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JAIST Repository: 電子オンリー素子を用いた逆型有機薄膜太陽電池における光照射効果の研究

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Academic year: 2021

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Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 電子オンリー素子を用いた逆型有機薄膜太陽電池にお ける光照射効果の研究 Author(s) 内田, 崇 Citation Issue Date 2014-03

Type Thesis or Dissertation Text version none

URL http://hdl.handle.net/10119/11941 Rights

Description Supervisor:村田英幸, マテリアルサイエンス研究科, 修士

(2)

Fig. 1. 1/R の光照射時間依存性

電子オンリー素子を用いた逆型有機薄膜太陽電池における光照射効果の研究

内田 崇(村田研究室)

【はじめに】 逆型構造の有機薄膜太陽電池では、陰極に安定な ITO/TiOX電極を、陽極に Au や Ag などの仕事関数 の高い電極を用いるため、電極の酸化が抑制され耐久性を向上させることができる。しかし、逆型構造 の有機薄膜太陽電池では、光の照射時間に依存して変換効率が変化する現象 (Light soaking effect : LSE)

が観測される[1]。LSE は、TiOXのアニール条件を 500 ºC にすると光照射の影響が減少することが知ら れている[2]。また、光照射中の FF の改善には、1/RSの逆数の変化が関連しているという報告がある[3]。 しかし、太陽電池素子を用いた評価では、ホール輸送層等の陽極側の影響も含まれており、陰極側の電 子移動に起因した影響だけを抽出して議論することは困難である。そこで本研究では陰極側由来の LSE を明らかにするため、電子だけを流す素子構造を用いた簡便な LSE 評価方法を開発したので報告する。 【実験方法】

LSE に及ぼす電子移動と TiOX膜の影響を抽出するために、以下に示す電子だけを流す素子(EOD) を

作製した。 [ITO (150 nm) / TiOX (10 nm) / PCBM (30 nm) / Al (100 nm)]

チタンイソプロポキシド、アセチルアセトン、酢酸、エタノールをモル比 1 : 0.3 : 0.2 : 200 で混合した

溶液を 12 h 以上反応させて TiOXゾルゲル溶液を作製した[4]。得られた TiOX溶液を ITO 基板上にスピ

ンコートし、1) 150 ºC (1 h)、2) 150 ºC (1 h) + 500 ºC (30 min) の二つの条件でアニール処理した後、PCBM のクロロベンゼン溶液をスピンコートした。最後に Al を真空蒸着で 100 nm 成膜し、150 ºC で 5 min ア ニール処理を行った。測定は-1.5 V から 1.5 V の範囲で行い、Al 電極側に負バイアス (-1.5 V) 印加時の 抵抗を光照射時間の関数として調べた。 【結果と考察】 EOD の電流-電圧特性から求めた抵抗値の逆数 (1/R)の光照射時間依存性を Fig. 1 に示す。500 ºC で アニールした TiOXを用いた EOD では光照射後直ちに 1/R が飽和するのに対し、150 ºC でアニールした

EOD では光照射後 1/R の飽和に時間を要した。この EOD の挙動は、同様にして作製した TiOXを用いた

逆型構造バルクヘテロ型太陽電池の LSE に良く一致した。また、150 ºC でアニールした TiOX層の膜厚 を 75 nm に増大させると、J-V 特性がダイオードとなり、+1.5 V と-1.5V における 1/R に明確な差が見ら れた。さらに PCBM 層に代えて混合比の異なる P3HT:PCBM 層を用いた EOD では、1/R の光照射時間 応答性に変化が観られた。以上の結果から LSE は陰極側の 電子移動、特に TiOX/PCBM 界面の電子移動性に由来すると 結論づけた。一方、調製条件の異なる TiOXゾルゲル溶液を 用いて作製した太陽電池素子では、150 ºC でアニールした場 合でも LSE がほとんど観られなかった。発表では、各種の 作製条件で得られた TiOX膜の分析結果を用いて電子トラッ プの起源についても議論する。 【まとめ】

EOD を 用 い た 新 規 な LSE 評 価 方 法 に よ り LSE が

TiOX/PCBM 界面に由来していることを明らかにした。

【参考文献】 1) J. Kim et al., J. Appl. Phys. 111, (2012), 114511

2) Takayuki Kuwabara et al., Thin Solid Films, 517, (2009), 3766-3769 3) Bernhard Ecker et al., J. Phys. Chem. C, 116, (2012), 16333−1633 4) G. Q. Wang et al. J Mater Sci: Mater Electron 22, 123,(2011), 463-466 【Keywords】

・有機薄膜太陽電池 ・光照射効果(Light soaking effect)

0.001 0.002 0.003 0.004 0.005 1/ R [1/  ] Time [min] measured at -1.5 V TiOX annealed at 150 C TiOX annealed at 500 C 5 4 1 2 3 dark dark 0 A12p3

Fig. 1. 1/R の光照射時間依存性電子オンリー素子を用いた逆型有機薄膜太陽電池における光照射効果の研究 内田  崇(村田研究室) 【はじめに】   逆型構造の有機薄膜太陽電池では、陰極に安定なITO/TiOX電極を、陽極にAuやAgなどの仕事関数の高い電極を用いるため、電極の酸化が抑制され耐久性を向上させることができる。しかし、逆型構造 の有機薄膜太陽電池では、光の照射時間に依存して変換効率が変化する現象 (Light soaking effect : LSE) が観測される[1]。LSEは、TiO

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