原
著
女
子
学
生
に お
け
る
栄養素等摂取
量
の
現
状
と問題
点
一
平成
9
年
栄養
調
査
と
の
比
較
一
.
卜野
鈴加
1*,中
山
和子
2 ,古
屋
美
知
3 ,高松
和永
4 要 約 :高 知 県 内 在住の女壬 学生 (以下、
女 子 学生)の栄 養 素 等 摂取量の現 状と問題点を明らかにする こ と を 目的に、
女 子学生 を対象に食事調 査 を行い、
日 本 人の 食 事 摂取基準 (2010
年版)
と比 較 した。
女 子学牛 の平均エ ネルギー
摂取 量 は1,
408kcalで、
食事 摂取基準推 定エ ネル ギー
必 要 量の82.
8
%であっ た、
、
また、
平 均レ チ ノー
ル当量、
ビ タ ミンB
⊥、B2 、
C
摂 取 量に おい ても、
すべ て推 奨 量を 下 同っ てい た。 特に、
平 均 カ ル シ ウム、
鉄摂 取量 は、
推 奨量 より大 幅に ド回っ てい た。 平均 脂肪エ ネル ギー
比 率、
平均 炭水 化物エ ネ ルギー
比 率は日標 量の範 囲で あっ たが、
平 均た ん ぱ く質 摂 取 量は推 奨 量を、
食 塩 相 当 量は日標 量を 上回っ てい た。 さ ら に、
平成9
年に お こ なっ た栄 養調 査結果お よ び過去の 同様な報 告につ いて 文1繊的検討を行っ た、,
平成9
年との比較では、
摂 取エ ネルギー
、
たんぱ く 質、
カ ル シ ウム、
鉄、
レチノー
ル当 量、
ビ タ ミンB
⊥、B2 、
C
に おい て有 意 に (p
<0.
Ol)
低 かっ た。
食品 群 別 に お け る 比 較で は、
変 化 が み ら れ ない もの が い も類、
魚 介類、
卵 類、
乳 類、
菓.
r
類で、
多かっ た もの が緑 黄色野菜、
少なかっ たもの が穀 類、
砂 糖・
甘 味 料類、
》1
類、
その他の野 菜、
果 実 類、
肉類、
油 脂 類であっ た。 文 献 的検 討では、
女 壬 学生のエ ネルギー
摂取量 が、 平成22
年よ り急 激 に低 下 してい た、
、
国 民 健康・
栄養調 杏 結 果 (15−19
歳 女 性)で もエ ネル ギー
摂 取量 は低下して い た が、
その 割合は緩やか であっ た,
これ らの こ と か ら、
エ ネル ギー
お よ び各栄養素摂 取量の低下 は、
若 年女性の食 事量の不 足や欠食な ど との関 連が推 測さ れ た。 キー
ワー
ド 女子学生,
栄 養 素等 摂取量,
食 品群,
食事調査1 .
は じ めに 健 康 な食生 活には、
必 要 なエ ネルギー
量 や各栄 養 素を過不 足 なく摂る こ とが重 要である。 平 成22
年 国民 健 康・
栄 養 調査⊥,では20
歳 代 女 性の や せ の 割合 が平成18 年の21.
7
%より徐々 に増 加 し、 平成 22 年に29.
〔〕%とな り、
若年女性の 食 事摂 取エ ネル ギー
量の低 ドや食習 慣の 問題 な どが推測 さ れてい る。
筆 者ら も、
女 子学生 を対 象に栄養素 等摂 取量に つ いて これ まで調 査 を 行い、
女.
∫学 生の摂 取エ ネ ルギー
量の低下 をは じ め として、
多 くの 問 題点が あるこ と を指 摘し、
こ れ らの 問題点と欠食2)や や せ願 望3)との 関係につ い て報 告して きた。 今同、
女子 学生 の栄養素等摂 取 量の現 状 と問 題 点を明ら かにする こと を 日的に女.
r
一
学生 を対 象に 食 事 調 査 を 行い、
日本 人の食 事 摂 取 基準(
2010年 ⊥*高 知 学 園 短期 大 学
生活科 学 学 科
Email:skamino @kochi
−
gc.
ac.
jp
2
高 知 学 園 短 期 大 学
生 活 科 学 学 科
Emkail:knakayamaCtikochi
−
gc.
ac.
jp
ls高 知 学 園 短 期 大 学
生 活 科 学 学 科
Email:huruya@kochi
−
gc.
ac.
jp
’
1高 松 内科ク リニ ッ ク
Email:ANA64684 @nifLy
.
com版
)
4〕と比 較 し た。
ま た、
平 成 9年 に同様の検討 を行っ た占屋 らの 報 告5 )と も比較し た。 さ ら に過 去の 同 様 な 報 告につ い て文 献 的 検 討 も併 せて行っ た,
2 .
対 象と 方法D
対 象 対 象は、
調 査の 目的 を 説 明し、
同意の 得ら れ た 高 知県内 在住の女 子学生 (以下、
女 子学生)63
名 で、
平 均年齢 :18,
7±1,
5歳、
平 均身長 :157.
〔〕± 6.
7cm、
平 均 体 重 :51,
1±7.
6kg、
体格 指 数 (BMI
) :20.
7
±2 .
9kgfm2
である。2
) 倫 理 的 配 慮 高知 学 園短期 大学 研 究倫理審 査 会へ 中請し、
承 認さ れ た (承 認 番 号 第2
号H25 .
5.
21
)。 研 究 対 象 者に研究の 日的と方 法、
研究協 力の 自由、
プラ イバ シー
保 護、
鯡 究 成 果を公表する こ とに つ い て 口頭と書面に て説明し同意を得た。3 )
方 法 ア ンケー
1
・
は 記 入 法で平 成25年5
月27凵 に 実 施 し、
食 事調査と身体 状 況を 調査した。 食事調査に 関し ては食 事歴法質 問 票を用い た質 問 票とし、
調 査 は 実 施 プロ トコ ル に従っ て行っ た。
食事歴法 質 問 票はA3
サ イズ 両 面か ら な り、
最 近 1 カ月 間の 食習慣につ い て記入するもの である。 これ ら の 囘 答デー
タか ら栄 養 素等の計 算 は 佐々木 ら6>の 開 発 した専用プロ グラ ム に よっ て行っ た。
結 果は平均 値±標 準 偏 差で示し、
統 計学 的処理 は、 Excel
統 計ソ フ トstatcel を 川い た。 な お、
占 屋 らの 報 告tt)では、
分 散 が 不 明であっ た た め、
平 均 値±標 準 偏 差で示 さ れてい るもの につ い て、
Student
’検 定に よ り行っ た。 すべ ての 統 計処 理につ い て、 危 険率5
%未満を 有意水準 と し た。
3
.
結 果 1 )女子 学生の エ ネル ギー
お よ び栄養 素 等摂取量 と 日本人の食 事摂 取基準 (201
〔〕年 版 )’
1)との比較 (表1)
今 回、
調 査 し た 女.
f
学 生の 平 均エ ネル ギー
摂 取 量お よ び栄 養 素等摂 取 量を凵本 人の 食 事摂 取 基 準 (2010
年版 )18−29
歳 女性の 身体 活 動レベ ル1の
推 奨 量 ま た は 日標 量 と比 較 した。
女子 学 生 の 平 均エ ネル ギー
摂取 量 は、
1,
408kcal
で推 定エ ネル ギー
必要量1,
70
〔〕kcal
よ り 低 値であっ た。 平 均たんぱ く貿 摂 取量 は、52.
8g
で推 奨 量 を上 同っ てい た。
平 均 脂 肪エ ネル ギー
比 率、
平均 炭 水 化 物エ ネルギー
比 率は、
そ れ ぞ れ29.
0
%、
54.
4
% で 目標 量の20
%以F
.
30
%未 満、
50
% 以 ト70% 未 満の範囲であっ た。
平 均カ ル シ ウム
、
鉄 摂 取 量は、
392mg、
5.
8mg でそ れ ぞ れ推 奨量 より下回っ てい た。 食塩相 当量 は、8,
0g
で 目標 量 を 上 回っ てい た。
平均レ チ ノ
ー
ル当量、
ビ タ ミンBl、
B2 、
C
摂 取 量は、475
,
tt g、
〔〕.
58mg 、
〔〕.
97mg 、85mg
でそ れ ぞ れ推 奨量 を ド同っ てい た。 2 )平 成25年と平 成 9年 にお ける身 長、
体 重、
BMI
とエ ネル ギー
お よ び栄 養 素 等 摂取 量の 比較 咽1 、
表2 )
今同 調 査 し た女子 学 生
(
n=
63
)の 平 均 身長 は157.
0
±6.
7cm
で、
平 成9
年の157.
7
±5.
4cm
と比 べ、
その差はみら れ な かっ た、 ま た体重 も51.
1
±7.
6kg
と52.
2
±8.
5kg
で、 その 差 は み ら れ な かっ た、
,
さ ら にBMI
も20.
7±2.
9と21.
0±3.
1で、
そ の差は み ら れ な かっ た。 平 成25年に お ける平 均エ ネル ギー
摂 取E
は 1,
408± 388kcal で、
幅 広 く 分布 し、
正規 分布 (p
=
0.
453
)をし てい た。 (図 1 )こ れ は、
平 成 9 年の1.
771
±594kcal
と比べ 有意く
t
’< 〔〕.
Ol
)に低 値であっ た。
平均た んぱ く質 摂取量は
52.
8
± ]9.
9g
で、
平 成9
年の63.
2
±23.
8g
と 比べ 有 意 (p
<0 .
Ol
)に低 値で あっ た,
, 平 均 脂 肪エ ネル ギー
比 率、
平 均 炭水化 物エ ネル ギー
比率は そ れ ぞ れ29.
0
%、54.
4
% で、
平成9
年 の30.
0
%、
51 .
6
% と比べ 低 値であっ た。
平均カル シ ウ ム
、
鉄 摂取量は392±18⊥mg、
5.
8
±2.
lmg
で、
平 成9
年の511
±249mg 、8 .
〔〕±3.
2
mg と比べ そ れ ぞ れ有意 (p
〈0.
Ol
)に低 値であっ た。
9]
表
1.
平 成25
年と食事 摂 取 基 準 に お け るエネルギー
お よび栄養素等摂 取 量 の 比 較 平 成25年 (n・
63) 食 亨摂 取 基 準 (18−
29}1」裁) エ ネル ギー
(kcal) た ん ぱく質 (g) 脂 肪エ ネルギー
比率 (%) 炭 水 化 物エ ネル ギー
比 率 〔%) カル シウム(mg ) 鉄 (mg ) 食塩相 当 量 (9) レチノ
ー
ル 当量 (μg) ビ タミ ンBl (mg ) ビタ ミンB2
(mg ) ビ タミ ンC (mg ) 1,
408±388 52.
8
±19.
9
29.
0
54.
4392 ±181 5,
8±2,
1 8,
0±2,
5 4ア5±245 0.
58±0.
21 0.
97±0.
36 85±44 1.
700 〔椎 定エ ネル ギー
必要量) 50 (推奨.
量) 20以上3
〔〕未 満 (凵標 量 ) 50以 上70未 満 (目標 量 ) 650 (打に奨量) 10.
5G 隹奨 量) 7,
5未 満 (凵標.
量 ) 650 (推 奨量) 1.
1 (推 奨 量) 1.
2 (打に奨 量 ) 100 (椎 奨量) ※エ ネル ギー
食事摂 取基準につ い て、
身体 活 動レベ ル 1を 用い た 平 均レチ ノー
ル当 量、
ビ タ ミ ン B1、
B2、
C
摂 ユ、
800
取 量 は475
±245
μg、 0,
58
±0 .
21mg 、0.
97
± 〔〕.
36mg 、85
±44mg
で、
平成9
年の622
±559
μg、
0.
84
±0.
33mg 、
1.
24±O.
52mg、
1〔〕7
±65mg と比べ すべ て におい て有 意 ψ〈
0.
Ol
)に低 値であっ ユ.
300 た。3
)女 子学生の 食 品 群 別 摂取量 と平成9
年との比 較 (表 3)1
.
800穀類摂 取量 は
318.
4
±142.
8g
で、
平成9
年の452
.
2± 139.
7g
と比べ 有 意 (p
<0.
01)
に低 値であっ たが
、
い も類摂取 量は29.
7±29,
7g で、
平成9 年の
3⊥.
0
±25.
⊥g
と 比べ その 差は み られなかっ1
・
300た。砂糖
・
廿 味料類、
豆 類摂 取量 は2 .
8
±2.
Og、36.
6
±31.
Og
で、
平 成9
年 の5 .
0
± 4.
8g、
124.
3
±92.
8g
と比べ それぞれ有 意 (p
<0.
01
) に低 値であっ た、 緑 黄色野 菜 摂取 量 は
85 ,
7
±57.
8g
で、
平 800成
9
年の 68.
6±53.
1g と比べ 有意 (p
< 〔〕.
05)
に 高 値で あっ た が、
果 実 類 摂 取 量 は79.
1±75.
7gで
、
平成9
年の101.
8
±llO.
lg
と 比ベ イ∫』
意 (p
〈O.
Ol)
に低 値であっ た。
魚 介 類 摂 取 量 は61.
6
± 300n
=
6356
.
6g
で、
平成 9 年の66.
8
±44.
2g
と比べ その 差 (kcal)14 7
.
6kcal±387.
7kcalは み ら れ なかっ た が
・
肉 類 摂 取量は58・
4
±25・
19
で
、
平成9
年の66.
4
±54.
6g
と比べ 有意ゆ
く0.
05
) 図1.
平成25
年に お け る平均エ ネルギー
摂取量の分 布 に 低 値であっ た。
卵 類、
乳 類 摂 取 量 は37 ,
3
±18.
8g、
−
3 一
● ● 凸 ■ ● ● ●表
2 .
平 成25
年 と 平 成9
年 に お け る身長、
体 重、
BMI とエネルギー
お よび栄 養 素等摂 取 量 の 比 較 平 成25年 〔n−
63) 平 成 9年 (n−
ll8) 有 意 差 身 長 (cm ) 体重 (kg
)BMI
エ ネルギー
(kcaレH
) た ん ぱく質 (g/日) 脂肪エ ネルギー
比率 (%) 炭 水 化 物エ ネル ギー
比 率 〔% ) カル シ ウ ム(mgfH ) 鉄 〔mg 目) 食 塩 相 当量 (g/日) レ チ ノ
ー
ル当 量 (μgf日) ビタ ミ ンB[ (mg /H
) ビタミンB2(mgfU ) ビタ ミ ンC (mgfU ) 157.
0±6.
7 51.
1±7.
6
20.
7
±2.
9
11408±388 52.
8±19.
9 29.
0 54.
4392 ±181 5.
8±2.
1 8.
0±2.
5 475±245 0.
58±〔〕.210.
97
±0.
36
85±44 157.
7±5.
4 52.
2
±8.
5 21.
0
±3.
1 1、
7ア1±594 63.
2±23.
830.
0 54.
6511 ±249 8.
0±3.
2 622±559 〔〕.
84±0.
331.
24
±0.
52
107±65 T1.S.
11.S.
n.
s.
p
く0.
OlP
〈0.
Olp
く0.
OlP
<0.
OlP
<0.
Olp く0.
01p
く0.
Ol
P
<0.
Ol ※ レチ ノー
ル当 量 平成 9年はビタミン A で.
表さ れてい た為、
レチ ノー
ル当 量に換.
算 表3 .
平成25
年と 平成9
年に お け る食 品 群 別 摂取量の比 較 平 成25
年 (n− 63
) 平 成9
年 〔n=ll8
) 有意差 穀 類 (9川 ) い も類 (g
/[) 砂 糖・
甘味料 類 (g/目) 豆.
類 (g/日) 緑黄色 野菜 (g/ 日) その他の野菜※ (gf「D
きの こ類 〔g〆H
) 藻 類 (9/目 ) 果実類 〔9〆日) 魚 介 類 (g/[) 「殉類(9/冂) 垣卩類
(
9
/H
) 孚L
萎貝 (g/目〉 油 脂 類 〔9/日) 菓子 類 (g/[ ) 318.
4±142.
8 29,
7±29.
7 2.
8±2.
0 36.
6±31.
0 85,
7±57.
8 104.
7±72.
279.
1
±75.
7
61.
6±56.
6 58.
4±25.
1 37.
3±18.
8 108.
3±77.
9 9.
4±3.
834,
4
±26.
2
452.
2±139.
7 31.
0±25.
1 5.
0±4.
8 12・
1.
3±92.
8 68.
6±53,
1 128.
2 (103.
7±56.
7) (10.
8±11.
4) (13.
7±12.
9)101.
8
±llO.
1
66.
8±44,
2 66.
4±54.
6 31.
1±26.
O l25.
0±llO.
0 23.
0±21,
5 30.
9
±23.
3
P
<0.
01 n.
S.
P
<0.
OlP
〈0.
OlP
<0.
05p く0.
05
P
〈0.
Ol
n.
s.p
く0.
05 n.
S.
n.
s.
P
<0.
Ol n.
s. ※平 成25年の調査で は その他の野.
菜にきの こ、
藻 類 を含 む一 4 一
108
.
3±77.
9gで、
平 成9 年の31.
1±26.
Og、
125.
0 ±llO.
Og
とその 差 は み ら れ な かっ た。 油 脂 類 摂 取 量 は9.
4±3.
8g
で、
平 成9
年の23.
0
±2L5g と 比べ 有 意 (p
〈0 .
Ol
) に低 値であっ たが、
菓子類 摂 取量 は34.
4
±26.
2g
で、
平 成9
年の3
〔〕.
9
±23.
3g
と その差 はみ ら れ な かっ た。4 .
考 察 女 子学生の 栄養 素等摂取量の 現 状 と 問 題 点 を 明 らかにするこ とを 冖 的に、
食 事調 査 を行い、
ま ず、
凵本 人の 食 事摂 取 基 準 (2010 年版)4 )と比 較検 討 した。 女 子 学 生の エ ネル ギー
摂 取 量 は、292kcal
少 な かっ た、
基準 を満たしてい たもの は、
た ん ぱ く質 摂 取 量、
脂 肪エ ネル ギー
比 率、
炭水 化 物エ ネルギー
比率であっ た。 基準を満た さ ない 栄 養 素はカ ル シ ウム、
鉄、
レチ ノー
ル 当 量、
ビ タ ミ ン B1、
B2、
C
摂取量 で あっ た。 エ ネル ギー
摂取量 が少な くな る と各栄養 素摂 取量 も 同様に低く なるこ と か ら、
各栄 養 素の 減 少 はエ ネル ギー
摂 取 量 との 関 連 も含 め て検 討 すべ きである。 しか し なが ら奈 体の エ ネ ルギー
に対 する脂 肪あるい は炭 水化 物エ ネルギー
比率は 目標 量の範 囲内であっ たこ とか ら、 三 大 栄 養素の バ ラン ス は よい もの の、一
日の 食 事量その もの が少ない た め、
必然的に多 くの栄養素が不足 する結 果 と なっ た。
特に カル シ ウム と鉄の摂 取 量 は顕著に不 足 して お り、
他の 栄 養素の ようにエ ネ ル ギー
摂取量が少ない こと だけが原 因とは考えに くい 。 これ らのこ と は国民 健 康・
栄 養 調査 におい て も近 年 同 様の報 告 が多数 あ げ られてい ること か ら1 )7)8〕V〕1°)11 〕12 )16 〕、
将 来の 骨 *H
鬆 症予防や妊 娠、
出産 な どに伴いやすい鉄 欠乏性 貧血の 予 防の た め に も、 カル シウム およ び鉄の摂 取量 増 加 を促 す 指導や食生活の改善を実 践 する必 要 性が改めて 考え ら れ た。 ま た、
カル シ ウム、
鉄 は 吸収 率も低 い こ と か ら 吸 収 率 を 高 め る 食 事の細 み 合 わ せ や 調 理法など、
よ り具体的 な指 導 も併せて 必 要である と考えら れ たc, エ ネルギー
摂 取量減少の背 景には、
運動 不 足や エ ネル ギー
消 費 量の減 少 な どの 影 響 も 考 え ら れ る が、
今囘、
身体 活 動レベ ル の調 査を お こなっ てお らず、
中山ら13}の報 告か ら、
身 体 活 動レベ ル ⊥ を 用い て比 較 検 討 し た。
こ の報 告で は、
多くの学 生が徒 歩など で通学する事は少な く、
バ イ ク や車 通 学 等をし てい る ことや学生 生活の大 部分が座位 中 心の活動であるこ とが影 響してい るた め、 身体 活 動レベ ル ⊥の低い (1,
50
)が 全 体の60
% 以 上 と圧 倒 的に多い と述べ てい る、
し か し な が ら、
地域や 学 部の 専 攻、
ま た 授業形 態に応 じ て もその活 動 量 は大 きく異 なるこ とか ら、
今 後は、
食 事調査と併 せて同時 期に身体 活 動レベ ル の調査を行 う必 要 性 が ある。 次に、
女 子 学 生の栄 養 素 等 摂取量の 問 題 点 が 変 化して い るか を 明 ら か に する た め に、
平成 9 年の 報 告5 )と比 較検 討し た。 エ ネル ギー、
た んぱく質、
カ ル シ ウム、
鉄、
レチノー
ル 当量、
ビ タ ミンBl 、
B2、
C
摂 取 量は平 成 9年 に比べ 低 値で あっ た。
特にエ ネルギー、
カ ル シ ウ ム、
鉄摂取 量が著しく 低下 してい る こ とや脂 肪 お よ び 炭水 化 物エ ネル ギー
比 率 がH
慓 量の範囲内であっ たこ と は先 に 述 べ た食 事摂 取 基 準との比 較で明ら か になっ た問 題 点とほ ぼ一
致 し てい た。 エ ネル ギー
摂取量の低 下 がい つ 頃 か ら始 まっ た の か を検討 する た め に同様の 報 告 と 比較検討 し た。 平成9
年に占屋ら 5 >が1771
±594kcal、
平成15
年に古 屋 ら14)が1,
733
±511kcal、
平 成22年に松 坂 ら2)が、
1,
366±368kcal、
平成 24 年に松坂ら3)が 1,
390±336kcal
であ り、
平 成22
年か ら顕 著に低下 し、
以降1,
400kcal
で推移 してい た。 国 民 健 康・
栄 養 調 査 結 果で、
15−
19歳 女 性の 摂 取エ ネルギー
の経過 をみ てみ る と、
平成12
年に1,
884kcal
(標 準 偏 差なし)、
平 成17
年に1,
916
± 5⊥2kcal、
平成18年にL852
±480kcal、
以降平成23 年 まで は1,
800kcal 前後で 推 移D7〕8 )9 )lo}11 )12}15 ) してお り顕著な低 ドは見られ な かっ た。 当 初エ ネル ギー
摂 取 量 減 少の一
因 と して、
平 成 9 年と比べ てやせ の割 合が 増加してい るの で はな い か と考えてい た が、
身長、
体重、 BMI
に差は 認め ら れ ず、 やせの割合 は42
% か ら18
%に減少 し てい た。
一
D今同エ ネルギ
ー
摂 取 量が平 成22年以降 顕 著 に低 下 し た ことや や せ の割 合が減少 し た 理由を 明ら か にす るこ と はでき ない が、
平 成22年 国 民 健 康・
栄 養調査⊥)で は20
歳 代 女 性の やせの割 合が 平成18
年 の21.
7
%よ り徐々 に増JJ
囗し、
平 成22
年に は、
29.
〔〕% と なっ てい るこ とや20
歳 代女性の朝 食の 欠食率が 平 成16年16)の22.
0
% か ら平 成22年には28.
6
% と 増 加し てい る こ と が報 告さ れ て お り、
近年の女子 学生や若年成 人 女 性の摂取エ ネル ギー
量の低下 は 若 年 女性 に共 通 する欠 食と関 連 してい るの か も し れない。
現在の 食生活や食 習 慣を継 続し てい る と、
壮 年 期 以 降の危 険 な 生 活 習慣の 出 発 点にも な りうる 重 要 な時 期である とい うこ とを自らが 再 認 識 し、
103
度の 食 事を欠 食せずバ ラン ス よく摂る こ と を 心 がけるような指 導が 必要である。 食 品 群 別 摂 取 量にお ける平 成 9年 との 比 較で は、
い も類、
魚 介類、
卵類、
乳類、
菓子 類は変化 が な く、
穀類、
砂 糖・
廿味 料類、
豆 類、
その他の 野 菜、
果 実 類、
肉類、
油 脂 類 は 少 な かっ た。.・
方 増 加したもの は、
緑 黄 色野菜の みであっ た。 しか し、
その量 は およそ85g
であり、
ま だ一
日必要量 の⊥20g
に不足 してい た、
野菜はビタ ミンや ミネ ラ ル な どの微量栄養 素と食物繊 維の 供 給 源 と して 大切な食材である た め、
その 他の 野菜も含め.・
凵 の 目標 量である350g
を 摂 取 する こ とが 必 要であ る。
また、一
人1 年 当たりの サラ ダ購入金額は増 加 傾 向で推 移して い る ことか ら17 )、
特に若い 世 代の女性は、
調理の必要も なく簡 単に摂 取する こ とがで き る 野 菜の摂 取 に は、
サラダ を 好 んで食べ てい る事が影響 してい るのか もしれ ない 。 緑 萸 色 野 菜は熱を加え、
油と一
緒に摂 取するこ とに よ り、
その 栄養 素や吸収 率は高ま るこ と や コ レ ステロー
ル の 吸 収を妨 げ血糖 値の上昇 も抑え る働 きがある な ど調理特 性や生 理作川 な ど も含め た指導が 必要 であ る と思 わ れ た。
食 事 量 が 少 ない と、
食 品 数 が 不 足 する傾向に なる た め食品群の バ ラン ス も悪く なる こ とか ら、
多 くの食材を用い て調理する指導 も必要である。 将 来、
女.
∫学 生 が 生 活 習 慣 病に罹 患 す ること な く、
健 康 な生 活を維持 する た め に は、
現在の食 事 や生活習慣がい か に大 切である か を認識さ せ、
欠 食 せ ず 規 則 正 し く食事を 摂 るこ との必 要 [生、
ま た 炭 水化物、
脂 質、
た んぱ く質の 栄養素をバラン ス よ く摂る こと、
さ ら に、
ビタ ミ ン、
ミネラ ルを過 不足 な く摂るこ と な ど、
食 事に対する基本的 な 内 容 を 改め て指導す る 必 要 性 が 考 え ら れ た。
本研究の 限 界は、
エ ネル ギー
摂取量 と関連 する 身体活 動 レ ベ ル の調 査 を 行っ てい ない こ とであ る、
,
その た めエ ネル ギー
摂 取 量の みの 結 果 か ら考 察して お り、
エ ネル ギー
摂 取 量 減 少の 背景にある 運動 不足やエ ネルギー
消 費量の 減少な ど との 関連 を 検 討 す るこ と が 困 難で あ り、
これ らの ことが 本 研 究の 限 界として あ げ ら れる。 今 後は、
身 体活 動 レベ ルを確 保し、
女 子 学生の 栄 養 素等 摂 取 量の現 状 と問題点につ い て夏 なる検 討をカlr
える必要が あ る と考 えら れ た。
5 .
謝 辞 ア ンケー
ト にご協力い た だ き ま した 女 子 学 生 に 深 く感 謝い たします。6 .
引 用 文 献 1 )厚生労 働省健康局 総 務 課生活習慣病 対 策 室 栄 養 調査係,
平成22
年国民 健 康・
栄養 調査報 告,
http
:〃www.
mhlw.
go.
jp
!bunya
!kenkou
!eiyou !h22
−
houkoku.
htrnl 2 )松坂かすみ、
川 村 美 由紀、
巾山和 子、
古 屋 美 知、
高松 和 永 :女子 学生にお ける欠食と その 関 連 因.
∫・
、
栄 養 摂 取 量の 関 連 につ い て,
島 知 学園 ジ卿7
大学ヵ卍安,
2011,
・
n1,
29−36
3
) 松坂 かすみ、
中山和 子、
古屋美知、
山内理沙、
高松和 永 :女 子学生にお け る 栄養摂取量 と や せ願 望につ い て,
高 知 学 園 短 砌大学 紀 要,
2013,
43,
9−15
4
)目 本 人の 食 事 摂 取 基準(
20]0
年 版),
第一
出 版株 式会 社,
20105
) 古屋 美 知、
中 山和 子、
安 房田 司郎 :高知 学園 短期大学 食物 栄 養 科 新入 生の非肥満群、 肥満群 別 栄 養 素等摂 取 量 状 況, 高 知 学 園 短 竕 人 学
一 6 一
蠡己要 2000, 31, 1
−
86
)Sasaki,
S,
,
Yanagibori
,
R ,
,
andAmano ,
K ,
:Self−
Administered
Diet
History
Questionnaire
De −
veloped
for
Health
Education
:A
Relative
Validation
ofThe
Test−Version
by
Comparion
with
3−Day
Diet
Record
in
Women
.
ノ.
EPidemiol
.
,1998,8,4,203−215
7 )厚牛労 働 省 健康局総 務課 生活習慣 病 対 策室栄 養 調 査係
,
平成17
年国 民 健康・
栄 養 調 査 報 告,
http:〃www.
mhlw.
go.
jpibunyafkenkou
!eiyouO7101
.
html
8
) 厚生労 働 省健 康 局 総 務 課生活 習慣 病対.
策室栄 養 調 査 係,
平 成18
年国 民 健 康・
栄 養 調 査 報 告,
http
:〃www.
mhlw.
go.
jp
!bunya
阪enkou !eiyouO81
01.
html
9
) 厚生労 働 省健 康 局総務 課生活 習慣 病対 策室栄 養 調 査 係,平 成19年 国 民 健 康・
栄 養 調 査 報 告,
http
:〃www.
mhlw.
90.
jp
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灰enkou !eiyouO91
01.
html
lO
)
厚 生 労 働 省 健 康 局 総 務 課 生 活 習 慣 病 対 策 室 栄 養調査 係,
平 成20
年国民 健 康・
栄 養調査 報 告,
http
:11www .
rnhlw.
go.
jp
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!eiyou伍20
−houkoku.
html
11 )厚生労 働省健康局 総 務 課生活習慣病 対 策 室 栄
養 調 査 係,平 成21年 国 民 健 康
・
栄養調 査 報 告,
http
:1
!www.
mhlw.
go.
jp
!bunya
/kenkou
!eiyou!h21
−houkoku.
html
l2
) 厚生労 働 省健康局 がん対 策・
健 康増 進課栄 養 調 査 係,
平 成23
年 国民 健 康・
栄 養 調 査の概 要,
報道 発表 資 料
, http
:〃www.
mhlw.
go .
jp
!stf!houdou
!2r9852000002qlst
.
html
l3
)中山優子 :食 品群をベー
ス と し た食物 摂 取頻 度 調 査 票 を 用い ての 食 牛 活 調 査,
桐堕 大学 紀.
要,
2008,
19,
104−
104 14 ) 占屋美知、
中 山和子、
邑岡麻子、
安 房田 司郎、
高松 和 永:女 子短大生の 運動 習慣につ い て,
高 知 学 園 騨 大 学 承己要,
2003,
34,
1−7
15 ))Sth
労働省健康局 がん対 策・
健康 増進課 栄養 調 査 係,
平成12
年 国 民 健 康・
栄 養 調 査報 告,
http
:!fwww .
mhlw.
go.
jp
!toukeVkouhyo !indexkk−
147
.
htmll6
) 厚牛労 働 省健康局が ん対 策・
健 康 増 進課栄 養 調査係,
平成16
年国民健康・
栄養 調査報 告,
http
:〃www.
mhlw.
go.
jpibunyalkenkou
!eiyouO6fO1.
html
l7
) 野 菜の消 費を めぐる状 況につ い て,
農林 水産 省, 資 料2
,http
:〃www.
maff.
90.
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.
.
.
!yasai−
shohi 」yokyo.
pdf冖
Bulleimof KochiGakuen ColLege,No.44
(2014)
:pp.1-8Original
paper
Studies
on
the
problems
of
nutritional
intake
in
female
students
-Comparison
withthe
nutritionalsurvey
of
1997-Suzuka
KAMINOi",
Kazuko
NAKAYAMA2
,Michi
FURUYA3,
and
Kazunaga
TAKAMATSU4
Abstract:
To
clarify theproblems
and annual changes ofnutritionalintake
in
female
studentsliving
in
Kochi
prefecture,we performed a survey
by
questionnaireon65
female
students and comparedthe
results withDietary
Reference
Intakes
for
Japanese-2010-(DRIsJ),
and alsoinvestigated
the
relationshipsbetween
nutri-tionalintakes
and annual changes onliteratures.
Mean
nutritionalintake
of thestudents was1,408
kcal
andcorresponded to
82,8%
on a standard ofDRIs-J,
Mean
retinol, vitaminBi,
B2
andC
intakes
werelower
than thestandards of DRIs-J. Mean calcium and ironintakeswere much lower than thestandards of DRIs{. Meanfat
and carbohydrate energy ratios corresponded with the standards ofDRIs-J.
Mean
proteinintake
and saltequivalent was
higher
than
the standards ofDRIs-J.
The
energy and allnutrientsintakes
in
thistimeweresig-nificantly
lower
thanthosein
the
report on 1997.In
food
groups, theintake
ofpotatoes,fish
and shellfishes,eggs, milk, and confectionery
did
nothave
achange,AIthough
therewere moreintakes
ofdeep
yellow vege-tables,therewerelow
intakes
of cereals, sugar and sweeteners,legumes,
other vegetables,fruits,
meat, and oilandfat.
On
literatures,
the
energyintakes
offemale
studentshave
dropped
rapidly since2O12,
whilethe
slight
fa11
of energyintakes
was observedin
the 15to 19 years-oldwoman of theNational
Health
and Nutri-tionExamination
Survey
<P
<
O,Ol),
These
results suggested therelationshipsbetween
thefaIl
ofenergy and nutritionalintakes
andthe
lack
ofdietary
intakes
and skipping mealsin
young
women.Key
words: woman student,nutritionalintake,food
group,diet
surveyi'Kochi Gakuen College,Department
ofHuman LifeSciences,Email:[email protected]
2KoehiGakuen College,Department
ofHurnanLifeSciences,Email:knakayama@'kochi-gc.ac.jp 3
KochiGakuen
College,
DepartmentofHuman LifeSciences,Email:[email protected] 4TakamatsuMedicalClinic, Email:[email protected]