• 検索結果がありません。

チーズ製造における理論と技術について (2.研修報告,III.資料)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "チーズ製造における理論と技術について (2.研修報告,III.資料)"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

チーズ製造における理論と技術について (2.研修報

告,III.資料)

著者

山本 理恵

雑誌名

複合生態フィールド教育研究センター報告 =

Bulletin of Integrated Field Science Center

26

ページ

82-83

発行年

2010-12

(2)

82 2.研修報告 チーズ製造における理論と技術について 環境福祉畜産科 山本理恵 学生実習におけるチーズ製造実習を行うに際し,品質 のばらつきがこれまでの課題となっていた。今回,チー ズ製造について専門知識と加工の実際を学ぶべく財団法 人蔵王酪農センターにて行われた「国産ナチュラルチー ズ製造技術専門研修会」を受講した。 研修内容 以下に当センターで行われるチーズ実習に特に関連す る研修内容をまとめた。 O 「乳の基礎知識」 日本で飼養される乳牛(190万頭)の95%はホルスタ イン種であるこ ホルスタイン種が好まれる理由としては 乳量の大きさと性格が穏やかで飼いやすい点や食用にな る部分が多いことがあげられる。このホルスタイン種の 牛乳の成分を図1に示した。固形分が12%もあり極めて 濃い液状食品である事がわかる。その中でも乳糖(ラク トース)は牛乳lL当たり45gも含まれる乳中で最も多 い固形分であり,チーズ作りにおいては最初の乳酸菌増 殖の際にC源として使われる。次いで脂肪が37g含まれ ているが,反萄動物乳には他の動物乳には無い特徴的な 脂肪酸がありこれがチーズ特有の風味を生む。チーズ主 成分であるタンパク質は30gである。タンパク質のうち, 多くを占めるカゼイン成分はサブミゼルを形成し,リン 酸カルシウムと共にカゼインミセルと呼ばれる球状のマ クロ会合体としての粒子を形成する。これが牛乳中に懸 濁状態で存在しているため牛乳が白く見える。 寮豊分

日IiLL- '…

Blウエノ…ヒタミノ…,.ど) 図1牛乳の一般成分組成(研修資料(東北大斎藤)より) O 「チーズ製造の基礎科学」 「チーズ用乳酸菌スターター について」 「チーズの悪書微生物と品質管理について」 「製 造実習」 チーズ作りのおおまかな流れを図2に,製造実習の様 子を図3に示す。 原料乳の調整 熟成期間の長いハードタイプのチーズでは原料乳に脱 脂粉乳を加えて脂肪分を下げるのが一般的であるようだ が,歯ごたえの好みによっては調整をせず成分無調整の まま殺菌を行うこともあるようである。 殺菌・冷却 蛋白質の加熱変性の程度が最も低い高温短時間細菌 (HTST) (72℃ 15秒加熱)を行った後,冷却し加熱や保温 機能のある容器(バット)内で31℃に保温する。これよ り温度が低いと後で加えるレンネットの凝固作用が低下 し,温度が高いと後に加える乳酸菌の生育が低下して酸 性になりづらい。 スターター添加 31℃になったところでスターターと呼ばれる乳酸菌を 加えて撹拝する。この際,乳酸菌を1種類ではなく複数 種混合させるとファージによる汚染(乳酸菌に感染し破 壊する)を最小限に防ぎ酸生成を安定させる事が出来る。 乳酸菌を添加する目的として(》空中落下細菌による腐敗 を防ぐ(乳酸発酵により乳酸が原料乳中に蓄積されてく ると, pHが低下し酸度が上昇するため有害菌の生育を抑 える) ②凝乳の促進(pHの低下によりカゼインミセル内 の架橋性のリン酸カルシウムからカルシウムイオンが溶 出し,カゼインミセルに新たに露出したリン酸基の中和 を行い表面を疏水的にして凝乳現象を促進する) ③原料 乳を凝乳酵素(レンネット)の至適pHに近づけ,酵素 添加量の節約や熟成時のタンパク質分解の制御,苦みペ プチドの生成を抑える④乳酸がカード(後のカッティン グ工程でできる固形分)の収縮とホエイ(カッティング 羽.b■(●tli■色血) 1% LJdO(■くくUI ldI Aab■pJ■:tlJ LrlOEOC{Ul Ir111 StlbFPJ:rtlTPrLI LJdocoeCl'B lrlj事Albq)JdlkttYLMB(ガス札をfIろ) LtuConBIO( rnも●FrtrOlltl AIbsp qdldI

レンネ・)の王ipN6帖∼ ①比暮l やさしくISii lll事してb - r;から一くilを出さt!る 収q LたらZEPを止めて沈bさt!れ工イを1 3jm五1る 4,J)AJLp 6S_7Dt llJ*の)■Jkを連山LJ父bLち枕M L10jiTでれ工イの1JL一灯CZでtlやb)l=llJE上■さt!る ジサケIJrAiLt.1■qに巧う 34℃ l=なったら千の1■をBM Lつつ1α分KP l六況l=よってはTJ* ll ItのれエイをIlki ■Jtl*建加で10分■で)8tlで上■さセる ○沈挿■JL IJ*を4ちなからPL押bしくLt*dlを暮書lJ ib正なbJ*や書31=Tろ 図2 チーズ製造の流れ(研修資料より作成)

(3)

図3 製造実習の様子 工程でできる液体分)の排除-寄与する⑤熟成時に働く 乳酸菌を増菌させる(熟成時にチーズ内の乳糖を糖源と して増殖し,やがて死滅して溶菌する過程で様々なプロ テアーゼやリパーゼを放出し,それらがその後の複雑な 熟成機構を支える)の5つがある。レンネットの至適pH になったら次の過程に進む。 加工助剤添加 殺菌加熱で失ったカルシウムを補う目的で加工助剤と して塩化カルシウムを加える。これにより原料乳中の可 溶性カルシウムが増えて凝固を良好にする。 レンネット添加 レンネットを添加してよく撹拝した後,凝固作用が進 むようにすばやく原料乳の動揺を抑えて30分静置する。 原料乳の表面に弾力が出てきたり,指を沈めてから水面 に水平に持ち上げると原料乳の塊が二つに分かれて指が 見えてくるような凝乳状態になるまで待ち,その状態に なったら直ちに次の段階-移る。 カッティング 一定間隔でピアノ線を垂直と水平に張ったカードナイ フで縦横に凝乳をカットする。カットされたひとつひと っの立方体(カード)の大きさを揃えるように迅速かつ 正確な作業を行う必要がある。ゴーダチーズの場合は長 期熟成させるハードタイプであり,カードにならなかっ た液状のホエイ(乳晴)をしっかり抜かねばならない。 そのためカードの表面積を大きくなるようにカードの大 きさはなるべく小さく(5mm角)切らて,すぐに撹拝し てホエイを排出する。モッツアレラチーズなどのフレッ シュチーズ(非熟成チーズ)の場合はホエイをあまり抜 かないように大きく(8m角)切ってしばらく静置する。 クッキング ①撹拝 カード同士がくっつかないように,しかしカー ド自体が崩れないようにやさしく15分撹拝してカー ドから水分を出させる。その後1/3程度のホエイを排 出する。 ②加温撹拝 温水を添加しながら撹拝し10分間でカー ドと分離したホエイの温度を34℃まで緩やかに温度上 昇させる。 34℃になったら温度を保持しつつ10分撹 拝しカードの芯まで34℃にする。さらに再度温水を添 加して10分間で38℃まで温度を上昇させる。急激に 温度を上げるとカードが縮みホエイの浸出が妨げられ 83 るので,時間をかけて少しずつ温度を上げる必要があ る。ホエイの排出が不十分であると後の熟成でガス発 生性の微生物の増殖などによる異常発酵を招くために この過程は重要である。 ③撹拝静置 温度を保ちながら撹拝もしくは静置を続け て適正な酸度や硬さにする。酸度が進まない場合は静 置して水分を保持したまま酸度を上げさせるが,酸度 が進みすぎるようなら撹拝を激しく行ってカードから 水分を早く出させて次の工程に移る。目安は1時間か ら1時間半とする。 バット内プレスとフ-ビング バット内でカードを寄せて残りのホエイを排出し,自 重の1/5程度の圧力を段階的に加えて予備プレスを行う。 プレスされたカードの塊を包丁等で均等に切り分けて重 量を揃えた後,チーズの型(モールド)に詰める。 プレスと冷却 ゲージ圧2.0kg/1時間の圧力でプレスする。モールド から取り出し,流水や氷水で冷却する。この際グリーン チーズ(熟成前のチーズ)の芯まで十分に冷えるように 時間を調整する。冷却時に次の加塩を兼ねて冷たい塩水 に入れるのでもよい。 加塩と予備乾燥 湿塩法(22%食塩水で一定時間浸漬)を行う。グリー ンチーズの大きさ等によって浸漬時間を変更する。 12℃, 湿度80%の熟成室で予備乾燥を行う。 包._塞 ワックス塗布によりグリーンチーズ表面をコーティン グする。その後,熟成室に入れ約1カ月を標準として熟 成させるとゴーダチーズの完成となる。 当センターでのチーズ実習での取り組み 研修を修了した後に同年9月,当センターの学生実習 で実際にゴーダチーズ製造に参加した(図4)。今回の 学生実習では担当教員の提案により,原料乳の脂肪率に っいて見直した。これまでの実習では生乳(乳脂肪率 約3.5%)をそのまま原料乳としてチーズ製造に用いてい たが,これにバター製造実習で得られる脱脂乳を加えて 脂肪率を2.8%に調整したものを原料乳とした。スター ターの不活性や熟成庫の不調などの問題があったが,半 年の熟成期間の後に教員や学生による試食を行ったとこ ろ,今までよりも風味のよいチーズができたと好評であ った。今後は熟成庫の設定などを見直しつつ,ばらつき のない風味豊かなチーズ製造を目指す。 図4 学生実習の様子

参照

関連したドキュメント

まとめ 成形加工性に対する改質剤の添加効果では,成形加工性改質剤 L を使用することにより,改質剤なし KF (30%) 複合材料と比較する と PSJ-KF (30%) 複合材料では

 . M a t e r i a l が担当し, 2007 年 10 月から建設活動 が開始された。

上の例のように引数なしで Discover メソッドを呼んだ場合、探索して発見した Msako のうち 1 番目の Msako に接続

静岡大学には、 463 名の留学生に加え、協定校との間の交換留学生が在籍している。 [1]

4.3.3.2 最終レスポンス(200 OK)に対する ACK リクエストの未受信 IP 通信網設備は、端末機器から送信される、最終レスポンス(200

でらをtィa」 発⾏済株式 さごご% 取得 当社 2ごさす年じ⽉さ⽇付 でらをtィa」 連結⼦会社化 Sとね ー 管理体制 効率化 推進 ⼀層 企業価値 向上 図

 バイオディーゼル燃料の製造コストを、 従来より 2 〜 3 割削減できる見込みの新しい生成法が、 同志 社大学、 Z 産業技術総合研究所、

情報の共有 市販されている CAD ソフトは AutoCAD L T 2000 の他に色々あります。建築の