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ネットワーク中心性指標を用いた千葉県産業連関構造の分析

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総 合 地 域 研 究 第 8 号   2 0 1 8 年 3 月 85 1 はじめに 本研究の目的は、千葉県産業連関表から質的産業連関構造を抽出し、複数のネットワー ク中心性指標を用いて千葉県の産業間ネットワークの特徴を分析することである。 企業間および産業間の取引ネットワークを通じた結び付きは、経済の生産構造を規定す る重要な要件である。量的な結び付きに関しては、従来から産業連関表による関連効果 (linkage effect)による波及効果の分析を通じて多くの研究が行われてきたが、近年、リー マン・ショックによる倒産の連鎖や、東日本大震災によるサプライチェーン寸断がマクロ 経済の供給サイドに対して大きな影響を与えたことから、産業間ネットワークの質的な構 造の重要性が改めて認識されるようになった。またネットワーク分析の新しい手法および 分析ツールの整備の進展にともない、質的産業連関分析に対してネットワーク分析を応用 し、より詳細な産業間ネットワークの構造特性を明らかにしようとする研究が注目される ようになっている。

質的産業連関分析(Qualitative Input-Output Analysis)は、産業間ネットワークを質的な結

びつきの視点から分析しようとするアプローチである。ここでいう質的とは、産業連関表 の取引量の情報から取引の有無を表す 2 値の関係に粗視化し、産業ネットワークにおける 産業間の相互依存関係を有向グラフによって表すことを意味する。これにより、従来の量 的な波及効果の分析とは異なった、質的な構造の視点から産業ネットワークを分析するこ

とが可能となる。質的産業連関行列を用いた先行研究として Holub and Schnabl(1985)が、

その日本への応用としては朝倉(2006)などがある。また Aroche-Reyes(1996)は、ある種

の感度解析の指標により抽出した質的産業連関ネットワークに、独自のネットワーク中心 性指数(centrality index, CI)を適用し、ネットワーク構造に関する分析を行っている1)。岡

本・桑森(2007)は中国とアジア諸国の産業ネットワークに対して、田村(2013)は情報通 信産業連関表に対してこれらの手法を応用している。 本研究では、平成 23 年度千葉県産業連関表の 13 部門分類および統合大分類(37 部門)に 対して、Aroche-Reyes の方法を用いて千葉県質的産業連関ネットワークを作成する。また PageRank を含む複数のネットワーク中心性指標について比較を行い、千葉県の産業連関ネ ットワークが持つ質的な構造特性について多面的な分析を行う。

ネットワーク中心性指標を用いた

千葉県産業連関構造の分析

[論 文]

八 木 直 人

敬愛大学経済学部准教授

(2)

総 合 地 域 研 究 86 2 質的産業連関分析の手法 2.1 産業連関表の構造 産業連関表は、国内もしくは地域内において一定期間に行われた財・サービスの産業間 取引を行列形式で集計した統計表である。産業連関表は実物面の経済活動を商品の投入構 造と産出構造の両面から捉えたものであるため、産業部門間の投入産出関係を通じたネッ トワーク構造を分析することができる。産業連関表として作成される主な統計表は、取引 基本表・投入係数表・逆行列係数表の形式で構成されている。 まず取引基本表は、産業間の相互取引や産業と家計等の最終需要主体との間の取引に関 して、財・サービスの金額を行列形式で表示したものであり、産業連関表の中核をなすも のである。取引基本表は、一般に表 1 のような構造を持つ。 このうち産業間の中間投入/中間需要の取引のみに注目すると、表を横にみた場合、産 業 i の生産額 xiのうち xijが産業 j への中間投入として需要されたことがわかる。同様に表を 縦にみた場合、産業 j の生産額 xjのうち xjiが産業 i への支払いに充てられたことがわかる。 この中間投入/中間需要の取引を取り出した投入産出行列 は、取引額でみた産業間の取引ネットワークを表している。 次に投入係数表は、取引基本表の中間需要の列部門ごとに、原材料や労働・資本等の投 入額を当該部門の生産額で除して得た係数をまとめた表である。このうち中間投入/中間 需要の部分に着目し、投入係数を aij= xij/xjとすると、投入係数行列 を得る。これは構成比率による投入/産出の関係を表しており、取引額による投入産出行 列とは異なった視点から産業間取引ネットワークを捉えることが可能になる。 逆行列係数は、産業連関を通じて生じる直接・間接の生産波及の大きさを表す係数であ り、ある産業に対する最終需要が 1 単位変化したとき、各産業の生産を最終的にどれだけ 変化させるかを表している。逆行列係数は、以下の手順により投入係数から求められる。 いま生産額のベクトル x、および最終需要のベクトル F を 表 1 産業連関表の基本構造 中間需要 産業1 産業2 ・ 産業n 粗付加価値 生産額 産業1 x11 x21 ・ xn1 V1 x1 産業3 x12 x22 ・ xn2 V2 x2 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 産業n x1n x2n ・ xnn Vn xn F1 F2 ・ Fn x1 x2 ・ xn 最終需要 生産額 中 間 投 入 X x11 x x = ⋮ 1n xnn n1 ⋮ ⋮ … … (3) A a11 a a = ⋮ 1n ann n1 ⋮ ⋮ … … (4)

(3)

共 同 研 究 ネ ッ ト ワ ー ク 中 心 性 指 標 を 用 い た 千 葉 県 産 業 連 関 構 造 の 分 析 87 とし、生産物の需給均衡を行列形式 とすると、生産額 x は一定の条件の下で となる。ここで B =[I − A]− 1の成分 b ijを並べた表が逆行列係数表である。 逆行列 B はレオンチェフ逆行列と呼ばれ、投入係数 A の無限級数の和 に展開することができる。右辺の第 1 項 I は、産業 i に対する需要増が他の産業の生産額の 増加に与える直接効果の大きさを表している。第 2 項以降は、直接効果によって生じた中 間投入の増加が連鎖的な派生需要を生じることによる、各産業への波及効果(間接効果) の大きさを表している。直接効果と間接効果の総和が逆行列係数に相当する。この意味で、 逆行列係数(5)式は、産業間ネットワークを通じた需要変化に対する感応度(degree of sen-sitivity)を表している。 2.2 質的産業連関への粗視化法 本論文では、ネットワーク分析の手法を用いて産業間取引ネットワークの構造を分析す ることを目的とする。ネットワーク分析とは、対象となるネットワーク関係を頂点(ノー ド)の集合 V ={ v1, v2, …, vn}と辺(枝、エッジ)の集合 E ={ e1, e2, …, en}によって構成され るグラフ G =〈V, E 〉によって表し、要素間の関係がどのような構造的特性を持っているか をグラフの構造的指標によって分析する手法である。 グラフは頂点と辺の組のほかに、隣接行列(adjacency matrix) を用いて表すこともできる。隣接行列の(i, j)成分 wijは、ネットワークにおいて頂点 i から 頂点 j への辺の有無を表し、辺があるとき wij= 1、辺がないとき wij= 0 の値をとる。辺に 方向がない無向グラフの場合は wij= wjiとし、隣接行列は対称行列となる。また wijに非負 の実数を代入することで重み付きグラフを表すこともできる。 産業連関表にネットワーク分析の手法を適用するには、産業連関表の表す産業間取引ネ ットワークを隣接行列 W によるグラフとして表す必要がある。重み付きグラフとして分析 を行う場合、投入産出行列(3)式、もしくは投入係数行列(4)式をそのまま隣接行列として x x1 xn = ⋮ , F F1 Fn = ⋮ x =Ax+F B b11 b b=[ I−A] ⋮ 1n bnn n1 ⋮ ⋮ … … (5) −1 x=[ I−A]−1F= BF B I+A1 +A2 +A3 +… = =[ I−A]−1 W w11 w w = ⋮ 1n wnn n1 ⋮ ⋮ … … (6)

(4)

総 合 地 域 研 究 88 用いることができるが、「取引を通じた産業間の結びつき」という視点で産業間ネットワー クをとらえる場合、取引関係の有無に焦点を当てた質的産業連関分析が用いられることが 多い。 質的産業連関分析とは、一定の基準に基づいて産業連関表の取引を重要度によって分け、 重要なものを 1、そうでないものを 0 の二値変数(binary variable)に粗視化することにより、

重要な取引の係数(Important Coefficient, IC)を抽出した隣接行列を産業ネットワークのグ

ラフとして用いる分析方法である。粗視化の基準にはさまざまなものが用いられており、 必ずしも統一的な手法があるわけではないが、大別して取引額を用いるものと、投入係数 行列(4)式を用いるものがある。 取引額を用いた粗視化のうち最も単純なものは、取引額に何らかの閾値を定め、その閾 値より取引額が大きい辺を 1、小さい辺を 0 とするものである。この方法による粗視化は客 観性に欠けるという点で問題が大きいが、簡便なためよく使われている。客観的な基準を 用いて取引額を粗視化する代表的な方法に、Schnabl(1994)によって開発された最小フロ

ー分析(Minimum Flow Analysis)がある。最小フロー分析では階層行列を導入し、最終需 要が与えられたときに生じる生産波及効果の連鎖の過程で、閾値を超える最小限度の取引 額がある成分を抽出し隣接行列を構成する。その他の粗視化として、グラフ理論の最小全 域木(Minimum Spanning Tree)を用いた研究もある(上野他〔2016〕参照)。

本研究では Aroche-Reyes に従い、投入係数を用いる方法を採用する。投入係数行列を用

いる方法は、Sherman and Morrison(1950)による行列の感度解析の方法を投入係数行列 A

およびレオンチェフ逆行列 B =[I − A]− 1に応用したものである。Sherman and Morrison の

公式を用いると、行列 A の逆行列がわかっているときに、「行列 A が少しだけ変化した行列」

の逆行列を計算することができる2)。Schintke and Stäglin(1988)はこの手法を、投入係数

行列 A が少しだけ変化したときの逆行列係数 B =[I − A]− 1による波及効果の感度解析に応

用し、投入係数の変化が当該産業の総産出に p%の影響を与える臨界値 rijの算出式を、以下

のように定式化した。

(7)式は、投入係数行列 A が一定程度変化したとき、レオンチェフ逆行列 B =[I − A]− 1

どれだけ影響を与えるかを判断するものである。(7)式の分母は、Sherman and Morrison

の公式から導出された投入係数 aijの変化に対する感応度を表しており、投入係数 aijが臨界 値 rijより大きく変化した場合、その部門の生産額が p%以上変化することを意味する3)。し たがって投入係数 aijで表される産業 i と産業 j の取引額が大きくなるほど、rijの値は小さく なる。この臨界値 rijに対して閾値 r- を定め、 の基準で隣接行列 W を作成することにより、重要な取引を抽出した産業間取引ネットワー クのグラフを作成することができる。 Aroche-Reyes をはじめとする先行研究では、(7)式において p = 1(1%)とおき、閾値を rij aij max p = = + (7) bj ip 100 bii xi bixj xk k=1, …, n aij 100p bjip+100 xj wij= (8) 1( rij< r ) -0( rij r )

(5)

-共 同 研 究 ネ ッ ト ワ ー ク 中 心 性 指 標 を 用 い た 千 葉 県 産 業 連 関 構 造 の 分 析 89 r- = 20 と設定するものが多い。本研究では先行研究に倣い p = 1 とおき、 および閾値 r- = 20 として粗視化を行うものとする。 2.3 千葉県・質的産業連関表 図 1 は 13 部門分類の投入産出行列から描いた千葉県の投入産出構造を、粗視化せずその まま視覚化したものである4)。産業間の投入産出による内生部門の取引総額は約 20 兆円で ある。部門別にみると、製造業による投入額の取引額が 9 兆円近くに上り、全体の 40%以 上を占めている。このことから、13 部門分類では元になる産業連関表の区分が荒すぎ、粗 視化による情報の劣化が大きすぎると考えられる。産業連関表では、統合中分類(108 部門) や統合小分類(190 部門)が提供されており、一般的に部門数が多いほど粗視化による情報 の劣化は少ないと期待できるものの、部門数が多くなることによって視覚的把握が困難に なる嫌いがある。 そこで本研究では、13 部門分類によって概要を把握したうえで、平成 23 年千葉県産業連 関表・統合大分類(37 部門)をもとに、質的産業連関表によるネットワーク分析を行うこ ととする。図 2 と図 3 は、(9)式の基準によって粗視化した 13 部門分類および統合大分類 (37 部門)の質的産業連関表の取引ネットワークのグラフと隣接行列である。隣接行列は図 1 の成分を強調してある。 rij= (9) 100 bii xi aij bji+100 xj 図 1 千葉県・産業連関表(13部門分類)の投入産出構造(単位:兆円) 金融 保険   運 輸・ 郵便             サービ ス          鉱業 不 動 産     商 業        建 設                        製 造業       電 力 ・ ガ 水 道               情報通信 公 農林 水産 分 類 不 明

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総 合 地 域 研 究 90 3 ネットワーク中心性による分析 3.1 ネットワーク中心性の指標 本節では、ネットワーク中心性の指標を用いて産業間ネットワークの分析を行う。ネッ トワーク中心性とは、ネットワークを構成するグラフの各頂点の特定の基準に基づく重要 度を表す指標である。中心性の値が大きい頂点ほど、ある基準においてネットワーク内に おけるその頂点の重要度が高いことを意味する。その基準の取り方によって中心性の指標 にはさまざまなものがあるが、本研究ではそのうちの代表的なものとして、(a)次数中心性、 (b)近接中心性、(c)媒介中心性、(d)PageRank の 4 種類を扱う。

(a)次数中心性(degree centrality)

次数中心性は、多くの頂点と繋がっている頂点ほど重要であるという基準に基づく指標 である。次数は頂点の持つ枝の数であり、産業 i の次数中心性は、無向グラフの隣接行列の 行和によって求めることができる。 図 2 千葉県・質的産業連関表(13部門分類)の隣接行列(左)およびグラフ(右) 商業 不動産 運輸・郵便 情報通信 公務 サービス 金融・保険 建設 製造業 鉱業 農林 水産業 分類不明 電力・ガス・水道 農林水産業 鉱業 製造業 建設 電力・ガス・水道 商業 金融・保険 不動産 運輸・郵便 情報通信 公務 サービス 分類不明 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 分 類 不 明 サ ー ビ ス 公 務 情 報 通 信 運 輸 ・ 郵 便 不 動 産 金 融 ・ 保 険 商 業 電 力 ・ ガ ス ・ 水 道 建 設 製 造 業 鉱 業 農 林 水 産 業 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 0 1 1 1 0 1 1 0 1 1 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 1 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 1 1 1 0 1 1 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 図 3 千葉県・質的産業連関表(37部門分類)の隣接行列(左)およびグラフ(右) 農林水産業 鉱業 飲食料品 繊維製品 パルプ・紙・木製品 化学製品 石油・石炭製品 プラスチック・ゴム 窯業・土石製品 鉄鋼 非鉄金属 金属製品 はん用機械 生産用機械 業務用機械 電子部品 電気機械 情報・通信機器 輸送機械 その他の製造工業製品 建設 電力・ガス・熱供給 水道 廃棄物処理 商業 金融・保険 不動産 運輸・郵便 情報通信 公務 教育・研究 医療・福祉 その他の非営利団体サービス 対事業所サービス 対個人サービス 事務用品 分類不明 1 0 1 1 1 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 分 類 不 明 事 務 用 品 対 個 人 サ ー ビ ス 対 事 業 所 サ ー ビ ス そ の 他 の 非 営 利 団 体 サ ー ビ ス 医 療 ・ 福 祉 教 育 ・ 研 究 公 務 情 報 通 信 運 輸 ・ 郵 便 不 動 産 金 融 ・ 保 険 商 業 廃 棄 物 処 理 水 道 電 力 ・ ガ ス ・ 熱 供 給 建 設 そ の 他 の 製 造 工 業 製 品 輸 送 機 械 情 報 ・ 通 信 機 器 電 気 機 械 電 子 部 品 業 務 用 機 械 生 産 用 機 械 は ん 用 機 械 金 属 製 品 非 鉄 金 属 鉄 鋼 窯 業 ・ 土 石 製 品 プ ラ ス チ ッ ク ・ ゴ ム 石 油 ・ 石 炭 製 品 化 学 製 品 パ ル プ ・ 紙 ・ 木 製 品 繊 維 製 品 飲 食 料 品 鉱 業 農 林 水 産 業 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 1 1 0 0 1 1 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 1 1 1 1 1 1 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 1 0 1 0 0 1 0 0 1 0 1 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 1 0 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 1 0 1 0 0 1 0 0 1 0 1 1 0 0 1 0 1 0 1 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 1 1 1 1 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1 0 1 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 1 0 0 1 1 1 1 1 1 0 0 0 1 1 0 1 0 0 0 0 1 1 0 1 0 0 0 0 0 1 0 1 1 0 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 0 1 0 1 0 1 1 0 0 0 1 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 1 0 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 1 0 1 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 1 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 0 1 1 0 0 0 1 1 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 1 1 0 1 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 1 0 1 0 0 1 0 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 1 1 1 0 0 1 1 0 1 0 1 1 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 1 1 0 0 0 1 1 1 0 1 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 1 1 1 0 0 0 1 0 0 1 1 1 1 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 1 0 0 0 1 1 0 1 1 1 1 1 1 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 1 1 1 1 0 0 1 1 0 0 0 1 1 1 1 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 分類不明 事務用品 対個人サービス 対事業所サービス その他の非営利団体サービス 医療・福祉 教育・研究 情報通信 公務 不動産 運輸・郵便 金融・保険 商業 廃棄物処理 水道 電力・ガス・熱供給 農林水産業 鉱業 飲食料品 パルプ・紙・木製品 繊維製品 化学製品 石油・石炭製品 プラスチック・ゴム 窯業・土石製品 鉄鋼 非鉄金属 はん用機械 金属製品 生産用機械 業務用機械 電子部品 電気機械 情報・通信機器 輸送機械 その他の 製造工業製品 建設

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共 同 研 究 ネ ッ ト ワ ー ク 中 心 性 指 標 を 用 い た 千 葉 県 産 業 連 関 構 造 の 分 析 91 次数中心性が高い産業は、取引ネットワークのハブの役割を担う産業である。しかしハブ の位置にいたとしても、他の基準から見れば重要度の評価は変わってくる。 (b)近接中心性(closeness centrality) 近接中心性は、他の頂点に対する「近さ」を指標化したもので、自分から他人まで平均 的にどれくらい近いかを重要度の基準とする。産業 i と産業 j の距離を dij=「i と j の間の最 短の辺の数」とすると、産業 i の近接中心性は、産業間の最短距離の平均の逆数 と定義される。近接中心性が高い産業は、産業連関ネットワーク内における他の産業との 距離が全体的に近く、他の産業への影響の及ぶ情報伝播速度が速い産業である。 (c)媒介中心性(betweenness centrality) 媒介中心性は、ネットワーク内の頂点の間を繋ぐ通り道の役割を重要度の基準とするも のである。自分以外の 2 つの頂点の間を最短経路で結んだとき、その頂点を通る最短経路 の数が多いほど重要度が高い。産業 i の媒介中心性は、産業 j と産業 k の最短経路で産業 i を 通るものを g( j, k)i 、j と k の最短経路の数を N( j, k)として によって求める。媒介中心性の高い産業は、その産業を取り除くと取引ネットワークが切 断されてしまうような、ネットワークの中継の要衝の役割を果たす産業である。 (d)PageRank

PageRank は、Google の創設者のうち Sergey Brin と Larry Page によって 1998 年に発明さ

れた、ウェブページの重要度を決定するためのアルゴリズムである5)。PageRank の特徴は、 中心性の高い他の頂点と繋がりがあるほど重要度を高く評価するという基準を採用してい る点であり、(1)頂点 i が受け取るリンクが多い場合、(2)頂点 i が受け取るリンク元の PageRank が高い場合、(3)頂点 i が受け取るリンクがリンク元にとって希少である場合、 それぞれ頂点 i の PageRank が高くなるよう評価する。産業 i の PageRank を Riとすると、ま ず基準(2)により、Riを他の産業の Rjの加重平均として として表し、ウェイト hjiの行列に対して の最大固有値に属する固有ベクトル(R*1… R*n)を各産業の PageRank とする6)。ここで隣 接行列を用いてウェイト hjiを = wij (10) 産業 i の次数中心性=頂点 i につながる辺の数 j=1 n (11) dij 産業 i の近接中心性= (産業数−1) n−1 (産業 i と他産業の距離の総和) nj=1, j≠i = (12) 産業 i の媒介中心性= 産業 i を通る経路数 産業 i を除く産業の組み合わせ n j=1, j≠i j−1 k=1, k≠i(n−1)(n−2) N( j, k) g( j, k)i 2 = hjiRj ただし (13) j=1 n hji=1 Ri j h11 h h (R1…Rn)=(R1…Rn) ⋮ n1 hnn 1n ⋮ ⋮ … … (14)

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と定義すると、右辺第 2 項が他の産業との繋がりを評価する重み付けを意味し、項全体が 基準(3)、項の分子が基準(1)を反映することになる。ここで q はダンピング・ファクター といい、隣接行列が規約でない場合に固有値計算の収束性を確保する係数である。このよ うに PageRank は、ネットワーク内における頂点自身の特性だけでなく、他の頂点の特性 を反映させて重要度を決めていることが特徴であり、他の中心性指標に比べて、ネットワ ークにおける相互依存関係をより強く反映させた中心性指標であるということができる。 3.2 質的産業連関表(13部門分類)における中心性 図 4 は、2 節で求めた質的産業連関表(13 部門分類)について、ネットワーク中心性の値 をグラフの頂点の大きさで表したものである。 次数中心性では、取引額が大きく取引部門数の多い製造業やサービス業の中心性が大き いことがわかる。一方、近接中心性は全部門ともあまり大きな差がなく、これは 13 部門と 総 合 地 域 研 究 92 +(1−q) hji= (15) wjk wji q n n k=1 図 4 千葉県産業連関ネットワーク(13部門)の中心性 商業 不動産 運輸・郵便 情報通信 公務 (d)PageRank サービス 金融・保険 建設 鉱業 農林 水産業 分類不明 電力・ガス・水道 商業 不動産 運輸・郵便 情報通信 公務 (c)媒介中心性 サービス 建設 鉱業 農林 水産業 分類不明 電力・ガス・水道 商業 不動産 運輸・郵便 情報通信 公務 (b)近接中心性 サービス 建設 製造業 鉱業 農林 水産業 分類不明 電力・ガス・水道 商業 不動産 運輸・郵便 情報通信 公務 (a)次数中心性 サービス 建設 製造業 鉱業 農林 水産業 分類不明 電力・ガス・水道 金融・保険 製造業 製造業 金融・保険 金融・保険

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いう頂点の少なさにより部門間の距離に差が出なかったことを反映していると考えられる。 媒介中心性では、他の中心性に比べ金融・保険の値が大きいことが特徴である。図 2 の隣 接行列を見ると、出次数においては金融・保険出次数が 7 と全産業で最も高いと同時に、 入次数の大きい部門である製造業・サービス業に対して辺があるため、各部門の媒介経路 の役割が強くなっていることによる。これに対して PageRank では、金融・保険の値は極 めて小さい。これは金融・保険への入次数が多いという特性によって、かえって PageRank の低い産業からのリンクの影響をマイナスに受けてしまうせいである。 このように中心性指標の特性の違いにより、ネットワーク内における産業の重要度は、 多様な側面から評価が可能であり、ネットワーク分析により産業の役割の多様な側面を抽 出することが可能になることがわかる。 3.3 質的産業連関表・統合大分類(37部門)における中心性 13 部門分類による中心性解析は、部門数が少な過ぎるため部門による統合の影響が大き く、質的産業連関表の作成の際の粗視化によって情報の劣化が大きいと考えられる。そこ でより情報の劣化を少なくするために、統合大分類(37 部門)を用いて分析を行う。 表 2 は、統合大分類の質的産業連関分析による中心性の値を大きい順に並べたものであ る。これをみると、(a)次数中心性、(b)近接中心性、(c)媒介中心性の 3 つは概ね同じよう なランキングになっていることがわかる。この 3 つはどれも対事務所サービスが最も中心 性が高く、続いて運輸・郵便が 2 番目に高いことが共通している。表 3 の相関係数をみて も、この 3 つはそれぞれ高い相関を示している。それに対して(d)PageRank は他の 3 つの 中心性指標と異なるランキングの特徴を示している。医療・福祉は他の指標では中位であ るにもかかわらず、PageRank では最も中心性が高い。これは医療・福祉への入次数が 16 と全体の 6 番目に多いうえに、他の入次数の多い対個人サービス、建設、運輸・郵便など の部門からの枝を多く受け取っているからである。 次に、全国産業連関表との比較によって、千葉県の産業連関ネットワークの中心性指標 の特徴を分析する。全国においても平成 23 年産業連関表・統合大分類(37 部門)を用いて、 質的産業連関ネットワークの隣接行列を作成し、同様に中心性指標を求めた。図 6 は、各 中心性指標について全国産業連関表の値を横軸に、千葉県産業連関表の値を縦軸に取り、 全国に対して千葉県の中心性指標の特徴を比較したものである。点が 45 度線よりも上側の 領域は、全国に比べて千葉県の中心性の値が大きいことを表している。反対に 45 度線より も下の領域は、全国に比べて値が小さいことを表している。 次数中心性は概ね 45 度線上に並んでおり、全国と千葉県の相違は少ない。また最小値か ら最大値にかけて一様に分布していることが特徴である。近接中心性も次数中心性と同様 の傾向が伺えるが、全体の値のばらつきは次数中心性に比べて小さい。一方、媒介中心性 と PageRank は、全国と千葉県の値の相関が小さく、また値がとびぬけて大きい産業もあ る。媒介中心性では「対事務所サービス」の値が全国・千葉県ともに高い。PageRank では 特に「医療福祉」の値が高く、前述の特徴は千葉県のみならず全国的な特徴であったこと がわかる。 個別の産業の全国との比較を見ると、「鉄鋼」がすべての中心性指標において対全国比が 1 を上回っており、千葉県において相対的な重要性を持っているといえる。一方、「輸送機 械」についてはすべての指標で全国の値を下回っており、相対的に千葉県における重要性 共 同 研 究 ネ ッ ト ワ ー ク 中 心 性 指 標 を 用 い た 千 葉 県 産 業 連 関 構 造 の 分 析 93

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総 合 地 域 研 究 94 表 2 千葉県各産業(37部門分類)の中心性ランキング (a)次数中心性 対事業所サービス 運輸・郵便 商業 繊維製品 その他の製造工業製品 パルプ・紙・木製品 化学製品 建設 非鉄金属 対個人サービス プラスチック・ゴム 鉄鋼 電力・ガス・熱供給 情報通信 事務用品 飲食料品 医療・福祉 金融・保険 分類不明 公務 教育・研究 電子部品 水道 鉱業 金属製品 その他の非営利団体サービス 窯業・土石製品 石油・石炭製品 業務用機械 電気機械 農林水産業 生産用機械 廃棄物処理 不動産 はん用機械 輸送機械 情報・通信機器 31 28 24 23 23 21 20 20 19 19 18 18 18 18 17 16 16 15 15 14 13 12 12 11 11 11 10 9 9 9 8 8 8 7 6 6 5 (b)近接中心性 対事業所サービス 運輸・郵便 繊維製品 商業 パルプ・紙・木製品 その他の製造工業製品 建設 化学製品 対個人サービス 非鉄金属 鉄鋼 事務用品 プラスチック・ゴム 電力・ガス・熱供給 情報通信 医療・福祉 飲食料品 分類不明 金融・保険 公務 教育・研究 金属製品 水道 その他の非営利団体サービス 電子部品 鉱業 窯業・土石製品 業務用機械 生産用機械 不動産 電気機械 輸送機械 農林水産業 廃棄物処理 情報・通信機器 はん用機械 石油・石炭製品 0.023 0.021 0.020 0.020 0.020 0.020 0.019 0.019 0.019 0.019 0.018 0.018 0.018 0.018 0.018 0.018 0.018 0.018 0.017 0.017 0.017 0.016 0.016 0.016 0.016 0.016 0.016 0.016 0.015 0.015 0.015 0.015 0.015 0.015 0.014 0.014 0.014 (c)媒介中心性 対事業所サービス 運輸・郵便 建設 非鉄金属 繊維製品 化学製品 鉄鋼 商業 パルプ・紙・木製品 対個人サービス 公務 その他の製造工業製品 プラスチック・ゴム 分類不明 電力・ガス・熱供給 医療・福祉 飲食料品 事務用品 電子部品 教育・研究 情報通信 金属製品 業務用機械 水道 生産用機械 金融・保険 鉱業 電気機械 輸送機械 窯業・土石製品 その他の非営利団体サービス 廃棄物処理 はん用機械 情報・通信機器 農林水産業 石油・石炭製品 不動産 71.218 34.545 30.972 30.255 22.237 20.344 19.113 18.468 16.450 16.362 15.195 14.924 14.905 9.708 9.595 9.100 7.847 7.706 7.336 6.417 4.564 4.360 3.786 3.781 3.342 3.323 3.049 2.434 2.371 2.188 1.680 1.252 0.660 0.656 0.576 0.196 0.083 (d)PageRank 医療・福祉 対個人サービス 対事業所サービス 運輸・郵便 商業 電力・ガス・熱供給 建設 飲食料品 化学製品 農林水産業 鉄鋼 不動産 分類不明 公務 生産用機械 石油・石炭製品 鉱業 プラスチック・ゴム 情報通信 電子部品 教育・研究 金融・保険 金属製品 その他の製造工業製品 電気機械 業務用機械 情報・通信機器 輸送機械 非鉄金属 パルプ・紙・木製品 窯業・土石製品 事務用品 はん用機械 水道 その他の非営利団体サービス 繊維製品 廃棄物処理 0.102 0.076 0.055 0.054 0.048 0.048 0.047 0.046 0.043 0.042 0.041 0.034 0.031 0.029 0.023 0.022 0.021 0.020 0.018 0.017 0.017 0.016 0.016 0.013 0.012 0.011 0.011 0.010 0.010 0.010 0.010 0.009 0.009 0.008 0.007 0.006 0.006

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共 同 研 究 ネ ッ ト ワ ー ク 中 心 性 指 標 を 用 い た 千 葉 県 産 業 連 関 構 造 の 分 析 95 表 3 中心性指標間の相関係数 次数中心性 次数中心性 1 近接中心性 0.9825 1 媒介中心性 0.8336 0.8455 1 PageRank 0.4158 0.4105 0.3840 1 近接中心性 媒介中心性 PageRank 図 5 千葉県産業連関ネットワーク(37部門)の中心性指標 (d)PageRank (c)媒介中心性 (b)近接中心性 (a)次数中心性 分類不明 事務用品 対個人サービス 対事業所サービス その他の非営利団体サービス 医療・福祉 教育・研究 公務 金融・保険 商業 廃棄物処理 水道 電力・ガス・熱供給 農林水産業 鉱業 飲食料品 パルプ・紙・木製品 繊維製品 化学製品 石油・石炭製品 プラスチック・ゴム 窯業・土石製品 鉄鋼 非鉄金属 はん用機械 金属製品 生産用機械 業務用機械 電子部品 電気機械 情報・通信機器 輸送機械 その他の 製造工業製品 建設 分類不明 事務用品 対個人サービス 対事業所サービス その他の非営利団体サービス 医療・福祉 教育・研究 公務 金融・保険 商業 廃棄物処理 水道 電力・ガス・熱供給 農林水産業 鉱業 飲食料品 パルプ・紙・木製品 繊維製品 化学製品 石油・石炭製品 プラスチック・ゴム 窯業・土石製品 鉄鋼 非鉄金属 はん用機械 金属製品 生産用機械 業務用機械 電子部品 電気機械 情報・通信機器 輸送機械 その他の 製造工業製品 建設 分類不明 事務用品 対個人サービス 対事業所サービス その他の非営利団体サービス 医療・福祉 教育・研究 公務 金融・保険 商業 廃棄物処理 水道 電力・ガス・熱供給 農林水産業 鉱業 飲食料品 パルプ・紙・木製品 繊維製品 化学製品 石油・石炭製品 プラスチック・ゴム 窯業・土石製品 鉄鋼 非鉄金属 はん用機械 金属製品 生産用機械 業務用機械 電子部品 電気機械 情報・通信機器 輸送機械 その他の 製造工業製品 建設 分類不明 事務用品 対個人サービス 対事業所サービス その他の非営利団体サービス 医療・福祉 教育・研究 情報通信 公務 金融・保険 商業 廃棄物処理 水道 電力・ガス・熱供給 農林水産業 鉱業 飲食料品 パルプ・紙・木製品 繊維製品 化学製品 石油・石炭製品 プラスチック・ゴム 窯業・土石製品 鉄鋼 非鉄金属 はん用機械 金属製品 生産用機械 業務用機械 電子部品 電気機械 情報・通信機器 輸送機械 その他の 製造工業製品 建設 不動産 運輸・郵便 情報通信 不動産 運輸・郵便 情報通信 不動産 運輸・郵便 情報通信 不動産 運輸・郵便

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の低い産業であるといえる。同様に「電力・ガス・熱供給」も次数・近接・媒介中心性の 3 指標において対全国比が 1 を下回っているが、PageRank は 1 を上回っている。したがっ て 3 指標でみた重要性は全国比でみて低いものの、他の重要な産業との結びつきを評価し た場合の重要性は全国比でみて高い産業といえる。 4 おわりに 本研究では、投入係数の変化による感応度に基づく許容限界を用いて千葉県産業連関表 を粗視化し、千葉県の産業間取引ネットワークの質的産業連関表を作成した。また産業間 取引ネットワークから各中心性指標の値を求め、全国の値と比較することで千葉県の産業 連関構造の特性を分析した。質的産業連関分析によるネットワーク中心性の指標は、特化 係数などの従来の産業連関表による指標とは異なる産業部門の質的ネットワーク特性を明 らかにするうえで、有益な指標となりうる。 一方、本研究で用いた産業連関表は 13 部門分類および統合大分類(37 部門)であるため 部門数も少なく、部門ごとの規模のばらつきも大きい。したがって粗視化による情報の劣 化の懸念がある。この点については、統合中分類(108 部門)ないしは統合小分類(190 部門) 総 合 地 域 研 究 96 図 6 中心性指標の比較(千葉県/全国) (d)PageRank (c)媒介中心性 (b)近接中心性 (a)次数中心性 80 60 40 20 0 千 葉 県 全 国 対事業所サービス 輸送機械 電力・ガス・熱供給 運輸・郵便 非鉄金属 建設 鉄鋼 化学製品 繊維製品 0 20 40 60 80 0.12 0.08 0.04 0 千 葉 県 全 国 対個人サービス 対事業所サービス 輸送機械 電力・ガス・熱供給 運輸・郵便 情報通信 商業 鉄鋼 化学製品 医療・福祉 繊維製品 0 0.04 0.08 0.12 40 35 30 25 20 15 10 5 0 千 葉 県 全 国 対事業所 サービス 輸送機械 運輸・郵便 鉄鋼 0 5 10 15 20 25 30 35 40 全 国 0.025 0.02 0.015 0.01 千 葉 県 その他の非営利 団体サービス その他の非営利 団体サービス 対事業所サービス 電力・ガス・ 熱供給 情報・通信機器 情報・通信機器 輸送機械 鉄鋼 繊維製品 商業 石油・石炭製品 0.01 0.015 0.02 0.025 電力・ガス・熱供給

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を用いた結果との比較による詳細な検討が必要であろう。さらに、質的産業連関表の作成 に用いた粗視化の許容限界基準(9)式は、唯一の方法というわけではなく、また先行研究 に倣った閾値の設定も検討の余地がある。特に閾値の設定によって作成される質的産業連 関表が変化しうるとすれば、得られた結果について頑健性に疑念が生じることになる。 本研究では、紙面の都合から以上の点について深く検討を行うことができなかった。こ れらについては今後の研究課題としたい。 (注)

1) Aroche-Reyes(1996)では、産業 i の入次数(indegree)を出次数(outdegree)で割った値を centrality index (CI)として、CI が 1 より大きい産業を、相対的に多くの産業に供給するサプライヤーとしての性格を持つ産業

(sink)、CI が 1 より小さい産業を、需要者の性格を持つ産業(source)と呼んでいる。

2) Sherman-Morrison-Woodbury の公式は、A を n × n 行列、B を n × k 行列、C を k × n 行列、D を k × k 行列と するとき、

が成り立つことを保証する。Sherman and Morrison の公式は、k = 1 の場合の特殊ケースである。 3) Aroche-Reyes では tolerable limit(許容限界)と呼んでいる。

4) 描画には統計解析ソフト R の igraph パッケージ、および circlize パッケージを用いた。

5) このような考え方は、Brin と Page の研究以前にも計量書誌学(bibliometrics)の分野や学術文献のインパク ト・ファクターなど、すでに考えられていた。PageRank は Web 検索エンジンのランキングの他にも、病気の原 因遺伝子の推定、特許の順位付け、テニス選手のランキングなどにも用いられている。 6) PageRank は固有ベクトル中心性の一種である。 (参考文献) [1] 朝倉啓一郎(2006)『産業連関計算の新しい展開』九州大学出版会。 [2] 上野雄史・斉藤和巳・沖本まどか(2016)「ネットワーク分析を用いた産業連関表の可視化による主要取引関 係の抽出」行動計量学、第 43 巻第 2 号、197 ―205 頁。 [3] 岡本信広・玉村千治(2005)「東アジアにおける産業集積と中間財の調達・販売ネットワーク」玉村千治編 「東アジア FTA 構想と日中間貿易投資」調査研究報告書、日本貿易振興機構アジア経済研究所、227 ―273 頁。 [4] 岡本信広・桑森啓(2007)「中国とアジア諸国の産業ネットワーク」岡本信広・桑森啓・猪俣哲史編『中国経 済の勃興とアジアの産業再編』日本貿易振興機構アジア経済研究所。 [5] 田村肇(2013)「産業連関表とネットワーク中心性尺度」2013 年度人工知能学会全国大会・論文集。

[6] Aroche-Reyes, F.(1996)“Important Coefficients and Structural Change: A Multi-layer Approach,” Economic

Systems Research, 8(3), 235–246.

[7] Holub, H. W., and Schnabl, H.(1985)“Qualitative input-output analysis and structural information,” Economic

Modelling, 2(1), 67–73.

[8] Schnabl, H.(1994). “The Evolution of Production Structures, Analyzed by a Multi-layer Procedure,” Economic

Systems Research, 6(1), 51–68.

[9] Schintke, J., and Stäglin, R.(1988)“Important Input Coefficients in Market Transactions Tables and Production Flow Tables,” in Ciaschini, Maurizio.(ed.)Input-Output Analysis, Current Development, Routledge: London, 43–60. [10] Sherman, J., and Morrison, W. J.(1950)“Adjustment of an Inverse Matrix Corresponding to a Change in One

Element of a Given Matrix,” Annals of Mathematical Statistics, 21(1), 124–127.

共 同 研 究 ネ ッ ト ワ ー ク 中 心 性 指 標 を 用 い た 千 葉 県 産 業 連 関 構 造 の 分 析 97

(A+BDC)−1=A−1−A−1B(D−1+CA−1B)−1CA−1

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