新しい遺伝子組換え表示制度に関する一考察
著者 高田 寛
雑誌名 明治学院大学法学研究 = Meiji Gakuin law journal
巻 109
ページ 25‑56
発行年 2020‑08‑28
その他のタイトル A Study on New Labeling System of Genetically Modified Organisms
URL http://hdl.handle.net/10723/00003968
新しい遺伝子組換え表示制度に関する一考察
高 田 寛
Ⅰ.はじめに
遺伝子組換え作物(Genetically Modified Organisms: GMO)⎝₁⎠(遺伝子組換え食品⎝₂⎠
も含む。以下「GMO」という。)とは,バクテリアなどの他の生物の細胞から有 用な性質を持つ遺伝子を取り出し,それを植物などの細胞に組み込み,新しい 性質を持たせた作物のことである。これは自然界では決して起こり得ないこと を人為的に行っていることから,これらの
GMO
を食した場合,人体に対して 健康被害をもたらすのではないかと,多くの消費者団体⎝₃⎠を中心に懸念されて いる。そのため,GMO若しくはGMO
を含む食品に,その旨の表示をすべき との議論が続けられ,その結果,遺伝子組換え表示制度(以下「GMO表示制度」という。)が策定された。
GMO表示制度は,食品表示基準⎝₄⎠(平成 27 年内閣府令第 10 号)によって定め られている。最初の施行から約 20 年が経過し,その間,GMOの作付面積の 増加,流通実態の変化,GMOの
DNA
等に関する分析技術の向上,及びGMO
に対する消費者の意識の変化などが生じたと言われている⎝₅⎠。このような中,GMO表示制度の在り方について,食品表示一元化検討会⎝₆⎠
の報告書である「食品表示一元化検討会報告書」⎝₇⎠(平成 24 年 8 月 9 日公表)では,
その特殊性及び重要性から,食品表示の一元化とは別に検討すべき事項として 位置づけられた。また消費者基本計画⎝₈⎠(平成 27 年 3 月 24 日閣議決定)では,個 別課題として実態を踏まえた検討を行う事項として整理された⎝₉⎠。
これにより,消費者庁は,平成 29 年 4 月に消費者,事業者及び学識経験者 等から構成される「遺伝子組換え表示制度に関する検討会」⎝₁₀⎠(以下「GMO検討 会」という。)を開催し,GMO表示制度の在り方について検討⎝₁₁⎠がなされた。
この結果,平成 30 年 3 月 28 日,GMO検討会により,「遺伝子組換え表示制 度に関する検討会報告書」⎝₁₂⎠が公表された。
これを受けて,平成 31 年 4 月 25 日,食品表示基準の一部を改正する内閣府 令(平成 31 年内閣府令第 24 号)(2023 年 4 月 1 日施行)が公布され,これにより,
GMO
表示制度が一部変更されることが決定された。本稿は,拙稿「遺伝子組み換え作物の法的問題について―表示規制とトレーサ ビリティを中心に―」⎝₁₃⎠(富大経済論集 62 巻 3 号(2017 年 3 月))及び「Labeling
Restrictions of Genetically Modified Crops in Japan: Comparison with China, the EU and US」
⎝₁₄⎠(明治学院大学法学研究 105 号(2018 年 8 月))の続編として,消費 者が表示による情報を通じて食品を選択するという観点から,令和 5 年から施 行される新たなGMO
表示制度を検証し,消費者が求める情報をできる限り消 費者にとって分かりやすく誤認を生じさせないよう提供するという表示制度の 本来の目的が果たされているかどうかの検討を行うものである。具体的には,GMOの危険性及びその対策について再度検証し(Ⅱ),現行の 表示制度と新しい表示制度の比較を行い(Ⅲ),次いで各国との比較を行った 上で(Ⅳ),新たな
GMO
表示制度の評価と共に,GMO表示制度の若干の提言 を行うものとする(Ⅴ)。Ⅱ.GMO の安全性
従前,「掛け合わせ」の手法により農作物の遺伝子を変えることによって品 種改良が行われてきた。一方,遺伝子組換えは,他の生物の細胞から有用な性 質を持つ遺伝子を取り出し,植物などの細胞の遺伝子に組み込み,新しい性質
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を持たせるという自然界では起こり得ない事象をもたらす技術である。この技 術は,生産者や消費者の求める性質を効率よくもたせることができる点,及び 組み込む有用な遺伝子が種を超えていろいろな生物が得られる点で,従前の品 種改良とは異なる。また,ゲノム編集とも異なり,外部由来の遺伝子を組み込 むことから,自然界では起こり得ない変異をもたらすことになるので,これら を食した場合,ヒトに対して健康被害を及ぼすのではないかと懸念されている。
1
.安全性への懸念GMOとしての安全性の確認には,主に,①導入された遺伝子が新たに作り 出すタンパク質が人体に対して安全かどうか,②新たに作り出されるタンパク 質にアレルギーを引き起こす作用がないか,③目的遺伝子とともに導入される ことの多い抗生物質耐性遺伝子⎝₁₅⎠が作り出す酵素が人体に影響しないかどう か,の 3 点が考えられるが,いずれも
GMO
が及ぼす健康被害については,未 だに確定的な結果が得られていないのが現状である⎝₁₆⎠。GMOの危険性については,古くは,1989 年に,米国で遺伝子を組み換えた 枯草菌を利用して生産されたトリプトファン(tryptophan)⎝₁₇⎠を食べた人々に,
筋肉の痛みや呼吸困難,咳,発疹などの症状がみられたという報告があった⎝₁₈⎠。 1998 年には,英国のローウェット研究所(Rowett Institute)のアーパド・パズ タイ教授(Prof. Arpad Puztai)が「遺伝子組換えによる害虫抵抗性ジャガイモを ラットに与えたところ,腎臓,脾臓,胸腺,胃などの組織における成長障害と 免疫力の低下がみられた。」とテレビ番組で公表したところ,大きな物議を醸 しだした。
また,1999 年 5 月 20 日の科学雑誌「ネイチャー」に,米国コーネル大学(Cornell
University)
のJ.E.
ロゼイ(J.E. Losey)らが,アワノメイガという害虫を防除す るために「Bt」⎝₁₉⎠(Bacillus thuringiensis)というバクテリアの遺伝子を組み込んだ トウモロコシの花粉を,オオカバマダラというチョウの幼虫に食べさせる実験27
を行った結果,4 日間でチョウの幼虫のうちの 44%が死んだという論文が掲載 された⎝₂₀⎠。この他,今までに
GMO
の有害性についての報告が複数発表されて いるが,いずれも多くの論文が,不正確なものとして批判・反論を浴びている⎝₂₁⎠。 このようにGMO
の人体への影響や危険性については,未だに賛否両論あり,これといった確定的な結論が見い出せないのが現状である。
また,GMO固有の有害性ではないものの,GMOを使用することによって,
除草剤を大量に使用することについても,別の懸念材料として各方面から表明 されている。具体的には,1970 年にモンサント社(現バイエル社)が開発した 除草剤である「ラウンドアップ」⎝₂₂⎠に耐性を持つ
GMO
種子「ラウンドアップ レディー」⎝₂₃⎠を栽培することで,使用する除草剤(ラウンドアップ)の使用量を 気にする必要がなくなり,大量に使用することにより,残留農薬による健康被 害が生じるのではないかという懸念である。これについても賛否両論あるが,米国内では,ラウンドアップの主成分である グリホサート⎝₂₄⎠の発がん性が問われた訴訟が提起された。このグリホサートの 発 が ん 性 に つ い て は, 米 環 境 保 護 庁(United States Environmental Protection
Agency:EPA)
や欧州食品完全機関(European Food Safety Authority:ESFA)等が 否定している。一 方 で,2015 年,WHOの 一 機 関 で あ る 国 際 が ん 研 究 機 関(International
Agency for Research on Cancer:IARC)
⎝₂₅⎠は,グリホサートを「2Aグループ」(ヒ トに対しておそらく発がん性がある:Probably carcinogenic to humans)に分類してい る。「2Aグループ」というのは,発がん性についての国際がん研究機関(IARC)の 5 分類のうちで上から 2 番目にランクされるグループである。すなわち,ヒ トへの発がん性については限られた証拠しかないが,実験動物の発がんについ ては十分な証拠がある場合に分類される⎝₂₆⎠。
このように,GMOの人体への影響や危険性については,現時点では,明確 な結論が出ていない。そのために,GMOに関するわかりやすい表示は,国民
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の知る権利と選択の自由を担保するために,極めて重要なものと言わざるを得 ない。
なお,グリホサートに関する本件訴訟⎝₂₇⎠は,「ラウンドアップの潜在的な危 険性について十分な警告をしなかった」という理由でモンサント社が敗訴して いる⎝₂₈⎠。その後も,いくつかの訴訟においてモンサント社の敗訴が続いてい る⎝₂₉⎠。
2
.安全性審査現在,わが国では,8 農産物及びそれを原料とした 33 加工食品群⎝₃₀⎠がGMO として認められているが,わが国では商業用栽培されているものはない。しか し,GMOの大豆やとうもろこしが,外国から,特に米国から大量に輸入され ている。そのため,組換え
DNA
技術応用食品・食品添加物の安全性を確保す るため,GMOを輸入・販売する際には,必ず安全性審査を受ける必要がある。審査を受けていない
GMO
や,これを原材料に用いた食品等の製造・輸入・販 売は,食品衛生法により禁止されている。さらに,厚生労働省では,組換え
DNA
技術の応用による新たな有害成分が 存在していないかなど,GMOの安全性について,食品安全委員会⎝₃₁⎠の意見を 聴き,総合的に審査を行っている。安全性審査で問題がない場合にのみ,GMO
を製造・輸入・販売することができる。また,GMO
を製造する場合には,その製造所について,定められた製造基準の適合確認を受ける必要がある⎝₃₂⎠。 このように,わが国では,GMOの製造・輸入・販売に関して,厳しい安全審 査を行っている。
具体的には,申請者は,開発した品種ごとに厚生労働省に,安全性審査の申 請をする。これにより,厚生労働省は内閣府の食品安全委員会に安全性の評価 を依頼し,食品安全委員会は,専門家で構成された遺伝子組換え食品等専門調 査会⎝₃₃⎠に食品健康影響評価を付議し,遺伝子組換え食品等専門調査会が安全性
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の評価(食品健康影響評価)を行い,食品安全委員会に報告する。食品安全委員 会は,厚生労働省に評価通知し,厚生労働省は官報掲載により,その結果を報 告・公表する。そして,遺伝子組換え食品等専門調査会の最新の科学的知見に 基づく評価の結果,その安全性に問題がないと判断した食品を厚生労働省が公 表する。
安全性審査のチェックのポイントは,以下のとおりであり,これらについて 科学的なデータを基に評価し,総合的に判断する⎝₃₄⎠。
① 組み込む前の作物(既存の食品),組込む遺伝子,ベクター(遺伝子の運び屋)
などはよく解明されたものか,人が食べた経験はあるか。
②組み込まれた遺伝子はどのように働くか。
③ 組み込んだ遺伝子からできるたんぱく質はヒトに有害でないか,またはア レルギーを起こさないか。
④ 組み込まれた遺伝子が間接的に作用し,有害物質などを作る可能性はないか。
⑤食品中の栄養素などが大きく変わらないか。
以上のデータを総合的に評価しても,なお安全が確認できない場合は,必要 に応じて動物を使った毒性試験などを行う。また,新たな科学的な知見が生じ た場合は再評価を行うこととしている⎝₃₅⎠。
近時,GMOの
DNA
等に関する分析技術の向上が見られる。現行制度施行 当初は,加工食品資料からのDNA
抽出にはCTAB法
⎝₃₆⎠,DNAの検出には通 常のPCR
⎝₃₇⎠により増幅した断片をアガロースゲル電気泳動⎝₃₈⎠にて分析する方 法が用いられてきたが,近時はDNA
精製キットやリアルタイムPCR
を用い ることが一般化している。これらをはじめとする分析機器の性能向上や分析技 術の進歩により,従前はGMO
表示が不要と判断された高度に加工された加工 食品からのDNA
検出ができる可能性が出て来ている⎝₃₉⎠。なお,消費者庁が,平成 28 年度に現行制度において表示義務対象外である しょうゆやコーンフレークについて検査した 5 商品について,その全てから
30
DNA
が検出されたという。この結果を受けて平成 29 年度から検査法の開発に 着手しているが,未だコーンフレーク中のDNA
残存量が少ないなどの理由か ら,現時点(平成 30 年 3 月)では,確固たる検査法の確立に至っていない⎝₄₀⎠。 このように,厚生労働省は,現時点での技術を駆使し,GMOに対して厳格 な安全性審査を行っている。バイテク情報普及会⎝₄₁⎠も,遺伝子組換え食品の安 全性について,「国際的な公的科学研究機関によって『遺伝子組換えは危険で ある』という主張は,科学的に証明されていないことが発表されている。」と 強調しているが⎝₄₂⎠,これによって遺伝子組換え食品の危険性が払拭されたわけ ではない。すなわち,現時点では,「遺伝子組換えは危険でない」と断言する ことはできず,現に,フランスのように,GMOの危険性を重視し,GMOの 栽培・生産及び輸入を禁止している国もある⎝₄₃⎠。3
.分別生産流通管理(IP ハンドリング)わが国の食料自給率(平成 30 年度)は,カロリーベースで 37%であった⎝₄₄⎠。 主要先進国の中でも,極めて低く,多くの食料を海外からの輸入に頼っている。
特に,国内で消費する大豆やとうもろこしなどの大部分を輸入に依存している。
平成 27 年(2015 年)に国内で消費した大豆及び穀物とうもろこしに占める食 用仕向量の割合は,それぞれ 95%及び 31%であった。わが国では,GMOは 商業栽培されていないが,これらの輸入大豆及びとうもろこしの多くは,
GMO
であり,日本人が食している味噌,豆腐などの多くは,GMO大豆を原 料としている可能性があり,GMOに関しては,日本人も無関係ではない。具体的には,わが国のとうもろこしの輸入量は,年間 1,503 万トンで全体の 98.3%を占めているが,そのうち米国から 1,260 万トンを輸入しており,輸入 量全体の 82%が米国産である。大豆については,全体の 91.6%である 283 万 トンを輸入しているが,そのうち米国から 185 万トンを輸入しており,米国産 の大豆は輸入量全体の約 60%を占めている(2014 年現在)⎝₄₅⎠。このように,米
31
国からの輸入割合が多いため,わが国で消費されるとうもろこしと大豆の
GMO
の比率は,かなり高いといえる⎝₄₆⎠。ここで問題となるのが,分別生産流通管理(IPハンドリング:Identity Preserved
Handling)
と意図せざるGMO
または非GMO
の一定の混入である。分別生産流通管理とは,GMOと非
GMO
を生産・流通及び加工の各段階で混入が起こ らないように管理し,そのことが書類などにより証明されていることをいう。食品表示基準 2 条 1 項 17 号では,分別生産流通管理とは,「遺伝子組換え農 産物及び非遺伝子組換え農産物を生産,流通及び加工の各段階で善良なる管理 者の注意をもって分別管理すること(その旨が書類により証明されたものに限る。)
をいう。」と規定している。その具体的な管理及び証明の方法は,産地,作目⎝₄₇⎠, 加工食品の種類等により異なるが,輸入量が多く,かつ,流通段階の複雑なバ ルク輸送⎝₄₈⎠される北米産の非遺伝子組換え大豆及びデント種⎝₄₉⎠の非
GMO
と うもろこしについては,「バルク輸送される北米産の非GMO
大豆及びデント 種の非GMO
とうもろこしの分別生産流通管理の指針」⎝₅₀⎠(以下「バルク指針」と いう。)に即した管理及び確認が適切に実施されていれば,基準で規定する非GMO
の分別生産流通管理が行われたこととなる⎝₅₁⎠。バルク指針の具体的な運用については,「アメリカ及びカナダ産のバルク輸 送非遺伝子組換え原料(大豆,とうもろこし)確保のための流通マニュアル」(一 般財団法人食品産業センター⎝₅₂⎠,平成 12 年 1 月)に示されている。
また,バルク輸送される北米産の非
GMO
大豆及びデント種の非GMO
とう もろこし以外のものの分別生産流通管理については,GMOの意図せざる混入 の可能性がある段階においては,指針に即した管理及び確認が必要である。なお,この指針とは異なる分別生産流通管理の方法を用いることもできるが,
その場合には,バルク指針と同等以上の信頼性及び追跡可能性のある方法を用 いることが必要である。
分別生産流通管理が適切に行われたことを確認した場合にあっても,意図せ
32
ざる
GMO
または非GMO
の一定の混入の可能性は否定できず,食品表示基準 3 条 2 項及び 18 条 2 項のGMO
食品に関する事項の項でいう「一定の混入」とは,非
GMO
大豆の場合でGMO
大豆の混入率 5%以下であること,または 非GMO
とうもろこしの場合でGMO
とうもろこしの混入率が 5%以下である。なお,分別生産流通管理が行われたことを確認した非
GMO
として取り扱う ためには,分別生産流通管理が適切に行われ,そのことが確認されていること,及び混入が意図的に行われたものではないことが必要であり,分別生産流通管 理を確認できない場合や,意図的に
GMO
を混入した場合には 5%以下の混入 率であっても,分別生産流通管理を行ったこととはならない⎝₅₃⎠。Ⅲ.現行の表示制度と新しい表示制度
GMO表示制度には,義務表示と任意表示がある。今回の変更では,義務表 示には変更はないが,任意表示は令和 5 年 4 月から新しい表示制度となる。以 下,現行の表示制度と新しい表示制度について整理しておきたい。
1
.現行の表示制度GMO表示制度の義務対象品目⎝₅₄⎠は,安全性審査⎝₅₅⎠を経て流通が認められた 8 農産物及びそれを原料とした 33 加工食品群である(図表 1)。
わが国では,しょうゆや植物油などは,最新の技術によっても組換え
DNA
等が検出できないため,表示義務はないが,任意で表示することは可能である としている。この場合,義務対象品目と同じ表示ルールに従って表示しなけれ ばならない。義務対象品目の表示方法は,以下の 3 種類がある。
① 分別生産流通管理⎝₅₇⎠をして
GMO
を区別している場合及びそれを加工食品 の原材料とした場合33
② 分別生産流通管理をせず,GMO及び非
GMO
を区別していない場合及び それを加工食品の原材料とした場合③ 分別生産流通管理をしたが,GMOの「意図せざる混入」が 5%を超えて いた場合及びそれを加工食品の原材料とした場合
具体的な表示方法としては,①の場合には,分別生産流通管理が行われた
GMO
である旨を表示しなければならず,表示例としては,「大豆(遺伝子組換え)」 と表示しなければならない。②及び③の場合には,GMOと非GMO
が分別さ れていない旨を表示しなければならず,表示例としては,「大豆(遺伝子組換え対象農産物 加工食品⎝₅₆⎠
大豆
(枝豆及び大豆もや しを含む。)
1 大豆・油揚げ類,2 凍り豆腐,3 納豆,4 豆乳類,5 みそ,6 大豆煮豆,7 大豆缶詰及び大豆瓶詰,8 きなこ,9 大豆いり豆,
10 1 から 9 までに掲げるものを主な原材料とするもの,11 調 理用の大豆を主な原材料とするもの,12 大豆粉を主な原料とす るもの,13 大豆たんぱくを主な原料とするもの,14 枝豆を主 な原料とするもの,15 大豆もやしを主な原料とするもの とうもろこし 1 コーンスナック菓子,2 コーンスターチ,3 ポップコーン,4
冷凍とうもろこし,5 とうもろこし缶詰及びとうもろこし文詰 め,6 コーンフラワーを主な原材料とするもの,7 コーングリッ ツを主な原材料とするもの(コーンフレークを除く。),8 調理 用のとうもろこしを主な原材料とするもの,9 1 から 5 までに 掲げるものを主な原材料とするもの
ばれいしょ 1 ポテトスナック菓子,2 乾燥ばれいしょ,3 冷凍ばれいしょ,
4 ばれいしょでん粉,5 調理用のばれいしょを主な原材料とす るもの,6 1 から 4 までに掲げるものを主な原材料とするもの なたね
綿実
アルファルファ アルファルファを主な原材料とするもの てん菜 調理用のてん菜を主な原材料とするもの パパイヤ パパイヤを主な原材料とするもの
(図表 1)食品表示基準 別表第 17
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不分別)」と表示しなければならない。なお,「不分別」という言葉が消費者にとっ て分かりにくいため,「遺伝子組換え不分別」の意味について説明文を付記す ることも可能であるとしている。
義務表示制度は,上記の 8 農産物及びそれを原料とした 33 加工食品群に対 して課せられたものであるが,これ以外に,大豆及びとうもろこしの 2 品目に 対して,任意表示制度がある。すなわち,上記①から③以外のものとして,「分 別生産流通管理をして,意図せざる混入を 5%以下に抑えている大豆及びとう もろこし並びにそれらを原材料とする加工食品」に対して,「遺伝子組換えで ないものを分別」または「遺伝子組換えでない」等の表示が可能である。スー パーマーケット等の食品売場でよく見かける「遺伝子組換えでない」等の表示 がこれであるが,これは義務表示ではなく任意表示である。これにより,事業 者は,任意で「遺伝子組換えでない」等の表示をすることにより,消費者に対 して安心感を与えるという付加価値を食品に与えることができる。
なお,大豆及びとうもろこし以外の対象農産物については,意図せざる混入 率の定めはない。それらを原材料とする加工食品に「遺伝子組換えでない」と 表示する場合は,GMOの混入が認められないことが条件である。
2
.新しい表示制度新しい表示制度では,義務表示についての変更はなく,任意表示制度につい てのみの変更である。変更後の新しい食品表示基準は,令和 5 年 4 月 1 日から 施行される予定である。
新しい表示制度は,「分別生産流通管理をして,意図せざる混入を 5%以下 に抑えている大豆及びとうもろこし並びにそれらを原材料とする加工食品」を,
以下の 2 つの場合に分け,それぞれ別の表示を行うというものである。
① 分別生産流通管理をして,意図せざる混入を 5%以下に抑えている大豆及 びとうもろこし並びにそれらを原材料とする加工食品
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② 分別生産流通管理をして,遺伝子組換えの混入がないと認められる大豆及 びとうもろこし並びにそれらを原材料とする加工食品
すなわち,現行の表示制度では,「意図せざる混入 5%以下」と一律に分類 していたものを,「意図せざる混入 5%以下」と「意図せざる混入 0%」の 2 種 類に分けた。
表示方法としては,①の場合,適切に分別生産管理された旨の表示が可能と なり,表示例としては,「原材料に使用しているトウモロコシは,遺伝子組換 えの混入を防ぐため分別生産流通管理を行っている。」または「大豆(分別生産 流通管理済み)」等の表示となる。②の場合は,具体的な表示例としては,「遺 伝子組換えでない」または「非遺伝子組換え」等の表示となる。
これらの表記方法については,予め定められたものはないが,GMOと非
GMO
を別けて生産・流通及び製造加工の各段階で管理を行っている場合は,それが分かるように表示することが求められている。また,「分別生産流通管理」
の代わりに,「IPハンドリング」,「IP管理」という表現も使用することが認め られている。矛盾がなければ,「遺伝子組換え大豆の混入が 5%以下になるよ うに管理している。」という表現も可能である⎝₅₈⎠。
適切に分別生産流通管理を実施し,GMOの混入がないことを確認した非
GMO
及びこれを原材料とする加工食品には,「遺伝子組換えでない」と表示 することができるが,これには条件があり,遺伝子組換え農産物の混入がない ことの確認方法として,第三者分析機関等による分析⎝₅₉⎠のほか,以下を証明す る書類等を備えておかなければならない。① 生産地で遺伝子組換えの混入がないことを確認した農産物を専用コンテナ 等に詰めて輸送し,製造者の下で初めて開封していること
② 国産品⎝₆₀⎠または
GMO
の非商業栽培国で栽培されたものであり,生産,流 通過程で,GMOの栽培国からの輸入品と混ざらないことを確認している こと36
③ 生産,流通過程で,各事業者において
GMO
が含まれていないことが証明 されており,その旨が記載された分別生産流通管理証明書を用いて取引を 行っていることなお,行政が行う科学的検証及び社会的検証の結果において,原材料に
GMO
が含まれていることが確認された場合には,不適正な表示となる⎝₆₁⎠。 この新しい表示制度は,使用した原材料に応じて 2 つの表現に分けることに より,消費者の誤認防止や消費者の選択の機会の拡大につながることが期待さ れている。Ⅳ.諸外国の表示規制
拙稿「遺伝子組み換え作物の法的問題について―表示規制とトレーサビリティ を中心に―」(富大経済論集 62 巻 3 号(2017 年 3 月))の「Ⅴ.外国の法規制」,及 び「Labeling Restrictions of Genetically Modified Crops in Japan: Comparison
with China, the EU and US」
(明治学院大学法学研究 105 号(2018 年 8 月))において,ある程度詳細に諸外国の表示規制について紹介したが,ここでは重要な点,変 更点及び最新の動向を確認しておきたい。
1
.EUEUで認可登録された
GMO
は,大豆,トウモロコシ,綿花,菜種,てん菜 の 5 品目 57 品種(2016 年 1 月現在)あり,GMOで構成またはGMO
から生産 された食品及び食品成分(食品添加物など)は,域内で販売及び流通が認められ ている⎝₆₂⎠。これらの
EU
のGMO
表示規制は,2003 年 9 月の「GM食品及び飼料に関す る欧州議会及び理事会規則 1829/2003」⎝₆₃⎠(以下「EU規則 1829/2003」という。)及 び,同年同月の「遺伝子組換え食品等のトレーサビリティと表示並びにGMO
37
から生産された食品及び飼料製品のトレーサビリティに関する欧州議会及び理 事会規則 1830/2003」⎝₆₄⎠(以下「EU規則 1830/2003」という。)で規制されている⎝₆₅⎠。 表示対象は,GMOを含むもの,及び
GMO
から生産されたもの全てであり,表示が免除される意図せざる混入率は,0.9%である(EU規則 1829/2003⎝₆₆⎠)。 表示方法としては,原材料に
GMO
またはGMO
から生産されたものを使用 する場合には,①「遺伝子組換え」または「遺伝子組換えの〇〇(原材料名)から生産された」と表示しなければならない。また,原材料が分類名の場合に は,②「遺伝子組換え〇〇(作物名)を含む」または「遺伝子組換え〇〇(作 物名)から生産された〇〇(原材料を含む)」と表示し,特性または属性が従来 の食品とは異なる食品の場合には,上記①または②に加え,組成,栄養価また は栄養上の効果,食品の意図する用途,特定の人々の健康への影響を表示しな ければならない⎝₆₇⎠。
EUにおける
GMO
の表示制度は,GMOに対して遺伝子組換えである旨表 示義務が課される点では,わが国の制度と同じであるが,わが国の制度と異な る特徴がいくつかある。主なものは以下のとおりである⎝₆₈⎠。①
GMO
のすべてを表示対象としている(ⅰ)わが国では,DNA やたんぱく質が残存していないものに対しては,表 示義務がないのに対し,EUでは,最終製品の
DNA やたんぱく質の残
存に関係なく,GMOを使用したものであれば義務表示の対象としてい る(プロセス規制)。(ⅱ)わが国では,飼料に表示義務はないのに対し,EUでは,GMO飼料も 義務表示の対象としている。
(ⅲ)わが国では,
GMO
かどうかの原材料を主要原材料(重量で上位 3 位まで)に限定しているのに対し,EUでは,すべてを対象としている。
② わが国では,表示が免除される意図せざる混入率は 5%以下であるのに対 し(新しい
GMO
表示制度では,混入率を 5%以下と 0%に分けた),EUでは,38
表示が免除される意図せざる
GMO
混入率を 0.9%未満と低い水準に設定 している。③ わが国では,遺伝子組換えでないものについては任意表示であるの対し,
EU
では,表示規定がない。ただし,ドイツ,フランスは独自の表示制度 がある。④
GMO
と非GMO
が分別されていないものについては規定がない。このように
EU
では,GMOに対しては,従前より厳しい表示規制をしいて いる。ただし,EU域内であっても,国によって規制が異なる。例えば,GMO を禁止している国・地域は,ポーランド,スロベニア,セルビア,クロアチア,ラトビア,イタリア,ドイツ,スコットランド,ウェールズ,リトアニア,オー ストリア,アイルランド,フランス,ギリシャである。一方,これらの国々と は対照的に,スペインは,トウモロコシの
GMO
の普及率は高く,その他の国 では,ポルトガル,チェコ,スロバキア,ルーマニアでも栽培されており,EU
加盟国の中でも,その規制は様々である⎝₆₉⎠。2
.米国GMOの規制方法には,①生産工程に注目し,遺伝子組換え技術が用いられ ていれば,最終製品に
DNA
やたんぱく質が残らない場合でも表示するという プロセスに着目した規制の仕方(プロセス規制)と,②最終製品が実質的に従 来の品と異ならない場合には,たとえ遺伝子組換え技術を用いたとしても規制 を行わないという最終製品に着目した規制の仕方(最終製品規制)の 2 種類の 方法がある。プロセス規制の代表的な例がEU
の規制方法であり,最終製品規 制の代表的な例が米国の規制方法である⎝₇₀⎠。米国における
GMO
に対する規制は米国農務省(United States Department ofAgriculture:USDA)
⎝₇₁⎠,米環境保護庁(EPA),米食品医薬品局(United StatesFood and Drug Administration:FDA)
の 3 省庁が行っており,米国農務省(USDA)39
は,作物に対する害虫,雑草,病害の拡大防止の観点から作物そのものについ ての規制を,米環境保護庁(EPA)は,農薬の環境への影響及び食品中の残留 農薬基準値の設定に係る法律を所管する立場から,農薬(殺虫成分を産生する遺 伝子組換え植物を含む。)の規制を,そして米食品医薬品局(FDA)は,食品・食 品添加物,家畜用飼料,医薬品等の安全性について所管する立場から,食品に ついて規制を行っている⎝₇₂⎠。
しかしながら,これらの省庁は一枚岩とは言えず,米国農務省(USDA)は,
GMO
を使用していないことをアピールしたい企業が,パッケージに「GMOFree」あるいは「Non-GMO」と表記することを承認したが,これに対し,米
食品医薬品局(FDA)は,消費者の誤認を招く可能性があるため,こうした表 記はすべきでないと主張してきた⎝₇₃⎠。特に,米国は,GMOに限らず,すべての食物が完全にヒトにとって安全と は言えず,自然界にある食べ物であっても,人工的・人為的な食品であっても,
人間の健康にとって完全に安全であるとは言い切れないことから,米国では
「Generally Recognized As Safe」(GRAS)(一般に安全と認められること)の概念 が適用され,栄養素の改変や新たなアレルゲンが存在するような
GMO
が自然 界にある類似の食品と大きな相違がある場合以外は,表示義務はないとしてい た⎝₇₄⎠。しかし,この十数年の間に,消費者団体を中心に⎝₇₅⎠,GMOに対する規 制を強化しようとする動きが強まってきている。例えば,GMO表示義務化に関して,2012 年には,カリフォルニア州で住民 投票が行われたが,結果は否決に終わった。同様の動きは他州でも見られ,
2013 年 11 月には,ワシントン州でも住民投票が行われた。しかし,ここでも 結果は否決に終わった。2013 年 12 月には,コネチカット州で,GMO表示義 務化法案に州知事が署名した。同じく,2014 年 1 月には,メイン州で,州知 事が
GMO
表示義務化法案に署名した。さらに,2014 年 4 月,バーモント州で,GMO
表示義務化法案(Vermont State Bill H.112)が州議会で可決された。40
このバーモント州法(Vermont GMO Labeling Law(ACT120))⎝₇₆⎠は,2016 年 7 月 から施行されたが,州内で販売される食品について,生産者と食品メーカーに,
GMO
を使っていることをラベルなどで表示するように要請するものである。具体的には,GMOが 0.9%以上含まれている食品は表示義務の対象となり,
包装容器に「遺伝子組換え原料で製造」,「一部遺伝子組換え原料で製造」また は「遺伝子組換え原料から作られている可能性」と表示しなければならない。
また,これは単なる努力規定ではなく,違反した場合,業者には最大で 1 日当 たり 1 千ドルの罰金が科されるという厳しいものであった。このように,米国 では,州ごとに,GMO表示義務化の動きが活発となっていった。
一方,米連邦政府では,バーモント州などで
GMO
表示を義務付ける州法が 成立したのを機に,GMO表示義務化制度に関する議論が進んだ。そして 2016 年年 7 月に「全米バイオ工学食品情報公開法」(National Bioengineered FoodDisclosure Law)
⎝₇₇⎠が連邦議会で可決され,オバマ前大統領が署名した。これによって各州による
GMO
に関する州法は無効となり,連邦政府で統一したルー ルが制定されることになった⎝₇₈⎠。すなわち,この結果,厳しい罰則規定のあっ たバーモント州法も無効となった⎝₇₉⎠。ちなみに,連邦法では罰則規定はない。また,「全米バイオ工学食品情報公開法」により,米国農務省(USDA)は,
2018 年 12 月 20 日,「 全 米 バ イ オ 工 学 食 品 情 報 開 示 基 準 」(National
Bioengineered Food Disclosure Standard:NBFDS)
⎝₈₀⎠を公表した⎝₈₁⎠。これはGMO
の表示基準を定めた規則で,「全米バイオ工学食品情報公開法」に基づいて米 国農務省(USDA)の農産物マーケティング局(Agricultural Marketing Service:AMS)
が 2018 年 5 月 4 日,連邦官報(Federal Register)に基準案を公示し,最 終規則として公表した。同規則(以下「最終規則」という。)の施行は,2020 年 1 月 1 日(小規模食品製造事業者は 2021 年 1 月 1 日)で,2022 年 1 月 1 日から完全 義務化される⎝₈₂⎠。具体的には,事業者は,
GMO
のパッケージに,①「遺伝子組換え原料を含む」41
と表示,②
GMO
を含んでいることを示すシンボルマーク(図表 3)をつける,③スマートフォンで読み込むことができる
QR
コードをつけてインターネット 上で詳細を明らかにする,のいずれかの義務を負うことになった。最 終 規 則 で は, 情 報 開 示 対 象 と な る「バ イ オ 工 学 食 品」(Bioengineered
Food:BE)
を「遺伝子物質を含み,かつ従来の品種改良では得られないか,自然界で起らない遺伝子組換えがなされた食品」と定義している⎝₈₃⎠。「全米バイ オ工学食品情報開示基準」(NBFDS)に掲げられた「バイオ工学食品」は,
Alfalfa,Apple,Canola,Corn,Cotton,Eggplant,Papaya,Pineapple,
Potato,Salmon,Soybean,Squash,Sugarbeet
である⎝₈₄⎠。しかし,本法では,全米で販売される食品すべてに
GMO
の表示が義務化された。一方,糖類や油などの高度精製(highly refined products)は,DNA技術によっ て組み換えられた遺伝子物質を含有しないため開示要件から除外された。すな わち,これは最終製品規制及び
GRAS
の考え方に基づくものである。また,情報開示が義務付けられる事業者(以下「適用事業者」という。)は,食品製造業 者,輸入業者,特定の小売業者で,零細食品事業者(年間売上高 250 万米ドル未満)
やレストランなどの食品小売り施設で提供される食品は,免除対象となった⎝₈₅⎠。 適用事業者は,米国農務省(USDA)の農産物マーケティング局(AMS)が作 成したバイオ工学食品リスト(List of Bioengineered Food)⎝₈₆⎠に基づいて,表示義 務の有無を判断する。前述のように,情報開示方法は,BE(Bioengineered
Food:BE)
食品であることを示す文字やシンボルマークの表示(図表 3),当該食品の
BE
原材料に関する情報を示したQR
コードの掲載など,複数の表示形 式に加え,小規模事業者など向けに,電話番号やURL
による情報入手先の記 載も認められた。最終規則について,糖類や油など高度精製品が対象から除外されたことで,
米国最大の農業団体アメリカン・ファーム・ビューロー連盟(American Farm
Bureau Federation:AFBF)
⎝₈₇⎠や,全米とうもろこし生産者協会(National Corn42
Growers Association:NCGA)
など,生産者側は高く評価している。一方で,消 費者団体などからは,QR
コードなど消費者が一目で確認できない表示方法や,糖類や油など高度精製品の適用除外など,「生産者に有利な抜け穴が多い」と の批判がある⎝₈₈⎠。
わが国,
EU,米国の GMO
の表示制度を整理すると,(図表 2)のようになる。また,全米バイオ工学食品情報開示基準で示されている
GMO
を含んでいる シンボルマーク,及びNon-GMO Project
の認定ラベルは,以下のようなもの である。(図表 4) Non-GMO ラベル
(図表 3) GMO を含んでいるシンボルマーク
日本
EU
米国表示の対象範囲 農 産 物 8 品 種,
加工食品 33 品目
すべての食品 すべての食品
DNA,たんぱく質が残存しないも
の(なたね油や醤油など)表示義務なし 表示義務あり 表示義務なし
飼料 表示義務なし 表示義務あり 表示義務なし
表示義務のない故意ではない混入 率(意図せざる混入率)
5%以下
(変更後は 0%)
0.9%以下 0.9%以下
(出典)農林水産省「米国の遺伝子組換え食品表示に係る動き」図 2⎝₈₉⎠
(図表 2)
43
Ⅴ.新しい表示制度の評価と若干の提言
1
.わかりやすい表示食品表示法 4 条は,食品を消費者が安全に摂取し,及び自主的かつ合理的に 選択するために必要と認められる事項を内容とする販売の用に供する食品に関 する表示の基準を定めなければならない,と規定している。すなわち,食品表 示は,①食品の安全な摂取,②自主的及び合理的な選択,の 2 つを目的として いる。そして,その詳細を,同法 4 条に基づき,内閣府令で規定している。スー パーマーケットなどで,食品に表示されている「遺伝子組換えでない」などの 表示は,これに基づくものである。
すでに新しい食品表示基準,すなわち新しい
GMO
表示基準を導入している 事業者もあるが,その中の 1 例として,「分別生産流通管理済み」という表示 がある丸大豆使用の豆腐がある。スーパーマーケットなどで陳列してある豆腐 の中で,消費者がこの「分別生産流通管理済み」という表示がある豆腐を手に して,どれほどの消費者が,この意味を正確に理解できるだろうか。消費者庁が平成 28 年度に実施した
GMO
食品に関する消費者意向調査によ ると,現行の表示制度が導入されてから約 17 年経過しているにもかかわらず,GMO
表示制度が十分に周知されているとは言い難い状況であるという。また,「遺伝子組換えでない」の表示を見たことがある割合が 7 割である一方で,「遺 伝子組換え不分別」の表示を見たことがある割合は 3 割にとどまっているとの ことである⎝₉₀⎠。
このことから,未だに一般消費者の
GMO
に対する関心はそれほど高くなく,また関心があったとしても,関心の中心は,食品が
GMO
か非GMO
かの区分 しかないことがわかる。特に,「分別生産流通管理」という用語がわかりにくく,44
これを正確に理解している消費者は,GMOに関心があり,GMOについて勉 強しているごく少数に限られるのではないだろうか。このような現状の中,消 費者庁を中心に,パンフレットなどにおいて
GMO
についての周知が続けられ ているものの,「分別生産流通管理済み」という表示が,はたして,消費者の 自主的及び合理的な食品の選択につながるかどうか,はなはだ疑問である。今回の新しい
GMO
表示制度では,義務表示制度はそのまま存続させ,任意 表示制度である「分別生産流通管理をして,意図せざる混入が 5%以下に抑え ている大豆及びとうもろこし並びにそれらを原材料とする加工食品」を「遺伝 子組換えでないものを分別」または「遺伝子組換えでない」等と表示できたも のを,新制度では,「分別生産流通管理をして,意図せざる混入が 5%以下に 抑えている大豆及びとうもろこし並びにそれらを原材料とする加工食品」と「分 別生産流通管理をして,遺伝子組換えの混入がないと認められる大豆及びとう もろこし並びにそれらを原材料とする加工食品」の 2 つに分け,前者に「原材 料に使用しているトウモロコシは遺伝子組換えの混入を防ぐために分別生産流 通管理を行っている。」または「分別生産流通管理済み」等の表示とし,後者 のみに対し「遺伝子組換えでない」または「非遺伝子組換え」等の表示に限定 した。この変更により何が大きく変わるのであろうか。変更の大きな理由の一つが,従前の「遺伝子組換えでない」等の表示が不正 確であったことである。すなわち,「遺伝子組換えでない」等と表示されてい たとしても,分別生産流通管理をして,意図せざる混入が 5%を超えなければ,
「遺伝子組換えでない」等と表示できたことにある。この閾値に関しては,「遺 伝子組換えでない」表示が認められる混入率が,わが国が 5%以下であるのに 対して,韓国では 0%,フランス,ドイツが 0.1%未満と低く,このためわが 国の表示が不正確で消費者に誤認を与えるという内外からの批判があった。
ちなみに,「遺伝子組換え」表示が免除される混入率は,わが国が 5%以下 であるのに対し,韓国が 3%以下,オーストラリアが 1%以下,EUは 0.9%以
45
下と低く,わが国は「遺伝子組換え」表示の免除も,他の諸国に比べ,緩やか である⎝₉₁⎠。このように,わが国の「遺伝子組換えでない」という表示が,他の 諸国に比べ緩く不正確であるという批判があったことは否めない。このような 批判を背景に,任意表示に対してのみ,今回の新しい表示制度が導入されたわ けであるが,これにより消費者及び事業者に与える影響は大きいと思われる。
今後予見できることの一つに,新しい
GMO
表示制度のため,「遺伝子組換 えでない」という表示が極端に少なくなることが考えられる。なぜなら,「遺 伝子組換えでない」という表示に課せられた要件である「分別生産流通管理を して,遺伝子組換えの混入がないと認められる大豆及びとうもろこし並びにそ れらを原材料とする加工食品」は,数が少なく流通が限定しているからである。前述のとおり,大豆及びとうもろこしの大半を外国,特に米国から輸入して おり,その大半が
GMO
である以上,バルク輸送された場合,非GMO
を輸送 したとしても意図せざる混入は避けられない。バルク輸送の場合,意図せざる 混入を 5%以下には抑えられたとしても,ゼロにすることは,ほとんど不可能 である。もし可能にするならば,非GMO
しか栽培・生産していない国からの 輸入に限定するか,専用の貨物船及び倉庫を用意しなければならず,これは事 業者にとって経済的に大きな負担となり,「遺伝子組換えでない」と表示する ことによるメリットよりも,コスト的にデメリットの方が大きくなる可能性が あることが予想される。このような状況では,今まで分別生産流通管理していた事業者も,「遺伝子 組換えでない」と表示できなくなることから,分別生産流通管理を止めてしま う可能性も十分に考えられる⎝₉₂⎠。こうなると,せっかく
GMO
表示制度を変更 しても,かえって消費者にとってマイナスの面が出て来る可能性がある。一方で,新しい表示制度により「原材料に使用しているトウモロコシは,遺 伝子組換えの混入を防ぐために分別生産流通管理を行っている。」または「大 豆(分別生産流通管理済み)」等の表示が多くなることが予想される。消費者は,
46
「遺伝子組換えでない」とう表示から,この食品には
GMO
が含まれていない ということが理解できると思われるが,多くの消費者は,「分別生産流通管理 済み」の意味を十分に理解できず判断に迷うのではないだろうか。このように一般の消費者にとって分かりにくい表示は,表示していないこと と同じであり,意味が伝わらなければ,表示そのものが無駄になるおそれがあ る。また,表示の意味がなくなれば,事業者も,わざわざコストのかかる「分 別生産流通管理」を行う意味もなくなり,前述のとおり,いずれ「分別生産流 通管理」を止めてしまう事業者も出てくるであろう。このように,新しい
GMO
表示制度は,表示の基準を厳格化することにより,かえってGMO
表示 そのものの意味を没却させる可能性があるとはいえないだろうか。新しい
GMO
表示制度のもう一つの問題は,未だにプロセス規制ではなく,最終製品規制をとっていることである。EUでは,すでにプロセス規制を導入 している。すなわち,生産工程に着目し,遺伝子組換え技術が用いられていれ ば,最終製品に
DNA
やたんぱく質が残らない場合でも表示する。他方,わが 国や米国は,最終製品に注目し,最終製品が実質的に従来の品と異ならない場 合には,たとえGMO
であったとしても表示義務を課さない⎝₉₃⎠。今回の新しいGMO
表示制度は,従来の最終製品規制の方針を維持し,プロセス規制を導入 しなかった。このプロセス規制は,トレーサビリティ⎝₉₄⎠とも深く関係するが,あきらかに
GMO
を使った食品,例えば,GMO
のとうもろこしを使用したコー ン油などに対して「遺伝子組換え」と表示しても何ら問題はないと思われる。むしろ,消費者に食品を選ぶ選択の自由を与えるものではないだろうか。
2
.新たな表示制度に向けてこの十数年の間に,GMO大国である米国も
GMO
に対する規制は進み,現 在では,すべての食品を対象に,GMO
の表示を義務化することになった。また,消費者にとって,分かりやすい表示を行うため,シンボルマークも作り,これ
47
を食品のパッケージにつけることにより,GMOを含むかどうかを表示するこ とができるようになった。また,EUでは,従前から,厳格な規制を行い,フ ランスをはじめとして多くの国が,GMOの栽培・生産・輸入を厳しく制限し ている。
一方で,わが国は,今回,GMO表示規制が一部変更になり,表示がより正 確になったとはいえ,基本的には,20 年前に策定されたルールを踏襲し,規 制対象も,農産物 8 品種及び加工品 33 品目に限られている。また,「分別生産 流通管理」という一般消費者にとってなじみの薄い用語を,GMOの表示に使 用している。さらに,新しい
GMO
表示制度によって,「遺伝子組換えでない」という表示ができる食品も少なくなり,これがかえって事業者に「分別生産流 通管理」を放棄させるかもしれないという虞を生じさせている。
このようなわが国の
GMO
表示制度が,はたして食品表示の目的である,消 費者が求める情報をできる限り消費者にとって分かりやすく誤認を生じさせな いよう提供するという表示制度の本来の目的が果たされているかどうか,はな はだ疑問であると言わざるを得ない。特に,食品表示法 4 条にいう,①食品の 安全な摂取,②自主的及び合理的な選択,の 2 つの目的を十分に達成している とは言えないのではないだろうか。消費者が求めていることは,極めて単純なことであり,消費者が食する食品 に
GMO
が含まれているかどうか,また含まれている場合,どのぐらいの割合 で含まれているのかである。人によっては,GMOは安全であるとして,GMO
表示には無関心な者もいると思われるが,消費者はそういった者だけで はない。国民には,自らが食する食品がGMO
を含むかどうかを知る権利があ り,選択の自由がある。そのために食品の分かりやすいGMO
表示は,極めて 重要なものである。そのためには,どのような表示方法があるのであろうか。わが国の新しい
GMO
表示制度を踏まえた筆者の提言は以下のとおりである。① 義務表示の対象を,現在の 8 農作物及びその加工品 33 品目から,すべて
48
の食品に広げる。なぜなら,外国から輸入される
GMO
は,これらがすべ てとは言い切れないからである。② 分別生産流通管理をして
GMO
を区別している場合及びそれを加工食品の 原材料とした場合(義務表示)は,従前のように「遺伝子組換え」又は「GMO」の表示とともに,食品のパッケージに
GMO
である表示のシンボルマーク をつける。③ 分別生産流通管理をせず,GMO及び非
GMO
を区別していない場合及び それを加工食品の原材料とした場合(義務表示)は,「遺伝子組換え不分別」とは表示せず,「遺伝子組換え不明」又は「GMO不明」とする。
④ 分別生産流通管理をしたが,GMOの意図せざる混入が 5%を超えていた 場合又はそれを加工食品の原材料とした場合(義務表示)は,「遺伝子組換 え不分別」とは表示せず,「遺伝子組換え」,「遺伝子組換え 5%超」,「GMO」
又は「GMO5%超」の表示とともに,食品のパッケージに
GMO
である表 示のシンボルマークをつける。⑤ 分別生産流通管理をして,意図せざる混入を 5%以下に抑えている場合又 はそれを加工食品の原材料とした場合(任意表示)は,「遺伝子組換え 5%
以下」又は「GMO5%以下」と表示することができる。
⑥ 分別生産流通管理をして,GMOの混入がないと認められる場合又はそれ を加工食品の原材料とした場合(任意表示)は,「遺伝子組換えでない」「非 遺伝子組換え」又は「Non-GMO」の表示とともに,Non-GMOのシンボ ルマークをつけることができる。
これなら,現状をほとんど変更することなく,表示を変えることで,消費者 に分かりやすい表示となるのではないだろうか。なお,シンボルマークは,米 国で使用されているものに類似したものが分かりやすいであろう。
49
Ⅵ.おわりに
GMOが人体にとって有害であるかどうか明確になるまでには,今しばらく の時間を要すると思われる。このように人間社会にとって大きな影響を及ぼす 可能性のある場合には,予防原則⎝₉₅⎠に基づく対応策をとり,事前にリスクを回 避することが必要ではないだろうか。人の知る権利,特に人体に影響のある食 品については,知る権利があり,かつ選択の自由がある。それを担保するもの として食品の表示制度がある。
できるだけ正確に,一般の消費者にとって分かりやすい表示があってこそ,
国民の食品に対する知る権利と選択の自由が与えられるものである。今後,ゲ ノム編集を含めた遺伝子操作による食品が多くなると予想される中,GMOの 人体に対する影響が明確になるまでは,少なくとも分かりやすい
GMO
表示制 度により,国民の食品に対する知る権利と選択の自由を確保する必要があると 思われる。今一度,GMO表示制度を原点に戻って考える時でないだろうか。注
( 1 ) 遺伝子組換え食品(作物)には,作物として,大豆(製油用,食品用,飼料用等), じゃがいも,なたね(製油用),とうもろこし(製油用,食品用,飼料用等),綿実(製 油用),てん菜(砂糖大根),アルファルファ,パパイヤ(製油用)の 8 品目がある。
また,添加物として,キモシン,α-アミラーゼ,リパーゼ,プルラナーゼ,リ ポフラビン,グルコアミラーゼ,α-グルコシルトランスフェラーゼの 7 種類が ある。
( 2 ) 遺伝子組換え技術を用いて開発された農作物と,それを加工した食品を指す。
( 3 ) 例えば,全国消費者団体連絡会や日本消費者連盟などがある。
( 4 ) 食品表示法(平成 25 年法律第 70 号)に基づく内閣府令。食品表示法 4 条は,「内 閣総理大臣は,内閣府令で,…食品を消費者が安全に摂取し,及び自主的かつ合 理的に選択するために必要と認められる事項を内容とする販売の用に供する食品 に関する表示の基準を定めなければならない。」と規定している。
50
( 5 ) 消費者庁遺伝子組換え表示制度に関する検討会「遺伝子組換え表示制度に関す る 検 討 会 報 告 書」(平 成 30 年 3 月 28 日)1 頁(https://www.caa.go.jp/policies/policy/
food_labeling/other/review_meeting_010/pdf/review_meeting_010_
180419_0003.pdf)(as ofApr 17, 2020)
。( 6 ) 食品表示の一元化に向けた法体系の在り方等を検討するために開催された消費者庁 の検討会(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/review_meeting_002/)(as
of Apr 17, 2020) .
( 7 ) https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/past_
public_comment/pdf/120809_1.pdf
(as of Apr 17, 2020).
( 8 ) https://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2015/kakugi-2015032401.html (as of Apr 17, 2020)
.
( 9 ) 消費者庁遺伝子組換え表示制度に関する検討会・前掲注(5)
1 頁;消費者庁「遺
伝子組換え表示制度に関する検討会開催要領」(平成 29 年 4 月 18 日)1 頁(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/pdf/genetically_modified_
food_170418_0002.pdf)(as of Apr 23, 2020)
。(10) 消費者庁遺伝子組換え表示制度に関する検討会
Website
(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/review_meeting_010/)(as of Apr 17, 2020)
。(11) 消費者庁遺伝子組換え表示制度に関する検討会・前掲注(5)
1 頁。
(12) 前掲。
(13) 高田寛「遺伝子組換え作物の法的問題について―表示規制とトレーサビリティを中 心に―」富大経済論集 62 巻 3 号(2017 年)(https://toyama.repo.nii.ac.jp/?action=pages_
view_main&active_action=repositor y_view_main_item_detail&item_id=
14305&item_
no=1&page_id=32&block_id=36)
(as of Apr 17, 2020)。(14) Hiroshi Takada, “Labeling Restrictions of Genetically Modified Crops in Japan:
Comparison with China, the EU and US” Meiji Gakuin Law Journal, 105 , 167-194
(2018-8-29)(https://meigaku.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_
action=repository_view_main_item_detail&item_id=
2786&item_no=
1&page_id=
13&block_
id=21)
(as of Apr 27, 2020)。(15) 抗生物質に対する耐性(抗生物質が効かなくなる性質)を与える遺伝子の総称で,
抗生物質を分解したり,化学的な構造を変えたりする働きをもつ酵素などの遺伝 子のことをいう。
(16) 高田・前掲注(13)
86 頁。
(17) 人における 9 つの必須アミノ酸の 1 つ。
(18) 代表的な事件としては,1989 年の米国での昭和電工トリプトファン事件がある
(http://www.bioethics.jp/naox_trypto-j.html)(as of Apr 19, 2020)。
51
(19) 土壌細菌の
Bt
遺伝子から作られるたんぱく質は,特定の種類の昆虫に対して 殺虫作用を示すため,Bt遺伝子のGMO
は葉や茎を食害する害虫から守られ,殺 虫剤の散布回数や使用量を減らせる。(20) John E. Losey, Linda S. Rayor & Maureen E. Carter, “Transgenic pollen harms
monarch larvae”, Nature
399: 212
(http://www.nature.com/nature/journal/v399/n6733/full/399214a0.html)
(as of Apr 19, 2020).
(21) 高田・前掲注(13)
85 頁。
(22) Roundup. 1970 年にアメリカのモンサント社(現バイエル社)が開発した除草剤。
主要成分は,グリホサートイソプロピルアミン塩。
(23) Roundup Ready. モンサント社(現バイエル社)が開発した除草剤(ラウンドアップ)
耐性農作物の総称。大豆,とうもろこし,なたね,綿実,てんさいなどがある。
(24) グリホサートイソプロピルアミン塩。
(25) International Agency for Research on Cancer. 発がん状況の監視,発がん原因の 特定,発がん性物質のメカニズムの解明,発がん制御の科学的戦略の確立を目的 とする(https://iwj.co.jp/wj/open/archives/449276#idx-1)(as of Apr 23, 2020)。
(26) IARC Monographs Volume 112:evaluation of five organophosphate insecticides
and herbicides
(20 March 2015)(https://www.iarc.fr/wp-content/uploads/2018/07/MonographVolume112-1.pdf)
(as of Apr 19, 2020).
(27) Johnson v. Monsanto Co., 2016 U.S. Dist. LEXIS 58309 (as of Apr 17, 2020)
.
(28) 農業ビジネス
HP「特集 ラウンドアップの風評を正す」
(2019 年 5 月 31 日)(https://agri-biz.jp/item/detail/4965?item_type=1)(as of Apr 19, 2020)。
(29) Hardeman v. Monsanto Co. (In re Roundup Prods. Liab. Litig.)
, 385 F. Supp. 3d 1042,
2019 U.S. Dist. LEXIS 117594, CCH Prod. Liab. Rep. P20, 684, 2019 WL 3219363. etc.(as of Apr 17, 2020)
.
(30) 組換え
DNA
等が残存し,科学的検証が可能と判断された品目。(31) 内閣府食品安全委員会(Food Safety Commission of Japan)(https://www.fsc.go.jp/)(as
of Apr 11, 2020)
。(32) 厚生労働省
HP
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/idenshi/anzen/anzen.html)
(as of Apr 11, 2020)。(33) 遺伝子組換え食品等専門調査会 (https://www.fsc.go.jp/senmon/idensi/)(as of Apr 11, 2020)。
(34) 食品の国際基準を作っているコーデックス委員会のバイオテクノロジー応用食 品特別部会で,2000 年から 2007 年にかけて日本が議長国となり,組換え植物や 組換え微生物などの安全性評価ガイドラインを作成した。日本における遺伝子組 換え食品の安全性評価基準も,この国際基準に沿ったものとなっている。