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介護老人保健施設の口腔ケア実施体制の実態 質問紙調査の集計結果より

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Academic year: 2021

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14 介護老人保健施設の口腔ケア実施体制の実態

-質問紙調査の集計結果より-

○森崎 直子(関西福祉大学看護学部)      

 三浦 宏子(国立保健医療科学院口腔保健部)  

Ⅰ.はじめに:高齢者の日常生活の楽しみの第一位は食事である。食事と直接関わる口腔は、そ の状態の良し悪しが高齢者のQOLに大きく影響を及ぼすと考えられる。これまでの研究から口 腔状態を良好に保つには、口腔ケアが有効であることが明らかとなっている。しかし、高齢者の 口腔ケアの現状は明らかにされておらず、中でも介護老人保健施設の口腔ケアの状況に関する報 告は少ない。そこで本研究では介護老人保健施設における口腔ケアの実施状況や実施体制を明ら かにすることを目的とした。 Ⅱ.研究方法:平成21年6月から7月の期間に郵送法による質問紙調査を実施した。調査対象はF 県内の介護老人保健施設152施設である。調査内容は介護老人保健施設における口腔ケア実施状 況や実施体制に関する事柄である。倫理的配慮として、調査は自由意志による無記名方式とした。 また、得られたデータは厳重に保管し、個人情報の保護に留意した。 Ⅲ.結果:48施設(回収率31.6%)から回答を得た。施設職員数は64.27±16.57名(平均値± SD)であった。看護師数は12.14±3.02であった。歯科医師が勤務している施設は10.4%であった。 歯科衛生士が勤務している施設は10.5%であった。入所者人数は85.74±17.87名で、平均年齢は 85.30±2.41歳であった。介護度は、介護度3の入所者が最も多く、次いで介護度4、介護度2の順 であった。日常業務の忙しさは、忙しい64.6%、非常に忙しい22.9%であった。口腔ケアを主に 行っている職種は看護師、介護福祉士であった。歯科医師や歯科衛生士による専門的ケアの実施 状況では、必要時行っている41.7%、定期的に行っている33.3%、行っていない25.0%であった。 口腔ケアがケアプランに含まれる割合は、ほぼ10割が43.8%、7~8割12.5%、5割8.3%、2~3割 18.8%、ほぼ含まれず10.4%であった。最も多く実施している介助方法は、全介助29.2%、部分介 助64.6%、声かけ・見守り2.1%であった。口腔ケアに関するマニュアルの有無は、あり85.4%、 なし10.4%であった。口腔ケアに関する施設内での研修会の開催の有無は、あり72.9%、なし 25.0%であった。施設外の研修会参加職員の有無は、あり68.8%、なし29.2%であった。施設に勤 務している看護師長の口腔ケアに対する重要性の認識は、重要だと感じている100.0%であった。 口腔ケア実施上で最も困難な点は、人手・時間52.1%、知識・技術16.7%、職員の認識12.5%、入 所者の認識10.4%であった。施設でのケア方針の決定経路は、ボトムアップ方式45.8%、トップ ダウン方式12.5%であった。  Ⅳ.結論:1.介護老人保健施設で口腔ケアは主に看護師、介護福祉士が実施しており、歯科医 師や歯科衛生士による介入は少ない。2.日常の業務は忙しく、口腔ケア実施のための人手や時 間の確保が困難である。3.研修会の実施率は高く、看護師長の口腔ケアへの重要性の認識は高い。 4.施設のケア方針はボトムアップ方式で決定される場合が多い。以上のことから、手軽で効率的 な口腔ケア方法を看護師、介護福祉士を中心とした現場職員に広めていく必要があると考える。

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