意欲的に運動に参加する児童を育てる能力混合型サッカーの体育授業に関する研究
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(2) 意欲的に授業に参加したことが明らかとなった。. 個人の動きを組織の一員として捉え,具体的な場. それに対し,能力別クラスでは能力上位群,下. 面を観察した多岐にわたる視点へと変化していた。. 位群とも,自己の運動技能に対する意欲や向上と. ④作戦カードの実際の内容. いった記述が目立ち,「身体的有能さの認知」を高. 第五時で行った作戦の立案では,r女子がゴール. めることに有効であった。. を決めると2点獲得」というルールにより,女子. (2)質問紙調査結果から. 児童の配置や運動能力の高い児童がどのようにパ. ①統計的分析の結果. スコースを選択するかといった作戦を考える場面. t検定による統計解析の結果,事前・事後の質問. が見られた。それぞれの特性や長所を生かして作. 紙調査結果では,両群とも全項目に有意な差異は. 戦を立てたことで,チームで協力しようという意. 認められなかった。しかし,符号検定により分析. 識を高め,作戦を実行しようとする思考が,ゲー. した結果,能力混合クラス全体では運動有能感の. ムの中でその場の状況判断に基づく行動を活性化. うち「受容感」が1O%,体育授業評価の「まなぶ」. させたものと考えられる。. が5%の本準で有意に向上してい牟。つまり,能. 皿 まとめ. 力混合クラスでも,「受容感」,「統制感」が高まる. 本研究では,能力混合型サッヵ一の体育授業に. ことが明らかとなった。それに対し能力別クラス. おいて,協力の認識や意欲の質の点セ能力別授業. 全体では運動有能感,体育授業に関する評価の全. との違いが明らかになった。能力別授業では個人. 一項目で向上した結果が得られ,特に下位児童では. の技能の向上に基づき運動意欲を高められた。そ. 全項目において高い向上が見られた。これは能力. れに対し,能力混合授業では,他者との関わりの. 混合型では疎外されていた下位児童が自己の能力. 中で「受容感」,『統制感」に対する運動意欲を高. に応じた活動が認知されたものと考えられる。. められた。これは,本研究が,従来より混合型が. ②触球数と形成的授業評価の相互関係. 学習意欲を高めにくいとされてきた考えを払拭し. 能力混合授業の触球数と形成的授業評価の関係. たことを示唆している。. をみると,各チームの触球数と授業評価の推移が. 1V 今後の課題. ほぼ一致していることが認められた。これは,チ. 今後の課題は,以下の4点を挙げる。. ーム内の触球数を増加させるために互いに協力し. ①能力混合型授業の客観性や妥当性をあげていく こと。. 合っていることが認められた結果,授業評価を高 .めたものと推察され,能力別クラスのように,主. ②能力混合型サッカーの教師による効果的評価言 の検証. として個人の充足欲求のみが満たされた授業評価. ③学習意欲に影響を与えている児童間の励ましや. との違いが明らかになった。. 期待の言葉がけの内容分析 ④触球数を増加させる効果的方策とチーム戦術に. ③今日のがんばり賞及びMWの児童. いきる有効的な触球の仕方に関する指導方法の. 各時のMVPの児童を見ると,第一回丁.M.男(上. 検討. 位),第二回A㎜.男(下位),第三回S.S.男(上位),. 引用・参考文献. KF(上位),M.K男(中位),第四回S.K女(下位),. 1)文部科学省(2008)『小学校学習指導要領解説 体育編』. 第五回S.H.女(下位)という結果であった。単元が進. むにつれ,下位児責や女手児責への評価が多くな. 東洋館出版社,p9 2)岡澤祥訓(2003)r子どもの有能感をみる」高橋健夫 編著r体育授業を観察評価する』,明和出版,pp.27・30. っていた。更に,’評価内容は技能中心の内容から,. 修学指導教員 松下 健二. 一143一.
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