酸性雨と風成塵
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(2) 86. 図2欧州のS04'濃度(〝g/ml)と卓越風向, pH値(1988)村野(1993)に加筆 漢,チベット高原など広大な乾燥・半乾燥地域が広がっ ており,これらの地域から日本-かなりの量の風成塵が 飛来する。風成塵には10-20%のカルサイトCaC03が 含まれており,このカルサイトが大気中で酸性物質を中 和する役割を果たしているのではないかと考えられてい る。. 本報告は,兵庫教育大学で過去3年間に採取した雨水 中の風成塵量,陰イオン,陽イオン濃度などを測定し, 酸性物質と風成塵との関係を考察してみたものである。. 2偏西風と風成塵 日本列島は偏西風帯に属している関係で,西から偏西 風にのって高気圧や低気圧が移動してくる。しかも上空 9-13kmには季節を問わず,ユーラシア大陸からやって くる強い偏西風ジェット気流が吹いている。 この偏西風ジェット気流の流れるコースと強さは季節 的に変化する(図3)。冬はバイカル湖から中国東北部 を通り,朝鮮半島北部を横断する寒帯前線ジェット気流 が日本列島に寒気をもたらし,夏には亜熱帯ジェット気. 図3中国大陸の砂漠・黄土分布,砂嵐・黄砂日数, 1月と6月の偏西風ジェット気流のコース a:チベット高原b:海底に堆積する黄土C:沖積層下の黄土d:黄土e:砂漠.
(3) 流が平均25-30m/秒の速さで日本列島上空を通過する。 この亜熱帯ジェット気流は,冬はインド上空を吹いて いるが,夏になるとヒマラヤ山脈とチベット高原が熱せ られて熱帯収束帯を形成するため,一気に2,000km以上 も北上して北緯40度付近の中国上空を吹くようになる。 この夏の亜熱帯ジェット気流の通り道にはタクラマカ ン砂漠やゴビ砂漠,チベット高原,黄土高原など,乾燥 地域や半乾燥地域が数1,000kmにわたって分布している。 こうした中国内陸の乾燥地域で発生した砂嵐によって 空高く舞い上げられた風成塵が,偏西風にのって黄土高 原や中国沿岸部に運ばれるだけでなく,日本海や東シナ 海を越えて日本にも運ばれて来る。日本における風成塵 の飛来量は, 2月中旬から増加し始め, 4月にピー クを迎え,亜熱帯ジェット気流が砂漠上空を吹く6-7 月にも多い。いっほう,冬の寒帯前線ジェット気流は砂 漠や黄土分布地域が狭い中国東北部を通るので,冬に日 本に飛来する風成塵の量は概して多くない。 このように飛来量は季節によって異なるけれども,風 成塵は日本上空だけでなく,中部太平洋上空にまで達し, 雨の凝結核や雪の氷晶核となって陸地や海洋に降ってい る。風成塵とは黄砂をも含めた「風で運ばれる細粒物質」 のことを指し,西日本の人々にはなじみ深いものである。. topestage 4 (6-7万年前)がこれに続く(成瀬, 1993)。 また最終氷期の終末期にあたるヤンガ- ・ドリアス期の 寒冷化の揺り戻し期にも風成産の堆積が多くなったこと が知られている(成瀬ほか, 1994)ォ このように寒冷な時期には極気団が優勢になって寒帯 前線ジェット気流が強まり,しかもタクラマカン砂漠や ゴビ砂漠上空を通るため,砂漠から舞い上げられた風成 塵が風下の日本列島に大量に運ばれたと考えられてい る。これに加えて,氷期に陸化した東シナ海や日本海な どの大陸棚から舞い上げられた風成塵もまた飛来したと 思われる。 いっぼう,温暖で湿潤な完新世(0-1万年前)にな ると風成塵の堆積量は3.6-7.lmm/1,000年-と減少し, とくに湿潤温暖化のピークを迎えた6,000年前のヒプシ サーマル期あたりから急激に堆積量が減少する。 こうして過去7万年間に堆積した風成塵は日本列島に 広域に分布している(井上・成瀬, 1990, Inoueand Naruse, 1991)。この時期に堆積した風成塵は,社町の 山地斜面の土壌層にも混入している。また嬉野台地上に も風成塵が堆積しており,とくに姶良Tn火山灰 (2.2-2.5万年前)とアカホヤ火山灰(6,300年前)両火 山灰に挟まれた土壌層中に多量に混入している(成瀬, 1989)。. 3風成塵の堆積量 風成塵が日本列島に堆積する量は,寒冷で乾燥した最 終氷期(1- 7万年前)には13.5-22.9nm/1,000年と多 く(井上・成瀬, 1990),とくに最終氷期最盛期である isotopestage 2 (1.8万年前)に最も多く,ついでiso-. 4兵庫県加東郡社町における風成塵の降下量 社町にも毎年のように風成塵(黄砂)が飛来し,とく に2月中旬から初夏にかけて頻繁に降ってくる。その量 を測定するために1990年10月から1993年6月までの約3.
(4) 88. 年間,大学7階屋上で,床面から70cmの高さに直径32cm のプラスチック製ロートを2個設置し(採水面積 0.16m2 ,それぞれ51のポリエチレン容器に約3-5 週間毎に連続して雨水を採取し,分析を行った(井上ほ か, 1994)。 採取した雨水中に含まれる無機物のうち, <20!`mの 細粒物質は,遠く中国大陸内陸部の乾燥地域から飛来し てきたバーミキュライト,自雲母,カオリナイト,石英, 斜長石などの鉱物からなる。 風成塵降下量の季節変化について3年間の測定結果だ けで云々することは危険であるが,図4に示すように, 風成塵は2月中旬頃から多くなり, 4月-5月にピーク を迎える。夏6月∼8月にも多く,秋10月頃にもやや多 く, 1991年の10月のように非常に多い月もあ.る。このよ うに風成塵降下量の多い時期は,黄砂現象が頻繁に観測 される時期と重なっていることが多い。 上述のように風成塵は,春になってタクラマカン砂漠, ゴビ砂漠などの地表が熱せられて低気圧(砂嵐)が発生 し,乾燥した地面から細粒物質が数千mの高さにまで舞 い上げられたものである。 4月以降になると砂漠の表面 は日中50度以上にもなり,チベット高原の地表面も熱せ られるようになり,頻繁に砂嵐が発生する。そして舞い 上げられた細粒物質は偏西風にのって日本へ移動してく る。冬にも強風時に砂嵐が発生するなど,両砂漠の砂嵐 は年間90日以上になる。. , N03", Cl ̄, F-)およびNH4+の濃度は,島津製作所 イオンクロマトアナライザーHIC-6A型によって測定 し,陽イオン(Ca2+, Mg'十Na+)の濃度はパー キネルマ-製原子吸光光度計3300型によって測定した (井上ほか, 1994)<その結果は図5のようである。ま た降下量(meqm )は,化学成分の濃度(meqL"1) × 降水量(L) × 1/0.16m2で求めたo それによると, <pH5.6の酸性雨の降水頻度は1991年 6月までは60%,平均pHは5.33, 1991年6月-1992年 6.月に94%,平均pHは4.68, 1992年6月以降では11%, 平均pHは5.22であり, 3年間平均では80%, pHは 5.08であった。この数値は,北アメリカやヨーロッパの 雨水の平均pH4.5よりもやや高めであるが,中国の長江 以北の雨水のpH6-7よりも低い。季節別にみると, 寒帯前線ジェット気流が中国東北部から吹きつける冬12 月から1月にかけてpHが低く,逆に春から秋にかけて pHが高くなっている(図4)。 つぎにpHと風成塵降下量の関係をみると, pHが高 い時期には風成塵の降下量が多い。 pHとca降下量と の関係は, Caの降下量が多い時にはpHが高い。 pHと scv ̄の濃度との関係をみるとso4濃度が高い時に pHが低くなっている。また, Ca降下量が多いにもかか わらずso4濃度が高い時にはpHが低くなっている。 pHと風成塵降下量, Ca降下量,それにS04濃度と の関係はどのようになっているのであろうか。. この3年間における社町の風成塵降下量ォ20〝m) の平均値は, lknfあたり年間4.1tである.. 6中国の酸性雨. 5社町に降る酸性雨. ここで,風成塵がやってくる中国の酸性雨についてみ ることにしよう。. 同様にして採水した雨水のpHは,東亜電波工業製ガ ラス電極pHメーターで測定し,雨水中の陰イオン(so4. これまでの資料をみると(Galloway, etal, 1987,中 国環境科学学会, 1989),長江以北の雨水中のso4 +. 図5兵庫教育大学屋上で採取した雨水中の化学成分濃度.
(5) 酸性雨と風成塵. 89. 図6中国の主要プラントと最低pH値so4ー+N03一億. NO3 ̄濃度は>300!′eqLでありCa"十濃度も>300!∠ eqLであるOそして雨水の平均H+濃度は6.2/<eqL ̄ である。福岡(1992)によれば以北の雨水の最低pHは 5.0-5.3であるという(図6)。因みに長江以北のS04' N03 ̄およびCa2+濃度は,日本各地の雨水に比較して, それぞれ約2.3倍-4.0倍,約1.1-1.7倍,約4.8-9.9倍 も高い。 これに対して,長江以南の雨水中のS04 +N03 ̄濃 度は以北と大差ないがCa'十濃度が低く,平均H+濃 度が29.5!∠eqLと酸性が強く,最低pHは3.1-4.0で ある。 このように長江以北と以南とに分けたのは,図3に示 したように以北が黄土の分布地であり,しかもタクラマ カンやゴビ砂漠,チベット高原から舞い上げられた風成 塵の日本列島-の通り道であるのに対して,以南では黄 土はほとんど分布せず,風成塵の飛来も少ない地域だか らである。 黄土中には層準によって異なるが,かなりのカルサイ トCaC03が含まれており,風成塵中にも10-20%のカ ルサイトが含まれている。このカルサイトが上空の酸性 物質を中和すると考えられており, SO42-+NO3"濃度は 南北でほぼ同じであるにもかかわらず,長江以北のpH が高いのは,風成塵中のカルサイトによる中和作用の結. 果であり,以南のpHが低いのは風成塵量が少ないため にカルサイトの中和に果たす役割が小さいことも一因と みられている(井上・吉田, 1990)< いっぼう中国東北部では風成塵が少ないことと, 1970 年以降に藩陽をはじめ重化学工業都市が集中する地域に 多くの電力,石油精製,化学,鉄鋼,機械などの主要プ ラントが設置されたために高いSO42-+NO3 ̄濃度とな り,最低pHは3.6である。 7中国と日本の酸性雨 中国では,風成塵中のカルサイトが酸性物質の中和に 果たす役割が明らかなようであるが,日本ではどうであ ろうか。上述したように大学屋上での雨水採取結果は風 成塵の多い時期にCa降下量が多く, pHが高い場合が 多いのでCaの中和能を無視できないと思われる。 そこでCaの起源を考察するために, Ca降下量と風成 塵降下量との関係(図7)をみた。両者の回帰直線はy -81.3x+8.8,相関係数は0.87*** (p-0.001)であり, 高い相関が認められる。したがって雨水中のCa2十の大 部分は風成塵から溶出したものと考えられる。 つぎにS04 , N03 ̄の降下量をみると,図8からは 2月あたりから6月あたりにかけて多くなり, 7月から 1月にかけて少ない傾向が読み取れる。この変化は風成.
(6) 90. (.-サ・ぎ)叫i塵│ED05甘煮濫 0.2. 0.4. 0.6. 0.8. 1.0. 1.2. 1.4. 1.6. 1.8. 雨水中の風成塵(く20Mm)降下量(g m ̄2) 図7両水中の風成塵降下量とca降下量(兵庫教育大学屋上). 井上・吉田(1990)によれば1970年以前に降った風 成塵に含まれるカルサイトの量は10-20%であったのに. 塵の降下量変化の傾向とほぼ一致しているので, s04や N03には日本で発生したものと,遠距離から,とくに冬 には寒帯前線ジェット気流によって中国東北部や朝鮮半. 対して1970年代には2-4%に低下し,最近は<1% となっており,カルサイトの降下量は年代を迫って減少 している。その変化は東アジアの工業化の発展経過とも 一致しているので,カルサイトが酸性物質の中和に消費 された結果と考えることができよう。. 島あたりからもたらされたものの両方があることが示さ れている。なおS04'tは海水にも含まれているが,社 町の非海塩so4つnss"S04 )の割合は3年間平均で 90%であることからS04'の大部分は陸源であり,そ のうちかなりの量が遠距離から飛来してきた物質とみら. また,冬にpHがとくに低いのは,風成塵が少ない中 国東北部などの重工業地域から中和能をはるかに超えた. れる。 日本列島のほとんどの地域では,雨水の中に含まれる. 酸性物質が寒帯前線ジェット気流によって日本に運ばれ ることも原因の一つであろう。. S04 +N03 ̄は<100,ォerL-1であり,中国大陸よりも はるかに低い。また瀬戸内や山陰のCa^は31-36!`eq. 8社町の土壌pH 大気汚染物質には,上述したような遠距離からもたら されるものと日本各地の工場や自動車の排気ガスからも. Lllであり,社町のCa2+も31!∠eqLであった。この Ca2+は中国よりも低く,雨水中のSO42-+NO3-濃度の 割には高くない。それは,カルサイトが輸送中に上空で 酸也物質の中和に消費されてしまったことによるであろ. たらされるSOxやNOxなどがある。これらの汚染物質 は,やがて地表に降下し,土壌の性質や,そこに生長す. う。 (Z=﹂Ddl)瑚i鐘. LO*d"00C¥Ji-HO. 三吉 二 王 言 ∴*蝣 蝣 蝣蝣 二 ∴ 0. N. D 1J. F. m. a. m. j. j. a. s. o. 91. n. d 'j. f. m. a. m. j. j. 1992. a. S. 0. 蝣 a N T- D I '- J r F M t-A I M r J. 1993. 図8両水中のS04'とN03 ̄降下量の変化(兵庫教育大学屋上).
(7) 酸性雨と風成塵. 91. 図9社町における森林土壌のpH値. る植物に影響を与えるとされる(文部省「酸性雨」研究 班, 1990)。 そこで,社町における土壌pHの状況を把握するため に1990年に町内に分布する森林土壌pHを測定した(図 9,田中, 1991)t土壌試料は, 5万分の1地形図に750m 方眼をかけ,-方眼につき1試料を採取するようにした。 ところが町内には水田や畑,工場用地などに利用され,. これに対して,社町の中心部や主要道路沿いではpH が低く,とくに国道175号線372号線,中国自動車道な どに沿って低い地域が分布し,最も低いのは下三草の pH3.5であった。もっとも道路沿いの地域には森林土壌 が欠如した所が多く,土壌試料を採取できなかったため, 図9にはpHが4.0よりも低い地域が連続して表現され ていない。しかし実際はpHの低い地域が連続して分布. 森林が残っていない地域も広いため,町内全域から採取 できず,結局116試料しか採取できなかった。森林下で 採取した表層土壌(010cm)は,室温で乾燥させた後,. するのであろう。これとは逆に道路沿いでpHが高い地 域が認められるのは,農薬,肥料などの影響を受けた可 能性が考えられる。. 109を50mlビーカーに秤取し,蒸留水の懸濁液をガラ ス電極で測定した。. 以上のような測定結果から,森林土壌に与える自動車 の排気ガスの影響をとくに考慮する必要があろう。. これによると東部の平木,清水寺一帯に広がる安山岩 質凝灰岩山地ではpHが5.5-6.0と最も高く,北部流紋. 9まとめ. 岩質溶結凝灰岩山地でもpHが5.0-5.8と高かった。嬉 野台地南部の更新世段丘堆積層分布地域,それに加古川 沿岸の完新世段丘層分布地域もpHが5.0-5.4であっ た。このように人為的な影響の少ない山地や台地の森林 地域や水田地域の森林土壌で高かった。. 以上のような関係を, Ichikawa (1993)を参考にして 図10に表してみた。 日本列島は,風成塵が飛来する地域であるとともに, 近隣で発生する汚染物質に加えて,中国大陸などからの 酸性物質も運ばれて来る地域である。.
(8) 図10中国大陸と日本列島の酸性雨と風成塵. 3年間の雨水測定結果によると, pH5.6以下の酸性雨 が降る頻度は80%である。季節別にみると,風成塵が多 く降下する春から夏にかけてpHは高く,冬に低くなっ ている。それは,春から夏にかけては中国内陸部の乾燥 地域から偏西風にのってやって来る風成塵中のカルサイ トが酸性物質を中和するのに対して,冬は寒帯前線 ジェット気流にのって中国東北部などから中和能を超え た酸性物質が日本にもたらされるからではないだろう か。 東アジアでは,年々,カルサイトの中和能を超えた酸 性雨が確実に多くなっており,酸性降下物が,比較的疲 衝能の高いといわれる土壌にも影響を及ぼすことが危倶 されている。社町では人為的な影響の比較的少ない山地 や台地の森林土壌でpHが5以上であるが,主な道路沿 いの森林土壌にはpHが低い地域が多く,自動車の排気 ガスなどによって土壌酸性化が進んでいると考えられ る。 a nn^o 井上克弘・成瀬敏郎(1990) :日本海沿岸の土壌および古土 壌中に堆積したアジア大陸起源の広域風成塵.第四紀研究, 29, pp.209-222.. 井上克弘・吉田稔(1990) :広域風成塵および土壌による 酸性雨の中和機構. 『人間環境系』研究報告集 GO28-Nlト01, pp.97-112. 井上克弘・張-飛・成瀬敏郎(1994) :東アジアにおける 雨水の水質に及ぼす広域風成塵の影響.日本土壌肥料学雑 誌65, pp.619-628. 田中裕貴(1991) :社町の土壌pHについて.兵庫教育大学 卒論, 42頁. 中国環境科学学会編(1989) :酸雨文集』中国環境科学出 版社494頁. 成瀬敏郎(1989) :加東台地の地形・地下水と環境保全.兵 庫教育大学地理学研究室編r加東台地の開発と地域変容』. pp.50-90.. 成瀬敏郎(1993) :東アジアにおける最終間氷期以降の広域 風成塵の堆積量変化.地形, 14, pp.265-277. 成瀬敏郎・横山勝三・柳精司(1994) :シラス台地上のレ ス質土壌とその堆積環境.地理科学49, pp.76-84. 福岡義隆(1992) :中国四川省重慶市における酸性雨と気候 風土.日中地理会議講演要旨. 湊正雄監修(1977) :日本の自然』平凡社, 223頁. 村野健太郎(1993) :酸性雨と酸性霧』裳華房, 179頁. 文部省「人間環境系」重点頚城研究Nlト01 「酸性雨」研究 班(1990) :酸性雨が陸城生態系におよはす影響の事前評 価とそれに基づく対策の検討. 「人間環境系」研究報告集, G028-Nlト01, 218頁. Galloway,, J.N., Zhao, D., Xiaong, ]. and Kikens, G.E. (1987): Acid rain: China, United States, and a remort area. Science, 236, pp. 1559-1563. Ichikawa, M. (1993): Effects of acid rain on terrestrial water, vegetation , and soils. Journal of Environmental Hydrology, 1 , pp.3-8. Inoue, K. and Naruse, T. (1991) : Accumulation of Asian longTange eolian dust in Japan and Korea from the late Pleistocene to the Holocene. Catena Supplement, 20, pp.25-42. Likens, ;G.A. (1982) : Chemical and engineering news, Nov.22, 1976. American Chemical Society, 50, pp.29-44..
(9) 酸性雨と風成塵. 93. A relation between acid rain and eohan dust. Toshiro Naruse. Forty-four rainwater samples were collected from October, 1990 to June, 1993 on the roof of seven stories building at Hyogo University of Teacher Education, Yashiro, central Japan. Rainwater samples were gathered periodically for three or five weeks in two polyethylene containers having a diameter of 30 cm. About eighty percent rainwater samples were acid rain more than pH 5.6. From December to January in the winter season, pH values of rainwater were low. Rains in the winter season were contaminated by the pollutant materials derived from the heavy industrial areas in the northeast China by the polar front jet stream as well as the neighborhood of Japan. PH values were high relatively during the spring and autumn seasons. In these seasons, eolian dust comes flying frequently from the arid and semi-arid areas in the Asia continent by the subtropical jet stream. Eolian dust accumulated 4.1 1!km per year and increases most from April to May in Yashiro. Eolian dust contains CaO of about 1 to 2 percent in Japan. The amount of Ca dessolved in rainwater was significantly correlated with the amount of < 20/um eolian dust in rainwater. CaO contents of the eolian dust in Yashiro were lower than these of China, and show a yearly decrease in Japan. Decreasing of CaO contents shows that CaO of the eohan dust was consumed to neutralyze acidic components in the troposhere in transit from the Asian continent to Japan. The red-yellow soils and the brown forest soils distribute in Yashiro. Soil pH values of forest areas were normal level more than 5.0 respectively. Soil pH values contaminated with the car exhaust gases along the roads were low..
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