本日の予定
1. まるごとについて
2.まるごとコースの概要
3.まるごとの授業
4.自律学習支援
5.まるごとコースの成果と課題
(6.オンラインツールの活用)
『まるごと』ってどんな教科書ですか?
『まるごと』って、どういう意味?
ことば
人々
文化
1.『まるごと』の特徴…その前に
1.文型シラバスと、Can-doシラバスの違い
・何が違うでしょうか。
文型シラバスとCan-doシラバス
みんなの日本語「6課」 【文型】 わたしは ジュースを 飲みます。 わたしは 駅で 新聞を 買います。 いっしょに 神戸へ 行きませんか。 ちょっと 休みましょう。 【語彙】 動詞:食べる、飲む、吸う、見る、聞く、読む、書く、撮る、会う 名詞:上記動詞の目的語(肉、映画など)、場所(食堂など) その他:誘うやりとりに必要な表現(いっしょに、いいですね等) 【その他】 食べもの語彙リストと食料自給率文型シラバスとCan-doシラバス
まるごと「6課」 【目標】 好きな料理が言える 昼ごはんをどこで一緒に食べるか、友達と話すことができる ハンバーガーの店のメニューを読むことができる ハンバーガーの店で簡単な注文をすることができる 【文法】 好きな(きらいな)Nは、Nです / ~で食べます / ~いです・~くないです / ~ましょう / ください 【語彙】 料理名(ラーメン等)、形容詞(安い、早い、おいしい等)、~屋 一つ~五つ、メニュー名 【文化】 写真とイラスト、日本のファーストフードの店の写真と問いかけCan-doシラバスと文型シラバス
Can-doシラバス 文型シラバス 目標 Can-doの達成 文型と、文型を使った会話の習得 言語材料の 集め方 目標Can-doに必要なもの 文型理解と習得に必要なもの トピック 限定的 限定しない 文法項目 限定しない 限定的 言語以外の 要素 写真、イラスト、生活文化情報 など ?レベルとCan-do
A1のCan-do 飲食店で、サンプルやメニューの写真を指差しながら、料理や飲み物を、 「これをください」など簡単な言葉で注文することができる。 A2のCan-do レストランなどで友人に、おすすめの料理について、味や食材などの簡単 な情報を、質問したり、質問に答えたりすることができる。レベルとCan-do
A1のCan-do 一緒に外食するとき、好きな料理は何か、友人にたずねたり、答えたり することができる。 A2のCan-do お互いの国や地方の文化や習慣について、挨拶のしかたや食事の作法 などの簡単な情報を、友人に質問したり、答えたりすることができる。『まるごと』 かつどうの特徴
・コミュニケーション行動が目的
・聴解先行、音声重視
・場面や文脈の中でインプット→アウトプット
・トピックから離れない、文法に深入りしない
・異文化理解の機会をふんだんに
(文化の話は脱線じゃない)
Can-doシラバス の教材に共通『まるごと』の異文化理解
• トピックに関連した異文化・自文 化の理解
• ことばの背景にある価値観 • 話題、登場人物、写真など
・活動を支える文法や語彙を体系的に学ぶ
・場面や文脈と切り離さずに導入・練習
・練習や確認にも音声を利用
・文法の導入・練習は、必要な時に必要なだけ、
ただしスパイラルに何度でも
『まるごと』 りかいの特徴
『まるごと』の特徴:2分冊
<かつどう> ・特定の場面や文脈で、日本語を 使って活動する。 ・背景となる文化を理解する <りかい> ・活動と同じ場面、文脈の中で、 体系的に言語を学ぶ (文字、語彙、文型、文法、読解、 作文) 必要最低限の材料で活動 文法はさらりと 活動との重なりを生かして 文法、語彙を広げるKCではこんな「まるごとコース」をしています
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外交官・公務員日本語研修
• 対象研修
外交官・公務員日本語研修
• 研修期間
8ヶ月間
• 対象者
外交官30名程度
公務員10名程度
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外交官・公務員日本語研修
• 研修目標 ① 日本語能力の習得 ・日常生活に必要な日本語能力の習得 ・業務に必要な日本語能力の習得 ・継続学習の基礎となる日本語能力の習得 ② 日本の社会や文化についての一般的な知識を得る ③ 日本人との交流を通した人的ネットワークの形成19
コース概要
カテゴリー 科目と活動 △は選択科目 1学期 2学期 3学期 一般的な日本語 異文化理解 活動、理解、かな漢字、生活と文化 △日本語バラエティ スピーチ1 専門日本語 スピーチ2 プレゼンテーション 専門語彙 △専門語彙 社交の日本語、 △日本のニュース ICT タイピング、メール作成、情報検索、発表資料作成、学習サイト紹介など 自律学習支援 プログラムオリエンテーション チュートリアル ポートフォリオ(PF)オリエンテーション チュートリアル PF作成、自己目標設定 調査実習、チュートリアル PF作成、自己評価 今後の学習計画作成 日本文化社会の理解 社会文化講義、省庁訪問、 見学、訪問、研修旅行、 伝統文化体験 社会文化講義、見学、訪問、 自主研修旅行、伝統文化体験 社会文化講義、省庁訪問、見学、 訪問、研修旅行、伝統文化体験 交流 ネットワーク 外務省担当者との面談 大学生交流会 会話パートナー ホームビジット DLGL感謝祭 (スピーチ、ポスター発表会)みん日コースからの変更点:コース概要
カテゴリー 1学期 科目と活動 △は選択科目 2学期 3学期 一般的な日本語 異文化理解 文法、会話、聴解、読み書き、かな漢字、日本事情 スピーチ1 △読解 専門日本語 スピーチ2 プレゼンテーション 語彙、専門語彙 △専門語彙 社交の日本語 PC タイピング、メール作成 自律学習支援 プログラムオリエンテーション チュートリアル チュートリアル 自己目標設定 調査実習、チュートリアル 今後の学習計画作成 カテゴリー 1学期 科目と活動 △は選択科目 2学期 3学期 一般的な日本語 異文化理解 活動、理解、かな漢字、生活と文化、 △日本語バラエティ スピーチ1 専門日本語 スピーチ2 プレゼンテーション 専門語彙 △専門語彙 社交の日本語、 △日本のニュース ICT タイピング、メール作成、情報検索、発表資料作成、学習サイト紹介など 自律学習支援 プログラムオリエンテーション チュートリアル ポートフォリオ(PF)オリエンテーション チュートリアル PF作成、自己目標設定 調査実習、チュートリアル PF作成、自己評価 今後の学習計画作成「まるごと」を使って、こんな授業をしています
『まるごと』1トピックの流れ
1日目(奇数課)2日目(偶数課) 3日目(2課分) 科目名 クラス活動 (100分) かつどう 各課の課題 かつどうチャレンジ 課題の復習と応用、課外活動の準備 自己評価(2課分のCan-doチェック) 科目名 クラス活動 (50分) 文字 かなと漢字の導入、練習 生活と文化 トピックのテーマに沿った日本事情の紹介、参加者に よる各国事情の紹介、ディスカッションなど 文化的気づきの記述 科目名 クラス活動 (100分) りかい 文字と言葉、会話と文法、会話、 作文の導入 りかいチャレンジ 語彙と文法の復習、読解、作文の推敲と共有、 文法のまとめ 『まるごと』以外のタスクリーディング 自己評価(2課分のにほんごチェック)テストの概要
内容 時間 かつどうテスト インタビューテスト(一人ずつ) ① Q&A ② ロールプレイ (③ ショートスピーチ) 5-8分 りかいテスト 筆記試験 文法、聴解、読解、語彙、作文 90-100分 漢字テスト 筆記試験 ひらがな・カタカナ(1学期中間) 漢字(1学期期末以降) 15-20分 まるごと トピック 1-5 中間試験 まるごと トピック 6-9 期末試験PPTを見て
授業の流れ
を確認しましょう
「かつどう」の授業のポイント
・目標とGOALを意識づける
・わかる語彙、言える語彙、忘れてもいい語彙
・インプットもアウトプットも、場面設定を明確に
・まず聞いてみる、まず類推してみる
(教師が先に教えない)
・文法の質問が来たら、さらっと説明。練習しない
PPTを見て
授業の流れ
を確認しましょう
「りかい」の授業のポイント
・練習にバリエーション
→一人で / ペアで / 全体で
・答え合わせにもバリエーション
→ペアで / 全体で / 音声で
・読解は必要な情報以外は読み飛ばす
・全体構成を考えて、アウトプットの時間を調整
文化って、どう教えていますか?
授業例(A2-1 トピック1 妻と夫の役割)
① 写真・イラストを見てトピック確認 ② クイズでブレーンストーミング ③ データや実際の例を紹介
④ ビデオ(英語字幕)を見てインプット ⑤ グループでディスカッション
自国での夫婦の役割について ⑥ 話し合ったことを発表
PPTとビデオを見て
授業の流れ
を確認しましょう
宿題 Facebookグループで自国情報や意見を共有 例)A1トピック3 ファーストフード
授業案(A2-1 トピック1 妻と夫の役割)
日本の生活と文化について知り、自分の国や自分自身と比較して話し合う。 授業の目的 1)日本の生活と文化について「気づき」を持つ 2)自国の生活と文化について「内省」してみる 3)日本と自国の違いを「比較」し「分析」する 4)1~3を基に新たに「行動」する 5)外交官・公務員として自国の生活と文化について「発信」する 6)研修参加者の国についても知る 「異文化コミュニケーション」
まるごとの授業
生活と文化
内容 23トピック Term1 [来日~3か月目] 日本についての知識を増やす Term2 [4~6か月目] 自国と比較し共通点・相違点を探す 発表:「自主研修旅行ビデオ発表」 各自が旅行先で撮影したビデオ(街並・観光地・名産等)を発表 Term3 [7か月目~帰国] 日本での経験に基づいて話し合う 最終授業:「私のクールジャパン」 8か月の滞在中に見つけたクールな日本の物・人などを紹介し合う Term 1 名刺交換、ファーストフード、和室、日本人の一日、サービス 季節のイベント、お土産、観光地 Term 2 妻と夫の役割、暖かい冬、街並み、時間感覚、弁当、就職活動、健康法 贈り物、自主研修旅行ビデオ発表 Term 3 作りながら食べる料理、自然を楽しむ観光地、東日本大震災、 正月遊び、伝統文化、私のクールジャパン
まるごとの授業
生活と文化
自律学習支援って何をすれば?
• オリエンテーション
• チュートリアル
• ICTクラス
• ポートフォリオ作成
• 自己目標設定と自己評価
• 勉強方法の共有、グッドラーナーインタビュー
• コースアンケート
結果• 調査実習
• 今後の学習計画作成と継続学習支援
4.自律学習支援
KCでの成果と課題をご紹介します
• 口頭運用能力
(口頭試験)• 言語知識
(筆記試験)Good(70%以上の達成度)以上
86.1
% →
89.1
%
日本語能力 テスト結果
Excellent Successful Good Fair Acceptable Survival 目標達成者
H24~26
年度平均 23.6% 34.5% 27.3% 15% 0.1% 0% 84.9% H27年度 45.9% 29.7% 21.6% 0.2% 0% 0% 97.2%
日本語能力 教師の観察
• 研修中盤と終了時に担当教師15名にアン
ケートを実施
• 「
これまでの研修参加者との違い
」
「
これまで経験した初級学習者との違い
」
について自由記述で回答
日本語能力 教師の観察
話すこと • 話すことにためらいがない • 間違えないようにきっちり話すより、目的を果たす ためにとにかく話すという人が多い • 準備なしで話さなければならないような状況でも 気楽に話している • 正しいかどうかは別として、助詞を飛ばそうが間違え ようが、活用を多少間違えようが、臆せずに相手に 意図が伝わるように話そうという姿勢が見られた 間違いを恐れず積極的にコミュニケーションしよう という姿勢日本語能力 教師の観察
話すこと
• 下のクラスでも口頭テストで会話が破綻しない
• クラスでも、よくできる人だけが話しているのではない 従来と比べて成績下位の研修参加者の変化
日本語能力 教師の観察
書くこと • 書くことについて抵抗感がない • 作文で長い文をどんどん書いてくる • スピーチ(ドラフト)でも話したいことをどんどん 書いてくる • SNSにも臆せずどんどん日本語で書き込んでいる 間違いを恐れず積極的に書こうという姿勢日本語能力 教師の観察
聞くこと • 全部わからなくてもいいという雰囲気がある • 自然な話し言葉に対する抵抗感が少ない • 必要なことだけに集中すればいいと割り切っている • これまではターゲットの文型以外の表現は理解の 邪魔になったり、難しいと感じさせる要因になって いたが、今年は下位グループも聞き飛ばすことに 慣れている 情報を選別して聞く態度日本語能力 教師の観察
文法理解 • 以前の学習者ではしないような助詞の間違いがある • 上のクラスでも、復習すると、ごく基本的なところで 覚えていなかったり、よくわかっていないことがあった • 動詞の活用や普通形など、体系的な理解まで至ら なかった人も多かったと思う 不安を感じる声日本語能力 教師の観察
文法理解 • 活動クラスではできるのに、理解クラスで文法説明を 加えるとわからなくなるケースがあった • 文法理解が苦手なタイプは『みんなの日本語』の 場合、苦労していたのかと思った • 連体修飾を導入した際、普通形の説明に固まって いたのに、課題では使えているので驚いた 文法はわからないが課題は達成できるという 学習者の姿日本語能力 教師の観察
ストレスとモティベーション • 一番大きな違いは、語彙が覚えられない、文法が 苦手な学習者のストレスが軽減されたこと • 一番下のクラスでも最低限の課題はできるので、 モティベーションが維持できている • 話せるという実感があるからか、学習に対する不安 やストレスが少なく、楽しく学習しているように見受け られる 特に下位レベルの参加者のストレスが軽減満足度
大変満足 まあまあ満足 やや不満 不満 研修全体 73.0% 27.0% 0% 0% 日本語プログラム全体 73.0% 24.3% 2.7% 0% 科目評価(活動) 62.2% 32.4% 2.7% 2.7% 科目評価(理解) 64.9% 32.4% 2.7% 0% 研修修了時の満足度調査満足度 コメント
日本語プログラム全体 • 私たちのニーズに合っていた • こんなに日本語ができるようになるとは思っていなかった 肯定的な意見が大勢を占める • もっと仕事に関する内容を学びたい • もっとインテンシブな内容で中級まで学びたかった 学習能力の高い数名の参加者は、カリキュラムの 進度や内容に物足りなさを感じていた満足度 コメント
クラス活動(活動・理解) • 会話例はみな、日常生活で必要なものだった • 作文をシェアするのは楽しかった。世界を旅するよう だった • 自分の国について紹介する機会があったのがよかった 『まるごと』が提供するクラス活動を楽しんでいた様子 がうかがわれる満足度 コメント
クラス活動(活動・理解) • 活動では語彙が制限されているのが不満 • もっといろいろなトピックについて学びたい • もっと長い読解をしたい より多くの学習内容を望む声 • 理解は難しかった。混乱することが多かった 言語知識の学習に苦労する声教師の気づき
• これまでは「文型が入っているかどうか」を話題にして いたが、今期は「できているかどうか」が話題の中心 だった。「何を教えるか」という意識が変わった。 • いい意味で細かい部分の助詞や文法などにこだわら なくなった気がする。日常生活で多少間違っても 気にしないレベルの部分では、授業中もこだわりすぎ なくなったと感じる。 • 普段の自身の発話も「生の会話」に近い、コントロー ルしていないものになった。教師の気づき
• 学習者たちの学びをナビする役割に徹することができ るのがおもしろい。 • 学習者同士で会話を広げていくということは、初級 ではなかなかできないと思っていたが、状況が分かっ ていればバリエーションのある会話が生まれていくもの だと実感した。教師の気づき
『みんなの日本語』 『まるごと』
• 教師にとってもチャレンジであり、新しい体験
• 教師の意識や態度に変化
• 学習者観にも新たな発見
• 研修を「
まるごと
」見直す機会
まるごとコースの成果
従来の問題点の解消 • 下位レベルの動機付け • 研修開始時の文字学習の負担感 • 研修中のストレス 中位下位レベルの参加者の口頭運用能力の向上 課題遂行を重視する姿勢 専門日本語学習への好影響 「生活と文化」クラスによる文化社会理解のカリキュ ラムの改善 研修を「まるごと」見直す機会まるごとコースの課題
上位レベルの参加者のカリキュラム • 漢字や専門語彙などのシラバスの一部削減 • アウトプットのレベルは維持されているものの、 インプット量の減少への物足りなさが見られる 業務や生活に役立つ課題を目標として必要な言語 知識の充実を図り、参加者の学習意欲に応えていくまるごと+使っていますか?
まるごと+
marugotoweb.jpQuizlet
まるごとA1 語彙 https://quizlet.com/kentarojapan/folders/a1-japanese-english まるごとA2-1 語彙 https://quizlet.com/kentarojapan/folders/a2-1-japanese-english まるごとA2-2 語彙 https://quizlet.com/kentarojapan/folders/a2-2-japanese-english6.オンラインツールの活用
自習用としても授業内での+αとしても活用 • イントロダクション 日本語のオリエンテーションに最適。Japan knowledge はクイズにすると盛り上がる。 • ドラマでチャレンジ Can-doとシチュエーションの確認、チャレンジ練習、シャドー イング、例を使って内容確認クイズなど • 会話 パートごとに練習、ドラマよりも短くCan-doごとに練習
まるごと+の活用
• 生活と文化研究所 英語/日本語で読んできて内容確認。自分/国ならどうか をお互いにシェア • 文法・語彙 宿題として使用。授業終わりの理解確認、または翌日に 前日の復習として使用 • リスニング 音声を聞いて解答、スクリプトを見て内容確認、シャドー イングなど