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障害児と母親の共作業

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Academic year: 2021

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障害児と母親の共作業

小田原悦子*,1)、西方浩一2)、松井菜奈子3)

1)聖隷クリストファー大学、2)文京学院大学、3)ぴあクリニック

【目的】

共作業とは、二人以上が共有で行う作業をいい、両者の身体的、情緒的、意図的共有を特徴とする

(Pickens & Pizur-Barnekow, 2009)。障害のある子どもの母親が行う世話、育児、遊び、家族行事な

ど、子どもと一緒に行う共作業は、子どもの将来や成長、さらに、社会参加に影響するといわれる(Olson, 2003)。本研究では、ある 10 歳の障害児の母親の視点から、子どもとの共作業をどのように経験してい るか、子どもの将来の生活、社会参加への橋渡しの視点から探る。本研究の成果は、作業療法をはじめ、 地域保健サービスの専門家が障害児家族の生活支援および社会参加を援助するときの参考になる。 【方法】 S 県在住の 10 歳の医療ケアを必要とする女児の母親(40 歳代)が研究協力者である。ナラティブ分 析により母親の視点から、本親子の現在の日常生活における共作業の形態、機能、意味を探るために、 データを収集した。合計 200 分間の個別インタビューデータから逐語録を作成しナラティブ分析した。 分析のため、児の誕生から 2 歳までに母親が掲載したブログの内容も参考にした。 【結果と考察】 生育暦:出生時に、二分脊椎症、水頭症、キアリ奇形があった。現在の障害は両下肢全廃、障害者手 帳 1 級である。生後 2 年間入院生活を送り、母親は毎日面会した。生後 2 ヶ月から嚥下障害のため持続 吸引を装着し、ミルクアレルギーのため鼻腔チューブによる人工栄養、1 歳半から胃ろうにて栄養を摂 取した。2 歳時に自宅に退院し、家族との生活を開始した。多様な困難があったが、ミキサー食、固形 食を経て、母の工夫は継続し、児は 3 年前から通常食になった。本児は食べることが大好きである。調 査時、支援学級小学 3 年生に通学。家族(両親、兄、妹)と生活している。 母は専業主婦で、本児と 2 歳の妹の世話と家事で多忙な日課をこなす。 母子の共作業:現在の多忙な生活の中で、以下の共作業があった:振り返りのお話、食事、洗濯物たた み。母親の視点から、形態、機能、意味を記述する。 ・一日の振り返り話:(形態)母親がスクールバスまで本児を車で迎えに行く。自宅まで運転しながら、 今日の学校でのできごとを児に聞き、話題にする。(機能)成長(児の記憶、理解)を促す。母は学校 での児の出来事を共有する。(意味)出来事を聞きながら、児の成長を喜んだり、がっかりしたり、こ れからの作業を計画する。 ・食事:(形態)鼻腔チューブ、胃ろう、ミキサー食、固形食を経て、今は通常食を家族と楽しむ。(機 能)通常食で成長を促す。(意味)母は人工栄養でなく、自分が調理した普通の食べ物を食べて、成長 してほしい。家族行事で食事を一緒に楽しむ。児は食べることが大好きになった。 ・洗濯物たたみ:(形態)お手伝いで、1 年かかって、靴下を組にすることができるようになった。(機 能)成長:家事をできるようになってほしい。(意味)成長。 【結論】 障害が日常の共作業(食事、振りかえりのお話、洗濯物畳み)に影響を与え、共作業の複雑さを示し た、一方で、児のスキル獲得を促していた。 【学会発表】 国内外の作業療法関連学会で発表の予定である。

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