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経営情報 システムのオープ ン化 と 小樽地域での状況

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(1)

小樽地域での状況

杉 本 英 二

アブス トラク ト

1 章では,コンピュータのダウンサイジング‑ と向う必然的な技術革新の進行 を説明する 。

2 葦では,現代のオープンシステムとは何か,それが経営情報システムの活性 化にとって必要不可欠であること,さらに破格的なコス トダウンを達成できるこ

とを説明する。

3 章では,オープンシステムの方法がクライアン ト/サーバー ・システムとい う方式で行われていること,それを取 り入れる方法を問題点,利点 と欠点,コス

トの評価を説明する。

4 章では, オ‑プンシステムを採用 した日本での先進例を手短に説明する 。2 , 3 章の実例である。

5 葦で,小樽の製造業での実態調査を説明する。先進的に取 り組んでいる企業 は l割,多 くの企業は従来のオフコン路線に満足 していること,各企業はお互い に他の企業での情報処理についてほとんど知 らない状況であることが分かった。

結論 として,小樽の多 くの企業は日常業務に忙殺 され,情報関連 システムの改 善に注意を払 っていない。旧態依然の企業 ほど,経営 と経営情報 システムの公開 を嫌 う傾向が強いが,オープンシステム導入企業は公開に積極的である。経営体 質の違いが経営情報 システムの構築にも表れている可能性が強いと思われる。経 営の効率化 ・活性化を目指すなら,経営責任者は,オープンシステム導入 ・運用

〔 3 7 〕

(2)

のキ‑パーソンを育て,さらに進んだ企業に学ぶ というように認識を変える必要 がある。業界あるいは経済団体で,研究会を兼ねた相互交流のプログラムを準備 することが望まれる。

1.は じめに

現在 コンピュータのハー ドウエア価格が急速に安 くなって きている。特 に小 型のパ ソコンの価格 は大型の汎用機やオフコンと呼ばれるオ フィスコンピュー タと比較 して 5 分の 1か ら半額以下の価格である。下記のグラフ I は I BM 製 品での価格を比べた ものである。

主把比の 1 抄く イ ト単価 万 円

田主君 己 億の1 X バイト 単価 万円

3 0

∨ヽ く > く >

I.〜

T 日経オ ープ ンシステム,nolO , p l ll ,1 9 9 4 . 1

(3)

田MI P S 当たりのコス ト予測 1 9 9 2 年 ドル

■MI P S 当たりのコス ト予測 1 9 9 5 年 ドル

ワークス

7 ‑ ン′ヨ

ミニコン 大型汎用 機

また CPU の性能 も年々向上す るとともに,価格 も急速 に下が っている。そ れを次のグラフに示す。 これは ドン ・タブスコッ トとアー ト・キ ャス トンの

「 情報技術革命 とリエ ンジニア リング ( PARADI MESHI FT) 」 に掲載 され ているコンピュータの性能の価格比較を したものである。

必ず しも MI PS が コンピュータの性能を正 しく表 しているとは言えないが,

おおむねその傾向を示す尺度である。それに して も価格を考えるな らとて も大

型汎用機を買えるものではないというようなコンー トラス トがある

パ ソコンの

性能/価格 はさらに高い値を示す。 これまで大型汎用機でなければな らない哩

由があった。個々の小型のコンピュータが集まって も 1つの大量の計算をする

ことができなかったか らである。 ところが,最近 クライアン ト/サーバー ・シ

ステムというや り方で,大型機 と同様の仕事ができる方式が一般市場で市販 さ

(4)

れるようになってきている。

まさにコンピュータ利用の基盤 ( パ ラダイム)が変化 しているのである。 こ の新 しい技術 と製品を取 り入れて格安の経営情報 システムをっ くることがで き る。 日本経済の未曾有のバブル崩壊の後の,厳 しい経営を迫 られている企業に とって,大幅なコス トダウンが可能な分野の リス トラを見逃す ことのできない はずの ものである。既 に日経 BP社か ら日経オープンシステム とい う雑誌が1 992 年 10 月号か ら刊行 され,全国的に新方式の導入が広が ってきている。新技 術の適用は未経験のケースが多 く,困難 もある。現場で指導的 リーダー役を こ なすキーパーソンの有韓が,企業の リス トラの成功を左右す るとい う側面が強

く出る。また新技術が定着す るような経営環境,人的環境が整え られているか も重要なことである。

さて,その動 きが小樽地域の企業 にも普及 して きているのではないか と考 え, 1994 年秋 にコンピュータ利用実態調査を学生達 と行 った。 ところが意外 にも, この技術を採用 している,あるいは,現在進行中の企業は製造業で約 1 割 ( 3 社)で しかなか った。それ らの企業では, これまでの情報処理技術の延 長上に新 システムを構築 した もの,新 しい動 きを察知 して積極的にこれに取 り 組んでいるもの,旧システムの徹底的な反省か らその対極 として新 システムを 構想 したもの と,動機 は様々であった。意欲的な企業人の活動を見た思いがす

る。

一方で,個々の企業 は他所の企業の情報処理や情報 システムについて,ほと

んど関心を持 っていないことも判明 した。新 システム‑の挑戦が 1割 しかない

ことを考えると, これが 2 割 3 割 と順次増加す るのは,かな り先の ことになる

可能性が高い。相互 に教え合 う関係や,そのための行政か らの段取 り作 りが必

要である。情報処理は,他人か ら見 られた くない場所 とい う意識があるように

も観測 される。 もっとオープ ンな仕組みに構造変革を してい く必要があるだろ

う 。 またコンピュータのオープンシステム化がさらに進めば,それにつれて秘

密めいた所が少な くな り,さらにオープンになって行 くだろう これが今後の

小樽地域での課題である。

(5)

2 .経営情報 システムとオープン化

2. 1 ニーズはコス トダウンと情報系 システム

. L経営情報 システムを大 きく大別すると, 2 つのシステムがある。

1.業務系 システム

2. 情報系 システム

業務系 システムは,企業活動の基幹業務を効率的に処坪する従寒か らの定型 の情報処理 システムである。 これに対 して情報系 システムは,戦略的情報 シス テムか ら来 る概念で,業務を滞 りな く処理す るだけではな くて, もっと積極的 に経営状態に関す る様々の情報を取 り出 して分析 し,それ らの結果を経営活動 に役立てよ うとす る非定型の情報 システムである 。1 9 8 9 年 3 月, 4 万 2 千社 にア ンケー ト調査 し, 5 0 0 0 社 の有効回答をまとめた 日経 コンピュータによれ ば,『 オ フコンユーザーの 86% が 「 情報 システムで経営に格差が出る」 と回答 している 』( NC2 2 5‑9 1 ) 。 しか も大手企業の 7 割がオ フコン利用に不満を示 し,その不満の理 由の 『4 割が 「 経営戦略を支援できない」 ことを挙げ』てい る ( NC2 2 5‑7 2 ) 。 この時期は, 日本経済がバ ブルの中にあり,情報関連投資 が極めて積極的だ ったとして も,経営戦略の必要性を認識 しな らも,業務系中 心のオフコン利用か ら 『 SI S ( 戦略的情報 システム)を構築で きないあせ り』

を示 していることを指摘 している ( NC2 2 5‑7 2 ) 0

ところが, 日経オープ ンシステムの 1 9 9 4 年 6 月号 に,年間 リース料約 7 0 0 0

万 円の汎用機を買い取 り価格約 5 0 0 万円のパ ソコン ・システムに リプ レース し たディスカウン ト・ショップの事例† が紹介 されている. リ‑ス換算で月額約 5 73 万円の節約 という大幅なコス ト削減を実現 したのである。 このシステムは業 務系をパ ソコンシステムにダウンサイジングしただけではない。実にパ ソコン の世界には,汎用機やオ フコンにないエ ン ドユーザーには極めて使い勝手が良 い経営支援ために使え る様々のツールがある

この企業では Exc e l を使 って

†4 . 3 で後述している

(6)

POS データの分析を行 っている。すなわち業務系,情報系の 2 つの システム とも実現できている。

2. 2 従来のコンピュータ利用の問題点

先の 日経 コンピュータのア ンケー ト調査 によれば,オ フコン ・ユーザーの 様 々な不満がある。様々の不満の うち主な ものを 【 表 1】に示す。

【 表 1 】オフコンユーザーの不満 Ⅰ

1 .企画 ・設計についていい提案がない。

2. 業務知識が不十分。

3. 新 しい技術を使 った提案がない。

4. 経営戦略までふまえた提案がない。

5 . ソフ トの保守に追われて,戦略的な前向きの改善がで きない。

6. 簡単なプログラム修正は自社で出来 るように したい。

7 .思い通 りのソフ トができない。

8. 最初に予定 した機能が全 くかなえ られていない。

9. 分か りやすい ドキュメン トが納品されない。

1 0 . ユーザーの理解で きる言語で書いて欲 しい。

l l .代理店は売 るまでは熱心だが,フォロ‑が全 くない.

1 2 . 売 るだけ売れば,あとは野 となれ山となれの態度。

1 3 . 先 に進んだ説明がな く, こちらの知識が向上 しない。

1 4 . 秘密主義を感 じる。

1 5 . 納品されたソフ トウエアに故障 ( バ グを含む)がある。

1 6 . 納入されたシステムが望んだ もの と違 っていた。

1 7 . 価格が見積 もりを上回 った。

Ⅰ 日経 コンピュータ第 7 回オ フコン ・ユーザー全国調査

(7)

1 8 . システムの手直 しに応 じて くれない。

1 9 . ソフ トが動かないので使えない。

2 0 . 定期的に来ない,呼んで もす ぐ来ない, トラブル対応が遅い。

不満 1 9 の 「ソフ トが動かないので使えない」などということは他の業界では 考え られないような悪い状況であるが,それ ら不満の共通点は,提案か ら開発 保守に至 るまで,すべてベ ンダーのまる抱えであることに起因 していると解釈 される。 自分で出来 るのな ら, 7 のような 「 思い通 りのソフ トができない」な ど言えない し,買 って しまって も自分でプログラムを改善できるか ら,不満 1 1 や 1 2 などもな くなる。汎用機やオ フコンの世界では, これまで コンピュータの 製造があまりにもベ ンダーの特殊性を反映 し,閉鎖的な存在であった。あたか も美術工芸作品 と同様の特殊で閉鎖的な市場であった。従 って コンピュータの 選定か らメーカーの言いなりのような状態だ し,購入後の開発か ら保守に至 る まで,他 との競争 にさらされないか ら,価格,品質,納期 もほとんどユーザー の希望が後回 しにされて しま う ( 上記不満 7 , 8 , l l ,1 5 ,1 7 ,1 9 など) 。納 入後の検収す ら,技術力の不足で十分な検収が行われていないか ら,不満 7,

1 5 ,1 6 などが発生す るし,不満 2 0 の必要性が出て くる。

オフコンユーザーの全てではないが,多 くのユーザーには上記のような共通 の不満があ り, これまでのコンピュータ利用に満足 していた訳ではない。不満 はあって も,経営上 コンピュータの利用を止 める訳 にはいかない。 日経 コン ピュータは,【 表 1】の調査で 情報 システムの活用 と経営 との関係,および経 営での貢献についての意識調査 も行 っている。 このア ンケー ト結果を 【 図 1】

に示す。 この結果によれば,情報 システムの活用が経営に大 きな影響を持 って いることがわかる。 しか し,その情報 システムが経営に大いに貢献 していると 認識 している割合 は1 1 %というのはかな り少ない,また6 3%が 「まあまあ貢献

している」をどう解釈す るかによって判断が別れるが, これは解答者の消極的

態度の表れ と判断するのが妥当な所だろう そ う判断す るな らば, 『 情報 シス

テムの経営上の重要性は認識 しているが,それほど活用はされてはいない』 と

(8)

いうところであろう 。

さらに同調査では7 0%の回答が情報 システム関連の投資を増加 させると答え ていることと合わせると,役に立 ってない情報 システムを何 とか したいという 強い要求が存在 している。 しか もこれ対する解決策がない ( 不満 1 , 3 , 4) 。

情報 システムの活用 しだいで経営に 同業他社 と格差が出るか

変わ らな い 8 %

少 し出る 32 %

わか らな い 6 %

必ず 出る 5 4 %

今の情報 システムは経営に 貢献 しているか

ほ とん ど 貢献 して

いない 21 %

わか らな い 大いに貢献 5 % してい る

11 %

まあまあ 貢献 して

いる 63 %

図 1 オフコンユーザーの意識調査

(9)

まった く閉塞的な状況に立たされていることがわかる。 この状況を解決す る方 策 として出てきているのが, これか ら説明す るオープ ン ・システムである。 こ れまでのベ ンダーとユーザーの関係は,特殊で専門的なコンビュ‑夕の売買 と それを操作する人材の希少性か らくる私的な経済関係 に近い関係であったと考 えるのが妥当である。 これをオープンに して,市場原理が効 くようにす るとい うのが,オープン ・システムである。情報処理産業は,大型機中心の需要か ら 小型機中心の需要へ という ドラスティックなダウンサイジングにみまわれてい

る。ダウンサイジングによって大幅なコス ト削減を実現 したジェーソンの太田 社長は 『 今まで コンピュータ ・システムはメーカーにいいように してや られ, 無駄な コス トを払わ されて きた』 ( NOS9‑1 9 2 ) と言 うのは,まさに これ までの忍従に耐えてきた人間が解放の喜びを表現 した もののように聞 こえる。

2. 3 オープン ・システムと市場

オープ ン ・システムをユーザーの立場か ら説明する。コンピュータの‑‑ ド もソフ トもどれ もが標準化された部品 としてバラ売 りされてお り,複数のベ ン ダーか らそれ らが供給 され, 価格 は市場原理に従 って決定 され る。ユーザーは, 市場にある部品の中か ら自分が必要な ものを,価格 ・性能 ・品質 ・サー ビスな

どを考慮 して選択 し,それ らをまるで積み木細工のように組み合わせて全体 シ ステムを作 る。経営環境などの変化で,業務が拡大すれば関係の部品を高い性 能の ものに変更 し,新たな展開が必要になれば部品を追加す るとい う,従来の コンピュータでは考え られなか った自在なシステムである。 もちろん ここでの 部品 とは, トランジスタとか LSI とかい うような小 さす ぎるものではな く, 業界などで標準化 された ものIであ り,例えばパ ソコン, UNI X マ シン,プ リンタ, ワープロ,表計算 ソフ ト,通信 ソフ ト,通信 システム,およびそれ ら の付属装置など様々である。

技術革新が激 しい現代 にあっては,新技術の製品が市場に投入 されると,従

†もっとも標準化されているからバラ売りができる訳だ。

(10)

来の製品がまった く無価値になるか半額にもなるほど変化が激 しく,さらに技 術的に未熟な新分野にあっては標準 とされている業界標準 自体 も,ベ ンダーの 力関係や離合集散などで変化することが多 く,投資されたシステムの将来性を 揺 るが しかねない.ユーザーは, このような市場動向を知力の限 りを尽 くして システムの選定にあた らなければな らない。部品と技術の選定が うま くいけば コス ト削減や性能向上が先の例のように劇的に達成 されるが,逆に技術が未熟 な分野の製品の場合 にはそれだけの危険負担 も担わな くてはな らない。ベ ン ダーにもユーザーにも,自己責任が求め られる時代のシステムなのである。

オープ ン ・システム市場 は,新技術を次 々に製品化す るルツボであるだろ う

それゆえ,従来の汎用機やオフコンでは多額の資金を必要 として達成出来 なか った新技術の経営への適用 ( 不満 3) や,戦略的経営を支援す る情報 シス テムの構築 ( 不満 1 ,4) などは, このオープン ・システム市場 とそれを使い

こなすユーザーの工夫によって可能 となるであろう

現在その途上 にある。

2.4 オープン ・システムの特徴

オーシステムでは,いわゆる業界標準や規格 といった標準 によって,個 々の 部品が特徴づけられて明確な単位を構成 しているので,他の部品 との組み合わ せがや り易い。そういう意味でオープンシステムの構築 とは,いわば 『 積み木 型 システム構築』 である。 市販の優れた製品 ・技術 ・イ ンタフェイス( 積み木) を組み合わせてシステムを構築 してい く 1 個 1個の積み木の価格が明快であ

ることが,オープンシステム構築の大 きなメ リッ トである 。

この積み木 ブロックを積み木 らしくしているのが,オープン性 という概念で ある. もともとコンピュータでのオープ ン性 は, UNI X が追求 していた次の

3 つ条件を基礎に して発達 してきた。

1.ポータビリティ ( 移植性)

2. イ ンタオペラビリティ ( 相互運用性,互換性) 3 .スケーラビリティ ( 規模に依存 しないこと)

移植性 は UNI X OS が特定のマシン以外に も多 くのマシンで も動作で きる

(11)

こと,相互運用性あるいは互換性 というのは UNI X 上のプログラムやデータ が UNI X が動 いている他のマシンで も使え るとい うことを保証す るものであ るし,スケーラビリティはマシンの大 きさによ らず動作可能な ことを要求 して いる

現実に種 々の経営環境で使われているシステムにおいてのオープ ン性 は,

‑‑ ド,ソフ ト以外 に人間機械系のインターフェースも含めて,それ らのイン タオペラビリティの確立を意味す るものでなければな らない。つまり,以下の よ うな相互運用性や柔 らかな互換性を持 っているべ きだ とい う基本要件であ る。

1. どのマシンを使 って も同 じプログラムが動 き,同 じデータの読み 書 きが出来ること。

2. 同 じ標準機能を持っ どの ソフ トも相互交換 して も,同 じように機 能す ること。

3 .どのマシンも,どのソフ トも,同 じや り方で使 うことが出来 ること。

一般に普及 している製品で,オープン性を良 く取 り入れているものに,マイ クロソフ ト社 の Wi ndows とい うパ ソコンソフ トが ある。 この ソフ 卜は, GUI ( グラフィカル ・ユーザー ・イ ンターフェイス) というや り方を用いて,

これまでの他のや り方 と比較 して,かな り良い程度 に上記の 3 つの基本要件を クリア している。今後のオープン ・システムの方向性を明確に示 している製品 である。

2. 5 オープン ・システムを求める意識調査

現在 日本の各企業 は,次の 2つのネライでオープン ・システムを利用 しよう としている。

1.ダウンサイジング (コス ト削減)

2 .経営情報 システムのオープン化

(12)

オープン ・システム市場が提供する製品は機能の標準が明確だ し価格 も安い のな ら,高額の汎用機やオフコンを使 う必要性がないというダウンサイジング の推進 と,経営情報 システムが汎用機やオフコンで構築できない現状を新技術 とそのオープン性に求めている。 日経オープンシステムでは,上場303 社のシ ステム担当者を対象にオープンシステムへの意識調査を している【 表 2 】 ( NOS

4‑93) 。その結果に対する同雑誌の指摘の中か ら主な 3 つを示す。

1.期待する点の各内容を見ると 「 特定のベ ンダーの くびきか ら逃れたい とするユーザ‑の期待がみてとれる」

2. 問題点では,「 対応できる技術者不足は特に深刻な問題 となっている」

3 .新技術主導型で, しか もユーザー白身の知識 と技術が必要 とされてい る点が, これまでのシステム化 とは異なっていることが理解 される これによれば,上場企業では,オープン ・システムの内容が理解 されている と考えることができる。そ して 「 技術者の不足および再教育」が60%に近 く認 識されている。

【 表 2 】オープンシステム‑の意識調査†

オープンシステム

に対 して 内

比率

期 待 す る 点 異機種間のデ‑夕相互運用性が向上する 製品選択の自由が得 られる 6 41 8. .0 . 8 システムの価格対性能比が向上する 35 .6 ソフ トウエア移植性が向上する 33. 2

問 題 点 技術者の不足および再教育 オープンシステムを実現する標準や規格が不備 33.7 58.5 保守作業が複雑一 になる 29 .3

Iそれぞれ 2 つまで複数解答を許 しているので、合計 は1 00%を越えている。

(13)

2. 6 オープン .システムとクライアン ト/サーバー .システム

UNI X OS を搭載 したワークステーシ ョンの普及 に伴 って,オープ ン ・シ ステムは 1 9 8 0 年代後半 に意識 されは じめ, 日本では 9 0 年代 にな って市場が形 成 されたよ うである。 日経オープンシステムの創刊前 1号が 日経 BP社か ら 刊行 されたのは ,1 9 9 2 年 1 0 月で,特集記事 は 「クライア ン ト/サーバー ・シ ステム構築法」だった。まさにオープン ・システムはクライア ン ト/サ‑バー

・システム ( C/S) として市場に出てきたのである。

1 9 8 0 年代のオープン ・システムの推進役 は, UNI X マ シンとパ ソコンの普 及, これ らを繋 ぐネ ッ トワーク技術の‑般化である。さらに重要なことは, こ れ らを駆使 し様 々な工夫を凝 らす創造的なエ ン ドユーザーの集団が形成 された ことである。私は, トフラーのパ ワーシフ トが ここにあると考えている。すな わち,オープン ・システムによってエ ン ドユーザーが主導権を握 ったのだ とo

『 オープンな製品でユーザーが システムを作れるんだとい うことを広めたい。

そのためには, ‥.,成功例を作 って事実をっ きつけること』 という ( NOS9

‑1 9 4 ) のは, この ことを示 している。そ して彼 らが,最終利用者 自身の コン ピュータ活用 とい う概念 『ェ ン ド・ユーザー ・コンピューティング ( EUC) 』 を形成 し, EUC がオープ ン ・システムの起動力になっていると考えるのが, オープン ・システムの進展を考える上で自然であろう

そ う考えれば,汎用機 やオフコンを使 う従来の定型処理 ・集中型 とは違 う,非定型処理 ・分散協調型 に対す る新 しいや り方が,エ ン ドユーザーを中心に C/S として発達 している ことが自然に理解で きる。なぜな ら,彼 らこそが 自立を求めて率先 して企業の 情報 システムの改善に取 り組んだか らだ し,有能な彼 らの存在な くして クライ アン ト利用の文化が形成されなかったか らである。

C/S は,計算力やデータ,プログラムなどを従来のように 1 箇所には集中

しないで,多数のコンピュータに分散配置 しネ ッ トワークを使 ってそれ らを接

続 し協調的に処理す る新 しい計算方式である。 これまでのホス トと呼んでいた

ものはサーバ‑,エ ン ドユーザーが使 う端末 はクライア ン トと呼んで区別す

る。 クライア ン トはサーバーに対 して処理の依頼を行い,サーバーはその処理

(14)

を行 って結果をクライアン トに返す という協調処理方式である。従来のホス ト

・端末方式では,端末はホス トのプログラムを起動 しデータの入力 と結果の表 示をす るだけの働 きしかせず,すべてはホス トで集中処理 されていた。 C/ S

は負荷分散が可能なシステムだか ら,汎用機の様 には超高速である必要 はな い。オープン ・システム市場に出まわ っている市販のコンピュータでかまわな い。多 くの場合 クライアン トにはパ ソコンが,サ‑バーには UNI X マシンや パ ソコンが使われている ( 本書の 4 参照) 。‑‑ ドが市販品であることか ら,

ソフ トも市販品を使 う。最近は,

『プログラムを作 らない, 流通 ソフ トを組み合わせる 』 ( NOS 創刊前 1 号) , さらにはビジュアル開発 ツールを使 ってシステムを開発する

『ノンプログラ ミングで C/S 型アプ リを作 る 』( NOS4‑1 0 2 ) というや り方で E U Cを実現す る方法が好まれ,

『 業務パ ッケージを核にユーザーが システムを作 る 』( NOS1 2‑1 4 9 ) というのはまさにオープン ・システムの醍醐味であろう

ここにはオ フコンの ユーザーにあったような受け身だけの不満( 【 衰 1 】) の可能性がまった くない。

3. クライ ア ン ト/サ ーバ ー ・システム の使 い方

3. 1 クライアン ト/サーバー ・システムの適用分野の分類

クライアン ト/サーバー ・システムでは, クライア ン トマシンを使 うエ ン ド ユーザ‑が重要な鍵を握 っている。『 使い手が主導権を握 りシステム全体を作

り上げる 』( NOS1‑8 8 ) のである。 この意味で,全てをベ ンダーに任せてい

た意識を逆転 し, 自己責任の もとで自立的にシステムを構築す るような意識革

命が必要である。そ ういう文化的ギ ャップ ( 【 表 2 】の問題点第 4 項 目)があ

そのような ことを前提 として C/ S の構築を考えるには,情報 システム設

計の全体像 と C/ S 手法の概念的な位置付 けが明確な っていなければな らな

いO以下 に日経オープ ン ・システム誌で採用 している C/ S 構築法か ら見た

情報 システムの分類を説明する

(15)

まず, C/S に大 きな影響を持 っ2 つの分類基軸がある。

1.定型か非定型か

2. オ ンライ ン ・トランザクション処理 ( OLTP) が多いか少ないか この 2 つの軸を使 って,情報 システムの全体を 4 つに分類す る 【 図 2 】 。

OLT P指向が弱

キ ーワ ード :コス トダウン 中堅企業の基幹業務 Ne t Wa r e +DB+PC4GL , UNI X+RDB+PC4GL

1 9 83

定型

キ ーワ ード : EUC

従来方式で 出来 なか った業務 UNK+

R

DB+ 市 販 の八〇ソ コン 〃 ト

1 9 92 *

・ トワ ード :ダウンサイ ジング 汎用機 の一部、全部 を置 き換 える

t

N Ⅸ十DBサ ーハ●

一十U

NⅨApトr J

一十PC

1904 年か ら

キーワ ード :複雑な処理のオン ラ イン 化 半定型 的な DSS

UNI X+UNⅨAp サーが 十UN一 X クラ イ 7 t /I 未開拓分野

OLT f ■ 指向が強 OLTP: オン ント y

○クショ ソ 処理 日経オープンシステム

創刊前 1 号より

図 2 C/S の適用分類

4 種の分類の特徴付けのため,以下のように番号 とラベルを付ける。

1 E U C指向が強い情報系 システムの実現 2 小型汎用機 ・オ フコンの代替

3 汎用機の処理の負荷軽減

4 高速 ・大容量データの情報系の実現

日本では, C/S の経営現場への実際の適用 は, 1 の 「 EU C指向が強い情

報 システム」分野が最初である。 ここでは従来の汎用機やオフコンでは扱えな

(16)

か ったような非定型の EU C向けの業務が主な もので,マルチメディアの傾向 が強い分野で もある 。2 の「 小型汎用機 ・オフコンの代替え」の分野の開拓が ,1 9 9 3‑1 9 9 4 にかけてはぼ完成 し, 現在 1 9 9 4 か ら 3 の「 汎用機の処理の負荷軽減 」 の分野の C/S 技術の開拓に進んでいるが,既に三菱銀行やセブン ・イ レブン のように先進的な事例I が 4 の 「 高速 ・大容量データの情報系の実現」で も表 れてきている 。1 と 2 の分野ついては ,C/S 技術の普及期 に入 っている ( C/

S システム構築法 : NOS1 3‑1 0 8 ) 0

3. 2 基幹業務系 のC/S

日経オープ ンシス テムの1 9 9 3 年 1月号で は 『 パ ソコンサーバーを軸 に3階 層 C/ Sシステム』 というタ イ トルでC/S システムの構築法を述べ ていた が,1 9 94 年 4月号で は 『2 階層C/Sシステム で基幹系を組む』 とい うタイ トルの記事を書 き, 1 年あまりでC/Sシステム 構築のための市販 ソフ ト製品 が充実 してきた結果の変化である という ( NOS1 3 ‑11 2) 。1 9 94 年時点 で有力 となっているこの 2階層 C/ Sの単純なモデル構 成 図を 【 図 3】に示す。 以下 に,この変化を推進 した次の 2つの要因の主な製品をあげ る。

( 1 ) クライアン ト側の開発ツールの製品化 データベース管理 ソフ ト

EXPRESS Approach Acc es s 開発 ツール

Vi s ualBas i c SQL Wi ndows Power Bui l der

( 2 ) パ ソコンサーバーに入れる DBMS の低価格化

† 日経オープ ンシステム創刊前特別 1 号 ,1 9 9 2 .1 0 .

(17)

0RACLEf orNe t Ware

Mi c ros of tSQLSer v e rf orWi ndowsNT

クライア ン ト/サーバ ー ・システムで は,ネ ッ トワーク OS の選択が必要で あるが,ここで はその議論 は しない。まずサーバ ー用のパ ソコンには,サーバ ー 用 のデータベース管理 システム ( DBMS) の ソフ トとデータベースを入れ る。

多 くの場合,上記の DBMS ソフ トを入れ る。 クライア ン トのパ ソコンには上 記のデータベースを参照 しなが らクライア ン トでの業務 ソフ トを作 るための ソ

フ トを選択す る。

DB サーバー

複 数のパ ソコンクライア ン ト

図 3 単純 2 階層 C/ S

3. 3 オープ ン化の問題点

オープ ン化 は,絶えず新技術 と新製品が出て くるので,常 に未完の状態であ る。エ ン ドユーザー も絶えず新規 な開発 を続 けている。従 って, これまで とは 違 った問題点が 出て くるので,重要なポイ ン トを列挙 しよ う

●新製品新技術のサイクルが短 い

(18)

C/ Sシステムの技術分野 は成長過程にあり,変化が急速であることが特徴 である。数 ヶ月で新製品の登場や価格の変化がある。 したが って技術の標準化 あるいは業界標準に注 目しなが ら, 自社のシステムの選択を行わな くてはな ら ない。

●新技術の学習獲得を自分 自身で行ない,科学的判断力が必要

自社内にこの分野 に詳 しい専門的な 「キーパーソン 」 †を養成 しなければ, システムの企画はおろか,導入か ら運営に至 るまで様々な仕事ができないこと になる。 自社が必要 とするシステム構築の全体像を措 きなが ら,必要 となる積 み木ブロックを想定 し新製品新技術の観測の中でそれ らを見つける努力が必要 である。 この新分野 にはシステムイ ンテグ レーターの専門家 はほとんどいな い。コンピュータメーカーも SI サービスに対価を求める時代であるO 誰がや っ て も必ず成功するとい う C/ Sシステム構築のための方法論 はまだないのが現 状である。

●C/ Sシステムは常 に未完成である

従来のシステムであれば, クライアン トは端末 として位置付けられ,業務 シ ステムの追加が行われて も処理負荷 はほとんど変わ らなか ったが, C/ Sシス テムの中で は,複数の業務 システムを実行す る中核的な役割を求め られ るた め,業務 システムの追加により処理負荷が増大す る

従 って,クライアン トマ シンの性能 をア ップす る必要性が 出て くる可能性が高 い。特 に コス トパ ー フォーマ ンスが急速 に向上 しているパ ソコン市場で は,その可能性が高 くな る。また新技術や新製品は次 々に出て くる。 この意味で,年 々発生するシステ ムの追加や更新 に継続的に耐え られるような準備が必要になる。 4 年間 リース 期間は,現在の技術変化には長すぎると考えた方が良い。

●ユーザー自身が知識を身に付けて可 ・不可の判断ができなければ,オープン システムの成功 はあり得ない

「 『やはりユーザー自身が勉強 しなければダメだ。そ うでなければ今まで通

I 日経オープンシステムで使われている用語

(19)

りメーカーにお金を支払い続 けるか。そのどち らかを選択だ 』( 広島県身体障 害者 リ‑ ビリテ‑ションセ ンター事務局川本哲朗氏 ) 」( NOS1 0 ‑1 1 7 ) 。

3. 4 C/ S のメ リッ トとデメ リッ ト

日経データプロのオープン ・システム 1 の 「クライア ン ト/サ‑バー ・シス テム構築上の留意点」に以下の項 目がある。詳細 は同書を参照 して欲 しいが, 概略は理解できるだろう。

C/S のメ リット 1.拡張性

量的規模の拡張性がある。

業務の質的な拡張性がある。

技術進化に対応す るための拡張性がある。

2. システム化対象範囲の拡大

サーバーの明確な機能分化によって,実現 したい機能に最適なプラッ ト ホームを選択でき, クライア ン ト側の処理能力を活用できる。

3 .経済性

C/S には拡張性 とい うメ リッ トがあるので,現時点で必要な資源,規 . 模 に限定 して運用できる この ことは,集中型の場合の無駄を省けること

を意味す る。

C/S のデメ リッ ト

1. システムの基本設計が難 しい。

2. C/S ではシステムテス トの負荷が高い。

3 .機能的分割が システム資源管理負荷の増大を招 く。

4 .構築スキルを持 った人材の確保が困難である。

5 .市場での製品供給のバ ランスに偏 りがある。

6 .運用上 さまざまな問題を抱えるマルチベ ンダ‑環境。

(20)

3.4 C/S の従来型汎用機 とのコス ト比較

日経データプロのオ‑プンシステム 1 「 オープンシステム構築時のコス トの 考え方」か ら,オープン ・システムでの構築 コス トが従来型の汎用機で構築 し

たもの と比較 して,相対的にどのような関係 になるかを表に している。表の概 略だけであるが,オープン ・システムでの構築のおおよそのコス トの傾向が掴 めるであろう

【 表 3 】オープンシステム構築時のコス トを従来型汎用機 と比較表

項 目 コス トの推移. 理 由

ハー ドウエア,ソ 下が る マルチベ ンダーが一般的になり競争原理が働

フ トウエア製品 いた結果,製品が低価格化 している

アプリケーション

開発 簡単なもの 下がる 数削減が可能 ビジュアル開発 ツールなどの使用によって工 GU Ⅰの要 求 の 同等か下が る 要求内容 にもよるが難易度が高 く,一般に工 高いもの,分散

度の高 いもの 数が増えるoテス ト工数 も増加す る

設置場所 下がる オフィス環境に設置でき,専用のコンピュー タ室が不要.機器 も省スペース型が多い

通信 Ⅰ SDN を利用 同等か下がる い分けることで通信 コス トが削減で きる トラフィックに応 じて専用回線 と Ⅰ SDN を使 6 4 Kbps 以上の 上が る 回線ス ピー ド上, リモー ト LAN 接続 として 専用回線を多用 望ま しい方法だが,通信 コス トは大 きい

連用人件費 上が る 分散化が進むとネ ッ トワーク監視, トラブル 切 り分け作業が増加 し要員が必要 となる

教育費 上がる オープ ンシステムには自社要員の教育が欠か せないoメイ ンフレ‑ム育ちの要員の再教育, エ ン ドユーザー教育の必要性が増す

3. 5 オープンシステムのコス トダウンに成功する方法

オープンシステムな ら常にコス トダウンが可能であると考えることは,間違

いである

多 くの場合,ハー ドの価格 は下が るが, クライア ン トのパ ソコンの

(21)

数は増えつづけることが予想 される。また安い市販品のソフ トといって もクラ イアン トの数だけソフ トを用意 しな くてな らない し,情報 システム系の場合 に は,複数の種類のソフ トを用意すること普通であろう

単品では安いが システ ム全体では意外にも予算がかか るのである。以下は, 日経オープンシステムの 中に出てきている 『 成功の ヒン ト 』( NOS1 0‑1 3 6 ) であるが, これだけで も 十分に役 に立っであろう

1.大 きなシナ リオを措 きつつ,小 さく生んで大 きく育てる

2. 水平展開で システムが拡張できるように配慮す る。

3. 利用部門が システム ・コス トを負担する。

4. 単一の製品 ・技術で片付けようとしない。

5. 既存の常識にとらわれず,最新情報で製品 ・技術を選択す る。

6. ファース ト・ユーザーのメ リッ トを最大限に生かす

7. プロ トタイ ピングに時間 とお金をかける。

8 .優れたアイディアやノウ‑ウにはお金を惜しまない。

9 .手にいれた資産はとことん使い切 る。

4. 日本での先進例

自社の情報系 システムや業務系 システムを,オープ ン ・システムでダウンサ イ ジングす ると, 予算は一般 に半額か ら 3 分 1 になると言われている。 既 に 2.

1 で紹介 したジェーソンでは58 分の 1 という劇的なコス トダウンを実施 してい

話には聞いていて も,現実に見なければ,実感で きないものである

オー

プン ・システムのようにこの数年で普及 しているものであれば,なおの ことで

あろう

以下 日経オープンシステムに掲載 された事例を 3 つ紹介する0

(22)

4. 1 長野原機器I

パ ソコ ン LAN による先駆 的な生産管理 システムで あ る。 システムの大 き な特徴 として現場のデータ入力を‑ ンディスキ ャナーで機械読み取 りに した こ

とが大 きな効果を表 している ( NOS1 4‑1 36 ) 。

資本金 : 200 0 万円 社員数 : 5 5 名 売上高 : 5 億 円

業務 :精密機械加工部品組み立て, 電子機器,ソフ トウエアの設計 ・加工 システム名 :生産管理 システム

タイプ :定型,小規模

用途 :受発注,生産計画,組み立て,エー ジング,納品管理 稼動時期 : 1 99 2 . 2

ベ ンダ‑ :東京電気

サーバー : J‑3 3 0 0 /5 0 ( 東芝) クライア ン ト: PC‑98 0 0 シ リーズ

ネ ッ トワー ク OS:Net War e2. 2 ( 英語版) 主要 ソフ ト:ル ・クロー ン (ソア ・システムズ)

概要 :以前 「メーカーに勧め られ るままに,オ フコンと生産管理パ ッケ‑ジ

・ソフ トを導入 した。資材所要計算 も行え るはずだ った。が誰 も使わず,注文 伝票発行 マ シンとして しか機能 しなか った」 との理 由か ら,オ フコンの最大の 問題 だ った入 力作 業 をバ ー コー ド応 用 の CI M ( Comput e rI nt egrat ed Manuf act ur ei ng) システムを取 り入れ, 4G工 」のル ・クロー ンでアプ リケー

シ ョンを開発 した。結果 は, システム導入の効果 は目に見え る形で現れた。部 品在庫が金額で 3 割減 った。資材部 のキ ッビング専任者が 4 名 か ら 1 名半 に

† 日経オープ ンシステム no. 3 1 99 3 . 6

(23)

減 った。部品の納入業者 に対 して も確実な指示が出せ るため,納期が守 られる よ うになった。 これ以外 にも,その 日の生産金額をパ ソコン上です ぐ把握で き るようになった。

特徴 :生産管理 システムをパ ソコン LAN だけで構築 した もの として先駆 的である。ユーザーの希望を入れ るため,開発 はベ ンダーとの共同開発 とい う 形で行われたとい う 。 多 くの場合生産管理 は難 しいとい うが, C/S では可能 であるし,効果 も高い。

4. 2 ベテル I

『コス トはオフコンの 3 分の 1,機能 と使い勝手に自信あ り』 というタイ ト ルでベテルの システムが紹介 されている。キーワー ドは,ア ップサイジング,

EU C,パ ソコン LAN である

資本金 : 20 00 万 円 社員数 : 5 0 名 売上高 : 1 3 億

業務 :精密型金, プ レス加工,ブラシチ ック成形,電設資材 や電子部 品の設計 ・製造

システム名 :生産管理 システム タイプ :定型,小規模

用途 :受注処理,部品所要量計算,入庫処理, 出荷処理,生産計画変 更処理

稼動時期 : 1 9 9 3 . 3

ベ ンダー :オムロン,データゼネラルなど ホス ト: AV35 0 ( オムロン データゼネラル) 端末 : PC‑9 80 0 シリーズ 1 0 台

I 日経オープンシステム no. 4 1 9 9 3 . 7

(24)

主要 ソフ ト: I NFORMI X‑4 GI Jを使 ったアプ リケーシ ョンとパ ソコ ン上の C言語による制御 プログラム

概要 :社 内のば らば らのパ ソコンを LAN で結んで, UNI X マシンの情報 を共有 した生産管理 システムである。主 なアプ リケーションは, UNI X 上 の

4 GL 言語で開発 された 1 3 0 本である。特徴 は,富士通のオ フコン K シリーズと 生産管理用 パ ッケー ジをベースに した約 2 0 0 0 万 円 とい う富士通 の提莱を, こ の方法で 7 0 0 万 円とい う低額予算で実現 した ことである。

特徴 :オ フコンの くびきか ら逃れ られずに,数千万円 もの出費を重ね る企業 が多 い中で, この工夫 には目を見張 らせ られ る。経営上 の必要性を満た しなが らコス トを下 げるために,既存の古いパ ソコンを活用す ることに し, クライア ン ト・サ ーバ ー方式で はな く UNI X 集 中型 のホス ト端末方式 にな っている が,オープ ンシステムの基盤である業界標準の Et he r ne tLAN になっている か ら,今後 Wi ndows 対応のパ ソコ ンの追加す ることは可能である。今回構 築 された業務系の システムの上に情報系の システムを C/S 方式で実現するこ

とが今後の課題 になるであろう

その場合の追加 されるコス トは極めて少な く てすむ とい うオープ ンシステムの特徴を活かす ことがで きる。

4. 3 ジェーソンT

社員数 : 3 7 0 名 売上高 : 1 8 2 億円

業務 :ディスカウン ト・ス トア ( 店舗数 11 ) システム名 : JNET‑LAN システム

タイプ :定型 ・非定型,小規模 用途 :受発注,経理など

I日経オープンシステムno. 9,1 99 3 .1 2 ,およびno. 1 5 ,199 4 . 6

(25)

稼動時期 : 1 9 9 4 . 3

サーバー : I BM PC 互換機

クライア ン ト: I BM PC 互換機, PC‑9 8 0 0 シリーズなど ( 約 3 0 台) ネ ッ トワーク OS:Ne t War e3.l l

DBMS:Ne t War eSQL ( ノベル)

主要 ソフ ト: dBASE , Exc e l ,Q+E , Vi s ualBas i c , Qui c kBas i c

概要 ・ .約 7 7 万件の商品マスター,約 1 6 8 万件の売上マスター,約55 万件の原 価マスター。 1 日の発注件数 は約 5 万件の処理を富士通の汎用機 M7 6 0 / 4 ( MM :1 6 MB , HD :5 . 4 GB) で処理 していたシステムを, 3 台のサーバーと 3 0 台のパ ソコンクライアン トにダウンサイジングした。汎用機の年間 リース料 が約 7 0 0 0 万円であったのを新 システムのサーバ ーのハ ー ドとソフ トの買い取

り価格が約 5 0 0 万円と,大幅なコス ト削減を実現 した。

特徴 : C/ Sシステムとしては,最新の単純 2階層 システムであること。 自 分で部品を購入 して組 み立てたパ ソコ ンで汎用機を リプ レース した こと

図 4 ジェーソ ンの システム構成 1 9 9 3.1 1 現在

(26)

ジェーソンの社長太 田氏 は 『 今 まで コンピュータ ・システムはメーカーにいい ように してや られ,無駄な コス トを払わされて きた』 とい う思いか ら, システ ムをユーザ ーの手 に取 り戻 したい と考えている。『 結局ユーザー主導でや る し かない』 とい うのが太 田氏の結論で あ る。 ジェー ソ ンの システム更新前後 を

〔 図 4 〕 〔 図 5〕 に示す。

図 5 ジェーソ ンの新 システムの概要

5. 小樽地 域企 業 で の コ ン ピュー タ利 用状況

我が国の情報処理 あるいはコンピュータ利用の包括的な実態調査が毎年通商

産業省 によ って行われてい る† 。 ところが,分類項 目が従来 の汎用機 中心 の考

え方 で編纂 されて いること, コ ンピュータの範 囲 にパ ソコ ンが含 まれて いな

い, また システムの構成,接続の仕方, ソフ ト構成 など,現在進行 中の企業内

情報 システムの リス トラを確認す るデータが ほとん ど無いに等 しい。一方, 冒

経 BP社 は,1 989 年のア ンケー ト調査 で 4 万 2 千社 の うち 5 千社 か ら回答を

I通商産業省編 「 我が国情報処理の現状」平成 4年度調査,大蔵省印刷局,平成 5年

(27)

受 け取 っている.回収率 は 1 1 .9% しかないが,一般 にコンピュータシステム のような内容のア ンケー トに答えるには,かな り専門的な知識 と面倒な作業が 必要 となり敬遠 されることが多いか ら,回収率をあげることは難 しい。 こうし た状況の中で,小樽地域企業の状況を全国 レベルの動 きと比較 し,その社会学 的考察を加えたいと考え資料を探 したが,わずかに小樽市が 1 9 89 年 に行 った 調査Ⅰがあるのみであった。 これは古いデータで, しか も分類が通商産業省の 分類 に従 っているので,小樽地域企業の実態に合 った情報が得 られていない。

小樽地域企業の コンピュータ利用実態をっかむため ,1 9 9 4 年秋,市内の製 造業,流通業,運輸業の企業か ら 1 0 0 社あま りを無作為に選んで,経営責任者 とシステム担当者 との対面でのア ンケー ト調査を行 った。対面に した理由は, 回収率の向上 とア ンケー ト記入内容の標準化井のためである 。2 2 社か らは拒否 という形でまった くデータが取れなか ったが,面接によって回収率は7 8% とい うかなり良い結果 となった。今回の調査では,企業活動 とコンピュータ利用の 概略を調べ ることを主な目的としたので,‑ー ドとソフ トのシステム構成の具 体的データまで踏み込めなか った。また資本金,年間売上額,利益など経営の 内容に踏み込まれるのを嫌 う企業や,女子学生へのセク‑ラ的な言動があった りは したが,おおむね理解が得 られたもの と考えている。 システムの中身につ いては,言葉の上での説明に終始す る所が多かったが,構成図や価格表まで見 せて もらえた所など様々であった。学生達 は, これ らのデータを論文 としてま

とめている* 。

5. 1 小樽市内の製造業のコンピュータ利用調査結果

流通業や運輸業は規模の大小で極端な差があり,全国的な企業の営業所や店 の場合ではアンケー ト調査の内容その ものが無意味で, この場合には日経 コン

Ⅰ小樽市役所企画推進室 「 情報関連機器の利用意向 ・実態調査結果報告書」 ,1 9 8 9 .

#項 目の内容が何を意味 しているのかが,ユーザーごとに違 って理解 されることが多い

*佐藤亜希子,小野町子,上野大樹 「コンピュータ利用実態調査 一小樽市内の企業 ( 疏

通業,製造業,運輸 ・倉庫業) ,1 9 9 4 年」 ,小樽商科大学卒業論文 ,1 9 9 5 . 1.

(28)

【表 4 】小樽地域の製造関連企業 の コンピュータ利用状況

業 種 資本金 年間売上 従業員数 システムタイプ リース

千万円 億円 月額万円

1 食料品 .たばこ産業 1 . 0 不明 2 5 パソコン 2 . 0 2 食料品 .たばこ産業 1 . 0 1 6 . 5 0 1 2 0 パソコン 1 3 . 8 3 鉄鋼業 . 4 . 5 5 8 . 2 0 1 0 4 C/S システム 2 4 0 . 0 4 食料品 .たばこ産業 5 . 1 2 1 . 6 7 1 1 5 オフコン,パソコン個別 4 1 . 0 5 食料品 .たばこ産業 2 . 0 1 6 . 0 0 1 2 0 オフコン 7 0 . 0 6 食料品 .たばこ産業 3 0 . 5 3 4 . 0 0 8 6 オフコンと システム PC の C/S 2 0 0 . 0 7 属製品製造業 非鉄金属製造業 .金 0 . 5 0 . 8 0 6 NC 工作機 2 0 8 . 0 8 鉄鋼業 0 . 8 1 . 4 0 l l パソコン 1 . 0 9 石油製品 .石炭製品 製造業 1 3 . 0 7 5 . 0 0 2 7 0 オフコン 1 8 0 . 0 1 0 その他の製造業 1 8 . 0 1 9 . 5 0 6 2 オフコン,パソコン個別 5 2 . 0 l l 非鉄金属製造業 .金 属製品製造業 4 . 0 7 6 . 0 0 2 8 0 オフコン 5 0 . 0 1 2 その他の製造業 2 5 . 0 不明 4 0 0 オフコン,パソコン個別 1 2 . 0 1 3 食料品 .たばこ産業 4 5 . 5 1 3 0 . 0 0 6 1 0 汎用機,オフコン

1 4 産業 出版 .印刷 .同関連 0 . 3 3 . 0 0 2 4 パソコン 5 2 . 0 1 5 食料品 .たばこ産業 1 . 0 不明 4 5 パソコン 1 . 5 1 6 石油製品 .石炭製品 5 , 0 8 . 9 0 3 6 単純 2 階層 C/S システ 9 . 4

製造業 ム

1 7 繊維工業 6 . 0 3 9 . 7 4 1 3 1 オフコン ,CAD/CAM 9 8 5 . 0

1 8 非鉄金属製造業 .金 属製品製造業 6 . 6 2 7 . 0 0 1 4 7 オフコン,パソゴン個別 4 2 . 0

1 9 輸送用機械機具製造 莱 0 . 8 0 . 7 0 6 使っていない 0 . 0

2 0 食料品 .たばこ産業 9 . 7 8 0 3 8 0 オフコン 1 6 0 . 0

2 1 鉄鋼業 3 0 . 0 6 8 5 1 2 9 オフコン 2 6 0 . 0

2 2 非鉄金属製造業 .金 属製品製造業 1 0 9 3 . 0 8 0 0 1 0 0 0 不明 不明

2 3 非鉄金属製造業 .金 属製品製造業 2 . 0 1 8 1 1 0 パソコン 1 6 . 0

2 4 非鉄金属製造業 .金 属製品製造業 3 . 2 不明 1 2 2 オフコン,パソコン個別 不明

2 5 食料品 .たばこ産業 不明 不明 1 0 3 オフコン 4 0 . 0

2 6 その他の製造業 1 . 0 1 . 9 2 3 パソコン 8 . 0

(29)

ピューク等の調査や記事 を参考 にす るのが良 い と考え, ここで は,小樽地域 の 地域性 に注 目す るために地域的な製造業 の状況 を報告す る。有効回答 は 27 社。

【 表 4 】 に結果 の概要 を まとめて表 に した井 。今 回製造業 として調査 した企業 の業種分類 は,通商産業省Iの分類 に従 った。

コンピュータを企業経営 に使 っている企業で は, ほとん どがオ フコンを使 っ ている。 従業員規模で は , 5 0 名を越え るとオ フコンを導入 している傾 向が あ り, それよ り少 ない とパ ソコ ンである。パ ソコンとオ フコンが同居 してい る場合が かな りあるが,多 くの場合統合化 されていないでバ ラバ ラの状態であ った。互 換性がない とい う回答が ある企業 もあ った 。Ⅰ . AN を使えば互換性が取 れ るも のだが, LAN につ いて はこれか ら考え るとい う企業 も数件 あ った。 しか し, 現在 LAN 計画が進行中の所を除いて は, LAN をオープ ンシステムの中で意 識的に構想 している所 はなか った。汎用機利用の典型的なタイプの企業が 9 で あ る。端 末数 40 とい うと小樽 で はか な りなユ ーザ ーで あ る。 プ ログラム は COBOL と簡易型言語 を使 い,全 て 自社開発 だ と胸 を張 って答 えて くれた。

しか し非定型の経営分析 などのためには, いちいち COBOL で プ ログラムを 作 るので は非効率だろ うと思 って,いろいろなツールがパ ソコンであ るのだが と伺 うと 『 上役 は紙で出さない とね』 とい う回答であ った。経営のテ ンポがそ れ ほど速 くない企業のよ うに感 じた。企業内の事務関連 の情報処理のための コ ンピュータ利用で共通的な部分を述べたが,以下 に, これ らの企業 とは違 った 使 い方の企業を説 明す る。

1.汎用大型機 は 1 3 と 2 2 の企業で使われていると聞いているが,それが設置 さ れている場所が他府県 にあ り具体的な状況 は聞 くことが出来なか った。全 国規模 の企業 と考え ることがで きる企業で,小樽の地域的な企業 とは言 い 切れない。

2 . コンピュータを生産装置 として利用 している企業が ある。 7と 1 7 の企業で

#買 い取 りの場合 は, トータル金額を 5 0 で割 った価格で リース欄 に記入 している

†前節脚注 と同 じ

(30)

ある 。7 の企業 は小 さな会社ではあるが, 数値制御工作機械を使 っていた。

リース料の大部分 はこの機械のための もので,一般の情報処理 には使われ ていない 。1 7 の企業 は服の製造加工 メーカーで, CAD/CAM として高 額の切断装置が使われ, この装置の経費が リ‑スの大部分を占めている。

一般の情報処理にはオフコンとパ ソコンが使われいる。

3. コンピュータを生産のための情報処理業務 として使 っている企業がある。

設計にかかわる業務である。 3 は鉄工業で,鋼材の設計図面作成に CAD

シス テ ムが 導 入 され UNI X マ シ ンが大 量 に導 入 され, それ らが TCP/I P のネ ッ トワークで相互接続 されている.小樽市 内で も随一の UNI X マシン設置企業である。情報処理業務用 にオフコンがあ り,ネ ッ

トワー クでパ ソコン Wi ndows か ら DB 検索 などの C/ S システム と なっている 。 1 4 の印刷業の企業では,印刷業界のシステムが導入 されてネ ッ トワークが始 ま ってい る。経営の情報処理部分の 占め る割合 はまだ小 さ く,今後の C/ S システムの展開が楽 しみなところである。

5. 2 クライアン ト/サーバー ・システムの企業

以上の企業の中で明確な形でのクライア ン ト/サーバー ・システムを取 って いる企業 は,企業番号 3 , 6,1 6 の 3 社のみであった。それぞれ特徴的な C/

S 利用を している。

・企業 3 の例

企業 3 はオーソ ドックスな C/S システムで多数の EWS とオフコン 2 台 と 1 0 台程度のパ ソコンがイーサネ ッ ト LAN に接続 され,オ フコンとパ ソコン が WS/EML とい うエ ミュレータで接続 されてい る。一部 Ne t War e サー

バ ーが入 っている。主 なシステムには,資材管理 システムと財務管理 システム に分けてシステムが構築されている。生産工程の進捗管理および設計変更など 修正をいかに行 ってい くかが今後の課題であるとい うことだった。

・企業 6 の例

企業 6 では, C/S システムの構築中である。 この会社では事務所が札幌,

(31)

工場が小樽 にあ る。それぞれの場所 に LAN が敷設 され, ビジネスサ ーバ ー ( 従来のオ フコ ン) とパ ソコ ンサーバ ー ( Net War e サーバ ー)がセ ッ トで接 続 され, LAN の核 とな る。それぞれの ビジネスサ ーバ ーは I SDN で接続 さ れ,全体 として 1 つのネ ッ トワー クにな る予定 とい う 。 現在 までオ フコンを中 心 と した システ ムが続 いて い るが,オ ブ ジェク ト指 向 プ ログラムTの採用 に よって出来 る限 りパ ソコンに置 き換えたい意向である。そ うなれば完全 に単純

2 階層 C/S システムになる。今回の新 システムの導入では,情報の共有が 目 的であるとい う。オ ブジェク ト指 向プログラ ミングとい う言葉が聞けた唯一の 企業であ るOまたオブジェク ト指 向はオープ ンシステムの EU Cで重要 な役割 を果 た してい く概念であ るか ら,それに言及で きるキーパ ーソ ンの存在 は, こ の企業の今後の展開を豊かにす るだろ うと思われ る。

・企業 1 6 の例

企業 1 6 は企業 6 と比較 して,資本金が 6 分の 1 ,売上額 は 4 分の 1,従業員 数 は半分弱であ るが, 情報処理 システムの リース額で は, 実 に 2 0 分の 1 であ る。

しか しなが ら,経営上十分 な情報 システムを単純 2 階層 C/S システムで構築 したばか りであ る 【図 6 】。 旧システムは,取 り引 きなどで関係す る各企業が 必要 とす る情報をすべて盛 り込んだので,それな りの考えではあった と思 うが 過剰 な情報 システムであ った との反省か ら,今回の新 システムで は,無駄な情 報を全部切 り落 と した とい う。 ソフ トに関 して も,旧システムで は全部 自社の 設計 に合わせて作 った ことがかえ って良 くなか った との反省か ら,全て市販品 を採用 した とい う。市販品を使 う場合, とか く自社の伝票や帳票作成 に馴染 ま ない とい う拒否反応が起 こるのだが, この企業 は 『 服を体 に合わせ るのではな く,体を服 に合わせ るべ きだ』 と考えている。 この意味 は 2 つあるだろ う 0 1 つ は市販品 は安 い。 コス トダウン効果が大 きい。 2 つ 目は,特殊 な社 内情報処 理や システム とな らないよ うに,オープ ンな情報 システムを 目指す とい う効果 がある。 このどち らの効果 も追求 しているよ うに見え ることは,実 に頼 もしい

T ビジュアルプログラミングやノンプログラミングなどを 指 している らしい。

(32)

と感 じた。 これか らの中小企業での C/S システム展開のモデル と考え られ る 意欲的な企業であ ると感 じた。

市販品を徹底的 に利用す る。 ここにオ ープ ンシステムの神髄が あるよ うに思 う

とことん コス トをか けないで も十分 な情報 システムが作れ る。それ は 4 . 3

の ジェー ソン社長 の考え方で もある し,PBA 社長の新井氏 は 『オープ ンシス テムの価格 は決 して安 くはない と言 う人がい る。そんな ことはな い 。 " 安 くで きない' 'ので はな く,正 しいや り方 を ̀ ̀ 知 らない' 'だ けだ』Ⅰと語 って いる。

情報 システムの効果 は,それにか けた金額ではない。知恵の量で決 まるよ うに 思 う 。 コス トダウ ンを徹底 させよ うとすれば,市販品を使か うために企業の体 質改善を迫 られ るはずだ。その改善の方 向が経営のオープ ン化を促 し,結果 と

して システムのオープ ン化 につなが るとい う良 い循環 に入 ることだろ う

今回,小樽の各企業の状況を見 ると, 日々の生産 に汲 々として,情報処理 シ ステム‑の改善 に心を向けていない。 【 衰 1 】の不満をぶちまけた り,新 しい ことを したいのだが コス トがかか るので将来の計画だ とか,現在 の機械 に互換 性が ない とい う不満で あ る. それなのに企業 1 6 以上 の リース金額 を平気で支 払 っている。オープ ンシステムの新技術を使 い こなす努力が必要 とされている

よ うに感 じる。

5. 3 残 された議論,その他

情報を得 るには, この分野の学術的な取 り扱 いは情報処理学会 の機関紙 「 情 報処理」 に もない。電子技術的, UNI X アーキテ クチ ャ的な, あるい はイー サネ ッ トやイ ンターネ ッ トなどの取 り扱 いはあるが,個別の製品を使 った具体 的解説 など論文 はない。 この分野の情事削ま,市販の 日経 コンピュータやオープ

ンシステムなどの雑誌 に頼 ることが最適 の方法のよ うである。参考文献が偏 っ ているのは,その理 由である。 しか し, これ らの雑誌を丁寧に読み,具体的に

ⅠNOS1 0‑1 1 4 .

(33)

サーバーマシン

P C‑ 98 2I AP / U2

図 6 企業 1 6 の C/ S システム構成図

自分で試 してみれば,必要 な程度の SI e r にはなれ るであろ う。 日経オープ ン システムで も力説 していのが,教科書 はないということだ った。今だに手探 り の状態 なのである。多 くの場合,製品のベ ンダー も他 の製品 と組み合 わせて 使 った経験が少 ないので,まさにケースバイケースという状態である。

1 994 年末か ら 1 995 年 にか けてオ ープ ンシステムに関す る レクチ ャーや フェ

アーなどが開催 され, 日経以外か らもオープ ンシステムに関す る一般向けの雑

誌が刊行 され,情報が入手 しやす くな って きているので, しだいに改善 されて

い くと思われ る。

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事務用情報 システム投資の方程式

小樽地域企業のコンピュータ利用のデータを分析 していた ら,従業員数 とコ ンピュータの事務処理利用のコス トとが相関関係が意外にもあった。平均的に は

リース月額 ‑0 . 4 ×従業員数 ( 万 円)

とい う方程式である。パ ソコングループとオフコングループとでは経営サイズ が違 うので同一 には論 じられないが,企業 9 はパ ソコングル‑プの中で も際 立 った投資がある。やがてダウンサイジングによって,上記方程式の係数が下 がる可能性があるので,今後の動向を注 目したい。

企業秘密 とシステムの改善

ア ンケー トで 「 他 と比較 して特徴 は何か」 とい う調査項 目を用意 していたの だが,ほとんどの答えが 「 他所 は知 らない」だった。どうも情報 システムは企 業秘密のように扱われ,思われているようであった。 これは非常に興味深いこ とである。確かに一連のデータが同業他社などに知 られることには,かな りの 抵抗があるだろうということは予想が付 くが,方法論にもそのような気分があ るらしい。確かに伝票や帳簿を見れば,データフォーマ ッ トが予想 されるし, 品物 コー ドや客先 コー ドを見ればデータベースのイ ンデ ックスや桁数か らその 大 きさも予想で きる。 しか し,それで秘密めいたことになるとはとて も考え ら れない。本当の原因は不明であるが,予想するに,その企業独 自の手作 りシス テム開発にあるのではなかろうか。 この裏返 しとして 『 他所ではどやっている のか』 とい う興味 も内々にはあるように見える

オープンシステムでは,変化が極めて激 しく, しか もこの変化が継続的であ

る。 これで終わ りということはない。従 って自社で も研究 し,他社の経験をず

けずけと活かすようなことくらいはや らないと,急激な リス トラが進んでいる

経営情報 システムのテンポに追い付 けないだろう

小樽の遅れた状況を早期に

取 り戻すには,相互に研究 しあってキーパーソンを育てることが極めて重要で

ある。小樽内の企業の調査で,システムの構成図や機種選定理由などの情報を

参照

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しかしながら、世の中には相当情報がはんらんしておりまして、中には怪しいような情 報もあります。先ほど芳住先生からお話があったのは

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