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蓋を含めた紙製ヨーグルト・カップのLCA

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Academic year: 2021

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第 7 回日本LCA学会研究発表会講演要旨集(2012 年3月)

- 76 -

C1-08

蓋を含めた紙製ヨーグルト・カップの

LCA

LCA of paper cups for yogurt, including the lid

○有間俊彦*1)、吉田伸二2)、鈴木一人3), 長谷川浩4), 山本敏克5), 中川善博6), 石井謙二7), 伊坪徳宏8)

Toshihiko Arima, Shinji Yoshida, Kazuhito Suzuki, Hiroshi Hasegawa, Toshikatsu Yamamoto, Yoshihiro Nakagawa, Kenji Ishii and Norihiro Itsubo

1)アルファ総合計画研究所, 2)印刷工業会, 3)四国パック, 4)大日本印刷, 5)東罐興業, 6)凸版印刷, 7)日本デキシー 8)東京都市大学 *[email protected] 1. はじめに ヨーグルト・カップの蓋材にはアルミニウムが使用さ れている。紙カップ分科会では紙製ヨーグルト・カップ 本体のLCI を実施した1)が、今回はこのアルミ製蓋材を 含めたLCA を行った。蓋材製造においては、印刷やラミ ネート加工の際に溶剤を使用しており、排出される溶剤 は工場内で焼却されたり、再生溶剤として再利用された りする。溶剤の処理の仕方によって環境負荷がどのよう に変わるのかについても検討を行った。 2. 調査方法 原紙製造、容器製造及び国内輸送は一次データ、それ 以外は二次データを使用した。収集した紙カップメーカ ー5 社のデータは生産重量に応じて加重平均した。二次デ ータとして LCA 日本フォーラムのデータベース、及び IDEA を使用し、環境影響評価係数として LIME2 を利用 した2)。 3. 紙製ヨーグルト・カップの LCA 3.1 CO2排出量 全体としてみると蓋材よりも本体の方がCO2排出量が 多い。内訳を見ると容器製造や原紙製造における排出量 が多い。これらは主にエネルギー消費に由来している。 図1 ヨーグルトカップ製造における CO2排出量 3.2 環境影響評価(統合化) 統合化で見ると本体より蓋材の方が環境負荷が大きい。 特に大きいのは素材製造のうちアルミ箔製造である。 図2 ヨーグルトカップのLCA(統合化・プロセスごと) 物質ごとに見ると全体では SO2, CO2, 産廃による環境 負荷が大きい。本体だけで見るとCO2, SO2, MEK(メチル エチルケトン)の負荷が大きい。CO2は容器製造や原紙製 造におけるエネルギーに、SO2はチップ等の海上輸送、 MEK は溶剤に由来する割合が高い。蓋材だけで見ると、 SO2, 産廃, CO2の環境負荷が大きい。SO2, 産廃とも主に アルミ箔製造に由来する。特にアルミ新地金を海外から 輸入している関係で、原産国のエネルギー源構成が SO2 排出量の多さに影響している。 図3 ヨーグルトカップのLCA(特性化・物質ごと) 4. 感度分析 4.1 考え方 蓋材製造において使用した溶剤のうち、「印刷用」溶剤 は工場内で焼却処理(都市ガス代替として利用される) され、ラミネート加工用は蒸留した上で再生溶剤として 利用されている。使用済み溶剤のこうした処理方法を変 えた場合に環境負荷がどのように変わるかについて、感 度分析を行った。設定したシナリオは以下のようになる。 0.00E+00 5.00E-03 1.00E-02 1.50E-02 2.00E-02 2.50E-02 3.00E-02 本体 蓋材 合計 [ 単位: kg ] 輸送 廃棄リサイクル 容器製造 素材(その他) AL箔製造 原紙製造 -5.00E-02 0.00E+00 5.00E-02 1.00E-01 1.50E-01 2.00E-01 2.50E-01 3.00E-01 3.50E-01 本体 蓋材 合計 [ 単位: 円] 輸送 廃棄リサイクル 容器製造 素材(その他) AL箔製造 原紙製造 0.00E+00 5.00E-02 1.00E-01 1.50E-01 2.00E-01 2.50E-01 3.00E-01 3.50E-01 本体 蓋材 合計 [ 単位: 円] 酢酸エチル NOx 原油 MEK PM10 産廃(種類不明) CO2 SO2 1.80E-02 9.41E-03 2.74E-02 1.35E-01 1.70E-01 3.05E-01

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第 7 回日本LCA学会研究発表会講演要旨集(2012 年3月)

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蓋を含めた紙製ヨーグルト・カップの

LCA

LCA of paper cups for yogurt, including the lid

○有間俊彦*1)、吉田伸二2)、鈴木一人3), 長谷川浩4), 山本敏克5), 中川善博6), 石井謙二7), 伊坪徳宏8)

Toshihiko Arima, Shinji Yoshida, Kazuhito Suzuki, Hiroshi Hasegawa, Toshikatsu Yamamoto, Yoshihiro Nakagawa, Kenji Ishii and Norihiro Itsubo

1)アルファ総合計画研究所, 2)印刷工業会, 3)四国パック, 4)大日本印刷, 5)東罐興業, 6)凸版印刷, 7)日本デキシー 8)東京都市大学 *[email protected] 1. はじめに ヨーグルト・カップの蓋材にはアルミニウムが使用さ れている。紙カップ分科会では紙製ヨーグルト・カップ 本体のLCI を実施した1)が、今回はこのアルミ製蓋材を 含めたLCA を行った。蓋材製造においては、印刷やラミ ネート加工の際に溶剤を使用しており、排出される溶剤 は工場内で焼却されたり、再生溶剤として再利用された りする。溶剤の処理の仕方によって環境負荷がどのよう に変わるのかについても検討を行った。 2. 調査方法 原紙製造、容器製造及び国内輸送は一次データ、それ 以外は二次データを使用した。収集した紙カップメーカ ー5 社のデータは生産重量に応じて加重平均した。二次デ ータとして LCA 日本フォーラムのデータベース、及び IDEA を使用し、環境影響評価係数として LIME2 を利用 した2)。 3. 紙製ヨーグルト・カップの LCA 3.1 CO2排出量 全体としてみると蓋材よりも本体の方がCO2排出量が 多い。内訳を見ると容器製造や原紙製造における排出量 が多い。これらは主にエネルギー消費に由来している。 図1 ヨーグルトカップ製造における CO2排出量 3.2 環境影響評価(統合化) 統合化で見ると本体より蓋材の方が環境負荷が大きい。 特に大きいのは素材製造のうちアルミ箔製造である。 図2 ヨーグルトカップのLCA(統合化・プロセスごと) 物質ごとに見ると全体では SO2, CO2, 産廃による環境 負荷が大きい。本体だけで見るとCO2, SO2, MEK(メチル エチルケトン)の負荷が大きい。CO2は容器製造や原紙製 造におけるエネルギーに、SO2はチップ等の海上輸送、 MEK は溶剤に由来する割合が高い。蓋材だけで見ると、 SO2, 産廃, CO2の環境負荷が大きい。SO2, 産廃とも主に アルミ箔製造に由来する。特にアルミ新地金を海外から 輸入している関係で、原産国のエネルギー源構成がSO2 排出量の多さに影響している。 図3 ヨーグルトカップのLCA(特性化・物質ごと) 4. 感度分析 4.1 考え方 蓋材製造において使用した溶剤のうち、「印刷用」溶剤 は工場内で焼却処理(都市ガス代替として利用される) され、ラミネート加工用は蒸留した上で再生溶剤として 利用されている。使用済み溶剤のこうした処理方法を変 えた場合に環境負荷がどのように変わるかについて、感 度分析を行った。設定したシナリオは以下のようになる。 0.00E+00 5.00E-03 1.00E-02 1.50E-02 2.00E-02 2.50E-02 3.00E-02 本体 蓋材 合計 [ 単位: kg ] 輸送 廃棄リサイクル 容器製造 素材(その他) AL箔製造 原紙製造 -5.00E-02 0.00E+00 5.00E-02 1.00E-01 1.50E-01 2.00E-01 2.50E-01 3.00E-01 3.50E-01 本体 蓋材 合計 [ 単位: 円] 輸送 廃棄リサイクル 容器製造 素材(その他) AL箔製造 原紙製造 0.00E+00 5.00E-02 1.00E-01 1.50E-01 2.00E-01 2.50E-01 3.00E-01 3.50E-01 本体 蓋材 合計 [ 単位: 円] 酢酸エチル NOx 原油 MEK PM10 産廃(種類不明) CO2 SO2 1.80E-02 9.41E-03 2.74E-02 1.35E-01 1.70E-01 3.05E-01 表1 感度分析におけるシナリオ設定 A B C(現状) D 印刷用 未回収 焼却 蒸留 100% 10% 90% 10% 90% 20% 80% ラミ用 未回収 焼却 蒸留 100% 10% 90% 20% 80% 20% 80% 4.2 結果 溶剤処理による環境負荷と環境負荷削減効果は以下の ようになる。溶剤を焼却することによって、溶剤由来の CO2が発生することによる環境負荷がある。その一方で、 焼却熱が都市ガスに代替されることによる環境負荷削減 効果もある。蒸留・リサイクルする場合には、新品溶剤 に代替されることによる環境負荷削減効果がある一方で、 溶剤焼却時の都市ガス代替分がなくなることから新たに 都市ガスが必要となり、その分の環境負荷が発生する。 こうした環境負荷の違いをシナリオ C(現状)を基準に 比較すると、図4 のようになる。 4 処理方法を変えることによる CO2排出量の増減 統合化で比較すると、溶剤を回収しないシナリオA の 環境負荷が最も大きい。これを除く3 つのシナリオの差 は非常に小さなもので、B(全焼却), C(現状), D(全 蒸留)の順に環境負荷が小さくなる。 図5 シナリオ間比較(統合化) 環境負荷の内訳を特性化で見ると、以下のことが分か る。 地球温暖化ではシナリオB の値が最も大きい。これは、 使用済み溶剤を焼却することにより、溶剤由来のCO2が 発生することと関係している。 図6 シナリオ間比較(特性化・地球温暖化) 光化学オキシダントではシナリオA が最大であるが、 これを除くとシナリオD の環境負荷が大きい。使用済み 溶剤を焼却する際には10%が未回収となるのに対し、蒸 留・リサイクルする際には未回収の割合が20%となって しまうことが要因である。 図7 シナリオ間比較(特性化・光化学オキシダント) 5. おわりに 蓋を含めた紙製ヨーグルト・カップのLCA では、CO2 排出量のみに着目すると容器本体の方が環境負荷が大き い。しかしながら、統合化の結果を見ると容器本体より も蓋材の方が環境負荷が大きい。これは蓋材にアルミが 使用されていることによるもので、少なくとも蓋材に関 しては製造工程での環境負荷削減余地は小さい。 蓋材製造工程内の使用済み溶剤の処理方法として、焼 却処理と蒸留・リサイクルがある。地球温暖化に着目す れば焼却の方が環境負荷が大きく、光化学オキシダント に着目すれば焼却する方が環境負荷が小さい。統合化に よって環境負荷全体をみた場合にはシナリオ間の違いは 殆どない。僅かの差の中で環境負荷が最小となるのは、 蒸留・リサイクルするケースである。 ただ、これらの違いは溶剤処理に当たって回収しきれ ない割合がどれだけであるかということに影響される。 こうした点に注意が必要である。 参考文献 1) 有間俊彦ほか, 日本 LCA 学会, 東京, (2010), pp.72-73 2) LCA 日本フォーラム, インパクト係数概要, <http://lca-forum.org/database/> (参照 2011-12-16) 0.00E+00 5.00E-02 1.00E-01 1.50E-01 2.00E-01 2.50E-01 A B C D [ 単位: 円] 富栄養化 有害化学物質 生態毒性 光化学オキシダント 資源消費 酸性化 地球温暖化 廃棄物 都市域大気汚染 0.00E+00 2.00E-03 4.00E-03 6.00E-03 8.00E-03 1.00E-02 1.20E-02 A B C D CH4 N2O CO2 0.00E+00 5.00E-06 1.00E-05 1.50E-05 2.00E-05 2.50E-05 3.00E-05 3.50E-05 A B C D IPA MEK 酢酸エチル -8.00E-04 -6.00E-04 -4.00E-04 -2.00E-04 0.00E+00 2.00E-04 4.00E-04 6.00E-04 8.00E-04 A B C D [ 単位: kg ] 溶剤製造 都市ガス代替 溶剤由来 1.71E-01 1.63E-04 3.27E-04 -3.44E-04 1.91E-01 1.70E-01 1.69E-01 9.99E-03

9.84E-03 9.66E-03 9.30E-03

3.14E-06 3.14E-05

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