IDE Updates -- 研究所の取り組みをご紹介します
権利
Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア
経済研究所 / Institute of Developing
Economies, Japan External Trade Organization
(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp
雑誌名
アジ研ワールド・トレンド
巻
243
ページ
56-56
発行年
2015-12
出版者
日本貿易振興機構アジア経済研究所
URL
http://hdl.handle.net/2344/00003065
IDE Updates
研究所の取り組みをご紹介します アジ研ワールド・トレンド No.243(2016. 1)56
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てセッションを企画・開催しました。
アジア経済研究所は、二〇一五年一〇月一日 にスイス・ジュネーブにある世界貿易機関(W TO)で行われたパブリックフォーラムにてセ ッションを開催しました。 WTOパブリックフォーラムは二〇〇一年に 開始したWTO最大のアウトリーチ・イベント であり、産業界、学界、メディア、政府等多分 野から毎年参加者が集まり、世界貿易、多国間 協力の現状に関する議論を行うプラットフォー ム で す。 今 年 は “Trade Works ”を テ ー マ に、 三日間にわたり九〇以上のセッションが開催さ れました。 アジア経済研究所のセッションは、 “Plugging in to the global agricultural value chain : a per-spective from developing countries in Asia
(ア ジアの途上国における農業のバリューチェーン へ の 参 入 )” を テ ー マ に、 研 究 者 お よ び 東 南 ア ジアの現地で活躍する大手小売業の民間企業者、 ミャンマーの政府関係者をパネリストに迎えて 開催しました。 東南アジア諸国では農業分野の発展が進むな かで、欧米など先進国の市場への輸出が増加し ています。こうした市場への参入を考える際に は、輸出規制や輸出先での差止め(ポートリジ ェクション)への対策も考える必要があります。 ま た、 「 グ ロ ー バ ル G A P 」⑴ の よ う な プ ラ イ ベ ートスタンダードは食の安全を考えるうえで重 要性が高まっていますが、輸出企業にとっては 高いハードルとなっています。 今回、雷蕾研究員、道田悦代海外調査員から はアジアにおけるポートリジェクションおよび プライベートスタンダードの現状や課題につい て、ハスダン・ハッシン氏(イオン・マレーシ ア)からは民間小売企業による途上国(マレー シア)でのサプライヤー育成の取り組みについ て、ティン・トゥッ・オー氏(ミャンマー・国 家経済社会アドバイザリー・カウンシル)から はミャンマーの経済発展と農産物の貿易増加に むけた政策について、それぞれ報告が行われま した。最後にジョン・ハンフリー氏(サセック ス大学開発研究所)から、アジアにおけるグロ ーバルGAPについて報告されました。会場か らは食料安全保障やMRL(農薬残留基準)な どに関する質問があり、活発な議論が行われま した。 こうした議論を踏まえ、モデレータをつとめ た鍋嶋郁氏(早稲田大学大学院准教授)からは、 生産者は市場へのアクセスのみならず、輸出先 の基準では何が求められているのかを知ること が必要であり、農業分野の発展では、そうした 生産者の能力開発(キャパシティ・ディベロッ プメント)やコンプライアンスも今後大きな焦 点のひとつであるとの点が指摘されました。 当日、セッションにはWTO、UNCTADな どの国際機関、政府関係者、大学教授、学生な ど多様な参加がありました。国際機関でもプラ イベートスタンダードに対する関心は年々高ま りをみせており、今後も注目が集まるトピック です。 今回のセッションに関する開催レポートは、 研究所のHPにてご覧いただけます。 (文責:研究マネジメント職 佐々木晶子) 《注》 ⑴ グローバルGAP( Good Agricultural Prac -tices ): 欧 州 の 大 手 ス ー パ ー 等 大 手 小 売 が 主 体となり設立された農水産物の生産工程を適 切 に 管 理 す る 取 組 み。 も と も と は EUREP G.A.P と し て 二 〇 〇 〇 年 に 設 立。 二 〇 〇 七 年 に現在の名称に改称。工程管理を通じた食品 安全や労働安全、環境保全を基本概念に置く。 WTO 本部(スイス・ジュネーブ) セッション会場の様子