• 検索結果がありません。

意欲的に運動に参加する児童を育てる能力混合型サッカーの体育授業に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "意欲的に運動に参加する児童を育てる能力混合型サッカーの体育授業に関する研究"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)   意欲的に運動に参加する児童を育てる 能力混合型サー cカーの体育授業に関する研究                            教育実践高度化専攻                            小学校教員養成特別コース.                            P09084G 中村まりこ I 研究の概要. いった目標を達成することができると考えられる。. 1.問題の所在と研究の日的. 2.研究の対象と方法 (1)研究の対象.  従来,体育課サッカー授業において,児童を意 欲的に運動に参加させる方策の一つとして,児童 を能力別に二分する授業が行われてきた。この授 業を概観すると,上位群はサッカーを遊びと同様 に捉えてしまい,下位児童同士で行うゲームでは,. パスが続きにくいことからゲームの質が落ちてし.  連携協力校であるK市立K小学校第6学年児童。. ・能力混合クラス 平成22年度6年1組児童  (男子14名,女子19人,計33人) ・能力別クラス 平成23年度6年1組児童  (男子16名,女子15名,計31名) (2)実施期間. まう。そして,下位児童と上位児童との隔たりが 拭えない点にも課題がある。. ・能力混合クラス平成23年1月20日∼2月7日.  一方,ゲームの際に能力差のある児童を混合さ. ・能力別クラス平成23年11月29日∼12月1目 (3)研究方法. せ,群内異質群問等質によるチーム編成で授業を 行う方法もある。これは,ゲームの難易度の適切. ①連携協力校の第6学年配属学級の児童33名に対. さ,ボールの保持に偏りができることから,児童.  して,立案された単元計画を実施する。. の学習意欲が高まらない授業になってしまう可能. ②質問紙調査(事前・事後)を通じて,児童の変. 性がある。しかし,能力の高い児童のプレーを問.  客を汲み取る。. 近で観察することによる動作の理解,パスを通じ. ③各授業では,高田らの作成した作成した形成的. た仲間同士の相互作用や仲間意識,能力の高い児.  授業評価,作戦,感想等を児童に記入させ,児. 童と低い児童との役割分担による作戦の作成と,.  童の変容を分析する。分析する視点は,触球数,. その過程から得られる達成感を共有が毛たらす効.  今日のがんぱり賞及びMVPの評価内容,作戦力. 果として,学習意欲が高められると推察される。.  ードの内容である。.  そこで,本研究では運動能力や連動技能による. 皿 研究の成果 (1)授業実践の結果. 運動意識の違いを考慮し,能力混合型体育科の授 業実践を試みた。この実践的研究の成果を分析,.  能力混合クラスでは,第一時,第二時において. 省察することにより,児童が能力差の混在する中. 技能面に偏っていた児童の感想が,第四時,第五. で意欲的に運動に取り緩むために必要な要素を明. 時には他者への評価や作睡に対する記述を半数以. らかにすることを目的とした。ここで児童が身体. 上の軍童が記述する等,r統制感」,r受容感」が質. 活動を楽しく行う,仲間と交流する楽しさを味わ. 的に高められた結果が認められた。これにより,. う,積極的に活動するといった学習が出来れば,. 児童はサッカーにおける運動技術の向上だけでな. 小学校学習指導要領にも掲げられる「生涯にわた. く,他者理解,自己抑制,共同した活動など,チ. って連動に親しむ資質や能力の基礎を育てる」と. 』ムの協力・協働に起因する成果に主眼をおき,. 一142一.

(2) 意欲的に授業に参加したことが明らかとなった。. 個人の動きを組織の一員として捉え,具体的な場.  それに対し,能力別クラスでは能力上位群,下. 面を観察した多岐にわたる視点へと変化していた。. 位群とも,自己の運動技能に対する意欲や向上と. ④作戦カードの実際の内容. いった記述が目立ち,「身体的有能さの認知」を高.  第五時で行った作戦の立案では,r女子がゴール. めることに有効であった。. を決めると2点獲得」というルールにより,女子. (2)質問紙調査結果から. 児童の配置や運動能力の高い児童がどのようにパ. ①統計的分析の結果. スコースを選択するかといった作戦を考える場面.  t検定による統計解析の結果,事前・事後の質問. が見られた。それぞれの特性や長所を生かして作. 紙調査結果では,両群とも全項目に有意な差異は. 戦を立てたことで,チームで協力しようという意. 認められなかった。しかし,符号検定により分析. 識を高め,作戦を実行しようとする思考が,ゲー. した結果,能力混合クラス全体では運動有能感の. ムの中でその場の状況判断に基づく行動を活性化. うち「受容感」が1O%,体育授業評価の「まなぶ」. させたものと考えられる。. が5%の本準で有意に向上してい牟。つまり,能. 皿 まとめ. 力混合クラスでも,「受容感」,「統制感」が高まる.  本研究では,能力混合型サッヵ一の体育授業に. ことが明らかとなった。それに対し能力別クラス. おいて,協力の認識や意欲の質の点セ能力別授業. 全体では運動有能感,体育授業に関する評価の全. との違いが明らかになった。能力別授業では個人. 一項目で向上した結果が得られ,特に下位児童では. の技能の向上に基づき運動意欲を高められた。そ. 全項目において高い向上が見られた。これは能力. れに対し,能力混合授業では,他者との関わりの. 混合型では疎外されていた下位児童が自己の能力. 中で「受容感」,『統制感」に対する運動意欲を高. に応じた活動が認知されたものと考えられる。. められた。これは,本研究が,従来より混合型が. ②触球数と形成的授業評価の相互関係. 学習意欲を高めにくいとされてきた考えを払拭し.  能力混合授業の触球数と形成的授業評価の関係. たことを示唆している。. をみると,各チームの触球数と授業評価の推移が. 1V 今後の課題. ほぼ一致していることが認められた。これは,チ.  今後の課題は,以下の4点を挙げる。. ーム内の触球数を増加させるために互いに協力し. ①能力混合型授業の客観性や妥当性をあげていく  こと。. 合っていることが認められた結果,授業評価を高 .めたものと推察され,能力別クラスのように,主. ②能力混合型サッカーの教師による効果的評価言  の検証. として個人の充足欲求のみが満たされた授業評価. ③学習意欲に影響を与えている児童間の励ましや. との違いが明らかになった。.  期待の言葉がけの内容分析 ④触球数を増加させる効果的方策とチーム戦術に. ③今日のがんばり賞及びMWの児童.  いきる有効的な触球の仕方に関する指導方法の.  各時のMVPの児童を見ると,第一回丁.M.男(上.  検討. 位),第二回A㎜.男(下位),第三回S.S.男(上位),. 引用・参考文献. KF(上位),M.K男(中位),第四回S.K女(下位),. 1)文部科学省(2008)『小学校学習指導要領解説 体育編』. 第五回S.H.女(下位)という結果であった。単元が進. むにつれ,下位児責や女手児責への評価が多くな.  東洋館出版社,p9 2)岡澤祥訓(2003)r子どもの有能感をみる」高橋健夫  編著r体育授業を観察評価する』,明和出版,pp.27・30. っていた。更に,’評価内容は技能中心の内容から,.           修学指導教員 松下 健二. 一143一.

(3)

参照

関連したドキュメント

文部科学省が毎年おこなっている児童生徒を対象とした体力・運動能力調査!)によると、子ど

わが国において1999年に制定されたいわゆる児童ポルノ法 1) は、対償を供 与する等して行う児童

自ら将来の課題を探究し,その課題に対して 幅広い視野から柔軟かつ総合的に判断を下す 能力 (課題探究能力)

本学級の児童は,89%の児童が「外国 語活動が好きだ」と回答しており,多く

イ小学校1~3年生 の兄・姉を有する ウ情緒障害児短期 治療施設通所部に 入所又は児童発達 支援若しくは医療型 児童発達支援を利

さらに体育・スポーツ政策の研究と実践に寄与 することを目的として、研究者を中心に運営され る日本体育・ スポーツ政策学会は、2007 年 12 月

3 指定障害福祉サービス事業者は、利用者の人権の

小学校学習指導要領総則第1の3において、「学校における体育・健康に関する指導は、児