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発表要旨(1) 多文化社会・東北の現状

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Academic year: 2021

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発表要旨(1) 多文化社会・東北の現状

著者

川口 幸大

雑誌名

東北文化研究室紀要

58

ページ

20-20

発行年

2017-03-30

URL

http://hdl.handle.net/10097/00121746

(2)

発表要旨①

多文化社会・東北の現状

東北大学大学院文学研究科 川 口 幸 大 日本で暮らす外国出身者は増加の一途をたどっており、最新の数字を挙げると、2014年末には 前年比 2.7 パーセントの増加を見せている。日本の総人口がすでに減少を続けていることを鑑み れば、この社会において海外に出自を持つ人々が果たす役割は今後ますます大きく、かつ重要に なってくるだろう。一方で、言語や文化を異にすることから来る(と往々にして解釈されうる) トラブルや摩擦も少なからず生じている。また、生活、教育、社会参加などの諸側面において市 民としての権利が十分に保障されていないという問題もある。これらに対処すべく、現場におけ る支援の試みや権利・人権問題の解決などが実践面と研究面の双方向から、あるいはときに両者 が協働するかたちで、活発になされるようになっている。 しかし、東京や関西などの大都市圏や、静岡、愛知、北関東などの集住地域に比して、東北地 方はまず外国出身の住民の絶対数が少なく、かつ割合も小さく、そして居住地が散在していると いう傾向にある。またかつては農村地域への結婚移住女性、ここ数年では技能実習生が多く、一 般に前者ならば家庭に、後者は会社に生活の軸足を置いている。こうしたいくつかの特徴から、 東北地方に暮らす外国出身の住民は、ホスト社会の人々にとって実際に関わりをもつ機会がそれ ほど多い存在ではないのかもしれない。よってインテンシヴな交流あるいは支援活動や、地域・ 理論横断型の研究が難しいという面があると考えられる。 また、支援活動と研究が齟齬を来してしまうことも少なくはない。東日本大震災発生後の支援 活動と海外出身住民の主体性をめぐる評価の食い違いはまさにこの一例である。ただし、現場と 研究とは必ずしも断絶しているわけではないし、それどころか両者とも最終的に目指すところが 人々のよりよい生である点においては一致していよう。 そこで本シンポジウムにおいては、まず第Ⅰ部で東北地方における多文化社会の現状を日本の 文脈の中で把握し、かつ諸外国との比較によってその特徴と問題点を検討する。そして第Ⅱ部で は、外国人支援や多文化共生の活動と研究の双方に取り組んでいるスピーカーを招き、またコメ ンテーターとフロアを巻き込んだ議論を展開することで、散在地域である東北ならではの課題と 可能性を考えたい。多文化社会東北にたずさわる私たち一人ひとりにとっても、現場と研究の架 橋を展望することは意義のある試みであるはずだ。 −20− 四一

参照

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