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脳腫瘍で予後不良の患者を持つ家族とのかかわり

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Academic year: 2021

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脳腫瘍で予後不良の患者を持つ家族とのかかわり

      3階西病棟       ○宮川志津代●西山 真美●小松誓子        古谷 則子●安田真由美●石津しずか        大和 忍●川村 和子 I は じ め に  脳腫瘍の子供達の入院の増加において,子供達の有るべきターミナルの姿を考える時,主 人公の子供たちとの関わりはもちろんのこと,その子供達の家族も無視する事は出来ない。 患児の看護とともにその家族への対応も考えていかなければならない時に,私達の過去の対 応状況を振り返り,文献学習を加えて今後のよりよい関わりについて考える機会を得たので ここに報告する。 n 研究結果及ぴ研究方法  a 1992年6月∼1992年9月末  b 過去5年間の脳腫瘍で死亡した患者のカルテ検索  c 項目別統計処理 Ⅲ 結果及び考察  脳腫瘍を持つ患者の特徴として,小児の腫瘍は大きくなりやすく症状の進行が速い。又, 悪性のものが多く腫瘍が正中線に沿って発達し脳幹圧迫を起こすことが多い。したがって, 突然の意識障害,痙學発作,呼吸停止等,身体的変化も急速である。こういった急激な状態 の変化に伴い,付き添っている親や看護婦も危機状況を認知するに至っている現状であった。  危機は,「ストレスに直面したとき,人は今までに学んできた対応機制を用いて問題に対 応しようとするが今までの慣習的な対応規制によっても問題が解決せず,不安の増強に対し てどのように対処すればいいのかわからなくなって混乱したときの状況」である。  脳外科的特色として意識レベルの低下があるために,終末期には患児との関わりよりも医 療者と家族との関わりが大きくなっていく。危機に陥っていると考えられる事柄に対して問 題点と認識はしていてもそれを表現したプロセスレコード等がとれておらず,カンファレン

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       -293-ンスにおいても,患者の身体的苦痛を取り上げられることはあっても,家族への危機介入は できていない現状である。文献によってすでに家族の心理的変化が危機理論として報告され ている。  危機においては,個人の精神的な健康にとって良きにつけ,悪しきにつけ,4週間から6 週間の間に何らかの結果がでるとされている。状態の変化するまでは,患児の世話はほとん どが付き添っている家族にまかされていたのが突然,主導権が看護婦側にゆだねられてしま う。この際,母親からの言葉に何か一貫性を感じ「子供の代弁者としての母親」と考えてい く必要がある。  患児に目を向けると,文献によれば幼児の不安は,「痛み,未経験事項に対する恐怖,そ して分離不安」が大半をしめる。報告によると死を理解するのは9歳以降である。3歳まで の子供は「死」と「居ないこと」の区別がっかない。 3−6歳では,死は,他の人々にとっ て何かが起きたものと理解しはじめると報告されている。このため,年齢に応じた患者や家 族へのアプローチが必要である。又,両親の心理過程としては動揺・自責の念・絶望感・逃 避・受容の過程を通るといわれており,家族がどの時期にいるかを捉えて適切な援助をして いかなければならない。  入院時において,すでにターミナル状態に移行する事が予測されるため,医師よりの説明 内容をどのように家族が理解されているかを知り,ターミナルにむけて入院時から看護目標 を明確にする必要がある。又,プロセスレコードを記録にできるだけ残す努力もしていかな ければならない。 IV お わ り に  社会的にはターミナルケアにおいて危機理論の展開とホスピスの必要性,あるいは大学病 院におけるターミナルケアーのあり方などが研究されているにもかかわらず,私たちの病棟 では充分な危機状況への介入がはかれていなかった。過去,危機的状況を認知していながら 問題提起されていなかった事への反省をもち病状の経過を予測した看護サイドの援助を考え ていくことが必要である。  今後,私たちの危機状況への看護介入について標準看護計画を作成していきたい。又,フ ィードバックの機会をもっために死後のデス・カンファレンスの実施も考えていきたい。 −294−

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 【謝辞】 この研究にあたり,御協力頂いた3階西病棟スタッフの皆様に感謝します。 参 考 文 献 1)竹内 徹他:クラウスケンネル親と子のきずな,医学書院, 1991. 2)塙嘉之:小児ガン,よりよい療養生活のために,医歯薬出版株式会社, 1990. 3)岡堂哲夫他:患者の心理と看護,中央法規出版, 1991. 4)吉武香代子:小児がんと看護,看護MOOK.No. 30,p. 124∼129, 1983・ 5)斉藤礼子:ターミナルケアー,看護MOOK , No. 3, p. 176∼189, 1983.

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