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2. モルヒネ持続皮下注射216mg/日を使用中に傾眠が出現し24mg/日まで減量した一例(第22回群馬緩和医療研究会)

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第22回群馬緩和医療研究会

日 時:平成 22年 9 月 26日 (日) 10:00∼16:20 場 所:桐生市市民文化会館 小ホール テ ー マ:∼緩和医療 みんなで共有しよう∼「難渋・苦渋した症例」 当番世話人:山部 克己(桐生地域医療組合桐生厚生 合病院) 共 催:群馬緩和医療研究会, ヤンセンファーマ株式会社

一般演題>

1.当院における医療用麻薬性鎮痛薬の 用状況追跡調 査 細谷 潤,根岸 由美,本橋 靖枝 金子 直美,山部 克己 (桐生地域医療組合桐生厚生 合病院 緩和ケアチーム) 【目 的】 がん患者における医療用鎮痛性麻薬の 用 量・期間・種類等をレトロスペクティブに調査し,医療用 麻薬性鎮痛薬が適切 用されていたかを 析する. その 結果を基に, 今後さらに医療用麻薬性鎮痛薬の適性 用 を 推 進 す る. 【方 法】 当 院 に お い て が ん 登 録 さ れ 2007年 12月∼2010年 6月死亡が確認された患者のう ち, 医療用麻薬性鎮痛薬の 用歴と, 開始から死亡まで の 用期間を追跡調査し,外来と入院の 用期間・量・種 類等を比較した. 【抽出・データ処理条件】 当院でが ん登録され 2007年 12月∼2010年 6月末日までに死亡 した (死亡日が明確になっていること)患者のうち,疼痛 コントロール目的にて医療用麻薬性鎮痛薬が 用された 患者∴手術や処置に 用されるオピオイドは除外∴一過 性の呼吸不全に対するモルヒネは除外・レスキューで 用される即効性内服・外用薬は投与日数と関連性がない と えられるため除外. 継続 用している注射薬はカウ ントした. 退院処方は外来で 用されると え, 外来 処方としてカウント 【換算比率】 以下を参 にモルヒ ネ量として換算した・日本医師会監修 2008年度版 が ん緩和ケアガイドブック・がん医療に携わる医師に対す る緩和ケア研修等事業推進委員会編集 緩和ケア研修会 ハ ン ド ブック・デュロ テップ は デュロ テップ 2.5mg= デュロテップ MT4.2で換算 【結 果】 初めて医療用 麻薬性鎮痛薬が 用されてから一週間以内に死亡してい る症例が多かった. 【 察】 医療用麻薬性鎮痛薬を 死亡間際から開始するのではなく, もっと早くから 用 するよう医師・患者に適切な啓蒙活動を行っていくこと が大切であると えられる. 【備 】 今回の発表は 第 3回緩和医療薬学会 (平成 21年度) で発表したデータ にさらに症例を追加し再 析した. 2.モルヒネ持続皮下注射216㎎/日を 用中に傾眠が出 現し24㎎/日まで減量した一例 奥澤 直美,小林 剛,細川 舞 眞中 章弘(独立行政法人 国立病院機構 西群馬病院 疼痛緩和チーム) 【はじめに】 今回, 大量のモルヒネ持続皮下注射 (以下, モヒ CSI) での疼痛コントロール中に傾眠が出現し, モ ヒ CSI 減量後も疼痛が増強しなかった症例を経験した ので報告する. 【症 例】 60歳代 女性 原発不明が ん 多発性骨転移 骨髄癌腫症疑い 腰痛に対して, モ ヒ CSI を開始し 192mg/日まで増量したが, 疼痛コント ロールが図れなかったため, 疼痛緩和チームに依頼が あった. 初回訪問時, 患者は「痛い, 痛い」とうわごとの ように訴えたかと思うと, 突然表情を変え全く違う話を した. 患者は鎮痛薬の効果について「モルヒネは少し効 くが, 一番効くのは 用で 用したボルタレン坐薬」と 話した. そこで主治医と疼痛緩和チームで検討した結果, ① NSAIDsはセレコックス からボルタレン 坐薬へ 変 ,②鎮痛補助薬の追加,③ノバミン の中止,とした. その後, モヒ CSI は 216mg/日まで増量となった. レス キュードーズを 用せずに日常生活が過ごせるまでに疼 痛コントロールが図れたが, 急激な強い傾眠が出現した. モルヒネの過量投与を疑い, モヒ CSI を 24mg/日まで減 量した. 疼痛の増強はなく, 傾眠は消失した. 痛みが強 かった時の患者の記憶は「ズキンズキンという痛みは覚 えている. 痛くて痛くてしょうがなかった. 夢の中にい るようだった. 生きた心地がしなかった. 痛くて何も えられなかった.」と話した. 【 察】 モルヒネ持続皮 下注射 216mg/日を 用中に傾眠が出現し, 24mg/日まで 減量した症例を経験した. この患者の疼痛治療を振り返 り, 疼痛の原因や薬物療法などを 察する. 83 Kitakanto Med J 2011;61:83∼91

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3.オピオイドローテーションに苦渋した一例 西沢 綾華,関根 直子,増山 佳美 根岸美由紀,三田かおり,保泉 里美 (医療法人鶴谷会鶴谷病院 第一病棟) 【はじめに】 高用量のモルヒネ持続皮下注による疼痛コ ントロールをしていた患者に対してオピオイドローテー ションを実施することになった. しかし, 実施前から患 者の訴えは曖昧であった為にコントロールに苦渋した. 今回はその経過をまとめ, ここに報告する. 【事例紹介】 A 氏 57歳男性 直腸がん (肺・肝転移) ストーマ造設 後 膀胱直腸瘻にてストーマからも尿の排泄あり. 痛み や不安の訴えが強く家族が付き添いで看病していた. 状 態が落ち着けば在宅移行も 検 討 し て い た. 【経 過】 当院入院前より塩酸モルヒネ 800mg+生食 28ml持続皮 下注を行っていた. 入院時より A 氏は体に触れるのも痛 がりケアを拒否することがあったが, 訴えははっきりと せず痛みを評価するのが困難ではあった. また A 氏は傾 眠傾向でもあったことから, オピオイドが適した量では ないのかと疑問を抱き, コントロールしなおすことと なった. 平成 21年 7月 12日∼7月 31日にかけて①モル ヒネの減量②デュロテップ MT パッチ への移行 ( 互 貼付) ③鎮痛補助薬の併用を実施した (スライド参照). コントロールが軌道に乗るまでは A 氏の痛みの訴えは 多く, 以前から麻薬 (レスキューのオプソ ) であれば受 け入れるような傾向にあった. しかし徐々に開眼してい る時間が長くなり, 発語も以前は不明瞭であったが聞き 取れるようになり傾眠状態は改善され て い た. ま た, デュロテップ MT パッチ へ完全移行後もレスキュー の 用回数が少なくなった. その後, 徐々に全身状態悪 化しオピオイドローテーション開始から約 1カ月後に永 眠された. 【 察】 今回のオピオイドローテーショ ンにより短い期間であったが, 疼痛コントロールを行う ことができた. また, オピオイドの他にも鎮痛補助薬と の併用によりコントロールが行え, 有用であることを再 認識した. 患者の訴えは多様であり, たとえ同じ痛みで あっても訴え方・感じ方は違うためマニュアル通りには いかないこともあると感じると同時に, ニーズをしっか りとキャッチし一人ひとりに合った疼痛緩和を今後も実 施していけるようにしたい. 4.かんわ支援チームの介入を中止した事例の検討 田中 俊行,春山 幸子,久保ひかり 小保方 馨,土屋 道代,中井 正江 須藤 弥生,町田 裕子,春山 滋里 鈴木 大介,林 昌子,山本 淳子 岩田かをる,阿部 毅彦 (前橋赤十字病院 かんわ支援チーム) 【目 的】 2005年 4月に「かんわ支援チーム (以下,チー ム)」を立ち上げ,現在まで 5年間活動してきた.主治医か ら依頼のあった患者 (家族) が了解すれば,基本的に退院 まで主治医と一緒に患者を支援していく. しかし, チー ムの介入を途中で中止することがある. 中止の理由およ び そ の 対 策 を 検 討 し た. 【結 果】 2006年 4月 か ら 2010年 3月 ま で の 4年 間, チーム が 介 入 し た 患 者 は 1,088名であった. その期間に, 介入して中止となった患 者は 66名で, 平 年齢は 63歳であった. 年度別にみる と,2006年度∼2009 年度にかけて中止患者は,22,21,13, 10名で, 年々減少傾向にあった. 関与日数はそれぞれ 10, 26,3,13日で,介入初日で中止した患者数は,6,2,8,2名 であった. 診療科別は, 中止の患者数/4年間の依頼患者 数」の割合でみると, 皮膚科 3名で 60%であった. その 他, 婦人科 14名 (19%), 血液内科 5名 (14%), 耳鼻咽喉 科 4名 (11%)であった.一番依頼の多い消化器内外科は 22名 (3%) であった. 中止の 内 容 は 多 岐 に わ た る が, チームがいらない」が 8, 12, 6, 7名で, 中止患者数に対 する割合の 4年間の平 は 50%であった. その内訳とし て, 症状が緩和したため中止となった患者が, 中止患者 全体の 15%, 緩和医療に対する誤解や医療用麻薬の受け 入れができない, チームの介入を必要としないなどが 35%を占めた. また, 術前からの介入で手術後の介入を 中止した患者が 17%であった. 【まとめ】 中止の理由 は, ① 32% : 症状が改善した. 手術前の痛みやスピリ チュアルな痛みがあったが改善した. ② 48% : チームや 医療用麻薬に対する抵抗感, 緩和医療に対する誤解が あった. ③ 5% : 経済的問題があった. ④ 15% : チーム でなく専門的な精神科治療が必要であった. 他病状で意 思疎通が困難であった. 意識レベルがすでに非常に悪い 状態であった. の 4つに 類した場合, ②と③について は, 改善の余地がある. ④については, 介入方法 (例えば 家族ケアなど) について検討していくべきであろう. 【結 語】 年々中止が減少してきていることから, チー ムに柔軟性がでてきたことや, 緩和医療に対する患者説 明や病院内での運営が円滑に行えるようになってきたこ とが えられる. 第 22回群馬緩和医療研究会 84

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