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繊維状チタン酸ソーダ(第2報) 利用統計を見る

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(1)

繊維状チタン酸ソーダ(第2報)

武藤文夫

滝貞男

小宮山好道

Fibrous Sodium Titanates (2)

FumioMuto SadaoTaki YoshimichiKomiyama

  This investigation was rnade for finding the condition of the treatment to obtain good sodium titanate fibre.   It was examined to treat the fibrous sodium titanate with several acids and heat it.   The best procedure found is as follows;       heat the fibrous sodium titanate treated with some mineral acid and keep the         temperature at 600°to 800°C for three hours.

  1 まえがき

 第一報において、高融点をもつ繊維状チタン酸アノレ カリの合成法、および加熱処理による繊維の性状の変 化について報告したが、その後さらに性状の一端につ いて詳細な検討を加えたので、これらについて報吾す る。一一一一‘般に繊維状チタン酸ソーダは繊維状チタン酸カ リと比較して繊維も太く短い傾向をもち、さらに合成

法によりNa20:TiO2=1:4∼11モノレ比と云う均

等性を欠いた組成範囲をとる性質を有するが、繊維そ のものは熱伝導率小さく、弾性に富み、室温で、塩酸、 硝酸等に殆んど侵されない特性を有する。本報では、 合成された繊維状チタン酸ソーダを比較的アノレカリ成 分の多いものと少いものとを二種類えらび出し、これ ↓こついて  1)繊維の水溶性  定温湯煎器を用いて一定温度で各時間毎の繊維のア ノレカリ溶出量を調べた。  2)繊維の酸に対する性質  硫酸、塩酸、硝酸、修酸、酢酸等を用い、一定温度 一下で処理した時の繊維中のTio2溶解率およびNa20 の残留する率を測定した。  3)繊維の温度に対する性質  無処理繊維、酸処理繊維をさらに加熱処理したもの に》2Y>て顕徴鏡観察および、 X線回折により性状の変 化を調べた。’  4)繊維の吸湿性   ,、1  繊維の熱処理物について短時間内における吸湿性を 検討した。

 2 実験結果および考察

用いた試料をTable 1に示す。 Table 1

記剖合成条件1観

察 NT−4 NT−9 10]NNaOH.430°C 24hr.  30%fill.(400 atm) 10N NaOH.350°C 3hr.  30%fill.(350 atm) 長さ:5μ.太さ:0.2μ. (max:80μ.0.8μ.) 長さ:1 OPt.太さ:0.2μ (max:100μ.0.5μ) 分析結果 記号 Ig. Loss(%)

NT−411・・

Tio2

(%)

Na20

(%) Na20・n (Tio 2)

92・・114・・

n=4.4

NT−gil…

87.5 ・;一・1、.n−… ’1  2.1 繊維の水溶性  NT−9,繊維を800°C,3 hr.加熱処理したものと、 無処理のものについて、このおのおのの試料Igを精 秤し50ccの水と共に蓋付ビン中に採り、スターラ三 を回転しながら定温湯煎器中で⑲0°±0.5°Cに保ちM. 所定時間ごとのアルカリ溶出量をN/20 HC!で滴定し

(2)

昭和38年12月

山梨大学工学部研究報告

第14号

60 蓑SO さt’ 書.

2

tW−40 に 僧tt  30 ZD 10       tゼン t ◎:判“印笥・s・・H・q・q・℃ボ ”、輿諺 17t,15翫放畳 1『ec.18輪放{量 IT°c,16輪故董 800“C,3命恕理 18’C.17友微置 ・ ・.Table 3 酸処理による溶解Tio2(%) NTi4, NT−9各39:6N一酸200cc,50°C 4 hr. s 10 IS    ZO 時間(栃.) Fig. 1 2S 試 料

NT−4

  NT,−4 (是HCL 3遷)

NT−9

  NT−9

(彊HCI・3遷)

加熱条件

100°C 3hr. 8000C  3hr. 100°C  3hr. 800°C  3hr. 100°C  3hr. sooec  3hr. 100°C  3hr. 8000C  3hr. 溶解Tio2(%)

H2SO4  HCl

3.76     2.85 1.51     1.12 3.25 0.17 2.05 0.18 5.29 2.01 3.19 1.49 4.84    2.20 0.64     0.64 た。Na20溶解率をFig 1に示した。無処理繊維と 比較して800。C,3hr.加熱処理した繊維はアノレカリ’ 溶解率も非常に少く、かつ短時間に平衡状態に近ずく が、これは加熱処理することによって繊維の結晶化が 一層進んで1)ナトリウム原子が更に強くチタン原子と 結びつくため2)と思われる。  2.2繊維の酸に対する性質  アルカリ溶出量を2.1の時よりさらに大きくした場 合、繊維がどのように変化するかをみるため、ここで 2.1と同じ方法で塩酸で処理をして繊維中のアルカリ 残留率を求めてみた。その結果をTable 2に示す。 Table 2 酸処理後の残留アノレカリ(%) NT−4, NT−910g:1NHCI 500cc,30°C (100°C)の場合はTio2溶解率は無処理の場合と大差 はないが、高温加熱(800°C)の場合はいちじるしく Tio2溶解率は低下する。これはチタンの粒成長は加 熱により生ずる2)・3)との特性からも十分考えられるこ とで、繊維の加熱処理は繊維の特性を増大するものと 考察される。  次いで両繊維とも無処理物について数種の酸(塩 酸、硫酸、硝酸、蔭酸、酢酸)50cc中に1gつつ精秤 し30°±o.5°Cで一定時間ごとにTio2溶解率ならび 30 試料1処醐間(h・)]1・・L・ss(%)

NT−4

NT−9

3 29 3 29 6.7 5.8 7.1 6.0 Na 20(%) 0.83 0.17 3.98 0.64 これより両繊維ともにアルカリ残留率は時間とともに 減少している。しかし最初のアルカリ含有量の大きい 繊維(NTr4)が必すしも小さい繊維(NT−9)より 残留率が大きくならず、その逆の値を示したことは興 味があるとともに合成条件に起因するものと考えられ る1)。又この際両繊維とも繊維自身の崩壊はみられな かった。そこで両繊維とも加熱処理をして無処理のも のより一層結晶化を促進させたものについて、さらに 濃度の高い硫酸、塩酸を用いて一定時間、一定温度下で 撹拝処理した場合、繊維中のTio2はどの程度溶解す るかを検討した』そめ結果をTable 3に示す。との表 ’ からみると〆あらかじめ酸処理した繊維でも低温加熱 § )2、0 ざ 妓 10 0 10 (08

s

§

706

唄 ばo.4 Q2 5 X−一一一〉く 10 15    ZO 時問(輪) 2s

2

0 HCC.   CH3COOH

×\−b)a;_x..

 H,SO4 4 8    12    16    20   2]」    時間(軌》  Fig. 2

(3)

繊維状チタン酸ソーダ(第2報)

 3」O § ざ 監2・o 1.o § ;・ 2.° 妾 (NT−・9,19;1N酸∼SO・c,30b〕       がふ         c漣‘

JIY6x

   H戊  CH3COOH Is   20  時間(旬 小さいのも繊維がより多く侵されることに現われてい る。  2.3繊維の温度に対する性質  両繊維とも無処理の低温加熱物と、および一規定塩 酸29hr.30°Cで前処理した繊維を各温度で加熱処理 した場合のX線回折(銅対陰極、ニッケルフィノレター) をし、その結果をFig 4に掲げる。無処理高温加熱処 理のものについては第1に報吾してあるから、ここで は酸処理のもののみについて検討すると短繊維(NT −4)は長繊維(NT−9)よりも変化の度合が100∼200       NT−4 (℃) 1100 1000 gao Roo 600 100 200 R R A R A RA 郎 A A A A A A 10D−一一L山・tu⊥一』」一一一一」一一 20  2Z  24  26  28  30  32  34、 36  38  40       (2θ)      NT−『 這 貫 誉 喜 、三 }膨       4      1Z    t6    20    24        時間(旬       Fig. 3 に繊維中に残留するNa20率を測定した。結果をFig 2,Fig 3に示した。  これによると酢酸に対しては2.1繊維の水溶性とほ ぼ同様な傾向を示している。即ちアルカリは溶解する がチタンは溶解しない。又鉱酸に対してはチタンの溶 解率はほぼ同程度であり、ただ修酸に対してのみ大き なチタン溶解率を示している。これは修酸のもつ二つ の性質(アルデヒドー−ge)に原因があるのではないか と推定される。同時に蔭酸に対してアノレカリ残留率の Table 4 1200 “ao 1000 qoo gDe 70u ノ R R A B R A A   A A A   A A 一 20 22 24 26 28 3D 32 34 36 38 40       (20)      Fig. 4 留 ま 誉 亘 室 三 顕  微  鏡  観  察 加熱温度 (3hr.) 100°C  ∼ 800°C 900°C 1000°C 1100°C 1200°C

NT−4

5∼80μ 上に同じ 太く短かくなる   20μ〉 上に同じ 融 解

NT−9

10∼100μ 上に同じ  太く短くなる   50μ> 1μ位の粒子少し 生成 上に同じ 太さ1μ,長さ数μ 以下の粒状晶

NT−4.1NHCI

 3hr.処理

NT−4と同じ

太く短くなる   (1μ) 太く短くなる   30μ> 1μ位の粒子多い lp粒子、太さ2μ 長さ2∼1 OPt位の

棒状晶1

NT−9. l NHCI

 3hr.処理

NT−9と『司じ 太く短くなる   (1μ) 太く短くなる   20μ> 1μ位の粒子多い 更に太く短くなる 1μ位の粒子多い 太さ1μ,長さ5μ とその凝集体  ,

NT−g.1NHC1

 2ghr.処理

NT−9と同じ

大部分1μ位粒 子、太くなった 繊維少し 上に同じ 1∼2μ粒子多数、 太さ3μ, 長さ20μ〉少し 存任 1∼10μ 粒状晶

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(4)

昭和38年12月

山梨大学工学部研究報告

第14号

160 14D き 巳120 書 亘1。o 80 60 4D 2D 0 三 巳zo 實1fi

 O

4 相漏 『Ll%    じ  600t 相退  8・・b『⇒  1000も  1200t 24 時間(勧 Fig. 5

  ㍑}鵠

   相違78.7%    100た;600℃   2S 80σヒ;1000t 時PeH(翻tZOOk ゜C早くおきている。このことは短繊維は長繊維に比 較して熱に対して安定度が低いことを示している。さ らにこれら繊維を顕微鏡観察した結果をTable 4に 示す。表のような実験条件下においては両繊維とも 800°Cまでは殆んどi変化はないが、900°Cになると繊 維は太く短かくなって行く。これは酸処理によってア ノレカリ成分が…Ti…0…Na…の鎖から抜け出て他の 元素と置換、もしくはそのまま欠陥を作っていると考 えられ、これが加熱により縦に収縮し、もっと強い結 合を作るのであらう。これが1000°C以上になると無 処理のものについても同様な傾向をもち、さらに1200 °Cに於ては短繊維は融解し始め、長繊維も粒状晶と なるのはノレチノレ化の為であることがX線回折図からも 明らかである。ただ繊維中に一部分であれルチル化の 現象があらわれると繊維としての特性がなくなり金属 化して行く。NT−4で1000°C, NT−9で1100°Cで このルチル化の現象があらわれ始めている。  2.4 繊維の吸湿性

 NT−4空乾試料109を一規定塩酸500cc中にとり

30°士0.5°C3hr.撹伴処理したもの、および無処理 空乾試料を100°C,600°C,800°C,1000°C,1200°C でそれぞれ3時間加熱処理したものについて静的試験 法を用いて短時間における吸湿性を測定し、Fig 5に 示した。これによると無処理繊維と酸処理繊維とでは 吸湿性に非常に大なる差があるが、これから繊維中の 含有アノレカリ量は吸湿性に大きい影響を与えることが 分る。従って合成された繊維は更に酸処理することに より吸湿性において特にすぐれたものと改めることが 出来る。又高温加熱処理繊維の方が低温加熱処理繊維 より吸湿性が低いのも2.3繊維の温度に対する性質か らも理解される。

3 あとがき

 新繊維は耐熱材料としてすぐれた物質であることは 前報で報吾した通りであるが、これを酸処理してアノレ カリ含有量を少くし吸湿性を低下すると同時に、熱処 理によって繊維の成長を一層増大さすと、さらにすぐ れた耐熱材料と改善することができる。その為にはお よそ一規定の鉱酸に常温で約5時間浸せき撹伴処理 し、その後600∼800°Cで約3時間、加熱処理するの が最もよい条件である。 文 献 1)武藤、国富、工化、65(1963)1775. 2)飯田、尾崎、チタニウム、9(1961)34. 3) Yoshio Iida, J.Am. Ceram, Soc.41   (1958) 397.   ’ t 1}おも 1べ蛎

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