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財務諸表論③

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Academic year: 2021

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2019 年 4 月号 財務諸表論 つぶ問

3問目 【問題】 企業会計基準第15 号「工事契約に関する会計基準」(以下,工事収益基準)における工 事収益の認識について,以下の各設問に答えなさい。それぞれ指定された字数を目安に解 答すること。 (問1)工事進行基準および工事完成基準の定義を述べなさい。(150 字程度) (問 2)工事収益基準における工事進行基準と工事完成基準の,適用上の関係について説 明しなさい。(200 字程度) (問3)工事損失引当金がどのような場合に計上されるのかを説明しなさい。(150 字程度) また,工事損失引当金の計上根拠を説明しつつ,現行の日本基準においてこれと同様 の考え方に基づいて実施される会計処理を挙げなさい。(100 字程度) 【解答】 (問 1)工事進行基準とは,工事契約に関して,工事収益総額,工事原価総額および決算 日における工事進捗度を合理的に見積り,これに応じて当期の工事収益および工事原価を 認識する方法をいう。他方,工事完成基準とは,工事契約に関して,工事が完成し,目的 物の引渡しを行った時点で,工事収益及び工事原価を認識する方法をいう。(150 字) (問 2)工事収益基準によれば,工事契約に関して,工事の進行途上においても,その進 捗部分について成果の確実性が認められる場合には,工事進行基準を適用し,この要件を 満たさない場合には工事完成基準を適用することとされている。成果の確実性が認められ るためには,工事収益総額および工事原価総額,ならびに決算日における工事進捗度のそ れぞれについて,信頼性を持って見積ることができなければならない。(188 字) (問 3)工事契約について,工事原価総額等が工事収益総額を超過する可能性が高く,か つその金額を合理的に見積もることができる場合に,その超過すると見込まれる額のうち, 当該工事契約に関してすでに計上された損益の額を控除した残額を,工事損失が見込まれ た期の損失として処理するとともに,工事損失引当金が計上される。(148 字) これは,工事収益によって工事原価の回収が見込めない場合に,将来に損失を繰り延べ ないために行われる手続きであるため,棚卸資産の評価や固定資産の減損処理と同様の考 え方に基づいて行われる処理であるといえる。(100 字)

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【解説】 工事収益の認識および工事損失引当金についての問題です。 (問 1)(問 2)工事進行基準と工事完成基準の定義と,両者の適用上の関係については, 基本的な論点ですので,しっかり押さえておきましょう。特に,工事進行基準を適用する ための要件である,「工事の進捗部分について成果の確実性が認められること」については, 投資のリスクからの解放から根拠づけられている部分でもありますので,併せて整理して おきましょう。 (問 3)工事損失引当金の計上は,未成工事支出金(=棚卸資産)を直接減額するもので はありませんが,棚卸資産の評価や固定資産の減損処理と同じ考え方に基づいて行われる ものです。引当金の計上要件とも関連しますので,他の論点と絡めての出題が可能な論点 であるということを意識しておきましょう。

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