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地域密着型教育の意義と課題(4) ――「 地域調査」における取組みを中心に ――

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Academic year: 2021

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2015 年 3 月

Ⅰ.はじめに

 本学経済学部では,2006 年より授業科目とし て「地域調査」を開講し,地域の課題解決に向け た取組みを進めている。これまでの詳細は,別稿 1 で言及しているので触れないが,近年の取組み のキーワードが「安全・安心」である。本授業で の対象とする安全・安心とは,地域社会や日常生 活のなかでの安全・安心である。  本稿は,2014 年度の地域調査の取組みについ て述べる。その理由としては,2014 年度より調 査対象が変更になり,これまでとは異なる対応が 必要になったことがある。これにより,これまで の地域での取組みと今回の地域での取組みを接続 させる上では,さまざまな困難を伴うということ がある。こうした経緯から,今回は稿を改め,新 たに述べることにしたのである。  本稿の構成は以下の通りである。まず,今年度 の取組みに入る前に,調査の背景として対象地域 変更の理由について述べる。次に,調査対象地域 の概要について述べ,今年度の取組みについて述 べる。その後,今年度の受講生の意見などを紹介 する。最後に,今年度の課題と来年度へ向けた展 望などを行う。

Ⅱ.今年度の取組み

1.調査の背景  2010 年度から 2013 年度までは倉曽地区を対象 に,東海豪雨の被災に関する記録の調査,地域の 防災力向上に関する取組みのための調査を進めて きた。そうしたなか,2014 年度からは西楽田団 地で調査を進めていくことになった。  対象地域変更の理由としては,以下の点があ る。  第 1 に,調査内容の高度化がある。つまり,授 業という大学教育の一環として対応することが困 難になってきたということである。これについて は,担当者と地域側で協議を重ねた結果,今後も 地域との関係は維持するが,対応は授業ではなく 大学でということになった。  第 2 に,受講者の確保である。内容が高度化す る一方で,その授業を履修する学生が年々減って きているということがある。また,授業内容に関 わる取組みは継続的に進行しているが,受講生の 多くは初めて触れるため,それを前期の授業内で 理解し活動することが困難になってきているとい うことがある。

地域密着型教育の意義と課題(4)

   「地域調査」における取組みを中心に   

田村 善弘

Signifi cance and Subject of Community-Based Education

   Focus on Community Research   

TAMURA, Yoshihiro

論文

   

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される。この背景には,地理的にも犬山市の最南 端にあり,住民自体の意識として自分の地域は自 分たちで何とかするという意識が強いということ がある。 (2)西楽田団地における防災への対応  今年度の西楽田団地における調査の目的には, 防災に関する住民の意識調査を通した住民への防 災意識の向上と啓発がある。そもそも,調査対象 とした理由には,地域内での防災に関する継続的 な取組みと関心の高さがある。なお,2014 年度 からは防災委員会が発足している。  こうした背景には,従来の防災訓練が抱えてい る課題がある。まず,住民の高齢化である。これ により,自力での避難が困難な住民の増加する一 方,その実態を把握しきれていないという問題が ある。さらに,1983 年より毎年実施されている 防災訓練がマンネリ化しているという問題もあ る。この背景には,防災訓練など関連した取組み を役員が兼務しながら進めているという問題があ り,新たな取組みの立案と実施が困難な状況にあ るということがある。これらを背景に,専門的な 組織としての防災委員会が設置されたのである。 そして,今回の地域調査はこの委員会や自治会と の協力のもとで進めることになった。 3.2014 年度の授業内容と課題 (1)授業の概要  表 1 は今年度の授業計画である。むろん,シラ バスはあるが,地域で調査を行う科目の性格上, 授業開始前に地域の方々と事前打合せを行う。し かし,打ち合わせの過程で入力したシラバスとの ズレが出てくる。そこで,本年度は授業開始後に 授業計画を改めて受講生に配布した。4 月 10 日 (木)に初回の授業が始まり,7 月 17 日(木)が 最終回となる。今年度の登録者は 7 名であった。 経済学部配当の科目ではあるが,うち 1 名は他学 部からの履修者であった。昨年度に比べ,受講者 は減少しているが,その多くは地域の活動等に参 加した経験を持つ学生ということになった。  ここで,授業内容についてみると,第 1 週は 3 限で授業の説明を行った。ここでは,全般的な説 明はもちろん,他の授業等の違いに焦点を当てて 時間をかけて行った。この理由としては,授業の  以上のことから,授業内容と受講者の意識の乖 離が背景にあるといえる。つまり,年々内容が高 度化し,授業としての対応が困難になってきてい ることに加え,受講生も少なくなってきていると いうことがある。 2.調査地域の概要2 (1)地域概要  西楽田団地は犬山市の最南端に位置し,団地の 南部は小牧市に接している。もともと,この団地 は名古屋経済大学のキャンパス造成時に山林を 削った土砂を利用して,水田を埋め立てて造成さ れたものである。そして,そこを分譲することで できた団地である。  2014 年 3 月 20 日 時 点 で, 世 帯 数 が 476 世 帯 (約 490 区画)であるが,65 歳以上の高齢者世帯 は 164 世帯となっている(うち,一人暮らしは 53 世帯)。人口は 1,382 人であるが,65 歳以上の 人口は 548 人で,団地内の人口に占める高齢者の 割合は 39.7%となっている。このように,地域に おける高齢者の割合が高くなっている。  次に,自治会の体制についてみておこう。自治 会は会長 1 名,副会長 2 名(選考委員の推薦で 2 年任期が 1 名,輪番制で 1 年任期が 1 名)が置か れ,その他に 1 年任期の役員として会計,書記, 行事部会長,交消防部会長,衛生部会長,町会長 (6 名)が置かれている。このほかに,班長(28 名,1 年任期),役員選考委員(6 名,2 年任期), 防災委員(7 名,2 年任期)の役員が置かれてい る。  自治会内の行事としては,防災訓練,夏祭り, 新年交流会,交通安全運動,団地内の草刈り(年 間 3 回)などの行事が実施されている。このほか にも,ボランティア活動やグループ活動も積極的 に実施されている。  特に,ボランティア活動は高齢者の割合が高い にもかかわらず,団体が 8 団体あり会員数は延べ 203 名となっている。このように,ボランティア 活動が活発な理由としては,①ボランティア活動 をしているとメリットがある,②拠点となる集会 所という場所がある,③各団体とも常に変化して いる,④世代交代が進んでいる,⑤各種団体の連 絡協議会「ふれあい談話室」の設置,⑥「無いも のねだりから在る物探し」へという点がある3と

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報検索も同時に行った。  第 3 週は,実際に調査地域に入り,自治会役員 ならびに地域の防災組織の役員(計 8 名)と意見 交換を行った。先述のように,地域の概要や調査 の進め方(アンケート項目の検討,アンケートの 作成期日の設定,その他の調査を行う上で必要な 事項など)について意見交換を行った。また,打 合せ会場にある防災関係用品について説明を受け た(図 1 左)。  第 4 週∼第 6 週は,調査の準備を行った。  まず,第 4 週は,調査項目の決定を行った。学 生全員が設問用紙全体を 1 から作るのは時間的な 性格や目的を十分に消化しきれないままに授業に 参加し,途中で授業を止めてしまう学生が多いこ とがある。加えて,これまでの地域調査での取組 みを説明した。この説明は,毎年度,過年度の受 講者が説明している。4 限は担当教員が調査対象 地域を含む犬山市,犬山市等のような大都市郊外 型の地域について講義を行った。  第 2 週は,調査開始前の学生の調査スキルを確 認するということで,情報の検索ならびに検索し た情報の発表を課すという内容で進めていった。 以降の授業でアンケートを作成したり,分析など を行うことから,アンケートの作成等に関する情 表 1 2014 年度の地域調査の授業計画 日 回 内  容 備  考 4 月 10 日 第 1 回 「地域調査」の概要,対象地域の特徴 3 限:授業の概要説明 4 限:対象地域の説明 第 2 回 4 月 17 日 第 3 回 情報収集の方法,情報収集の基本とインター ネットの使い方,文献の調べ方・利用の仕方 3 限:指示されたテーマの調査 4 限:そのプレゼン 第 4 回 4 月 24 日 第 5 回 調査地域の見学,地域の防災組織との交流 レポート①(現地調査ふりかえり) 提出期限:5 月 1 日まで 第 6 回 5 月 1 日 第 7 回 アンケート事項と担当グループの決定,アン ケート項目の検討,アンケート,依頼文作成 第 8 回 5 月 8 日 第 9 回 アンケート修正,印刷,配布依頼,アンケート 集計表の作成 第 10 回 5 月 15 日 第 11 回 パワーポイントの使い方,模擬プレゼン 第 12 回 5 月 22 日 第 13 回 GIS の講習,マップ入力操作の説明と入力練習 レポート②(GIS 講習ふりかえり) 提出期限:5 月 29 日まで 第 14 回 5 月 29 日 第 15 回 アンケートの集計と結果の分析(個人作業) 第 16 回 6 月 5 日 第 17 回 集計結果の分析(グループ作業),報告項目の 整理 第 18 回 6 月 12 日 第 19 回 追加情報の収集,報告内容の検討 第 20 回 6 月 19 日 第 21 回 報告内容の検討,報告書作成 第 22 回 6 月 26 日 第 23 回 報告書作成,印刷 第 24 回 7 月 3 日 第 25 回 報告書印刷,報告会リハーサル 第 26 回 7 月 10 日 第 27 回 報告会リハーサル,報告会準備 第 28 回 7 月 17 日 第 29 回 報告会の総括,お礼状作成 レポート③(授業全体の総括) 提出期限:別途指示 第 30 回 註:網掛けの日は学外,または外部講師等による授業 出所:筆者作成。

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察,ならびに調査報告書の作成を行った。  第 8 週は前週に回収したアンケートの集計を 行った。回収数が 400 部を超えていたため,1 人 当り 80 部ほどのアンケートの集計することと なった。このため,第 8 週はアンケートの集計が 中心となった。  第 9 週∼第 12 週は集計したアンケート結果を もとに,報告会の準備を行った。このなかで,報 告会の参加者にどのように提示するのが分かりや すいのかを検討したほか,集計結果をどのように 読み取るか,調査結果から何が言えるのか,地域 への提案事項としてはどのようなものがあるかを 検討していった。もちろん,個人での作業が中心 となるが,進捗状況をみてグループで検討するこ とも取り入れて行った。こうした活動をふまえ, 報告書の印刷をした後は,報告会の本番に向けて リハーサルを重ねていくことになった。  第 13 週と第 14 週は報告会のリハーサルを行っ た。授業では,実際の場面を想定し,パソコンと プロジェクターを利用して実施した。プレゼン テーションを行う上での注意点を教員が説明した 後,実際にプレゼンテーションを行った。資料の 提示方法,プレゼンを行う者の表情や声量,内容 を理解しているかなどをチェックしながら進めて いった。授業外でのリハーサルも必要となり,報 告会前にも一度リハーサルを行った。  第 15 週は報告会および振返り,お礼状作成と なっている。報告会は 7 月 13 日(日)の午後に, 西楽田団地の集会所にて実施した。自治会役員, 制約が大きいため,担当グループを決定し,項目 を決めた上で質問内容を確定するという作業を 行った。あわせて,調査依頼文の作成も行った。  第 5 週は,第 4 週に作成したアンケートの項目 の検討を行った。これをもとに,調査票を確定 し,印刷などの実施に向けた準備を進めた。作成 したアンケートをもとに内容の検討を対象地域の 自治会や防災関係の役員ともに行い,調査内容を 確定した(図 1 右)。  今年度のアンケートの対象は 450 世帯と前年度 に比べて多く,集計も多くの時間が必要となるこ とが予想されたため,調査期間をどうするかとい う点についても議論した。また,集計表の作成も 同時に行った。なお,アンケート用紙は西楽田団 地の役員を通して,全戸配布された。  第 6 週は,第 5 週に作成したアンケートの配布 ならびに回答期間であることから,プレゼンテー ションの準備を行った。  第 7 週は,外部講師による GIS に関する授業 を行った。ここでは,防災や地域の安全・安心に 関する内容を中心に,GIS がこれらの課題の解決 にどのような役割を担っているのかについて授業 が行われた。授業の後半部では,地域の方々(主 として第 3 週,第 5 週に調査項目の検討を行った 方々)とともに,アンケートの開封作業を行っ た。回収結果については,500 部配布のところ, 422 部回収することができ,回収率は 84.4%と なった(図 2 左)。  第 8 週から第 12 週は,アンケートの集計と考 図 1 現地調査の模様 註:左の写真は 4 月 22 日の現地調査時,右の写真は 5 月 8 日のアンケート項目の検討会のときのものである。 出所:筆者撮影。

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防災に関しての知識が豊富で,今の西楽田地区の 抱えている問題をしっかりと把握しているという ことです。…(中略)…私の町でも防災訓練は 行っていましたが,今ではもう行われていませ ん。その理由として考えられるのは参加者がいな いからです。しかし,今回訪問した西学田地区で は,防災訓練に全体の半数も参加者がいることが 驚きでした。 (受講生 A)  西楽田で説明を聞いたときの印象としては,地 域の方々が住民たちで活動することの重要性をと ても理解していたということです。特に,防災と いう時には,必要なことを公助に任せるのではな く,自助,共助がどれだけ機能するかが重要であ り,その点にについていかに真剣に取組んでいる かがよくわかりました。 (受講生 B)  今回の地域調査の見学では,自治会の積極的な 防犯,防災対策が住民に浸透していることに感心 した。住民同士の情報共有が訓練にも生かされて いると思う。自治会のボランティアやグループ活 動を積み重ねることが,このような住民同士の緊 密な関係を作り上げていると推察した。新しく 移ってくる住民も,この団地に溶け込みやすい環 境ができていることに驚いた。他地域に比べて も,自治会,住民ともに防犯,防災への取組みに 防災組織の役員に加えて,西楽田の住民の参加も あった(図 2 右)。  報告会はこれまでの調査内容についての報告を 地域調査の受講生が行った後に,参加者の質疑応 答という形で進めた。報告会終了後に,授業で報 告会ならびに授業全体のふりかえりを行い,お礼 状の作成を行った。 (2)授業の進行を通しての受講生の意見  ここでは,受講生が提出したレポートなどのコ メントを中心に紹介する。先述のように,レポー トを課した回としては,現地調査時,GIS 講習時, 報告会終了後の 3 回がある。ここでは,地域へ出 るという経験,人前で調べた内容を報告するとい う行動が受講生にとってどのような影響を与えた のかという点を中心にみていく。 1)現地調査に対するレポートの考察  このレポートでは,西楽田団地を訪問し,地域 住民との意見交換のなかで,受講生自身がどのよ うな考えをもったのかということをみた。もちろ ん,受講生は初めて訪れる者が大半である。な お,レポートで出た意見としては以下のものが あったので,その一部を紹介する(傍線部は全て 筆者)。  今回,西楽田地区に足を運び役員の方に色々な 話を聞かせてもらい,思ったことは,役員の方が 図 2 アンケート集計と報告会の模様 註:左の写真が 5 月 22 日のアンケートの開封作業,右の写真が 7 月 13 日の報告会のものである。 出所:筆者撮影。

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の一つについて,学生なりに様々な面から調べ, 報告しました。西楽田の方々はとても意識が高い 分,自分たちも軽い気持ちでやるわけにはいきま せんので,とてもいい緊張感を持って取り組めた と思います。 (受講生 B)  何回からリハーサルをして臨んだ報告会には 20 名ほどの住民が足を運んでもらえた。リハー サルの時と本番の時とはやり方が少し変わったの と,知らない人の前で発表したものもあったかも しれないが,かなり緊張してしまった。  個人的には,結果報告の時までは落ち着いて発 表することができていたが,提案事項の発表のと きにかなり緊張して早口になってしまい聞きづら かったのがとても申し訳ないと感じた。 (受講生 A)  報告会に関するレポートであったので,発表に 関する内容が多い。また,授業では情報収集・整 理とその発表を繰り返し行った。特に,リハーサ ルは,授業外にも 2 回ほど機会を設けて行った が,それが結果にも表れていたのではないかと考 えられる。  傍線部に示したように,学外での発表という経 験を通して,人前で発表することの困難さ,自ら の発表の技術に対する認識(自分にどの程度のス キルがあり,不足している点はどういう点なの か),聞き手に対する配慮についての意見がみら れる。これは授業中に教員が発表時の注意として 提示した点ではあるが,発表時にはこれらの点を 意識しながら発表していたことがうかがえる。  このように,地域へ出て地域住民と交流するこ とで,調査対象地域に対する認識が多少なりとも 芽生えたことは学外で授業を行うことにより得ら れた成果の 1 つではないかと考えられる。また, 情報を収集し,整理し,報告するという一連の体 験を行い,特に報告することの難しさとそのため の自身の課題を発見できたということも成果にな るのではないかと考える。

Ⅲ.まとめ

 これまでみたように,本年度から対象地域を西 楽田団地に変更して授業を進めてきた。授業で 積極的であり,そうした姿勢を常に維持していく ことが災害などの緊急事態の被害を最小限に抑え る上で,非常に重要であることを学んだ。 (受講生 C) 2)報告会に対するレポートの考察  1)でのレポートが授業の初期段階のもので あったのに対して,報告会のレポートは授業終盤 のものである。この際に,授業を通して何を学ん だのか,報告会での経験が自分自身にとってどう だったのかを課題としている。ここでも,1)と 同様に学生のレポートにあった意見をいくつか紹 介することとしたい(傍線は全て筆者)。  多くは年配の方々なので,その年代にあった情 報や情報を受け取り方の説明をしたほうがよいと いう事を,今回知りました。確かにネットを使う などの近代の防災についてのものが多く,知識が ないとわからないようなものが多かったのかもし れません。その点は,大いに反省するべき点だと 思いました。 (受講生 D)  報告全体もスムーズに詰まる部分もなかったの でよかった。来場者の質疑応答ではいくつかの質 問が出たが,自分の報告部分に関する質問がな かったことは幸いだった。今回の報告は多少の改 善点はあったかと思うが,自分以外を含めた全体 では成功ではないかと自分は思う。 (受講生 C)  改善に向けて,事前準備段階において作業を円 滑に進め,なおかつできる限り他のサポートも 行っていき,作業進行をスピーディーに進めてい けるようにしていきたいと考えている。また報告 会などの発表時においては原稿に頼ることなく, きちんと自分の言葉で説明できるように,わかり にくいところをわかりやすく伝えるようにしたい と思っている。伝えるということは難しく,自分 の技量不足であったことは大きな反省である。 (受講生 E)  防災に関して専門的に学んでいるわけではあり ませんが,地域コミュニティが直面している問題

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のではないかと考えられる。  以上の点を解決することはかなりの困難を伴う が,今後,授業を進めるにあたっては解決してお かなければならないものであるといえる。 注 1  2010 年度における地域調査の授業での取組 みについては岸野(2014),2011 年度と 2012 年度については田村(2014)をそれぞれ参照 されたい。 2  本項の内容は,2014 年 3 月 20 日に西楽田団 地で行った地域調査の事前打合せの際に,西 楽田団地側から提示された資料(「西楽田団 地の概要」)を参考に整理したものである。 3  地域調査打合せ西楽田団地提示資料「西楽田 団地のボランティア活動について」。 【参考文献】 〔1〕 岸 野 澄 子「 地 域 密 着 型 教 育 の 意 義 と 課 題 (一)」『地域社会』70 号,名古屋経済大学地 域社会研究会,2014 年 3 月,pp.1 ∼ 16。 〔2〕 田 村 善 弘「 地 域 密 着 型 教 育 の 意 義 と 課 題 (二)」『地域社会』70 号,名古屋経済大学地 域社会研究会,2014 年 3 月,pp.27 ∼ 27。 〔3〕「犬山市西楽田団地(にしがくでんだんち) 自主防災会」   http://www.pref.aichi.jp/bousai/zisyubou_ shoukai/syuzai/inuyama_nishigakuden/inuyama_ nishigakuden.html(2014 年 10 月 31 日アクセ ス)。 は,地域へ出る,地域住民と交流する,調査す る,情報をまとめ報告するという一連のサイクル はこれまでと同じであった。しかし,この流れで 授業を行おうとする場合にはいくつかの課題が伴 う。  第 1 に,日程変更の多さである。今年度の場合 は比較的少なかったが,地域の住民の意向を優先 し進める必要があるので,報告会や調査の日程を 事前に決めても途中で変更をすることが必要とな る。これは受講生や授業者にとっては大きな負担 となる。  第 2 に,受講生の規模である。このような調査 を行う場合は,通常はおおよその人員が集まるこ とが確定した上で進められる。しかし,本授業の ケースの場合は受講生が流動的なものとなる。同 時間帯にどのような科目が入っているかにより, 受講生の増減が起こりやすくなる。そのため,当 初,教員や地域が想定したことができなくなる可 能性も高まることになる。  第 3 に,科目の性格である。選択科目であるた め,履修の途中放棄という問題も起こる。授業の 性格については,初回の講義などで説明するがそ こでは理解できずに,授業が進むにつれて授業の 性格がわかり,その時点で放棄するといったこと も毎年ある。  第 4 に,担当教員の負担の問題である。授業を 行うにあたっては,授業内容の大枠を確定し,対 象地域の選定を行うことになる。地域が確定する と,その地域では 2 年ないしは 3 年間入り,調査 を進めることになる。もちろん,打合せなしで授 業に入るということはなく,前年度に数回の打合 せを行うことになる。授業内容の充実という点で は必要不可欠などことではあるが,授業外で行う ことがほとんどのため負担が増えることになる。  第 5 に,評価の視点である。こうした科目の評 価の場合,通常の授業のように試験を行い,それ を点数化するということが困難である。また,情 報収集や整理の能力についても,受講生自身が もっているものが異なるため,一様に評価するこ とが困難である。現状では,授業への取り組み状 況を主として評価対象としているが,それだけで はなく他の視点を加えた上で,様々な視点から評 価することが必要になっていくといえる。これは 他の科目との連携という上でも重要になっていく

参照

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