• 検索結果がありません。

1. Don't Touch That Dial DVD NFLX S&P DISVIABCBSCBS 430 AAPL CMCSAX1 X1 20 AMZN PER PER PER

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "1. Don't Touch That Dial DVD NFLX S&P DISVIABCBSCBS 430 AAPL CMCSAX1 X1 20 AMZN PER PER PER"

Copied!
27
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

※ 当誌は、株式会社 時事通信社がライセンスに基づき Dow Jones & Company, Inc.の発行する BARRON S 誌の内容を利用して作成したものです。

※ 当誌は、情報提供を目的としてのみ作成したものであり、有価証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、当誌は当社が信頼できると判断した資 料およびデータ等により作成しておりますが、その正確性および完全性について保証するものではありません。また、将来の投資成果や市場環境を保証するもの ではありません。投資決定にあたっては、投資家ご自身の判断でなされますようお願いいたします。

T

HIS

W

EEK’S

M

AGAZINE

Week of August 5

1.

Don't Touch That Dial チャンネルは変えないで→ P.2 【放送業界】

新旧放送局の対決と、ますます重要になるコンテンツ

2.

The IPO Market's Baby Boomlet IPO 市場のベビーブーム→ P.6 【米IPO 市場】

今年に入って新規上場が急増し、市場の好調に株価も順調

3.

The Case For Franklin Resources 上値余地は 20%→ P.8 【フランクリン・リソーシズ】

金利上昇でダメージを受けてもフランクリンの株価上昇を予想する理由

4.

Bracing For The Next U.S. Recession 次の米国の景気後退に備えよ→P.10 【インタビュー】

負債が多過ぎるため、高金利を支えられない 負債を減らす必要

5.

The Trader ゴルディロックス相場の復活か→ P.12 【米国株式市場】

「ちょうど良い」雇用統計の発表を受けて史上最高値更新

6.

Don't Hang Up On Samsung サムスン電子を見捨てるな→ P.15 【サムスン電子】

苦境を脱したが割安のままの株価

7.

Deja Vu For Emerging Nations 新興国は 1990 年代の再来→ P.16 【新興国市場】

成長促進のための利下げか、通貨防衛のための利上げか

8.

Preview 今週の予定→ P.18 【経済関連スケジュール】

投資家たちの夏休み

9.

Golf Clap For Another Record 高値更新にも気分は盛り上がらず→ P.20 【株式市場展望】

評価すべきは「より正常な状態への回帰」

10.

Time To Lighten Up On Chip-Equipment Stocks そろそろ売り時→ P.21 【半導体関連銘柄】 フォームファクター、アプライド・マテリアルズなどの半導体製造装置メーカーは一服へ

(2)

1. Don't Touch That Dial チャンネルは変えないで

【放送業界】

新旧放送局の対決と、ますます重要になるコンテンツ

■ インターネットによる番組配信の急成長 オンライン動画配信・DVD レンタル大手のネットフリックス (NFLX)は素晴らしい夏を過ごしている。先月はエミー賞 14 部門でノミネートされた他、米国の加入者が3000 万人に達し たと発表した。株価は年初来で170%上昇して S&P500 指数構 成銘柄の中でトップだ。同社には大きな期待が持たれている。 とはいえ従来のテレビ放送会社も負けてはいない。米国では昨 年、広告主が地上波放送やケーブルテレビ、衛星放送会社に過 去最高の630 億ドルを費やし、ケーブルテレビと衛星放送の加 入者収入は970 億ドルだった。後者はネットフリックスのスト リーミング配信収入の 44 倍である。番組の価値も今ほど高か ったことはない。有料テレビ会社は昨年、ウォルト・ディズニ ー(DIS)やメディア大手バイアコム(VIAB)、CBS(CBS) といったコンテンツ保有者に430 億ドルを支払った。 旧来のテレビ放送が新技術に凌駕(りょうが)されると主張す る人々は、音楽業界の前例を根拠にしている。しかし、アップ ル(AAPL)が音楽配信で優位に立った時には、音楽業界は既にファイル共有で大打撃を受けており、失う ものは何もなかった。現在のテレビ放送業界は違う。 ネットフリックスはインターネット放送の優位性を主張するが、ケーブルテレビ会社がインターネットの到 来を予測していなかったわけではない。ケーブルテレビ最大手のコムキャスト(CMCSA)は昨年、X1 とい う新たなインターフェースを導入した。それはネットフリックスのインターフェースの特徴を真似ており、 X1 の利用者のビデオオンデマンドの視聴数は 20%増加したとコムキャストは言う。 ■ 旧勢力とコンテンツ保有者に投資妙味 それでも投資家は、ネットフリックスやアマゾン・ドット・コム(AMZN)といった業界の改革者が技術革 新の唯一の支配者であると考えているようだ。ネットフリックスの今年度予想株価収益率(PER)は 105 倍 で、従来型のテレビ放送会社は相対的に割安にみえる。フレッド・アルガー・マネジメントのダン・チャン グ氏はコムキャストに20%の上値余地があると考えており、今年に入って 3 カ月で 1 億 7500 万ドルを同社 株に投資した。同社の予想PER は 17 倍だが、景気後退前は 30 倍だった。 コンテンツ側では、バイアコムが最も割安だ。PER は、景気後退前は 16∼20 倍だったが、今や 14 倍未満 だ。投資家は子供向けチャンネルのニコロデオンの視聴率の低さを懸念しているが、同社によるとタブレッ ト端末やスマートフォン経由の視聴が反映されていないという。ケーブルテレビ会社が、子供のいる家庭向 けでは必須のニコロデオン配信に支払う額は今後増加するだろう。バイアコムによると、チャンネル合計の 視聴率は20%だが、ライセンス収入におけるシェアは 10%に満たない。この差が今後数年間で埋まるにつ れて、市場の信頼感も高まるだろう。 ニーダム・アンド・カンパニーのローラ・マーティン氏は有料テレビ業界のエコシステムを調査してきた。 直近のレポートでは、21 世紀フォックス(FOXA)がコンテンツでは最高の位置にあるとみている。同社は 24 時間のスポーツチャンネルであるフォックス・スポーツ 1 を開始する予定で、フォックス・ニュースが CNN から視聴者を奪ったように ESPN から視聴者を奪うと見込まれている。

(3)

ケーブルテレビで2 位のタイム・ワーナー・ケーブル(TWC) は、業界再編の中で買収者または買収の標的として恩恵を受け る可能性がある。ケーブル業界の先駆者であるジョン・マロー ン氏は、会長を務めるリバティ・グローバル(LBTYA)が 27% 出資するケーブルテレビ事業者のチャーター・コミュニケーシ ョンズ(CHTR)を通じてタイム・ワーナー・ケーブルの買収 に関心を示した。今年第1 四半期のケーブルテレビ業界の買収 総額は49 億ドルで、買収側は加入者 1 人当たり 4934 ドルを支 払った計算となる。 衛星放送会社のディッシュ・ネットワーク(DISH)やディレ ク TV グループ(DTV)はケーブルテレビからシェアを奪い、 テレビ視聴方法の切り替え議論からは距離を置いてきた。しか し今や、高速インターネットの提供手段を持たないため、長期 的なリスクが高まっている。 ■ 番組製作には広告収入が必要 アップルは先日、コマーシャルをスキップできるセットトップ ボックスでテレビ放送会社と協議したと報道された。同社は広 告収入の喪失分を補償すると提案したとうわさされているが、 ある大手コンテンツ企業の経営者は交渉の余地はないと一蹴し た。広告主はテレビコマーシャルに昨年630 億ドルを費やして おり、1500 億ドルの現金を持つアップルでさえその損失補償は 容易ではない。グループM のアーウィン・ゴットリーブ氏は、 「番組制作費の相当部分が広告費用で賄われているため、広告 がなくなれば、視聴者からの収入だけではそれを補えない」と 語る。 ケーブルテレビ企業によるチャンネルの抱き合わせ販売(バン ドル)を解消し、加入者が好きな番組を選べるように(アンバ ンドル)しようとする動きもある。しかし、スタンフォード大 学のアリ・ユルコグル教授と英国ウォーリック大学のグレッ グ・クローフォード教授がそれぞれ、バンドルが解消された場 合のコンテンツ企業の対応を研究した。それによると視聴単価 は、現在の視聴料をチャンネル数で割った場合よりもはるかに 複雑で、視聴者数上位 50 チャンネルのコストは今よりも高く なるだろうと指摘した。これは、コンテンツ保有者が失われる 収入を補うために、その提供料を再交渉するためだと言う。ユ ルゴグル教授は、テレビとインターネットの融合は進むだろう が、それによって視聴料が低下するわけではないと言う。 ■ 視聴料収入からインターネット使用料収入への移行も ケーブルテレビ業界に対する弱気派は、ケーブルテレビや衛星 放送の解約を懸念している。実際ケーブルテレビ業界は 2012 年に0.9%の加入者を失い、1 億 0100 万件となった。しかし、 コムキャストは心配していない。同社は第 2 四半期に 15 万 9000 件の加入者を失ったが、それでも加入者数は 2180 万件あ り、ケーブルテレビ収入は5.8%増加した。タイム・ワーナー・ ケーブルとケーブルビジョン・システムズ(CVC)でも同様の 傾向にある。

(4)

解約を懸念する人々が見落としているのは、ケーブルテレビ会社のインターネットサービスだ。米国の家庭 の約60%は、ケーブルテレビ会社が提供する高速インターネットサービスに加入している。テレビの視聴が ケーブルテレビからインターネットテレビに変わったとしても、ケーブルテレビ会社は配信手段を押さえて いる。 ケーブルテレビ会社は、高速インターネットから、より効率的に収益を得られるようになるだろう。コムキ ャストは、使用量に応じたさまざまな月額プランを試しており、タイム・ワーナー・ケーブルもインターネ ットの使用量が少ない加入者に割引プランを提供している。逆に、ネットフリックスなどがインターネット テレビで視聴シェアを奪ったとしても、ケーブルテレビ会社はインターネット使用量の増加に応じて高い料 金を設定する可能性もある。そうなれば、ネットフリックスなどの低料金の利点はなくなり、ケーブルテレ ビ会社にとっては視聴者がどのような方法で番組を見ようが関係なくなるだろう。 一方で、グーグル(GOOG)やインテル(INTC)がインターネットテレビサービスを開始する可能性もあ る。アップルも、居間におけるインターネット利用からの収益獲得を狙っている。 放送局側は、放送した後のコンテンツも自身の手の内にとどめようとしている。ディッシュはゴールデンタ イムの番組を保存し、放送から8 日間は加入者がオンデマンドで視聴できるサービスを開始した。タイム・ ワーナー・ケーブルは、Xbox 360 経由で番組のストリーミング配信を開始したが、視聴できるのは同社の ケーブルテレビの加入者だけだ。 従来型のテレビ放送会社は引き続き対策を周到に用意するだろう。それが、新興サービス会社がニュースの 見出しを飾るのを見守ることだとしてもだ。ネットフリックスはこの秋、エミー賞を幾つか獲得するだろう が、投資家はトロフィーではなく金の行き先を追いかけるべきだ。

(5)

Netflix, Inc (NFLX) Walt Disney Co (DIS) Viacom Inc (VIAB)

CBS Corp (CBS) Apple Inc (AAPL) Comcast Corp New (CMCSA)

Amazon.com Inc (AMZN) Twenty First Centy Fox Inc (FOXA) Time Warner Cable Inc (TWC)

Liberty Global Plc (LBTYA) Charter Communications Inc D

(CHTR) DISH Network Corp (DISH)

Directv (DTV) Cablevision Systems Corp (CVC) Google Inc (GOOG)

チャートは3 年(FOXA は 2 カ月)

By ALEXANDER EULE (Source: Dow Jones)

(6)

2. The IPO Market's Baby Boomlet IPO 市場のベビーブーム

【米 IPO 市場】

今年に入って新規上場が急増し、市場の好調に株価も順調

■ IPO 市場の黄金期 新規株式公開(IPO)市場が白熱している。2013 年第 2 四半期の IPO 件数は 44 社を数え、2006 年第 4 四半期以来の高水準となった。 現在、小型株市場は絶好調で、上半期の新規上場株は平均で上場初 日に16.97%上昇し、7 月末までに 39.16%の上昇を記録した。 昨年5 月、フェイスブック(FB)がナスダックに上場し、インター ネット関連企業として過去最大となる160 億ドルを調達した。公開 初日にナスダックでシステム障害が発生し、その後、利益見通しの 修正情報が一部の投資家だけに伝えられていたことが発覚してフェ イスブックや引受会社が訴えられたのはまだ記憶に新しい。同社株は一時17.55 ドルまで値を下げたが、市 場の好調にも後押しされ、先週ようやく公開価格の38 ドルを取り戻した。 2012 年上半期の IPO は 59 件で、総額 252 億ドルの 3 分の 2 をフェイスブックが占めた。今年の上半期は 67 件で 180 億ドルだが、突出した案件はなくバランスが取れている。株価は市場全体で上昇しており、中 でも小型株で構成されるラッセル2000 指数は上半期に 15%上昇と、S&P500 指数の 13%を上回るパフォ ーマンスとなっている。また、現在の市場はボラティリティも小さく、証券会社、発行体、投資家は市場全 体やそれぞれの案件について冷静に評価する余裕がある。問題は、こうした状況がいつまで続くかだ。 今年の IPO を見ると、数が多いだけでなく、業界もヘルスケア、建設、ハイテク、金融/保険と多岐にわた っている。IPO 企業の創業からの平均年数は 17 年だ。IPO に対する投資や調査を手掛けるルネサンス・キ

(7)

ャピタルのポートフォリオマネジャー、リンダ・キリアン氏は、「欧州の金融危機や米国の住宅ローン危機、 欧米の銀行問題などを理由に公開を手控えてきた企業が一斉に動き出した。検討に値するIPO 案件が数四半 期にわたって途切れることなく続くのは数年ぶりだ」と語る。 ■ ベンチャーキャピタルが支援するバイオ企業が続々と公開 もう一つの特徴として、買収した会社が持ち分を公開するのではなく、ベンチャーキャピタルの支援を受け ている企業のIPO が増えている。こうした伝統的な IPO 案件は、第 1 四半期は 8 件、第 2 四半期は 21 件 だった。背景には、機関投資家がリスク回避、利回り重視、大型優良株志向から、グロース株志向へとシフ トしているのに加え、2012 年に成立した新興企業活性化法(JOBS 法)により、中小企業に対する規制や財 務報告義務が緩和されたことがある。それが最も顕著に表れているのがバイオ関連で、第 2 四半期は約 20 社が新たに公開された。政府、大手製薬会社、研究機関が初期段階の開発から撤退し、バイオ投資を削減す る方向にある中、リスクの高いバイオ関連企業にとってベンチャーキャピタルの資金は欠かせない。こうし た企業にとって、米食品医薬品局(FDA)が新薬申請プロセスの簡素化と低コスト化を決めたことも追い風 となっている。 遺伝子治療に特化しているブルーバード・バイオ(BLUE)はその一例で、同社の株価は 6 月 19 日に 25.50 ドルで公開されて以降 50%上昇している。ニック・レスリー最高経営責任者(CEO)は、科学的な専門知 識があり、開発の初期段階に投資をしようという投資家からの支援が増えていると語る。その結果、IPO は 「資金調達自体が目的という要素が薄れ、企業が発展するための価値創造の機会となっている」という。 ブルーバードを支援するベンチャーキャピタルの1 社であるサード・ロック・ベンチャーズのケビン・スタ ー氏は、「バイオ企業のIPO は複雑な科学・医薬品業界における商品投資であり、成功すれば株価のみなら ず買収市場でも値を釣り上げることが可能になる」と語る。サード・ロックは、先月IPO を実施したアジオ ス・ファーマシューティカルズ(AGIO)にも設立当初から支援している。 ■ 今公開せずにいつやるか? その他、画像などのファイル共有サービスを提供するドロップボックス、ソーシャルメディアサイトを運営 するツイッター、オンライン教科書レンタルサービスのチェグ、フラッシュメモリーを生産するバイオリン・ メモリー、企業向けソフトのシュガーCRM といったハイテク関連企業で IPO がうわさされているのに加え、 高級百貨店のニーマン・マーカス、住宅建設のLGI ホームズ、外食チェーンのチェダーズ・カジュアル・カ フェやスマッシュバーガーが上場に向けて準備を進めているなど、候補企業を挙げればきりがない。 では、これほどの大量IPO を小型株市場は受け入れることができるだろうか。ラッセル 2000 指数の 2014 年予想利益に基づく株価収益率(PER)は 19 倍で、S&P500 指数の 15 倍を大きく上回る。小型株は過去 2 年間にわたって上昇を続けてきたが、今後は減速し、いずれ下落に転じる可能性も小さくないとする見方も

(8)

ある。つまり、中小の成長企業のCEO にとって時間は刻々と過ぎていくということだ。調査会社の S&P キ ャピタルIQ のリチャード・ピーターソン氏は、「何を迷っているのか。市場は史上最高値の水準にある。今 IPO を実施しなくていつやるというのか」と指摘する。

Facebook Inc (FB) Bluebird Bio Inc (BLUE) Agios Pharmaceuticals Inc (AGIO)

チャートはFB は 1 年、BLUE は 2 カ月、AGIO は 1 カ月

By JACK WILLOUGHBY (Source: Dow Jones)

3. The Case For Franklin Resources 上値余地は 20%

【フランクリン・リソーシズ】

金利上昇でダメージを受けてもフランクリンの株価上昇を予想する理由

■ 債券と新興国市場の逆風に直面 ミューチュアルファンド運用会社がいうように、過去のパフォーマ ンスは将来の運用成績を保証するものではない。それでも、フラン クリン・リソーシズ(BEN)の株価は最近一服した後、再び長期に わたりアウトパフォームを続ける公算が大きい。8 月 2 日の終値は 49.86 ドル。今後 1 年のリターンは 20%に達する可能性がある。 フランクリン・リソーシズは、フランクリン、テンプルトン、ミュ ーチュアル・シリーズといったブランドを通じて100 を超えるミュ ーチュアルファンドを提供している。バロンズ/リッパー・ファン ドファミリー・ランキングでは、10 年間のスコアの順位は 46 社中 15 位だった(本誌 2013 年 2 月 11 日号 「ファンドファミリー・ランキング」を参照)。同社は、1947 年に債券運用会社として設立された、最初の 大手ファンド運用会社の一つであり、1992 年にはテンプルトンを買収し、グローバル投資を推し進めた。同 社のこのような特性は 30 年に及ぶ債券の上昇相場や新興国市場への投資の台頭に対してプラスに働いた。 同社の株価は株式分割による調整後で見ると、過去20 年間で 13 倍になった(S&P500 指数は 4 倍)。 ところが、最近は同社の重要なセールスポイントが逆に重荷になっている。米連邦準備制度理事会(FRB) が景気回復に伴って積極的な債券購入プログラムを縮小するとの懸念から、債券価格は5 月の初めから急落 し、10 年物米国債の利回りは、5 月 1 日以降 1%ポイント上昇して 2.6%となった。ストラテジストは債券 から株式への長期的な「グレート・ローテション」が起きていると指摘する。その一方で、新興国市場は経 済成長が減速する中で下落を続け、新興国の株価は今年10%下落した(MSCI によると世界株式は米国市場 の牽引により14%上昇)。 フランクリン・リソーシズの収益源は運用資産をベースにした運用報酬であるため、主要な資産カテゴリー での損失は、特に投資家の資金の引き出しが起きた場合には、利益に打撃を与えることになる。同社株の過 去6 カ月の上昇率は 8%にとどまる(S&P500 指数は 13%)。

(9)

■ 厳しい状況をうまく乗り切り株価上昇を見込む 先週、投資家は同社が厳しい環境下をいかに乗り切っているかを垣間見ることとなった。運用資産は3 カ月 前の8237 億ドルから 6 月末に 8150 億ドルに減少したが、これは資産価値の下落によるもので、長期資金 の流入は4-6 月期でプラスとなった。6 月は資金流出が高水準だったが、7 月には縮小した。1 株当たり利益 (EPS)は 86 セントと前年同期比で 21%増加したが、前四半期比で 4%の減少となった。費用の伸びが緩 やかだったため、利益率は改善した。 全体的に見て、フランクリン・リソーシズはよく持ちこたえている。その理由の一つは、多くの投資家が考 えているより現在の環境に対するポジションがそれほど悪くないことにある。運用資産の54%を株式とハイ ブリッド型のファンドが占めているため、もし投資家が実際に長期的に債券から株式へ移っても、同社は運 用資産を増やすことができる。巨大なテンプルトン・グローバル・ボンド・ストラテジーは、さまざまなフ ァンドに約1300 億ドルの資産を保有しており、資産の大部分をデュレーションの短い国債で運用すること で、さらなる債券利回り上昇のリスクを軽減している。また、同社の運用資産の15∼20%は新興国市場の株 式と債券に投資しており、同市場がさらに下落すればパフォーマンスが悪化する可能性がある。しかし、新 興国市場がアンダ―パフォームすることで先進国市場と比較して割安になるため、永遠に投資対象から外さ れるわけではない。 新興国市場には、新たな投資家層にミューチュアルファンドを売り込む機会もある。同社の最高経営責任者 (CEO)のグレッグ・ジョンソン氏はマレーシアに特に強い関心を見せており、同社はマレーシアでの運用 資産を4 年間で 40 億ドルにまで増やした。 同社の2014 年予想株価収益率(PER)は 13 倍と、同業他社の 15 倍超を下回る。配当は低い(直近の配当 利回りは0.8%)が、特別配当と自社株買いを加えると、同社は過去 4 四半期に利益の 3 分の 2 超を株主に 還元していることになる。このペースが続くと仮定すると、株主に来年支払う金額の合計(配当と自社株買 い)は株価の5%近くになると予想される。 バリュエーションは同業他社よりディスカウントとなっているが、債券の損失と資金流出の懸念が後退する ことによって、今後数四半期でディスカウント幅が縮小する 可能性がある。予想PER が 14 倍まで上昇すると仮定すると、 現在の株価には17%の上値余地がある計算になる。四半期ご との配当と特別配当(同社は過去4 年間で 3 回実施)を加味 すると、トータルリターンは20%に達する。 投資家が注意すべきリスクの一つは地方債だ。フランクリ ン・リソーシズのほとんどの債券の保有銘柄と異なり、地方 債のデュレーションは長いため、金利リスクが高く、最近の デトロイト市の破産の報道を受けて最近はポートフォリオか ら資金が流出している。ただし、ジョンソン氏は、利回りの 上昇が新たな投資を呼び込むことになるため、長期的に地方 債の損失は縮小傾向にあると指摘する。

Franklin Resources Inc (BEN)

チャートは3 年

By JACK HOUGH (Source: Dow Jones)

(10)

4. Bracing For The Next U.S. Recession 次の米国の景気後退に備えよ 【インタビュー】

負債が多過ぎるため、高金利を支えられない 負債を減らす必要

■ 負債が多過ぎるため、高金利を支えられない 一般的には米国経済はまずまずの成長を続けるとみられ ているが、ジェローム・レビー・フォーキャスティング センターのデービッド・レビー会長はそうは思っていな い。投資家は近い将来の景気後退に備えるべきだと考え ている。レビー父子の名は弊誌の読者にはなじみかもし れない。故人となったジェイ・レビー氏は鋭い洞察を与 えてくれた。息子のレビー氏は現在 58 歳で、父親と同 様に独自の鋭い意見を持っている。 本誌:米国債は買いというあなたの意見は、利回りが恐 らく 2.6%から 4%に上昇するとの大方の見方とは異な るが。 レビー会長:米国経済は、負債構造を考えると、4%以上の米国債の利回りを下支えすることはできない可 能性がある。住宅市場一つを取っても不安定過ぎる。実際、非金融企業の生産高に対する負債の比率は2008 年の景気後退の初期よりも高いため、高い金利を支えられない。また、利回りがその水準になれば、新興国 市場で深刻な問題が起きる。 Q:それで米国債が良く見える。 A:米国でも世界でも、ディスインフレとバランスシート調整の局面にある。そのため、新たな景気後退に つながる。案外早く来るかもしれない。日本のように、10 年物国債の利回りが 1%未満となるかもしれない。 Q:景気が改善していないという考えか。 A:景気循環としては改善しており、調整が終わったセクターもある。しかし、大局的に見れば、収入に対 する債務が多過ぎる。弱い経済成長で正当化できる範囲を超えて資産価額が異常に高い。低金利だけでなく、 低成長も勘案すべきだ。 Q:企業利益の成長について。大方の予想は楽観的過ぎるか。 A:下振れリスクは高く、特に海外の影響が大きい。例えば、貿易収支を改善しようにも、海外からの需要 が弱い。また、設備投資が弱いため、利益成長への貢献が漸減していく。 Q:5 月以来長期米国債の利回りが 1%ポイント上昇したが、経済への影響は? A:従来、10 年物米国債の利回りが 100 ベーシスポイント(bp)上昇すると、住宅販売への影響がかなり早 く出てくる。 Q:ベースが低い場合でも同じか。 A:それどころか、3%から 4%への変化の方が 8%から 9%への変化の方よりも変化率が大きい。住宅市場 は回復しているが、住宅ローンの契約は伸びていない。キャッシュ販売は伸びている。つまり、新しい家庭 が形成されて、初めてのマイホームを買っているというタイプの市場ではない。 Q:景気後退を予想しているように聞こえるが。 A:米国、欧州、中国の政策にもよる。2 年連続で財政赤字削減をやれば、経済がその影響を吸収するのが 難しくなる。欧州では、緑の芽生えとおぼしきものに喜んでいるが、大きく成長することはないだろう。中 国は成長鈍化に直面する中で一般的に認識されているよりも困難な調整を経験しつつある。中国が失速速度 を下回る成長率を記録する危険もある。

(11)

Q:米連邦準備制度理事会(FRB)が景気浮揚に強くコミットしていても景気後退は回避できないのか。 A:強いコミットメントは認める。しかし、現段階では金融政策は比較的無力だ。金融政策が各企業の利益 源にどう影響するかを実際に見ると、量的緩和はさほど重要には見えない。FRB のコメントに対し市場は劇 的な反応をするが、究極的には、利回りは経済の見込みや金融安定の見通しに反応するものだ。 Q:もう一度聞くが、景気後退か。 A:2014 年には景気後退シナリオと緩やかな成長シナリオの両方を真剣に検討する必要があり、その両方に 備える必要がある。 A:インフレは近い将来高進するか。 B:インフレの要因として賃金が大きな役割を果たすが、現在の経済拡大局面で賃金はディスインフレ状態 だ。従って、インフレ圧力はほとんどなく、もし景気後退になればデフレとなる可能性も大きい。事態が悪 くなれば、物価だけでなく賃金の伸びもゼロあるいはマイナス圏になる可能性もある。2013 年にすぐ懸念さ れるというのではないが、投資家はデフレリスクも考慮する必要がある。 Q:比較的早期に景気後退に陥った場合の投資業界への影響は。 A:長期投資家であれば、米国債のキャピタルゲインが見込める。また、米国経済は世界の他地域より強い ため、ドルに対しては強気だ。現在の経済の状況では債券の利回りが急上昇し過ぎるということはなさそう だ。株式に関してあまり信頼していないが、米国は欧州や新興国市場よりは強い。われわれはロング・ショ ート戦略を実行し、今年は非常に成功した。米国株式をロング、欧州と新興国市場の指数をショートしてい る。 Q:米国経済の長期的見通しは。 A:次の景気後退を過ぎると、長期的成長を望めるタイミングになる。現在企業の利益は利益率で見ると悪 くないが、前年比などの傾向は失望を誘う。また、利益率を考慮して以前ほど投資を増やすこともなさそう だ。 Q:米国経済で見落とされている重要な点は。 A:例えば、負債は低所得者層の方に重く、高所得者はあまり負債を抱えていない。従って、家計の負債比 率が下がったといっても、問題点は多い。また、信用を頼る傾向は少なくなったが、例外は自動車ローンと 学費ローンだ。自動車ローンは消費需要を後押しし、ホームエクイティ・ローンが以前のようには使えなく なり、学費ローンの人気が高まった。 Q:どの程度負債を減らす必要があるのか。 A:時間がかかるだろう。家計部門では収入に対する負債は、ピーク時の 128%から 104%に低下した。80% 程度にまで低下すれば、健全と感じる。 By LAWRENCE C. STRAUSS (Source: Dow Jones)

(12)

5. The Trader ゴルディロックス相場の復活か

【米国株式市場】

「ちょうど良い」雇用統計の発表を受けて史上最高値更新

■ 高値更新 ゴルディロックス経済が帰ってきたようだ。金曜 日に発表された7 月の雇用統計は市場の予想に達 しなかったものの、株式市場を下落に導くことは なく、主要株価指数は金曜日も史上最高値を更新 して引けた。米国経済全般、第2 四半期の企業業 績、そして雇用環境からの「ちょうど良い」程度 の発表を背景に、株式市場の興奮が続いているよ うだ。 多くの場合、先週の木曜日に発表された週間の新 規失業保険申請件数のような強気のデータには、 それを補強するようなデータか、金曜日の雇用統 計のような下方修正するようなデータが伴うもの だ。しかし現在の市場では、どちらの組み合わせ でも連邦準備制度理事会(FRB)が金融刺激策を 縮小させるのではないかと投資家に懸念させるこ とはないようだ。 経済指標は全体として「それほど良いわけではな いが、悪過ぎるわけでもない」とシノブス・トラ ストでポートフォリオマネジャーを務めるダン・ モルガン氏は語る。 ダウ工業株30 種平均は先週 0.6%上昇して 1 万 5658 ドル 36 セントで引けた。引け値での史上最 高値であり、年初からの上昇率は19.5%に達する。 S&P500 指数は 1.1%上昇して 1709.67 となった。 年初来の上昇率は20%に達し、史上最高値を更新 したのは今年に入って金曜日が 25 回目だった。 ナスダック総合指数は2.1%上昇して 3689.59 で 引け、小型株のラッセル 2000 指数は 1.1%高の 1059.86 で週末を迎えた。 ■ 1995∼1996 年の相場 テクニカル指標面からも相場の強さがうかがわれる。52 週高値を付 ける銘柄数は依然として堅調で、50 日移動平均線よりも株価が高い 銘柄数の比率は80%近くに達し、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数 の比率である騰落レシオも強気を示している。 ウェドブッシュ・エクイティ・マネジメントのマネージング・ディ レクターであるスティーブ・マソッカ氏は、ゴルディロック経済が 戻ってきたようだと述べる。1995 年から 1996 年にかけての株式市 場が、米国経済がインフレ懸念を引き起こすほど強くなく、かつ企 業業績の伸びを懸念しはじめるほど弱くもない中で上昇したことを、

(13)

ベテランの読者であれば覚えていらっしゃるだろう。マソッカ氏は現在の米国経済についても同じように「つ まずきながら、よろめきながらの回復局面にある」と表現する。 投資家は強い経済が相場にとって良いことなのか再び思い悩んでいる。緩やかな成長であれば FRB の金融 刺激策は継続されるが、現在 4%の企業業績の伸び率がもっと低下するかもしれない。逆に、景気回復が強 まれば企業業績にとって、そして理論的には株価にとってプラスだが、投資家は FRB が今年の好調な株式 市場の原動力だった刺激策をやめるのではないかと懸念している。 金曜日の雇用統計では非農業部門就業者数が16 万2000 人増と発表されたが、これは市場の予想を下回った。 失業率は7.5%から 7.4%に低下し、2008 年の後半以来の低い水準となった。ノーザン・トラストのチーフ・ インベストメント・ストラテジストであるジェームズ・マクドナルド氏は、金曜日の雇用統計について「金 融政策に関するハト派の勝利だ」と述べる。ただし FRB が刺激策を解除する方向にある事実は変わってい ない。 つまり、いつかの時点で、株式市場は FRB の刺激策という補助輪が外されることに対応しなければならな いのだ。 ■ カリウム生産会社のポタッシュ 先週、世界のカリウム市場の価格協定が破れたというニュースが駆け巡り、これはカリウム生産企業にとっ ては悪材料となったが、世界中の農家にとっては朗報となった。カリウムは農薬の主原料なので、農薬価格 の低下が期待されるからだ。 この結果、カリウム生産企業の株価は急落した。その中でカナダの大手企業であるポタッシュ・コープ・オ ブ・サスカチュワン(POT)の株価も 1 週間で 22%下落したが、長期投資家にとってはポジションを構築 するチャンスかもしれない。金曜日の引け値の28.91 ドルは今年の高値の 44 ドルからだと約 3 分 1 下落し ている。 7 月 30 日にロシアの生産会社であるウラルカリ(URKA.ロシア)とベラルーシのベラルーシカリが価格協 定から離脱することを表明したことがカリウム市場の悪材料となった。生産量の拡大を狙ったもので、この 増産によってカリウムの価格は年末までに1 トン当たり 300 ドルと、現在の価格から約 25%下落するとの 見方も出されている。 ポタッシュの業績にも影響はあり、先週のうちに市場の予想1 株当たり利益(EPS)はそれまでの 2.80 ド ルから2.46 ドルに引き下げられた。これは 同社がその 1 週間前に下方修正した予想 EPS のレンジである 2.45∼2.70 ドルの下 限に近い。 しかしキャピタル・アドバイザーズの最高 経営責任者(CEO)であるキース・ゴッダ ード氏のように、この悪材料でも同社株を 売却しなかった投資家もいる。同氏でさえ も、短期的にポタッシュの株価が回復する とは考えていないものの、300 ドルのカリ ウム価格でもポタッシュのEPS が 2 ドル は確保できると考えている。これは 2010 年の実際の実績であり、その年の株価は概 ね30 ドル以上にあった。

(14)

同氏は現在の環境下でもEPS が 2.2∼2.5 ドルは確保できると考えているほか、健全な財務体質と年間 1.4 ドルの配当で利回りが4.8%あることを考慮すると、これ以上の下値不安は限定的だと考えている。 長期的にはインドや中国を中心とする世界の食に対する需要の増加により、農薬に対する需要は伸びると考 えられる。また、カリウム価格の低下は新規カリウム鉱山に対するオーストラリアのBHP ビリトン(BHP) などの開発計画を遅らせる要因にもなる点もプラスの要素と考えられる。 現在の株価と予想EPS で株価収益率(PER)は 11.7 倍と同社株の長期平均よりも割安な水準にある。同社 が 20 億ドル規模の自社株買い戻し計画を発表したことも株価の下支えになると思われる。リスク要因とし てはBHP がこのカリウム価格でも新規鉱山の開発計画を進めた場合に一層の価格低下を招くことが挙げら れるが、一方でウラルカリなどが新たに価格協定を結ぶ可能性もある。それでも、配当を考慮した今後2∼3 年の同社株のトータルリターンは30%程度になると想定される。 ■ 主要指標 Friday's Close Week's Change Week's % Chg. Last Week Week Earlier

DJ Industrials 15658.36 +99.53 +0.64 NYSE Advances 1,603 1,424

DJ Transportation 6651.69 +178.77 +2.76 Declines 1,587 1,757

DJ Utilities 508.47 +4.06 +0.80 Unchanged 46 49

DJ 65 Stocks 5325.88 +69.23 +1.32 New Highs 563 552

DJ US Market 431.22 +5.16 +1.21 New Lows 194 170

NYSE Comp. 9690.07 +69.94 +0.73 3,344.6 3,017.3

Amex Comp. 2363.33 +9.85 +0.42 Dollar (Finex spot index) 81.91 81.66

S & P 500 1709.67 +18.02 +1.07 T-Bond (CBT nearby futures) 126-185 126-220

S & P MidCap 1253.76 +25.49 +2.08 Crude Oil (NYM light sweet crude) 106.94 104.70

S & P SmallCap 595.68 +7.01 +1.19 Inflation KR-CRB (Futures Price

Index)

283.77 284.46

Nasdaq 3689.59 +76.42 +2.12 Gold (CMX nearby futures) 1310.60 1321.70

Value Line (arith.) 3984.06 +64.64 +1.65

Russell 2000 1059.86 +11.35 +1.08

DJ US TSM 17916.44 +212.37 +1.20

Potash Corporation of Saskatchewan Inc. (POT)

Uralkali USD (RU:URKA) BHP Billiton Ltd (BHP)

チャートは3 年(RU:URKA は 2 年)

By VITO J. RACANELLI (Source: Dow Jones)

(15)

6. Don't Hang Up On Samsung サムスン電子を見捨てるな

【サムスン電子】

苦境を脱したが割安のままの株価

■ 株価は割安なまま 2 年前、サムスン電子(05930.韓国)は岐路に立たされていた。スマートフォン分野で iPhone(アイフォー ン)に果敢に挑んでいたものの、アップル(AAPL)はスマートフォンの世界シェア 90%以上を押さえ、サ ムスンに対し外観や意匠を盗用したとして訴訟を仕掛けていた。それ以降、サムスンは製品にイノベーショ ンを加え続け、スマートフォンの世界シェアを急増させたばかりか、収益性も向上させた。「ハイエンドのス マートフォンでの成功で、サムスンはブランド力と評判を永続的に高めた」とサンフォード・バーンスタイ ン(香港)のアナリスト、マーク・ニューマン氏は言う。 同じころ、101 万 4000 ウォンから 68 万ウォン(605 ドル)に急落した直後のサムスン株を、本誌は魅力的 だと紹介した。当時のサムスン株の2011 年予想株価収益率(PER)は 8.5 倍と割安であった。その後、同 社のスマートフォンの世界シェアが30.4%に達し、利益の半分近くをスマートフォンから得るようになると、 株価は2 倍近くに上昇した。しかしアップル同様、サムスンも投資家の高まる期待に応えることには苦慮し ている。本年1 月以降、株価は 22%下落。第 2 四半期の利益が過去最高となったことを発表した先週でさえ、 株価は0.5%下落して 130 万 3000 ウォンとなった。 「投資家はサムスンを選好しているが、スマートフォンの利益率は持続不可能なほどに高いと考えている」 と野村証券(ソウル)のチャン・ウォン・チャング氏は言う。目下の懸念は、スマートフォンがテレビやパ ソコンのようにコモディティー化していき、特にZTE(763.香港)や華為技術のような中国メーカーの関与 が高まって長期的な利益成長に対する圧力要因となることである。 サムスンの現在の予想PER は 6 倍にすぎず、スマートフォン事業が「ハードランディング」に向かってい ることを暗示しているような極めて低い水準にある、とチャング氏は言う。しかし、同氏自身はそうはなら ないと考えている。1 株当たり利益は 2013 年の 20 万 3412 ウォンから、2014 年には 20 万 9402 ウォンに 増加するとみている。サムスン全体の利益内訳をみると、60%超をスマートフォン事業で稼ぎ出している一 方、液晶事業12%、半導体事業 18.5%、その他家電 4.5%となっている。 ■ 配当引き上げの可能性も 廉価版iPhone がサムスンの成長に陰りをもたらすこともなさそうだ。「廉価版 iPhone はサムスンの中級機 種との競合になる」とニューマン氏は言う。サムスンはハイエンド機種に強みを持ち、従来の iPhone と戦 ってきた。そして、ローエンド機種ではノキア(NOK)や中国メーカーと競合している、と同氏は指摘する。 中級機種はサムスンにとって強さの源泉ではないというわけだ。 設計やマーケティングだけ行い、製造は全てアウトソースしてい るアップルと異なり、サムスンは自社で半導体や液晶などの部品 生産を含め、ほぼ全て内製化している。「サムスンのサプライチェ ーンと部品事業は巨大な利益を生まないが、戦略上は大変有利だ」 とニューマン氏は言う。家庭用電化製品からIT・通信機器まで同 社の製品ポートフォリオは多岐にわたり、成長を続けている。ス マートフォンの売り上げは全体の半分にも満たない。 ニューマン氏は、サムスンの目標株価を現在の約2 倍の水準とな る250 万ウォンとし、強気の見方をしている。「サムスンの株価 は2014 年予想 PER が 5.3 倍と驚くほど割安だ」と言う同氏は、 現在わずか 0.6%の配当利回りのサムスンが、増配を実施する可 能性も高いとみている。バランスシート上35 兆ウォン(312 億 ドル)のネットキャッシュを保有しているサムスンにとって、そ れは容易なことであろう。

(16)

筆者はシンガポール在住でアジア市場をカバーしている。

Samsung Electronics Co. Ltd.

(KR:005930)

Apple Inc (AAPL) ZTE Corp (HK:763)

Nokia Corp (NOK)

チャートは3 年

By ASSIF SHAMEEN (Source: Dow Jones)

7. Deja Vu For Emerging Nations 新興国は 1990 年代の再来

【新興国市場】

成長促進のための利下げか、通貨防衛のための利上げか

■ 成長鈍化と通貨急落、新興国市場の対策は 新興国市場では、少なくとも金融政策に関しては、人生が望み通りに変化しないことが分かった。一番良い 例が先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)である。米連邦準備制度理事会(FRB)は、米経済の力強さ、 インフレ率などを議論した結果、結局は何もしないことを決定した。そして市場は、「正しい決断」をするの に必要なだけの時間をFRB に与えたがっているようだ。 新興国は、自分たちにも米国と同様の権利があると考えていた。1990 年代に金融危機に見舞われて以来、新 興国市場は債務を低水準に抑え、外貨準備を積み増し、大半は財政規律を達成した。こうすれば新興国も、 経済成長が鈍化した時に先進国が取る手段である利下げを実施できると考えるのは自然だし、実際しばらく はそうすることができた。 ところが情勢が変わった。そもそも投資家が一斉に新興国市場に向かった要因は急速な経済成長、良好なバ ランスシート、相対的に高い利回りであった。これらは新興国の成長が鈍化し、FRB が債券購入を中止する 見通しとなった現在、急に以前ほど魅力的ではなくなった。 投資家は新興国市場を見限り、通貨は急落した。トルコリラは過去3 カ月で 7.1%、ブラジルレアルは 12%、 インドルピーは8.8%下落した。この結果、新興国市場の中央銀行は 1990 年代と同じ状況に置かれた。成長 を促すために利下げを行うか、通貨価値の引き上げのために利上げをするかの選択を迫られたのである。 ■ 利上げ選択が多数派 新興国は利上げを選択している。モルガン・スタンレーの新興国市場担当エコノミスト、マノジ・プラドハ ン氏は「投資家を保護しなければ、投資家は投資しない。各国中銀は通貨防衛のために成長を犠牲にせざる を得ない」と述べる。利上げを主導した国の一つであるブラジルでは、成長率予想が 2%を下回っているの に、中銀がインフレ抑制のため、4 月以降 1.25%ポイントの利上げを実施した。トルコは急落するリラの引 き上げのため、外貨準備によるリラ買いを実施したが、成果はなく、0.75%ポイントの利上げをせざるを得

(17)

なかった。インドは7 月 30 日に指標金利を据え置いたが、中銀総裁は、同国の成長率が鈍化していること から、通常なら利下げを実施するところだとの考えを示した。 もちろん全部が全部、同じ方策を取るわけではない。例えばメキシコには、成長率が鈍化した場合、利下げ という選択肢がある。またコロンビアもインフレ予想が低いことから、政策担当者の予想ほど成長率が回復 しなければ、利下げに動けるだろう。 投資家は両手を縛られた国への投資は避けるべきなのか。必ずしもそうではないが、国内経済の強さに利益 が依存する企業は避けるべきである。クレディ・スイスのアナリスト、サクティ・シバ氏によると、インド ならヒンドゥスタン・ユニリーバ(HUVR)など株価が高値圏にある消費関連株は避け、米国にエクスポー ジャーがある割安の景気循環株がねらい目だ。同氏の推奨銘柄は、情報通信(IT)関連の HCL テクノロジ ーズ(HCLT)とウィプロ(WIT)、石油・ガス企業のリライアンス・インダストリーズ(RIL)である。少 なくともこれらの企業は、国家が抱える問題が解決しなくても、利益をあげることができる。 ■ エマージング市場 In U.S. Dollars* Index Week's % Chg. 8/1 2013 Range Index Week's % Chg. 8/1 2013 Range Argentina 1.4 1402.0 1485.5 1158.2 Mexico 1.4 6964.6 7771.7 5950.8

Brazil Free -1.2 2193.9 2842.0 2053.2 Morocco** -0.6 275.2 322.6 273.7

Chile -2.4 1963.9 2600.7 1913.7 Pakistan** -3.6 124.0 132.1 95.6

China Free** 0.3 57.2 66.0 51.2 Peru** -1.3 1045.0 1681.2 1022.2

Colombia** -0.4 1151.9 1393.5 1028.4 Philippines -2.5 535.4 618.1 457.4

Czech Republic*** 3.3 342.3 439.8 312.1 Poland** 0.9 817.2 926.0 729.9

Egypt*** 0.3 570.4 671.0 482.3 Russia*** -1.7 727.2 862.8 667.6

Hungary*** -1.6 498.9 579.4 478.8 So. Africa 0.8 496.9 586.7 442.0

India** -4.7 383.0 451.5 367.1 Sri Lanka** 1.1 245.1 276.3 211.2

Indonesia 0.1 863.2 1039.9 823.3 Taiwan -1.7 271.1 291.6 258.1

Israel** -3.9 187.1 201.1 182.8 Thailand -1.8 406.3 479.6 383.1

Jordan -4.3 89.1 111.9 88.5 Turkey -1.4 541.6 736.5 519.4

Korea -0.2 384.8 440.7 347.6 Base: Jan. 1, 1988 = 100

* Adjusted for foreign exchange flucuations relative to the U.S. $ ** Base: Jan. 1, 1993 = 100 *** Base: Jan. 2, 1995 = 100

Source: Morgan Stanley Capital Int'l Perspective, Geneva

Hindustan Unilever Ltd (IN:500696) HCL Technologies Ltd (IN:532281) Wipro Ltd (WIT)

Reliance Industries Ltd (IN:500325)

チャートは3 年

By BEN LEVISOHN (Source: Dow Jones)

(18)

8. Preview 今週の予定

【経済関連スケジュール】

投資家たちの夏休み

■ 8 月効果 今からちょうど100 年前の 1913 年 8 月、ゼネラル・モー ターズ(GM)の株式は 1 カ月でほぼ 20%という大幅な値 上がりをみせた。ビュイックが人気を集めていて、しかも 8 月だった。その当時、一般的に株式相場は 8 月に上がり、 その傾向は1960 年代初頭まで続いていた。ビスポーク・ インベストメント・グループによると、1913 年から 1963 年までの8 月の株価は、平均で 2%上昇していた。 そして、何かが変わった。その後の50 年間、8 月の株価は 横ばいで、やがて値下がりする傾向がみられるようになっ た。ビスポークによると、過去20 年間、ダウ平均株価は 8 月に平均0.7%下落していて、年間で 3 番目に成績の悪い月になっている。 これは、夏休みというものが様変わりしたせいではないだろうか。その昔、投資家たちは、数週間、時には 数カ月というまとまった休みを取り、ヨーロッパに向かう蒸気船に揺られて、あるいはヨットクラブのポー チでくつろぎながら、全く新しいアイデアと向き合った。GM の買い注文を出そうと思ったら、電報を打て ばよいのだ。 1950 年代になると、休暇を楽しむ人々はフォードの「カントリー・スクワイア」のような大型ステーション ワゴンに荷物を積み、建設されたばかりの高速道路に押し寄せるようになった。うるさくせがむ子供たちや、 周囲のドライバーの頭に来る運転のせいで、投資についての考えはどこかに追いやられてしまう。 現在はというと、インターネットでマーケットにつながれていて、完全な休暇を手に入れることは難しい。 疲れきって、心配性で、すぐに動揺する大勢の投資家によって、セルフォーン(携帯電話)がセル(売り) フォーンと化して、いつでもどこでも売り注文を出してしまう。今年の8 月は、ご先祖様を見習って、プラ グを抜いてみるべき時なのだろう。マーケットに驚きの効果をもたらすかもしれない。 By LAWRENCE C. STRAUSS ■ 今週の国債入札 曜日 Yields (%)

When Issued* Last Auction Yields (%)

月曜日 300 億ドル 3 カ月 0.035 0.030 250 億ドル 6 カ月 0.071 0.065 火曜日 320 億ドル 3 年 0.571 0.719 水曜日 240 億ドル 10 年 2.596 1.810 木曜日 160 億ドル 30 年 3.684 2.980 (* 金曜日午後現在) ■ 今週の予定 8 月 5 日(月) ・ 7 月サプライ管理協会(ISM)非製造業景況指数発表。緩やかな上昇が見込まれる。 ・ ダラス連銀のフィッシャー総裁が、オレゴン州ポートランドで開催される退職行政官協会の年次コンファ レンスで米国経済について講演。

(19)

・ バイオ医薬品会社アナコール・ファーマシューティカルズ(ANAC)がニューヨークでアナリスト向け説 明会を開催。 ・ カナダの市場は休場。 ・ 米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が、大塚ホールディングス(4578)傘下の大塚製薬による腎臓疾 患治療薬の新薬承認申請を審査。 8 月 6 日(火) ・ オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利を発表。政府が経済の減速を懸念する中、再び利下げを 行う見通し。 ・ 破産法管理下で身売り先を検討中のホームセンター、オーチャード・サプライ・ハードウエア・ストアー ズが、デラウェア州の破産裁判所に、幹部への310 万ドルのボーナス支払いの承認を申請。 ・ 破産法管理下で財政再建中のアラバマ州ジェファーソン郡が、下水道関連債務31 億ドルの返済計画に対 する債権者投票の実施について、破産裁判所の承認を申請。 ・ 医療保険大手ヒューマナ(HUM)が、ゴールドマン・サックスと UBS の主催でアナリスト向け会社見 学会を開催。 ・ オンラインのグラフィックデザイン・印刷サービスを手掛けるビスタプリント(VPRT)、技術者・科学 者向け測定・自動制御装置を手掛けるナショナル・インスツルメンツ(NATI)がアナリスト・投資家向 け説明会を開催。 ・ FDA の諮問委員会が、ドイツの化学・医薬品大手バイエル(BAYRY)による高血圧治療薬の新薬承認申 請を審査。 ・ 娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニー(DIS)が取引終了後に四半期決算発表。 8 月 7 日(水) ・ 中国が7 月の貿易統計を発表。LPL フィナンシャルのエコノミスト、ジョン・カナリー氏は、購買担当 者指数(PMI)が市場の予想を上回ったこともあり、転換点との見方になる可能性があると述べている。 ・ 公益電力・ガス事業に従事するインテグリス・エナジー・グループ(TEG)がニューヨークでアナリス ト向け説明会を開催。 ・ フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁、クリーブランド連銀のピアナルト総裁がそれぞれ講演。 ・ イングランド銀行(英中央銀行)が四半期インフレ報告を発表。一連の数値に対しガイダンスが示される 見通し。ドイツが6 月鉱工業生産を発表。 ・ 未公開株(PE)投資会社カーライル・グループ(CG)、メディア大手タイム・ワーナー(TWX)が四半 期決算発表。 ・ 米国家安全保障局(NSA)のトップが、情報セキュリティに関する国際会議「ブラック・ハット USA」 で講演。 ・ 自動車その他の乗り物用のサスペンションを製造するフォックス・ファクトリー・ホールディング (FOXF)が新規株式公開(IPO)の条件決定を実施。860 万株を 1 株当たり 13-15 ドルで公開予定。 8 月 8 日(木) ・ 新規失業保険申請件数(8 月 3 日までの週)発表。7 月は期待外れの数字が続いたこともあり、注目が集 まる。 ・ 米主要小売り各社が7 月の既存店売上高を発表。 ・ 日本銀行が2 日間の金融政策決定会合を終了し、政策金利を発表。黒田総裁が記者会見を行う。 ・ 金融総合サービス大手アメリカン・エキスプレス(AXP)が半年に一度の金融機関向け説明会を開催。 ・ 自動車部品製造ハーマン・インターナショナル・インダストリーズ(HAR)、ノートパソコン(PC)向 けタッチパッドなどを手掛けるシナプティクス(SYNA)が投資家向け説明会を開催。 ・ ギリシャのサマラス首相がオバマ大統領と会談。 ・ ニコン(7731)が四半期決算発表。 ・ トルコ、シンガポールその他の市場は、イスラム教の断食月「ラマダーン」の終了を祝う祝日のため休場。

(20)

8 月 9 日(金) ・ 6 月卸売在庫発表。 ・ 多くの企業がIPO の条件決定を実施。石油・ガス業界向けに掘削設備を提供するフランクス・インター ナショナル(FI)は 3000 万株を 1 株当たり 19-21 ドルで、石油・天然ガス会社 QEP リソーシズが組成 したMLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ、上場投資事業組合)である QEP ミッドストリ ーム・パートナーズ(QEPM)は 2000 万ユニットを 1 ユニット当たり 19-21 ドルで、石油関連の貯蔵施 設を運営する有限責任組合ワールド・ポイント・ターミナルズ(WPT)は 880 万ユニットを 1 ユニット 当たり19-21 ドルで、木材・建材販売会社ストック・ビルディング・サプライ(STCK)は 880 万株を 1 株当たり16-18 ドルで、バイオ技術の開発を手掛けるイントレクソン(XON)は 830 万株を 1 株当たり 14-16 ドルで、イベント管理のソフトウエアを手掛けるシーベント(CVT)は 560 万株を 1 株当たり 17-19 ドルで、それぞれ公開する見通し。

General Motors Co. (GM)

チャートは3 年

By ROBIN GOLDWYN BLUMENTHAL (Source: Dow Jones)

9. Golf Clap For Another Record 高値更新にも気分は盛り上がらず

【株式市場展望】

評価すべきは「より正常な状態への回帰」

■ 「より正常な状態への回帰」に期待 読者の方々が何を考えておられるかは分かる。今年、S&P500 指数は高値を 25 回更新し、ラッセル 2000 指数は高値を 47 回更新した。浮かない気分になったり、懐疑的になったりするのに十分な相場展開だ。気 乗りはしないが、とりあえず拍手でもしておこう。 米ピープル誌やプレイボーイ誌から「20 世紀で最もセクシーな女性」に選ばれながらも、アカデミー賞には 一度もノミネートされなかったマリリン・モンローのように、今回の強気相場は敬意を払われているという よりも、人気があるといった方がよい。株価が高値を更新するたびに、アジアから欧州に至る資産配分担当 者は米国株に資金を振り向けており、S&P500 指数構成銘柄の予想株価収益率(PER)は 1 年前の 12 倍か ら15.5 倍に上昇した。 だが、それと同時に批判の声も多く聞かれる。上半期の経済成長率1.4%は「平均以下」だと酷評され、第 2 四半期決算では横ばいの売上高と予想利益の減少が非難の対象となっている。業績見通しを低めに設定した ことで、企業の69%が予想を上回る業績を発表しているが、予想に対する上振れ率は 3%と、4 年ぶりの低 水準となった。こうした中で、低金利、株価の急上昇、賃金の停滞などが実体経済よりもウォール街にとっ てプラスに作用したとの見方が大半を占め、上昇相場が手放しで受け入れられているわけではない。 7 月の雇用の伸びの鈍化は単に一時的な現象にすぎないのだろうか。7 月の製造業は 1995 年以降で最も高い 伸びを示し、今年の雇用の伸びは1 カ月当たり 19 万 2000 人と昨年の 18 万 3000 人から増加し、約 3%の 実質経済成長率に沿う結果となった。これはGDP 成長率が上向く可能性があるとの見方を裏付けている。 米国の経済成長に対する感応度の最も高い小型株は7 月に 6.9%上昇し、大型株をアウトパフォームした。 コンバージェクス・グループのニコラス・コラス氏は「コモディティー価格が下落し、人件費の上昇率が依

(21)

然として低水準にある」ことが、交渉力の弱い小規模企業にとっての支援要因になっている、と論じる。小 型株を対象とするラッセル指数の場合、ディフェンシブな生活必需品のウエートはわずか 4%であるのに対 して、S&P500 指数は 10%に上る。このため、ラッセル指数は景気回復の波に乗る上で選好される。 2009 年の市場の底以降、経済は 1 兆 3000 億ドル拡大したのに対して、株式時価総額は 12 兆ドル増加した。 バンクオブアメリカ・メリルリンチのマイケル・ハートネット氏は「大規模な金融緩和、財政緊縮の終了、 住宅市場の回復、ドル安、企業の記録的な現金残高・・・米国経済が今後数カ月で大幅に加速しないならば、 将来加速することは断じてない」と述べる一方で、「実体経済が最終的に上向く際には、各国中央銀行は金融 緩和縮小に着手する」とくぎを刺す。レバレッジ解消の終了に伴い、ドルとボラティリティが上昇するとみ られる。目下、拍手すべきものは、高値更新よりも「より正常な状態への回帰」であろう。 ■ 苦戦が続くREIT 金融危機に妨害されるまでは、マイホームを手に入れるのはアメリカン・ドリームだった。現在、不動産投 資信託(REIT)が相次いで賃貸用の一戸建て住宅を購入しているのは、賃貸の長期化を当て込んだものだ。 強気派は米国の持ち家比率が2004 年後半のピーク時の 69.2%から 65%に低下していると主張する。景気後 退による痛手を受けた若者世帯は住宅の購入よりも賃貸を選ぶ公算が大きい。また、住宅価格が上昇すれば、 企業は不動産を売却して、利益を増配に回す可能性もある。 しかし、株式公開の活況にもかかわらず、アメリカン・レジデンシャル・プロパティーズ(ARPI)、シルバ ー・ベイ・リアルティ(SBY)、アメリカン・ホームズ 4 レント(AMH)などの REIT は上場以来、苦戦が 続いている。一戸建て住宅の大量購入にはリスクが伴い、リフォーム、テナント探し、保守、不良債権など のコストに加え、新規参入や価格競争などによって利回りが低下する可能性がある。例えば、アメリカン・ レジデンシャルの場合、魅力的な価格での住宅購入がますます困難になっているアリゾナ州フェニックスに 事業が集中している。その上、アメリカン・ドリームはなかなか断ち切れない。景気が安定すれば、借家住 まいから持ち家への切り替えが進む。

American Residential Pptys I (ARPI) Silver Bay Rlty Tr Corp (SBY) American Homes 4 Rent (AMH)

チャートはARPI は 3 カ月、SBY は 6 カ月、AMH は 1 カ月

By KOPIN TAN (Source: Dow Jones)

10. Time To Lighten Up On Chip-Equipment Stocks そろそろ売り時 【半導体関連銘柄】

フォームファクター、アプライド・マテリアルズなどの半導体製造装置メーカーは一服へ

■ 下半期の回復は見込めず この過熱気味の市場で利食いの機会を求めるなら、インテル(INTC)、サムスン電子(005930/韓国)、台湾 積体電路製造(TSM、略称は TSMC)といった半導体製造大手向けに装置を提供するメーカーが一番だろ う。 フォームファクター(FORM)、アプライド・マテリアルズ(AMAT)、マトソン・テクノロジー(MTSN)、 KLA テンコール(KLAC)、ラムリサーチ(LRCX)といった半導体製造装置メーカーは、半導体市場の不

(22)

透明感のせいでウォール街の期待に応えられていないにもかかわらず、今年テクノロジーセクターに訪れた 上げ潮に乗っている。しかし、その大半はそろそろ一息つくことになりそうだ。 セミコンダクター・アドバイザーズの半導体製造装置担当アナリストとして長年市場を見てきたロバート・ マイヤー氏が2 日に書いたように、今年軒並み減収となる見込みの半導体製造装置メーカーの株価を下支え しているのは、業績回復への期待感だ。しかし、今のところ各社に回復の兆しは見られない。 第2 四半期決算は概ね期待外れとなり、各社が示した第 3 四半期の見通しも市場予想を下回った。第 3 四半 期の市場予想は一部のメーカーについて下方修正されていたが、それさえ下回る形となった。「下半期の回復 はもう見込めない」とマイヤー氏は言う。「第3 四半期はこれまでとは違う展開になっている」。 ■ ユーザーの問題が影響 半導体市場では概して競争が激化している。アップル(AAPL)は iPhone(アイフォーン)などに使用する 専用マイクロプロセッサーを自社で設計しているが、製造はサムスンに委託している。しかし、パイパー・ ジャフレーのアナリスト、ジャガディシュ・アイヤー氏によると、TSMC はアップルからその一部を受託し、 ニューヨーク州北部に半導体製造工場を建設する可能性がある。そうだとすれば半導体製造装置メーカーに 恩恵が及ぶが、業績に表れるのは来年以降だ。その一方で、TSMC、インテル、サムスンなどの設備投資計 画は、エレクトロニクス市場特有のむら気により流動的だ。 これまで繰り返してきたように、PC 市場の軟調は続いており、それによってマイクロプロセッサー製造の 見通しに不透明感が強まっている。中でもインテルは2 週間前に通期見通しを下方修正。「1 桁前半の増収」 との予想を撤回して前年並みとした。また、今年の半導体製造装置への投資見通しも 10 億ドル引き下げ、 約110 億ドルとした。 インテルばかりではない。最近ではアトメル(ATML)が、コンセンサスを大きく下回る第 3 四半期の見通 しを発表した。アナリストは、アトメルは同社のセンサーチップを搭載したサムスンの「ギャラクシーS4」 の販売不振の犠牲になったという見解で一致している。 これらの半導体メーカーの問題は、半導体を実際に製造する TSMC などのファウンドリーにとっても問題 となっている。TSMC は 7 月 18 日、95 億∼100 億ドルという今年の設備投資計画を堅持。しかし、2014 年の投資額は横ばいになる可能性があるとも伝えた。RBC キャピタルのダグ・フリードマン氏が先週書いた レポートによると、サムスンの今年の設備投資額は前年比11%減となる見通しだ。 これを受け、テラダイン(TER)、KLA、ラムリサーチ、FEI(FEIC)、アムコア(AMKR)、フォームファ クターを含む半導体製造装置メーカーの大半が、市場予想を下回る第3 四半期の見通しを発表している(ア プライド・マテリアルズの5-7 月期決算発表は 8 月 15 日)。 ■ ラムリサーチを推奨 その結果、一部の半導体製造装置メーカーは、株価が好調に推移する中でも通期の業績予想を既に下方修正 しているか、または今後下方修正する可能性がある。KLA の株価は年初来で 25%上昇したが、通期の売上 高予想は7%、利益予想は 12%引き下げられ、予想株価収益率(PER)は 15 倍となった。 アプライド・マテリアルズは年初来で43%上昇。予想 PER は 26 倍であり、決算発表が不調となれば影響 は免れまい。 今年は比較的規模の小さいメーカーが、赤字あるいは減収減益の中でも特に株価を上げている。マトソン・ テクノロジー(MTSN)は、12%の減収で 1 株当たり 17 セントの赤字となる見通しにもかかわらず、株価 が約3 倍に跳ね上がった。株価水準は予想売上高の 1.3 倍にすぎないが、それでもバブルの気配が漂う。

(23)

セクター内で数少ない買い推奨銘柄の一つが、ラムリサーチだ。同社は、DRAM(記憶保持動作が必要な随 時書き込み読み出しメモリー)およびNAND フラッシュメモリー向け装置の比重が極端に大きく、モバイ ル端末の普及によって恩恵を受けている。現在、サムスンなどの半導体メーカーが供給拡大のために設備投 資を増やすかどうかについて見方が分かれて いるが、増やすとすればラムリサーチにとっ て間違いなくプラスに働くだろう。 ラムリサーチは予想が上方修正される中、株 価が年初来で 39%上昇。予想 PER は約 13 倍となっている。同社の第3 四半期見通しは 市場予想を下回っているが、メモリ関連の設 備投資は増える見通しだ。サムスンは1 週間 前、設備投資の重点をマイクロプロセッサー の製造からDRAM の増産に移していると明 言。マイヤー氏は先週のレポートで、ラムリ サーチは「安くはないが、50 ドル台半ばで下 支えを受ける公算が大きく、業界のサイクル に乗り続ける可能性がある」としている。

Intel Corporation (INTC) Samsung Electronics Co. Ltd.

(KR:005930)

Taiwan Semiconductor Manufacturing Co Ltd (TSM)

FormFactor Inc (FORM) Applied Materials Inc (AMAT) Mattson Technology Inc (MTSN)

(24)

Atmel Corp (ATML) Teradyne Inc (TER) FEI Co (FEIC)

Amkor Technology Inc (AMKR)

チャートは3 年

By TIERNAN RAY (Source: Dow Jones)

参照

関連したドキュメント

We have formulated and discussed our main results for scalar equations where the solutions remain of a single sign. This restriction has enabled us to achieve sharp results on

We also show in this section that Martin’s Axiom implies that there is an idempotent p ∈ βS, where S is the free semigroup on the generators ha t i ∞ t=1 , which is not very

[r]

p≤x a 2 p log p/p k−1 which is proved in Section 4 using Shimura’s split of the Rankin–Selberg L -function into the ordinary Riemann zeta-function and the sym- metric square

The orthogonality test using S t−1 (Table 14), M ER t−2 (Table 15), P P I t−1 (Table 16), IP I t−2 (Table 17) and all the variables (Table 18) shows that we cannot reject the

More precisely, the statement is, firstly, that the global quasi-symmetry of the action S only needs to hold for one fixed region of the world volume, namely the pertinent full

Grasshopper - For control of first and second instar grasshopper nymphal stages a rate range of 3.9 to 5.8 fluid ounces of product per acre (0.02 - 0.03 lb. ai/A) can be used.

[4]Hetzel, Robert L., “Arthur Burns and Inflation,” Federal Reserve Bank of Richmond, Economic Quarterly, Winter 1998, pp.21−44. [5]Keller,