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原子炉事故と化学爆発:太田時男

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Academic year: 2021

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原 子 炉 事 故 と 化 学 爆 発

一 研 究 の す す め 一 横 浜 国 大 工 学 部 太 田 時 男 1979年3月に起きたスリーマイル軽水炉発電所の事故?また,今年4月26日未明におけるチェ ルノプイリ黒鉛炉発電所の世紀の大事故では?何れもF化学爆発,あるいは「水素爆発」が':71き金に 在ったという報道や評論が目立った。 1937年5月のレークハーストにおけるヒンデンプルク号の爆発事故は電解水素が化学素材として 天量に利用された時代の│恐怖」の代名詞みたい左ものであったO こうした歴史を覚えている世代は 化学爆発を何かと水素爆発に結びつける先入観があるようであるO 今回のチェルノブイリの事故でも,朝日を初めとする日本の新聞やN H Kの解説委員などはヲもちろ んヲ科学的左根拠を持たす主に「水素爆発」を推測していた。レーガン米大統領も一度これに類した発 言をしているO ところで,熱源,触媒的金属(例えば,ジルコニウム,黒鉛まどわ水の3者が共存する系で水素 爆発の起る条件を,これまで厳密に考察した仕事は?一体あるのだろうか。これに関して,ごく初等 的に課題を列記してみたい。 1. スリーマイル事故の場合は冷却水が炉河に漏れ,水が直接分解したかヲあるいは金属を酸化さ せて水素発生が起きたとされるO 宜接分解の場合は1,000C '" 2,000じで効率がわるく,生成した酸素・水素の再結合による水素爆 発が大爆発に左りうる気体量は推定しにくい。炉内の熱ワットを与えて蓄積水素量を計算することが できるはずであるが,ある程度の爆発をするための水の量?熱量,時間在ども条件として必要であるO 2. 閉じた空間で左いと大爆発は起ら左い。それは水素の散逸速度が速く,蓄積され左いからであ るO 一万?閉じた空間では水素爆発が起るにはどこかから酸素が供給される必要があるO したがって L の前者の場合左どで,ある金属が酸化して水素が生成した時には,爆発に必要左大量の酸素が閉空間 の?一体どこから供給されるのだろうか。 3. 開空間でも爆発は起りうるO その時には水素の散逸量(速度を考えての上)以上に水素生成が 起ってい左ければ左らずp その生成の化学ワッテージは,きわめて大きく在るはずであるO 4. チェルノブイリ事故では黒鉛制御棒を も移動させたため, 7 %稼動中の炉が 5 0 %稼 動の状態へ急に上昇したというO 然、し?こうした条件だけでは水の役割が不明確で化学爆発は推定し にく

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水が黒鉛と化合(反応率はきわめて高い)して,

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2左どが生成し7 これが再結合して 47

(2)

化学爆発が起きることは十分ありうるO この場合も,どうして水が炉心へ浸入したか,またその水の 量や流量の速さも問題であるO 6. 高温の熱をもっ大きい熱容量の炉心等へ水が注がれ〉ば,化学爆発より,まず水蒸気爆発が起 きるO この水蒸気爆発が起き左い前に化学爆発や水素爆発が起る可能性がありうるのだろうか。 7. あるいは?ここで挙げた 4種類の爆発(水蒸気爆発?化学爆発ヲ水素爆発?直接分解再結合) すべてが起きたのだろうかO また,これらの何れでも左い原子炉の炉心特有の爆発左のだろうか。 問題の提起は以上のようであるが,水分解による水素生成の専門家の多い本協会の会員によって, これに関する湛念左研究が左されることを期待したい。 48

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