2018年11月(改訂第8版) 日本標準商品分類番号 2017年 1月(改訂第7版) 872473
医薬品インタビューフォーム
日本病院薬剤師会の IF 記載要領 2008 に準拠して作成経口エストラジオール製剤
エストラジオール錠
剤 形 錠剤(フィルムコーティング錠) 製 剤 の 規 制 区 分 処方箋医薬品 注意-医師等の処方箋により使用すること 規 格 ・ 含 量 1 錠中,エストラジオール 0.5mg 含有 一 般 名 和名:エストラジオール(JAN) 洋名:Estradiol(INN,JAN) 製 造 販 売 承 認 年 月 日 薬価基準収載・発売年月日 製造販売承認年月日:2008 年 4 月 16 日 薬価基準収載年月日:2008 年 6 月 13 日 発 売 年 月 日:2008 年 9 月 16 日 開発・製造販売(輸入)・ 提 携 ・ 販 売 会 社 名 製造販売元(輸入):バイエル薬品株式会社 医 薬 情 報 担 当 者 の 連 絡 先 問 い 合 わ せ 窓 口 バイエル薬品株式会社・くすり相談 0120-106-398 FAX:06-6344-2249 受付時間:9:00~17:30(土・日・祝日・弊社休日を除く) 医療関係者向けホームページ https://pharma-navi.bayer.jp/ 本 IF は 2018 年 4 月改訂の添付文書の記載に基づき改訂した. 最新の添付文書情報は,PMDA ホームページ http://www.pmda.go.jp/にてご確認ください.IF 利用の手引きの概要
-日本病院薬剤師会-
1.医薬品インタビューフォーム作成の経緯 医療用医薬品の基本的な要約情報として医療用医薬品添付文書(以下,添付文書と略す)がある. 医療現場で医師・薬剤師等の医療従事者が日常業務に必要な医薬品の適正使用情報を活用する際 には,添付文書に記載された情報を裏付ける更に詳細な情報が必要な場合がある. 医療現場では,当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者等に情報の追加請求や質疑をして 情報を補完して対処してきている.この際に必要な情報を網羅的に入手するための情報リストと してインタビューフォームが誕生した. 昭和 63 年に日本病院薬剤師会(以下,日病薬と略す)学術第 2 小委員会が「医薬品インタビュー フォーム」(以下,IF と略す)の位置付け並びに IF 記載様式を策定した.その後,医療従事者向 け並びに患者向け医薬品情報ニーズの変化を受けて,平成 10 年 9 月に日病薬学術第 3 小委員会 において IF 記載要領の改訂が行われた. 更に 10 年が経過した現在,医薬品情報の創り手である製薬企業,使い手である医療現場の薬剤 師,双方にとって薬事・医療環境は大きく変化したことを受けて,平成 20 年 9 月に日病薬医薬情 報委員会において新たな IF 記載要領が策定された. 2.IF とは IF は「添付文書等の情報を補完し,薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要な,医薬品の 品質管理のための情報,処方設計のための情報,調剤のための情報,医薬品の適正使用のための 情報,薬学的な患者ケアのための情報等が集約された総合的な個別の医薬品解説書として,日病 薬が記載要領を策定し,薬剤師等のために当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼している 学術資料」と位置付けられる. ただし,薬事法・製薬企業機密等に関わるもの,製薬企業の製剤努力を無効にするもの及び薬剤 師自らが評価・判断・提供すべき事項等は IF の記載事項とはならない.言い換えると,製薬企業 から提供された IF は,薬剤師自らが評価・判断・臨床適応するとともに,必要な補完をするもの という認識を持つことを前提としている. [IF の様式] ①規格は A4 版,横書きとし,原則として 9 ポイント以上の字体(図表は除く)で記載し,一 色刷りとする.ただし,添付文書で赤枠・赤字を用いた場合には,電子媒体ではこれに従う ものとする. ②IF 記載要領に基づき作成し,各項目名はゴシック体で記載する. ③表紙の記載は統一し,表紙に続けて日病薬作成の「IF 利用の手引きの概要」の全文を記載す るものとし,2 頁にまとめる. [IF の作成] ①IF は原則として製剤の投与経路別(内用剤,注射剤,外用剤)に作成される. ②IF に記載する項目及び配列は日病薬が策定した IF 記載要領に準拠する. ③添付文書の内容を補完するとの IF の主旨に沿って必要な情報が記載される. ④製薬企業の機密等に関するもの,製薬企業の製剤努力を無効にするもの及び薬剤師をはじめ医療従事者自らが評価・判断・提供すべき事項については記載されない. ⑤「医薬品インタビューフォーム記載要領 2008」(以下,「IF 記載要領 2008」と略す)により 作成された IF は,電子媒体での提供を基本とし,必要に応じて薬剤師が電子媒体(PDF)か ら印刷して使用する.企業での製本は必須ではない. [IF の発行] ①「IF 記載要領 2008」は,平成 21 年 4 月以降に承認された新医薬品から適用となる. ②上記以外の医薬品については,「IF 記載要領 2008」による作成・提供は強制されるものでは ない. ③使用上の注意の改訂,再審査結果又は再評価結果(臨床再評価)が公表された時点並びに適 応症の拡大等がなされ,記載すべき内容が大きく変わった場合には IF が改訂される. 3.IF の利用にあたって 「IF 記載要領 2008」においては,従来の主に MR による紙媒体での提供に替え,PDF ファイルに よる電子媒体での提供を基本としている.情報を利用する薬剤師は,電子媒体から印刷して利用 することが原則で,医療機関での IT 環境によっては必要に応じて MR に印刷物での提供を依頼し てもよいこととした. 電子媒体の IF については,医薬品医療機器総合機構の医薬品医療機器情報提供ホームページに 掲載場所が設定されている. 製薬企業は「医薬品インタビューフォーム作成の手引き」に従って作成・提供するが,IF の原点 を踏まえ,医療現場に不足している情報や IF 作成時に記載し難い情報等については製薬企業の MR 等へのインタビューにより薬剤師等自らが内容を充実させ,IF の利用性を高める必要がある. また,随時改訂される使用上の注意等に関する事項に関しては,IF が改訂されるまでの間は,当 該医薬品の製薬企業が提供する添付文書やお知らせ文書等,あるいは医薬品医療機器情報配信 サービス等により薬剤師等自らが整備するとともに,IF の使用にあたっては,最新の添付文書を 医薬品医療機器情報提供ホームページで確認する. なお,適正使用や安全性の確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発売状況」 に関する項目等は承認事項に関わることがあり,その取扱いには十分留意すべきである. 4.利用に際しての留意点 IF を薬剤師等の日常業務において欠かすことができない医薬品情報源として活用して頂きたい. しかし,薬事法や医療用医薬品プロモーションコード等による規制により,製薬企業が医薬品情 報として提供できる範囲には自ずと限界がある.IF は日病薬の記載要領を受けて,当該医薬品の 製薬企業が作成・提供するものであることから,記載・表現には制約を受けざるを得ないことを 認識しておかなければならない. また製薬企業は,IF があくまでも添付文書を補完する情報資材であり,今後インターネットでの 公開等も踏まえ,薬事法上の広告規制に抵触しないよう留意し作成されていることを理解して情 報を活用する必要がある. (2008 年 9 月)
目 次
Ⅰ.概要に関する項目
1.開発の経緯 ··· 1 2.製品の治療学的・製剤学的特性··· 1Ⅱ.名称に関する項目
1.販売名 (1)和 名 ··· 3 (2)洋 名 ··· 3 (3)名称の由来 ··· 3 2.一般名 (1)和 名(命名法)··· 3 (2)洋 名(命名法)··· 3 (3)ステム ··· 3 3.構造式又は示性式 ··· 3 4.分子式及び分子量 ··· 3 5.化学名(命名法) ··· 3 6.慣用名,別名,略号,記号番号 ··· 3 7.CAS 登録番号 ··· 3Ⅲ.有効成分に関する項目
1.物理化学的性質 (1)外観・性状 ··· 4 (2)溶解性 ··· 4 (3)吸湿性 ··· 4 (4)融点(分解点),沸点,凝固点 ··· 4 (5)酸塩基解離定数 ··· 4 (6)分配係数 ··· 4 (7)その他の主な示性値 ··· 4 2.有効成分の各種条件下における安定性 ··· 4 3.有効成分の確認試験法 ··· 4 4.有効成分の定量法 ··· 4Ⅳ.製剤に関する項目
1.剤 形 (1)剤形の区別,規格及び性状 ··· 5 (2)製剤の物性 ··· 5 (3)識別コード ··· 5 (4)pH,浸透圧比,粘度,比重,無菌の旨 及び安定な pH 域等 ··· 5 2.製剤の組成 (1)有効成分(活性成分)の含量 ··· 5 (2)添加物 ··· 5 (3)その他 ··· 5 3.懸濁剤,乳剤の分散性に対する注意 ··· 5 4.製剤の各種条件下における安定性··· 6 5.調製法及び溶解後の安定性 ··· 6 6.他剤との配合変化(物理化学的変化) ··· 6 7.溶出性 ··· 6 8.生物学的試験法 ··· 6 9.製剤中の有効成分の確認試験法··· 6 10.製剤中の有効成分の定量法 ··· 6 11.力 価 ··· 6 12.混入する可能性のある夾雑物 ··· 6 13.治療上注意が必要な容器に関する情報 ···· 6 14.その他 ··· 6Ⅴ.治療に関する項目
1.効能又は効果 ··· 7 2.用法及び用量 ··· 7 3.臨床成績 (1)臨床データパッケージ ··· 7 (2)臨床効果 ··· 7 (3)臨床薬理試験:忍容性試験 ··· 8 (4)探索的試験:用量反応探索試験 ··· 8 (5)検証的試験 ··· 8 (6)治療的使用 ··· 9Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1.薬理学的に関連ある化合物又は 化合物群 ··· 11 2.薬理作用 (1)作用部位・作用機序 ··· 11 (2)薬効を裏付ける試験成績 ··· 11 (3)作用発現時間・持続時間 ··· 12Ⅶ.薬物動態に関する項目
1.血中濃度の推移・測定法 (1)治療上有効な血中濃度 ··· 13 (2)最高血中濃度到達時間 ··· 14 (3)臨床試験で確認された血中濃度 ··· 14 (4)中毒域 ··· 14 (5)食事・併用薬の影響 ··· 14 (6)母集団(ポピュレーション)解析により 判明した薬物体内動態変動要因 ··· 14 2.薬物速度論的パラメータ (1)コンパートメントモデル ··· 14 (2)吸収速度定数 ··· 14 (3)バイオアベイラビリティ ··· 15 (4)消失速度定数 ··· 15 (5)クリアランス ··· 15 (6)分布容積 ··· 15 (7)血漿蛋白結合率 ··· 15 3.吸 収 ··· 15 4.分 布 (1)血液-脳関門通過性 ··· 15 (2)血液-胎盤関門通過性 ··· 15 (3)乳汁への移行性 ··· 15 (4)髄液への移行性 ··· 15 (5)その他の組織への移行性 ··· 165.代 謝 (1)代謝部位及び代謝経路 ··· 16 (2)代謝に関与する酵素(CYP450 等) の分子種 ··· 16 (3)初回通過効果の有無及び その割合 ··· 16 (4)代謝物の活性の有無及び比率 ··· 16 (5)活性代謝物の速度論的 パラメータ ··· 16 6.排 泄 (1)排泄部位及び経路··· 17 (2)排泄率 ··· 17 (3)排泄速度 ··· 17 7.透析等による除去率 ··· 17
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に
関する項目
1.警告内容とその理由 ··· 18 2.禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む) ··· 18 3.効能又は効果に関連する使用上の注意と その理由 ··· 20 4.用法及び用量に関連する使用上の注意と その理由 ··· 20 5.慎重投与内容とその理由 ··· 20 6.重要な基本的注意とその理由及び 処置方法 ··· 22 7.相互作用 (1)併用禁忌とその理由 ··· 24 (2)併用注意とその理由 ··· 24 8.副作用 (1)副作用の概要 ··· 25 (2)重大な副作用と初期症状 ··· 25 (3)その他の副作用 ··· 26 (4)項目別副作用発現頻度及び 臨床検査値異常一覧 ··· 27 (5)基礎疾患,合併症,重症度及び手術の 有無等背景別の副作用発現頻度 ··· 29 (6)薬物アレルギーに対する注意 及び試験法 ··· 34 9.高齢者への投与 ··· 34 10.妊婦,産婦,授乳婦等への投与 ··· 34 11.小児等への投与 ··· 34 12.臨床検査結果に及ぼす影響 ··· 34 13.過量投与 ··· 34 14.適用上の注意 ··· 34 15.その他の注意 ··· 34 16.その他 ··· 36Ⅸ.非臨床試験に関する項目
1.薬理試験 (1)薬効薬理試験 ··· 37 (2)副次的薬理試験 ··· 37 (3)安全性薬理試験 ··· 37 (4)その他の薬理試験··· 37 2.毒性試験 (1)単回投与毒性試験 (ラット) ··· 37 (2)反復投与毒性試験 (ラット) ··· 38 (3)生殖発生毒性試験 (ラット・ウサギ) ··· 38 (4)その他の特殊毒性 (マウス・ラット・ハムスター) ··· 39Ⅹ.管理的事項に関する項目
1.規制区分 ··· 40 2.有効期間又は使用期限 ··· 40 3.貯法・保存条件 ··· 40 4.薬剤取扱い上の注意点 (1)薬局での取り扱いについて ··· 40 (2)薬剤交付時の注意 (患者等に留意すべき必須事項等) ··· 40 5.承認条件等 ··· 40 6.包 装 ··· 40 7.容器の材質 ··· 40 8.同一成分・同効薬 ··· 40 9.国際誕生年月日 ··· 40 10.製造販売承認年月日及び承認番号··· 40 11.薬価基準収載年月日 ··· 40 12.効能又は効果追加,用法及び用量変更 追加等の年月日及びその内容 ··· 41 13.再審査結果,再評価結果公表年月日及び その内容 ··· 41 14.再審査期間 ··· 41 15.投薬期間制限医薬品に関する情報··· 41 16.各種コード ··· 41 17.保険給付上の注意 ··· 41ⅩⅠ.文 献
1.引用文献 ··· 42 2.その他の参考文献 ··· 43ⅩⅡ.参考資料
1.主な外国での発売状況 ··· 44 2.海外における臨床支援情報 ··· 44ⅩⅢ.備 考
その他の関連資料 ··· 45-1-
1.開発の経緯 更年期障害は,卵巣機能の低下によるエストロゲン欠乏,特にエストラジ
オールの欠乏に基づく症状であることから,その症状の改善にエストロゲ ンの補充が有効であることが知られている.この療法は一般にホルモン補 充療法(Hormone Replacement Therapy)と呼ばれている.
また,閉経後骨粗鬆症は,閉経に伴うエストロゲンの欠乏に基づく骨吸収 亢進が原因で,骨量減少を来すとされている. エストロゲン製剤としては,欧米諸国においては経口剤,注射剤,貼付剤, ゲル剤及び点鼻剤等の剤形があり,かつ,エストロゲンの種類や用量の異 なる剤形もあり,患者の症状に応じて幅広い選択肢の中から製剤を選択す ることが可能であったが,国内においては,医師及び使用する患者の選択 肢は限られた状況であった. ジュリナ錠 0.5mg は,天然型エストロゲンのうちもっとも生理活性の高い 17β-エストラジオールを主成分とする国内初の経口製剤である.更年期障 害又は閉経後骨粗鬆症患者を対象とした国内臨床試験で本剤の有用性が確 認され,2008 年 4 月に国内において,「更年期障害及び卵巣欠落症状に伴 う血管運動神経症状(Hot flush 及び発汗)及び腟萎縮症状」の効能・効 果を有する製剤として承認された.また,2008 年 10 月には「閉経後骨粗 鬆症」の効能・効果を有する初めての経口エストロゲン製剤として追加承 認された. 2.製品の治療学的・製剤学的特性 1. 更年期障害と閉経後骨粗鬆症の両方の適応を持つ国内初の経口エスト ロゲン製剤である. 2. 天然型のエストロゲンのうちもっとも生理活性の高い 17β-エストラ ジオールを主成分としている. 3. 更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(Hot flush 及び 発汗)や腟萎縮症状を改善する. 通常,成人に対しエストラジオールとして 1 日 1 回 0.5mg を経口投与 する.なお,増量する場合は,エストラジオールとして 1 日 1 回 1.0mg を経口投与することができる. 4. 更年期障害に対して,患者の症状経過にあわせて 1.0mg まで増量が可 能である. 5. 閉経後骨粗鬆症に対して優れた効果を発揮する. 腰椎骨密度を 1 年間で 7.95%,2 年間で 10.15%増加させた. 骨代謝回転を適正範囲に改善した. 6. 本剤の 8 週間反復投与により平均血中エストラジオール濃度は,0.5mg 投与で約 21pg/mL,1.0mg 投与で約 45pg/mL に上昇した※. ※:更年期障害又は卵巣欠落症状を有する患者に E2 0.5mg 又は 1.0mg を 1 日 1 回 8 週間投与 7. 更年期障害及び卵巣欠落症状 更年期障害及び卵巣欠落症状に対する国内試験において,エストラジ オール 0.5mg あるいは 1.0mg 投与した総症例 143 例中 44 例(30.8%) に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた.主な副作用は,性器 分泌物 24 例(16.8%),乳房不快感 9 例(6.3%),腹痛 7 例(4.9%), 性器出血 6 例(4.2%),腹部膨満 6 例(4.2%)等であった(承認時). 使用成績調査において,451 例中 32 例(7.1%)に副作用が認められ, その内訳は,不正子宮出血が 11 件,頭痛及び性器出血が各 3 件,子宮
Ⅰ.概要に関する項目
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出血及び乳房不快感が各 2 件,腹部膨満,下腹部痛,上腹部痛,便秘, 倦怠感,脂肪肝,血中乳酸脱水素酵素増加,血中トリグリセリド増加, 筋肉疲労,子宮癌,味覚異常,乳房痛,光線過敏性反応,蕁麻疹,血管 拡張及びほてりが各 1 件であった(再審査終了時). 閉経後骨粗鬆症 閉経後骨粗鬆症に対する国内試験において,総症例 56 例中 34 例 (60.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた.主な副作 用は,乳房不快感 12 例(21.4%),乳頭痛 8 例(14.3%),性器分泌物 5 例(8.9%),乳房痛 5 例(8.9%)等であった(効能追加承認時). 使用成績調査において,154 例(子宮摘出歴あり:30 例,子宮摘出歴な し:124 例)中 9 例(5.8%)に副作用が認められ,その内訳は,乳房腫 瘤 2 件,乳房新生物,乳房不快感,不正子宮出血,頭痛,筋肉痛,肝機 能異常及び悪心各 1 件であった(再審査終了時). また,重大な副作用として,静脈血栓塞栓症(頻度不明),血栓性静脈 炎(頻度不明)やアナフィラキシー様症状(類薬)が現れることがある.-3-
1.販売名 (1) 和 名 ジュリナⓇ錠 0.5mg (2) 洋 名 JulinaⓇ0.5mg (3) 名称の由来 特になし 2.一般名 (1) 和 名(命名法) エストラジオール(JAN) (2) 洋 名(命名法) Estradiol(INN,JAN) (3) ステム エストラジオール エストロゲン:-estr- 3.構造式又は示性式 4.分子式及び分子量 分子式:C18H24O2 分子量:272.38 5.化学名(命名法) Estra-1,3,5(10)-triene-3,17β-diol(IUPAC) 6.慣用名,別名,略号,記号番号 治験記号:SH T 546 7.CAS 登録番号 50-28-2Ⅱ.名称に関する項目
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1.物理化学的性質 (1) 外観・性状 本品は,白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない. (2) 溶解性 本品は 1,4-ジオキサン又はN,N -ジメチルホルムアミドに溶けやすく,ア セトンにやや溶けやすく,エタノール(95)にやや溶けにくく,ジエチル エーテルに溶けにくく,水にほとんど溶けない.本品は硫酸に溶ける. (3) 吸湿性 本品は吸湿性である. (4) 融点(分解点),沸点, 凝固点 融点:175~180℃ (5) 酸塩基解離定数 該当資料なし (6) 分配係数 該当資料なし (7) その他の主な示性値 旋光度(〔α〕 :+75~82°(乾燥後,0.1g,1,4-ジオキサン,10mL,100mm) 2.有効成分の各種条件下に おける安定性 該当資料なし 3.有効成分の確認試験法 (1)呈色反応による確認 (2)紫外可視吸収スペクトル (3)赤外吸収スペクトル 4.有効成分の定量法 紫外可視吸光度測定法Ⅲ.有効成分に関する項目
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1.剤 形 (1) 剤形の区別,規格及び性状 販売名 ジュリナ錠 0.5mg 成分・含量 1 錠中,エストラジオール 0.5mg 含有 添加物 乳糖水和物,トウモロコシデンプン,アルファー化デンプン, ポビドン,ステアリン酸マグネシウム,ヒプロメロース,マ クロゴール 6000,タルク,酸化チタン,黄色三二酸化鉄,三 二酸化鉄 色・剤形 明るい灰黄色のフィルムコーティング錠 外 形 (識別コード) 直径(mm) 6 厚さ(mm) 2.85 重さ(mg) 82 (2) 製剤の物性 該当資料なし (3) 識別コード HM (4) pH,浸透圧比,粘度,比重, 無菌の旨及び安定な pH 域等 該当資料なし 2.製剤の組成 (1) 有効成分(活性成分)の含量 上記表参照 (2) 添加物 上記表参照 (3) その他 該当しない 3.懸濁剤,乳剤の分散性に 対する注意 該当しないⅣ.製剤に関する項目
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4.製剤の各種条件下における 安定性 試 験 保存条件 保存形態 保存期間 結 果 温度 湿度 光 長期保存 試験 25℃ 60%RH 暗所 PTP(ポリ塩化 ビ ニ ル フ ィ ル ム/アルミニウ ム箔)包装 36 ヵ月 類 縁 物 質 の 増 加 傾 向が認められた. (規格の範囲内) 加速試験 40℃ 75%RH 暗所 PTP(ポリ塩化 ビ ニ ル フ ィ ル ム/アルミニウ ム箔)包装 6 ヵ月 類 縁 物 質 の 増 加 及 び 含 量 の 低 下 傾 向 が認められた. (規格の範囲内) 苛酷試験 (光) 25℃ 60%RH D65蛍光 ランプ シャーレ(ポリ 塩 化 ビ ニ リ デ ン 製 フ ィ ル ム でカバーする) 約 120 万 lx・hr 及び 約 350W・h/m2 類 縁 物 質 の 増 加 傾 向が認められた. (規格の範囲内) 苛酷試験 (温度) 50℃ - 暗所 ガラス容器/ポ リ プ ロ ピ レ ン キャップ 1 ヵ月 類 縁 物 質 の 増 加 傾 向が認められた. (規格の範囲内) 苛酷試験 (湿度) 30℃ 80%RH 暗所 ペトリ皿 (開栓) 1 ヵ月 類 縁 物 質 の 増 加 及 び 溶 出 性 の わ ず か な 低 下 が 認 め ら れ た.(規格の範囲内) 測定項目 性状(外観),類縁物質(HPLC),溶出性,定量法(HPLC) 5.調整法及び溶解後の安定性 該当しない 6.他剤との配合変化 (物理化学的変化) 該当資料なし 7.溶出性 「日局」一般試験法 溶出試験法パドル法により行う 8.生物学的試験法 該当しない 9.製剤中の有効成分の確認試験法 薄層クロマトグラフィー(TLC 法) 10.製剤中の有効成分の定量法 液体クロマトグラフィー(HPLC 法) 11.力 価 該当しない 12.混入する可能性のある夾雑物 なし 13.治療上注意が必要な 容器に関する情報 PTP 包装 表:ポリ塩化ビニルフィルム 裏:アルミニウム箔 14.その他 特になし-7-
1.効能又は効果 ・更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う下記症状 血管運動神経症状(Hot flush 及び発汗),腟萎縮症状 ・閉経後骨粗鬆症 2.用法及び用量 ・更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状 通常,成人に対しエストラジオールとして 1 日 1 回 0.5mg を経口投与す る.なお,増量する場合は,エストラジオールとして 1 日 1 回 1.0mg を経 口投与することができる. ・閉経後骨粗鬆症 通常,成人に対しエストラジオールとして 1 日 1 回 1.0mg を経口投与す る. 〈用法・用量に関連する使用上の注意〉 閉経後骨粗鬆症に対して本剤を投与する場合,投与後 6 ヵ月~1 年後に骨 密度を測定し,効果が認められない場合には投与を中止し,他の療法を考 慮すること. 3.臨床成績 (1) 臨床データパッケージ 相 試験 番号 実施国 対象者 有効性 安全性 概要 Ⅰ 010559 日本 健康な閉経後日本人女性 - ◎ 単回投与試験 Ⅰ 010560 日本 健康な閉経後日本人女性 - ◎ 単回投与試験 Ⅰ 010561 日本 健康な閉経後日本人女性 - ◎ 反復投与試験 Ⅰ 305044 日本, ドイツ 健康な閉経後日本人・白人 女性 - ◎ 臨床薬理試験 Ⅱ 010730 日本 自然閉経後の更年期障害又 は両側卵巣摘出による卵巣 欠落症状を有する患者 ◎ ◎ LNG 至適用量の検 討 Ⅱ/Ⅲ 300103 日本 自然閉経後又は両側卵巣摘 出に伴う骨粗鬆症患者 ◎ ◎ 骨 量 増 加 に 対 す る至適 E2 用量の 検討,至適 E2/LNG 配合の検討 Ⅱ 300107 日本 自然閉経後の更年期障害又 は両側卵巣摘出による卵巣 欠落症状を有する患者 ◎ ◎ E2 の至適用量の 検討 (2) 臨床効果1,2) 更年期障害及び卵巣欠落症状を有する患者 211 例にプラセボ,エストラジ オール 0.5mg 及び 1.0mg を 1 日 1 回,8 週間反復経口投与した無作為化二重 盲検試験において,投与 8 週後(又は中止時)の血管運動神経症状(Hot flush, 発汗)及び腟乾燥感の各症状は,プラセボに比して 0.5mg 群及び 1.0mg 群で 有意に改善した.また,投与 8 週後(又は中止時)の Hot flush の 1 日平均 回数の投与前値からの減少率は,0.5mg 群で 79.6%,1.0mg 群で 82.5%であ り,プラセボ群の 57.9%と比して有意差が認められた. 自然閉経又は両側卵巣摘出に伴う骨粗鬆症患者 309 例(子宮摘出例を含む) を対象としたプラセボ*対照無作為化二重盲検試験(基礎治療薬としてカル シウム 500mg,ビタミン D3 200IU/日を全例投与)において,エストラジオー ル 1.0mg 含有製剤を投与した患者(下表脚注参照)の腰椎骨密度はプラセボ 対照群に比して有意に増加した(下表参照).骨代謝マーカーは閉経前女性 の基準値内に回復し,最小有意変化を超える投与前からの変化率を示した.Ⅴ.治療に関する項目
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腰椎骨密度の変化率(%) 28 週 52 週 80 週 104 週 腰椎骨密度 プラセボ投与 +0.80 +0.11 - - (L2-4, DEXA 法) E2 1.0mg 投与 +6.16 +7.95 +9.60 +10.15 注) 子宮を有する患者にエストラジオール 1.0mg/レボノルゲストレル 0.04mg 配合剤, 子宮摘出例にエストラジオール 1.0mg 単剤を投与した時の平均変化率を示す. *:骨粗鬆症における試験で,プラセボ投与群では 52 週間投与後 E2 1.0mg 単剤(子 宮摘出患者)又は E2 1.0mg/LNG 0.04mg 配合剤(子宮を有する患者)を 52 週間投 与した. (3) 臨床薬理試験: 忍容性試験3) 健康な閉経後女性 10 例に,エストラジオール(E2)1.0mg 及び 2.0mg を単回 経口投与した結果,臨床症状(自覚症状,視診,触診,聴・打診),理学検査, 臨床検査に異常は全く認められなかった.また,健康な閉経後女性 10 例に, E2 1.0mg 及び 2.0mg を 28 日間反復経口投与した結果,自覚症状として,下 腹部膨満感,乳頭痛,帯下,腰痛,下肢浮腫,下肢倦怠感が認められ,いず れも重症度の判定は軽度であった.また,性器出血の消退出血が 4 例に認め られたが,なんら処置の必要もなく速やかに消失し,また,子宮内膜細胞診 でも異常は認められなかった. その他,理学検査,臨床検査には異常は認められなかった. ※本剤の承認用量は,エストラジオールとして 1 日 1 回 0.5~1.0mg である. (4) 探索的試験: 用量反応探索試験4) 更年期障害及び卵巣欠落症状を有する 88 例に,E2 0.5mg(31 例),1.0mg(28 例)及び 2.0mg(29 例)を 28 日間反復経口投与した.全般改善度では,有 効(「中等度改善」以上)率が 0.5mg 群 82.6%(19/23 例),1.0mg 群 91.7% (22/24 例),2.0mg 群 96.0%(24/25 例)であり,副作用発現率は 0.5mg 群 12.0%(3/25 例),1.0mg 群 8.0%(2/25 例),2.0mg 群 33.3%(9/27 例)で あった.2.0mg 群でエストロゲン製剤に報告されている副作用が多く認めら れる傾向があった.E2 の血中濃度は用量依存的に増加し,投与 4 週及び 8 週 後の血中濃度は 0.5mg 群でそれぞれ 16.15±13.65pg/mL(平均±SD),26.86 ±23.66pg/mL,1.0mg 群で 41.85±25.87pg/mL,58.64±12.26pg/mL,2.0mg 群で 90.00±57.51pg/mL,87.16±49.00pg/mL まで増加した.以上より,0.5mg 群及び 1.0mg において有効性,安全性が確認され,また血中濃度の結果から 本剤の至適投与量は 0.5mg から 1.0mg と推定された. ※本剤の承認用量は,エストラジオールとして 1 日 1 回 0.5~1.0mg である. (5) 検証的試験 1)無作為化並行用量反応試験 「(2)臨床効果」の項参照 2)比較試験 該当資料なし 3)安全性試験1,2) 更年期障害及び卵巣欠落症状を有する 211 例に,E2 0.5mg(72 例),1.0mg (71 例)又はプラセボ(68 例)を 8 週間反復経口投与した.副作用の発 現率は,プラセボ群 34 例(50.0%),0.5mg 群 34 例(47.2%),1.0mg 群 40 例(56.3%)であり,いずれの用量群間にも,統計学的に有意な差は 認められなかった.ほとんどの有害事象の重症度は軽度及び中等度と判 定され,高度と判定された本剤との関連性が否定できない有害事象はな かった. 自然閉経又は両側卵巣摘出に伴う骨粗鬆症患者 309 例に,E2 0.5mg(73 例),1.0mg(157 例)又はプラセボ(79 例)を 104 週間反復経口投与し-9-
た.子宮のある被験者にはレボノルゲストレル(LNG)0.04mg を投与した. また全ての被験者に基礎治療としてカルシウム 500mg/日及びビタミン D3 200IU/日を投与した.またプラセボ投与群では 52 週間投与後,E2 1.0mg 単剤(子宮摘出患者)又は E2 1.0mg/LNG 0.04mg 配合剤(子宮を有する 患者)を 52 週間投与した. 1 年目の副作用発現率は,E2 1.0mg/LNG 0.04mg 群 66.7%(78/119 例), E2 1.0mg 群 55.0%(22/40 例),E2 0.5mg/LNG 0.04mg 群 47.4%(22/57 例),E2 0.5mg 群 50.0%(8/16 例),プラセボ(E2/LNG)群 39.0%(23/59 例)及びプラセボ(E2)群 30.0%(6/20 例)であった.報告された副作 用の大部分は 1 年目に発現した.臨床検査値の平均値に臨床的に問題と なる変動は認められなかった.E2 用量間に顕著な差は認められなかった. 4)患者・病態別試験 該当しない (6) 治療的使用 1)使用成績調査・特定使用成績調査(特別調査)・製造販売後臨床試験(市 販後臨床試験) 【使用成績調査】 本剤の使用成績調査は,「更年期障害」に関する調査及び「閉経後骨粗鬆 症」に関する調査がそれぞれ実施された. 「更年期障害」に関する調査は,本剤の未知の副作用,使用実態下にお ける副作用の発現状況,安全性及び有効性等に影響を与える要因につい て検討することを目的に実施した.また,「閉経後骨粗鬆症」に関する調 査は,本剤の使用実態下における既知の副作用に係る発生頻度や発生傾 向,長期投与例において懸念される重篤な副作用,及び安全性・有効性 等に影響を与える要因について検討することを目的に実施した. 「更年期障害」に関する調査 ① 承認時までの副作用発現症例率は 30.8%(44/143 例)で,使用成績 調査の安全性解析対象症例 451 例における副作用発現症例率は 7.1% (32/451 例)であった. ② 複数件認められた副作用は不正子宮出血 11 件,頭痛及び性器出血が 各 3 件,子宮出血及び乳房不快感が各 2 件であった.また,重篤な副 作用は子宮癌の 1 件であった. ③ 発現時期別にみた副作用発現症例率は投与期間が長くなるほど低下 し,18 ヵ月以上経過してからの副作用の発現は認められなかった. ④ 特別な背景を有する患者(高齢者,腎機能障害を有する患者,肝機能 障害を有する患者)について,いずれも副作用は認められなかった. ⑤ 有効性解析対象症例 412 例における改善率は 86.4%(356/412 例)で あった(有効性は,担当医により「改善」,「不変」及び「悪化」の 3 段階で評価された). 「閉経後骨粗鬆症」に関する調査 ① 承認時までの副作用発現症例率は 60.7%(34/56 例)で,使用成績調 査の安全性解析対象症例 154 例(子宮摘出歴あり 30 例,子宮摘出歴 なし 124 例)における副作用発現症例率は 5.8%(9/154 例)であっ た. ② 複数件認められた副作用は,乳房腫瘤が 2 件であり,重篤な副作用は 乳房新生物の 1 件であった. ③ 発現時期別の副作用発現症例率は,投与後 6 ヵ月未満で 2.6%(4/154 例)と最も高かったが,その他の時期では副作用発現症例数は 0~2-10-
例であり大きな変化は認められなかった. ④ 安全性解析対象症例のうち,65 歳以上の高齢者は 13 例であったが, いずれも副作用は認められなかった. ⑤ 有効性解析対象症例 92 例における投与開始から 24 ヵ月での改善率 は 66.3%(61/92 例)であった(有効性は,担当医により「改善」, 「不変」及び「悪化」の 3 段階で評価された). 2)承認条件として実施予定の内容又は実施した試験の概要 該当しない-11-
1.薬理学的に関連ある 化合物又は化合物群 吉草酸エストラジオール,イプロピオン酸エストラジオール,結合型エス トロゲン,エストリオール 2.薬理作用 (1) 作用部位・作用機序 1)エストラジオール(E2)は腟上皮の角化,腟及び子宮のシアル酸含有量 の減少,腟及び子宮重量の増加を引き起こし,黄体化ホルモンや卵胞刺 激ホルモンの分泌や排卵及び着床を抑制した. 2)卵巣機能の急激な低下に伴いエストロゲンの分泌が低下すると,エスト ロゲン依存性の機能及び組織の変化が引き起こされる.この持続的なエ ストロゲン低下による障害の代表的なものとして,のぼせ,発汗などが あげられる.本剤は E2 を経口投与することにより血中エストロゲン濃 度を上昇させ,これらの症状を軽減させる. 3)ラットに卵巣摘出手術日から E2 1.5μg/kg/日を 28 日間皮下投与した とき,E2 は卵巣摘出による脛骨海綿骨骨密度の減少に対して予防効果 を示した5). 4)ラットに卵巣摘出手術日から E2 4μg/kg/日を 28 日間皮下投与したと き,E2 は卵巣摘出による脛骨海綿骨骨密度の減少に対して予防効果を 示した5). 5)卵巣摘出 29 日後のラットに E2 5μg/kg/日を 24 週間皮下投与したと き,E2 は卵巣摘出による脛骨及び腰椎海綿骨骨密度の減少に対して治 療効果を示した5). (2) 薬効を裏付ける 試験成績6~8) 試験項目 動物 投与 経路 用量 (μg/動物/日) 投与期 間(日) 結果 (μg/動物/日) エ ス ト ロ ゲ ン 活 性 腟垢試験 卵巣摘出 ラット (n=5~6) 皮下 E2 0.3,1 単回 腟上皮の角化 E2 0.3 及び 1μg/ラット (2 及び 5μg/kg;皮下) 腟, 子宮重量 卵巣摘出 マウス (n=5~6) 経口 E2 1~30 5 (経口) E2 10,30μg/マウス (333.3,1000μg/kg;経口) 皮下 E2 0.003~0.1 3 (皮下) E2 0.03,0.1μg/マウス (1,3.3μg/kg;皮下)で腟, 子宮重量増加 子宮重量 卵巣摘出 ラット (n=6) 皮下 E2 0.3 単回 E2 0.3μg/ラット (1.5μg/kg,皮下)で平均子 宮湿重量 1.5 倍増加,平均子 宮乾燥重量 1.4 倍増加 腟, 子宮重量 卵巣摘出 ラット (n=8~12) 皮下 E2 0.3 14 E2 0.3μg/ラット (1.2μg/kg,皮下)で平均子 宮重量 3.7 倍増加,平均腟重 量 1.9 倍増加 子宮重量 卵巣摘出 ラット (n=6) 経口 E2 2.5mg/kg/日 14 E2 2.5mg/kg/日(0.5mg/ラッ ト/日)で平均子宮湿重量 3.8 倍増加 子 宮 重 量 及 び 内 膜 上 皮 細 胞 高 幼若ラット (n=5) 皮下 E2 0.3 3 E2 0.3 μ g / ラ ッ ト (6 μ g/kg,皮下)で子宮重量 4.0 倍増加,上皮細胞高 5.5 倍増 加 卵巣摘出 成熟ラット (n=4~5) 皮下 E2 0.15~1.5 (μg/kg/日) 3 上皮細胞高増加:E2 1.5μ g/kg(0.3μg/ラット) カ ニ ク イ ザ ル に お け る 子 宮 肥大作用 卵巣摘出カ ニクイザル (n=3) 皮下 E2 10μg/kg/日 21 E2 10μg/kg(30~80μg/サ ル)投与前に比し 22 日目で 3.6 倍に横断面積増加 腟 及 び 子 宮 シ ア ル 酸 含 有 量 試験 卵巣摘出 マウス (n=5~6) 経口 E2 1~30 5 (経口) E2 10,30μg/マウス(0.33, 1mg/kg,経口),E2 0.03,0.1 μg/マウス(1,3.3μg/kg,皮 下)でシアル酸含有量減少 皮下 E2 0.003~0.1 3 (皮下)Ⅵ.薬効薬理に関する項目
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試験項目 動物 投与 経路 用量(μg 又は mg/動物/日) 投与期 間(日) 結果 (μg/動物/日) 下 垂 体 の ホ ル モ ン 分 泌 及 び 生 殖 機 能 に 及 ぼ す 影 響 受 精 阻 害 作用 雌ウサギ (n=4) 皮下 E2 0.03~3mg 8 最大受精阻害率 80% (E2 3mg/ウサギ,1.5mg/kg) 着 床 阻 害 試験 妊娠ラット (n=10) 皮下 E2 0.3~10 7 E2 1~10μg/ラット(6.7~ 66.7μg/kg;皮下)で着床 阻害 排 卵 抑 制 試験 雌ラット (n=8~10) 皮下 E2 0.1~1000 4 E2 1μg/ラット(4μg/kg; 皮下)4 日目で 50%,5 日目 で 87.5%,10μg/ラット (40μg/kg)以上で 100%の 排卵抑制 卵 巣 発 育 及 び 排 卵 率 下垂体切除 幼若雌 ラット (n=5~7) 皮下 皮下 皮下 E2 0.01~1mg E2 0.01~1mg E2 25mg/kg/日 4 E2 1mg/ラット(20mg/kg,皮 下)で卵巣湿重量,卵母細 胞数増加 骨 保 護 作 用 卵 巣 摘 出 に よ る 骨 量 減 少 に 対 す る 予 防効果 卵巣摘出 ラット (n=6~8) 皮下 E2 0.3 28 E2 0.3μg/ラット(1.5μ g/kg,皮下)で骨量減少を 抑制 皮下 E2 1.2,4 μg/kg/日 E2 1μg/ラット(4μg/kg, 皮 下 ) で 骨 量 減 少 を 抑 制 (67%) 卵 巣 摘 出 に よ る 骨 量 減 少 に 対 す る 治 療効果 卵巣摘出 ラット (n=8~12) 皮下 皮下 E2 2μg/kg/日 E2 0.1,1 42~ 168 E2 2~5μg/kg で骨量減少 を抑制(100%) 肝 臓 に お け る エ ス ト ロ ゲ ン 活 性 血 清 ア ン ジ オ テ ン シ ノ ー ゲ ン 及 び コ レ ス テ ロール 卵巣摘出 及び正常 雌ラット (n=5~10) 皮下 E2 0.1~100 3~7 肝臓パラメ ータに有意な 影響:E2 >300μg/ラット (経口,皮下)(1500μg/kg, 経口,皮下) 皮下 E2 0.03~300 経口, 皮下 E2 30~300 経口, 皮下 E2 8~1000 血 管 運 動 神 経 症 状 尾 部 皮 膚 温 卵巣摘出 ラット (n=6~8) 皮下 E2 2×0.5 ~2×5 (μg/kg/日) 5~8 E2 2×2.5,2×5μg/kg/日 (2 × 0.625 , 2 × 1.25 μ g/ ラット/日)で尾部皮膚温 上昇を抑制 (3) 作用発現時間・持続時間 該当しない-13-
1.血中濃度の推移・測定法 (1) 治療上有効な血中濃度 単回投与9) 閉経後の健康女性 10 例に,エストラジオール(E2)1.0mg を単回経口投与 したとき,E2 は経口投与後 2 時間以内に速やかに吸収され,血漿中 E2 濃 度は投与後 6~8 時間後に血漿中最大薬物濃度(Cmax)に達した.その後 12 時間後までその血漿中濃度はほぼ一定であった.血漿中 E2 濃度は投与 48 時間後には,ほぼ投与前値まで減少した.また,血漿中エストロン(E1) 濃度の経時的変化は E2 で認められたものと類似していた. E2 1.0mg を単回経口投与したときの血漿中 E2 及び E1 の薬物動態学的パ ラメータ 測定物質 Cmax(pg/mL) tmax(h) AUC(0-48h) (ng・h/mL) t1/2(h) E2(10 例) 37.2±13.0 8.1±6.9 1.01±0.49 23.9±10.7 E1(10 例) 193.1±72.0 4.8±2.5 4.22±1.55 17.2±6.8 算術平均値±標準偏差 Cmax:最高血漿中濃度,tmax:最高血漿中濃度到達時間, AUC:血漿中濃度曲線下面積,t1/2:消失半減期 反復投与10) 閉経後の健康女性 9 例にエストラジオール(E2)1.0mg を 1 日 1 回 28 日間 反復経口投与したとき,血漿中 E2 濃度は投与開始後第 17 日目までに定常 状態に達し,定常状態の E2 の血漿中平均トラフ濃度*は約 30pg/mL であっ た.28 日間反復経口投与した場合の E2 の蓄積係数は 2.2 であった.血漿 中エストロン(E1)濃度は,血漿中 E2 の 6~8 倍の濃度で,E2 と類似した 血漿中濃度推移を示した. *トラフ濃度:投与直前の最低血中濃度 E2 1.0mg を 1 日 1 回 28 日間反復経口投与したときの血漿中 E2 濃度の推移Ⅶ.薬物動態に関する項目
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E2 1.0mg を反復経口投与したときの血漿中 E2 及び E1 の薬物動態学的パラ メータ 測定物質 投与第 1 日目 〈初回投与〉 投与第 28 日目 〈最終投与〉 Cmax (pg/mL) E2(n=9) 33.08±16.33 57.66±17.20 E1(n=9) 197.99±57.38 485.60±175.81 tmax (h) E2(n=9) 6.22±3.23 4.44±1.94 E1(n=9) 6.22±2.73 4.22±1.56 AUC(0-12h) (pg・h/mL) E2(n=9) 276.10±99.46 576.50±187.02 E1(n=9) 1660±560 4300±1610 算術平均値±標準偏差 Cmax:最高血漿中濃度,tmax:最高血漿中濃度到達時間, AUC:血漿中濃度曲線下面積 更年期障害及び卵巣欠落症状を有する患者にエストラジオール(E2)0.5mg 及び 1.0mg を 1 日 1 回,8 週間反復経口投与したとき,平均血清中 E2 濃度 は 0.5mg 投与群(72 例)で投与前値(3.10pg/mL)から投与 8 週後(又は 中止時)で 21.41pg/mL,1.0mg 投与群(71 例)で投与前値(2.25pg/mL)か ら 44.95pg/mL に上昇した1). 更年期障害又は卵巣欠落症状を有する患者に E2 0.5mg 及び 1.0mg を反復 投与したときの血清中 E2 濃度(pg/mL) 時 期 プラセボ E2 0.5mg E2 1.0mg n 平均値±SD n 平均値±SD n 平均値±SD 投与前 68 2.3±6.8 72 3.1±8.6 71 2.3±4.7 8 週後 (又は中止時) 67 6.4±28.2 72 21.4±25.4 71 45.0±45.5 (2) 最高血中濃度到達時間 「(1)治療上有効な血中濃度」の項参照 (3) 臨床試験で確認された 血中濃度 「(1)治療上有効な血中濃度」の項参照 (4) 中毒域 該当資料なし (5) 食事・併用薬の影響 特になし (6) 母集団(ポピュレーショ ン)解析により判明した 薬物体内動態変動要因 該当資料なし 2.薬物速度論的パラメータ (1) コンパートメントモデル 該当資料なし (2) 吸収速度定数 該当資料なし-15-
(3) バイオアベイラビリティ11) (外国人データ) 経口避妊薬により内因性エストロゲン濃度を低下させた 14 名の若年の成 人白人女性を対象に,クロスオーバー法により E2 4.0mg を単回経口投与 および E2 0.3mg を静脈内投与したとき,絶対的生物学的利用率の平均値 は 4.9±5.0%であった. ※本剤の承認用量は,エストラジオールとして 1 日 1 回 0.5~1.0mg である. (4) 消失速度定数 該当資料なし(5) クリアランス12) CL int in vitroは 0.02mL/min/mg と推定された.
(6) 分布容積11) 約 73L (7) 血漿蛋白結合率12) 閉経後日本人女性に E2 をレボノルゲストレル(LNG)と併用して投与した とき,E2 は血中で約 35%が血清 SHBG と,約 63%が血清アルブミンと結合 する.E2 は血中において SHBG と特異的に,血清アルブミンと非特異的に 結合すると報告されている. 3.吸 収 E2 を経口投与したとき,E2 は投与後 2 時間以内に Cmaxに近い血中濃度に達 することから,投与後速やかに吸収されると考えられる. 4.分 布 (1) 血液-脳関門通過性 該当資料なし (2) 血液-胎盤関門通過性 〈参考〉 胎児への移行性(ラット)13) 妊娠 15 日目のラットに14C-E2(0.5mg/kg)を単回経口投与したとき,母 動物血漿中放射能濃度は投与 1 時間後に最高値を示した.胎児及び羊水 中放射能濃度は投与 6 時間後に最高値を示し,その濃度は母動物血漿中 濃度の 3.5~7 倍高いものであった.その後,胎児及び羊水中放射能濃 度は母動物の血漿中濃度とほぼ並行して低下し,投与 72 時間後には投 与 6 時間後の 1/33~1/75 になった.投与 6 時間後の胎児一例あたりの 分布量は投与量の 0.4%以下であった. 妊娠ラットに14C-E2(0.5mg/kg)を単回投与した時の組織内放射能濃度 組 織 投与時間(h) 1a) 6 24 72a) 母動物血液 20.2±7.2 10.1±2.1 2.5±0.8 0.6±0.1 胎 盤 23.6±6.0 15.3±4.9 3.0±1.6 0.7±0.1 胎 児 88.0±28.9 96.9±35.1 12.8±8.0 1.3±0.1 羊 水 20.5±6.1 49.7±18.5 7.8±4.2 1.5±0.2 ng eq./g 又は mL,平均値±標準偏差(n=4,a):n=3) (3) 乳汁への移行性14~16) (外国人データ) 性ホルモンは乳汁中へ少量移行することが知られている. (4) 髄液への移行性 該当資料なし