問題である.ノード密度に関して. ム幅の狭い指向性ビームを利用して空間利用効率を向. は,高密度の方が RTS 失敗率が高く,通信失敗の原. 上させることができる.. 因の約 60%が RTS の衝突であることから,コンテン. 以上から,近隣端末位置情報の取得からの経過時間. ションが増加して衝突が多く発生していることが分か. に応じて指向性ビームの形状を適応制御することで位. る.このように,通信失敗の原因の割合はノード密度・. 置情報問題を軽減し,さらなる性能向上の可能性があ.

(8) 2520. 情報処理学会論文誌. 図 13 ビーム幅と到達率の関係 Fig. 13 Beamwidth and packet delivery ratio.. Oct. 2005. 図 14 TTL 初期値と到達率の関係 Fig. 14 TTL and packet delivery ratio.. ることが分かった.一方,ビーム幅の最適値は移動速 度にも影響を受けるため,適応制御には近隣端末位置 情報の取得からの経過時間と移動速度を考慮する必要 がある.SWAMP では,近隣端末位置情報の取得か らの経過時間は NHDI テーブルの TTL から得ること ができる.また,端末間の距離や近隣端末の移動速度 は,取得した位置情報の履歴を用いて,取得時刻と位 置情報の変化から推測することができる.これらを基 にビーム幅を適応制御することによって,高負荷・低 移動速度の場合は必要なビーム幅を狭くして空間利用 効率を向上させ,低負荷・高移動速度の場合はビーム. 図 15 EC-mode 再送回数とスループットおよび遅延特性 Fig. 15 EC retry limits and throughput and delay.. 幅を広くすることによって位置情報問題が軽減され, ネットワーク全体の性能が向上する可能性がある.. が高くなるにつれ TTL の初期値に対する性能が逆転. 4.3 近隣端末位置情報の有効期間に関する検討 近隣ノードから取得した 2 ホップ先のノードの位. する.これは,NHDI テーブルの更新頻度が高くなる. 置情報である NHDI は自身の NHDI テーブルに格納. 十分に信頼性があるにもかかわらず NHDI テーブル. される.テーブルには情報の新しさを識別するために. の情報が削除され,EC-mode では 1 ホップで通信で. TTL フィールドが存在する.新規で格納するときは TTL init(初期値)を設定する.TTL は時間経過と ともにデクリメントされ,0 になった時点で対応する. 経由して 2 ホップで転送する必要がある.これによっ. ノード情報がテーブルから削除される.すでに登録さ. 性能改善の効果が得られないため TTL 初期値が大き. れているノードに対応する NHDI を取得した場合は,. い場合と比較し小さい場合の到達率が低下する.した. 登録情報を更新し TTL を初期値へ戻す.. ためである.このとき,TTL 初期値が小さい値だと,. きるノードに対して OC-mode を用いて中継ノードを て EC-mode 通信の割合が減少し,EC-mode による. がって,NHDI テーブルの信頼性と到達率はトレード. 図 14 に TTL の初期値が 0.1,1,10,100 [s] の 4. オフの関係にあるといえる.以上から,ビーム幅と同. つに対してそれぞれ負荷量を変化させた場合の到達率. 様に TTL 初期値の設定は,NHDI の取得に影響する. を示す.低負荷の場合,TTL の初期値が大きいほど. 負荷量や移動速度,さらにはアプリケーションやユー. 到達率が低下している.これは,近隣トポロジの変化. ザが要求する QoS(Quality of Service)等を考慮し. に対して NHDI テーブルの更新頻度が少なく,テーブ. 決定することが望ましいことが分かった.. ル情報の信頼性が低下したためと考えられる.それに 対して TTL の初期値が小さい場合,時間経過によっ. 4.4 最大再送回数に関する検討 図 15 に EC-mode の最 大再送回数(EC-retry. れるため,新しく信頼性のある情報のみが残る.この. limit)を変化させた場合のスループットおよび Endto-End 遅延を示す.なお,低密度・低負荷時にはコン. ことから EC-mode の到達率が向上し,低負荷時には. テンションが少なく最大再送回数が性能に与える影響. TTL の初期値が小さいほど性能が高い.一方,負荷. が小さいため,エリアサイズを 1,000 m × 1,000 m,λ. て古くなり更新されないテーブル情報の廃棄が行わ.

(9) Vol. 46. No. 10. スマートアンテナアドホックネットワーク MAC プロトコルの特性評価. を 20 とした.再送回数が増えるにつれスループット が高くなり,最大再送回数が 6 回のときに最大スルー プットとなるが,多くの再送は周辺の通信に影響を与 え,バックオフ時間の増加と無線チャネルの占有を招 き,結果スループットを低下させ,遅延が増加する. したがって,スループットを最大にし,かつ遅延の増 加を防ぐには EC-mode の最大再送回数を 4 から 6 の 間で設定するのが望ましいことが分かる.. 5. お わ り に 本論文では計算機シミュレーションにより,スマー トアンテナを利用したアドホックネットワーク MAC プロトコル SWAMP の性能評価を実施し,スループッ ト・遅延・オーバヘッド特性を明らかにした.空間利 用効率の向上と通信距離の拡張の効果により,IEEE. 802.11 DCF と比較して SWAMP は約 3.5 倍のスルー プットを実現することを示した.そして IEEE 802.11 に追加したオーバヘッドがあるものの,それを上回 る性能改善がなされることを示した.ノードの移動 速度・ノード密度に対するスループット特性を示し,. SWAMP は移動速度によらず IEEE 802.11 と比較し て約 3 倍のスループットを達成し,高密度においても スループットを低下させることなく高いスケーラビリ ティを実現することを示した.また,通信失敗の原因 を 7 つに分類して考察し,低負荷時にはアンテナの指 向性制御に用いる近隣端末の位置情報が不正確になり, リンク確立ができなくなる位置情報問題が重要な問 題であることが分かった.通信失敗の原因はパラメー タによらずほぼ同様の特徴を持つことも示した.さら に,位置情報問題に関係するパラメータであるビーム 幅・NHDI テーブルの有効期間を表す TTL 値および 最大再送回数が SWAMP の性能に与える影響に関し て検討を行った.結果,近隣端末位置情報の取得から の経過時間と移動速度を基に必要なビーム幅を算出 し,ビーム幅を動的に制御することで位置情報問題が 解決され,さらなる性能向上の可能性があることを示 した.最大再送回数に関しては,多くの再送はバック オフ時間の増加と無線チャネルの占有を招き,結果ス ループットを低下させることを示した.. SWAMP のさらなる性能向上のためには,位置情 報問題をはじめ deafness 問題・指向性隠れ端末問題 等,スマートアンテナを利用した MAC プロトコルで 発生する問題を解決する必要がある.また,スマート アンテナの能力を最大限に発揮するためには MAC プ ロトコルだけではなくスマートアンテナの利用を考慮 したルーチングプロトコルが必要不可欠である.これ. 2521. らは今後の課題である.. 参 考. 文. 献. 1) Jurdak, R., Lopes, C.V. and Baldi, P.: A Survey, Classification and Comparative Analysis of Medium Access Control Protocols for Ad Hoc Networks, IEEE Communications Surveys and Tutorials, Vol.6, No.1, 1st Quarter (2004). 2) ANSI/IEEE Std 802.11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) specifications (1999). 3) Xu, S. and Saadawi, T.: Does the IEEE 802.11 MAC Protocol Work Well in Multihop Wireless Ad Hoc Networks?, IEEE Commun. Mag., Vol.39, No.6, pp.130–137 (2001). 4) Lehne, P.H. and Pettersen, M.: An Overview of Smart Antenna Technology for Mobile Communications Systems, IEEE Communications Surveys and Tutorials, Vol.2, No.4, 4th Quarter (1999). 5) 長島勝城,高田昌忠,渡辺 尚:スマートアン テナを用いた 2 種アクセス併用指向性メディアア クセス制御プロトコル,電子情報通信学会論文誌, Vol.J87-B, No.12, pp.2006–2019 (2004). 6) Ko, Y.-B., Shankarkumar, V. and Vaidya, N.H.: Medium Access Control Protocols Using Directional Antennas in Ad Hoc Networks, Proc. IEEE INFOCOM, pp.13–21 (2000). 7) Choudhury, R.R., Yang, X., Ramanathan, R. and Vaidya, N.H.: Using Directional Antennas for Medium Access Control in Ad Hoc Networks, Proc. ACM Mobile Computing and Networking (MobiCom), pp.59–70 (2002). 8) Fahmy, N.S., Todd, T.D. and Kezys, V.: Ad Hoc Networks with Smart Antennas using IEEE 802.11-Based Protocols, Proc. IEEE International Conference on Communications (ICC ), pp.3144–3148 (2002). 9) Nasipuri, A., Li, K. and Sappidi, U.R.: Power Consumption and Throughput in Mobile Ad Hoc Networks using Directional Antennas, Proc. IEEE International Conference on Computer Communications and Networking (ICCCN ), pp.620–626 (2002). 10) Takai, M., Martin, J., Ren, A. and Bagrodia, R.: Directional Virtual Carrier Sensing for Directional Antennas in Mobile Ad Hoc Networks, Proc. ACM Mobile Ad Hoc Networking and Computing (MobiHoc), pp.183–193 (2002). 11) Takai, M., Zhou, J. and Bagrodia, R.: Adaptive Range Control Using Directional Antennas in Mobile Ad Hoc Networks, Proc. ACM International Workshop on Modeling and Simulation of Wireless and Mobile (MSWiM ), pp.92–.

(10) 2522. 99 (2003). 12) Ramanathan, R.: On the Performance of Ad Hoc Networks with Beamforming Antennas, Proc. ACM Mobile Ad Hoc Networking and Computing (MobiHoc), pp.95–105 (2001). 13) Korakis, T., Jakllari, G. and Tassiulas, L.: A MAC protocol for full exploitation of Directional Antennas in Ad-hoc Wireless Networks, Proc. ACM Mobile Ad Hoc Networking and Computing (MobiHoc), pp.98–107 (2003). 14) Ramanathan, R., Redi, J., Santivanez, C., Wiggins, D. and Polit, S.: Ad Hoc Networking with Directional Antennas: A Complete System Solution, Proc. IEEE Wireless Communications and Networking Conference (WCNC ), pp.375–380 (2004). 15) Bandyopadhyay, S., Hasuike, K., Horisawa, S. and Tawara, S.: An Adaptive MAC Protocol for Wireless Ad Hoc Community Network (WACNet) Using Electronically Steerable Passive Array Radiator Antenna, Proc. IEEE Global Communications Conference (GLOBECOM ), pp.2896–2900 (2001). (平成 17 年 1 月 11 日受付) (平成 17 年 9 月 2 日採録). 推. Oct. 2005. 情報処理学会論文誌. 高田 昌忠(学生会員). 1980 年生.2003 年静岡大学情報 学部情報科学科卒業.2004 年同大 学大学院情報学研究科修士課程修 了.現在,同大学院理工学研究科博 士後期課程在学中.静岡大学 21 世 紀 COE プログラム「ナノビジョンサイエンスの拠点 創成」COE 研究員.2004 年度第 20 回電気通信普及財 団賞(テレコムシステム技術学生賞)佳作受賞.2005 年度情報処理学会山下記念研究賞受賞.モバイルコン ピューティング,アドホックネットワークにおけるメ ディアアクセス制御およびルーチングに関する研究等 に従事.IEEE,電子情報通信学会各学生会員. 長島 勝城. 1974 年生.1997 年静岡大学工学 部電気工学科卒業.同年静岡日本電 気株式会社(現 NEC アクセステク ニカ株式会社)入社.高速マルチレ イヤスイッチをはじめとする通信機 器開発に従事,現在に至る.2004 年静岡大学大学院情 報学研究科修士課程修了.在学中,無線通信用メディ アアクセス制御プロトコル等の研究に従事.電子情報. 薦 文. 通信学会会員.. 著者らは,スマートアンテナの利用を前提に,その. 2 つの特徴, 「干渉の低減による空間利用率の向上」と 「通信エリアの拡張」を考慮した無線アドホックネッ. 渡辺. 尚(正会員). 1959 年生.1982 年大阪大学工学 部通信工学科卒業.1984 年同大学大. トワーク MAC プロトコル SWAMP を提案している. 本論文では,SWAMP の計算機シミュレーションによ. 学院博士前期課程修了.1987 年同博. る性能評価を行っており,同プロトコルのスループッ. 士後期課程修了.工学博士.同年徳. ト,チャネル利用率,オーバヘッド特性を議論してい. 島大学工学部情報工学科助手.1990. る.結果,IEEE 802.11 DCF と比較して基本性能の. 年静岡大学工学部情報知識工学科助教授.現在,同大. 向上を確認できたとしている.さらに,ビーム幅,再. 学情報学部情報科学科教授.1995 年文部省在外研究. 送回数,NHDI テーブルの有効期間を示す TTL 値が. 員(カリフォルニア大学アーバイン校) .計算機ネット. 上記基本性能に与える影響について検討を行い,実用. ワーク,分散システム,アドホックネットワーク,セ. に向けて検討すべき要件を整理している.同手法は実. ンサネットワークに関する研究等に従事.2005 年情. 用性が高く,伸び悩むモバイルインターネットの普及. 報処理学会モバイルコンピューティングとユビキタス. を促進する技術として高く評価でき,今後の研究発展. 通信研究会主査.訳書『計算機設計技法』, 『802.11 無. に期待が持てる.. 線ネットワーク管理』等.IEEE,電子情報通信学会. (モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究 会主査. 高橋. 修). 各会員..

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図 2 OC-mode フレームシーケンス(B to C)
図 3 EC-mode フレームシーケンス(A to C)
図 4 スループット特性 Fig. 4 Aggregate throughput.
図 8 ノード密度に対するスループット特性 Fig. 8 Throughput vs. density.
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参照

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